03/08/25 独立行政法人評価委員会労働部会(第2回)議事録         独立行政法人評価委員会 労働部会(第2回)議事録                           平成15年8月25日(月)                           13:30〜15:55                           厚生労働省 省議室(9階) 出席者:井原部会長、保原部会長代理、今野委員、川端委員、篠原委員、竹内委員、     寺山委員、古郡委員、松田委員、村山委員、本寺委員、横倉委員 1.開会 ○井原部会長  定刻になりましたので、ただいまから第2回独立行政法人評価委員会労働部会を開催 させていただきます。委員の皆様方にはお忙しい中をお集まりいただき、まことにあり がとうございます。  それではまずはじめに、前回欠席された委員のご紹介をいたします。今野委員でござ います。  (今野委員挨拶) 2.前回部会時の委員からの質問について ○井原部会長  本日の議題は、労働政策研究・研修機構の中期目標案と中期計画案、業務方法書案に ついて審議する予定になっております。  審議を進めます前に、前回の部会で各委員から、部会を進める上でいろいろご質問が ございました。それについて事務局からお願いします。 ○山田政策評価官  前回のご議論の中で、特殊法人改革とこの独法化という話につきまして、若干ご質問 がありまして、私の説明も十分でなかったと反省をしております。それについて若干補 足をさせていただきたいと思いますのは、資料1の最後の紙、資料1−7に「特殊法人 等から独立行政法人化への経緯」を整理させていただいております。  前回、私からご説明をいたしましたのは、一番下のところでございまして、特殊法人 等改革推進本部の事務局から中期目標等の策定指針が出て、そういったことも含めて参 与会議でヒアリングをしている、ということを申し上げたのですが、そこに至るまでに はかなりいろんな経緯があったということを申し上げなければならなかった、というふ うに反省をしております。  まず、一番上ですが、特殊法人についての問題というのは、いろんな形で従来から指 摘をされておりまして、平成9年の12月に行革会議の最終報告の中で経営責任の不明 確性、あるいは事業運営の非効率性・不透明性等々についての指摘があったと。こうい った問題点を解決すべく、中央省庁等改革の中で特殊法人等改革基本法というものが策 定されました。その中で特殊法人等整理合理化計画というものを策定することが義務づ けられたという経緯がございます。  それを受けて「特殊法人等整理合理化計画」というものが13年12月に閣議決定を されました。その中では個別の特殊法人等の業務について、これは廃止をする、あるい はこれは継続をするというような細かいところまで見直すということが書かれてござい ます。前回の各法人の説明の中で、整理合理化計画ではこうなっている、というふうに 申し上げましたのは、この関係でございます。  こういった計画を受けて、さらに昨年の12月臨時国会におきまして、特殊法人から 独立行政法人に移行する。その独立行政法人についての個別法が成立しているというこ とでございます。  今回、中期目標、中期計画についてご議論いただきます法人につきましても、このと きに個別法で、法人の目的、新法人の業務の範囲について法定化をしているということ で、基本的にはここで整理をされた業務の目的あるいは業務の範囲を前提にしてこの委 員会の中でもこれから中期目標、中期計画についてご審議をいただければ、というふう に考えているところでございます。  私からは以上でございます。 3.審議 (1)中期目標安、中期計画案について ○井原部会長  何かご質問がございますか。  では、本日の議題に移りたいと思います。  はじめに、事務局より本日の議事の進め方についてご説明ください。 ○山田政策評価官  本日は労働政策研究・研修機構の中期目標・中期計画案についてのご審議ということ でございますが、資料につきましてはあらかじめ各委員にはお送りをさせていただいて おります。本日はまずはじめに、中期目標・計画案について事務局から1時間程度説明 をさせていただいて、それについてご審議をいただく。それから、もう一つは、法人の 具体的な業務方法の要領を記載した業務方法書というものをつくることになっておりま すが、それについても併せてご審議をいただきたいということでございます。  今後、法人がスタートいたしますと、当部会におきましては、これらの、本日ご審議 いただく中期目標・中期計画といったものに沿ってその達成度合がどの程度になってい るかというようなことを尺度として法人の業務実績をご評価いただくということになる わけでございますが、その意味で今回の中期目標・中期計画案というものが評価の際に 具体的な尺度となり得るものになっているかどうかというあたりについても吟味をいた だければ、と考えております。  なお、前回ご質問のございました、法人が統合されたときの、統合のメリットであり ますとか、なぜ独立行政法人がそれぞれの業務を行わなければならないのか。その必要 性などにつきましても併せてご説明をさせていただきたいというふうに考えておりま す。  本日、提出をしております中期目標案等につきましては、まだ検討中の部分もござい ます。そうした部分につきましては、次回以降の部会で引き続きご議論をいただきたい というふうに考えております。以上でございます。 ○井原部会長  それでは今日の議題に入ります。まず、労働政策研究・研修機構の中期目標案、中期 計画案についてご説明願います。 ○熊谷労政担当参事官  労働政策研究・研修機構を担当しております労政担当参事官の熊谷と申します、よろ しくお願いいたします。  私から中期目標、中期計画をご説明させていただきますが、先立ちまして、前回のご 審議の際にご議論がございました統合の効果につきましてまず資料でご説明をさせてい ただきたいと思います。  本日机上に配布されております参考1の資料でご説明させていただきます。  独立行政法人労働政策研究・研修機構でございますけれども、特殊法人である日本労 働研究機構と厚生労働省の施設等機関の労働研修所を整理・統合して設立するもので す。  前回もご説明させていただいたかと思いますけれども、2枚目に統合の概念図を整理 いたしております。今回の統合の一番大きな視点は、日本労働研究機構の事業内容を政 策研究に純化させるということでございます。したがいまして、これまで調査研究、情 報の収集・提供、それから国際業務をやってきておりますけれども、独立行政法人とし てやる業務は政策研究に純化するということで、直接政策に役立たない、かかわらない 業務は引き継がない、廃止するということで整理しておるところでございます。  したがいまして、調査研究については、政策の企画立案に資する調査研究、最近の例 ですと、若年者の就業実態調査とか、求人の年齢制限にかかる調査等々、やっておりま すけれども、こういったものは引き続き強化していく。そして、政策の企画立案に直接 役立たない学術的な研究は廃止するということにいたしております。  さらに、労働に関する情報の収集・提供については、民間でも可能な単純なデータの 収集・提供、出版事業といったものは廃止することにいたしまして、政策研究に必要な 情報を専門的に加工して提供するような事業を引き続きやっていくこととしておりま す。  そして、国際的な事業ですが、今後行いますのは、海外の研究者、研究機関との研究 の交流でございまして、日本労働研究機構で従来やっておりました諸外国の労使団体と の交流、あるいは、対日投資セミナーのような事業は今後独立行政法人としてはやらな い、ということにいたしておるわけでございます。  併せて、政策研究と研修の相乗効果を発揮させるというのが、大きな2つ目の狙いで ございます。現在、労働行政職員への研修を実施しております労働研修所、これを統合 いたしまして、政策研究の成果を活用した研修内容の充実を図っていくというような見 直しが予定されているところでございます。  1枚目に戻って、こういった見直しを行いますと同時に、財政予算等の合理化も予定 しているわけでございますが、役職員につきましては、常勤役員は6名から5名と1名 の減。職員につきましては、現在の日本労働研究機構と労働研修所合わせて153名か ら140名、この10月から13名の減ということを予定しておるところでございま す。  さらに、事業規模ですが、平成15年度予算は10月からの半年分ですが、これを平 年度化しますと37億8千万余でございます。平成14年度の事業規模46億7900 万というのは日本労働研究機構と労働研修所と両方の事業費を足したものですが、これ と比べまして8億9600万、19.1%の削減を予定しているということでございま す。労働政策研究・研修機構の場合はかなり大幅な事業の整理をやらせていただいてい るということで、こういう前提で昨年12月に独法の個別法が成立いたしまして、今年 の10月から設置されることが決まっているということでございます。  続きまして、参考2で、労働分野を研究対象とするいろんな機関を調べた結果を出さ せていただいております。先生方ご案内のように、いろんなシンクタンク等で労働問題 についても研究が行われているというのは事実であるわけでございます。ただ、昨年、 労働政策研究・研修機構法という法案を国会に提出してご審議いただいた際、私どもと いたしまして、これを独立行政法人として設置させる必要性を整理したわけでございま すが、その考え方を簡単にご説明させていただきたいと思います。  政策の企画そのものを行うのは私ども行政機関の役割であると考えておるわけです が、政策を企画するためには常にその政策分野についての実態を的確に把握し、そうい った実態を踏まえた政策の選択肢、どういった政策が考えられるのかといったような、 政策の企画の基盤となるような調査研究が継続的に実施されているというのが必要であ る、と私ども考えておるわけでございます。政策当局は、私どもに限らず、どこの役所 でもその時々の経済情勢、社会情勢の変化に的確かつ迅速に対応した政策を企画・立案 していくのがその役割であるわけですが、その時々の政策課題に関して日常的に政策当 局と緊密に連携しながら、政策課題について問題意識をもって、先ほど申し上げました 実態とか政策の選択肢等について調査研究を継続し、常に政策当局から求められれば、 その研究成果を提供できるという専門性の高い研究スタッフが政策の企画には必要であ るというふうに考えられるわけでございます。  そういう考え方のもとで、労働行政だけではございませんで、国の主要な政策分野に はそれぞれ所管の大臣の下に政策研究機関が国の直属の機関、あるいは独立行政法人と して設けられているということであるわけでございます。労働政策につきましても、経 済社会構造や働き方が大きく変化している中で雇用をめぐる状況というのも大変なスピ ードで変わっているわけですが、こういったものに迅速、的確に対応した政策を展開し ていくために引き続きこのような政策研究機関が必要であるということで、この労働政 策研究・研修機構法を国会に出させていただいたということでございます。  それから、前回ちょっとご議論があったかと伺っておりますが、参考3で、研究の政 策への反映のイメージですが、左に〈中核研究〉が大きく書いてございます。