03/06/27 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会議事録                薬事・食品衛生審議会                  食品衛生分科会                平成15年6月27日(金)               経済産業省別館 944号会議室 ○桑島補佐  それでは、時間が少々早うございますけれども、先生方がおそろいになられましたの で、ただいまから薬事・食品衛生審議会 食品衛生分科会を開催させていただきます。 本日は先生方、御多忙の中、御参集をいただきまして誠にありがとうございます。厚く 御礼を申し上げます。  本日は、井上委員、垣添委員、児玉委員、小林委員、羽生田委員から御欠席の御連絡 をちょうだいしてございます。また、昨日付で寺田前分科会長が辞任をされましたの で、分科会委員総数20名のうち本日15名の御出席を賜っておりますので、過半数に達し ておりますことを御報告を申し上げます。  それから、1つお詫びを申し上げなくてはなりませんけれども、委員の先生方のお手 元に配らせていただいてございます配席図でございますが、事務局の手違いがございま して、品川先生のところが落ちてございます。品川先生は丸井先生のお隣にお座りいた だいてございます。お詫びを申し上げます。  それでは、まず開会に当たりまして、食品保健部長からごあいさつを申し上げます。 ○食品保健部長  食品保健部長の遠藤でございます。本日は御多忙のところ御参集をいただきまして、 誠にありがとうございます。委員の先生方におかれましては、それぞれの御立場から食 品衛生行政の推進に御協力をいただいておりますことを、この場をお借りいたしまして 厚く御礼を申し上げます。  おかげさまで、国会に提出をいたしておりました食品衛生法改正法案が去る5月23日 に成立いたしました。30日に公布をされまして、一部既に施行されているという状況を 御報告申し上げます。  また、その1週間前に食品安全基本法も成立いたしておりまして、その関係で本日の 議事の(1)と(7)があるわけでございますけれども、御紹介がありましたように、 寺田分科会長が食品安全委員に御就任をされるということで、昨日付で御退任され、昨 日、井村委員が薬事・食品衛生審議会の会長に、吉倉委員が薬事・食品衛生審議会の会 長代理にそれぞれ選出されたところでございまして、本日はまず食品衛生分科会長の選 出から入っていただくというふうなことになっているわけでございます。  また、食品安全委員会の方が、これまでこの分科会で担っておりましたリスク評価の 部分を7月1日から行なうことになるということで、食品衛生分科会の下にございます 組織を変更をさせていただきたいというふうに思っているわけでございます。  また、併せて御紹介いたしますと、7月1日付で私どもの厚生労働省側の組織も少し 変更がございまして、医薬局が医薬食品局に、食品保健部が食品安全部にそれぞれ名前 を変える。名前だけではなく中身の方も強化してまいりたいと思いますので、今後ます ます御指導を賜りたいと考えております。  議事の2番目から6番目はそれぞれの部会において御議論をいただきましたものにつ きまして分科会の方に御報告し、御審議を賜るというものでございます。それぞれよろ しくお願い申し上げたいと思います。  そのほか3件の御報告事項がございまして、1点目は特定保健用食品に係る新開発食 品調査部会の審議結果についての御報告、2点目は6月3日に乳肉水産食品・毒性合同 部会の審議結果として公表いたしました水銀を含有する魚介類等の摂食に関する注意事 項について、3点目は組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続、特定 保健用食品の安全性及び効果の手続の一部改正、これは食品安全委員会と関係する部分 でございますけれども、これについて御報告をさせていただくという予定にしておりま す。かなり盛りだくさんになっておりますけれども、どうぞよろしく御審議を賜りたい と思います。 ○桑島補佐  引き続きまして、部長のごあいさつにもございましたけれども、昨日付で寺田前分科 会長が辞任をされておりますので、当薬事・食品衛生審議会令の第5条によりまして、 新分科会長の互選をお願いしたいと存じます。よろしくお願いいたします。 ○丸山委員  昨日、薬事・食品衛生審議会会長代理になられました吉倉委員に食品衛生分科会長を お願いしたいということを御提案申し上げます。よろしくお願いいたします。 ○桑島補佐  いかがでございましょうか。               (「異議なし」と声あり) ○桑島補佐  ありがとうございました。それでは、食品衛生分科会長を吉倉委員にお願いしたいと 存じます。  それでは、先生、分科会長席の方にお着きいただけますでしょうか。 ○吉倉分科会長  それでは、よろしくお願いいたします。分科会長に私を御推薦いただいたわけですけ れども、その代わりに食品衛生分科会長代理の選出が必要のようです。薬事・食品衛生 審議会令第6条によりますと、分科会長が指名する者と定めておりますので、柳川委員 にお願いしたいと思います。柳川委員、分科会長代理席までお越しください。  それでは、早速、分科会をやりたいと思います。事務局から配付資料の確認をお願い します。 ○桑島補佐  それでは、本日の資料について確認させていただきます。先生方のお手元にかなり分 厚い資料になってございますけれども、確認をさせていただければと思います。まず、 資料1−1でございますが、組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査に関す る部会報告書、1−2も同様のものでございますが、安全性審査に関する部会の報告 書、1−3につきましては寄せられました意見ということでパブリックコメントの資料 でございます。組換え食品に関するものは資料1−1から1−3まででございます。  資料2−1は添加物の関係でございますが、食品添加物の基準の設定に関する薬事・ 食品衛生審議会 食品衛生分科会 毒性・添加物合同部会報告について、品目名:コウ ジ酸について、2−2が同様のものでございまして、メチルヘスペリジンでございま す。2−3が、それらに寄せられましたパブリックコメント、御意見等についてという 資料でございます。合わせまして、2−1から3まで添加物の資料でございます。  資料3−1でございますが、りんご加工品に係るパツリンに関する規格基準の設定に ついてでございます。3−2が、これらに寄せられましたパブリックコメントでござい ます。  資料4−1が、蓄水産食品中に残留する毒物用医薬品の基準設定に関する乳肉水産食 品・毒性合同部会の報告についてでございます。4−2が、パブリックコメントの資料 でございます。  5−1は、期限表示の用語・定義の統一に関する薬事・食品衛生審議会 食品衛生分 科会 表示部会の報告について。5−2が、それらに寄せられましたパブリックコメン トでございます。5−3が、食品衛生法施行規則の一部改正についてということで資料 を載せさせていただいてございます。  それから、資料6−1が当食品衛生分科会の規程の新旧の対照表を案として御提示さ せていただいてございます。6−2が、新旧対照表の図をわかりやすくお示しをいたし てございます。  次が参考資料でございますけれども、1−1は諮問の写しを載せさせてございます。 資料1−2、5月16日付の部会報告書関係の資料を載せさせていただいております。