03/07/23 厚生労働省独立行政法人評価委員会調査研究部会第3回議事録          厚生労働省独立行政法人評価委員会 調査研究部会                  第3回議事録 日時 平成15年7月23日(水)13:28〜16:40 場所 厚生労働省省議室 出席委員 五十嵐委員、岩渕委員、大久保委員、黒澤委員、清水委員、田村委員、      政安委員、安井委員 1.開会 ○大久保部会長  それでは、第3回の「独立行政法人評価委員会調査研究部会」を開催させていただき ます。  委員の皆様方には本当にご多忙の中を、また昨日に引き続きましてお出でいただきま して、大変ありがとうございました。今日は酒井委員、武見委員、岸委員のお三人がご 欠席でございます。それから政策評価官は公務でお遅れになるということです。  本日は、産業安全研究所の個別項目について評価をすることになっておりますが、は じめに事務局から何かございましたらご連絡のほどをお願いします。 ○大塚政策評価官室長補佐  昨日はどうもいろいろとありがとうございました。本日も昨日と同じような形でやら せていただきますが、もし万が一なかなか記入ができないという方がいらっしゃいまし たら、またお持ち帰りいただいて、25日がございますので、そのときにでもお持ちいた だければと思います。よろしくお願いします。以上です。 2.議事(産業安全研究所の個別項目に関する評価について) ○大久保部会長  それでは、昨日と同様評価の進め方につきましては個別項目を4つのグループにまと めさせていただいて、法人から業務の実績を説明していただきます。  これも昨日と同様でございますが、各グループの時間配分ですが、一応の目安でござ いますが、1グループにつきまして法人からの説明時間は25分、それに対します質疑応 答に10分間、評価シートのご記入時間に5分間ということで、計40分、4グループで 160分。最後に総括質疑の時間をとるということでやりたいと思います。  それで、まず産業安全研究所から第1グループにつきまして、評価シートで言います と第1〜4までにつきまして実績についてご説明をお願いします。 ○産業安全研究所本山研究企画調整部長  産業安全研究所の研究企画調整部長の本山と申します。どうぞよろしくお願い申しあ げます。  本日使用させていただく資料を今一度ご確認お願いしたいと思います。主に使用して いただく資料は、評価シートの資料3でございます。それと事業報告書補足説明資料、 資料3-11でございます。この資料3-11につきましては、一枚追加ということで綴じて いない部分が一枚ございます。この2つの資料を使いましてこれからご説明させていた だきます。  まず、評価シートに入る前に産業安全研究所の概要について少しばかり時間をいただ き、ご説明申し上げたいと思います。資料3-11の事業報告書補足説明資料をご覧いた だきたいと思います。まず1頁目を捲っていただきますと、「産業安全研究所の歴史」 というのがございます。私どもの研究所は昭和17年に設立されております。その後、労 働省、それから厚生労働省と移り、平成13年4月に通則法の施行に伴い、独立行政法人 「産業安全研究所」となってございます。  次に2頁目に移らせていただきます。2頁目の上のスライドでございますが、「産業 安全研究所の目的と業務」、これは独立行政法人産業安全研究所法、いわゆる「個別法 」と呼ばれております法律に書かれている文言でございます。私どもの研究所の目的 は、「事業所における災害の予防に関する調査及び研究を行うことにより、職場におけ る労働者の安全の確保に資する」ということでございます。  私どもの業務は下のほうのスライドに載っておりますように、調査・研究業務の実施 ということでございます。このためにはまず労働現場のニーズ、行政のニーズをきちん と把握し、成果を普及・活用して労働災害の防止に寄与するということでございます。 この成果の普及・活用に関しては、当然のことながら私どもも実行しますが、国内外の 産業安全機関との協力が欠かせない条件のひとつでございます。そういうことで私ども と国内外の産業安全関係機関との協力を実施しながら成果を普及し、労働災害の防止に 寄与しているというのが現状でございます。  次に3頁目の「産業安全研究所の調査・研究業務と行政・社会との関連」ということ で、当然のことながら厚生労働省が私どもの所管官庁でございます。この他、事業所、 学協会等との関連がございます。また、成果の普及・活用ということで、業務としては プロジェクト研究、基盤的研究、災害調査・研究等を実施しております。  3頁目の下のスライドでございますが、先ほど申し上げました個別法の第10条に業務 の範囲ということが書かれております。「事業所における災害の予防に関する調査・研 究を行うこと」、「前号の業務に付帯する業務を行うこと」と書かれております。この ような業務を調査・研究業務という形でまとめさせていただいたのがこの図でございま す。プロジェクト研究、それから基盤的研究が基本にあり、職場における労働者の安全 確保に活用されております。当然のことながら、災害の原因調査等にもこの研究の成果 が活用されておりまして、同じような災害を防止するためにいろいろと業務を実施して おります。以上が簡単ですが、私どもの研究所の概要でございます。  それでは評価シートの1頁目に移らせていただきます。まず、この評価シートでござ いますが、昨日の産医研さんのと比べますと多少統一がとれていないかと思います。こ れは業務の実績と評価項目の頁を対応させたいということがあり、評価官室のご了解を 得て枠の変更を行っております。このため見づらいところがところどころに出てくるか と思いますが、ご容赦のほどよろしくお願いします。  それではまず評価シートの1についてご説明します。評価シートの1では「効率的な 業務運営体制の確立」ということが掲げられております。私どもの研究所は独立行政法 人化されました年、平成13年度でございますが、それまで国研時代の1課4部体制から 1課2部体制に移行しております。これに関しましては柔軟に対応できる体制として昨 年度に一定の評価を受けておりますが、やはり業務の執行に伴う問題など見直しが必要 であろうということで、平成14年度は規程等、また委員会等も含めまして見直しを行っ ております。  まず、評価シートの(1)、「効率的業務運営体制の確立」の下の部分で、「柔軟な 組織体制の維持」ということで、補足説明資料の5頁目をご覧いただきたいと思いま す。私どもの研究所は現在このような体制になっておりまして、総務課が10名、研究企 画調整部が3名、その他に研究部兼任が3名ございます。研究部は36名ということで、 この体制で研究業務を実施いたしております。このように研究部をグループ化したこと により、社会ニーズ、行政ニーズに的確・迅速に、かつ柔軟に対応することができるよ うになっております。そのため複数の研究グループに跨ります調査・研究業務の実施が 昨年は4課題でございましたが、今年は2件増えまして6課題になっております。  次に評価シートのほうに戻らせていただきます。「所内会議・規程の見直し」という 項がございます。平成14年度は11の項目に関して会議・規程等の見直しを行っておりま す。そのうちのひとつをご紹介しますと、10番目の研究倫理審査規程の制定というのが ございます。これは被験者に協力していただいて研究をするというときに必要になる規 程でございます。これまでは人間科学関係の方が被験者に協力いただき研究を進めてき た経緯がございますが、その他の研究グループにおきましてもやはり被験者に関する研 究が必要であるということがありますので、そういう全所的な話になりつつありまし た。そこで研究所として研究倫理審査規程というのを作成しております。  それから次に研究員の採用ということですが、研究者の流動性向上に関する基本的指 針が総合科学技術会議から出されております。これを踏まえまして若手育成型任期付研 究員の選考採用を公募により実施いたしております。  このようなことを実施しており、総合的に判断しますと自己評定としては「A」とい うことで付けさせていただいております。  次に評価シートの2頁目に移らせていただきます。まず、この項目は「内部進行管理 の充実」ということでございます。最初に、業務関連会議等ということがございます。 これに関しましては補足説明資料の7頁をご覧いただきたいと思います。7頁の下のス ライドでございますが、私どもの会議等に関してほぼ全体が載っております。まず理事 会、運営会議、管理会議というのございます。管理会議の下には災害調査委員会、共同 研究委員会、施設貸与、特許審査委員会等がありまして、研究所の規程に従い業務ごと に必要な審査をして業務の執行をしております。この他に、内部研究評価会議というの がございます。これは年2回全課題についてピアレビューを実施いたしております。全 課題と申し上げますのは、プロジェクト研究課題、基盤的研究課題、災害調査、受託研 究課題のこれらについて実施いたしております。平成14年度は9月と15年の1月に実施 しており、事後評価も含め全部で対象課題が66課題になっております。  それでは内部研究評価会議のシステムについて少しご説明をさせていただきたいと思 います。これは先ほどこの補足説明資料で1頁だけ後で付け加えました資料でございま す。スライドNo.で申し上げますと89頁ということになります。裏側がちょうど外部評 価会議になっており、後ほどまたご説明させていただきます。まず、私どもの内部研究 評価会議というのは、ここに出ておりますような形で実行しております。まず全課題の 評価をするというのが前提でございます。評価する人は役員、全部長でございます。こ の会議は評価される方、担当者から研究課題について直接説明を聞き、それに対して質 問等をして点数をつけるという形になってございます。  評価の形は事前評価、中間評価、事後評価でございます。評価項目はここに出ており ますように、事前・事後の場合は学術的な評価、社会的な意義という具合に5つの項目 が挙がっております。特に我々の研究所のようにミッション型の研究所ですと、特に社 会的意義というのが大きなウエイトを占めるかと思います。中間評価の場合には、進捗 管理が主な目的となっております。この下のほうに表が付いておりますが、このような 表を評価会議で記入して総合評価をいたします。この表にはもう少し右端のほうにコメ ントの欄があり、各評価者からのコメントが記入されます。このコメントを受けまし て、また総合評価点を受けまして実施計画の見直しを実施することになっております。  平成14年度の内部評価会議におきましては、ひとつの課題を共同で実施している課 題、もしくは一人の研究者がたくさんの研究課題を実施している場合、その場合の分担 割合、いわゆる「エフォート」と言われますが、分担割合についてもきちんと把握する ことに努めております。それから研究外業務についても考慮しております。災害調査と 研究外業務の貢献を考慮し、研究費の増額なども結果の反映として実施しております。 このようにすることによって研究員の研究外業務に対するインセンティブを高めており ます。  それから評価シートの2頁目に戻っていただきたいと思います。この内部評価会議に 関しましては、その他のところに書いてございますが、内部評価会議の状況を外部研究 評価会議、外部の先生方によって構成される会議でございますが、そちらで評価を受け ております。その結果がここに書かれており、産業安全研究所の内部研究評価会議はそ の役割機能を十分に果たしている旨の評価を受けております。  次に「イ」と書いてあるところですが、業務管理システムの構築に関する状況です が、現在、研究業務及び研究外業務のマスターデータ化を実施しております。これを使 いましてシステムを試作しておりますが、これについては15年度に実施するために今は 修正作業を行っております。  このようなことをいろいろと併せまして、特に自己評価のところに書いてありますよ うに、災害調査等の研究外業務への貢献を考慮し研究予算の増額をするなど、研究員の インセンティブを高める試みを実施しているということも含めまして、自己評価として 「A」を付けております。  それでは3頁目に移らせていただきます。3頁目は「業務運営の効率化に伴う経費削 減」ということでございます。まず、省資源、省エネルギーということでございます が、13年度に引き続きまして研究所として省エネルギーに取り組んでおります。具体的 には省エネパトロール、省エネステッカー等を活用して意識啓発活動を実施しておりま す。また省資源としましては、所内通知を所内の電子掲示板等に掲載し、必要な方がそ こを見て情報を持っていくという形をとっております。また、総合管理業務を一般競争 入札化して経費の節減を図っております。  この他、競争的研究資金等の獲得に関する状況としましては、まず厚生労働科学研究 費補助金として5件を獲得しております。この他、昨年度に引き続きまして科学技術振 興事業団重点研究支援協力員ということで、8名のマンパワー、それからSTフェロー 制度によります2名の研究者のマンパワーを維持しております。  また、受託研究施設設備の貸与に関しましては、3件の受託研究を実施しておりま す。昨年の評価委員会におきまして委託先の満足度を確かめること、との宿題が出てお りましたので、今年度は5段階評価で満足度を確かめております。その結果、平均しま すと「4.25」という、受託結果にほぼ満足という評価を得ております。  それから施設・設備の貸与に関しましては、産業安全研究所のホームページによる広 報を行うと共に、民間企業等から依頼がありました施設の有償貸与を行っております。 ここに書かれておりますように、風環境シミュレータ装置、これは風洞でございまして 非常に大きな施設でございます。それから遠心載荷実験装置、これは遠心力を利用しま して力を加えるものでございます。地盤災害などの検証実験に使うものですが、重力の 200倍〜400倍程度の力が加わる装置でございます。これもやはり大きな施設でございま す。それから300kN圧縮試験機という機械設備も貸与しております。これも非常に大き な装置でありまして、仮設足場、実際の足場の圧縮試験を行う装置でございます。この ように産業安全研究所特有の施設を民間の方に活用していただいております。その他、 著作物の頒布権を有償で実施させるなど、いろいろなことを実施しております。  これらを全体的に評価しまして、自己評定としては「A」ということで記入させてい ただいております。  それでは4頁目でございます。評価シートの4頁目は「効率的な研究施設・設備の利 用」ということでございますが、ここに書いてありますように共同研究を12課題実施し ております。