今回、こ の中期目標期間で3年6か月かけて行いますプロジェクト研究の中に中核研究として私 ども整理しておりますものが、(1)労働経済分析部門 (2)労使関係・労働法部門 (3) 雇用戦略部門 (4)労働条件・就業環境部門 と4つあります。  例えば、労働経済分析部門ですと、雇用に係るミクロ、マクロ両面での経済分析に基 づく政策提言ということを行うのが基本的な役割になるわけですが、今回の中期目標期 間におきましては、後ほどご説明いたしますけれども、失業の地域構造分析に関して研 究していただくということを厚生労働省として考えております。具体的には「失業構造 の地域間格差を生み出す要因の分析を通じて各地域の特性を踏まえ、産業政策、公共事 業のあり方を含めた雇用・失業情勢の改善策を提言する」という研究テーマになってお り、研究の成果、結果にもよりますけれども、こういったものを踏まえて、例えば、地 域雇用対策の抜本的な見直しというような形で政策に反映されるというイメージを持っ ておるところでございます。  さらに、労使関係・労働法部門におきましては、労使関係の動向を踏まえた労働法制 や労使関係のあり方についての研究ということで、この中期目標期間におきましては、 労働条件決定システムの再構築に関する研究をしていただくことを予定しておりますけ れども、その成果を踏まえて、労働条件決定システムのあり方、例えば、労働者代表制 を導入するという結論もあり得ると思いますけれども、そういった形での政策への反映 ということを考えているということで、この資料を用意いたしましたので、ご覧をいた だければと思います。  それでは続きまして、中期目標と中期計画の説明に移らせていただきたいと思いま す。資料は2−3−1、概要は省略いたしまして、中期目標と中期計画の対比表で内容 をご説明させていただきたいと思います。  まず、厚生労働大臣が示す中期目標でございます。独立行政法人労働政策研究・研修 機構が達成すべき業務運営に関する目標として定めるものでございます。  これが左側ですが、第1の中期目標の期間、第2に業務運営の効率化に関する事項、 第3に国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項、第4は1 0ページですが、財務内容の改善に関する事項 ということで整理しております。  第1の中期目標の期間ですが、労働政策研究・研修機構の中期目標の期間は平成15 年、本年10月から平成19年の3月までの3年6箇月ということで、法律上は3年か ら5年の間で定めることになっておりますけれども、財政年度に合わせ得る一番短い期 間の3年6箇月を採用しております。  第2の業務運営の効率化に関する事項ですが、この点は経費の節減について定めるこ とを予定しております。具体的には、資料にございますように、一般管理費等について は、効率的な利用に努め、平成18年度において平成14年度と比べて25%に相当す る額を節減すること、にいたしたいと考えております。この一般管理費等といいますの は、一般管理費と人件費を加えたもので、これに含まれない予算としては業務費があ り、業務費以外の経費を一般管理費等としてその対象にしているということです。それ から、平成14年度、これは独立行政法人になる前の時点ということで指示が来ている わけですが、平成14年度の日本労働研究機構の事業規模と労働研修所の事業規模を合 わせたものと比較して、18年度において25%節減した額になるという目標でござい ます。  これに対応して、右側の中期計画では、この中期目標を達成するために労働政策研究 ・研修機構がその業務の計画を定めることになっているわけですが、これに対応して右 側ですが、この25%の節減をするために、省資源、省エネルギーの推進、あるいは一 般競争入札の積極的な導入等を進めるとともに、業務処理への情報通信技術の活用や定 型業務の外部委託等、業務処理の効率化のための見直しを行い、経費の節減を図る、と いうことにしております。  ここで明示的に出ておりますこういった一般競争入札の活用等々が経費節減の基本に なるわけですが、これと併せて、人件費については、後ほどご説明いたしますけれど も、計画期間中に6名減らすことによって節減を図るという計画になっているところで す。  続いて、2ページ、第3の国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に 関する事項、ということです。  これについては、法律上定められた独立行政法人の業務ごとに目標を定めているとこ ろです。まず最初は、労働政策についての総合的な調査研究です。これについては、現 在我が国が直面する中長期的な労働政策の課題のほか、行政及び国民各層のニーズを踏 まえたテーマについて政策の企画立案等に資する質の高い成果を出していると認められ る。ということです。この中長期的な労働政策の課題につきましては、この資料12ペ ージからの別紙で9項目、厚生労働省から独立行政法人に示す研究課題を書き込んでお ります。先ほどちょっとご紹介いたしました失業の地域構造分析、労働条件決定システ ムの再構築から始まりまして、最後、ホワイトカラーを中心とした中高年離職者等の再 就職支援というところまでの9項目について、中期目標期間、3年6か月の間に研究し ていただくテーマとしてお示ししたいと考えておりますが、これと併せて、時々の行 政、あるいは国民各層のニーズを踏まえたテーマについて研究していただくということ を予定しております。  この点について中期計画では、右側に、実施する研究について、イで政策の企画立 案、もしくは実施を支援し、または政策論議を活性化する質の高い成果を出す、という ことになっており、大きく3つに分けて整理しております。  (1)中長期的な社会経済システムの構造変化に対応した今後の労働政策の基本的な方 向性や政策課題を発見・提示するもの、ということで、先ほど別紙1の9つの研究の (1)から(7)まででございます。  (2)現下の政策課題に関して、その理論的・実証的説明を行うもの、ということて、 これについては後ほどご説明しますけれども、現時点ではテーマは特定されておりませ ん。  (3)職業指導等に関する実務的ノウハウや職業適性検査等のツール開発に係る研究等、 研修を通じて個別の政策の効果的な実施や高度化に資するもの、ということで、これが 先ほど申し上げました政策と研修の相乗効果を発揮させるという観点から実施する、い わゆる研修研究と呼ばれるもので、別紙1の9項目のうち、(8)総合的な職業情報デー タベースの開発 (9)ホワイトカラーを中心とした中高年離職者等の再就職支援、これ はカウンセリング等の内容になりますが、こういったものを予定しております。  次に3ページ、ロ 研究の実施体制については、(1)プロジェクト研究として9つの 特定されているものについては、内外の幅広い人材の参加を得て、中期目標期間を通じ て実施するわけですが、それぞれのプロジェクト研究に関して責任を持って実施する研 究部門を設けて進めていくことといたしております。  なお、このプロジェクト研究は3年6か月後にまとまるというイメージですが、(1) の下から2番目のパラグラフで、最終的にとりまとめる報告のほか、年度ごとに中間的 なとりまとめを行って公表する、ということにしております。  (2)個別研究ということで、これが日常的な研究活動の中心で、こちらは大体年間 40本ほどを予定しております。これは先ほどの中長期的な政策課題以外のもので、原 則として1年以内の期間で実施することを予定しております。個別研究のテーマについ ては、政策の企画立案に資すると考えられる調査研究シーズを機構の事業活動の中から 発見・発掘して、機動的に設定するということで、特にそのテーマの設定に当たって は、行政の要請、あるいは労使をはじめとする国民各層のニーズを把握した上でテーマ を設定していくこととしております。この個別研究については、実施計画は年度計画で 定めること、として、年度ごとに最終結果をとりまとめて公表するということにされて おります。  次にハ 調査研究のとりまとめですが、これについては、4ページに中期目標の案が ありますが、中期目標期間中における関係学会での発表や関連専門誌への論文掲載、そ の他一定の外部評価を受けた研究成果を120件以上とすること、ということで目標を 設定しております。これは、平成13年度、14年度の実績が年平均26件と書いてあ りますが、この年26件×3.5年×1.3で、従来の3割増の実績を目標として掲げ るという意味で1.3を掛けておりますけれども、そういった算定で120件以上とい う具体的な数値目標を示しておるところです。  具体的なこの中身について、中期計画では、3ページの終わりからですが、調査研究 のとりまとめにおいては、研究評価の一環として、外部の人材を含む評価を行って、学 術的な観点と政策的な観点、むしろ政策的な観点が主だろうとは思いますけれども、そ の2つの観点から一定の水準を満たしていると認められるものを機構として公表するこ とを予定しております。その内訳として、厳正な外部評価により高い評価を受けた報告 書を30件以上確保するということと、学会や外部の媒体等でも高い評価を得るとの観 点から、内外の関係学会での発表や関連専門誌等への論文掲載を90件以上ということ で、合わせて、120件を確保するという計画になっています。  続いて、調査研究活動の水準を向上させる仕組みの整備 ということで、中期計画の 内容ですが、政策の企画・立案等に資する質の高い成果を確保するための措置として、 イロハニの4点掲げています.  イは、優秀な研究者の確保と育成 ということです。調査研究事業の中核を担う研究 者ついては、労働政策の分野において基礎となる研究能力、幅広い関心を備えた人材を 基本的には内部常勤研究員として確保育成するということですが、これと併せて、任期 付き研究員や非常勤研究員の採用によって、外部の優秀な研究者の参加を得て幅広い人 材の活用を図って参りたいということになっております。なお、研究員の業績評価制度 につきましては、中期目標期間中の初年度、即ち、平成15年度中に整備を完了して実 施することにいたしたい。このようになっているところです。  ロは、適切な研究評価の実施 ということですが、業績評価システムに基づいて、事 前、中間、事後の3つに分けた研究評価を実施することを予定しており、研究評価につ いては、省内発表会によるピアレビュー等の内部評価、さらに外部評価を組み合わせて 実施していくということを予定しており、評価結果が出されましたら、3か月以内に独 立行政法人のホームページにおいて公表することを予定しております。  また、外部評価については、定量的な指標を設けて一定以上の評価を得るということ にしたいと考えておりますけれども、この評価の定量化の方法、達成目標については現 在検討中でございまして、本年度中に定めて公表する、ということになっております。  ハは他の政策機関等との連携でございますが、左側の中期目標において、共同研究数 を95件以上確保するという目標を示すことにしております。これは過去5年間の年間 平均の3割増、先ほどと同じですが、18件×3.5×1.3ということで、従来の3 割増の量を確保するという目標でございます。  これについては、中期計画では研究テーマに応じて内外の政策研究機関等との連携も 図りながら共同研究を実施していくこととしておりまして、具体的には中期目標期間中 に内外の他の政策研究機関との共同研究を25件以上、外部の研究者との共同研究を7 0件以上ということで計画しておるところでございます。