資 料1−3、 6月12日の部会報告関係の資料でございます。参考資料1−4が安全性審査 の手続を経た遺伝子組換え食品及び添加物の一覧を載せさせていただいてございます。  参考資料2は、食品衛生分科会規程を提示してございます。  参考資料3が、特定保健用食品に係る新開発食品調査部会の審議結果の御報告の資料 を御用意してございます。  参考資料4−1、水銀を含有する魚介類等の摂食に関する注意事項について、公表資 料を御提示させていただいております。資料4−2、4−3につきましても、公開資料 ではございますけれども、注意事項の6月5日分、それからQ&Aについてもお願いを してございます。  参考資料の5−1から4につきましては、手続の関係の一部改正をお願いしたいとい うことで、関係の資料を1から4を提示してございます。  関係の資料につきましては以上でございます。不足等がございましたら、事務局の方 にお申しつけいただければと思います。お願いいたします。 ○吉倉分科会長  よろしいですか。それでは、今ありましたように、今日は大変盛りだくさんなので、 慎重にかつ敏速にやりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、最初の議題が「組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査につい て」というので、これは資料1と2ですか、事務局から説明をお願いいたします。 ○監視安全課長  まず、資料1−1をごらんください。これは、先月の16日に開催されました部会の報 告でございます。この報告に基づきまして御審議をお願いするところでございます。今 回は食品2品種、添加物2品目でございますが、一括して説明させていただきます。  まず、資料1−1の3ページを見ていただきますと、添加物のキモシン、商品名がカ イマックスでございます。これはデンマークのクリスチャンハンセン社が開発したもの でございまして、我が国では株式会社野澤組が申請をしております。申請時点ではカイ モゲンという名前でございましたが、名称が変更になっております。  このものは、子牛の第4胃から分離しましたプロキモシンBという遺伝子を宿主のア スペルギルスニジェールアワモリに導入しまして、そこで産生されたキモシンを精製し たものでございまして、既に平成8年9月3日に、当時はまだ安全性評価指針と言って いたわけでございますが、これによって安全性は確認されておりますが、平成13年4月 から遺伝子組換え食品についての安全性審査の義務づけが行なわれまして、この義務化 に伴いまして再度審査基準に基づく審査が行なわれたわけでございます。  申請者から追加提供されました発現ベクターの情報、挿入遺伝子の宿主への組み込み 等の資料に基づきまして審査を行なった結果、新たな安全性情報、問題となる知見も認 められなかったということがありまして、部会においてカイマックスは人の健康を損な うおそれがあるとは認められないと判断されたところでございます。これがキモシンで ございます。  次のページをお願いします。次はてんさいでございます。いわゆる砂糖大根でござい ます。このてんさいは商品名は「ラウンドアップ・レディー・テンサイH7−1系統」 というわけでございます。アメリカのモンサント、ドイツのKWS Saat AG社が開発 したものを日本モンサントが申請したものでございます。  概要でございますが、1の「申請された食品の概要」に書いてございますように、H 7−1系統には除草剤、グリホサートというものでございますが、この影響を受けずに 生育ができる性質が付与されているということでございまして、この除草剤のグリホサ ートは植物等のアミノ酸合成経路の中で酵素の1つでございますEPSPS酵素と特異 的に結合しまして、その活性を阻害するということでございます。ですから、グリホサ ートが散布されますと、ほとんどの植物は枯死することになります。しかしながら、H 7−1の系統は、このグリホサートの存在下でもCP4EPSPS蛋白質がつくれると いうことで、グリホサートが散布されても枯死せずに生育できるといったものでござい ます。  審査の結果でございますが、まずこのてんさいについて既存の食品と比較対照して用 いる方法は適用できるかどうかという判断をいただきまして、これができるということ で次の審査基準に沿って審査が行なわれております。  6ページを見ていただきます。コピー数に関する事項で、このCP4EPSPS遺伝 子発現カセットが1か所に挿入されたということがわかっております。また、次のペー ジで、発現部位等につきましても、このCP4EPSPS蛋白の平均発現量は生組織重 量1グラム当たり根部で181 マイクログラムということで、これはてんさい、砂糖に精 製されるわけでございますが、その中にも検出可能な蛋白質は多くても約1ppmであると 報告されております。また、これは抗生物質耐性マーカーの遺伝子は挿入されておりま せん。  また、アレルギーの誘発性でございますが、6の2)のbにもございますように、アレ ルギー誘発性を有するということは報告されていないということでございまして、更に cにおきましては、人口胃液中でCP4EPSPS蛋白質の免疫反応は15秒後に完全に 消失される。また、人口腸液中でも10分後に大半が消失する、 100分後に完全に消失す るということが確認されております。また、加熱処理に対する感受性におきましても、 一般的な加熱条件によって酵素活性が99%以上失われるということがわかっています。  次の8ページをごらんいただきます。この遺伝子産物と既知の食物アレルゲンとの構 造相同性に関する件でございますが、最後に書いてございますが、この蛋白質と既知ア レルゲンとの間に相同性は認められなかったということでございます。  それから、9ページの一番上、5)宿主との差異に関する事項でございますが、根の部 分を用いて調査したところ、主要構成成分、それから栄養成分、サポニン等に関し、既 存のてんさいとの間で意味のある差はなかったという報告でございます。  こういう審査を経まして、基準適合性に関する結論としまして、ラウンドアップ・レ ディー・テンサイH7−1系統につきましては、人の健康を損なうおそれがあるとは認 められないと判断されたところでございます。  3つ目でございますが、10ページをお願いします。これはじゃがいもの「ニューリー フY・ジャガイモSEMT15-02 系統でございます。アメリカのモンサント社が開発し、日 本モンサント株式会社が申請したものでございます。  概要でございますが、ジャガイモにCry3Aという遺伝子とジャガイモYウイルス由来 のPVY外皮蛋白遺伝子を組み込みまして、このCry3A 蛋白質、それからPVY外皮蛋 白質を発現させます。これによって、害虫でございますコロラドハムシとジャガイモY ウイルスの影響を受けずに生育ができるというものでございます。  前回の部会で御審議いただきましたSEMT15-15 、同じジャガイモでございます が、これは安全審査をしていただいたわけでございますが、それとの違いというのは、 宿主、ベクターは同じでございますが、違いとしましては13ページの真ん中あたりに 「コピー数に関する事項」とございますが、ここで3か所に挿入されているというとこ ろがございまして、ここの挿入部位が少し違う。それから、次の8)の発現部位、発現時 期、発現量というところでございますが、この発現量が異なっておりまして、Cry3A 蛋 白質及びこのNPT・の蛋白質の平均発現量が、生の組織重量 1グラム当たりでそれぞ れ0.194 マイクログラム、9ナノグラムというふうになっております。