これにより研究所の施設を有効に利用しております。また、先ほど申し上 げましたが、民間企業等から依頼のありました施設の有償貸与3件を実施しておりま す。この共同研究12件というのは、昨年の10件に比べまして2件増えております。全体 の研究の中の割合に対しても30%という高い位置にありますので、この点を考えまして ここでは自己評価として「A」を付けさせていただいております。以上が第一番目のグ ループになるかと思います。 ○大久保部会長  どうもありがとうございました。それではただ今の説明に対してご質問がありました ら、委員の先生方よろしくお願いします。 ○清水委員  それではいくつか質問させていただきますが、まず1頁目ですが、規程等の見直しの ご説明がございましたが、11項目を並べていらっしゃるうちの5と6について、情報公 開関係規程類の制定及び文書管理規程の制定となっておりますが、この2つの規程する 内容の範囲でございますが、どう違うのか簡単にご説明いただけますか。  それから9番目の職員給与規程、こちらの改訂とありますが、これはどういう内容の 改訂であったかというのを教えていただけますか。 ○産業安全研究所尾添理事長  情報公開関連規程類と申しますのは、独立行政法人の情報公開法という法律が施行に なっておりまして、それに基づいてどのように情報公開を進めるかといういろいろな手 続き上の問題ですとか、そういうものを定めました規程類でございます。文書管理規程 というのは、研究所内の文書の管理を今までももちろんあったんですが、情報公開に絡 みまして大幅にその部分を改正しなければならないということで、全面に改正したとい うことになっております。どちらも情報公開の法律の施行が発端になってきているとい うことでございます。  それから職員の給与の関係は、これは私どもは人事院規則に準じて給与規程をつくっ ておりますので、人事院勧告があったのを受けましてそれに合うように改正したという 状況でございます。 ○清水委員  ありがとうございます。ちょっと続けてご質問をさせていただきたいと思いますが、 3頁目でございますが、競争的外部研究資金の応募・獲得等のご説明をいただきました が、14年度につきましては5件の獲得というお話でしたが、これの金額、それから13年 度はどのようであったかということも教えていただけますか。 ○産業安全研究所本山研究企画調整部長  今のご質問の労働科学研究費補助金に関しましては、総額で約1千万でございます。 それで、前年度の13年度に関しましては、研究に関する補助金としては、これと同じも のに関しましてはゼロでございますが、全体を通しましてもこういう研究課題に関する ものはゼロだったと思います。 ○清水委員  同じ頁でもう一つご質問をさせていただきたいんですが、施設設備貸与のところでご ざいますが、こちらの民間企業等への有償貸与というのは13年度からされているんで しょうか。もしされているとすれば実績の推移、件数・金額等を教えていただければと 思います。 ○産業安全研究所本山研究企画調整部長  これは13年度から実施いたしております。私どものホームページに掲載しまして、貸 与可能な施設として13の施設を公表してございます。それで13年度はひとつの施設の貸 与を行っております。これは低湿度型の恒温恒湿室でございます。静電気関係の実験に 使う設備でございます。このときは金額的には7万前後だったと思います。14年度は3 件、このような研究施設の貸与を実施しており、金額的には65万ということでございま す。これは後ほど財務の説明のところで正確な金額は出てくると思います。 ○清水委員  ありがとうございます。それでは4頁目ですが、効率的な研究施設・設備の利用と同 じ項目の中で、共同研究の実施ということが実績として掲げられているわけですが、共 同研究を実施することによって効率的な研究施設等の利用ということは、間接的には推 測できるんですが、具体的にどのように効率的な利用に結び付いているのかというのが 今一つ理解できないのですが、そのあたりをご説明いただけますでしょうか。 ○産業安全研究所本山研究企画調整部長  例えば、先ほどの貸与設備にありました遠心載荷試験装置という装置を使う研究がご ざいます。このような施設はあまり他のところにございませんで、大学との共同研究を 実施するということで、大学側からはいわゆる大学の先生の頭脳、それから大学のマン パワーを入れていただき、こちらでは同じようにもちろん研究者の頭脳、それからそう いう設備を使い、ひとつの方向で研究を実施すること。つまり、それぞれ個々にやって おりますとなかなか進まない研究が、こういう具合に共同してやることによって成果が 非常に効率的にあがってくるというような状況にございます。そういうことで設備・施 設の共同利用ということをやっております。 ○産業安全研究所尾添理事長  それから共同研究の場合ですと、うちにある設備を使ってそこであるのであれば安全 研究所と共同研究ということをして、大学側としてもその設備を使ってやりたいという ようなことで、ある大きな設備の利用回数というか、年間の稼動回数とかそういうもの は当然増えてくるというような観点からも効率的な活用になるということで、諸々の面 があります。 ○清水委員  今、まさに後でおっしゃったことをお聞きしたかったんですが、その12の課題のう ち、それはすべてが産業安全研究所の装置を使うような研究であったんですか。要は稼 働率の向上の度合いがどの程度だったかというのが、具体的には効率化に結び付くのか なと考えたものですから教えていただきたいと思います。 ○産業安全研究所尾添理事長  はっきりとはわかりませんが、たぶんほとんど全部が共同研究で、ここに書いてある ように共同研究の場合はうちの施設を使いながらやるということで、ですからうちの物 的研究資源というか、それと人的研究資源、そういうものを相手側もお使いになりたい し、我々も大学とかそういうところの人的資源とか頭脳的資源とかそういうものを使い たいということで、そこでお互いに話が合って、それで所定の手続を経て共同研究とし て立ち上げているという状況でございます。 ○清水委員  もし今後、この項目を効率的な利用のところに挙げられるのであれば、そういう研究 でどの程度、例えば時間数とか、専門的なことはよくわかりませんが、稼働率として向 上に寄与したかという具体的な数値をお示しいただいたほうが評価としてはしやすいと 思いますので、よろしくお願いします。 ○大久保部会長  ありがとうございます。他に、どうぞ。 ○五十嵐部会長代理  評価シートの1頁目にございますが、研究倫理審査規程をつくられたということです が、これは倫理規程ですから外部から法律とか倫理学の専門家が入っていると思います が、いわゆる技術系の方とそういう法律とか倫理学の専門家の割合はどれぐらいです か。何人ぐらいの委員会で実際に審査をされるんですか。 ○産業安全研究所本山研究企画調整部長  実はこれは所内の規程でございまして、外部の他の研究所の方がつくられた倫理規程 というものを流用というか、うちの研究所に合うような形でつくっております。それ で、審査としましてはその規程に基づいて審査するという形をとっております。したが って、外部の方の同意を得るとかそういう一般的な内容については一応含まれておりま す。 ○産業安全研究所尾添理事長  これは現実にこれを運用して、そういう問題が出てくるだろうということでやってい るんですが、今までまだこの倫理規程に基づいて審査というのは具体的に入ったのはま だないんですが、委員会の委員は必要に応じてそういう外部の専門家の先生を入れるこ とができるというような格好になっておりまして、一応今のメンバーとしてはうちの内 部の者を指名して、そこははっきり決まっているんですが、外の場合にはそういうとき に医師の方が必要であればそういうのを呼ぶというような格好でやるというシステムで 今はやっております。 ○五十嵐部会長代理  たぶん一般的にヒト試験とか、これから動物試験もそうなんですが、すべてそういう 法律的な面と倫理的な面とチェックが必ず必要になりますから、内部でやられる場合に そういう方に倫理的に集合されれば結構だと思いますが、そのへんは整備されておいた ほうがいいんじゃないかという気がします。 ○大久保部会長  どうもありがとうございました。他に。 ○安井委員  やはり4頁の効率的な研究施設・設備の件でございますが、こういう大型の研究施設 を貸与するというのは、日本全体の効率から見れば上がるんですが、研究所の効率とす るとあまり外部に貸してしまうとマンパワーが逆に食われるとか、そういうおそらくト レードオフの関係が出てくると思います。それで金額の決め方なんかもそこが大きく影 響するかと思いますが、そのへんの全体的な方針はどうなっているんですか。 ○産業安全研究所尾添理事長  まず、施設の貸与につきましては考え方がいくつかございまして、立派な設備を国の 資金で国立時代に用意していただきましたので、それがやはり有効に活用されるという ことが必要という観点から、独立行政法人化を機会に料金が取れるということになりま したので、積極的にそういうのは開放していこうというのがひとつ。国民サービスの向 上の一環というのがひとつございます。  それでもう一つ問題になるのは、実はこういう大型の設備ですので、借りたい人が勝 手に動かすわけにはいかないということで、実際に研究者の方が手助けをするとかやら なければいけない。そうすると、先ほど先生がおっしゃいましたように、研究に非常に いろいろな問題で影響が出てくるということがあるわけです。したがって、今のところ はいろいろと積極的にやるということになってきていますが、これが非常に数が多くな ってくるということになってきた場合には、これは施設貸与の関係は当然審査委員会を 設けてやってきておりますので、労働災害の防止に役立つようなことでその施設を貸し てきてほしいということを言って来ているのかどうかということから始めまして、うち の研究の進行管理上の問題とかその他いろいろ見て、当然その審査の中で研究所の業務 運営の中でどのような影響が出ているかということをみながら実施しております。た だ、現在のところはまだ積極的にこういうことをやっていこうという中でやってきてい るということでございまして、独立行政法人になったときにできるだけ自己収入の確保 ということを行いなさいということがございまして、受託研究その他いろいろと取り組 んでいるんですが、この自己収入の確保につきましては研究との兼ね合いというものが すべてのものについて非常に大きな問題があります。したがって、今後これが最終的に どういうところまでもっていくのかということは今後の推移をみながら検討していきた いと考えております。ただ、今はとにかく前向きに取り組んでいこうと、やってみよう ということで今は進んでいるという状況でございます。 ○大久保部会長  他にいらっしゃいますか。どうぞ。 ○黒澤委員  評価シートの1頁の自己評定のところの一番最後のところですが、若手任期付研究員 の採用を公募選考とありますが、それは公募をされているということですからなにか媒 体を使っているとか何か手段があると思いますが、どのようにしているか。それから実 際に応募の状況を、それをお聞きしたいと思います。 ○産業安全研究所本山研究企画調整部長  時間の関係で省略したところでございますが、補足説明資料の6頁のスライドをご覧 いただきたいと思います。上のスライドでございますが、採用予定者1名に対して応募 者が4名ございました。当然、公募でございますので、研究所のホームページまたは専 門学会誌等に募集広告を載せてございます。それで、この応募された4名の方の書類を 取り寄せ、書類選考しまして2名の方を選び、面接選考を実施して、最終的には1名の 方が決まりまして、本年の4月から実際に任務についております。 ○大久保部会長  他にございますか。どうぞ。 ○田村委員  2頁のところで、内部研究評価会議というのを設けて内部評価をやっていらっしゃ る。非常に充実した内容だと思いますが、これは全課題についてやっていらっしゃるわ けですね。これはあくまでも課題に対してやっていらっしゃるということで、研究員個 人に対する評価はまた別にやっていらっしゃるということなんでしょうか。 ○産業安全研究所本山研究企画調整部長  まず課題についてやっております。それで、実は私どもの研究所の研究員は研究外業 務というのがいろいろございまして、課題の評価が即研究者の評価にはつながらないと いう状況にございます。そういうことで研究者個人の業績評価についてはまた別な形で やっております。この2頁目の最後に書かれておりますように、14年度は試行という形 でやってみておりますが、非常に難しい問題がございましてなかなかきちんと評価しき れないというのが現状でございます。 ○大久保部会長  他にいらっしゃいますか。それではよろしゅうございますか。では、評価のご記入を お願いします。              (各委員、評価シートに記入) ○大久保部会長  よろしいでしょうか。それでは次に進ませていただきます。それでは第2グループの 評価シートの項目、5〜10までの実績につきましてご説明のほどよろしくお願いしま す。 ○産業安全研究所本山研究企画調整部長  それでは評価シート5〜10についてご説明させていただきます。  まず5番目の評価シートでございますが、「労働現場のニーズの把握と業務への積極 的な反映」ということになっております。私どもの研究所では電話、メール等、または 来所されて技術相談されるとか、または情報交換会、研究討論会に外部の有識者に来て いただくとか、それから各種委員会等で現場のニーズの把握を行っております。  まず、ホームページ、メール等による技術相談につきましては、積極的に対応を図っ ております。それで、この中におきまして、やはり電話ではどうしてもきちんと返事が できないと、そういうものもございますので、そういうときには来所いただく、もしく はこちらから資料を送っていただくというような、そういう対応をとってございます。  それから、産業現場の第一線から産業安全研究に向けた要望等に関する意見交換を行 う場としまして、産業安全に関する情報交換会というのを実施いたしております。これ に関しまして報告書が参考資料のNo.10にファイルされておりますが、ここでは省略さ せていただきたいと思います。それからこのような情報交換会におきましていろいろな 意見をいただくわけですが、それに対してできるだけ対応していくということにしてお ります。それから所内に研究討論会という場がございまして、14年度の場合には労働安 全衛生コンサルタントという資格を持っている方で、長年企業の指導等にあたってきた 方をお願い致しまして研究員と意見交換や討論を行っております。  