別紙 |
カナダでのBSE発生の確認を踏まえた医薬品等のBSEリスク評価の考え方について |
○ | BSEリスク評価の基本的な考え方
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1 | 医薬品等の原材料における地理的リスク及び部位のリスク
これまでも、ウシ等の原産国及び使用部位に基づく、医薬品等の原材料等の使用規制を行ってきたところであり、その場合の原材料に係るリスクの評価については次に示すように定量的なモデルにより理論的に評価してきたものである。 表1 原産国、使用部位によるリスク
表2 原産国、部位からみたウシ等由来原材料の相対的なリスク
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2 | 製品の製造過程の処理、使用方法によるリスク
原材料を使用して、医薬品等の原料を製造する工程、製品化をする工程での処理についても、BSEのリスク評価の点から定量的に検討がなされる必要があり、これまでの不活化処理におけるプリオンの感染単位の減少試験の成績等から評価を行うものである。 表3 製品の製造過程での処理によるリスク(製品1gあたり)
表4 製品の使用方法等によるリスク(製品1gあたり)
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3 | 発生国が拡大した際の実際の製品のリスクの評価について
表3及び表4に具体的な製剤群の数値を当てはめて理論的なリスクを試算すると、次の表5−1、5−2のような評価となる。このリスク評価においては、最初に使用した原材料から混入するプリオンが、途中の処理を経ることなく、原則、最終製品まで残存する最悪のシナリオを想定したものである。つまり、個々の製品毎にバリデーション等により行われるべき製造工程中でのプリオン不活化除去等の工程を評価したものではない。
表6 長期使用されることを前提に、リスク評価を行った場合のリスク評価値からみて、詳細なリスク評価が必要な場合の目安(長期使用の場合を仮定)
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4 | リスクの評価の担保について
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1. | BSE対策の原則
医薬品、医療機器等におけるBSE対策は、よりリスクの低い原材料を使用する予防的な考え方に基づく措置であり、次の対応を原則としてきたところである。
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2. | BSEの発生動向を踏まえた検討
BSEは、今後、これまでBSEが確認されていなかった低リスク国でも発生する可能性があることを踏まえ、発生時に1の(2)又は(3)を満たす原材料への切替えが困難である場合において、予防的な考え方に加え、製品個別のBSEに係るリスク評価に基づく対応を行うための考え方を示す必要がある。 |
3. | リスク評価に基づく対応
表 製品群、使用工程、投与経路により分類した場合のリスク評価項目
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4. | その他
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