ここは少し違っ ているということでございます。  また、14ページを見ていただきますでしょうか。真ん中あたりの6の2)でございます が、「遺伝子産物のアレルギー誘発性に関する資料」というところで、bにも書いてご ざいますように、Cry3A 蛋白質、NPTII蛋白質及びPVYcp蛋白質がアレルゲンとし てアレルギー誘発性を有するということらは報告されていないということでございま す。  それから、宿主との差異に関する資料ですが、16ページを見ていただきますと、下の 方でございますが、5)でございます。ここが主要構成成分及び有害生理活性物質につい て既存のジャガイモとの間で比較したところ、ニューリーフY・ジャガイモのSEMT 15-02 系統では、可溶性蛋白質の値で、親の品種であるShepody 種との間で統計的有意 差が認められた。しかしながら、意味のある相違はないと考えられるということでござ いました。  こういったことから、17ページの一番下でございますが、これにつきましても人の健 康を損なうおそれがあると認めないというふうに判断をされたところでございます。  更に、4つ目でございますが、18ページでございます。リパーゼ、これも酵素でござ いますが、ノボザイムズA/S社が開発したもので、ノボザイムズ ジャパンが申請を したものでございます。  概要でございますが、NOVOZYM677は脂質を加水分解する酵素でございまして、本生産 品はThermomyces lanuginosus というもののリパーゼ遺伝子を種種のアスペルギルス・ オリザーに導入いたしまして、リパーゼの生産性を高めたものでございます。  19ページを見ていただけますでしょうか。ここは宿主、ベクター等についての記述で ございますが、これはもう明らかにされているものでございます。  次に20ページを見ていただけますでしょうか。これは挿入される遺伝子の構造、それ から塩基配列、性質も明らかにされてございますので、安全性上の問題はないというふ うに判断をされております。  20ページの「挿入遺伝子に関する事項」の記述の後半部になるんですが、耐性マーカ ーについての記述がございます。「さらに」というところからでございますが、「生産 菌の染色体上には、Escherichia coliに由来するアンピシリン耐性マーカー遺伝子が導 入されているが、発現に必要な部位やシグナルを持たないことから生産菌においては発 現しないと考えられる。なお、アンピシリン耐性マーカー遺伝子産物についてデータベ ース検索を行なったところ、既知の毒性物質、既知のアレルゲン物質の配列との相同性 は認められない」ということでございます。  そういうことで、21ページを見ていただけますでしょうか。5でございますが、「安 全性試験に関する事項」ということで、NOVOZYM677につきましてはin vitroで変異原性 試験及びラットを用いた13週間の反復投与試験が行なわれております。ラットを用いた 混餌投与試験においては、5,000 mg/kg・体重の最大用量においても、毒性学的に意義 のある所見は認められていない。また、復帰突然変異試験及びヒト培養リンパ球での染 色体異常試験の結果は陰性であると示されております。  こういうことから、このものにつきましても、人の健康を損なうおそれがあると認め られないと判断されるという結果でございます。  以上で、食品2品種、添加物2品目の説明を終わらせていただきます。このものにつ いての関連資料は参考資料の1−2となってございますので、ごらんになっていただけ たらと思います。  また、資料1−3につきましては、パブリットコメントに対する私どもの考え方を書 いてございます。これにつきましても、併せて御審議をいただけたらと思います。ま ず、提出された意見は6件でございますが、1件は意見が重複しておりますので5件に なっております。  意見1でございますが、「企業から提出された書類のみの審査では不十分であり、第 三者機関による慢性毒性試験が必要である」ということでございます。この意見につき まして、前回の分科会におきましても同じような御意見が寄せられていたものでござい ます。  私どもの回答としましては、事業者が厚生労働省に提出した安全性に係るデータとい うものは、専門的な見地から策定された基準に基づいて、薬事・食品衛生審議会の専門 家がその試験の的確性を含めて科学的に検証している、更にこの提示されたデータで安 全性の確認ができないと判断された場合は事業者に必要な追加データを求めているとい うことで、こういったものについて個別にその安全性を判断しておりますということで ございます。また、毒性試験につきましては、一律に毒性試験を不要としているもので はない、性毒性試験等については必要に応じて実施されるべきという考え方を持ってお ります。しかしながら、消費者等の意向にも配慮いたしまして、現在、厚生科学研究事 業において2年間の慢性毒性試験を実施しているところですという回答になっておりま す。  それから、意見2でございますが、これも前回の分科会においても御紹介したものと ほぼ同じでございます。遺伝子組換え食品の安全審査については、現時点における科学 的知見によって行なわれているということで、将来どのようなことが起こるかわからな い、我々の子孫がいかなる影響を受けるのかといった不安を消費者に生じさせている、 したがって、審査については細心の注意を払うべきであると。それから、安全性を保証 するものではないということを明記すべきであるという御意見でございます。  私どもとしましては、この答えの2行目からでございますが、組換えDNA技術に よって付加されることが期待されている性質だけではなく、組換えDNA技術に起因し 発生するその他の影響等を含めた安全審査を行なっているということでございます。更 には、将来的に新たな知見が生じた場合には、当然これは再評価するということでござ います。消費者への適切な情報提供というところで、引き続きこれを行なっていきたい ということでございます。  意見3でございますが、「審査の内容も開示されておらず、パブリックコメントの募 集期間が短すぎる」ということでございまして、今回の御意見等の募集は2回行なって おります。1回目の5月19日から 6月18日に行なったものにつきましては、十分な時間 がとれたわけでございますが、 2回目の6月13日に募集しましたものにつきましては確 かに期間が短い。これは申請があった期間も短うございまして、こういう結果になった わけでございますが、できるだけ早くこういったものについて対応してまいりたいとい うことでございます。  それから、「地球環境及び生態系に悪影響があるため、遺伝子組換え食品は必要ない 」ということでございますが、環境への安全性につきましては農林水産省の方で確認を 行なっております。  最後でございますが、「遺伝子組換え食品等の安全性審査の手続内容を公表すべきで ある」ということでございますが、厚生労働省のホームページ、あるいはパンフレット 等において情報提供を行なっているところでございまして、引き続き正確な情報提供に 努めてまいるということでございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長  大分時間がたちましたが、早川先生、何かお願いします。 ○早川委員  要旨につきましては、ただいま事務局から御説明があったとおりで十分でございま す。