03/08/28 独立行政法人評価委員会労働部会(第3回)議事録         独立行政法人評価委員会 労働部会(第3回)議事録                        平成15年8月28日(木)                        13:30〜15:52                        経済産業省別館共用第944会議室 出席者:井原部会長、今野委員、篠原委員、竹内委員、寺山委員、古郡委員、     本寺委員、横倉委員 1.開会 ○井原部会長  定刻になりましたので、ただいまから第3回独立行政法人評価委員会労働部会を開催 させていただきます。委員の皆様方にはお忙しい中をお集まりいただき、まことにあり がとうございます。  今回は、保原委員、松田委員、村山委員がご欠席です。  本日の議題は、勤労者退職金共済機構の中期目標案、中期計画案、業務方法書案につ いて審議することになっております。  この建物は温度設定がだいぶ高いところにあるようですので、上着をとって取り組ん でください。  それでははじめに事務局より本日の議事の進め方について簡単に説明をお願いしたい と思います。 ○山田政策評価官  資料につきましては、あらかじめお送りさせていただいておりますけれども、本日は 勤労者退職金共済機構の中期目標・計画案等についてのご審議ということで、まずはじ めに、法人の概要についてご説明したあと、中期目標の柱立てに沿いまして、(1)業務 運営の効率化に関する事項、(2)国民に対して提供するサービスにの他の業務の質の向 上に関する事項、(3)財務内容の改善に関する事項、3つのグループに分けて具体的に 目標、計画の内容についてご説明をさせていただきまして、それぞれ説明のあとにご審 議を行っていただく、こういうやり方で本日は進めたいと考えています。  審議のポイントといたしましては、前回と同様でございます。これから目標、計画と いうものに沿った形で評価作業をやっていただく際に、果たしてこの内容が具体的な評 価の尺度となり得るかどうか、そのあたりも是非ご審議いただきたいというふうに考え ております。  なお、法人の具体的な業務方法の要領を記載した業務方法書についてもそのあと、併 せてご審議をいただきたいと思っております。  以上でございます。 2.審議 (1)中期目標案、中期計画案の概要について ○井原部会長  それでは早速ですが、勤労者退職金共済機構の中期目標案、中期計画案の概要につい て説明をお願いします。  具体的な目標、3つ分けてやりますけれども、つながっているところもございますの で、あとで総合して議論する時間を設けたいと思います。お願いいたします。 ○蒲原勤労者生活課長  勤労者生活課長の蒲原でございます。お手元の資料3−1は機構の概要、3−2が中 期計画の概要、3−3が中期計画の概要、3−4が目標と計画の対照表、3−5が業務 方法書、最後に参考資料ということで、説明の用に供するわかりやすい図表をつけてお りますので、適宜使いたいと思います。  冒頭、各パートの説明に先立ちまして、私から機構の業務について、第1回のご説明 と若干重複しますが、これから中身の説明に当たりまして、基礎となるべき事項を重ね てご説明した上で、中期目標、中期計画について大雑把にポイントをご説明したいと思 います。 最初に資料3−1の2ページ、ご記憶の先生方もおられると思いますが、こ の中小企業退職金共済制度といいますのは、大きく、一般の中小企業を対象とする部分 と、特定業種に短期間雇用する方々を対象とする部分、2つに分かれています。後者の 特定業種は、3業種が指定されておりまして、建設業、清酒製造業、林業となっていま す。  2ページの真ん中の図で、一般の中小企業退職金共済制度の仕組みというところで、 主として左側の勤労者退職金共済機構がどういう仕事をしているかということをもう一 度ご説明したいと思います。  この制度は、右側の中小企業事業主が加入することになっていますが、金融機関を通 じて加入し、その上で掛金を、これは個別の労働者ごとに決まっているわけですが、そ れを払うという形になっています。その上で、勤労者退職金共済機構では、最終的にそ の労働者が退職した場合に、その請求を受けて退職金の支払いを行うという制度です。 ですから、機構側からすれば、加入関係の事務と退職金支給の事務が大きな柱になりま す。  3ページは、特定業種退職金共済制度の仕組みです。大きな流れは似ていますが、違 いを中心に説明します。同じように、中小企業事業主が、勤労者退職金共済機構と加入 契約を結んで入るわけですが、この際、勤労者退職金共済機構は、各県単位に、例えば 建設業であれば建設業関係の団体がありますが、そういう団体を機構の支部として位置 付けておりまして、その地方支部が加入のときの手続きをやっています。一方で、退職 金の支払いは短期間働く労働者の方々ですので、この業界を退職するときに退職金を貰 うわけですが、その退職金支払いの関係も地方支部が窓口となっています。そういう意 味で、地方支部があるということが一点、先ほどの中小企業一般のところとは違う点で ございます。  併せて、特定業種のほうは、短期間の雇用労働者と申しましたが、事業所をいくつか 変わっていく関係で、この人たちについては、加入のための手帳を個々人に持ってもら うという仕組みになっていまして、働いたときにはその手帳に働いた日にちに証紙とい う形のものを貼ってもらう。証紙を貼ることによって掛金を払うという形をつくりまし た。こういう仕組みです。一般の中小企業のほうはまさに銀行口座から掛金がおりてく るわけですが、そこが大きく違っておりまして、このへんも後ほど説明の中で触れさせ ていただきたいと思っています。  以上、大きな仕組みを申しましたが、実はこの退職金共済機構が特殊法人改革の中で 議論されたときに、独法になるのか、あるいは民間でもできるんじゃないか、こういう 議論がありました。結論においては独法になったわけですが、そのときの議論をちょっ とご紹介いたしますと、この仕組みが中小企業の労働者の退職金を充実させるというこ とで、いってみれば、大企業であれば、自分たちでつくっているところが、中小企業の 場合はなかなか独自でそこまでできない。あるいは普及が遅れているという実態を反映 して、中小企業の労働者のためという政策目的のためにやっていう制度であります。民 間ではそうした目的のためにこういうことをつくっていくというのはなかなか難しいだ ろうということが一つございました。  併せて、独法の趣旨ですが、公共でやる必要性から的確にその事務が行われるものを 対象にしているわけですが、民間企業、あるいは民間の非営利団体等の場合は、例え ば、非常に限られた地域だけでこの手の共済制度をつくることはあり得るかもしれませ んが、全国を対象にしてこうした仕組みをつくるというのはなかなか期待できなし、現 実にそういうものはないというところも一つの理由となりました。  また、制度の安定性、給付の確実性という点からも、国の制度として仕組んで、一定 の国庫補助を出すという仕組みの中で、確実に退職金が払われる。制度の安定性も担保 されるという点が大事だという議論があり、民間ではなかなかそこまではできないん じゃないかというようなことから、この議論については、独立行政法人としての形態で 運営していくことが適当であろうと判断されましたし、現時点でも私どもはそういうふ うに考えているということでございます。  4ページで、確認ですが、3の財政状況だけご説明いたします。  一番下の欄の資産総額ですが、一般の中小企業のところが約3兆円の資産、建設業が 約1兆円の資産を持っている。以下、清酒製造業、林業は少し少ない額になっていま す。  下から2段目の累積利益金、これはいってみれば、将来払うべき退職金の額に応じた ものがちゃんと積み上がっているかどうかという趣旨とご理解いただければ結構です が、一般のところは累積で2300万余の欠損が出ている。一方で、建設業、清酒製造 業については黒字超過、林業が6600万ほどの欠損となっています。この点は、中期 目標、中期計画の中で累積欠損金の処理という項目に関係してくるのでご説明申し上げ ました。  以上のような業務状況を前提として、全体像をご説明いたします。  資料3−2をご覧ください。目標についてポイントだけ申し上げます。  中期目標の期間につきましては、法律上は3年から5年を目途と書かれていますが、 この制度は非常に長期の制度ということもございまして、4年半としております。  2番目の柱、業務運営の効率化に関する事項。ここのところは後段の部分がポイント ですが、一定の経費、一般管理費等の経費について、平成19年度の額を特殊法人の最 後の年度の平成14年度の額に比べて13%節減する、という目標を立てています。  対象経費につきましては、一般管理費がまず対象になります。これは人件費を中心と する一般的な管理費です。併せて、契約締結とか退職金給付といった制度の中心であ り、定型的な業務については、国費を財源とする運営費交付金を財源とするということ になっていますので、その部分についてもこの削減対象にするということで、一般管理 費及び運営費交付金を充当する退職金共済事業経費を対象にして13%削減という目標 を立てています。定常的にいくつか組織の関係なり、事務処理の効率化などについては 目標として盛り込んでおります。  3番目の柱が、サービスの質の向上という部分です。ここの大きなポイントは、これ も後段で、各制度について、機構において新規加入者数の数値目標を具体的に定め、そ の上で、それを達成するためにいろんな措置をとるように、ということを盛り込んでい ます。 4番目の柱は、財務内容の改善に関する事項。これは先ほど説明いたしまし た、一般の中小企業の退職金、及び林業の退職金について累積欠損があるということで すが、この2つの事業については累積欠損金の解消に向けて計画をつくって着実に実施 するということで目標として盛り込んでいます。  以上、ポイントを申しましたが、これを受けて資料3−3で、機構がつくります計画 の概要を簡単に全体像だけご説明いたします。  資料3−3の第1 業務運営の効率化に関する目標です。2のところで、業務運営の 効率化に伴う経費節減とありますが、これは先ほどの目標とほぼ同じ文言ですが、一般 管理費等の経費について、対14年度比で19年度経費を13%削減するということを 入れております。具体的にどんなことをやるかということが1の効率的な業務運営体制 の確立というところに書いてあります。例えば、人の面で、年4回研修をするとか、業 務の進捗状況をきちっと把握するための会議の定期的な開催、あるいは、先ほど少し触 れましたが、地方支部があるところは地方支部との連絡で時間なり、事務のコストがか かるということがありますので、オンライン化という形で事務が円滑に進むようなこと も考えていきたいということです。