これもそれぞれ3割増で計画 を立てられているということです。  ニは、有識者からの評価の調査等ですが、中期目標においては、有識者を対象とした アンケート調査によって3分の2以上の者から有益であるという評価を得るということ です。これは先行の独立行政法人、類似の独法である経済産業研究所の目標を参考にし て定められたものでございます。当初、経済産業研究所では50%以上という目標でし たが、その後修正されて、現在は3分の2以上となっていますので、これと同等の評価 を目指したいということです。  中期計画においては、この報告書の配布に併せてこのアンケート調査を行い、3分の 2以上の評価を得るということ。それか、プロジェクト研究及び行政からの要請に基づ く調査研究を中心として、研究活動の種々の局面で政策担当者等との意見交換等を実施 する、ということを掲げております。  続いて、独立行政法人の2番目の業務であります労働事情・労働政策に関する情報の 収集・整理でございます。  中期目標では、先ほどご説明しましたように、緊急に政策研究に純化するということ で、労働に関する政策研究や政策議論に資するよう、内外の労働事情、各種統計データ 等を機動的に収集・整理すること、を目標として提示したいと考えております。  これに対応する中期計画としては、2の(1)国内労働事情の収集・整理ということ で、資料にあるような統計調査、ビジネス・レーバー・サーベイ、有識者アンケート、 トレンド研究会などを実施することによって国内の労働事情に関する動向を機動的に収 集・整理する。数値的には、収集・整理する情報の質を向上させ、年間26件以上新聞 ・雑誌等に結果が引用されることを目標にやるということにされています。 (2)イ 海外情報の収集・整理については、海外主要国の労働情報を国別あるいは政 策課題別に継続的・体系的に収集・整理する予定です。ロ 労働政策研究上の喫緊の課 題となる政策課題に関する情報は、海外の研究機関等とのネットワークを活用するとと もに、必要に応じて現地調査を実施して収集する。  ということで、数的には中期目標期間中で1100件以上という目標を計画上掲げて いるところでございます。 (3)各種統計データの収集・整理については、広範囲の情報源を活用して労働関係の 統計データを収集する。あるいは、これらを分析・加工し、既存の数値情報では得られ ない有益、有効な情報を作成する、ということで、単純な統計データの収集等はもう行 わないということでございます。  これ以外に(4)内外の労働関係図書資料を収集・整理・保管して調査研究、研修事 業の推進を支援するとともに、一般にも公開して有効活用を図るということが計画され ているところです。  3つ目の業務であります、研究者・有識者の海外からの招へい・海外派遣について は、各国に共通する労働分野の課題について各国の研究者、研究機関とネットワークを 構成して、研究成果の交換、活用を図るとともに、研究員の派遣・招へいを通じた研究 交流活動を推進することを目標として掲げておりまして、中期計画で具体的に、研究交 流を通じた共同研究の基盤つぐりと研究論文の発表やフォーラムの開催等、ということ で具体的な数値が示されております。 (1)海外の研究機関等とのネットワークの形成 (2)研究者等の招へい これは内容によって長期と短期に分けて、合わせて中期目標   期間中に36人以上の研究員を招へいするという計画になっております。 (3)研究者の派遣 これも長期と短期に分けて、合わせて同じく60人以上というこ   とで計画を立てておるところです。  4つ目の業務の調査研究結果等の成果の普及・政策提言ですが、1から3までに掲げ た業務の成果の普及ということですが、これを関係者に情報発信することによってその 普及を図るとともに、調査研究等の成果を活用して定期的に政策論議の場を提供する、 ということを中期目標に掲げておりまして、具体的な目標としては、 (1)調査研究等の成果について、ニュースレターを月1回以上、メールマガジンを週   2回以上発信する。 (2)はホームページへのアクセス件数を3年半のうちに2万1千件以上とすること。 (3)フォーラム、国際シンポジウム等の開催がのべ39件以上とすること。  という3つの目標を中期目標では設定しておるところです。  これに対応した中期計画では、調査研究成果等はとりまとめたら迅速に発表、提供す るということですが、その具体的な形態は「労働政策研究報告書」「労働政策レポート 」などの形態で発表することとされております。  併せて、ホームページ、データベース、メールマガジン、定期刊行物等々、各種の媒 体を効果的に活用してその普及を図るという計画となっております。  具体的には、まずニュースレターとメールマガジンですが、調査研究あるいは情報収 集等の成果を整理して情報発信するメールマガジン、背景の分析・解説を加えてニュー スレターを考えておりますが、ニュースレターについては月1回、メールマガジンは和 文週2回、英文月2回という計画となっております。  また、メールマガジンの読者は、和文24000人、英文2000人以上という目標 が計画上掲げられており、さらには、ニュースレター、メールマガジンの読者アンケー ト調査において有益であると答えた割合が70%以上になるような評価を得ること、と されております。  調査研究等の成果については、ホームページで提供するわけですが、それ以外に長期 的に蓄積・整理して体系的に提供することが求められるものについてはデータベースと して整備、提供するということで、論文データベース、調査研究成果データベース、蔵 書データベース等々のデータベースを整備する予定でございます。  こういった取り組みに加えて、利用者のニーズに沿ったホームページを提供すること によってアクセス件数21000万件、これはページビュー数ですが、を確保すること を計画しております。これも従来の実績の3割増の水準でございます。  研究専門雑誌については、質の高い政策論議、政策提言を促進するためにレフリー制 の研究専門雑誌を発行する計画でございまして、これを毎月1回発行していく予定でご ざいます。現在は「日本労働研究雑誌」というものが発行されているところです。  政策論議の場の提供としては、内外の研究者、政策担当者、労使関係者等の参加を得 て、労働政策フォーラムを定期的に開催する。あるいは調査研究成果等を踏まえた開か れた政策論議の場の提供等を行うことが予定されており、さらには、フォーラム、シン ポジウム等も随時開催していくということで、具体的な数字は、労働政策フォーラムは 年6回程度、国際シンポジウムは年2回程度、国際フォーラムは年3回程度をそれぞれ 開催する、ということで3年半の間に39回以上を確保するという計画でございます。  なお、これらの参加者を対象としたアンケート調査において「有益であった」と答え た者の割合を70%以上とする、という計画でございます。  以上のもの以外に、調査研究成果等の研修への活用等ということで、調査研究成果の 蓄積を基礎として研究員等が労働大学校が行う研修に積極的に参画する。あるいは行政 機関をはじめ外部の機関からの講演、講師等の要請に対応する、という計画になってい ます。 続いて、5番目の業務、労働関係事務担当職員その他の関係者に対する研修で す。  これは中期目標においては、研究員による研究成果を活かして第一線の機関で実際に 役に立つ研修を効果的に実施する。併せて、研修の場を通じて労働行政の現場で生じて いる問題等を吸い上げて研究に活かす、ということになっています。具体的な目標とし ては、研修生に対するアンケート調査で、85%以上の者から「有意義だった」という 評価を得ることとしています。  これに対応する中期計画としては、(1)研修の効果的実施ということで、事例研究 やロールプレイ等により実務的な能力を強化するよう研修内容の充実を図る。研究員が その研究成果を活かしつつ研修実施に積極的に参画する。効果的な研修実施のための研 修技法についての研究、教材の開発等を行う、ことにいたしております。 (2)研修と研究の連携ということで、研修生に対するニーズや問題意識等に対するア ンケート調査等を通じて、現場の問題意識等を吸い上げて研究に活かす、ということで す。 計画においてもこれらのことを通じて85%以上の研修生から「有意義だった」 という評価を得ることとする、という計画になっています。  6のその他の事業です。これは1から5までのいずれかには概念的には整理されるこ とになるわけですが、調査研究等の事業成果の蓄積を基礎として、広く労使実務家等を 対象とした教育講座事業を適正な対価を得て実施するということです。これはいわゆる 独立行政法人の自主事業と計画されているものでございます。  続いて、第4 財務内容の改善に関する事項です。  中期目標について、先週末送付させていただいた資料から若干修文されております。 今日お配りしておりますように「業務運営の効率化に関する関する事項」で定めた事項 (即ち25%削減)に配慮した中期計画の予算を作成し、運営を行う、ということにし ております。先週お送りしたものは、運営交付金を充当して行う事業については、とい うことで、自主事業を除いたような限定が加わっていたものですから、そこは削除させ ていただきたいと思います。  中期計画の第3 予算、収支計画及び資金計画ですが、これについては、別綴になっ ているかと思いますが、資料2−3−2をご覧いただきたいと思います。  資料2−3−2の別紙2で中期計画の予算、別紙3で収支計画、別紙4で資金計画、 という形で整理しております。  これは15年10月から3年6か月分の予算を積み上げたもの、その見積りですが、 予算的には、一般勘定、労災勘定、雇用勘定と3つに分けて整理をしております。  国からの運営費交付金が会計区分上3つの種類があって、いわゆる国の一般会計を財 源とするもの、労働保険特別会計の労災勘定を財源とするもの、同じく労働保険特別会 計の雇用勘定を財源とするものの3種類の財源がありますので、それぞれ法律上区分し て経理していただくことになっております。  運営費交付金以外の自主財源というものがありまして、自主財源については、基本的 には一般勘定のところで整理をさせていただいておりまして、例えば、収入の欄で受託 収入というのがありますが、これは受託研究でございます。国からの交付金によらない 各機関からの受託研究をここで整理しております。また、その他の収入のところでは、 一般勘定が多くなっておりますのは、先ほどの教育講座事業の受講料等がここで整理さ れているということです。  これら3年半分を積み上げますと133億5200万余ということで、その95%程 度が運営費交付金になっておりまして、国の調査研究機関であるということ、あるい は、国の職員を中心とした研修を実施するということで国からの運営費交付金が財源の ほとんどを占めるという形になっております。  支出のほうですが、この特徴は、人件費の割合が高いということでございます。多く の研究員を抱えておるということもございまして、人件費が57億2900万というこ とで、支出全体の43%を占めるというのが特徴でございます。物件費等の一般管理費 20億1100万円というのは15%、業務経費53億3400万円というのは全体の 40%に当たるということです。  なお、収入のほとんどを占めます運営費交付金、これの算定ルールについては、別紙 2−2でございます。平成15年度の運営費交付金については積み上げ方式にするとい うことです。