詳細は、ただいまの資料1−1に詳しく書かれてございますけれども、部会ではこ の食品2品種、それから添加物2品目、いずれも安全性に問題はないと判断されたもの でございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長  そうしたら、委員の先生方、できれば初めのキモシンの辺あたりからコメントをいた だきたいと思います。どこからでもいいんですが、よろしくお願いします。いかがです か。たしか、キモシンは組換えでは一番古いぐらいですね。  では、私から簡単に質問します。1つはてんさいですが、これは砂糖でしか食しない んですか。てんさいそのものを食べるということはないという食品なんですか。 ○監視安全課長  専ら砂糖に精製されるというふうに聞いております。 ○吉倉分科会長  根っこのまま食べることはないということですね。あと、ジャガイモだったか、ジャ ガイモYウイルスのコート蛋白、それからthuringiensis のCry3A ですが、これは導入 するときは1つのベクターに入っているんですか。どうやって遺伝子導入しているんで すか。説明があったかもしれないけれども、忘れてしまいました。 ○三木専門官  これは先生がおっしゃるとおり、1つのベクターで組み込みをしております。 ○吉倉分科会長  何かほかに御質問があれば。パブリックコメントについてでも何でも、御意見をいた だけるといいと思います。これは見ていると、例えば意見5とか意見3というのは、あ る程度あらかじめ対応できる話ではありますね。意見2は何でしたか。 ○監視安全課長  意見2は、現在の科学的知見のみで審査するというのは危険ではないか、将来必ず危 険性がもたらされるのかもわからないということで、そういったことで消費者が感じて いるということで、このような安全性審査については細心の注意を払うということと、 現在の審査によってこのものの安全性を保証するものではないということを明記すべき ではないかという御意見ではないかと思います。 ○吉倉分科会長  今度、コーデックスで基準ができるようなこともあり、この辺、国際的な理解がだん だん浸透していくと思います。食品というのは、大体そんなに安全なものではないです よね。植物というのは植物毒、毒を持っていない植物はまずないですからね。植物は逃 げられないから、毒でもって食われるのを防いでいるからというところがあります。あ と、4番目の意見はプロトコールの批准とかそういうのである程度担保されていると思 います。  先生方、何か御意見はありますか。 ○井村委員  細かいことで恐縮ですけれども、1−1の16ページの一番下の方に、ジャガイモの件 でございますけれども、「宿主との差異に関する資料」というのがありまして、その文 章の上から4行目に、可溶性蛋白質の値というのは統計的な有意差は認められたけれど も、文献値の範囲内でありと書いてあるんですが、文献値の範囲内でありというのはど ういう意味なんですか。 ○吉倉分科会長  これはよくある話ですが、事務局から説明してください。 ○三木専門官  御説明させていただきます。文献値の範囲内といいますのは、親品種がShepody 種で ございますが、これにもいろいろ品種がございまして、いろいろな文献のデータとかで 示されている可溶性蛋白質の範囲の中にSEMT15-02 系統の可溶性蛋白の値が含まれ ていたということの意味でございます。 ○井村委員  わかりました。 ○吉倉分科会長  結局、同じジャガイモでも品種で随分ばらつくし、生やしたところでも大分ばらつ く。非常に難しい。そういう意味でいろいろなデータがたまっているということです。 ○清水委員  質問よろしいですか。ジャガイモなんですが、Cry3A 蛋白というのが昆虫類の中腸上 皮細胞に特異的に結合するということなんですけれども、特異的に結合するというのは ほかの生物にはレセプターが類似したものがないということでしょうか。 ○吉倉分科会長  説明してください。 ○三木専門官  御説明いたします。先生がおっしゃるとおり、ほかの哺乳類ではこのレセプターがな いということを聞いてございます。 ○吉倉分科会長  ほかにいかがですか。 ○柳川分科会長代理  今のジャガイモなんですけれども、コロラドハムシ抵抗性ということなんですけれど も、コロラドハムシというのは私はよく知らないんですが、日本国内における生態とい うか、害を及ぼす程度というのはどうなんでしょうか。 ○吉倉分科会長  お願いします。 ○三木専門官  コロラドハムシが国内にいるかどうかというのは確認をしておりませんが、基本的に 欧米、アメリカ、ヨーロッパ等にいる害虫というふうに聞いております。 ○和田委員  お時間のないときに大変恐縮なんですが、この部会のときに私が発言しましたよう に、ここのパブリックコメントにあるように、遺伝子食品組換え食品は要らないという 人は少数ではございません。それは、私どもが食品を買うときに表示を見て買います。 表示をすることになっております。だけど、徹底しておりません。使っていないという 表示は見ますけれども、使っているという表示はしなければならないのにやっていな い。その混乱は多分事務局の方もとらまえていらっしゃると思いますので、どうか遺伝 子組換え食品は欲しくないという消費者のためにも、表示の徹底というものにも力を注 いでほしいと思っております。  以上です。 ○食品保健部長  表示の方に関しましては、遺伝子組換えを使用しているものについてのみ義務表示に なっているという、非対称性でもないですけれども、使っていない方は任意表示になっ ている。もう一つは、遺伝子組換えを、例えば大豆などの場合には加工してしまうと遺 伝子組換えによって生じた蛋白質がもう残っていない、したがって検出できないという ふうな問題もあって、表示対象から除いているというふうな問題もあったりするわけで す。  いずれにいたしましても、丸井先生には恐縮ですけれども、表示に関する共同会議を 農林水産省との間で設けておりまして、そちらの方で引き続き御検討をいただくという ふうなことにしておりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。 ○吉倉分科会長  それでは、この件については特に問題があるという御意見はなかったと思います。ど うもありがとうございます。  それでは、その次をお願いします。 ○監視安全課長  それでは、資料1−2をお願いします。これは今月の12日に開催されました食品衛生 バイオテクノロジー部会での報告書でございまして、これに基づきまして御審議をいた だくわけでございます。食品6品種ございますが、一括して御説明いたします。  この6品種の食品につきましては、いずれも既に安全性の審査を経た旨の公表がなさ れております。このものにつきまして、遺伝子組換え食品同士を伝統的な育種の手法を 用いて掛け合わせた品種ということでございます。  1つ目は、2ページにありますが、ラウンドアップ・レディー・トウモロコシGA21 系統とMON810 を掛け合わせた品種でございまして、日本モンサント株式会社より申 請があったものでございます。それぞれの親の品種でございますGA21系統、MON810 の安全性の審査が既に終了しているところでございます。