併せて、システム開発の外注化ということも盛り込 んでいます。  第2 サービスその他業務の質の向上についてですが、これも、サービス向上と、加 入の促進と2つありますが、サービスの向上では、いろんなことを計画で盛り込んでい ますが、例えば、※にありますように、事務の処理期間について、現行それぞれ一定の 期間かかっているわけですが、それを短縮するということを具体的な数値として盛り込 むこととしております。併せて、ホームページで情報提供なり、加入者からの照会・要 望の対応結果を公表することにしております。  続いて、サービスの質の向上の大きな柱の2つ目で、加入促進対策です。ここも具体 的な目標を4つの事業ごとに数値設定をしています。その上で、あとで具体的な計画内 容のところでご説明申し上げますが、例えば、関係の団体との連携、加入促進月間の設 定等々、目標実現のための手法、手段を具体的に書いているということです。  第3 財務内容の改善に関する事項。 ここは一般の中小企業退職金共済と林業の共 済事業について、収益改善、経費節減に関する計画を策定し、それを着実に実行するこ ととして、これもあとで詳しく申し上げますが、累積の欠損金の処理のために、機構と してできるところについては具体的な数値目標を挙げるということで、例えば、加入促 進対策、これは先ほど別のところで出てきました加入促進対策を通じた収入の確保、あ るいは、経費の節減、このへんについては既に申し上げましたような観点からの数値目 標を盛り込んでいます。  併せて、資産運用について、基本方針をつくる、また、外部の専門家によって評価を 受け、適正かつ健全な資産運用をするということを盛り込んでいます。  第4で、その他として、積極的な情報収集、建設業退職金共済事業の適正化、これは 指摘事項に対する対応を盛り込んでいるということです。  以上が業務の関係と中期目標、中期計画の粗々の柱ということでございます。 (2)業務運営の効率化に関する事項について ○井原部会長  それでは、具体的な目標、計画の審議に移ります。「業務運営の効率化に関する事項 」についてご説明をお願いします。 ○蒲原課長  それでは引き続きまして、資料3−4、横長の左右対照の表ですが、これに基づきま して、目標について少し細かく申し上げまして、併せて、本日、機構から来ております 宮田から、計画の中身を具体的にご説明申し上げます。  1ページ目の左ですが、第1の中期目標の期間は、先ほど申しましたとおり、平成 15年10月から平成20年3月までの4年6ヵ月とするということです。  第2の業務運営の効率化に関する事項  1 効率的な業務運営体制の確立 (1)効率的かつ柔軟な組織編成・人員体制の確立  資質の高い人材を広く求める。      研修の充実、資格取得の奨励、人事交流の推進、ということを定性的な形で      目標として持ち込んでございます。 (2)内部進行管理の充実  組織的かつ定期的に業務の進行をチェックしていく。 (3)事務の効率的な処理  電子化、ペーパーレス化も含めて効率化を図る。 (4)外部委託の推進  一般的に外部委託を推進するとともに、一般中小企業退職金             共済制度のシステム開発については外注化をする。  2 業務運営の効率化に伴う経費節減   これは先ほど概要版で説明したとおりで、一般管理費等の経費について13%削減 するというものを目標に盛り込んでいるところです。  続いて、具体的な計画の盛り込み状況について、宮田からご説明申し上げます。 ○宮田総務部長  ただいま紹介をいただきました勤労者退職金共済機構総務部長の宮田でございます。 よろしくお願い申し上げます。  では、私から中期計画の内容をご説明申し上げます。  資料3−4の右側半分に書いてあります内容ですが、まず最初の1 効率的な業務運 営体制の確立の(1)効率的かつ柔軟な組織編成・人員体制の確立については、先ほど 説明のありました目標の方向を目指して、例えば、イ、ロ、ハのハの部分「職員の資質 の向上を図るため、毎年度少なくとも4回程度、企業会計、資金運用に係る研修を実施 すること」としております。これにつきましては、私ども、金銭を扱う仕事でございま すので、特に会計処理業務を担当する職員も多うございます。また、資金運用を担当す る職員もおりますので、それぞれ担当分野についての専門的な外部の研修を受講し、そ の能力アップを図っていきたいと考えております。  また、ニの部分で「幅広い職務経験という中で、年金資金運用機関等との交流を図る など、内外の人事交流を行う」としております。これについては、私ども、先ほど説明 申し上げましたとおり、機構全体で現在約4兆円の資金を保有しております。この資金 の運用の重要性はますます高まっておるところでありまして、その運用スキルを高める ためにも同じように資金運用を行っております年金資金運用機関等とできれは相互に交 流をしたいと考えておりまして、今後、この面について検討に入りたいと考えておりま す。 (2)内部進行管理の充実については、当然この計画の進行管理するために、適切に対 処していくわけですが、特に私ども、加入者さらには、退職金の支払い、さらには資金 の運用等、数字がはっきりと出る業務でございますので、四半期に1回、その数字の確 認をし、現在の業務の状況をしっかりと確認しつつ、さらに計画達成に向けて改善する など、内部進行管理をしっかりと行って参りたいと考えております。 (3)事務の効率的な処理については、毎年度、事務処理の効率化については、今後も さらに点検、見直しを行っていくわけですが、ここではその中で特に大きな見直しを現 在考えているものを1点申し上げたいと思います。それはロで、個別事務処理手続きの オンライン化を行い、事務の効率化を図る、というところです。これについて若干ご説 明申し上げますと、特に、機構と建設業退職金共済事業に係る業務委託先とのオンライ ンの整備を16年度末までに行うということで、先ほど申しましたとおり、建設業の退 職金につきましては、建設業界の方々のご協力をいただかないと進まない業務でござい まして、現在、東京の本部と全国47都道府県には必ず建設業協会という組織がありま して、その建設業協会は建設業者の方がよく来られる場所となっていますので、その建 設業会館の中で私ども、建設業退職金共済事業の事務につきましても業務委託を行って おりまして、具体的には、その各県の建設業協会へ出向けば、その場で建設業退職金共 済の加入ができ、そこで手帳も交付される。また、退職金の請求も各県ですれば東京の 本部まで来るという体制になっております。ただ、これについて、各県の協会と私ども 本部は郵便とファックスでやりとりをしておりまして、その分どうしても事務処理に時 間がかかっておりましたので、このたび、委託先と私ども本部の間をオンラインの回線 で結んで業務をより効率化したいということを考えております。 (4)外部委託の推進についてですが、業務の外部委託を推進し、事務を効率化し、経 費を削減することについては、全般で進めて参りたいと思っておりますが、その中でも 一つ特に大きな外部委託と考えております、ロ 一般の中小企業退職金共済(中退共) 事業におけるシステム開発業務について、事務処理の安全性、効率性等を確保しつつ、 計画期間内に外注化するということで、退職金共済について、現在本部に大型コンピュ ータを持っておりまして、この入出力によって各種業務を行っておりますが、その入出 力のコンピュータ管理、即ち、退職金共済制度が法律改正等に基づいて逐次制度が変わ りますので、そのたびにコンピュータのソフトウェアの改修、改善を行うわけですが、 そのコンピュータのソフト開発の部分、従来職員が行っていたものを外部の専門業者に 外注化することにより、その分の職員数を削減し、経費の削減につなげたいと思ってお ります。  2 業務運営の効率化に伴う経費削減  先ほど、勤労者生活課長がご説明申し上げたとおりでございます。ここで、お手元の 資料の最後に参考資料をつけておりますので、1ページをご覧ください。一般管理費な どの経費の削減について、棒グラフでお示ししております。一般管理費についてはこの ように推移しておりましたが、このたびの計画に基づきまして、13%の削減を図りた いと思っています。その削減の具体的実施の方策として、・外部委託等の推進による人 員の削減 ・職員の給与水準の引き下げによる人件費の削減 ・業務運営の効率化に伴う事務費の 削減、の3点によって、経費の削減につなげたいと考えております。  以上でこの部分の説明を終わります。 ○井原部会長  ありがとうございました。ここまでのところでご質問等ございましたら。 ○古郡委員  建退共のオンライン化ということですが、そうしますと、清退共と林退共についても 同じようなことが可能かと思いますが。 ○宮田総務部長  清退共につきましては、各県の酒造組合に委託しております。また、林退共につきま しては森林組合に委託しております。それぞれオンライン化については費用がかかる関 係上、酒造組合、森林組合との関連で現在のところ、費用対効果の関係でオンライン化 は現在のところは考えておりません。加入者数が少ないものですから、そこまでの事務 経費の余裕がないということであります。 ○古郡委員  もう一点ですが、加入促進と経費節減ということで数値目標を掲げていらっしゃいま すが、そのことによって累積欠損金はどの程度解消できるという見通しはなされている んでしょうか。 ○蒲原勤生課長  累積欠損金のところについてはあとで詳しくご説明させていただくことになっていま すので。ただ、一定の試算においてはある程度は改善するということになっています。 ○篠原委員  内部進行管理の充実ということで、四半期に1回やるということになっていますが、 この中には業績というか、効率化等々の検討も行うということでしょうか。この会議と いうのはどういう組織というか、委員会をつくるのでしょうか。 ○宮田総務部長  この会議で現状の数値を分析しつつ、業務の進め方の改善について協議して参りたい と思っております。会議の形態につきましては、私ども機構内部の者でしっかり行いた いと考えております。 ○篠原委員  外部委託の推進ですが、当然、外部委託を推進して効率化すれば経費の節減になると 思うんですが、そのへんの金額とかパーセントは出せないか。また、ロでシステム開発 業務が挙げられていますが、それ以外には具体的には挙げられないのかどうか。 ○宮田総務部長  特に大きな外部委託はこれでございまして、これについては外部委託をするに当たっ て試算をいたしまして、1年で約3800万円の経費節減につなげられると考えており ます。これ以外の細かいさまざまな外部委託につきましては、試算はまだしておりませ ん。 ○篠原委員  システム開発業務を外部委託するということですが、これは人員削減につながるんで すか。 ○宮田総務部長  これにつきましては、これまで職員で開発を担当する人間がおりましたので、その者 も給付支払業務、関連業務を経験しております。というのは、現場を知ってこそいいソ フトが組めるということで、内部でソフト開発をしたことは有意義であったと思ってお りますが、今後はその職員は機構の他の場所に配置転換をします。総体としては試算の 上では、今後退職する者の不補充ということで、この関係職員分ということで8人の削 減を行っていきたいと考えております。 ○竹内委員  聞き漏らしたのかもしれませんが、13%の数値目標が出てきた根拠があったら教え ていただきたいと思います。それから、2つ目は、効率化を進めていく上で、柔軟な人 事体制ということで、新しいシステムを開発したり導入したりする場合に、専門家が中 にお見えになる場合もあるし、お見えにならない場合もあるので、人事の場合、横の交 流だけでなくて、内外含めてその分野の人材を集めるというようなことをお考えになっ ているんでしょうか。 ○蒲原勤生課長  13%の根拠でございますが、これはひとつは、独法制度を実際にやっていく中で、 業務の効率化というのが大きな眼目であるということで、政府全体で独法ができるので あれば、それなりのしかるべき水準のコスト削減をやるべきだという声が非常に多うご ざいまして、その声を反映して具体的な数字を担当の役所から言われていることが一つ でございます。ただ、私どもといたしましては、この制度の中で一方で中小企業の労働 者の福祉の向上ということで、この制度への加入を促進していって的確に実現されると いう面も必要でございます。一方で業務の効率化も必要なので、両方を見ながら、制度 がもともと目指していた政策目標を達成しながら、効率化をいかに図るかということ で、ぎりぎりの内部的な検討を行いまして、先ほど説明がありました、一定の人件費の 削減、事務費の削減等、あるいは給与水準の引き下げ等を組み合わせることで、サービ スの向上を図りながら、ぎりぎりできる範囲ということでこの数字を出したということ でございます。 ○宮田総務部長  私から機構の人事の問題についてお答え申し上げます。委員のおっしゃるとおり、私 ども専門的な知識を要する業務がたくさんございます。システム開発につきましては、 チームを組みまして、経験者が若手を指導しながらこれまで対応してきましたが、実は 資金運用の部門につきましては、本当に専門的な知識がいるもので、私ども機構内部の 職員だけでは、特に近年対応が難しくなりつつあることを自覚しておりまして、いわゆ る一般の職員採用とは別に資金運用の専門家、いわゆる金融関係の方ですが、これにつ きましては、近年2名ほど別枠で経験のある方を中途採用いたしております。 ○篠原委員  細かい話になるかもしれないんですが、年4回程度、企業会計、資金運用等の専門 的、実務的な研修をするということですが、もうちょっと進めてというか、いまの資金 運用もそうだと思うんですが、外部の資格制度がありますが、例えば、簿記3級を何名 が取るとか、そういう形の目標というのはできないでしょうか。 ○宮田総務部長  そのへんは、この文章にもございますが、研修実施のあとに、当該分野の資格取得を 支援する、ということで、先生おっしゃるとおり、職員の資格取得を支援して参りたい と考えております。 (3)国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項について ○井原部会長  よろしゅうございますか。後ほどまたまとめて総合的に議論する時間をとりたいと思 います。  それでは次に、第3 国民に提供するサービスその他の質の向上に関する事項につい て、お願いします。 ○蒲原勤生課長  それでは先ほどと同じように、目標については私からご説明いたします。 資料3− 4の2ページの下からですが、  第3 国民に提供するサービスその他の質の向上に関する事項についてですが、  1 サービスの向上として、(1)加入者の負担軽減で、申し込みの際の諸手続き、 あるいは提出書類の合理化等を進めて、加入者の負担の軽減を図ること。(2)意思決 定・業務処理の迅速化ということで、もちろん厳正な審査をすることが前提ではありま すが、できるだけ処理期間を短縮する。具体的には事務手続きの効率化、担当者の審査 能力の向上等を図りながら、処理期間を短縮する。(3)情報提供の充実、加入者の照 会・要望への適切な対応等、ということで、ホームページ等を活用していろんな情報提 供をする。あるいは、加入者の方々からの照会、要望にきちっと対応して、その結果に ついては公表を行う。  2 加入促進対策の効果的実施  実際にこの中小企業向けの制度が広がっていかな いと制度の目的を達成できないということで、ここは非常に重要なポイントだと考えて おります。そのため、中小企業退職金共済制度の加入促進対策を具体的な目標を定めて 実施するということです。その際、各制度いろんな状況がありますが、各事業ごとの加 入状況、あるいは財務状況等も勘案して具体的にその目標を決めていく。  以下、具体的な中身につきましては、宮田部長からご説明いたします。 ○宮田総務部長  それではサービスの向上についてご説明申し上げます。  3ページの1 サービスの向上の(1)加入者の負担軽減についてですが、加入者の 負担軽減のため、イ 各種手続き、提出書類の合理化を図る観点から、その手続き等に ついては、毎年度1回以上見直しをしたいと考えております。  ロ 加入契約や退職金給付に係る電子化の検討を行う。これは政府全体の電子政府構 想の中で、電子申請というのが政府全体で取り組まれています。現在、私ども機構にお きましては、加入者から各種申請については、電子申請はまだ開始をしておりません で、文書で申請をいただいております。これについては、若干事情がございまして、ま ず加入のときについては、口座振替をする関係上、銀行の口座確認が必要であること。 また退職金の支払申請では、受給される労働者の方の本人確認のために住民票の添付、 さらには退職金額が高額になる方については印鑑証明書を添付していただく等、業務上 避けられない添付書類等もございますので、業務上の必要性と、加入者の負担軽減を兼 ね合わせて、望ましい形を今後とも探っていきたいと考えております。  ハは、私どもホームページを開設しておりまして、そのホームページから諸手続き用 紙のダウンロードは今後もさらに進めて参りたいと思っております。 (2)意思穴決定・事務処理の迅速化  これについては、具体的に何日以内に発送す る、支払うということを書いておりますので、参考資料でわかりやすくご説明をしたい と思いますので、参考資料の2ページ「事務処理の流れ」をご覧ください。  私どもの事務処理の流れをみますと、まず、加入受付事務については、現在は受付か ら発送まで、加入者数によって、企業規模の大小でチェックの手間に差があって、もっ と早くできるところも多いようですが、中期計画上何日以内と表現しますと、最大で 26日ということになっていますが、これを23日以内で処理をしたいと考えていま す。  どうしてこんなにかかるかといいますと、加入いただく場合には銀行の口座確認が必 要ですので、必要書類は口座確認のあと、銀行から機構に送られてくるというシステム にしております。加入会社が手続き書類を銀行に提出したときが提出日となって、そこ がスタートとなります。銀行は口座確認の上、書類が東京本部に送られてきます。私ど もは企業の従業員の方それぞれに掛金は5千円から3万円まで自由に選択ができますの で、その掛金の額の確認ほか各記載項目を確認の上、コンピュータに入力し、共済手帳 を発行して発送をします。ここまでの流れを最大26日かかったものを、3日間短縮し たいと考えております。  また、退職金支払いについても、機構の本部で受付をしておりまして、これについて も各種の審査を行います。特にここで重要なところは、部内決済・本人確認のところが 加入とは若干違うところでありまして、これにつきましてご本人から口座振込の依頼を 受け、その確認のために、振込みの10日前に「何月何日に指定の口座にいくら振り込 みます」というおしらせをします。それを含めて、現在、受付から退職金支払まで最大 30日かかっているところを25日以内に短縮したいと考えております。  いま申しましたのが、一般の退職金共済事業で、これは本部一括でやっているわけで すが、建設業、清酒製造業、林業につきましては、先ほど申しましたように各県の建設 業協会、酒造組合、森林組合が受託をしてやってくれていますので、3ページにありま すように、加入受付事務は1日以内となっていますが、これはそこの建設業会館へ行け ば、その日のうちに加入申込ができるという形になっています。建設業等については口 座引き落としではございませんで、まず、手帳を取得していただいて、あとはその手帳 に証紙を貼っていただくということになっていますので、手帳交付は即日行うことにし ております。  そして、退職金支払いについては、現行45日かかっています。これは各県協会との 関係で、退職される際に各県の協会に手帳を提出されますと、それについて簡単な チェックを行い、私どもの本部に郵送してきます。  先ほど、オンラインについてご説明申し上げましたが、例えば、建設業につきまして は、現在最大で45日かかる場合があるんですが、これをオンライン化しますと、30 日以内で退職金の支払いができるようになります。しかし、先ほどご質問がありました が、清酒製造業、林業の事業につきましては当面オンラインは考えておりませんので、 そうなりますと、これについての短縮措置は苦しいのですが、各種の努力を通じて39 日以内にもっていきたいと考えているところです。  以上が、審査・処理期間についての努力のご説明でございます。  もう一度、対照表にお戻りいただきまして、 (3)情報提供の充実、加入者の照会・要望等への適切な対応等で、イ ホームページ の活用による情報提供。さらにこれからはディスクロージャーがますます必要になりま すので、資産運用、財務に関しても積極的に情報を公開して参りたいと考えておりま す。  また、ロ ホームページ上で各種照会・要望等についても迅速に対応して参りたいと 考えております。  2 加入促進対策の効果的実施ですが、(1)加入目標数として、この計画期間中 に、(1)中退共制度 (2)建退共制度 (3)清退共制度 (4)林退共制度、の4つの制度に ついて具体的な人数を掲げています。4年半のトータルとしてこれだけの人数の新規加 入を達成したいという計画でございます。この数字の根拠は参考資料の4ページ「加入 目標数設定の基本的考え方」を掲載しております。 1 新規加入者数や事業所数が減少している中、基本的には過去5年間における新規加  入者数の平均を維持していくことを目標とする。  