これは、平成15年度予算は既に国会の議決を経て成立しているわけで、 積み上げ方式で私どもが予算を要求させていただいたところでございます。今後、これ から要求いたします16年度以降については、算定ルール方式を採用したいと考えてお ります。  この運営費交付金の額は、四角の中ですが、人件費と業務経費、一般管理費を足した ものにβ(効率化係数)、そしてγ(消費者物価指数)を掛けたもの。それから特殊要 因の変動要因を加えて、自己収入を差し引く、ということで運営費交付金の額が算定さ れるというふうに考えております。  なお、人件費については、下にあるように、基本給等に退職手当を加えたものです。  また、β、効率化係数ですが、(注記)の1のように、業務経費、一般管理費に係る 効率化係数、βについては原則として対前年度比2%に相当する額を節減することにな るよう各年度具体的な数値を定めるということを計画しておりまして、先ほどご説明い たしました予算の見積りに際しては、βは0.98ということで計算をしております。  別紙3が収支計画、別紙4が資金計画ということですが、具体的な説明は省略させて いただきたいと思います。以上が、予算収支計画及び資金計画です。  次に、また対比表にお戻りいただきまして10ページ、中期計画の第4 短期借入金 の限度額でございます。独立行政法人、先ほどもご説明しましたように、その財源のほ とんどを国からの運営費交付金で賄うという予定でございますので、短期借入というの はあまり想定はされないわけですが、2にありますような、運営費交付金の受入れの遅 延による資金不足、あるいは予定外の退職者の発生に伴う退職手当の支給等、偶発的な 出費に対応するため、ということで、短期借入金の限度額を3億円という設定にすると いうことが計画されております。この3億円といいますのは、概ね年間の事業費の1ヵ 月分に相当する金額でございます。冒頭でご説明いたしましたが、15年度の平年度ベ ースで37億8千万ということですので、この概ね12分の1を短期借入の限度額とし ているところです。 第5 剰余金の使途については、剰余が出た場合には、この独立 行政法人の中核的な事業内容に使っていただくということで、政策研究の内容の充実、 研修事業の内容の充実、この2つを剰余金の使途として計画しているところです。  第6 人事に関する計画です。 (1)方針としては、優秀な人材を幅広く登用するということで、研究員については、 任期付き任用、非常勤としての任用を積極的に活用していく、というのが一つです。も う一つは、業績評価制度を含む人事制度ですが、先ほど研究員については触れました が、研究員、事務職員の2通りの種類に分けて、いずれもを対象とした業績評価制度を 実施するという計画です。具体的な人事関連諸制度については平成15年度中に整備を 完了して実施するという計画になっております。 (2)人員の指標については、先ほどちょっとご説明いたしましたが、この独立行政法 人、平成15年10月の期初段階では常勤職員数140人ということで、従来と比べま すと13人の削減で発足するわけですが、期末、平成18年度末の常勤職員数は134 人ということで6名の削減を図る予定です。  第7の施設整備に係る計画ですが、この法人は、現在石神井に日本労働研究機構の研 究所がございますが、そちらを本部とする予定で既に引越しは終えております。従来の 日本労働研究機構の新宿事務所は既に撤退しておりまして、石神井にあります研究所が 20年程度経っているということ、それから、労働大学校、現在の労働研修所ですが、 これももう20年ぐらい経っておりまして、それぞれ施設の老朽化等勘案しまして計画 的な改修を進める必要がございますので、この中期計画期間中に2億7800万の施設 整備の予算を国からの補助金という形で計画いたしたいというものでございます。  長くなりまして恐縮でございますが、中期目標と中期計画の説明は以上でございま す。 ○井原部会長  ありがとうございました。それではいま説明のあった中期目標案、中期計画案です が、来年からそれを基準にする評価尺度になっているかどうか、ご質問等ございました らどうぞ。 ○保原委員  最初に形式的なことを教えていただきたいんですが、中期目標は厚生労働大臣が指示 をするということになっていますが、中期計画は誰がつくるんですか。 ○山田政策評価官  これは各法人が大臣から指示された中期目標に沿うような形で策定をする、というこ とになっております。それについて厚生労働大臣の認可を得るということになっており ます。それで、お尋ねの趣旨は、なぜ中期計画の案を厚生労働省が説明するのかと、そ ういうことでございますか。その点につきましては、基本的には先ほど申し上げたよう な形で中期計画というのは決まっていくということになるわけでございまして、この原 案をつくるに際しましても、現在の日本労働研究機構のほうでいろいろと考えている部 分もあるわけですけれども、何せ法人が設立されるのが10月1日ということですが、 10月1日にこの計画をできていなければならないということになりますと、いまの特 殊法人の時代にある程度この計画についても検討をするという実務的な必要性があるも のですので、その点、いま検討しているということでございます。 ○保原委員  これは3年半の計画ですね。それが終わった後は、今度は新しい独立行政法人が、形 式論ですが、中期計画を立てるということになるわけですか。 ○熊谷参事官  今回のこの計画自体も現在の日本労働研究機構なり労働研修所が基本的な内容を主体 的に考えて作成しているわけでございますけれども、形式的に厚生労働省に設置されて おります独立行政法人評価委員会に意見を聞くのは厚生労働大臣がこれを認可するに当 たって意見を聞くという建前になっておるものですから、私から、併せて厚生労働省の ほうからご説明をさせていただいたということでございまして、今回も次回も基本的に この計画自体は独法サイドの計画でございますので、そちらのほうが作成すると。今 回、説明はそういう意味で便宜的に一括してご説明させていただいたというだけでござ いまして、内容等具体的なことにつきましては、来ておりますので、それぞれ日本労働 研究機構なり労働研修所からお答えをさせていただきたいと思います。 ○保原委員  私は中身は全然聞いてないので、要するに、これをつくる主体は誰かという、それだ けです。そうすると、次回からはどうなるんですか。やっぱり同じような、実質誰がつ くるかは別にしてですね。 ○熊谷参事官  作成は次回も独法でございますけれども、この独法評価委員会を聞く主体は厚生労働 大臣であると。 ○保原委員  そうですか。 ○熊谷参事官  今回もそうでございますけれども。そこがワンクッション入っているものですから、 中期目標を示す厚生労働大臣が併せて中期計画を認可する際に両方についての意見を独 法評価委員会に聞くという、その意見を聞く主体サイドとしてご説明をさせていただい たというふうにご理解いただければと思います。 ○保原委員  わかりました。 ○松田委員  いまの件についてですが、目標は厚生労働省、そして具体的な中期計画は独法だけれ ども、まだ発足していないからやむを得ない、というのは認めるとして、スタートして から一部修正もあり得るということですよね。例えばですね、細かいことは割愛します が、こういう独法であればほとんどの目標は定性目標なんですけど、最後は定量に落と し込まないといけないと思うんですが、ほとんどが3割増、3割増となってるけれど、 問題は、どういう内容でどう落とし込むかが重要であって、独法が主体的にやって、い やこうじゃないということになったときには修正はあり得るのかということです。  ほとんど内容の問題なんですよね。機械的に3割増をするという問題ではないと思う んですけど。 ○山田政策評価官  形式論からいきますと、まさに10月1日、独法が設立されたときに中期目標、中期 計画というものがフィックスされるということになるわけですので、この評価委員会で いろいろご審議をいただいた上で10月1日に厚生労働大臣から中期目標について指示 が行われ、中期計画について認可を得るという形になるわけでして、まさに形式論の中 でいま松田委員がおっしゃったことをどういうふうに斟酌していくかということになろ うかと思います。 ○川端委員  これ全体を見ますと、労働研修所は元来内部にあったものを外に出す。それから、研 究機構のほうはいろんなものを削除して、労働政策中心にもっていく。それを合体して より効果を高めようという狙いですよね。そうすると、中身を見ると、どうも厚生労働 省の下請的な感じで、要するに、企業でも中にあったものを外に出してアウトソーシン グするというような位置付けにより強化されているというように見えるんですね。だか ら、独立行政法人が本来持つ独自性をどこで打ち出すかということが難しくなってくる と思うんですね。  いま松田委員のご意見と同じ中身になるんですが、独自性というものをある程度重視 するのであれば、個別法の枠の中になるとしても、労働政策研究・研修機構が将来どう いう姿になりたいのか。何を将来的に実現したいんだというビジョンがはっきりしない んですよ。ビジョンがあれば、世界の研究の位置付けの中で将来こうだよ、こういう姿 になるんだと。そのための長期目標であり、中期目標。そこへ向けての組織であり、事 業の推進計画であると。これは戦略的思考なんですよね。ところが、これは全く従来あ るものを整理して積み上げ発想でやっているから、先ほどのように一律何%とならざる を得ないので、それも最初はやむを得ないかもしれませんが、ゆくゆくはそういう独自 性というものを十分打ち出していくことが可能なのか、あるいはそういうことをお考え になっているのか。そうしないと評価はまさに数字の評価だけになってしまう。そうい うことになりかねないので、独自性といいながら、中身はほとんど厚生労働省のアウト ソーシングというような側面になったときに、独立行政法人という本来の性格、あるい はそういうことをしたことによるメリットは十分達成できないのではないか。こういう ふうに考えるんですけどね。そのあたりは、いまでなくて将来的な課題としてどういう ふうにお考えなってるんでしょうね。あるいはどう考えていけばいいのかということな んですけどね。 ○山田政策評価官  すみません、先ほどちょっと説明が足りなかったんですけども、この中期目標、中期 計画につきましては、先ほど説明があったように、3.5年という期間の中で達成をす るということになるわけですけれども、それまでの間において非常に大きな問題である とか、状況の変化であるとか、そういうことが生じた場合には変更する、ということも ある得べし、ということになっていまして、先ほどおっしゃったように、新しい法人の 中で、まさに理事長が責任者になるわけですが、その体制の中で、こういうふうにする べきである、というようなことが出てきた場合には変更ということもあり得るでしょう し、さらに次の計画期間に入るときには、まさに法人としての主体性というものがかな り色濃く出るような形になっていくであろうというふうに想定はされます。 ○川端委員  その途中で評価委員会の中でそういう意見を申し上げるということは可能なんです ね。そういう方向で組織運営を考えたらどうかということを ○山田政策評価官  それは可能でございます。 ○村山委員  いまのお話は、既に独法化されている事業体があるわけですね、3つ。国立件健康・ 栄養研究所、産業安全研究所、等々、既に発足しているわけですが、その際に、厚生労 働省全体としていまの議論のような方向付けがあったわけですか。