掛け合わせた品種において、 除草剤(グリホサート)耐性と鱗翅目害虫抵抗性のこの2つの性質がいずれも変化をし ていないということ、それから(2)でございますが、掛け合わせた品種はいずれもデン ト種のトウモロコシでございまして、亜種間で掛け合わせたものではないということ、 それから(3)でございますが、摂取量、食用部位、加工方法等については変更がないと いうことでございまして、以上の結果からラウンドアップ・レディー・トウモロコシG A21系統とMON810 の掛け合わせた品種につきましては、人の健康を損なうおそれが あると認めないと判断をされたものでございます。  3ページを見ていただきますと、別紙2で、ラウンドアップ・レディー・トウモロコ シNK603 系統、それからMON810 の掛け合わせでございますが、3ページから7ペ ージまで、別紙6まででございますが、この品種はいずれも掛け合わせ品種でございま して、これにつきましても今の別紙1で御説明いたしました内容が確認をされておりま して、安全性に問題はないというふうに判断されたものでございます。  これに関する資料は参考資料1−3でございます。参考資料1−3の7ページ、これ は平成9年の後代交配種の取扱いに係る食品衛生調査会の意見具申でございます。10ペ ージを見ていただきますと、ここにはFAO/WHOの合同会議のレポートがございま す。ここにおきまして、一たん安全性が確認されたものについては、その後代交配種に ついては伝統的な手法で評価することでほぼ十分であるというふうなことが書かれてい るわけでございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長  説明は以上のとおりですが、よろしいですか。  では、これで了解ということで、早川先生からこの件について何か追加はあります か。 ○早川委員  追加説明はございません。特に御質問がなければ、ご了承いただきたいと思います。 ○吉倉分科会長  どうもありがとうございます。そうすると、これで分科会として了承したいと思いま すが、いかがでしょうか。               (「異議なし」と声あり)  それでは、この2つの部会報告書を整理し、分科会の報告といたします。薬事・食品 衛生審議会規定第3条の規定に基づき、分科会の決議をもって審議会の議決とし、厚生 労働大臣あてに答申することとします。 ○食品保健部長  スケジュールについて御説明させていただきます。 ○三木専門官  スケジュールでございますが、今回、御答申をいただきましたものについては、今後 速やかに官報告示の手続を行ないたいと考えております。  以上でございます。 ○吉倉分科会長  それでは、添加物にいきましょう。説明をお願いします。 ○基準課長  それでは、資料2−1、2−2、2−3に基づいて御説明をしたいと思います。品目 としては、コウジ酸とメチルヘスペリジンというものの2つでございます。  まず、資料2−1をごらんいただきたいと思います。毒性部会と添加物部会から19日 付で報告されているものでございます。表紙をめくっていただきまして、1ページでご ざいまして、コウジ酸について説明が書かれております。コウジ酸というのは、味噌、 しょう油などに用いられる麹菌を培養して得られるものでございまして、カニ、エビな ど甲殻類の黒変防止、抗菌作用等の用途で使われてきた実績があるものでございます。  先生方御承知のとおり、このようないわゆる天然添加物につきましては、平成7年の 食品衛生法改正において、ポジティブリスト制に移行するとともに、当時使われていた ものについて、既存の添加物名簿としてリストアップした上で継続して使用を認めてい たものでございます。  したがいまして、厚生労働省としましては、既存添加物名簿に掲げられた品目につい て安全性を見直す、安全性を調査するということにいたしまして、このコウジ酸につき ましても、2の「安全性についての検討」、(1)「一般毒性等の検討(平成8年度ま で)」というところにございますとおり、亜急性毒性試験あるいは慢性毒性試験をやっ てきたものでございまして、2ページの頭を見ていただきますと、上から3行目のとこ ろに、肝臟腫瘍の発生が見られたということで、肝臟に腫瘍が見られたというのがまず 最初の情報としてあったところでございます。  しかしながら、この肝臟におきます腫瘍につきましては、(2)の遺伝毒性のところに ございますとおり、閾値が設定できるたぐいの肝臟腫瘍ではなかろうかというような御 評価があったもので、3ページ目の上から2行目のところで、「甲状腺に対する検討」 と書いておりますが、ラットを用いて発がん試験をやったらどうだろうかということに なりまして、ラットを用いていわゆる2段階発がん試験をやったところ、発がん性が認 められてきたということでございまして、次は甲状腺に対する腫瘍が認められたという ものでございます。  このような経過をたどりまして、総括といたしましては7ページ目に部会としてのま とめを書かせていただいております。  まず、食品添加物としてのコウジ酸につきましては、マウスで肝細胞腫瘍の発生が認 められ、ラットでも肝発がんの可能性が示唆された。一方で、遺伝毒性については結果 が錯綜して、明確ではないような状況にある。  (2)でございますが、コウジ酸は味噌、しょう油などの製造に当たって麹菌を用いる ことに由来するものではなくて、意図的に添加するものである。すなわち、味噌、しょ う油の製造に麹菌を用いられて、そこでも若干のコウジ酸が出てくるという、後で出て まいりますけれども、そういうものではなくて、添加物のコウジ酸というのは、コウジ 酸の原末をつくって、それを意図的にカニ、エビに振りまくんだということでございま す。  更に、(3)でございますが、調べた限り、コウジ酸というのは現実問題として添加物 で使っていない、更に輸入食品についても届けられていないということから、そういう ことであれば、今後とも使用しないように必要な措置を講じたらどうだろうかというこ とで、具体的には、規格基準を改正いたしまして、食品の製造・加工、あるいは保存の 場合にコウジ酸を使用してはならないというような規定を設けるというのを検討いたし ているところでございます。  なお、先ほどちょっと申し上げました、食品製造に使われるコウジ酸でございますけ れども、7ページの中ほどに参考といたしまして、食品中のコウジ酸、すなわち味噌、 しょう油、酒を分析した結果、若干コウジ酸が残っているものもあるというような報告 がございますが、食品中のコウジ酸が食品にございます微生物、酵素などによって分解 される、あるいは濃度的に見ても発がんの見られた濃度と比べものにならない。あるい は、味噌でございますと、がんの発生を抑制するというような実験結果が幾つもあると いうようなことを考えてみると、食品中のコウジ酸、食品製造に使われる麹菌に由来す るコウジ酸を問題視する必要はなかろうというような御結論をいただいたものでござい ます。  続きまして、資料2−2をごらんいただきたいと思います。これも6月19日付で報告 がございましたもので、1枚めくっていただきまして1ページというところでございま して、メチルヘスペリジンの成分規格を改正しようというものでございます。このメチ ルヘスペリジンはいわゆるビタミンPの主成分のヘスペリジンをメチル化したものでご ざいます。昭和32年から使われているものでございます。  改正の概要でございますが、製造方法の改良が行なわれた結果、残留溶媒が減量さ れ、結果として含量値が高くなったということから、3番の成分規格の案でございます が、従来ですと、「90%以上を含む」と書いていたところを「97.5〜103 %」という形 にしたいということでございます。  資料2−3でございます。