私どもの共済事業は、国の後援を受けて法人でやっておるわけですが、強制適用の保 険ではございませんので、あくまでも加入は任意でございます。そういう中にあって、 この経済不況の中で新規加入者数は多少のでこぼこはございますが、バブル崩壊後、 徐々に新規加入者数は減少傾向にございます。そういう中にあって、図の上の部分、斜 線を引いて努力部分と書いてありますのは、最近の減少傾向だけから行くと、下の白い 部分だけになりがちなところを、平均をとるということは、この傾向に歯止めをかけ て、現状よりも努力をして平均まで取るという趣旨で、私どもとしては精一杯の加入目 標数としているところをご理解いただきたいためでございます。 2 累積欠損金をもつ、一般中小企業退職金共済事業及び林業退職金共済事業について  は、さらに目標数を高くしている。  この両事業につきましては、将来的な準備金の資金量が計算上と実際の資金量の間で 赤字が生じていることから、将来的にはこれを改善しなければいけないわけでございま して、そのためにも、より多くの方に加入をしていただくという努力は欠かせないと考 え、中小企業退職金共済と林業につきましては、さらに若干の努力分を加えておりま す。  5ページをご覧いただきますと、これは最近の新規加入者の状況です。中退共につき ましては、減少傾向が見られます。建設業については、あまり減っておらないんです が、これは手帳発給者数は建設労働者の数に影響を受けまして、一時的にいま少し増え る状況にありますが、今後は建設業においても厳しい状況が考えられますが、その他、 ご覧のような状況でございます。  もう一度、対照表にお戻りいただきまして、この計画期間中のトータルとして、中退 共制度では159万人、建退共制度においては75万人、清退共制度においては 1000人、林退共制度においては13500人という加入目標数を定め、これを目指 して、内部進行管理の会議のメインの議題はこの加入目標の達成ということで、加入促 進に向けての議論もしっかりと行っていきたいと考えております。 (2)は(1)の加入目標を達成するための対策の実施ということで、5ページにその 対策を種々掲げております。これまで実施してきた加入促進対策を今後さらに強化をし て実施していくということで、イ 広報資料による周知広報活動 は当然として、さら に、ロ 各種会議、研修会等における加入勧奨等  この会議を通じての勧奨というの が、国の後援を受けた制度であるということで、官公庁の方々の会議の場で私どものパ ンフレット等を配布し、さらには説明時間をいただくということで官公庁の後援を受け て進めていく制度だという趣旨からも、会議における加入勧奨にこれまで以上に取り組 んでいきたいと思っております。  また、関係事業主団体ということで、特に、建設業、清酒製造業、林業につきまして は事業主団体の協力なしには立ち行かないわけで、そのために各県の建設業協会等に業 務を委託しているわけですので、関係事業主団体の加入にも積極的に取り組んで参りた いと思います。  さらには、ハ 個別事業主に対する加入勧奨ということで、私ども、民間の方々に相 談員、普及推進員という形で加入勧奨の活動をしていただいております。これらの方々 を通じての加入勧奨活動を今後もさらに積極的に進めて参りたいと思っております。  ニ 集中的な加入促進対策の実施 としては、毎年10月を加入促進月間として、ポ スターをつくっておりますので、交通機関の駅、あるいは官公庁等で退職金共済の加入 促進月間のポスターをお気にとめていただければと思う次第でございます。  ホ 他制度と連携した加入促進対策の実施 (1)厚生労働省の協力を得て、適格退職 年金制度から中退共制度への移行を促進するための周知広報や勧奨を組織的に展開する とともに、より一層の移行促進をするため、適格退職年金を受託する生保、信託銀行と の連携を強化する。  これは、皆様方ご承知かと思いますが、税制適格退職年金制度というのは、しばらく 前の法律改正で、加入確定拠出型及び確定給付型の年金等に移行することになっており ます。税制適格退職年金制度そのものは、現在幅広く各会社がお持ちですが、今後10 年以内に確定拠出型年金、あるいは確定給付型年金、その他、いくつか行き先があるん ですが、それらに変更するようにというように法律が改められました。この税制適格退 職年金の移行先のひとつとして、私ども、中小企業退職金共済事業へ移行していただく ことが可能でございます。実際、昨年1年間で約2万8千人の方々の年金制度を中小企 業退職金共済事業に移行していただきました。ただ、この移行については、私どもの制 度の難点は、過去勤務掛金ということで10年分を掛けることができますが、それ以上 前からの分はお受けすることはできないことになっておりまして、できれば、制度を改 正していただければ有難いんですが、現状ではとにかく10年分はお受けできますの で、会社から過去10年分を一遍にお持ちいただいて、今後掛けていただくという形で 私どもの制度に移行をしていただくわけで、現在、適格退職年金制度は、生保あるいは 信託銀行が受託をして、会社と契約をしてやっているわけですので、生保さん、信託銀 行さんに、個別具体的ではございませんが、中退共制度への移行についても是非ご検討 いただきたいということで、普段からお願いとご説明をしているところでございまし て、これについては今後10年というスパンもございますので、一層力を入れて私ども への移行をしていただけるように努めて参りたいと思っております。  以上でこの部分の説明を終わります。 ○井原部会長  ありがとうございました。それではただいまのところに関してご質問をどうぞ。 ○古郡委員  参考資料の5ページのタイトルですが、これは勤労者退職金共済事業における、とい うふうにかえていただいたほうがよろしいんじゃないかと思うんですが。それで、これ を見ますと、新規介入の状況、必ずしも減ってないように思うんですが、4ページの図 の新規加入者数、平成10年度から14年度で一律に減っていっているようなグラフを かいていらっしゃるのはあまり正確ではないかと思います。  それから、中退共のところで、平成12年度に加入者がすごく増えているんですが、 これはどのような要因が働いたのか、聞かせていただきたいと思います。 ○蒲原勤生課長  表題のところで、中小企業退職金共済事業における、とあるのは、いまの特殊法人、 あるいは今後の独立行政法人の団体の名前は勤労者退職金共済機構なんですが、法律の この事業は中小企業退職金共済事業となっていますので、事業としてはこちらのほうが いいかと思います。それはおくとして、4ページのグラフは、考え方のモデルとしてつ くったものでありまして、現実のところは、先ほど説明もありましたが、たしかにでこ ぼこがございます。非常に典型的な姿は一番下の林退共なんかは、11年度はちょっと 多いですけども、その後は減ってきています。中退共はたしかに12年度で大きく伸び ていますが、全体を均してみると、減少傾向にある中を平均をとったということであり ます。12年度増えている要因については部長から。 ○宮田総務部長  これについては実は非常にわかりやすい理由がありまして、私ども退職金共済事業に 加入されますと、最初の1年分だけ国庫から新規掛金助成がつくことになっておりま す。実は12年度が多いのは、13年度から掛金助成の率が下がったということがあり まして、12年度が高率の最後の年だったので、掛金助成率が下がることについては 黙っているわけにいきませんので、早めに説明をした関係で、それが素直に出たかなと いうところがございます。 ○寺山委員  私は保健医療の関係が専門でこの点については門外漢なんですが、ちょっとわからな いので出掛けにホームページを見てきましたが、はっきり言うと貧弱というか、情報が ないなあという感じを受けまして、4ページに、ホームページ等を利用していろいろな 対応を盛り込んで国民へのサービスを向上させる、とあって、これは大変期待するわけ ですが、その中で、4ページの(3)のハ、相談業務を懇切丁寧にやって、その結果の 満足度をユーザーの方に聞くというのは、私ども保健医療分野、教育分野では学生に授 業の満足度を聞いて、さらに努力するというようなことをよくやるようになって、これ は私どもにとっても勉強になるんですが、中期目標で漠然とそういうふうに書いてある のはわかるんですが、中期計画で、具体的で懇切丁寧に対応するというのは、一体どの ようにやって、どのような結果になるのか、そのやり方はどうなのか。マニュアルを作 成するだけではなくて、ユーザーからアンケートをとってそれを検討するとか、次の業 務に役立てるとか、もう少し具体性があっていいのかなということを感じましたが、い かがでしょうかということと、4ページの加入促進対策の実施ということで、(1)から (4)まで広報活動をたくさんすると書いてあるんですけれども、中期計画で4年半経っ たときにこの点でどういう効果が上がったかという判定する側に立ってみますと、先ほ どの加入率が上がったという結果はわかりますけれども、その方法論については、非常 に定性的な、周知徹底するとか、効率よくとか、効果的な、という形の記述ですので、 こういうところは、全部を実施するのか、何を優先的に実施していけば効果が上がるの かというようなことは、どうお考えになったんでしょうかということと、2点でござい ます。 ○宮田総務部長  相談業務につきましては、本部に相談対応セクションがございまして、ものすごい数 の来所者もございますし、電話による相談もものすごい件数がございます。先生おっ しゃるとおり、いまマニュアルを作成して対応しておりますが、その対応結果につきま しては、ご指摘を踏まえてよく考えてみたいと思います。  加入促進対策につきましては、ここに書いてある以上にたくさんのことをやっておる 中で、ここには特に力点をおいてという気持ちで書いたのですが、さらに強調すべきと ころは強調し、メリハリをつけてやりたいとは考えております。 ○篠原委員  加入者数の増加の内訳で、適格退職金年金制度から移った人というのがありました が、それ以外は集中キャンペーンとか、あるいは他の補助金制度によるものとか、そう いう分析はされているんでしょうか。 ○宮田総務部長  加入につきましては常日頃から一種私どもの営業活動のようなものですので、いろい ろと苦労はしておるんですが、どの活動によって何人というのは、なかなかつかみきれ てないところがございます。 ○井原部会長  その点について、加入しないのは、よく制度がわかってないせいなのか、それとも、 わかっているんだけども、事業者が合理的な基準で加入しないほうがいいよと考えてる のか、そのへんはどうなんですか。 ○山下業務運営部長  率直に申しまして、最近の状況では、中退共制度があるということは承知しているの は7割から8割程度あると。にもかかわらず、加入したくない理由は、企業が明日の経 営をどうしようかという、そういう企業が多いということは現実的にあると思います。 