また、ここには書いてございませんが、委員会における現場のニーズの把握も非常に 大きなウエイトを占めております。これは後ほど出てきます。それで、現在167人の委 員を研究所から派遣しております。この委員はほぼ1:1対応でございまして、ほぼ委 員会に対応しております。そういうことで一人あたり5件の情報を把握する機会をもっ ていると考えることができるかと思います。  このようなことを考えまして、自己評価では「A」ということにさせていただいてお ります。それで自己評価の欄ですが、ちょっと誤植がございまして、「56の委員会」と 書いてございますが、「56の機関」の間違いです。訂正させていただきます。それで、 例えば中央労働災害防止協会のようなところがございますが、ここにはたくさんの委員 会がございます。その機関として数えますと56になりますが、委員会として数えますと 167近くになるということでございます。  次に評価シートの6頁目に移らせていただきます。ここではプロジェクト研究という ことでございます。この評価シートの6頁目に中期目標の欄がございまして、「プロ ジェクト研究」という定義がなされております。ちょっと読ませていただきますと、 「現在我が国が直面する産業安全上の課題に対応するため、次の重点研究領域において 別紙1に示すプロジェクト研究(研究の期間、研究の方向及び明確な到達目標を定め て、重点的に研究資金及び研究要員を配する研究を言う)これを実施すること」となっ ております。  別紙1については省略しておりますが、重点研究の領域としまして、「ア」としまし て、建設工事における構造物等の倒壊・崩壊災害の防止。「イ」としまして、化学物質 処理プロセスにおける爆発・火災災害の防止。「ウ」としまして、機械等の安全制御技 術の開発及び破損災害の防止。それから「エ」としまして、不安全行動に基づく労働災 害の防止ということで、それぞれ中期目標期間中に行う課題数が書かれております。こ のような課題について研究を実施しております。  それで研究の内容としましては、事業報告書の添付資料1に詳しく出ておりますが、 補足説明資料の14頁を見ていただきたいと思います。説明が遅れましたが、プロジェク ト研究課題は外部研究評価を受けております。これが14頁の下の表のようになっており ます。現在、14年度のプロジェクト研究に関しましては5つの課題を実施しておりま す。この課題に関しましては事前評価を実施しておりますが、14年度におきましては評 価の対象課題となってございません。また、中間評価というのがございますが、4年以 上の研究に関しましては2年目が終了した時点で実施するということで、平成15年度に 現在実施しております研究課題の「建設労働災害の発生原因としてのヒューマンエラー 防止に関する研究」について中間評価を実施する予定でございます。  15頁〜17頁のスライドは現在実施している研究課題でございます。これに関しまして は時間の都合上、省略させていただきたいと思います。  それでは評価シートの6頁目に戻らせていただきます。このように計画通りにプロ ジェクト研究を実施しておりますが、このプロジェクト研究のうちのひとつ、人間・機 械協調型作業システムの基礎的安全技術に関する研究というのがございまして、ここで 得られた成果というのが災害調査の報告書に活用されております。また、同じ研究課題 でございますが、その成果の一部はISOの会議に研究成果として生かされておりま す。  そういう意味で、ここでは自己評定としまして「A」を付けさせていただいておりま す。 次に、評価シートの7頁目に移らせていただきます。ここは「基礎的研究」とい うことで、私どもの研究所が実施しているプロジェクト研究、それと基礎的研究という 2つの大きな研究のひとつでございます。これも先ほどのプロジェクト研究と同じよう に、中期目標の欄に定義的なことが書かれております。ちょっと読ませていただきます と、「(2)基盤的研究(13領域)、将来生じ得る研究課題にも迅速かつ的確に対応で きるよう、研究基盤としての研究能力を継続的に充実・向上させるため、国内外におけ る労働災害、産業活動等の動向を踏まえつつ、別紙2に示す研究領域において基盤的な 研究を戦略的に実施する」ということになってございます。  平成14年度は年度当初に年度計画に従いまして23課題の研究を実施しております。そ の後11課題を立ち上げまして、合計34課題の基盤的研究を実施しております。その中に は例えばクレーンの災害のように、これは台湾で建設中の工事現場からクレーンが地面 に落ちた事故がございましたが、そのような事故が日本でも起こり得るということを考 えまして、クレーンの落下に関する研究を立ち上げたものもございます。また、私ども の研究所が持っているノウハウが委員会等で要望されまして実施した研究課題もござい ます。この他、競争的資金、先ほど出てきましたが、これによる課題が5課題ございま す。このように研究を実施いたしております。  基盤的研究に関しましては、先ほどのプロジェクト研究と同じように、事業報告書の 添付資1に詳しく載っておりますが、補足説明資料の18頁を開いていただきたいと思い ます。これは18頁から中期目標、中期計画に載っている文言が書かれておりまして、19 頁に先ほどの13の研究領域というのが出ております。  次に20頁〜23頁まで、この間につきましては私どものそれぞれの研究領域でやってい る内容を、代表的な写真もしくは絵を載せまして示しております。これにつきましては 時間の関係上、省略させていただきたいと思います。  これらの基盤的研究に関しましては内部研究評価会議、先ほどご説明しました会議で すが、ピアレビューを実施しております。また、共同研究課題ということで、プロジェ クト研究を除きますと11課題について実施しております。内訳は大学との研究が7件、 民間とが4件実施しております。これは昨年に比べまして2件多いという状況でござい ます。また、後でも出てきますが、この基盤的研究課題での成果が安全工学協会の論文 賞をいただいております。  そういうことで、これらを総合しますと、ここでの自己評価を「A」として記載させ ていただいております。  それでは評価シートの8頁目に移らせていただきます。これは「労働災害の原因等に 関する調査・研究」ということで、これは私どもの機関が最も重要視している分野でご ざいます。同種の災害を防止するということが非常に重要でございまして、原因をきち んと明らかにしていくということが私たちの研究所の非常に大きな任務だと考えており ます。まず、対応した災害調査・研究件数ということですが、平成14年度は19件に対応 しております。平成13年度が14件でございますので、5件増えております。また、報告 書に関しましても、11件について報告しておりまして、平成13年度は8件ということ で、この数も増えております。  それで補足説明資料の25頁をご覧いただきたいと思います。25頁の上の表は、14年度 に実施した災害調査・研究でございます。このうち報告書の出ていないもの、つまり年 度末等に発生し、調査が15年度にズレ込んだもの、また調査が非常に難しいためにズレ 込んだものもございますが、この19件について災害調査を実施しております。このうち 左側の欄におきまして、上から6番目、昇降機挟まれ事故、それから右側の欄の上から 3番目、車体加工用プレス挟まれ事故、この2つにつきましては研究所が必要と考えま して関係機関の協力を得て実施した災害調査でございます。このような研究所の判断で 行う災害調査もございます。下の図は最近というか、3月に起こりました鉄道の土砂崩 壊災害の写真でございます。  それでは評価シートの8頁目に戻らせていただきたいと思います。まず、以上のよう に私どもの災害調査は昨年よりも5件増えていること、報告も3件増えているというこ とで、30%以上の増加と考えております。また、自らが調査するという課題も2課題ご ざいまして、我々が積極的に実施していること。それから、自己評価の欄の下から2つ 目の○でございますが、評価の視点に業務量の変動があった場合等の他の業務への影響 があったかという評価の視点がございますので、私どもとしては、研究所に要請が来る 災害調査は、実施中の研究課題の進行に影響をきたすが、業績評価において災害調査に 対する貢献を十分考慮するなど、研究員のインセンティブの阻害要因とならないように 配慮しております。また一番下の○ですが、同種の災害を防止するために関連協会、学 会等におきまして発表しております。なかなか発表は難しいんですが、発表しておりま す。  このようなことを総合しますと、ここでは「S」ということで評価を記載させていた だいております。  それでは9頁目に移らせていただきます。「国内外の基準制改定への科学技術的貢献 」ということですが、補足説明資料の26頁をご覧いただきたいと思います。私どもの研 究所では研究報告の他に、わかりやすく説明したガイドライン的な資料をつくっており ます。それが「技術指針」「安全資料」「安全ガイド」と言われているものでございま す。技術指針と申しますのは、外部の専門家を交えまして委員会形式で作成し、オーソ ライズされたものでございます。安全資料と言いますのは、当所の調査研究成果を事業 所の安全担当者等に資料として提供するものでございます。安全ガイドにつきまして は、研究成果の反映の即効性を重んじて関係者に周知するものと。このような形でそれ ぞれ3つの資料を出しております。  これらの成果は直接産業安全に関する基準の制改定等に貢献している他、国内外の産 業安全関連委員会、先ほど申し上げましたように、150程度の委員会に出ておりますの で、その中でこれらの資料もしくは研究員が行きまして研究成果を持ち寄って、これら の産業安全に関する基準の制改定等に貢献しております。  それで評価シートの9頁に戻っていただきたいと思います。平成14年度は年度計画に 従いまして産業安全研究所安全資料というのを出しております。これは「くさび式足場 の強度」ということで、一般にこれまでの足場はボルトで固定していくタイプのものが 多かったように思いますが、それがくさびを使って固定していくということで、最近は このような足場が多く見られますので、それの強度について示した資料でございます。  その他、国内関連、国外関連におきましていくつか貢献しております。特に国外関連 のISO/TC96、それからISO10218、これに関しましては日本代表として職員を派 遣しております。  このような成果が上がっておりますので、ここの自己評価は「S」とさせていただい ております。  それでは10頁目に移らせていただきます。「産業安全に関する国内外の科学技術情 報、資料等の調査」ということでございます。私どもの研究者は日頃から「災害」とい うことを念頭におきましていろいろな情報を集めております。その中で、厚生労働省か ら求めのありました3件、「黒丸」で書かれております3件についてご報告させていた だいております。  ということで、ここでの評価は「B」ということになっております。以上でございま す。 ○大久保部会長  どうもありがとうございました。それでは委員からのご質問をお願いします。 ○安井委員  プロジェクト研究及び基盤研究ですが、このあたりの予算配分のポリシーあたりはど ういうことで行われているんでしょうか。 ○産業安全研究所本山研究企画調整部長  プロジェクト研究に関しましては重点研究予算ということで、ある予算の枠がござい ます。その中で予算要求をしまして、認められた額が付いております。研究によって増 減がございますが、おおよそ3千万から5千万程度のお金が付いております。それから 基盤的研究でございますが、それぞれ研究員から新規に立ち上げられたときに、それぞ れの研究について使う備品、もしくは費用というのが積算された内容が出てきます。そ れに基づきまして内部研究評価会議で評価を加え、先ほど申し上げましたように、例え ば災害調査研究等で貢献がありますと多少インセンティブをつけるために増やすとか、 そういうように評価結果を反映させるという形によって予算配分を実施しております。 ○安井委員  金額は。 ○産業安全研究所本山研究企画調整部長  金額は例えば継続の課題などでは、この年はまとめということになりますと、例えば 50万とか。その他、多いほうで200万前後かと思います。 ○大久保部会長  他に。どうぞ。 ○岩渕委員  例えば2回ぐらい出てくるんですが、5頁目の5のところで、産業安全関連団体等の 56の機関、延べ委員数167人と、また非常に多いなという感じなんですが。それはこれ までのさまざまな産業界の積み上げというか、区分け・小分けしてきたそういう歴史が あるのでしょうから、一概にそれをどうというわけにはいかないという事情もわからな いでもないですが、しかしそれにしてもそこに延べ委員を167人も送り込んでいるとい うのは、これだけ少ない人間でやっているところとしては付き合いが良すぎるという か。そういう意味で言えば、産業界のそういうあり方に対する提案でも何でもして、も うちょっと。例えば、ろくでもない委員会には人を出さないとか、もうちょっと工夫が あっても良さそうな気がするんですが。まず、それが一点です。もうちょっと絞り込ん だほうがいいように思います。  それともう一つは、将来生じる研究課題にも迅速かつ対応できるようにと、そういう ようなことで言えば「将来生じ得る研究課題」というのは、これは幅広に備えていると いうことですか。それともさまざまなこういうようなものが出てくるのではないかなと いうことで、ある程度の目星というか、方向性を考えながら選択的にやっているのか。 「戦略的に」という言葉もありましたが、そのあたりの具体的なところはどうなってい るのか。例えば、産業構造がどんどん変わっていますよね。だけど、たぶん産業構造の 変化に追いついていないと思います。昔ながらの、それこそクレーンは未だにがんばっ ているかもしれませんが、今様に言えば、例えばクレーンがキャッシュディスペンサー 泥棒に使われるような時代ですから、そういうようなものの対策を、盗まれないように するとか、そういうようなところまでできたら考えてほしいなと思います。 ○産業安全研究所尾添理事長  最初のところですが、実は私も非常に多いなということは思っているんですが。た だ、私どもの産業安全研究所というのは、産業災害の防止に関する研究所としては60年 間唯一私どもの研究所だけでやってきたということで、私どもとしては産業安全に関す る科学的技術に関しては総本山だと思っておりますし、他のところにもないと。