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需給調査会における委員の主な意見

1.需給計画の対象
 ○  今後、輸血用血液製剤が安定的に供給されるための余力が少しずつ失われつつあるのではないかと危惧している。輸血用血液製剤の安定供給を調査する必要が生じたときには、需給調査会で議論できるようにすべき。
 ○  ABO型判定のウラ試験や、不規則抗体スクリーニングに用いる血球試薬は、現在、国内で製造されるものは少なく、ほとんどが輸入で賄われている。これらは、人体に直接投与するものではなく、その製剤が欠品したときに直ちに患者の生命を脅かすものでもないが、輸血の安全性を国として確保するという意味で、基本的かつ重要な問題である。需給計画の対象であるかは別としても、国として何らかの対応を取るべき。

2.血液製剤の在庫について
 ○  災害時には、人血清アルブミンや人免疫グロブリンなど、すぐ医療現場で使いたいもののストックがなくなるおそれがある。最低でも1か月分の在庫を確保する必要があるのではないか。
 ○  医療機関では、なるべく在庫を置かない方向。災害時を含めた在庫の確保を医療機関に期待するのは不可能ではないか。災害時を含めた在庫の確保は、血液製剤の製造業者等が行うべきではないか。

3.原料血漿の標準価格等
 ○  血液製剤の薬価や原料血漿の標準価格については、国産が高く、輸入が安い現状がある。政策的な誘導は無理にしても、製造コストを明らかにして、価格の根拠を示すべき。血漿分画製剤の製造体制の在り方に関する検討会の議論も適宜フィードバックすべき。
 ○  血液法は、基本理念として血液製剤の国内自給を掲げているので、その方向付けを盛り込むべき。
 ○  医療機関調査等の際に、国内自給の達成状況について情報提供し、医療機関に現状を認識してもらうべき。

4.血液製剤の需要見込みについて
 ○  「平成15年度の血液製剤の安定供給について(案)」では、血液製剤の使用実績から需要見込みを算出しているが、その一方で、国は血液製剤の使用指針及び輸血療法の実施指針を発出し、血液製剤の適正使用を推進している。需要見込みの算出に当たっては、使用実績の推移だけでなく、血液製剤が適正使用された場合の、本当に適正な量を割り出し、それを勘案することも必要なのではないか。適正使用調査会における適正使用に係る議論をフィードバックすべき。


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