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平成15年8月1日

照会先:健康局疾病対策課
     菊岡・片岡
(代表)03-5253-1111
(内線)2353・2368

厚生科学審議会疾病対策部会
クロイツフェルト・ヤコブ病等委員会(第4回)の概要について


1.本日、厚生科学審議会疾病対策部会クロイツフェルト・ヤコブ病等委員会(委員長:北本 哲之・東北大学医学部教授)が開催されました。

2.「プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究班」クロイツフェルト・ヤコブ病サーベイランス委員会より、平成14年12月から平成15年2月までに調査された症例を加えた解析結果が報告・検討されました。
(1)平成11年4月1日から平成15年2月末日までに得られたクロイツフェルト・ヤコブ病等(以下、プリオン病という)の患者に関する情報は562件(重複して報告されている例を含む)でした。このうち、第3回委員会での報告以降83例に関する情報がサーベイランス委員によって収集され、83例中4例は委員会でプリオン病が否定され、18例は過去の報告例の情報追加であり、1例は前回までにプリオン病として登録され、解析対象となっていたが、脳波に関する情報が新たに入手され、これによりプリオン病を否定され、登録除外されたものでした。また、8例は保留として今後とも情報収集を継続することとなりました。これらの31例を除く52例がプリオン病と判定されました。現行のサーベイランス体制になってから新たに登録された症例は、409例となりました(表1・表2)。なお、乾燥硬膜移植歴を有する症例が新たに4例報告され(表2)、本委員会において把握された乾燥硬膜移植歴を有する症例は97例となりました。変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の症例は見られませんでした。
(2)プリオン蛋白遺伝子検索は233例(新規登録例では25例)で実施されており、このうち20例を除く213例で結果が判明し、そのうちプリオン蛋白遺伝子の異常を認めたのは45例で、その内訳はコドン102が14例、同105が2例、同178が2例(家族性クロイツフェルト・ヤコブ病、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病各1例)同180が8例、同200が13例、同232が3例、extra-repeat insertional mutationが1例、詳細不詳が2例でした。

3.過去のサーベイランスで情報収集していたものと合わせ、本委員会で把握しているプリオン病の症例の累積は、合計1,357例となりました。

4.感染症予防法に基づくプリオン病の届出症例については、平成15年には7月31日現在で合計67例(概数)であった旨の報告がありました。


表1.患者の性別・発病年の分布

  登録例全員 新規登録例
(再掲)
性別
169(41)
240(59)
22( 42)
30( 58)
発病年 平成7年以前
 〃 8年
 〃 9年
 〃 10年
 〃 11年
 〃 12年
 〃 13年
 〃 14年
15( 4)
5( 1)
29( 7)
54( 13)
82( 20)
90( 22)
91( 22)
43( 11)
0( 0)
1( 2)
1( 2)
0( 0)
1( 2)
8( 15)
26( 50)
15( 29)
409(100) 52(100)
 注)括弧( )内(%)は、四捨五入の関係で合計は100%にならないこともある。


表2.患者の発病時年齢の分布[病型別]

年齢(歳) 全患者 孤発性
CJD1)
硬膜移植
歴のある
CJD
遺伝性プリオン病
家族性
CJD2)
GSS FFI
登録例全員
1〜19
20〜29
30〜39
40〜49
50〜59
60〜69
70〜79
80〜89

計(全年齢に占める割合)
[全患者に占める割合]
2( 0)
2( 0)
7( 2)
25( 6)
92( 22)
142( 35)
113( 28)
26( 6)

409(100)
[100]


3( 1)
15( 5)
67( 21)
114( 35)
99( 31)
25( 8)

323(100)
[ 79]
2( 6)
2( 6)
1( 3)
4( 11)
8( 22)
13( 36)
6( 17)


36(100)
[ 9]



4( 13)
9( 29)
10( 32)
7( 23)
1( 3)

31(100)
[ 8]


3( 18)
2( 12)
7( 41)
4( 24)
1( 6)


17(100)
[ 4]




1(100)




1(100)
[ 0]
平均
標準偏差
64.3
11.3
65.9
10.0
56.6
16.0
62.3
10.4
53.8
11.8
57.0
-
新規登録例(再掲)
〜39
40〜49
50〜59
60〜69
70〜79
80〜89

1( 2)
8( 15)
19( 37)
22( 42)
2( 4)

1( 3)
6( 16)
11( 30)
17( 46)
2( 5)



3( 75)
1( 25)


2( 20)
5( 50)
3( 30)




1(100)
 
計(全年齢に占める割合)
[全患者に占める割合]
52(100)
[100]
37(100)
[ 71]
4(100)
[ 8]
10(100)
[ 19]
1(100)
[ 2]
0( -)
[ 0]
平均
標準偏差
67.8
7.7
68.2
8.2
66.0
3.7
66.6
7.1
73.0
-
-
-
 注 1)プリオン蛋白遺伝子の検索を行っていない例を含む。
 2)プリオン蛋白遺伝子の変異を認めないが、CJDの家族歴がある例を含む。

 この他に分類不能(硬膜移植歴の有無を調査中)が1例ある(60歳代。「全患者」には含まれている)。
 括弧( )[ ]内(%)は、四捨五入の関係で合計は100%にならないこともある。


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