それ で、大学にも安全工学が一時横浜国大にできたんですが、それも直ぐになくなってしま ったということで、大学にも同じようなものはないということで、私どものところを頼 りにされるということで、安全関係のことを一生懸命に取り組んでおられる公益団体が いっぱいありますが、そういうところに頼まれた場合に、ではうちは出ませんと言った ときに、ではどこでそれを手当てできるのかというようなことを考えると、やはりうち はそういうところにも積極的に対応するのが独立行政法人になったときの、また大きな 国民サービスの向上の一環としてもあるんじゃないかということで、特に私はこれを強 調しまして、できるだけ出ていただくようにということでやってきております。確かに 先生がおっしゃるように、非常に多いというのは確かなので、これは今後いろいろな課 題で考えなければならない問題ですが、現実に断った場合にでは誰がその代わりを務め るのかという問題がありますので、今のところはできるだけ出ているようにしていると いうことで、この対外業務についても、先ほどの研究業務の評価という問題で、研究課 題の評価と同時にこういうものの評価も非常に十分にしていこうというような格好で今 はやってきているということでございます。  それから、研究テーマの設定につきましては、これは私どもは「災害」というのは産 業現場の第一線で発生するわけですから、まさに産業技術の動向というものにすごく関 連するわけです。したがって、産業技術が今はどういう状況にあるかというのは常に ウォッチをしなければいけないですし、さらにこの先どのように現場が変わっていくの かというようなことも常に考慮していかなければならないということと、さらに一番大 きな問題は、現実にどんな労働災害が起きているのかということをきちんと把握しなけ ればならないというような問題があるわけで、そのへんの3点ばかりをいろいろと総合 的に勘案しながら研究テーマを決めてきているというようなことでございまして、そう いう観点から言えばこの独法化を機に人間科学とか境界領域というものをきちんとオー ソライズしてひとつのグループとしてもってきているんですが、そのへんもこれからの 災害には物的ないろいろな要因以外に、人的なヒューマンファクター部分も非常に重要 だろうということで、従前からある程度体制を整備しながら取り組んできたんですが、 そういうところをきちんと明確に打ち出したというようなことにもなっているという状 況でございます。 ○黒澤委員  ただ今の、産業安全関連団体等の56の機関、延べ委員数167人についてですが、ただ いま、岩渕先生からご意見がありましたが、私はむしろ積極的にやるべきだと考えてお ります。実は労働災害自体が今年になって増え始めているんですね。それで大きな変化 が起こってきているという状況を勘案しますと、非常になにか世の中が別のマイナスの 方向にまた逆転を始める傾向を示し始めている。例えば新日鉄の九州でまた死亡災害、 重大災害が起こっている。大企業でこういう状況が起こるような状況になっているとい うこと自体が非常に問題だと思います。  そういうことを考えますと、延べ167人、確かに負担は大きいと思います。しかしな がら産業安全研究所というのは日本にひとつしかございませんので、そういう意味合い から言いますと要望が非常にある。しかも新しいテーマがどんどん生まれているという 背景があると。ただ、内容は選別する必要があると思いますね。その点はひとつご検討 を賜ったほうがいいんじゃないかと思います。それが私のこの件に関するコメントでご ざいますが。  もう一つちょっとお聞きしたかったのは、次の10頁のところの自己評定を「B」にさ れましたね。これはここの評定は国民に対する提供サービスのことですね。これはなぜ Bにされたかというのを、私はちょっと疑問に思ったんですが。これはどういうように なっているんですか。 ○産業安全研究所尾添理事長  これは正直言って大変厳しいと思っております。私どもは「S、A、B、C、D」と いう評価基準が示されておりまして、これはこの評価基準ができるときに私どもが加わ ったわけでもなくて、よくわからなくて、表に出てきたものとしか理解できないんです が、例えば「B」というものについては中期目標を概ね達成しているということです が、我々の判断としては国立研究所時代と独立行政法人のときとどう変わってきたのか と。独立法人の1年目、2年目というよりも、むしろ国立時代とどう変わってきたかと いう観点をある程度みようというように考えて、例えば国立研究所時代と同じような業 務であれば、その中身が高い重要度であっても、従来と同じだから「B」にしようとい うこともありまして、あとはSとかAは私どもとしての判断基準はもう少し明確なもの をつくり上げてこの自己評価の中には書かせていただいたんですが、そういうことに なっていますので、決していい加減に適当にやっているわけではなくて、これは非常に 重要な部門でございますので、情報収集というのが研究のまず最初の話でございますか ら、でもこれは当然やるべきものであるし、前と同じような格好でやっているから 「B」だということで付けさせていただいたわけです。 ○黒澤委員  なぜかと言うと、私は産業安全研究所というのは比較的国民に対する広報が非常に少 ないと思うんです。そういう意味合いで極めてその点だけどうも理解が遅れるという か、一般からあまり存在価値が認められていないと言ったほうがいいんでしょうか、そ ういう感じを受けますので、そのへんをどうしてBにされたのかと。これは積極的にも う少しやられるべきだと思いましたので。 ○産業安全研究所尾添理事長  どうもありがとうございます。ではちょっと一言言わせていただきますと、広報の関 係は確かに先生がおっしゃいますように、私どもの外部研究会議とか、あとは視察に訪 れる人とかにいろいろと聞いてみますと、安研というのは非常に良いことをやっている のにちっとも知らないじゃないのと 、もう少し広報をきちんとしなさいということが 言われておりまして、そういう観点で独立行政法人になってある程度予算を弾力的に活 用できるというようなことになりましたので、いろいろとプロモーションビデオの作成 とか、ホームページのリニューアルとか、ロゴマークの作成とか、その他、研究所内の 来ていただいたときのいろいろな映像でのPRの装置をリニューアルするとか、そうい う格好で広報にはできるだけ力を加えてきているというのも現状でございますので、今 後さらにそういう面につきましては力を入れて取り組んでいきたいと考えています。 ○大久保部会長  その他に、どうぞ。 ○政安委員  5頁なんですが、大変技術相談としてホームページ、メール、電話相談をされている ようですが、これをニーズ把握に反映させるということで、どのぐらいの件数が年間に ありますか。もしわかりましたらお教えください。 ○産業安全研究所本山研究企画調整部長  電話相談というのはかなりあるんじゃないかと思います。これは実はときを構わず電 話が来るものでして、実験中ですと記録にとれないということで、記録にとってない分 が非常に多いかと思います。それで記録にとった分だけでご報告しますと、60件弱ござ います。これに対しまして、この電話を基に来所されて相談する、もしくは資料を送ら れるという件数も50数件ございます。  そういうことで、最初に申し上げました電話相談の回数というのはどうもこんな数字 ではないだろうと考えております。 ○大久保部会長  ありがとうございました。その他に、どうぞ。 ○岩渕委員  特許はどんな感じですか。申請は書いてあるけど、認められたというのが書いてない から。 ○産業安全研究所本山研究企画調整部長  特許に関しては後ほどご説明しますが、1件14年度に認められております。のちほど ご説明します。 ○大久保部会長  よろしゅうございますか。それでは私のほうから。いろいろな研究を中長期にわたっ てやらなければいけないわけですが、このプロジェクト研究の中でア〜エまで、6頁で すが、お示しになっていらっしゃいますが、最後の「エ」につきましてはこれはかなり 長期にわたるというか、他のものはある一定の期間の中でできるような気がするんです が、不安全行動という人間の根幹に掛かるようなのはかなり長期にわたると思います が、そのあたりはどういうお考えですか。 ○産業安全研究所本山研究企画調整部長  確かに、プロジェクト研究の重点領域の「エ」ですが、不安全行動に基づく労働災害 ということで、非常にヒューマンファクターが多いと。もちろん先生のご専門ですので 私が申し上げるまでもないんですが。現実に形にするのが非常に難しいというように考 えております。  今後は、もちろんこのようなヒューマンエラーに関する研究というのは今後も進めて いかなければならないと考えておりますが、この中期目標を定めるときにプロジェクト 研究の中で1課題を実施するということになっておりました。ですから、やはり基盤的 研究の中でも類似しているような研究もございますし、また将来的にはもう少し充実し ていきたいと考えております。 ○大久保部会長  年々変化してまいりますし、ただ非常に重要な基本的なところでございますので、そ このあたりは十分に。なかなか期間を区切られておりますので、成果を上げるというこ とも難しいと思いますが、そこのあたりを期待しております。  それからもうひとつは8頁でございますが、業績評価において実際の災害調査の貢献 をある程度評価上で考慮するというようなことですが、具体的にはどういう形で評価を しておりますか。 ○産業安全研究所尾添理事長  これはまず内部研究評価会議でそれぞれの項目ごとに評価をします。これは内部研究 評価会議のときはあくまでも研究の課題ごとにやりますので、課題ごとに先ほど言いま したひとつずつの項目に点数をつけて、非常に高いところから低いところまで出てくる わけです。しかし一方で対外調査などが入ってきますと、どうしても進行が遅れるとい うことになってきますと、研究課題のところで遅れてまいります。  ですから今とっていますのは、研究課題として非常に評価が高かったものをやってい る研究員というのを抜き出します。それで、あと災害調査とか、対外活動を非常にやっ ている方というのも抜き出していきます。そのところで重なっている人について、例え ば次年度の予算でプラスαで、例えば理事長裁量費みたいな形で予算をとってあります ものをそちらに回していくとか、そんな格好でということで。処遇の問題というより も、研究の費用みたいなところである程度インセンティブを付けようと。 ○大久保部会長  ありがとうございました。他に。 ○田村委員  先ほどからお話を伺いますと、プロジェクト研究、基盤的研究、そして災害調査、さ らには多くの委員会と、非常にたくさんのお仕事をやっていらっしゃるわけですね。そ ういう意味では非常にアクティブに活動されているというように全体としては受け止め られるんですが、おそらく各個人についてはかなりフル回転ではないかというように思 いますが、そのあたりは実態としてはどうでしょうか。 ○産業安全研究所尾添理事長  これは私の責任でございます。独立行政法人になったときに独立行政法人の産業安全 研究所としてどのように業務を運営するかという基本的に考え方のところで、私は最初 の委員会のときにも申し上げましたが、とにかく前向きにやっていこうと。独立行政法 人制度の中で安研の業務を進めていくというときに前向きにやっていこうということが ひとつ。それで、そのためには様子をみるんじゃなくて、できることはとにかく前向き に、ギリギリのところでやっていこうということでやってまいりました。  したがって、1年目も私からみますと、非常に無理なところまで強いて倒れる寸前の ところまで行っているのかなというような格好で来たと、私はそう思っているんです が。それで2年目もやはり同じような格好で来ているということで、それは確かに反省 要点としてはございまして、そのへんのところをどのへんのところである程度落ち着く のか。独立行政法人制度も始まったばかりでございますので、研究以外のいろいろな業 務も現実問題として非常に多く入ってきているわけでして、そのへんの業務もどの程度 経てばある程度のところに収束できるかということもまだわかいということで、今のと ころはまだまだ増える一方みたいなところがありますので、そのへんのところを見なが らやっていくと。  しかし一方で、こういう厳しい評価を受けるということなので、ある程度きちんとし た評価を受けていないと、5年過ぎたときにどうなるかということも心配が先に立って いるということもありますので、とりあえず一生懸命にがんばってやっておけば、そん なに最後になってひっくり返されることはないだろうということで、がんばっていたほ うがいいかなということがありまして、今は本当に職員の方たちには非常に無理なとこ ろまで一生懸命にやっていただいている、というのが現状だと私はそう思っています。 ○大久保部会長  ありがとうございました。それでは大体よろしいでしょうか。ご記入のほどお願いし ます。              (各委員、評価シートに記入) ○大久保部会長  それでは次に進ませていただいてよろしいでしょうか。では、次に評価シート項目の 11〜17までの実績についてよろしくお願いします。 ○産業安全研究所本山研究企画調整部長  それでは評価シートの11頁から17頁までについてご説明させていただきます。  まず、11頁目でございますが、「外部評価の実施と評価結果の公表」ということでご ざいます。外部評価会議の概要につきましては、補足説明資料の最後の1頁と言います か、先ほどの内部評価会議の裏側にございます。これを用いて私どもの外部評価会議の 内容についてご説明したいと思います。  まず、外部研究評価会議でございますが、評価委員は外部の先生方をお願いしており ます。内訳は大学の先生が7名、公的な試験研究機関の先生が2名、民間の研究機関の 先生が3名、それから企業の方が3名ということで、この年はバランス良く評価委員を 委任してございます。  それで、このような評価委員の下で外部評価会議を実施しておりますが、この「90」 というスライド番号が付いているところで説明しますと、平成14年度、黒田先生に議長 をやっていただいております。また、外部評価会議というのは、実は我々研究員の意識 を高める上でも外部の先生方がどういう考えをされているかということがありまして、 非常に重要な会議と捉えております。したがって、所内の希望者にはぜひ参加していた だくと、もしくは勧めるような形で実施しております。  ここで実施する評価課題はプロジェクト研究でございます。プロジェクト研究課題の 事前評価、中間評価、事後評価を実施しております。