つまり、これはいま 改めて出てきた問題ではなくて、独立行政法人化するというときに全体として個々のも のの性格も見直すという議論があったと思うんですね。そのときの経緯を、私は従来の 経緯はあまり知りませんから、ちょっとお話いただけると。そういうコンセプトでやる ならやるということであれば、それは今後直していけばいいわけですから。 ○山田政策評価官  いまおっしゃったような形での議論というのは、現在動いております3法人につきま しては、あまり明確な形では議論になっていないということでございます。ただ、考え 方としては先ほどのような考え方であろうというふうに考えられます。 ○松田委員  この人員の削減は、6人とか10人とたいした問題じゃないので、問題はここに掲げ た質的に高いテーマを実際にこの3年半でやっていく上で、どのようなレベルの研究員 がどのぐらいいて、過去どういうテーマをどうこなしてきたのか。今後このテーマをど んなふうにやっていくのか。それによってさっきいった外部から非常勤なりを補充しな いといけないのか。その点の見通しが全く見えないんですよね。ただ、何をやります、 やります、というだけであって。つまり、問題は他の独法と違って、定常的な仕事では なくて、ここはまさに研究開発的な仕事でしょう。そのレベルはどうなっているのかが 全く見えない。そういう参考資料をつけてもらいたいのと、組織体系がわからないです よね、これ。組織図を見ればある程度わかりますけど。そこにどういうテーマにどうい う人員を当てはめていくのか。これはただテーマだけで、その点が見えない。 ○及川労研機構総務部長  中期目標、中期計画で今後やっていくことについて書いているわけですが、とりあえ ず、実施体制として詳しい組織図等をおつけしなかったことについては不備があったと 思っております。やっていく体制としましては、中期目標で決められたプロジェクト研 究9本、これを中心にやっていくということで、それを中心にした部門編成をします。 その部門編成を中心にしてプロジェクト研究以外の個別研究もやっていくということで すが、常勤の研究員が約50人という体制で今後プロジェクト研究を中心とした研究を やっていくことにしております。それに加えて、この計画の中にも書いてございますけ れども、常勤研究員だけではなくて、研究の活性化という観点から外部の優れた研究者 の方々に非常勤の研究員という形で入っていただくということを想定しておりまして、 今回、新しい組織に以降するに際しまして、常勤の研究員の定員を約2割縮減するかわ りに、非常勤の特別研究員として18名程度の予算の確保をしまして、そういったこと を含めて、そういう体制で、内部の人材と外部の研究員の方々とのベストミックスを追 求していく中でやっていきたいというように考えているところでございます。 ○松田委員  そうすると、この130〜140人の中で、研究者が50人ぐらいで、あとほとんど は事務職員ですか。外部を活用するにしても、これで本当にやれるんですかねえ。です から、どのようなレベルの研究員がいるのか。過去どういうことをやってきたのか。こ のテーマをこなしていくのは全く見えないというのはそういうことなんですけど。 ○本寺委員  私も松田委員と同じ趣旨の質問ですが、いまちょっとご説明があったんですが、言っ てしまうと、研究員の数は減らす方向で、なおかつ出さなきゃいけない論文の数は 1.3倍だと。特にこういう成果主義型の目標を設定するとき一番テーマになるのが達 成の可能率なんですね。その1.3という根拠、どこから導き出してきたのか。あるい は具体的にどうやるのか。いまお伺いすると常勤研究員は50人ということで、これで 年間50本くらいの論文を出すということは、1人1本は必ず書くと。ここらへん現実 的なものなのかという点と、あと、これは逆に大学の先生方に伺いたいんですけど、本 数と質の問題ですね。そこのところは。これはいわば定量的なところで質等を捕捉され てるんですが、その質的な面はどうやって担保するのかという、そのへんのお考え、内 部で1.3というところを固めるときに、そういう議論はどういうふうになされたの か、ちょっと教えていただきたいと思います。 ○及川総務部長  今回3年半を通じてやっていく中で、目標設定を受けて実施していくわけですが、目 標の中で当然達成水準として質、量、両方の観点からクリアするという目標設定という ことで与えられているというように理解しておりまして、中期目標の中で一定の外部評 価を受けたものとか、専門誌等への掲載件数120件ということで、こういったことに つきましては、これまでの研究実績の中でやってきたものに対して一定の努力も含めて 達成できる範囲の意欲的な目標というように考えて計画の中でそれを受けて対応してい きたいというふうに考えているところです。 ○古郡委員  松田委員の質問と関連するんですが、現在、常勤の研究員が50人いらっしゃるとい うことで、それが40人になるということですか、計画の中で。その40人の常勤の研 究員がそれぞれ9つの部門に分かれて研究をするということなんでしょうか。そうしま すと、4つの中核研究に対してその他の5つは非中核研究であるわけですね。そういう ところの各部門の研究員の数とか予算はどのようになっているんでしょうか。 ○熊谷参事官  申し訳ございません、組織図をいま配布させていただきますので、それに基づきまし てご説明をさせていただきたいと思います。新旧という形で、小さくて恐縮でございま すが、右側のほうが独立行政法人になった以降の組織図でございます。労働政策研究 所、所長のもとに研究調整部、国際研究部、情報解析部、調査資料部、統括研究員及び 研究員という形で職員が張り付く形になっています。この統括研究員(7部門・6人) と書いてございますが、これが先ほどのプロジェクト研究の(1)から(7)、がこの7つの 部門です。この7つの部門に統括研究員のほか、研究員が32名張り付く予定でござい ます。これ以外の研究者として、労働大学校のほうに教授3人、助教授5人、研究員 12人と書いてあるかと思います。この教授の中には研修研究を担当する者が2名、専 ら研修を担当する者が1名でございます。それで助教授5人は専ら研修を担当する者で ございます。研修研究担当の教授の下で研修研究を行いますのは研究員12人というこ とでございます。そういう意味では、労働大学校で研修研究を担当しますのは14人、 労働政策研究所の研究員は38人、合わせて52人というのが発足当初の組織の姿でご ざいます。それ以外に研究所のほうでも国際研究等々、情報の収集整理等々をやる職員 がおる。こういうことでございます。 ○村山委員  論文の数は、たぶん従来の反省からいくつというふうに振り被ったかっこうになって いるんだろうと思いますけども、いくつ以上確保するというのは、論文の性質、研究に は合わないので、その程度を目標にするとか。それから、さっきもちょっと気になった んですが、既に発足した3つの独立行政法人、そこでの数と、厚生労働省として、この 機構だけが特別論文を要求されるというようなことに妥当性があるかということもあり まして、全体のバランスの中で大体どのぐらいか。もちろんクオリティの問題がありま すし、ただ数だけで論文というのは評価されるものではもちろんないわけで、実際に数 があれば、評価するときに数が足りないじゃないかとつまらんところで議論になるの で、もうちょっと譲歩したほうがいいんじゃないかと思いますけどね。 ○熊谷参事官  すみません、一つは、先ほどの120件というのは、論文の数ではなくて、一定水準 以上の評価を受ける、そういう研究成果の数ということでございます。研究の本数は先 ほどご説明いたしましたように、このプロジェクト研究、3年半かけて9件ございます けれども、それ以外に大まかにいえば毎年40本ほどの1年ものの研究を予定しており まして、結果として数はもう少し増えてくる可能性もあるわけですが、その中で一定の 評価を受けられる。そういう研究の数をいままでより増やす。そういう中期目標を私ど もとしては考えておりまして、それが具体的な根拠を聞かれると、率直に言ってご説明 は難しいわけでございますが、ほかの政策研究機関として、独立行政法人経済産業研究 所などの例も参考にしながら、政策研究機関として、いままでよりも質の高いアウトプ ットをたくさん出していただきたいということで、それが3割増がいいのかどうかとい う議論はもちろんあろうかと思いますが、そういう意味合いでの中期目標になってい る、そういうことで案を作成しているということでご理解をいただきたいと思います。 ○川端委員  研究の質の問題ですけど、内部評価と外部評価ということで、外部評価の場合に、研 究者が行う学術研究のようなものであれば、学会で報告して評価を受けるということが ありますが、ところが、労働政策に関する論文となれば、その評価方法は有識者にアン ケートということが出ていますが、これは従来と違う、我々大学人が評定している評価 とは違うものになりますけれども、ちょっとイメージが湧かない。経済産業研究所で 行っている有識者のメンバーはどういう人を選んで、どういう基準で評価されているの か、ちょっと教えていただきたい。 ○熊谷参事官  経済産業研究所のほうでは、有益度調査を郵送とウェブ調査の2つでやっておるんで すけれども、郵送先は都道府県とか大学その他の研究機関、シンクタンク、マスメディ ア、こういったような経済産業研究所の調査研究結果のユーザーと考えられるところ 1600ほどを抽出して郵送アンケート調査をしております。回答率は13.4%のよ うでございますが。それ以外にウェブ調査ということでホームページを通じて調査をし ているということで、経済産業研究所の場合は、極めて有益・かなり有益・有益・あま り有益でない・全く有益でないという5段階に分けて評価を聞いておりまして、上の3 つを足したものが85%以上、上の2つで50%程度というふうに公表されておりま す。 ○川端委員  ウェブまで含めますと、かなり誰だかわからないような人からも来るかもしれません ね。安定性というか、信頼性が極めて不安定に見えるんですけどね。それ以外の外部評 価として、例えばどういうことをお考えになられていますか、アンケート以外。 ○熊谷参事官  アンケート以外には、外部評価ということで、外部の研究者等を委嘱して研究成果を 評価する場を設けるということを考えておりますし、それから、それは研究だけです が、あと独立行政法人の行います事業全体については、事業諮問委員会で事業の業績評 価、これも外部の人を委嘱した評価の場を設けるということを予定しておるところでご ざいます。 ○竹内委員  これは実際の定員とか予算を減らして、30%増の成果を3年半で上げようという計 画だと思うんですが、それは具体的にどうやったら上がるかという問題、いままで研究 者がさぼっていたから尻を叩けば上がるというものではないような気もするんですね。 4ページにありますが、任期付きの若い優秀な研究者を入れるとか、非常勤で賃金は安 くてよく働く人を入れるとか、大学に委嘱研究をやるとか、そういう点では、一見定員 が削減されるかにみえても、実際の成果を上げようと思うとマンパワーを確保しないと 成果は上がらないわけですね。そうすると、それは本当の意味で合理化かどうかという 気がするんですけども。  もう一つ、こういうことをやった場合に、短期的に見た場合には、任期付きの若い研 究者を入れたり、安い非常勤を雇って乗り切れば、3年とか5年では成果は上がる可能 性があるんですけども、長期的な展望でほんとに優秀な研究者を育てていくという点で よほど配慮しないとこれは破綻するんじゃないかというふうに思うんですけど。