とは申しましても、経済状況に大きく左右されるわけですが、経営者が退職金共済事業 の必要性を理解されているところも結構ございますので、そういったことを踏まえて加 入促進をやっているという状況です。一番大きな原因は掛金の負担がどうなのかという ことが大きいと思います。 ○井原部会長  促進策というのはそれを踏まえて考えないといけないんじゃないですか。 ○篠原委員  退職以外で、掛金を払えなくなって解約に近いような会社とか、そのへんの比率とか 分析っていうのはないんですか。要するに、退職による場合と、もう金を払えなくなっ たから解約してその時点で金を貰う場合の分析はされているのでしょうか。 ○宮田総務部長  私どもは基本的に、会社単位で入っていただきまして、会社を退職された方に退職金 を支払うという形ですが、会社単位で脱退するということも認められておりまして、そ こは数字がございます。例えば、昨年14年度の数字では、約37万人の方が退職され まして退職金の給付を受けておられますが、うち退職という形で給付を受けておられる 方は35万人、会社としての解約は2万7千人です。 ○篠原委員  加入者数が増加させるために、その業界に新しく入ってきた人数あるいは脱退した人 数、総数とか、そういう関連の分析、数値はあるのでしょうか。 ○宮田総務部長  産業別とか規模別とかいろいろ。 ○篠原委員  従業員数とか、新たに入ってきた人数とか。我々が評価する際には、目標に対してど うだったというよりは、そのへんとの兼ね合いでやらないと適切に評価できないんじゃ ないかと思いますが。 ○宮田総務部長  そのへんは私ども業務統計でいろいろ、産業別、企業規模別等々、統計資料はまたご 提供申し上げたいと思います。 ○本寺委員  加入促進のところで、周知広報活動は何のためにやってるかというと、加入者率を上 げようということで、いろんな業種団体があるにしても、業種として落ちてきてる業種 と、成功してる業種とあると思うので、端的にいえば、サービス業種とか、情報産業系 というのが伸びている業種だと思われる。そういう意味では、すべての業種をあまねく というのではなくて、加入者が増えそうなところに対して力点をかけてやることも必要 かなということを感じます。  もう一つ、人数だけで目標数を書いてるんですが、いま企業には正規社員から短期間 のパートとか、あるいはフルタイムであっても短期雇用とかで、給与の単価は落ちる傾 向にあるんだと思うんですね。そうなってくると、企業として掛金の単価が落ちる可能 性があるんじゃないかと。そうなると、加入数はこの人数を確保できたけれども、機構 としてあげている運用の金額自体が落ちてしまう、そんな現象が起こらないのか。4年 半で起こるかどうかわからないんですが、一瞬そんなことも思ったんですが、そのへん はいかがでしょうか。 ○宮田総務部長  おっしゃるとおりで、私どもそこは苦労しておりまして、例えば、帝国データバンク でしたか、といったところの新規創業企業のリストによるDM作戦とか、いろいろと、 業種を絞った作戦もしておりますし、また、全国ではなくて、地域別に、例えばある県 の団体とタイアップをしてその地域だけに力点をかけてPRする等々、いろいろと知恵 を絞っているところでありまして、これからも知恵を絞って参りたいと思います。 掛 金につきましては、先生のおっしゃるとおり、私ども5千円から3万円の間で自由に選 べますので、掛金月額を上げる方もおられますし、下げる方もありますので、そこはト レンドには出ないかと思います。いま手元の資料でみますと、幸い、単価はいま1万円 をちょっと超える程度なんですが、少しずつ上がっておりますので、これは想像です が、苦しい企業は掛金を下げれば機構にとどまれるんですが、苦しくなると、掛金を下 げるよりも解約という方向に行かれる場合が多いのではないかと思います。これは想像 であります。私どもとしては、掛金を下げていただいてもなるべく中にとどまっていた だきたいとは思っております。 ○今野委員  新規加入者数がこういう形で増えたとして、完成年度にストックとして加入者数はど のぐらい増えると予想されているんですか。  最終的には機構としての中期目標で一番重要な点は資金量がどれだけ増えたか、その 背景にどれだけ加入者が増えたかということ。それとともに準備金の問題、つまり、財 務体質がどれだけ適正かというのが一番重要なターゲットだと思うんですね。準備金の ほうはあとのお話になると思うので、量的な問題としては、人よりも金かもしれないと 思うんですね。そうすると、人については、新規の数字は出てるわけですから、ストッ クとして最終的にどの程度増えるかは想定されてると思うので、それと、ついでに、も し資金源についてもこれぐらいということで、目標として考えていらっしゃるんだった ら教えていただきたい。たぶん、それはつくらなきゃいけないんじゃないかと思うんで すね。そのときに変な数字を出すと、自分の首を締めますよね。ですから、そこはきち っとアロアンスを合理的に考えながらつくらないといけないかなというふうに思いま す。 ○蒲原勤生課長  一つは、新規加入が一定の前提で入っていまして、たしかに、数値計算、試算の過程 で脱退等も入れております。それで、いまの試算では平成19年度末で被共済者の数は 約260万人となっています。いまは259万人です。 ○今野委員  現状維持で頑張るということですか。 ○蒲原勤生課長  減っているところがぎりぎり補われると。新規加入数が先ほどありましたが、本当に 減っているところを5年平均にして相当頑張るんですけども、最近の脱退の傾向を前提 に将来の脱退も見ていますので、何もしなければ、脱退でどんどん減っていくところ を、これだけ新規加入をやってほぼ横這いのところにもっていくということです。 ○今野委員  資金量は難しい?その前に、予想の数字をここに出すんじゃなくて、目標だから、あ くまでも中期目標とその中期計画ですから、ちょっと乱暴なことを言うと、どういう計 算をしようが、こちらとしてはそんなのは勝手にやってくださいと、もしかしたら。こ のへんをターゲットにしますというと、我々はそれをベースに評価するわけですが、た だ、先ほど言いましたように、ちゃんとした計算をしないと、自分で首を締めることに なるので、そのへんはどうなのか。資金源についてあったら。 ○蒲原勤生課長  いまの定性的なほうから。私ども部内で議論したときに、政策努力なり、あるいは機 構の努力でやれるところというのが、本来目標とするべきところで、なかなか手が届か ないところは目標とはしない。いろんな相対の結果として一定の仮定で、例えばいまの ような最終的な加入者の総数が出てくる。こういう論理構成になると思うんですけど も、結局、機構の側にすると、さっきちょっとありましたけど、7、8割は機構の制度 を知っていても、まだ知らない人もいるわけです。知っている人はいくら伝えても、俺 は知ってるけど、入らない、という判断をして、一方で知らないところは政策努力の余 地、機構として取り組む努力のところがあって、新規加入対策というのは、そういうと ころが大きいのではないかというふうに考えています。  一方で、脱退のところは、さっきちょっと言いましたけども、ほとんどが退職です。 ということは、理由はいろいろあるでしょうけれども、やむを得ざるか、自分の意志か にしても、一定の判断のもとにやめているということで、そこはこの制度があるから 残ってよ、と言っても、いや、そう言われても、諸般の事情で俺はだめなんだよ、とい う話になるので、機構ができるという観点からいうと、やはり新規加入というところが 目標値としては適切ではないかと思っています。  ただ、試算の前提では、それを総合的に毎年組み合わせていって、例えば、先ほど 言った平成19年度末にどういう状況かということはシステム等の指標としてはある と。ただ、目標としては新規加入の数ではないだろうかというふうに、私どもの中では 議論しています。 ○宮田総務部長  私からあらためてご説明申し上げます。資金量はこの中期計画の最終年度、19年度 末で何兆何千億という数字で試算はしております。この試算にあたりまして、先ほどか らもご説明しておりますが、掛金収入を見込む必要がございます。掛金を見込むために は、当然現在いる人に新規加入が何人で、脱退者何人というところでありまして、脱退 者についても一定の推測をしております。で、もう一つ重要なところは、運用収入であ ります。運用収入がいくら入るかというのは、これまた資金量にとって重要なところで ありまして、運用収入につきましても、14年度の運用利回りは決算で出ております が、15年度、16年度、17、18、とどういう運用利回りでいくか、これも一定の 推論をしております。これは比較的堅い、一番厳しいケースで、半年ほど前の厚生労働 省の審議会で採用された金利見通しを採用して、それは申し上げたように、ある程度の 推論を加えた上の資金量として、中小企業退職金共済事業につきましては、現在2兆9 千億ほどございますが、これが2兆7千億程度という試算をしております。いま勤労者 生活課長申し上げました、2兆7千億を達成するという意味では、私ども自らの力の及 ばない金利水準とかもございますので、達成目標というふうにはちょっと申し上げられ ないのですが、推測資産としては約2兆7千億という試算をしております。 ○今野委員  ここが最終的にどう評価するか、決まってないもんだから、難しいと思うんですけ ど、一つはいまおっしゃられたテーマがいくつかあるわけですけど、もう一つは、たぶ ん企業が経営計画を立てるときにいろんな条件を前提にしてつくってるわけですから、 そのときに3年後、5年後に計画達成、しないとか分析をするわけですけど、そのとき に、最初に想定した金利とものすごく乖離したすごい低金利になっちゃったとか、そう いうことがあれば、そういう原因でこれだけ達成できない理由があるんだというふうに 説明するというのは一つの方法かなと思うんですね。ですから、どっちがいいかですよ ね。  評価する段階で、3年後か、4年後、5年後が知りませんけど、その時に我々として は合理的に説明してもらったほうが評価はいいのか、あるいは、そういう不確定要素は 全部除いたところだったけど、目標にいったほうがいいのか、というのは、どうする… …。 ○井原部会長  明快な説明があれば、下がらないはずですね、評価は。 ○本寺委員  予定運用利回りでの資金量と、実際の資産運用でどれだけ稼いだか、そのスプレッド な数字ですよね。とすれば、予定運用利回りの設定した利率と、資産運用でどのくらい 稼げるか。評価するときになにかシナリオがあって、こういうシナリオであったらこの くらい、みたいなパターンがあったほうがいいのかなという気はするんですが、ただ、 そういうときに、予定運用利回りというのは、市況に合わせて弾力的に変わる可能性が あるんだと思うんですね。 ○蒲原勤生課長  当然そういうことで、財政状況に応じて、退職金を決める前提になる利回りですが、 この利回りというのはいま政令で決める話で、政令は国が審議会の意見を聞いた上で財 政状況を見ながら決めるということです。 ○横倉委員  一番重要な収入の問題と運用の問題というあたりで、どういう条件で設定するのが正 しいかどうかというのは我々のこの立場では簡単には判断しにくいと思うんですね。一 番欲しいのは、これは急にできたんじゃなくて、いままでの流れでいろいろ努力を重ね て来られたと思うので、ここに来て新たにどういう努力をするのか、ここから始まる、 過去と違う新しいことがどれだけ予定されているかとか、そういう違いの問題が一つ。 それから、いろんな算定根拠をある程度は示しておいていただかないと、それがどう なったかということの説明が5年後にきちんととれるようなことならいいんだと思うん ですね。ですから、前提がどうである、こうである、というのは、よほどおかしなもの でない限りは、あまり触りたくないわけで、したがって、お願いしたいのは、目標、計 画を設定するに伴って、どういう判断をしたかということは何かの資料でスタートの時 点で示していただきたい。  それから、新しくどういうことをやるのかというのは、先ほどのサービスの質の向上 とか、研修とかいろいろありましたけど、いままでやってなかったけど、これをやれば もっと効果が出るんだというあたりを、極めて簡単なもので結構です、○△でも結構で すから、そこを明確にしていただきたいと思います。 (4)財務内容の改善に関する事項について ○井原部会長  それでは、もう一つの話がありますので、それが終わってから、いままでのところも 総合的にご質問受けたいと思います。  それでは、3つ目の財務内容の改善に関する事項の説明をお願いします。 ○蒲原勤生課長  それでは、対照表の6ページのところから、左の目標について私がご説明いたしま す。  1 累積欠損金の処理、ということで、累積欠損金を承継した事業、具体的には一般 の中小企業退職金共済事業と林業の共済事業でございますが、この事業については、収 益改善・経費節減等に関する計画を作成して、その計画を着実に実施するということが 目標としてまず挙げでございます。その上で、  2 健全な資産運用等、ということで、資産運用については、さっきの部分と関係し ますが、具体的な数値目標は難しいんですが、基本的な評価をちゃんとやるとか、健全 な形で資産運用をすべきだということを目標として入れております。  後ろの部分も関係していますので、続いて、第5 その他の業務に関する事項、とい うことで、1 積極的な情報の収集及び活用  2 建設業退職金共済事業の適正化  については、行政監察で、特に建設業の退職金共済について、いくつか指摘事項がござ いますので、その指摘事項についてはちゃんと対応するように、ということを目標とし て入れております。  中期計画について、部長からご説明いたします。  部長の説明の前に、参考資料の最後、6ページが先程来の議論に大変関係しているの でご説明させていただきます。  累積欠損金解消についての対応、ということで、何が機構としてできるのか、何が機 構の外枠にあるのかということを整理した表でございます。  累積欠損金を解消するためには、まさに収入を増やすという項目と、支出を減らすと いう項目があるわけですが、収入を増やすという項目の中で、掛金収入を増やすという ところと、たまっている資産運用で運用収入をさらに増やすと2つがあります。  前段の掛金収入の増については、一番関係してくるのが、新規加入者の増、もちろん 加入者全体の数が関係するんですが、特に新規加入者のところが具体的な目標を掲げて 対応すべきところということで、ここはまさに機構が対応すべきだし、できるところで あると考えます。  一方で、運用収入の増のところは、先ほど目標でも触れましたが、適切な資産運用と いうことで、基本方針にきちんと対応するとか、そういうことは当然あると思います が、一方で、世の中全体、金融市場の状況に大きく左右されるところです。したがっ て、ここのところは、主としては外性要因がかなり大きいということで整理していま す。  また、支出の項目では、退職金給付、あるいは将来の退職金給付のための責任準備金 の増減ということですが、そうした退職金給付等の部分をなるべく減らしていくという のがあるわけです。ここは先ほどちょっと議論に出ましたが、具体的な退職金の額が法 律に基づく政令で一定の予定されている運用利回りを前提に計算をする、ということ で、いわば国が決める形になっています。そして、この予定運用利回りについて一定期 間ごとに検討することになっていますが、いずれにしても国が決めると。そうすると、 退職金給付の減等も機構が何かやって減らすという余地は全くない状態でありまして、 予定運用利回りできちっと決まっているという形になります。  一方で経費削減のところは、先程来、一般管理費などについて13%削減と出ており ますが、そうした形で機構として対応できるところであるし、対応すべきところという ことで、以前申し上げました具体的目標を掲げて対応するということです。  全体を整理いたしますと、累積欠損金解消に向けて、機構として対応できるのは、点 線で囲んだ中の新規加入者の増の部分と、経費節減の部分が中心になるということで、 新規加入について、先程来説明した具体的目標に向かって一生懸命やるという部分と、 13%という目標にを掲げて経費節減する。あとは適切な資産運用をするというところ になってくるのではないか。  累積欠損金の部分については、これから計画で説明しますけれども、具体的な新規加 入で経費のところは額なり率を入れておりますが、全体としての累積欠損金の総体の数 字を目標として書くことについては、なかなか機構としての対応に限界があるのではな いかということで、いまの原案ではいえない。今野先生のご議論があることは十分承知 した上でございますが、内部でこれまでいろいろ議論した中では機構として具体的に対 応できるところを書くのがいいのではないか。ただ、あとで詳しいご説明があるかもし れませんが、いろんな数値は資料として後ろについていまして、その数値のところに は、先ほどお話がありました、例えば、この4.5年でどれくらい改善するんだといっ たことが読みとれる数値としては試算としては資料がついているという状況でございま す。冒頭質問がありました、この4.5年間でどのくらい減るかということについて は、宮田部長の説明のあと、私からご回答したと思います。 ○宮田総務部長  いまほどの財務内容の改善についてあらためてご説明申し上げます。  1 累積欠損金の処理、ということで、具体的に共済事業の改善計画について掲げて おります。中退共事業の収益改善の方策の(1)資産運用等収入の確保では、計画には、 いまほどの議論にもございますが、中期計画第3の2の健全の資産運用を通じて、運用 収入を確保する、ということで、数値をこの本文には記入しておりませんが、先ほどの 委員のご質問に、期末資産が2兆7千億とご回答申し上げましたが、これをつくるに当 たりまして、口頭で申し上げますが、この期間中に1781億円の運用収入を試算して おります。ここに記入していないのは、先ほどから申し上げておりますとおり、これは あくまでも金融市場の状況に基づくものでありますので、目標に記入することはできな いと考えております。 ただ、健全な資産運用という趣旨で、7ページの中頃にイ、 ロ、ハと3点掲げております。具体的には、イで、資産運用のための基本ポートフォリ オを定めております。私どもは基本的には安全確実な国債等の債券を中心に保有してお りますが、一部株式も保有しておりまして、それら債券・株式等の基本ポートフォリオ については、金融工学の先生方にもお集まりをいただいた研究会で定めた基本ポート フォリオの範囲で運用を行っているところです。  さらには、ロで、毎年の運用実績を評価するために、外部の専門家から運用の評価を いただくこととし、金融研究所の方々、大学の先生、監査法人の方も含めて、金融関係 の専門家からなる資産運用の評価委員会からご指摘を受けておるところであります。  これらの健全な資産運用を通じて、あくまでも試算でございますが、運用収入に向け てさらに健全な資産運用をして参りたいと考えております。  続きまして、掛金収入については1兆4078億円という数字を記入しております。 これは私どもの考えとしては、先ほど申しましたとおり、新規加入者増ということをこ の計画に書きました以上、ここも新規加入者増の結果として掛金収入がいくら入るかと いう数字を記載すべきだというふうに考え、ここにつきましては、新規加入者増を踏ま えての掛金収入のトータル1兆4078億円という数字を記入させていただきました。  7ページの経費節減については、先程来ございます13%の経費節減ということで、 これにより、数億円でございますが、経費の節減をしたいと考えております。  次のハ 林退共事業につきましても、基本は同じでございまして、まず、資産運用収 入を確保する。また、掛金収入については77億円を確保する。経費節減については 13%の削減を行う等々の対策をとって参りたいと考えております。  健全な資産運用のところについては、先ほどご説明申し上げたところです。  第4 その他の業務運営に関する事項につきましては、私ども、積極的な情報収集と いう中で、1のイで、関係の事業主団体、業界団体、労働団体の方々からの意見をお聞 きする場を実際に設けております。さらには、毎月の各種統計、適切な調査を随時行っ て参りたいと考えております。  8ページ、2は、建設業退職金共済事業の適正化の話です。  建設業退職金共済事業については先ほどから何度か触れましたが、建設業の労働者が まず手帳を持ち、経営者が銀行から購入した証紙をその手帳に貼る、という形でありま すが、十分に証紙が貼られていない実態があり、さらには証紙が貼られて満冊になった のに、退職金の請求されていないと実態もある等々、一部、手帳証紙方式に伴うやむを 得ない不合理な面がございますので、これらについて改善の必要があるわけです。 (2)就労日数に応じた掛金納付確保等のための改善策の実施、ということで、就労日 数に応じた証紙を貼ってもらうということで、イ 共済契約者等に対する指導の徹底、 というのは、会社に対する指導の徹底でありまして、具体的には特に、(1)手帳と証紙 の受払簿の普及 (3)証紙購入高2万円未満の会社に対しても、適切な措置をとるよう 要請すること さらに(5)「建退共現場標識」掲示の普及により、この建設現場の企業 は建退共制度に加入していることをアピールして、労働者、また下請事業者が建退共事 業に対する意識を高めるようにしていきたいと考えております。  