この他それぞれ場合によっては、 先ほど申し上げましたように内部評価会議の状況についても、評価していただくことも ございます。  評価項目につきましては、その下に書かれておりますように1〜5がありまして、学 術的な意義、社会的な意義、目標と計画とこのように5つございます。それで5段階評 価ということで、5〜1という形の点数をつけていただくことにしております。外部評 価会議でいろいろなコメントをいただきまして、それぞれを集約した形で外部研究評価 会議報告書というのをまとめております。これは今日の資料に入っております参考資料 のNo.3に載っておりますが、省略させていただきたいと思います。ここには点数がそ のまま載ってございます。事前評価など実施した課題については予算要求をするわけで すが、予算要求時点において事前評価についての反映を実施しております。また、外部 評価会議の報告書に関しましてはホームページ等で掲載しております。平成14年度は先 ほども言いましたように、実施中の課題についての評価はございませんでしたが、終了 課題2題についての評価を実施しております。  そこで補足説明資料の30頁をご覧いただきたいと思います。30頁の下の欄に先ほどと 同じような表が載っておりまして、それぞれ外部評価の予定が書かれてございます。先 ほども申し上げましたが、ヒューマンエラーに関する研究は平成15年度に中間評価を行 うということになってございます。このような反映の例としまして、先ほどの90番のス ライドを見ていただきますと、平成14年度の外部評価会議の結果を踏まえまして、終了 2課題の研究成果の広報をぜひやったらいいというご意見がございました。これに関し まして、後で出てきますが、私どもの研究所が主催しております安全技術講演会、これ の課題として講演会で研究成果の広報を行うということになってございます。因みに、 安全技術講演会は8月27日が東京で行われます。それで9月11日が福岡、9月12日大阪 という形で実施する予定でございます。  それでは評価シートの11に戻っていただきたいと思います。このような状況でござい ますが、ここでは研究員のインセンティブを高めるために研究員に積極的に参加を求め ているということ、それから外部評価に対応して特別研究の事後の課題の成果を安全技 術講演会で発表すること。また、外部評価の先生方に全員の参加が可能になるように早 い段階から準備を始め、14年度は都内で実施しておりまして、全員の参加をいただいて おります。 そういうことで、ここの自己評定を「A」としております。  それでは評価シートの12頁に移らせていただきます。「成果の積極的な普及と活用」 ということで、私どもの研究所は先ほども委員の先生方からお話があったように、宣伝 がヘタであること 、知らない人が多すぎるというような評価をよくいただきます。と いうことで、産業安全研究所紹介のビデオをつくっております。これは13年度につくっ ておりますが、14年度にCDを制作しておりまして、これの配布というか、必要なとこ ろにお配り、もしくはホームページで公開しております。また、先ほどの補足説明資料 に随所に出てきておりますが、このような形のロゴマークもつくっております。このよ うに研究所自体の広報というか、研究所自体を知っていただくという広報の他に、当然 のことながら学会発表等の促進を実施しております。  この評価シートの12に書かれておりますように、論文発表が49と、これは昨年度は40 でしたので、9増えております。それから災害調査報告が11と、3増えております。国 際学会発表が33ということで、これも3増えております。ただ、国内学会発表が減って おりまして、76ということで、昨年は93でしたので、かなり少なかったという状況にご ざいます。次の技術誌・一般誌への寄稿ということで、28件。これは昨年が9件でした ので、3倍ということで、私どもがかなり力を入れたのではないかと考えております。 あとは著書等については6件、昨年は2編でしたので、これも増えた状況にございま す。また、学会発表、論文発表等については、事業報告書の添付資料の2に全数を載せ てありますのでご覧いただけるかと思います。詳しくは省略したいと思います。  それから最後の「黒丸」ですが、「支持地盤の不安定要因による移動式クレーンの転 倒防止に関する研究」ということで、この研究は先ほども申し上げましたが、安全工学 協会の論文賞を受賞しております。このようなことを考えますと、現在の学会発表数、 論文発表数は中期目標に示された300回以上、それから200報以上というこの数値を達成 できる状態にございます。  そのようなことから、ここでの自己評定は「S」とさせていただいております。  続きましてシート13ということでご説明します。「インターネット等による研究成果 情報の発信」ということでございますが、平成14年度計画に従いまして安研ニュース、 それから年報、産業安全研究所研究報告等の刊行物を計画通りに出版しております。ま た、インターネットで公開ということで、安研ニュースと年報につきましては、全文を 公開しております。また、研究報告等に関しましては抄録をホームページで公開してお ります。また、私どもの研究所にマスメディアの関係の方が取材に来られることがあり まして、それの対応を8件、それから依頼講演、または技術指導ということがございま して、それへの対応が60件という具合に積極的に研究成果の普及に努めております。  自己評定の欄の下のほうに追記させていただきましたが、ホームページのアクセス回 数ということで、月あたり27,000回ということでございます。私どものところにアクセ スいただいて、その後いろいろな画面をリクエストしていただくわけですが、それが20 万回ということで、増加傾向にございます。ただ、これは季節的な変動がどうもあるよ うでして、昨年との数値からいきますと、大きくは増加というか、逆に多少は数として は減っている可能性もあります。ただ、4月以降の状況を見てみますと、3万回を超え ておりますので、増加傾向にあると考えております。  このようなことから、ここでの自己評定を「A」とさせていただいております。  それでは14頁に移らせていただきます。「成果の積極的な普及と活用」ということで ございますが、講演会の開催ということで実施しております。講演会の開催の写真を載 せておりますので、補足資料の35頁をご覧いただきたいと思います。  平成14年度は東京、大阪の他に、札幌で講演会を実施しております。この講演会にお きましてはいろいろとわかりやすく説明するために実演をした者がおりまして、非常に 評価が高かったということを聞いております。そういうことでわかりやすい講演にも努 めております。この技術講演会に関しましてはアンケート調査を実施しております。平 均回収率は約60%でございましたが、それぞれ好意的な意見というのが多かったという 状況にございます。それで、先ほどの補足資料35頁のスライドに示しておりますよう に、満足度という形で表現しますと、75%が「非常によい」「よい」という回答をいた だいております。これは補足資料の36頁のスライドにそれぞれの地方というか、場所で の評価結果が載っております。これが技術講演会に関する内容でございます。  次に研究所の一般公開ですが、これは14年度の計画に基づき科学技術週間の行事の一 環として14年4月17日、これは水曜日という研究所で決めた日に実施しております。参 加者は100名ということでした。これは前年が約160人だったと思いますが、それから比 べると減少しております。この理由が次の「黒丸」に書いておりますが、平成14年度に おきましては前年度までの参加者の要望を反映させ、見学希望者の事前登録により少人 数のグループにより当所の施設・実験室をきめ細かく見ていただく方式を施行しており ます。これまでたくさん集まっていただいたんですが、1グループの数が多すぎるこ と。したがって後ろのほうはただ追いて歩いただけという、そういう辛口の評価もござ いましたために、方法を少し変えまして小グループできめ細かに見ていただく方式を とっております。このために100名ということになっておりますが、ほぼ私どもの研究 所の人員では対応できる限界かなと考えております。それから当然、研究所の一般公開 につきましては資料をつくり、見学される施設で実施している研究の概要を示しており ます。  それから一番最後の「黒丸」ですが、やはり一般公開の他にそのときどきに応じまし て企業、安全関係団体、学会等から見学の申し込みがございます。これに対しまして随 時対応を行っております。国内が23件、国外が14件ということで、これはほぼ前年通り の来訪者でございました。  このような状況を踏まえまして、ここでの自己評定を「A」とさせていただいており ます。  それからシート15でございますが、「知的財産の活用促進」ということでございま す。これは先ほどご質問がございました特許権等に関するものでございますが、当所で は特許権の取得に前向きに取り組んでおります。研究所所有の特許につきましては前年 度に引き続きホームページ等で公開している他、また特許流通データベース等でも一部 公開させていただいております。  それで2つ目の「黒丸」ですが、このうち産業安全研究所が共有している特許を製品 化しました「歩行支援システム」というのがございます。これは国電の田町駅の近くに あります安全会館というところの展示場に展示されているシステムでありまして、これ に関する取材が何件かございました。これにも積極的に対応しております。これは歩行 システムを開発するということで、私どもが国研時代に特許をとったのではなくて、重 たい荷物を運ぶのにこういう方法があるということで特許をとったものが、別な意味で 製品化されたものでございます。  この他、14年度におきましては5件の特許出願を行っております。それでこれまで出 願中の特許1件については、登録化が認められております。また、新たに3件の特許の 実施の契約を締結しております。現在私どもが所有しております特許は、共有も含めま して11件ございます。また、出願中が33件ということでございます。特許に関しまして は非常に難しいという、技術的というよりも、むしろ手続き上の難しさもございまし て、また技術的には私どもの研究所のように新技術の開発を目的としていない研究所に おきましては非常に難しいものがございますが、特許の取得というのは私どもの成果の 普及の重要な項目であると考えて前向きに取り組んでおります。  そういうことがありまして、昨年と比べますと出願数では減少しておりますが、実施 契約では増えているということも含めまして、また私どものひとつの柱にしたいという 希望もございますので、ここでは「S」という形で評点をつけさせていただいておりま す。  それから評価シートの16頁でございますが、「国内外の若手研究者・技術者の育成へ の貢献の状況」でございます。平成14年度は国外から2名、国内から14名の計16名の大 学院生等他に、研究協力協定に基づきます研究員2名を受け入れております。そういう ことで18名の研究生を入れております。それから、その他にSTAフェローという形 で、そういう制度がございまして、そのような研究者も受け入れております。  また、他機関への協力・支援ということで、ここに書かれておりますように、合計60 件を行って、講演とか技術指導、技術移転等の協力・支援を実施しております。特に労 働研修上、もしくは安全衛生教育機関、災害防止団体等の研修生のための講師として協 力しているわけですが、この研修所に来られている研修生というのは直接安全に関わる 担当者ということで、この方々の育成ということで当研究所としての活動は誇れる活動 であるという具合に考えております。  このようなことがありまして、ここでの評定は「A」としております。  続きまして評価シート17でございますが、「研究協力の促進」ということを進めてお ります。まず、国内外の産業安全に係る研究者との研究交流状況でございますが、流動 研究員制度、これは当所の制度でございますが、流動研究員制度を活用した研究者の招 聘、それから大学、他機関からの求めに応じた研究者の受け入れ、派遣ということを実 施しております。また、研究協力協定に基づく研究交流としまして、これまではイギリ スのHSL、それから韓国の産業安全保健研究員、韓国釜慶大学校工科大学のようなと ころと研究協力協定を結んでおりましたが、新たにフランスのINRS、それから韓国 のソウル産業大学校との研究協力協定も結んでおります。この他、中国の海洋大学校と の協力協定の締結に向けた検討も行っております。このような協定を結んだ中で、韓国 の産業安全保健院との協定に基づいた専門家の派遣、研究者の受け入れ等を実施してお りまして、延べ7人の研究者が交流を行っております。また、このようなことを釜慶大 学とも行っております。  それから民間、他機関に対する共同研究課題の提案・受け入れ状況ということです が、先ほどからご説明しておりますように、12課題ございまして、39課題中12課題がご ざいまして、約30%ということで、数値目標の10%を超えております。また、研究者の 交流ということで、10人程度というのが数値目標になっていますが、平成14年度は15名 ということで、この目標もクリアしております。  そういうことがありまして、ここでの自己評定を「S」とさせていただいておりま す。以上が17番目までの評価シートでございます。 ○大久保部会長  ありがとうございました。それではご質問を委員の先生方お願いします。 ○安井委員  12頁でございますが、論文発表件数49報のうち、31報が産業安全研究所刊行の研究報 告なんですが、この研究報告のディストリビューションはどのぐらいでしょうか。 ○産業安全研究所本山研究企画調整部長  研究所の研究報告は一応研究協力関係にある研究所とか大学に送らせていただいてお ります。その他、行政関係にも送らせていただいておりまして、大体800部〜1,000部ぐ らいは送らせていただいております。 ○安井委員  関連してですが、次の頁にホームページで研究報告に関しましては確かに抄録までは 出ているんですが、800部ではやはりなんとなくもったいないような気がしますので、 これは全文ホームページに載せられない理由があるんでしょうか。 ○産業安全研究所本山研究企画調整部長  それにつきましては次の評価シートのご説明のときにも関係すると思いますが、有償 頒布ということを求められております。有償と言いますのは、そういうような目標が立 てられておりまして、その中で実施しておりますので、有償で出しているということが ございます。 ○安井委員  私の誤解かもしれませんが、有償であることは求められてないと思います。 ○産業安全研究所本山研究企画調整部長  確かに私どもとしては、国研時代はすべて印刷した分について求められた場合には送 らせていただいておりました。ただ、有償頒布と申しましても、実際に講演会等で使う 場合、もしくはいろいろなところで見学会等で使う場合におきましては、研究所主宰と いうことで見学者なり皆様にお渡ししております。 ○産業安全研究所尾添理事長  いわゆる研究成果の成果物の有償頒布ということは、独立行政法人になるときにいろ いろと議論がありまして、特にこれはやれということで、我々としては強く求められた ので、そういう面にある程度取り組んだという一面もございます。 ○大久保部会長  よろしいでしょうか。他に、どうぞ。 ○清水委員  評価シートの15頁でございますが、知的財産の活用・促進のところの自己評定が 「S」となっていますが、この根拠を教えていただけますか。ずっと今までお聞きして いますと、中期目標の段階である程度数値目標が示されていて、それを大幅にクリアし ているところはSというようなご説明があったりとか、そこに数値目標がない場合には 国研時代と比べてというようなご説明があったりするんですが、この場合にはどのよう な根拠でSと判定されたかお伺いできますか。 ○産業安全研究所本山研究企画調整部長  これに関しましては3件の実施契約が結ばれております。国研時代はゼロでございま した。それで昨年は2件というように書かれておりますが、これはひとつの特許に対し て2つの申し込みがあったということでございまして、昨年は実施された特許は1件と いう形でも考えることができると思います。また、私どもの研究所は先ほども申し上げ ましたように、技術開発の研究所ではございませんので、5件出たということも非常に がんばった成果だというように私どもとしては評価しております。また、実施契約を結 んでおりますものにつきましても、そろそろひょっとしたら収入があるんじゃないかと いうような状況まで達しております。そういうことも含めまして、ここでは「S」と評 価しております。 ○産業安全研究所尾添理事長  ちょっと補足よろしいですか。特許の問題につきましては、非常に国立研究所時代は ほとんどなかったというようなことが一方でありますし、特許を出願して登録して実施 ということにつきましては、非常に膨大なエネルギーというか、事務量を投入しなけれ ばならないということがございまして、これはひとつ独法になったこの機会にいろい ろ、先ほど説明したように、成果のわかりやすい普及の問題その他、これは非常に大き な柱としてやっていこうということで、相当エネルギーを投入して私どもは体制を整備 しました。それで広報もして、実際に事業所からのそういう実施の申し込みも受けて、 さらにそれもいろいろ精査しながら契約を結んできたというようなことで、相当に力を 入れてやって非常に大きな成果が上がってきたというような観点から「S」ということ でございます。 ○清水委員  独法化される段階でそういう体制を整えられて非常に力を入れられてきたというご説 明を先ほどからお伺いしておりますが、そうしますと中期的に大体どれほどの獲得を目 指すとか、実施を目指すというようなことはここの中期目標にはないようですが、内部 では立てられているんでしょうか。 ○産業安全研究所尾添理事長  実際に私どもの研究所の特許というのは、世の中に汎用的に使われて非常にたくさん 売れて大きな収入が出てくるというものではないというものがありまして、実際にやっ た場合でも、収入的に投入した業務量なりそういうものに応じて見返りがどれだけある かということについてはあまり期待はできないという面がひとつあります。収入的な面 というよりは、わかりやすく成果を普及できるひとつの大きなテコになるというような ことと、私どもがせっかく持っている成果というものをただ黙って待っていてもしょう がないわけですから、できるだけ特許というような形で出していって少しでもお役にた てればと。そこで活用していただけて、災害防止のためにある程度役に立てばというよ うなことでやってきているわけでございます。  したがって、将来いくらまで上げていってというような、そういうところまではまだ 考えてないというか、そこまでいろいろと考えていくだけの、今のところで価値がある というか、そういう目標を立ててやっていかなければならないものなのかどうかという ところで、ちょっとまだ考えているところがあるわけでございます。とにかく今のとこ ろはできるだけ前向きに特許をとろうというようなことで、出願しようということで やってきているんですが、将来的にはもう少し特許の出願を、例えば件数をもう少し 絞っていって所内の審査を厳しくして、出すのを絞っていくというようなことも将来は 考えていかなければいけない。というのは、特許を出すと大きな金が、1件の特許を出 願すると数十万の金が掛かりますし、国内外で出しますと何百万というお金が掛かりま すから、そういうところまで考えなければならないというようなことで、総合的にこう いうものを考えなければならないわけであります。  ただ、今のところは独法も始まったばかりなので、とにかく特許の問題はある程度前 向きに取り組んでいって、そういうことをやって様子をみながら今後の対応も考えてい くというようなことになってくると思います。とにかく今は、大きな柱として今まで やっていなかったことですから、積極的に取り組んでいってとにかくやってみようとい うことです。 ○黒澤委員  今の特許の話ですが、研究所の性格から確かに市場経済に馴染む特許というのはない と思います。あまり出ないというか、たまに出る可能性もあるんですが。そういうこと だと思いますが、ただ「S」の評価としては量的なクリアが必要だろうということもあ るし、それから内容的な評価がもっと求められるんじゃないかなという気がするんで す。つまり、そういうことから言いますと、Sの評価のためにはやはり国際的に出願の 特許が大きく評価されたという何か、インデックスのような何かが出ないとSまでは評 価しにくいんじゃないかという感じを受けるんですが。量的な中期計画に対するプロセ スは評価できるんです。今までなかったものをこれだけ積極的に展開されたという意味 合いの評価はよろしいと思いますが、それだけでゴールの評価にしてしまうということ はちょっとやり過ぎかなと。そういう意味合いを感じます。 ○産業安全研究所尾添理事長  私どもはそこのところの考えがまったく違っていまして、例えば国立の時代は特許と いうのはほとんど出してないわけです。実施ももちろん何もしていないと。それで特許 を出して登録して実施ということにつきましては、ものすごくある面で行けば研究のと ころにしわ寄せをもってきて取り組んできたと。その結果、数字としては例えば10件近 く、13年度は9件近く、非常に上がってきたと。それで私どもの研究員は35名しかおり ませんので、非常に取りにくい研究テーマの中でこれだけやられてきたということは、 非常に前向きに取り組んできたと。非常に力を入れてやってきたと。現実もそのように やってきたわけなので、これはそういう面では私としては自信を持ってつけた自己評価 だと思っています。 ○岩渕委員  17頁ですが、これを見ると前のほうの頁にもいろいろありますが、外部との協力、そ れから共同研究、そういうような活動をものすごくたくさんやっていらっしゃる。それ はすばらしいと思いますが。ただ具体的に、例えば外国の大学と研究機関との共同研究 というと、共同研究のやり方というのがどうもピンと来ないというとなんですが、それ はネットとかそういうものを使ってやるのかもしれませんが、ちょっとヒントのような ものがひとつ欲しいなということ。  それと、これだけたくさんやるということによる、例えば外国と共同研究をすること によるメリットというのはあると思います。目からウロコのような、そういうようなも のが今まで過去にあったのか、あるいは今後そういうようなものを期待されるのかとい う点と。たぶんデメリットもあると思いますので、やってみてこういうところが大変だ なというところがあれば教えていただきたいと思います。 ○産業安全研究所本山研究企画調整部長  実は私の説明不足かと思いますが、この17頁の説明におきまして外国との共同研究は 実際には行っておりません。ここでやっておりますのはセミナーを開催しております。 それで、次のご質問ですが、過去に国研時代に二国間共同研究とか、そういうことを実 施しております。確かに相手があることでありまして、非常に難しいと。例えばアメリ カとかヨーロッパの機関とやりますと、交流だけでもすごく大変だということがござい ます。ですから、一応お互いに情報を交換し合うという形で、ひとつの課題に対してや るというような、むしろ共同して研究するというよりも情報交換的なことが主になって いたかと思います。こういうようなことをやっておりますと、実は将来的には若い研究 者が入ってきたときに、実はその機関で受け入れてくれると。実際にそちらに行きまし て、昔共同研究をやっていました先生に付きまして、そこでまた研究をやると。そうい う輪が広がりますので、非常にこういうお互いの意思疎通というか、研究交流は将来的 にも大きく役に立つと考えています。 ○大久保部会長  他にご質問はございますか、どうぞ。 ○田村委員  11頁のところに係わるところですが、外部評価につきましても非常によい体制で取り 組んでらっしゃるように思いますが、これについてはプロジェクトが対象になっている わけですね。同時にこれは内部評価もやっていらっしゃる。外から見た目と中から見た 目が違う点もあるかと思いますが、そのあたりはどのように対処されているんでしょう か。 ○産業安全研究所本山研究企画調整部長  外部評価と内部評価の対象が少し異なっておりまして、外部評価は主にプロジェクト 研究ということで、プロジェクト研究が始まる前の事前評価、それから4年以上の研究 に関しましては2年の中間評価、それから自己評価という形になっております。それで 内部評価は、外部評価を受けた課題、プロジェクト研究課題ですが、それに関する進捗 管理、計画通りに進んでいますかというそちらに重点を置いております。そういうこと で評価自体の観点が少しズレておりまして、両者を比べるところに多少無理があると思 います。ですが、同じ研究課題ということですので、お互いに比べることも多少はでき る面もあるということで、比べてみますと評点がちょっと付け方が違っておりまして、 内部評価ですと2〜4、それから外部評価ですと1〜5ということで、うまく合わない ところがありますが、大体4点台(1〜5で)、それが外部評価の点数になっておりま す。それから内部評価でいきますと、3.2〜4と。これは内部のほうが少し辛いんじゃ ないかなという感覚がありますが、そのような状態になっております。ただ、この数値 はあくまでも対象が異なっておりますので、判断しかねると考えております。 ○田村委員  視点によって見方が違ってくるということはあまりないんですか。つまり、外部評価 で評価されると、それはそのまま受け取るということになるんですか。 ○産業安全研究所尾添理事長  プロジェクト研究の場合には、外部評価の事前評価というのをまず行います。それで 事前評価を行って、実際にその評価を踏まえながら必要に応じて研究の中身を替えまし て、替えた中身で実際には交付金の予算要求にもっていきます。そうすると、我々の内 部研究評価会議の事前評価というのはその後になってきますので、同じ時点のところで は評価していないということがございます。  それと、若干違うということでは、社会的意義とかそういうところはやはり外部の先 生方のほうがちょっと評価は高いかもしれません。我々はそればかり見ていますので、 非常にちょっと評価が辛くなるということで、そのへんのところは内部評価会議のとこ ろでは重要視していろいろな観点から議論していますので、ちょっとそのへんが違うと ころがあるかなという気がします。 ○大久保部会長  ありがとうございました。大体よろしいでしょうか。では、評価をしていただきなが ら、最後に私から2つだけ質問させていただきたいんですが。どうぞ先生方は評価シー トを記入していただいて結構です。              (各委員、評価シートに記入) ○大久保部会長  ひとつは、国内学会の発表でございますが、これが少し減っておりますね。まだこれ は今後、前年度並に十分カバーできるということで、まだまだ年度の途中でということ なんでしょうか。これがひとつ。  2つ目は、特に安全研究所のようなところは非常に東南アジアなどでも非常に安全に 関する問題が多いわけですね。そうしますと、若手研究者を招かれるとか、あるいは技 術交流をされるというような場合に、当然教育というような面も考えていただく必要が あると思いますが、この中では例えばヨーロッパとかアメリカとかそういうところとの 関係というのは目に見えてきますが、そこのあたりの開発途上国というか、かなり途上 国から脱却しているようなところもございますが、そのあたりについての現状はいかが ですか。 ○産業安全研究所本山研究企画調整部長  まず最初のご質問でございますが、国内発表が減っているということは、やはり仕事 がかなり厳しかったんだろうというような考えを持っています。これは論文発表が増え ております。それで論文にかかった時間がかなりあったということで、たぶん口頭発表 が減ったんだろうと考えています。ですから今後もう少し見てみないとわかりません が、少しずつ増えてくるんじゃないかと考えています。  それから次の問題ですが、国際交流ですが。 ○大久保部会長  特に東南アジアを中心にした教育・指導というか、教育活動というか、そういうこと も非常に重要だろうと思いますが。 ○産業安全研究所尾添理事長  まず、国際研究協力協定というもの、これは包括的な研究協力協定ということで、あ くまで研究という対等の立場でお互いにメリットがあるから研究協力協定を結びましょ うという観点でやってきていますので、現実問題としてはヨーロッパとか韓国とか中国 とかそういうところになってきております。  それでもう一方で、いわゆるレベルアップの技術協力のような観点ですが、これは国 全体としてはJICAとか厚生労働省で技術協力という関係で予算をとっておやりにな られていますので、私どもはそういうスキームの中で、研究者を安研に派遣するので教 育してくれないか、というようなものは積極的に受け入れております。それで自らが技 術協力をやるというものは、私どものいろいろな予算等の中でそういう費目がないとい うか、そうなっておりません。ただ、例えば自分のところで旅費を持ち、滞在費も自分 で持ちますから、安研の施設を貸してほしい、そこで指導してほしい、それで何ヶ月 か、あるいは1年とか滞在してやりたいというものについては、これはいつでも積極的 にお受けする用意はあります。