いまお 配りしてくださった組織図を見ているんですが、これのプラスアルファがかなり膨らむ んじゃないかなという気がするんですけど、いかかでしょう。 ○熊谷参事官  ひとつ、任期付きの研究員の場合には、ここの組織図に計上しております研究員の数 のいわゆる定員の枠内で採用するということでございます。ですから、任期付きの研究 員を増やせば全体の研究員の枠が増えていくということではございません。  それから、非常勤の研究員につきましては、先ほど機構からもご説明ありましたよう に、今回研究員を大幅に削減していることで、その際に併せて研究の活性化を図る観点 から従来より10名ほど非常勤の研究員を増やすということは予算上組み込んではおり ますけれども、これは研究員を減らした数よりは少ない数になっておりまして、そうい う意味では厳しい世間の評価がいろいろある時期でございますので、実質膨らんでいる とか、そういうことはございません。 ○松田委員  この組織図を見ますと、研究員の質がどうなのか見えないからなんとも言えないんで すけども、管理部門の総務8人、経理8人、広報11人、民間企業だったら、こんなば かなことをやってませんね。こんなの半減できるんじゃないですか。しかもコンピュー タの時代に。頭数だけ6人減らす、10何人減らすという問題じゃないでしょう、こ れ。6人も10何人も、あれは自然現象で減っていくんですか。何かの措置を取るから 減っていくんですか。このあたりはどういう合理化をしようと思っているんですか。こ れじゃあただ旧機構から新しい機構に移動しただけですよね。生活保障上やむを得ない からこういうことなんですか。もともとこの機構は、先ほどご説明があったように、政 策研究に純化することをやるわけでしょう。それでこのテーマをやるわけですね。こう いう点はどういうふうにお考えなんでしょうね。 ○熊谷参事官  新たの機構の組織・人員というのは今後政策研究に純化した場合に必要と思われる事 業を前提に考えておるものでございまして、総務等は今後強化していく業績評価のよう なものも担当するということでこういった数になっている側面もあるわけでございま す。もとより今回の独立行政法人化に伴いまして、政府全体でいろんな取り組みが行わ れておりますけれども、一般論として申し上げれば、その際に労働問題、雇用の安定と いうものも当然ある程度勘案していかなければいけないものだというふうに私どもでは 考えております。 ○横倉委員  いままでいろいろ伺いまして、実施する側の責任者の立場に自分を置いて想定してみ ますと、少ない人員で質の高い成果を出すということで運営は大変難しいことだろうと 思われます。一つわからない点は、3ページに基本的なプロジェクト研究として9つの テーマに沿ったもの、そのほかに個別研究というのが自主性に富んだものということで すが、いずれにしろ、少ない戦力でやっている場合に個別研究というのは、戦力的な余 裕もないだろうし、外部との乗り合いの色彩の強いものとか、あるいは過去に蓄積され た情報をうまく活用できるものというのは非常に限定されると思うんですが、そういっ た自主的なものもどの程度積極的にやるのかやらないのか。これは先ほどから出ている 政策に沿った研究テーマに純化してやるんだということと、さらにそれにとらわれない 広がりというものとのバランスが非常に取りにくいのではないかという感じがするわけ です。したがいまして、評価をするためには最初のスタート時点でどちらにウエートを 置くかということを明確に指示しておいたほうがいいのではないかという印象を持ちま す。特に個別研究は期待したいんですが、できればこういったものがもっと自主的に設 定できるような指導なり、プロジェクトの与え方というか、期待の仕方をお考えいただ ければと思います。 特に過去の例でいきますと、3年半というといろいろなテーマが 出てきて、当然政策の中に織り込まれたメインテーマ以外にも単発的に行政の各部門か ら一過性のいろんなものが乗ってくるという形がありますので、そういったものがよほ どうまく調整されないと、本来の役割が発揮できないだろう。また、これを実施する側 からもやりたいようにできないといったようなこととか、いろんな矛盾が出そうな気が しますので、企画運営部門がしっかりとコントロールされないと、という感じがいたし ます。  あと、中身の問題、テーマに関して一つ質問があるんですが、これは後ほど。 ○熊谷参事官  プロジェクト研究のほうは中期目標で研究テーマを厚生労働大臣から示すという形に なっておりますけれども、これは先ほどもご説明いたしましたような、研究所の研究部 門、組織にかかわってくるような側面がございますので、3年半にわたるということも あり、お示しさせていただいておりますけれども、個別研究のほうのテーマにつきまし ては、厚生労働省のほうから示すとか、決めるとか、そういうことではございません で、独立行政法人が毎年度、毎年度、あるいは年度途中でもいろいろ考えながら主体的 に決めていく。その際に政策研究機関でありますので、厚生労働省から一定の要請をさ せていただくことはもちろんありますけれども、決定自体は独立行政法人でやるという 考え方になっておるところでございます。 ○寺山委員  私も、9つのプロジェクト研究を3年半で成功させるということが鍵だろうと思いま すが、4ページの、優秀な研究者の確保と育成、ここがポイントだと思います。それ で、そこに書いてある内部常勤研究員として実力を備えた人を是非確保するということ で、組織図をみますと、統括研究員6名と研究員及び大学校の先生方が中核になると思 いますが、先ほどから研究員の中身が見えないということで、私も質問ですが、この5 2名の研究員の、できれば研究能力について若干知りたいということがあるんですけれ ども、例えば、年齢、男女比、研究歴、研究のバックグラウンド、そういうものがわか るとかなり推定できると思いますけれども、いかがなものでしょうか。質問です。 ○及川総務部長  今日手持ちでは持ってきておりませんけれども、研究員のバックグラウンド、専攻分 野、年齢、研究実績、等につきまして、資料は取り急ぎ提出できるようにしたと思いま す。 ○寺山委員  もう一つ、研究者の人事評価も研究中ということで近々にお示しいただけるというよ うなことが書いてありますが、それについてもどのようなことを考えておられるのか、 もしよろしければお話いただきたいと思います、そのときで結構です。 ○及川総務部長  人事制度につきましては、独立行政法人で目標設定のもとに成果を上げていく組織に なりますものですから、研究員、事務職を通じて個人業績評価を中心に据えた人事制度 をつくるということで、昨年来、内部検討を進めてきておりまして、枠組みにつきまし ては中で労使協議の段階に入っておりますけれども、具体的な労使協議に関わる事項で すので、新しい独法が成立しましてから集中的に詰めていく期間が必要なものですか ら、それにつきましては、15年度の下半期中に集中的に内部で議論を固めて、16年 度からは完全実施できる方向に持っていきたいというように考えております。 ○横倉委員  ちょっと差し出がましいようですが、9つの研究テーマに関連して、感想といいます か、要望を申し上げてもよろしいでしょうか。  いずれも非常に大事な太いテーマなんですが、3年半という期間を考えますと、一番 大きく出てくるのが労働市場、特に外部市場、構造変化というものに対しての外部市場 の役割、そういった問題が大きく出るような気がします。既に出ておりますけれども。 で、どちらかといえば、これは労働移動というとらえ方で、ここにも失業の問題とか セーフテイネットとか、あるいは高齢者、若い人の考え方とか、いろいろあるんです が、私自身がこういった外部市場に携わりながら感じますのは、いままで労働行政のい ろんな研究は、どちらかといえば静態的な構造的な研究は非常によくなされているんで すが、それが移動するという動態的な状況に対して、その仕組みがどうであるのか、実 態はどうなのか、例えば、ホワイトカラーの労働移動がどういうふうに進んでいるのか ということは、主体は現職の人がさらに転職していくとウエートが非常に高まってき て、これもかつての国の機関から、民間機関が取り扱う部分が非常に増えてきている。 そういったことが今後のキャリア形成、個人主導型のキャリア形成にも絡んできますの で、それが太いテーマの9つの中をみましても、それぞれに分散している気がするわけ です。そのへんのところは、これは大きなテーマと全部重なりあっていますので、是非 機構として問題意識を持ちながら、積極的な情報提供ができる、あるいは政策提言がで きるような太い柱という角度でもう一遍中身を検討していただければと、これは私の感 想です。 ○井原部会長  お話をずっとお聞きしておりまして、まず最初に大きな目標として、政策研究に純化 すると。そうすると、政策研究に純化していくというときの成果は一体何かというと抽 象的になりますが、厚生労働省が具体的な政策を行う上において役に立つ研究をどれだ けつくり、それが現実に国民の満足度を上げる。それが本当の評価だろうと思うんです ね。だけど、そんなことはできませんから、そのかわりに、いくつかの代理的な評価を していきましょう、という話なんだろうと思うんですね。それでそういう目標を達成す るためにどうやって仕組みをつくっていくか、人員をどう確保していくか、どうやって 研究員の質を高めていくかということを図っているわけです。そのときに、中期目標は 厚生労働大臣が定めるという話でしたが、どうも、本来そういう目標ではないものを中 期目標にずいぶん掲げてあるなという感じを私は受けているんです。例えば、評価を受 けた論文掲載を120件以上とする、というのは、この研究機関が行った成果の評価の 代理基準なんだろうと思うんですね。だからこれは目標ではないんじゃないか。そし て、共同研究を95件以上とするという、これも何か役に立つことをやったという代理 の評価基準になっているんだと思うんです。ここに書いてあるような目標を定めてしま いますと、質はともあれ、研究の数をいっぱい増やせば、それだけ成果があったんだ と。専門誌に掲載された論文の数が多ければ多いほど成果があったんだということに なってしまいますので、そこのところをご懸念いただいているようなご意見が多かった んだろうと思うんです。  だから、直せるかどうかわかりませんが、中期目標と中期計画の整理みたいなことが ちょっと必要なのかなという感じを私自身は受けたんですね。  それから、この中に、研究者・有識者の海外からの招へい、海外派遣。これは事業の 目的のところに書いてある。だけど、これを活発にやるということの背景には何か国民 へとサービス提供ということにつながる目標があるはずなんですね。だから、これをや ることによってそれが達成しやすくなるんだという筋道があるはずなんですね。これだ けを目標に掲げますと、金をいっぱいかけて、人をいっぱいよんで、人をいっぱい海外 に出せば、それで手柄が立ったんだという話になりますので、なんとなくそこいらのへ んがうまく整合性がとれてない感じを私自身受けているんですね。皆さんのご意見どう かわかりませんけど、どうなんでしょうか。 ○松田委員  目標ですから、これに向かおうというその意思はいいと思うんですけど、それが具体 的な計画に落ちていくときに機械的過ぎて、いま先生がおっしゃったようなことになっ てると思うんですね。