また、ロは、被共済者、即ち労働者に方々に対する要請です。労働者の中には手帳を 保持したまま、退職金の請求をしていない方があるので、これについては3年間、手帳 更新のない被共済者について、手帳更新、退職金請求等の手続きをとるようおしらせす る。これは、手帳というのは満冊になりますと、次の新規手帳をもらって証紙を貼って いくわけですが、その新規手帳をもらうことを手帳の更新とよんでおりますが、3年間 手帳の更新のない方については、手帳の更新、あるいは退職金請求の手続きをとるよ う、お知らせをするということ等によって、きめ細かく対応していきたいと考えており ます。  さらに(3)で、新たの掛金納付方式の検討ということで、証紙方式はどうしても不 合理な面が生じやすいので、手帳証紙に変わる新たな掛金納付方式として、例えば、 カード方式等々、いま検討中でございます。ただ、これを実施するに当たっては相当慎 重に検討しないといけないわけで、引き続き調査を行うということで考えております。  3 中期計画の定期的な進行管理は、先ほど申し上げた、内部の進行管理委員会で把 握をし、中期計画を踏まえた一体的かつ円滑な業務運営を行う。  第5 予算、収支計画及び資金計画 については、別紙ということで、さっと見てい ただきますとよろしいんですが、実は、別紙の予算、収支計画、というところを見てい ただければ、掛金収入の額が数字で入っております。さらには運用収入の額も数字で 入っております。先ほど、私が本文には記入してございませんが、と申し上げたのは、 この別紙の予算の表をつくるためには、どうしてもこういう数字は必要でございますの で、掛金収入の額、運用収入の額、さらには退職金給付金の額等々、この中期計画の4 年半分の数字は試算をしております。そして、この枚数が多いのは、先ほどから申し上 げております、中小企業退職金共済事業、建設、清酒製造、林業、対象者毎に経理を区 分して、それぞれ収入、支出、予算を立て運営をしており、これは法律上、そういうふ うに規定をされているわけでございまして、そのために各事業ごとに収入、支出のペー パーがございますので、枚数が大変多く、見にくくなっておりますが、今後4年半でい くらの事業費がかかり、収益はいくらあるかということをシミュレーションしているわ けでございます。それで最終的にいくらの当期利益が出るかということもシミュレー ションしているところです。 ○蒲原勤生課長  冒頭、累積欠損金がいろんなことをやって4.5年でどうなるかという話がございま した。いまの部長の説明と関連しますので、追加で説明いたします。  対照表の綴りの別紙7をご覧いただきますと、これはいろんな前提で計算をした収支 計画ということで、財務諸表のいわゆる損益計算書部分の4.5年の総計と考えていた だけば結構です。下のところに100億弱、94億という数字が出ています。これは一 般の中小企業退職金共済ですが、4年半やって、毎年毎年、試算上剰余が出るわけです が、これを4.5年分合計した分がここの数字ということで、100億弱の累積欠損金 の縮小効果があるというのが、ここで出てきています。  併せて、別紙10は、林業です。林業についても累積欠損金が約23億あるというこ とを言っておりましたが、ここも純利益は3億強の数字が出ています。したがって、林 業については、いま23〜24億円ある累積欠損金がこの4.5年間に3億強減少とい うのが試算で出ているということです。  先ほどまでの議論との関係ですが、私どもがいまの原案をつくるときには、機構とし て自分でできる範囲のところは具体的な目標としてきちっと書く。それ以外のところに ついても、一定の仮定をおいて一番後ろにつけているような各種の数字を試算としてつ けているということで、いってみれば、ちょっと性格が違う数字ではありますけれど も、ちゃんと全体像というか、試算の結果は添付資料のところには入っているというこ とでございまして、全く入れてないということではないので、折衷案的かもしれません が、政策努力できるところは本文、全体像の姿は別紙資料と、こんなふうに整理をして 考えているということでございます。 ○井原部会長  それではまたご質問等ございましたら、お願いします。 ○本寺委員  参考資料の6ページが中退共の全体像を示しているわけですね。そして、目標の並び 方が、業務効率が最初にきて、そのあとサービスということで、いわば、経費節減を やって、サービスを改善して、加入者数を増やすと。で、結論として財務内容を改善さ せるという流れなのに、説明は中盤から途中で順番が変わってしまったんですが、本当 は第5が冒頭にあったほうがいいのかなと。そして、考えてみると、前回の説明も最初 に経費削減があって、国民に対するサービス向上があって、最後に資産内容という並び だったんですけど、これはマストの並びなんですか。 ○蒲原勤生課長  これは実は法律で中期目標に書くべき事項というのがまさに書いてありまして、その 順番なんです。それがそうなっていて、しかも、いろんなところで具体的にどう計画を つくるかという指針とかを出してくれてるんですが、それがむしろこの順番できていま す。おそらく、財務内容というのは1つの大きな項目で、うちの場合はそのかなりその 重要度が高いということで、こういう議論になってるんだと思うんですけど、全体的に いうと、コストをどう削減するか。そうはいってもサービスはちゃんとやらなきゃいけ ないというそういうのがやっぱり先に来るという一般的な考え方で法律がそうつくられ ているのではないかというふうに私は認識しておるんですけれど。 ○山田政策評価官  補足しますと、お手元にファイルの資料が配られていると思いますけども、それの第 2回の参考資料の7ページを独法通則法の第29条に中期目標というところがございま す。そこに、中期目標においては、次に掲げる事項について定めるものとするというふ うになっておりまして、一から五まで、またに前回、今回の中期目標の立て方がそのま ま載っておりまして、法律に定められている形で各法人の中期目標が整理されていると いうことでございます。いま蒲原課長からもありましたけれども、独立行政法人という ものを制度としてつくった経緯としましては、特殊法人をはじめとする組織の効率的な 運営というところに若干ストレスが置かれているところがございまして、そこがまずは じめに出てくるけれども、そういう中できちんと業務のサービスというものは追及しな ければならないよ、という頭の構造でつくられているということが、こういう構成にも 反映されているということでございます。 ○今野委員  実はいま本寺さんが言われたことを私もずっと思っていました。法律の順番で書かな いといけないの、これは。つまりね、この計画書、まだ今回はわかりやすいんですよ、 字が大きいから。書き方が戦略的じゃないんですよね。最終目標はこれで、これを実現 するためにこれをして、そのためにこれ、というふうに計画がなっているとわかりやす い。そういう点で、先ほど本寺さんが言われた、この6ページはまさにそういう書き方 になっているんですよね。極端なことを言うと、コストを下げるのが目的ではなくて、 もしかしたらコストはかかっても、もっと儲かればいいわけだから、コストはかかって も加入者がすごく増えて、運用収入がバッと増えればいいわけだから、コストを下げる というのは最終目標じゃないはずなんですね。最終目標からブレイクダウンをして組み 換えたほうがいいかなあと。法律に書いてあることをカバーしてればいいんでしょう。 ○蒲原勤生課長  最終目標は何かといったときに、一方に累積欠損金がない制度もあるわけで、そうす ると、最終目標は累積欠損金解消というよりも、どちらかというと、業務コストでもな いかもしれない。サービス向上、あるいは加入促進というところかもしれませんね。累 積欠損金解消というのはたまたま今、赤だからそういう目標が出ているので、累積欠損 金がない状態でも、サービス向上、コスト削減というのはなければいけないことだとは 思いますけど。 ○今野委員  そこでさっきから考えてたんですけど、大きな2つが目標ということで、顧客サービ スを上げる。手続きのリードタイムを短縮する。これが一つの目標群で、もう一つは、 財務の状態を健全な条件にもっていく。この2つの目標があって、それを実現するため にいろんな目標がぶら下がってて、それを実現するための重点施策がぶら下がるとい う、これは読み替えるとそういう構造になってるんですよね。そういうふうにしたほう がわかりやすくて、我々としては評価項目が少ないほうがいいですから。そういうふう に目標を構造化というか、ツリー化をしてもらって、施策は重点施策に、横倉さんが先 ほどおっしゃったのはそうだと思うんですけど、いままでルーチンでやってることをこ こでまた来年もやりますっていわれてもあまり意味がないので、新たな目標を実現する ために、重点施策としてはこれとこれとこれをします、というふうに書いてもらったほ うが我々としても楽だし、わかりやすいなという気がするんですけど。そういうふうに 組み換えちゃいけないものですかねえ、どうですか。 ○山田政策評価官  おっしゃるように、そこまで厳密に考えなくてもいいかもしれないんですけれども、 いま今野委員が言われたことというのは、まさにこの中期目標の二、三、四に掲げられ ている事項というのは、どちらが上位ということではなくて。 ○今野委員  いや上位なんです。 ○山田政策評価官  二、三、四というのは重要だと。それについて掲げられているということではないか と思うんですが。 ○今野委員  僕がちょっと心配してるのは、あまり並列的に書いちゃうと、手段を実現するために 最終目標が実現しないということがあり得るんですね。極端なことをいうと、最終目標 が実現できれば、個々の目標で実現できないのがあったっていい、というのが本来だと 思うんですね。並列に書いたら全部実現しなきゃいけないようになっちゃって、やられ るほうもがんじがらめになっちゃうんじゃないか。しかも、細かい施策がずっと書いて あって、これを目標として設定しちゃうと、評価のとき全部チェックするみたいなこと になって、あまりよくないんじゃないかという気がするんですよね。 ○山田政策評価官  かなりツリー化がされていると思うんですね。要するに、効率化という問題とサービ スの向上という2つの大きな目的が。 ○今野委員  そこもちょっと心配してるのは、個々にトレードオフの目標が並んでいるという感じ で、サービス向上をするとコストがかかりますよね。そのへん、下位目標はもうちょっ と余裕を持たせておいたほうがいいと思うんですけど、どうですかね。  この資料3−4は、ちょっと乱暴ですけど、半分ぐらいに減らすとちょうどよくなる かなという目標数だと思うんですね。そうじゃないと、みんな制約されますよ。 ○蒲原勤生課長  実は計画をつくる過程で、まさに独立行政法人制度を所管するところの方からヒアリ ングをされたりするんですけども、数値目標をピシッと入れて、手段のところはなるた け具体的に書いてくれ、と結構言われてきていて、実はもっと細かく書いているところ もあったんですが、そうすると、これは細かくよく書いてるな、という評価も途中で あったりしてですね。問題は数値目標なしに具体的に書いたらあれだと思いますけど、 数値目標がある上での手段としてということであれば、ある程度あるのかなあという気 もするんですけどね。 ○今野委員  最終目標で別に定量でなくても、定性的な目標であってもいいと思うんですよ。構造 化しておかないと、構造化するということはプライオリティを決めていくということで すから。それをしないでベタでやっちゃうと、どうですかね。 ○井原部会長  これはフォーマットが決まってるわけですね、一応。議論するときは読み変えればい い話であって、結局、目的は多くの人たちがこの組織の中に入ることが満足度を高める ことで、加入者を増やすということはそういう意味でいいわけでしょう。その利便性を 高めて、その方法をより効率的にやりますよ。過去に積み上がった欠損もついでに減ら していきますよ、というのが全体の姿ですよね。そうやってきたわけですね。だから、 そこのところを論理的にどう組み換えてもいいんですけども、組み換えたやつをこの フォーマットに書き変えることはできるはずですよね。 ○今野委員  先にそっちをつくっておいて、こっちに流す。 ○井原部会長  そう。先にこっちから見ちゃうからなかなか話が合わないので、今野先生おっしゃっ たような形でやっておいて、それをここに短く書けば、それでできるわけですよ。私は 大体そういうふうにいまお話聞いてたんですけど。 ○今野委員  先ほどおっしゃった予測の数字があります、予測って言うんですけど、これできちゃ うと目標になっちゃうから、コミットさせられますからね。ここで出ちゃうと予測じゃ ないんですよ。ですから、少し実現可能かどうかを見直して整理したらどうかなと思い ますね。 ○本寺委員  いま議論があったことで、加入者を増やすということがこの機構の目的なのか、ある いは加入者を増やしたけれども、結果として安定的な運用利回りを保証できないような ことになったらおかしなことになると思うので、そのへんもしっかりやっておかない と、ただ加入者だけ増えても、実は忙しくなるけれども、設備投資で借金がかさむみた いな、企業ではそういう状況になることがあるので、さっき井原先生がおっしゃったよ うに、この4年半はどっちにプライオリティをおくのかというのは、議論しておいたほ うがいいのかなという気もするんですね。例えば、目標を定性的に掲げて、でも結果と して累損が増えてしまったというような状況がひょっとして起こりかねないと思うんで すね。 ○蒲原勤生課長  そうなんですね、そこは機構としてやれるところと政府としてやれるところと、総体 における対応だと思うんですね。つまり、加入者が増えたときに累損解消効果があるか どうかというのは、さっきまさに本寺さんおっしゃったように、市場の実勢利回りと、 制度が予測している予定運用利回りとの格差の関係で、結局、政府が決めるべき予定運 用利回りを予測される市場運用利回りよりも、累損があるところは特に低く設定してい れば、新規加入を一生懸命やれば必ずそこで差額利益は出てくるので、それは市場が外 部要因とすれば、政府が決める予定運用利回りを適切に高く設定するというところにか かってくることで、つまり、申し上げたいのは、機構としての計画のところでその全責 任を負わすようなところはなかなか難しくて、我々を含めた政府全体としてはそういう 絵柄は必要だと思うんですけども、機構としてやれるというところはちょっと限定され てくるのではないかというふうに思うんですけど、いかがでしょう。 ○今野委員  これでもし機構が頑張られてコストが下がって、運用がいい成績を出して、でも累損 は増えたということに5年後になったら、我々は予定利回りを決めている審議会に意見 書か何かを出すんですかねえ。この予定利回りでは機構はいくら頑張っても無理だとい うことになるのかなとちょっと思ってたんですけど。 ○蒲原勤生課長  もちろん、そうなる前に、さっき説明があったかと思いますが、この事業の財政状況 について、できるだけ早く厚生労働省に情報を出してくれということで、出すように なっています。その趣旨は、まさに厚生労働省が政令で決めている予定運用利回りを機 動的に見直されるように、財政状況これはやばそうだとなったら、いまよりも下げると か、そういうことが機動的にできるようにちゃんと情報をもらって、昔は法律事項だっ たんですけど、幸いいまは政令事項になりましたので、まさにそれを受けて、政令を パッと変えて、財政が安定できるようにという、それは我々の責任なんですけど、そう いう仕掛けはこの計画の中に盛り込んでいるということであります。 ○井原部会長  ひとつだけわからないんですけど、運営費は交付金と補助金でしょう。 ○蒲原勤生課長  まあ、そうですね、割と包括的に使えるお金ということです。 ○井原部会長  そうすると、運営費を経費節減で減らしたときに、同時に交付金も減っちゃうんです か。 ○宮田総務部長  経費節減というのは、国の補助金を含めての経費節減ですので、まさに国の補助金も 減るということになります。 ○井原部会長  じゃあ、それは累損の償却にはならないということですか。 ○宮田総務部長  経費は国の補助金と私どもの3兆の運用収入何億円のごく一部を経費として使わせて いただいておりますが、実は国の補助金が大半なものですから、給付のほうの改善効果 はかなり少ないことはあると思います。 ○蒲原勤生課長  いま言ってるのは、国費以外にそういうのも入っているので、全体コスト削減すれば 累損の解消効果もあるということを言ってるわけです。 ○井原部会長  ポイントは加入者と運用なんですね。 ○蒲原勤生課長  加入者と運用利回り設定と市場利回りとこの三角関係が大きいところです。 ○今野委員  インセンティブは働かないねえ。 (5)業務方法書について ○井原部会長  よろしいでしょうか。では、今日いろいろご指摘された点がございますが、これは次 回以降、現在検討中となっている部分も一緒にして事務局からご説明願いたいと思いま す。  次にもう一つ、審議事項がございまして、それの審議をお願いします。業務方法書に ついて、説明から。 ○宮田総務部長  では、資料3−5、業務方法書についてご説明申し上げます。  基本的な事項だけを列挙しております。第1条、第2条、第3条はまさに総則であり まして、第1条は、この業務方法書の目的ということで、当然ながら法律、省令等々に 基づいて業務の方法について基本的事項を定める、ということを目的としておることを 表明しております。第2条で、業務の執行は業務方法書の定めるところにより行うこ と。第3条、業務運営の基本方針としては、効率的、効果的な運営を期する。そして、 透明性を確保するということを基本方針とする旨、記述しております。  第2章の業務の方法につきましては、基本的な業務の方法というのは、中小企業退職 金共済法の法律そのものに業務の基本が書いてございますので、あらためて業務方法書 で業務内容として書く事項はごく一部に限られております。それは、この4条、5条の ところですが、4条で、中小企業退職金共済事業は、法律により行うものとする。この 中小企業退職金共済事業という言葉は、いま申し上げました当機構が行う退職金共済の 全体を一般名詞として中小企業退職金共済事業と呼んでおりまして、この本体事業につ いては、法律により行う、ということが記述されています。  第5条がここの一番大きな意味でありまして、その附帯事業ということで、法律の2 号に次の業務を行うことができる、ということで、それは附帯する事業を行うことがで きるというふうに書かれておりまして、その附帯事業はこの業務方法書で(1)調査及 び普及宣伝 (2)省令に規定する特別共済事業 (3)機構の業務の運営、管理に関 すること、を附帯事業としております。  ここで一点申し添えますと、附帯事業として加入企業に対して低利で融資をしており ました。これは営業資金ではございませんで、企業の福祉施設資金としての融資を行っ ておりましたが、これは既に廃止をいたしましたので、現在はございません。  第6条以下、ここも大変細かい話になりますが、第6条が(職金の支給停止)という ことで、私ども法律上、退職金の減額ということが定められています。退職金の減額は 安易に行ってはいけないということで、必ず減額の際には、厚生労働省の個別認定を経 て減額することになっております。ここに書いておりますのは、厚生労働省の個別認定 があるまでは退職金の支給を一旦停止する。つまり、個別認定を待って支給をする、と いうことをここで書いているわけです。  第7条が(業務委託の基準)で、このあたりは、他の法人もあるかと思いますが、私 どもの場合は特に先ほどからご説明していますとおり、金融機関に委託業務がたくさん ございますので、主にここは金融機関等への委託の基準について、内容については他の 金融機関へ委託ができる独立行政法人の例に倣って記載をしております。  第4章 契約の方法につきましては、第8条(契約の方式)、第9条(一般競争)、 第10条(指名競争)、第11条(随意契約)等につきましては、一般の他の独立行政 法人とほぼ同様の記述をしておるところでございます。契約関係の記載が以下ずうっと 続きまして、第5章 業務運営に関する事項の公表の方法、ということで、第16条が 情報公開の方法、第6章 雑則 第17条で様式等を定めておるところでございます。  以上で説明を終わります。 ○井原部会長  それでは、いまのご説明に対してご質問等をどうぞ。 ○篠原委員  この業務方法書の中で、独法化して従来と変わったところというか、より柔軟に対応 できるところというのはどの辺でしょうか。 ○宮田総務部長  具体的には、例えば、契約の方法につきましては、従来から一般競争入札等を優先的 に行うようにしておったところでございますが、この度は独法の基準にしたがいまし て、契約の方法についてきっちりと規定し、より進んだ制度としたところでございま す。 ○井原部会長  ほかにございませんか。それでは、今日説明いただきました中期目標案、中期計画 案、ご意見いただいた事項について次回以降事務局に説明をいただくということにいた します。  先ほどちょっと言い忘れたんですが、この機構の場合には、最も重要な人材というの は営業センスの優れた人なんじゃないかという気がいたしました。  それでは時間になりましたので、本日の会議はこれで終了させていただきます。長時 間ありがとうございました。                                     (了) 照会先  政策統括官付政策評価官室 独立行政法人評価係  代)03−5253−1111(内線7790)