韓国とかからはそういう格好で来られる方はいるんです が、まだ東南アジアとかそちらのほうでは自分のところではまだ手当てができないん じゃないかと思います。もし来られたら、我々は積極的に対応するということが前提で ございます。 ○大久保部会長  ありがとうございました。 ○産業安全研究所本山研究企画調整部長  ひとつ付け加えさせていただきますが、タイから学生が来られまして、1週間程度で したが、受け入れたことが14年度にございます。 ○大久保部会長  非常にそういう意味では技術移転を日本からずいぶんしておりますので、その裏腹の 問題で、やはり安全教育というのは向こうでもかなり重要視されているようですので、 ぜひ経済的な面が解決されましたら、そのあたりのご協力もよろしくお願いします。  それでは次に進ませていただいてよろしゅうございますか。では、最後になりました が、第4グループの評価シートの項目、18〜21でございますが、これについてご説明を お願いします。 ○産業安全研究所本山研究企画調整部長  評価シート18〜21でございますが、これは評価シートに沿った内容につきましては私 のほうからご説明させていただきますが、財務関係につきましては当所の総務課長のほ うから説明させます。  まず評価シートの18でございますが、「業務運営の効率化に伴う経費削減」というこ とで、この部分は第1の1の3と同じ形になっております。これは昨年度と同じように つくるということを言われておりまして、同じような形式でつくった結果このように なっております。ということで、2度の説明になりますが、厚生労働科学研究費補助金 を5件獲得したと。それで受託研究は3件、施設・設備貸与は3件ということで、また 安研の一部の刊行物につきまして頒布権を有償で実施させたことがございます。こうい うことで、この評価は「A」とさせていただいております。  次に評価シート19でございますが、「運営費交付金以外の収入の確保について」とい うことでございます。ここではこれまでも説明してきましたように、科学技術振興事業 団の重点研究支援協力員事業、それからSTAフェロー研究員事業に基づく資金を獲得 しております。これらの研究員につきましては、研究費という形で出ております。それ ぞれの派遣先から出ております。それから、厚生労働科学研究費、これは先ほどと同じ ですが、それを獲得したと。それから3課題の受託研究、3件の研究施設の有償貸与と いうことで、トータルとしまして交付金以外の収入として20,188千円の収入があったと いうことでございます。ここでの評価は「B」としております。  次に「人事に関する計画」でございますが、先ほどシート1でご説明しましたよう に、若手任期付職員を公募して1名採用したという状況にございます。また、平成14年 度末に国立大学へ転出する研究員がおりまして、その人の代わりになる研究員を同じよ うな形で公募作業を実施しております。これは今年度の7月から採用されまして、実際 に研究業務に従事しております。  また、人員の指標に関する状況としては、年度はじめの常勤職員が49名でありまし て、終了時はその通りということで、ここでも「B」という評価を付けております。  それで最後のシートですが、評価シートの21でございますが、私どもの研究所では運 営費交付金以外に施設・設備に対する補助金というのがございます。平成14年度は電界 放射型の走査顕微鏡ということで、金額は6,200万という形で電界放射型走査型顕微鏡、 これは電子顕微鏡ですが、これを設置しております。ここでも「B」という評価をして おります。  続きまして総務課長のほうから説明をいただこうと思います。 ○産業安全研究所総務課長  それでは財務諸表関係につきまして私のほうから説明をさせていただきたいと思いま す。資料の3-2という財務諸表で説明をさせていただきたいと思います。  それの1頁でございますが、貸借対照表でございます。左側の資産の部でございます が、資産合計が一番下にございまして、7,872,877千円ほどでございます。内訳としま しては流動資産が487,201千円強ということでございます。また、有形固定資産につき ましては、7,384,739千円強、また無形固定資産が936千円ということになっておりま す。全体のうち、有形固定資産が93.8%を占めているという状況でございます。  それで右のほうの負債でございますが、負債合計としまして1,061,853千円ほどにな っておりまして、そのうち流動負債が507,066千円強ということでございます。また、 固定負債につきましては、554,787千円強ということでございます。このうちの流動負 債の運営費交付金債務でございますが、299,989,448円という計上をさせていただいて おりますが、これにつきましては8頁に附属明細書というのを添付させていただいてお りますが、こちらのほうに年度別の運営費交付金債務の状況を記載してございますが、 平成14年度分としまして134,849千円強を計上してございます。これは退職者が見込み 人数を下回ったこと、それから人事院勧告に準拠しました給与の引き下げ等がございま して、それの人件費の残によるものでございます。  それから負債の部に短期リース債務と長期リース債務というのがございます。これは 簡単に申し上げますと、電子計算機の借料でございますが、リース期間の中途におきま して契約を解除することができない契約につきましてはファイナンスリースという、独 法会計基準の中で定められておりまして、それに従った計上の仕方をしておりまして、 各々短期リース債務は35,660千円強、長期リース債務は66,718千円強というのを計上さ せていただいているということでございます。  それから資本剰余金でございますが、資本金につきましては政府出資金としまして 7,163,573千円強ということでございます。また資本剰余金につきましては、トータル としまして減価償却等がございますので、△の366,931千円強ということになっており ます。それから利益剰余金につきましては、環境整備積立金、これは13年度の剰余金を ご承認いただきまして環境整備積立金として積み立てている金額でございますが、 8,573千円強でございます。それから積立金が854千円強ということでございます。それ で当期の未処分利益としまして4,953,876円を計上させていただいております。この内 訳につきましては後ほど資料3-6のほうで詳しく説明させていただきますので、貸借 対照表では以上で止めさせていただきたいと思います。  次の頁が損益計算書でございます。経常費用でございますが、総額で経常費用合計と しまして1,115,389千円強でございます。このうち研究業務費が883,300千円強でござい まして、これは全体の79.2%を占めてございます。それから下のほうの一般管理費でご ざいますが、これは226,464千円強ということでございまして、全体の20.3%でござい ます。それから財務費用が5,624千円強ということでございまして、全体の0.5%という ことで、経常費用としまして1,115,389千円強ということでございます。  経常収益につきましては、合計で1,120,343千円ほどになっております。そのうち運 営交付金収益が983,659千円強でございます。それから物品受贈益、これは 116,465,988円、受託収入が14,541千円強、その他の収入が5,675千円強ということで ございます。若干ご説明しますと、このうちの資産見返運営費交付金ですが、これは運 営費交付金で取得しました資産の減価償却費相当額の収益化されたものでございます。 また、物品受贈益につきましては、独法移行時に国から無償譲与されました資産の減価 償却相当額ということでございます。  そういうことで、当期純利益・総利益としまして4,953,876円という数字を計上させ ていただいております。  それから3頁のほうにキャッシュフロー計算書をつけてございます。これにつきまし ては独法会計基準に従った処理をさせていただいておりますが、簡単に申し上げます と、手元現金及び要求払い預金につきまして、業務活動、投資活動、財務活動とこうい う形に区分表示するということにされておりまして、集計したものでございます。期末 の資金残高としまして、一番下に書いてございますように、486,149,145円の資金残と いうことでございます。  それから次の4頁に行政サービス実施コストというものが添付してございます。これ は独法コストのうち、実質的に国民の負担になっている金額を計算表示するものという ことで、独法会計基準のほうで定められておりまして、業務費用、損益外減価償却相当 額、それから引当外退職手当増加見積額、政府出資等の機会費用ということで区分計上 することになっておりまして、それに従った集計をさせていただいているものでござい ます。 一番下のほうに行政サービス実施コストとしまして、1,324,836,168円ということでご ざいます。  それから5頁に重要な会計方針というものを添付してございます。そのうちの(1)で ございますが、収益化基準として費用進行基準を採用しているということでございま す。  それから2番目のほうに有形固定資産の減価償却方法ということでございまして、 各々の区分ごとに掲記のような耐用年数で減価償却を行っているということでございま す。  それから5番目ですが、リース取引の処理ということでございまして、先ほどもちょ っと触れさせていただきましたが、ファイナンスリースに係わります取扱いについてこ こで示させていただいているということでございます。  それから7、8頁につきましては附属明細書ということでございまして、(1)につ きましては有形固定資産等の期首残額、期中の増減、期末残高、それから減価償却の状 況というものを記載させていただいているものでございます。  それから9頁以降でございますが、私どもの経理区分としまして安全研究所の個別法 の中で区分経理をするという規定がございますので、それに従いまして一般勘定、労働 福祉勘定ということに分けてございますので、各々勘定別の貸借対照表、損益計算書、 キャッシュフロー計算書、行政コスト計算書というものを添付させていただいていると いうことでございます。  それから資料3-3のほうでございますが、決算報告書でございますが、最初の頁が 総括ということでございます。これにつきましては国の一般会計予算、それから労働保 険特別会計からいただいている予算、それから自己収入の3つに分けまして整理してご ざいます。それで一番上が総括表でございます。決算額をご覧いただきたいと思います が、収入につきましては運営費交付金が1,265,381千円、先ほど電子顕微鏡ということ が出ておりましたが、施設費補助金が61,950千円、それから受託収入としまして 14,541,450円、その他収入が5,675,916円になっておりまして、合計で 1,347,548,366円という決算でございます。  それから支出のほうにつきましては、会計別にご説明をさせていただきたいと思いま す。  次の頁でございますが、一般会計ということでございます。収入につきましては、収 入合計が545,525,376円ということでございます。それで支出合計が435,460,115円と いうことでございます。そのうち人件費が351,506,115円でございます。一般管理費が 26,072,390円、業務経費が57,881,610円ということでございます。このうちの人件費 の残額でございますが、これは先ほどご説明させていただきましたが、退職者が見込み より下回ったこと、それから人事院勧告に準拠しました私どもの給与規程の改定引き下 げ等によりまして生じたものでございます。それから一般管理費の残額につきまして は、年度計画等で定められている光熱水料の経費の節減等の要因によりまして生じたも のでございます。また、業務経費に不足を生じてございますが、これは基盤研究を効率 的、効果的に実施するために必要となりました実験機器を購入したこと、それから当 初、予定していなかった実験機器の保守点検というものを実施した等の要因によりまし て不足が生じたということでございます。  それから次の頁の特別会計でございます。これは特別会計のほうからいただいている 交付金の決算でございますが、収入合計としまして781,835,321円でございます。その うち交付金が719,869千円、施設費補助金が61,950千円ということでございます。この 施設費補助金につきましては先ほど来の説明にもございましたように、電界放射型走査 電子顕微鏡及びその施設環境整備ということで支出されております。後ほど下のほうに 出て参ります。  それから支出合計でございますが、757,020,977円ということでございます。うち人 件費が184,689,977円でございます。それから一般管理費が84,529,162円、業務経費が 425,851,838円ということでございます。  それで人件費の残額につきましては、一般会計と同じように退職者の見込み人数が下 回ったという要因と、それから人事院勧告に準拠しました給与規程の引き下げ支給等に よりまして生じたものでございます。それから一般管理費の残額につきましては、光熱 水料の節減、また一部の契約につきまして一般競争入札を実施しまして外部に委託した 結果、契約が当初より縮減できた等々の要因によりまして残額が生じたものでございま す。また業務経費につきましては、基盤研究を実施するために必要になった実験機器の 購入、それからプロジェクト研究の一部につきまして、当初は予定にはなかった実験機 器を購入した等の要因によりまして不足が生じたものでございます。それから海外研究 機関交流費に残額が生じておりますが、これは先ほどらいの説明にもございましたよう に、フランス及び韓国との国際協力協定、基本協定でございますが、その締結後に実施 予定でございました個別協議が都合により実施できなかったことによりまして残額が生 じているものでございます。  それから研究所の広報及び研究成果普及経費が不足というか、これは先ほど来の説明 にもございますようなCD-ROMの作成経費とか、要覧、紹介パンフレットでございます が、この掲載内容を一部見直しまして新たに作成したこと等により不足が生じているも のでございます。  それから次の頁のその他の部分でございますが、これは自己収入の部分でございます が、決算額の欄でご覧いただきたいと思いますが、収入としまして20,187,669円でござ います。そのうち受託収入が14,541,450円ということでございます。支出のほうは合計 で14,541,450円の支出となっております。