例えばその一つとして、10ページの・研修生に対するアンケー ト調査で85%以上が「有意義だった」という評価を得ること。その有意義というの は、何を意味しているのか。それよりももっと具体的な効果測定、何をやったから成果 が出て、それをどういう応用活用できたか。効果測定のことがもっと出て来ないと、た だ有意義だったなんて、民間だったらこんなばかなことはやってませんよ。中身をもっ と示さないと。これから具体的にやるんでしょうけれども。どうも目標と計画の整合性 がないというところがちょっとありそうですね。 ○井原部会長  それで、あとで評価をするときの尺度になるということは、それは計画のほうでいい んですか。計画のほうが尺度になって、目標が上位概念ですから、目標のほうに常に フィードバックが可能なような概念にしておいたらいいような気がするんですけどね。 ○山田政策評価官  前回、第1回のときにご紹介させていただいた特殊法人等改革推進本部の事務局で作 成した「中期目標等の策定方針について」というペーパーの中にも、目標をいかに客観 性を持たせたものにするということが大きなテーマをして掲げられておりまして、部会 長おっしゃったように、目標の中でどの程度具体的に書いていくのかということについ ては、いろいろ議論があろうと思いますし、この部会の中でもまさにそこをご議論いた だければと思うのですが、おそらく事務局の認識としては、抽象的な目標というもので は、どういうことをもってそれが達成されたのかということがなかなか見ることができ ない。こういうことで、できるだけ数値目標的なものを、代理指標的なものではありま すが、掲げることによって評価の際の客観性にも資そうということだろうと思います。  おっしゃるように、それは計画の中で具体的な達成水準を掲げればいいのではないか ということも、それはそのあたりも含めてご議論いただければというふうに考えていま す。 ○今野委員  こういうの初めてなものでなかなか整理ができないんですが、通常、計画というと、 目標をいかに実現するかということの少し高次のハウツウを並ベていくというものです けど、ここの中期計画というのは、中期目標のブレイクダウンした目標を並べるという コンセプトでつくってあるんだと思うんですね。ですから、それはそれでいいんです が、じゃあ、ここでブレイクダウンしたサブ目標を実現するために、じゃあ資源の投入 はどうして、体制はどうするか。それでどういうハウツウの体制をつくって、サブ目標 を達成するのかという、そこまで求めるのかどうかということなんですよ。そうする と、たぶんこの表の右側にもう1つ、いわゆる計画がつかないと。そうすると、またま た大変だなあという気もしないではないんですが。  うまく整理できないんですが、いずれにしても、これは中期目標とそれを受けて法人 側がアクション目標をつくったということだと思うんですけどね。で、もしハウツウま で行くとすると、これはどうするかなあ、と思って話を聞いてたんですよね。大変です よね。これは細かく言うと、先ほど示されたプロジェクトは、ブレイクダウンした目標 として9個の目標を設定したわけですね。そこからハウツウでいくと、個々のプロジェ クトが1つの事業だと考えれば、その事業を実現するために人・もの・金をどう投入す るのかというプラン、計画がここにつかなきゃいけないわけですね。研究というのは、 なかなかそういうのが難しいなと思いつつ、たぶん、松田委員がおっしゃられたような ことを満たすにはそういう計画にしなきゃいけないんじゃないかというふうには思いま すけどね。感想なんですね、ちょっと混乱してるもんですから。 ○古郡委員  ここの研究所は従来からいくつかのプロジェクトがあって、そこに専任の常勤の研究 員が張り付いて、あとは外部の研究員を使って研究をしていく、それで研究発表する、 というスタイルをとってきたと思うんですが、その色彩が今後ますます強くなる。常勤 研究員が減って、外部の研究員を使う。そうすれば、120件以上の成果を出すなどと いうのはそんなに難しいことではないんじゃないか。いろんな研究員をいろんなところ からよんできて、常勤の研究員が発表すべきことは何かということもよくわからなく て、ですから、そういう方向が強くなると、個別研究などというのをやっている暇はま すますなくなるのではないかというふうにも思います。ですので、いま今野委員がおっ しゃったようにアクションプランが見えて来ないと全体が見えにくいといくことかもし れません。 ○今野委員  まだ決めかねてるんですけど、一つの考え方は、そんな細かいことはここで私は議論 したくないという気持ちがあって、松田委員のようなこともちょっと考えながら、片方 ではそういう気持ちがあって、つまり、こちらとしては、サブ目標まで頭に入れて、大 まかな資源配分さえ見ていればいいじゃないかというのも一つの考え方なんですね。で すから、いまの関連でいうと、プロジェクトというのはかなり応用研究とか開発研究に 近いわけですから、あと個別のプロジェクトは基礎研究だとすると、その資源配分は 6:4ぐらいにしてくれというぐらい、これは例ですけど、そのぐらいで済ませたいと いう気持ちもあるんですよね。そこから先にいくと、個々のプロジェクト、先ほども言 いましたように、9つのプロジェクトについてどれだけの人間が投入されてるという計 画が出てきたときに、これが適正かどうか、我々はどうやって評価するのかなというこ とも考えなきゃいけないので、それよりは大まかな資源配分、そのへんがそうなってい る計画ならいいんじゃない、というぐらいにしておきたいという気持ちも片方であるん ですけど。 ○松田委員  もしも、今野先生のそういうことであったとしても、最初の1年後の評価をどういう 基準でやるか。できれば、評価の基準も14法人が全部同じわけにいかないでしょうけ ども、ただ、私たちがここに集まって評価云々じゃなくて、どういう基準でこのテーマ について評価するのか。その考え方も少し出してもらいたいと思いますね。 ○今野委員  もしその考え方に立つと、ちょっと乱暴な言い方をすると、プロセスは任せると。そ のかわり結果だけちゃんと見るので、結果の評価だけ、ここで言うと、サブ目標を、サ ブ目標というのは一種の評価基準ですので、そこだけ議論しましょう、という話になる と思うんですね。ですから、それも少し整理しないと、プロセスの話になったり、目標 の話になったりとかいうことで、少し混乱しそうだなと思うんですが、私としてはなん となく目標ぐらいでいきたいなという気持ちがあるんですけど。 ○山田政策評価官  今後のスケジュールにも絡みますので、若干申し上げますと、10月1日までに中期 目標、中期計画についてはフィックスをするということになっているわけですが、先ほ どからお話ございますように、この中期計画までおりた形でもそれを実際に評価する段 になりますと、どういうふうに評価するのか、どこをどうクリアしていれば評価できる というふうな判断になるのか。さらに具体的におりていく必要があると思いますし、そ ういうことをあらかじめ設定をされていることが法人にとっても、何をやればいいのか ということがよくわかるということになると思いますので、10月以降、できるだけ早 い時期に、また労働部会を開催させていただいて、その中で10月に立ち上がった法人 についてのより具体的な評価基準をご審議いただくようなことで進めたいというふうに 考えております。 ○今野委員  細かいことをちょっといいですか。この左側の中期目標は、実際に現場で仕事を動か していくときにあまり細かくないほうがいいなという気があって、ちょっと気になるこ とがあって、最終成果は当然量と質で測るわけですから、120件というのはいい悪い を別にして、そういう量をいって、それをなんらかの質で測りましょうと、これでいい と思うんですが、そのときに中期目標の2番目で共同研究数を95件というふうに出て いるんですけど、あるいは、プロジェクト研究の関係はちょっと定かではないんです が、海外から招へいが何人とかいうのが出てるんですけど、それは120件ということ で象徴されている最終目標を達成するための手段の問題なんですよね。この手段の問題 をあまり中期目標で出すと、これを実現するために動いちゃう。あまりよくないなあと いうふうに思ったんですね。海外との関係はよくわかりませんが、少なくとも、共同研 究数、これは別に個別研究をやろうが、どうしようが、とにかく120いいのを出せば いいわけで、ここでなぜ95件という共同研究が中期目標で上がっちゃったのかなとい うのが気になったんですが、このへんはどうですかね。なくてもいいんじゃないです か、これは。 ○井原部会長  私がさっき申し上げたのはそれで、ここに上がっている何件という話は、目的が達成 されているかどうかの本来の尺度がないものですから、それにかわる代理尺度なんです ね、あくまで。だから、その代理尺度が本来の政策研究に純化するという目的にうまく 沿ってるかどうかを議論すればいいわけですよ。だから、それが共同研究は95以上、 それは合ってるかどうか等々がほんとにそうなのかという話で、何かうまい尺度があれ ばそっちのほうがいいなあという気はするんですね。  今野先生おっしゃったように、これを目標に掲げちゃうと、どうも歪んじゃうような 気がしますね。 ○熊谷参事官  先ほども部会長から同じようなご指摘がありまして、本当にご指摘のとおりだろうと 思うわけでございますけれども、片や、こういう目標案になった過程の中では、具体的 は数値目標を求める外部の声が非常に強いようなことを考えてながらつくっているうち に件数をあげられるものは出てきちゃってるという側面があるのは事実だろうと思いま す。部会長おっしゃったような方向に沿った具体的な指標というのは、いい知恵があれ ば私どもご指導いただきながら出していきたいというふうに考えておりますし、今ほど の今野委員のご指摘についても十分検討させていただきたいと思います。 ○竹内委員  中期目標のプロジェクト研究のことなんですけども、機構の組織図をみますと、研究 調整部とか国際研究部とか、なっているんですが、具体的には法人がそれぞれのプロ ジェクトについてこういう目標を達成するためにどういう能力とかキャリアのある人材 と、どれほどの予算を投入して、という形で具体化されるわけでしょうか。それに基づ かないとこの成果は評価できない可能性があるんですけれども、そこのところはどうな んでしょうか。ある意味で、研究部門は、プロジェクト研究ではバッと組織替えをする ところがありますね。そして、プロジェクトリーダーが責任を持って中期計画を達成す るという形の責任体制を明確にして研究を実行する。この場合は、機構とプロジェクト 研究の責任者、誰が責任を持ってやるかが明確ではないような気がするんですが、今後 どういうふうになっていくとか、あったら教えていただきたいと思います。 ○及川総務部長  ご指摘のプロジェクト研究につきましては3年半を通じて実施していく新機構の研究 の柱というふうに思っておりますので、実施体制につきましても、3ページのプロジェ クト研究の実施体制のところに書きましたように、プロジェクト研究を機構がやってい く研究の中核に据えて、それを責任を持って実施できる研究部門体制をつくり、その部 門長には研究全般について研究をリードしてプロジェクト研究の参加する職員を指導で きるレベルの人材を当てることにする、ということにしております。  