このコウジ酸及びメチルヘスペリジンの規格の改正につき まして、いわゆるパブリックコメントを行ないましたし、更にはWTO通報も行なった わけでございますが、そのいずれからもコメントは寄せられておりません。  以上でございます。よろしく御審議をお願いします。 ○吉倉分科会長  井村先生、何か。 ○井村委員  ただいまの説明で十分だと思います。特につけ加えることはありません。 ○吉倉分科会長  コウジ酸は使うのをやめるということですね。それから、メチルヘスペリジンについ ては、純度が高くつくれるようになったので、数字上100 %を超えるぐらいになってし まうのでそうしたいと。御了承いただけますか。  そうしたら、事務局から今後のスケジュールをお願いします。 ○基準課長  これにつきましても、答申を本日いただけるということでございますので、それに従 いまして速やかに官報告示をしたいと考えております。よろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長  それでは、厚生労働大臣あてにそういうことで答申させていただくということです ね。どうもありがとうございます。  その次は、りんご加工品に係るパツリンに関する規格基準の設定について、事務局か らお願いいたします。 ○基準課長  資料3−1と3−2に基づいて御説明したいと思います。  資料3−1が6月19日付で食品規格部会と毒性部会から報告がなされているものでご ざいます。1枚めくっていただきまして、1ページをごらんいただきたいと存じます。 まず、パツリンとは何かということでございますが、II「パツリンについて」というと ころに「パツリンとは」と書かれておりますので、ここをごらんいただきたいと思うん ですが、いわゆるマイコトキシン、カビ毒でございまして、菌が付着した果物などから 検出されるんですけれども、特によく見られているのは、国内的あるいは国際的にもり んごの関係でございます。  この問題となった経緯でございますが、Iに戻って恐縮ですが、「はじめに」を見て いただきますと、1ページのIでございますが、平成13年度に農林水産省が実施した調 査、あるいは東京都立衛生研究所の調査結果から、市販のりんごジュースあるいはその 原料濃縮果汁から比較的高濃度のパツリンが検出されたところでございます。また、国 際的に見ると、コーデックス委員会においても、りんごジュースのパツリンについて基 準が検討されていたということから、食品規格・毒性合同部会において検討していただ いたものでございます。  資料を見ていただきますと、2ページのIIIでパツリンの毒性評価というのが簡単に まとめられているわけでございますけれども、その結論が3ページの中ほどよりちょっ と下、(5)「暫定耐用一日摂取量の設定」というところにございまして、ラットの2 年間の生殖、慢性、発がん併合試験、この無影響量から不確実係数100 をとって、0.4 μg/kg・体重/日という形で評価していただいているところでございます。  また、IVの我が国のパツリンの汚染実態でございますが、14年度の農林水産消費技術 センターの調査結果によりますと、(1)が市販のりんごジュースでございまして、4 ページ目にございますが、オーストラリアから輸入されたものについて20ppb 、Trと いうのはトレースが見られたということでございます。また、原料濃縮果汁については アメリカ、オーストラリア、チリから輸入したものについて見られております。更に、 東京都立衛生研究所の実施結果によりますと、234 検体中52検体、22%からパツリンが 検出されたということでございます。  これらのデータを基に、りんごジュースの摂取量などから暴露評価をいたしておりま して、7ページの一番上でございますが、暴露評価の結果も踏まえまして、最終的には りんごジュースあるいは清涼飲料水の原料用りんご果汁に含まれるパツリンを50ppb 以 下とするということが適当ではないかということで、この合同部会から報告がなされて いるものでございます。  なお、国際的に見ますと、6ページに戻って恐縮ですが、6ページのV、国際的状況 のところを見ていただきますと、4行目にございますとおり、国際的にもコーデックス で50ppb でステップ8で今月末から開かれますコーデックス総会に最終決定を諮るとい うような状況でございます。  これにつきまして、資料3−2でございますが、パブリックコメント、またWTO通 報をやらせていただきましたけれども、御意見はいただいておりません。よろしく御審 議をお願いいたします。 ○吉倉分科会長  丸山先生、お願いします。 ○丸山委員  事務局からの説明で十分なんですが、このパツリンについて、体重当たりの摂取量が 多いと思われる小児の健康保護という観点から基準を設定する必要があるというふうに 部会では結論をされたところであって、25にするか50にするかということについての論 議も随分行なわれたんですが、今事務局から説明がありましたように、50というふうに 結論をされたところであります。  以上です。 ○吉倉分科会長  これは昔、アメリカからのりんごの輸入で問題があったあれですかね。 ○基準課長  昔と申しますか、平成13年度ぐらいから調査結果が出てきたというのは承知しており ます。 ○吉倉分科会長  これは今25にするかもしれないと言われたんだけれども、これはカビ由来なわけです よね。そうすると、もしも25にされた場合、カビを防除するために防カビ剤なんかを使 うのが増えるとか、そういうことはあり得ないですかね。 ○基準課長  先生がおっしゃっている防カビ剤、例えばTBZとか幾つかあるとは思いますけれど も、これはこれで添加物の使用基準の中で規制をしておりますので、それを超えて使用 されるということになりますと食品衛生法違反となりますし、また幾つかのかび毒、例 えばアフラトキシンでございますと、ピスタチオにアフラトキシンが残留しないよう に、下にビニールシートを敷いて土と接触するのを防護したり、いろいろな工夫がされ ているようでございます。 ○吉倉分科会長  御意見はありますか。 ○丸井委員  既にほかのものもそうだと思いますが、こういう特に輸入のものの場合に、基準を満 たしているかどうかというのは、どの段階でだれがチェックをするようなシステムに なっているんでしょうか。 ○輸入食品安全対策室長  基本的には検疫所において検査をし、チェックをするということになります。今回、 基準ができますので、検疫所でモニタリング検査を実施し、複数回違反が発見されれ ば、検査命令ということで貨物をストップさせて、検査結果が出るまで流通させないと いう措置になります。  以上でございます。 ○監視安全課長  国内に入ったものにつきましては、国内産のものと同様に都道府県においてこのもの についての収去検査が行なわれることになっております。 ○吉倉分科会長  ほかに御意見は。  それでは、この形で了解されたということで、厚生労働大臣への答申になるわけです が、今後どうするんですか。 ○基準課長  御答申をいただき次第、これも50ppb ということで基準を策定し、官報へ告示したい と考えております。よろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長  その次は、畜水産食品中の残留動物用医薬品の基準設定について、これも事務局から お願いします。 ○基準課長  資料4−1と4−2をごらんいただきたいと存じます。資料4−1が6月19日付で乳 肉水産食品部会、毒性部会から報告された内容でございまして、この中にサラフロキサ シンほか3種4品目についての評価結果がまとめられているわけでございます。  