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第22回年金資金運用分科会議事要旨


1.日時平成15年7月23日〈水〉10時〜11時30分
2.場所中央合同庁舎5号館9階 厚生労働省 省議室
3.参加者・若杉分科会長 ・内海委員 ・小島委員 ・島上委員 ・増渕委員
・吉冨委員 ・米澤委員

4.議事要旨(○は委員、●は事務局、△は年金資金運用基金の発言)

 1.平成14年度年金資金運用基金の業務概況書について
《資料1について事務局より、資料2−1、2−2、2−3について年金資金運用基金より説明。以下、質疑。》

 年度末から十分な時間が経過しているのに、未だに年金積立金全体の運用結果が確定していないのは何故か。
 特別会計の決算報告書は、7月末までに財務大臣に報告することとなっているので、特別会計に関連する数値は、ほぼ固まってはいるものの、7月末まで確定値は公表されない。
 しかし、年金積立金の運用状況の一部である年金資金運用基金の運用状況の公表の際に、年金積立金全体の数値を併せて説明しないと、年金積立金全体でも非常に大きなマイナスが出ているとの誤解を与えかねない。このため、ほぼ固まっている見込み値で先取りして、年金積立金の運用状況を御説明させて頂いているところ。
 外国債券の運用でパッシブ運用の収益率がベンチマークと大きく乖離しているのは何故か。
 ベンチマークは市場の収益率を表しているが、ここには売買コストは含まれていない。従って、同様の収益をあげていた場合でも、売買コストの分、実際の運用の方が低く出てしまう。
 また、外国債券の利子に対する課税の仕組みにより、パフォーマンスが押し下げられている面もある。
 さらに、ベンチマークで用いている時価と、基金の運用受託機関が用いている時価が、実務上乖離している。
 これらの要因が重なり、ベンチマークとの乖離が大きくなっている。
 財政再計算上の予定利回りは、長期的には名目で4.0%、実質で1.5%だが、14年度は名目3.48%、実質0.96%となっているのは何故か。
 11年財政再計算時には、作業を行った10年の段階で入手できたデータを織り込んだ。具体的には、9年度までの預託の利回りは実際の数値を用い、10年度は実績見込みを、11年度は予算数値を、12年度以降の運用利回りは1.5%を用いて、これを、資産のウェートで加重平均して予定利回りを計算しているため、14年度の値が長期的な予定値と異なっているものである。
 一般に、マーケットの状況が悪いときは、アクティブ運用の成績は悪いのか。
 アクティブ運用では、中長期的にリスクに見合ったリターンをあげてもらうことを期待している。ただ、1年というような短い期間で見た場合、その投資戦略が当たることもあれば、はずれることもある。
 アクティブ運用に関しては、スタイルの偏りによる予期せぬ運用結果を招かぬよう、アクティブ運用機関全体のマネージャーストラクチャーの見直しを進めているところである。見直しに当たっては、現実にアクティブ運用でベンチマークを上回る運用機関を、年金資金運用基金が的確に見つけるということにチャレンジしているところである。
 市場への資金配分は、月によって額のばらつきがあるが、どのような考え方に基づき配分しているのか。
 配分の方法は、その時々の各資産の時価による構成割合を把握しながら、年度末の移行ポートフォリオの目標値に直線的に到達するように配分している。時価が大きく下落した資産には重点的に資金を配分し、全体として構成割合を達成するようにしているので、資産ごとの配分額は市場の状況により変動する。
 市場運用分は、今回もマイナスであり、厳しい結果となっている。なお、14年度の賃金上昇率を−1.15%としているが、これは何の数字を使っているのか。また、この数字がどのようなものなのかを記載すべきである。
 数字は、厚生年金の標準報酬の上昇率から、農林年金の統合や年齢構成の変化の影響等を取り除いたもの。
 どのような数字であるかは、脚注を記載させて頂く。
 年金資金運用基金の運用について、13年度には、厚生労働大臣が評価を行い、報告書を出したと思うが、それは、14年度についても行うのか。
 13年度と同様、秋頃に14年度の年金資金運用基金の運用評価などを記載した積立金運用報告書を分科会に報告する。
 年金資金運用基金が行っている株式運用では、株主名簿上の名義は、年金資金運用基金なのか。
 資産管理銀行の名義となる。
 年金資金運用基金は直接株主として議決権行使は行わないのか。
 法令上、年金資金運用基金は、民間企業の経営に影響を及ぼさないよう、議決権の行使を運用受託機関の判断に委ね、その行使方針や行使状況のヒアリングを行っているところ。
 運用基本方針にそって議決権行使に関する努力をしていることは分科会で報告を受けて承知しているが、さらに議決権行使を実効あるものにするための具体的な取組みを検討するなど、さらなる前進をお願いしたい。


〈照会先〉年金局運用指導課 企画係
 TEL 5253-1111(内線3350)
 夜間  03-3595-2868


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