それで一般管理費につきましては、これは光 熱水料でございます。それから決算ベース時の収支差につきましては、5,646,219円と いうことになってございます。  それから資料3-6のほうで利益の処分に関する書類の明細書等というのをお示しさ せていただいております。次にこちらのほうの説明をさせていただきたいと思います。  これは一般勘定と労働福祉勘定ということで2つを私のほうで経理してございます が、一般勘定に係わる分ということになりますが、当期総利益7,036,010円となってご ざいます。今回は研究環境整備積立金として申請をお願いしておりますのが、 6,588,673円ということでございますが、次の頁に当期総利益内訳ということで内訳明 細を添付させていただいております。  それで今申し上げました6,588,673円の内訳ということでございますが、一番右の摘 要のほうに、残額を剰余金として申請というメモ出しをさせていただいている部分の積 み上げの金額になってございます。これは施設貸与収入、それから講師等の収入、それ から当該収入に係わります利子収入でございまして、独法会計基準の中で示されており ます運営費交付金以外の収益から生じた収益ということに該当すると思われますので、 この金額を申請させていただいているということでございます。  ただ、一点ご説明させていただきたいのが、その内訳の中で一番下のほうに「資産取 得による利益…(4)」というのがございます。これは受託研究の中で当該研究遂行上必 要ないわゆる備品、研究用備品を取得したものがございます。ただ、財表上の処理とし まして、資産として評価されるということでございまして、いわゆる期ズレの利益が生 じているという状態になってございます。ただ、この期ズレの利益につきましては、次 期以降の当該資産の減価償却費に充てられるという関係がございますので、一応目的積 立金に整理すべきものというように考えさせていただきまして、今回の剰余金の申請の 額の中に含めさせていただいております。その額が先ほど申し上げました資産取得によ る利益(4)ということで、1,376,415円を含ませていただいているということをご説明さ せていただきたいと思います。  それから最後の財表関係でございますが、資料3-10ということで損益計算書経年比 較表というのを付けさせていただいております。  13年度、14年度の各勘定科目につきましてはここに記載させていただいている通りで ございます。何点か説明させていただきますが、第一点目が人件費でございます。これ は研究経常費用につきましては研究業務費と一般管理費ということで、2つに大きく分 けて計上させていただいておりますので、それを合計した金額で申し上げますと、平成 14年度支出につきましては、人件費が503,653,948円でございます。それで前年度の支 出につきましては505,565,443円となってございまして、前年比で申し上げますと人件 費は0.4%の減でございます。金額で申し上げますと、1,911,495円のマイナスというこ とでございます。  それから光熱水料でございますが、これも研究業務費と一般管理費の2つの部分で計 上させてございますので、トータルベースで申し上げますと、平成14年度支出につきま しては31,375,718円でございまして、前年度36,026,917円でございますが、これと比 較しますと13%の減、マイナス4,651,199円でございます。  それから3点目でございますが、経常収入の部分でございます。これが13年度に比べ まして264,428,714円ほどマイナスでございます。このマイナスの要因でございますが、 中ほどに物品受贈益という欄がございます。小さく分類しまして物品受贈益、それから 資産見返物品受贈額戻入という見慣れない勘定科目がございます。これは上のほうにつ きましては独法移行時に国から無償贈与されました物品、50万未満のものでございます が、これが1年で償却することが認められておりますので、13年度にその分を計上して いるということでございまして、14年度はゼロということでございまして、この分が前 年比の経常収益としては大きなマイナス要因ということでございます。  それからその下の資産見返物品受贈額戻入と、これは独法移行時に無償贈与されまし た資産、これは50万以上でございますが、これは減価償却分でございますので、年度に よって若干変動してくるということで、これも約5千万ほど前年比マイナスでございま す。そういうことで、この2つで前年比マイナス要因の約9割でございます。というこ とで、大きく経常収益としては係数的には落ち込んでくるということでございます。  駆け足の説明で申し訳ございませんでしたが、あともう一点だけ。先ほど私どもの本 山のほうから、実験機器の貸与関係の詳しい数字を財務のときにお話するということで ありましたので、ちょっと申し上げます。  これはインターネットを通じまして公開している施設が13でございますが、先ほど説 明がございましたように、3件の実績がございまして、合計で674,510円の収入でござ いまして、これは損益計算書で申し上げますと、財産の中の賃貸収入、この中で含ませ てございまして、ちょっと抜き出した形では掲記してございませんが、その中に計上さ せていただいているということでございます。以上でございます。 ○大久保部会長  どうもありがとうございました。それではご質問をお願いします。 ○清水委員  お時間のほうも迫っているようですので、手短にさせていただきたいと思います。  それで、昨日、座長さん及び事務局のほうのご要請がございまして、質問事項をまと めて出させていただくことにさせていただきたいと思いまして、今日は用意しておりま すので、細かい点はそちらで後日ご回答いただくということをお願いしたいと思います が、ちょっと2点ほど、他の委員さんのご意見にも関係してくることだろうと思います ので、お聞きしたいと思います。  ひとつは労働福祉事業勘定のほうで今期経常損失200万程度となっている理由をお聞 かせ願いたいという点でございます。2つ目は、先ほどの利益処分のご説明が一般勘定 のほうでございましたが、こちらのほうの申請されている650万のうち、最後にご説明 のあった期ズレの利益の部分でございますが、これについては要は経営努力による剰余 ということをどのようにお示しされるのかというところを、もうちょっとお聞かせいた だきたいと思います。 ○産業安全研究所総務課長  一点目の労働福祉勘定で今回当期純損失としまして、2,082,134千円を計上してござ います。その処理でございますが、前期積立金で746,417円を取り崩しまして、次期に 1,335,717円を処理したいと考えているわけでございますが、ご質問のございました損 失の発生状況ということでございますが、これは先ほど申し上げましたファイナンスリ ースという電子計算機のリース料に係わるものでございますが、この支払につきまして 毎月定額払いを行っているわけでございますが、その中に含まれております利息分が返 済償還開始当初につきましてはウエイトが高いという片方の支払の内容と、それから リースにつきましてはリース資産ということに計上されているわけですが、損益計算書 の計算上、費用として発生してまいりますのは、減価償却費分のみが発生してくるとい うことで、先ほど申し上げました元利償還のいわゆる元本部分の間に差が生じるという 関係になりまして、その差が今回の当期純損失になってきているということでございま す。 ○清水委員  ファイナンスリースは当初から予定されていたものでございますか。予算の段階から もう入っていたということですか。 ○産業安全研究所総務課長  予算には入ってございます。 ○清水委員  損益計算書が一応業績評価のメルクマールとなるということですから、そこがマイナ スということですから、その理由をお聞きしたわけなんですが。 ○産業安全研究所総務課長  それで2点目の期ズレの利益、一般勘定のほうでございますが、これにつきましては 運営費交付金以外の収益により発生したものかどうかというご議論がたぶんあるかと思 いますが、これは次期以降につきましても減価償却費が発生してまいりまして、その分 が費用として発生してくるという関係がございまして計上させていただいているという ことです。 ○清水委員  ではもう少し簡単な質問ですが。まず、おそらく受託収入の中で資産をか買われたと いうご説明だったと思いますが、この買われた資産というのはそもそも会計規程上資産 計上の基準を満たすものであったと理解してよろしいんですね。 ○産業安全研究所総務課長  金額にしまして100万以上でございます。 ○清水委員  そうしますと、受託研究期間は1年ということでございますね。それで、ここで残が 残ったということは、耐用年数を1年にしなかったと理解しますが、そういうことです ね。 ○産業安全研究所総務課長  そういうことでございます。 ○清水委員  そこの理由をご説明いただきたいんですが。会計基準上はこの当該研究にしか用いら れない資産であれば、当該研究の期間で落とすというような規程になっていると思いま すが、それが当初から長く耐用年数を設定されたということだと思いますが、耐用年数 は何年にされたんですか。 ○産業安全研究所総務課長  4年でございます。それから、受託研究は今回は1年でございますが、その受託研究 で購入しました資産のその後の用途でございますが、基盤研究に活用したいということ がございまして、先ほど先生がおっしゃったような1年償却ということがそのまま当て はまらないのではないかと考えたものですから、今回はこういう形で申請をさせていた だいているということでございます。 ○清水委員  そうしますと、ちょっと確認ですが、そもそも研究開始時点において研究終了後も今 回の研究とはまったく別の基盤研究のほうでも利用できるというような予測に基づいて 4年償却を開始されたというようなことでございますか。 ○産業安全研究所総務課長  当初からそういう形というのは、ちょっとはっきりとは確認していないのですが、終 了後にそういう活用をすることになったわけです。 ○清水委員  そこがたぶん重要だと思いますが、研究のために買われた機器ですから、そこで研究 期間より長く耐用年数を設定されたということは、やはり合理的な根拠がないとおかし いと思います。それでもって経営努力による剰余だという認定を申請されるということ であれば、やはり皆さんの納得のいくようなご説明がいただきたいと思いますので、も し本日がご無理であれば次回ということで、次の機会にお教えいただきたいと思います が、よろしゅうございますか。 ○産業安全研究所総務課長  質問をいただきましたので、確認させていただきたいと思います。 ○大久保部会長  よろしいですか。いずれにしましても清水委員のほうからはご専門の立場からいろい ろとご質問をお出しいただくことになっておりますので、それにお答えいただいた形で 各委員の方々にフィードバックしていただいて、それを元に評価をさせていただくとい うようなことにさせていただきたいと思います。これは産安研だけでなく、昨日の産業 医学総合研究所でもまったく同じでございますので、あるいは明後日もそうかどうかは わかりませんが、そういうことになると思いますので、よろしくお願いします。  それでとりあえず委員の先生方から他になにかご質問があれば、いかがでございます か。委員の先生方はそれでよろしいでしょうか。 ○黒澤委員  私も会計のことはまったく素人でございますが、研究資産の償却に対する考え方、実 は損耗じゃない償却が必要な領域が多いと思います。ようするに陳腐化ですね。これに 対してはどういう対応をしていらっしゃるのかなと。 ○産業安全研究所尾添理事長  私は専門じゃないのでよくわかりませんが、うちのほうは国の会計基準に則ってそう いう減価償却とか耐用年数はすべて決めておりますので、その基準に則って、先ほどの 話とも関連するんですが、それは大体国の会計基準を流用してきますから、そういう観 点の中でもしそういう陳腐化というもので対応できるものがあれば、ぜひ活用させてい ただきたいなと思います。ただ、あまり聞きませんが。 ○黒澤委員  非常に技術進歩の激しい分野、例えばコンピュータの分野はまさに陳腐化が非常に激 しいわけですね。場合によれば1年、2年で古くなってしまうということが現実に起こ っているんです。そういうことに対して研究所ということを考えますと、やはり相当考 慮しなければいけないんじゃないかなと思います。私も他の事例でもたくさんそういう 経験をしているものですから、敢えて申し上げましたが、そういうことに関してどのよ うに考えるかということです。 ○清水委員  今のご質問についてですが、独法の会計基準でもやはり企業会計を原則としておりま すので、今ご質問のあった機能的原価というか、もう陳腐化して使えないような場合は やはり相当の減額をしなければいけないという扱いになっていますので、ただ機械的に 減価償却をしていってもダメなわけです。そういうところではやはりそういう趣旨を汲 んで、経理規程、会計規程のほうでやはりそういう規程を盛り込むと同時に、資産の状 態を毎期々見直していただいて減額すべきものは減額するという措置が必要だと思いま す。 ○大久保部会長  では、その他にどなたかいらっしゃいますか。  それでは先ほども申し上げましたが、いずれにしましても質問書を提出いただきます ので、その質問書に対してお答えいただいて、最終までに全体的にそれを参考にさせて いただくということにさせていただきます。よろしくお願いします。また、委員の先生 方もそれでよろしいでしょうか。 ○各委員  (異議なし) 3.閉会 ○大久保部会長  それではそういうことで、評価はもうお済になられましたでしょうか。それでは、ほ ぼ終られたと思いますので、最後に総括ですが、なにか総括的にご質問があればという ことでございますが、特にございませんか。  それでは昨日評価をさせていただきました産業医学総合研究所について何かご質問は ございませんか。あればご質問をいただきたいと思いますが。これから機会はございま すが。それでは、よろしいでしょうか。  それでは本当に長時間にわたりましてありがとうございました。また、いろいろな疑 問点が出てこられましたら、もう一回ありますので、そのときに総合的にお話をしてい ただくということにさせていただきます。正式にはこの会議はこれで終了ということに させていただきます。それではどうもありがとうございました。                                      以上 照会先:政策統括官付政策評価官室 企画係 電話 :03-5253-1111(内線7783)