2枚めくっていただきまして、2ページ目、まず別添1にサラフロキサシンというの がございます。(1)使用方法のところを見ていただきますとおわかりのとおり、フル オロキノロン系といわれる抗菌性の物質である、家禽の細菌感染の治療と予防に使用さ れているということであります。  (2)ADIの設定として、吸収・分布・代謝・排泄、また3ページをごらんいただ きますと、単回投与試験、反復投与試験として、ラット、あるいは4ページを見ていた だきますと、犬を使った試験が報告されております。  更には、(3)長期/発がん性試験として、マウスとラットを使った試験が報告されて おりますし、5ページ目といたしまして、遺伝毒性、生殖毒性、催奇形性、更には6ペ ージを見ていただきますと、特殊試験として微生物に対する影響、ヒトに対する影響と いうのが報告されているわけでございます。  これらについてそれぞれ評価していただいた後、7ページでございますが、ADI、 1日摂取許容量を評価していただいております。こういった動物薬の評価に当たりまし ては、微生物学的なADIと、毒性学と申しますか、動物の安全性の試験で得られたA DIを比較するというやり方をとっております。すなわち、この場合ですと、微生物学 的なADIが0.3 μg/kg・体重、一方、動物試験で得られたものから導き出すと、そ れは 150倍ということになるということでございまして、この場合においては微生物学 的ADIを最終的に用いて設定をしたということでございます。  (3)基準値の設定でございますが、基準値はこの場合においては基本的に国際基準 を置いて、それに基づいて摂取量、暴露量がどれぐらいになるかというのを設定してお ります。その国際基準が、肉ですと0.01ppm というような、ここに書いてあります4種 でございます。  8ページをごらんいただきますと、その暴露評価の結果が出ておりまして、仮に残留 基準値が一番高い肝臟または腎臓だけを食べた、国民栄養調査の肉の摂取量が78.2グラ ムですから、この食肉をすべて肝臟あるいは腎臓で食べるという事態はあり得ないわけ でございますが、試しにやってみたというところでございますが、それでも成人ですと 41.7、小児1〜6歳が87.3で、食肉で考えると10.9というような評価をいただいている わけでございます。こういった暴露評価に基づいて、国際基準と同じ基準を設定しても 問題ないという評価でございます。  次に9ページで、ジヒドロストレプトマイシン並びにストレプトマイシンについて評 価をしていただいております。(1)の使用方法でございますが、このストレプトマイ シン系はアミノグリコシドの抗生物質でございまして、牛の乳房炎、細菌性感染症の治 療に使われております。  また、(2)のADI設定につきましては、基本的に先ほどのサラフロキサシンと同 じように、動物試験の結果について一つずつ評価をしていただいております。ストレプ トマイシンのときに特に重点的に評価していただきましたのは、13ページの下から10行 目ぐらいのところに、(7)特殊試験として聴器毒性について挙げられているわけでござ います。ストレプトマイシンは聴器毒性があるということでございますので、この点に ついて慎重に御審議を願ったということです。  具体的にはネコを用いた試験、モルモットを用いた試験、あるいは14ページをごらん いただきますと、犬を用いた試験が報告されて評価をされております。また、同様に微 生物学的な作用、あるいはウの腎臓に対する毒性についても、ラット、サルを用いた試 験が行なわれているところでございます。  更に15ページをごらんいただきますと、ストレプトマイシンは人にも使われておりま すから、人の今までのデータを解析していただいて、聴器毒性、腎毒性、神経節遮断、 アレルギーなどについて解析をしていただいたところでございます。  そのような結論で、16ページの(4)、ADIの設定を見ていただきますと、これも 同様に微生物学的ADIと毒性学的ADIのそれぞれを求めて、より低い方を最終的な ADIにする。この場合には、毒性試験に基づくADI、50μg/kgが採用されており ます。  17ページでございますが、先ほどと同様に、これも国際基準と同様に設定した場合の 暴露評価がなされまして、それは18ページでございますが、ADIの4%、あるいは 11%であるということから、国際基準と同様の基準を設定することが適当であるという 御結論でございます。  19ページ、ダノフロキサシンでございます。(1)をごらんいただきますと、これも フルオロキノロン系の抗菌性物質でございまして、呼吸疾患の治療に使われているもの でございます。このADIにつきましても全く同様でございまして、吸収・分布・排泄 ・代謝から始まりまして、20ページには、毒性試験として単回投与、反復投与、21ペー ジには長期/発がん性試験の結果、更には22ページを見ていただきますと、遺伝毒性、 生殖毒性、催奇形性、更には23ページ、特殊試験として遅延型接触過敏症の結果が報告 評価していただいたところでございます。更に、人の腸内の嫌気性微生物を用いた微生 物学的影響に関する試験もやられているわけでございます。その結果、ADIの設定で ございますが、24ページをごらんいただきますと、微生物学的ADIと毒性試験から求 めたADIの比較をこの場合もやっておりまして、この場合においては微生物学的AD Iの方が低いということから、ADIが18μg/kgということで設定、評価をしていた だいております。  (3)残留基準値でございますが、この場合にも先ほどの2つのものと同じでござい まして、国際基準と同様に設定した場合の暴露評価が25ページに掲げられておりまし て、その場合においても、牛の肝臟をすべて摂取したしたとすると45.2%、あるいは小 児ですと94.9%となるわけですが、肝臟をすべて食べるというのは余りに仮定としてど うかということもございますので、普通の肉を食べると仮定するとADIの4.5 %であ るということになりますので、そういうことから申し上げますと、国際基準と同様に設 定することが適当であるという評価をいただいたところでございます。  次に、資料4−2をごらんいただきたいと存じます。これがパブリックコメントの結 果得られました意見と、それに対する回答でございます。  まず、意見の1でございますけれども、サラフロキサシンについて、鶏あるいは七面 鳥の可食部に未変化体とともに抱合体が含まれるのではないか、その抱合体が人の消化 管で親化合物に復帰してそれが吸収されるのではないか、人体に影響を及ぼすのではな いかという御意見でございます。  この抱合体につきまして、回答のところに書いておりますように、JECFAにおい てもいろいろな切断について検討された経緯がございますが、残念ながら現段階におい て適切な分析法というのは開発されていない。ここの「しかし」のところに書いてあり ます試算をするのがいいのかどうかというのは、これもまた(1)のところを見ていただ きますと、肝臟、腎臓をすべて食べたというような仮定でございますし、抱合体がすべ て親化合物に変わるというような試算でございますので、余りに過剰な試算になります から、こういう試算がいいのかどうかというのはありますけれども、仮にやったという ところでございますけれども、いずれにいたしましても、国際的な情報を今後とも踏ま えつつ、必要な検討を行なっていきたいということでございます。  