10月から本格的にスタートするわけですが、現在既にプロジェクト研究については 実施体制の準備チームをつくってやっておりまして、その中でこういった部門編成を先 取りして、あるいは外部の研究者の方々の参加も含めて準備を進めているところであり ます。基本的に、実施の中では研究部門に所属する研究員が中心になって実施していく ことはもちろんですけれども、研究所組織の中に新体制においては、国際研究部、情報 解析部、調査資料部という組織ができまして、いわゆる事務職採用の職員が中心になり ますけれども、そういった職員も今後の新しい研究所体制の中でリサーチ能力を高めて いくという一環として、適時適材の人材をそういった研究にも参画させていくというこ とを計画しているという状況です。 ○川端委員  研修についてお伺いしたいんですが、9ページのイ 研修内容の充実等で、実務的な 能力を強化する、とありますが、これはこういうことに限るわけですか。例えば、労働 政策に関連したことではなくて、ハウツウを教えるような実務的能力ということに限定 するお考えなんでしょうか。 ○大崎労働研修所主幹  研修所では従来から労働行政の第一線の職員を対象とした研修を行ってきまして、そ ういう中で実務的な能力についていろんな形で付与してきたわけですが、それと併せ て、今回研修研究部門と一緒に研修を実施していく中で、さらに特に今後必要となると 思われる専門的能力の部分についてもいままで以上に内容を充実させてやっていこうと いう考え方でございます。 ○川端委員  実務的な能力というのはある程度人材育成的な要素が当然入ってくるわけですね。そ うすると、ひとつは、10年ぐらい前はこういうことをいってたんですけど、いまはも うこういうレベルではなくて、知識レベルであればeラーニングでどんどんやっていく し、仕事を総合的にというのであればマクロラーニングのようなもっと実践的なこと、 さまざまな方法があるんですけど、事例研究やロールプレイ等により云々というのは、 ちょっと寂しい感じがしますので、もう少し検討できないかと思います。総合的なコン セプトスキルみたいなものを利用することが重要なことだろうと思います。  それから、先ほど松田委員からありましたけど、研修生に対するアンケートで「有意 義だった」が85%という、これはやむを得ないといえばやむを得ないけれども、本来 の研修評価というのは、例えば、厚生労働省が職員を派遣するときに、厚生労働省に研 修計画、人事計画があって、それでどういう能力を開発し、高めていくのか。それが達 成されたかどうかというのが評価ですね。その効果測定と、研修員の感想というのは、 私もずいぶん研修をやっていますが、これはものすごくズレるんですね。まあ、研修員 の感想が低ければどうにもなりませんけど、これが高いのは当然で、これが高いからと いって本来の目標が達成できたということにはならない。これも測定方法が非常に難し いということもありますが、少なくとも、企業等が外に派遣する、あるいは能力開発に ついてアウトソーシングするときは、派遣側が要請した能力がどれだけ高まったかをみ るわけで、そこのところの工夫を考えていただきたいと思います。  それから、さっきの研修の方法、あえてこれぐらいのことは書く必要はないんじゃな いでしょうか。これを書くことで研修そのもののあり方を小さくしてしまうような気が します。意見です。 ○村山委員  私は専門も違いますからこの分野にはあまり詳しくはないんですが、あえて確認とい うか、こういう考え方でいいんでしょうか。労働政策研究というのは、労働のいろんな 状況を調査をして、実際の政策に反映をすると。そうすると、9つのプロジェクトでこ ういう研究がされて次の年の労働政策にこう反映されたというと大変な成果になるわけ ですね。これは当たり前のことですけど。私の専門は臨床医学ですが、医学の分野です と、ベーシックサイエンスですと、福祉、健康等に必ずしも直ちには反映しませんが、 臨床医学の○○病の研究では、その成果で患者さんはどのくらい減ったということが5 年ぐらいではっきり数値として出るわけですね。それはまさに成果であって、論文の数 ではなくて、評価になるわけです。  そうすると、労働政策の概念としては、いってみれば臨床医学的な発想で、実際の労 働施策にこのぐらい反映したということが目標になると。ほかの委員の方がご専門でお わかりかもしれませんが、そこがちょっとわからなかったこと、もう一つは、例えば、 日本労働研究機構の表には、キーワードで、メンタルヘルスとか産業衛生的なところも 入ってるんですが、これは福祉医療機構、あるいは産業安全研究所等でやることで、こ こにはなじまない。つまり、厚生労働省関係でいくかの独立行政法人があって、それぞ れは何を、どういう中期目標でやっているのかを参考のために見せてもらえると、この 部分はここでやりましょうとか、いうのがわかりやすい。全く全体像がよめないので ちょっととまどっているということであります。 ○井原部会長  具体的な政策に敏感に反映されるか。もし出るとこれは状況が変わってきますよね。  ちょっと時間がなくなってきたんですが、よろしゅうございますでしょうか。  それでは次に移らせていただきます。今日いろいろとご意見いただいた結果について は、現在検討中の部分もありますので、それと併せて、次回に示していただきたいと思 います。  それでは次に、業務方法書について、説明をお願いします。 (2)業務方法書について ○熊谷参事官  業務方法書は資料の2−4に沿ってご説明させていただきます。  この業務方法書につきましては、先行の独立行政法人、産業安全研究所や産業医学総 合研究所の業務方法書と同じつくりでございます。もちろん、やることは違いますの で、それぞれ変わっておりますが、条文はほとんどパラレルなものばかりだというふう にご理解をいただきたいと思います。  そういう意味で、第1章 総則  第1条(目的)は、法人の労働政策研究・研修機構ということで、そのへんが変わっ ていますが、基本的に通則法と財会省令の規制に基づいて運営していくということであ ります。  第2条は(業務の執行)ですが、機構の業務は通則法と独立行政法人労働政策研究・ 研修機構法、それから関係法令によるほか、この業務方法書に定めるところによる。  第3条は(業務運営の基本方針)ですが、前段の並びで、機構は、主務大臣の認可を 受けた中期計画によるほか、通則法及び個別法並びに関係法令の定めるところにより、 業務の適正かつ効率的な運営を期するとともに、その透明性の確保に努め、もって、以 下が独自でありまして「もって、我が国の労働政策の立案及びその効果的かつ効率的な 推進に寄与し、労働者の福祉の増進と経済の発展に資するものとする」ということで す。  第2章 業務の方法  第4条は(業務の種類)で、個別法12条に規定されております附帯業務まで入れて 6つをそのまま掲げております。  第5条から7条は(共同研究)の規定ですが、これも先行の独法と同様に、共同研究 を行うことができ、相手方と契約を締結するということ。その契約で提携すべき内容を 定めております。  第8条は、研修をやる機関ということで、独自に書き加えておりますけれども、機構 が研修業務を実施するにあたっては、地方公共団体、公益法人その他の団体等の職員に 対する研修を行うことができ、その際、適正な対価を徴収することができる、というこ とを書き加えております。  第9条(研究機関等との連携・協力活動) これも先行のものと同じでございます。  第10条(業務の実施方法) これも実施計画を策定すること、定期的なモニタリン グを実施すること。先行の独法と同じになっております。  第11条(業務の評価) これもそれぞれ書いてございますけれどお、調査研究・研 修等の業務について評価を行うということ。その評価は、内部評価と機構外の有識者に よって行うということ。機構はその評価の結果を反映させるために必要な措置を講ずる こと。外部評価の結果、それに基づき講じた措置は公表すること、等を定めておりま す。  第3章 業務の受託及び委託  これも基本的に従来のものと同じですが、機構は業務を受託できること。それは個別 法12条の法定の業務の範囲内であること。そして、業務を受託する際には契約を締結 することが13条でございます。  14条で契約の内容を書いております。  15条で業務受託料ということで、当該業務の実施に要する経費の額を考慮して定め ることを書いております。  16条、委託のほうですが、これは機構の業務の効率的実施のために、業務に付随す る補助もしくは間接的業務等を委託することができる、ということで、委託の際には契 約を締結すること。  17条は、委託契約において定めるべき事項です。  共同研究における特例、これも従来のものと同様に18条で規定しております。  第4章 契約の方法  経費節減等のために一般競争入札による契約の締結を原則とする、ということが19 条です。  一般競争入札の実施方法が20条。  指名競争入札により契約を締結することができるケースについて21条に規定してい ます。22条は随意契約によることができるものとする。  21条、22条も先行の独法と同じになっております。  続いて、(落札)(契約の解除)(契約の特例)(会計規程への委任)このへんはす べて同様でございます。  第5章 業務の成果の普及の方法  (国等への協力)これも先行独法にもありますが、国等の設置する委員会等に参画さ せることができるということ。  28条で(成果の普及) 業務の成果の普及について、フォーラムの開催、報告書の 作成・提供、ホームページに掲載・提供、教育講座の実施、その他の方法、ということ で、成果の普及方法を規程するとともに、この業務を行うときは、適正な対価を徴収す ることができる旨、規定しております。  29条(知的財産権の確立等) これも従来と同じ、並びの規定です。  第6章 施設等の貸与  30条 ここも従来と並びの規定です。  第7章 業務運営に関する事項の公表の方法  31条 基本的には並びですが、機構は業務運営に関する重要な事項について官報へ の広告、ホームページへの掲載その他の方法により公表するということです。  附則で、この業務方法書は、厚生労働大臣の認可を受けた日から施行し、10月1日 から適用するということです。  基本的には独自のものはあまりない内容になっております。以上でございます。 ○井原部会長  はい、それでは業務方法書について、ご意見等ありましたらどうぞ。  これはここでの議論によっては修正可能ということですね。 ○熊谷参事官  はい。 ○井原部会長  よろしゅうございますか。では、この点に関しては皆さんの納得を得たということに いたします。  今日の意見、たくさんの宿題が出たと思いますが、これに基づいてもう一度、中期目 標、中期計画を練り直して、それはいつ出していただけますか。 ○山田政策評価官  今後のスケジュールでございますが、お手元の資料1−6ですが、今後の予定といた しまして、第3回、第4回につきましては、勤労者退職金共済機構、高齢・障害者雇用 支援機構、それぞれについて本日のような形でご議論をいただきまして、第5回、9月 19日に取り残した点、宿題事項等々含めてもう一度ご議論いただくということにした いと考えています。 ○井原部会長  今事務局が説明した形で進めていきたいと思います。  それでは本日は終了させていただきます。長時間どうもありがとうございました。                                     (了) 照会先  政策統括官付政策評価官室 独立行政法人評価係  代)03−5253−1111(内線7790)