次に、意見2で、ジヒドロストレプトマイシンあるいはストレプトマイシンの聴器毒 性についての御指摘でございます。人に対して15mg/kg・7日間で前庭機能障害の報告 があるということで、腎障害がある人の場合、聴覚障害の原因となるこのような物質の 使用は推奨されないのではないか、特に乳児についてどうするんだというような御質問 でございます。  この答えのところを見ていただきますと、新生児、乳児の影響につきましては、動物 試験で2世代繁殖試験、あるいは発生毒性試験が実施されておりまして、それらの試験 においても何ら影響がない量を基にADIを考えている。更には、小児の平均摂取量か ら考えてもADIを下回っているというようなことから、腎毒性、あるいは聴器毒性に ついて検討されておりますし、問題はないのではなかろうかということを考えているわ けでございます。  次が意見3として、MRL、基準の設定とともに、分析法を一緒にセットすべきだと いう御意見でございまして、回答のところにございますように、基準値を設定する、告 示をする際には分析法も同時に定めるということにしておりますので、そういう回答を したところでございます。  一方、この件につきましては、先ほど御説明したとおり、国際基準と全く同一の値で ございますから、いわゆるWTO通報の手続を行なっておりません。  以上でございます。 ○吉倉分科会長  これは部会長はどなたでしたか。 ○基準課長  熊谷委員と福島委員でございます。 ○吉倉分科会長  何かありますか。 ○福島委員  毒性部会の方としては何もつけ加えることはございません。 ○吉倉分科会長  では、委員の先生方、どうぞ。 ○小沢委員  パブリックコメントの1ですが、実は私どもが出させていただいたんですが、先ほど 御説明がありましたけれども、今までの残留基準値の設定の中で、このように抱合体の 割合が非常に高いというのは初めてのケースということでお伺いしたいんですが、抱合 体が人の消化管内で切断されて親化合物に復帰する可能性というのをどういうふうに考 えていいのか、あるのかないのかということと、試験法がないというのはここに書いて あるとおりだと思うんですが、今後、こういうタイプのものを検討するときにそういっ たものをどう考えていくか、考え方の整理が必要ではないかというふうに思っておりま す。  それと、こういう試算がいいのかどうかというふうに中垣課長はおっしゃいましたけ れども、(1)で大人の場合で全部親化合物に変化したとしてもということになっている んですが、大体どこも子どもが食べた分を並列して書いてあるので、多分物すごい数字 のADI比になると思うんですが、どうせ書くんだったら両方書いた方がいいかなとい うふうに思いました。  以上でございます。 ○基準課長  最初の抱合体が切断されるかどうかについては、また御専門の先生から追加コメント をいただければありがたいんですが、私が承知している限り、抱合体の種類、あるいは 化合物の型式によってかなり違うんだろうと思います。この場合においても、最初の2 行に書いているように、いろいろな切断を試みられているわけでございますが、まだ切 れるというようなデータはないということから見ますと、かなり切れにくいんだろうと いうふうに考えております。  一方、この試算につきまして、確かに先生がおっしゃるとおり、子どもを入れると、 恐らく子どもの場合は体重当たりの接触量が約2倍程度になりますから、子どもといっ ても1から6歳あたりの影響ということなんですけれども、そういう意味で申し上げます と、これははるかに超えるんだろうと思います。しかしながら、先ほど申し上げました ように、まず切れるというようなデータがない、更には肝臟、腎臓をすべて食肉として 摂取されている量を食べるというような仮定もおこり得ないということを考えますと、 むしろここの試算が誤ったイメージを与えているのではないかというのを懸念しますの で、この回答のうちの試算の部分を取り下げて修正したいと思います。よろしくお願い いたします。 ○吉倉分科会長  今の試算のところというのはどこの部分ですか。 ○基準課長  この「しかし」のところのパラグラフ全体を削除させていただきたいと思います。す なわち、この回答1は上3行と下2行にさせていただく。 ○吉倉分科会長  要するに、科学的に正確でない可能性があるので書かない方がいいだろうと。ほかに 先生方、この小沢委員の意見について何かコメントがあればお願いしたいんですが。要 するに、抱合体の問題ですよね。抱合体自体の毒性その他についての検査というのはで きるんですか、できないんですか。 ○基準課長  抱合体の毒性を調べたデータというのは、できるかできないかと言われると、何らか の工夫をしてできることもあるんだろうと思いますが、通常の場合には、特に人間での 抱合体ですと排泄されていきますので、余りそういった知見というのは得られていない のではと思います。毒性部会長、いかがでございましょうか。 ○福島委員  今まで、抱合体をこういう形での毒性試験というのは私も記憶しておりません。 ○吉倉分科会長  かなり難しい実験だということですね。ただ、小沢委員の質問されたのは、そういう ようなことを知りたいということですよね。  ほかに何か御質問はありますか。 ○豊田委員  単なる文章上の問題だけなんですけれども、最初のサラフロキサシンについて、7ペ ージの最後に「ADIとする」という文章のところなんですけれども、ほかの2つの部 分については微生物学的ADIと動物試験でやられたことの数値がちゃんと書いてある んですけれども、ここの「これにより」から、3行目のところに「もの」というふうに 書いてあるので、これはほかのと合わせて数値を書いておいた方がいいのではないかと 思います。それだけです。 ○基準課長  ありがとうございます。 ○吉倉分科会長  事務局はわかりましたか。私はちょっとよくわからなかったんですが。 ○基準課長  よくわかりました。 ○吉倉分科会長  それでは結構です。事務局がわかれば大丈夫。ほかに何か。  鶏なんかにこの抗生物質を食べさせるときは単剤なんですか、いろいろごちゃごちゃ 混ぜて食べさせるんですか。その辺の残留の話はどうなんですか。 ○基準課長  いわゆる疾病の治療目的でやるときには、割と単剤でいくんだろうと思います。一方 で、飼料に混ぜて予防的に投与するというようなやり方がされていて、最近ではそれは できるだけやめようという流れになっているかと思いますが、そういうときには幾つか が混ぜられることもあるのかもしれないと思っておりますが、いずれにいたしまして も、我々食品への残留というのを規制しておりますから、その中でやっていくことを考 えておりますし、更には既に御承知のとおり、今回の法律改正でポジティブリスト制に 移行しますので、基準がないものが見いだされた場合には食品衛生法違反という手続に なってまいりますから、その辺も含めて対応できるんだろうというふうに思います。 ○吉倉分科会長  結局、それぞれの薬剤についてはこのADIが決まっているということですね。何か 御質問はありますか。  それでは、了承ということでよろしいでしょうか。  では、了承ということで厚生労働大臣への答申となるわけですね。今後の手続をお願 いします。 ○基準課長  答申をいただきまして、パブコメの回答にもございましたとおり、検査法もセットし た上で、速やかに告示、基準改正をしたいというふうに考えております。よろしくお願 いいたします。 ○吉倉分科会長  検査法も含めて答申するという。 ○基準課長  検査方法を含めて告示をする。 ○吉倉分科会長  失礼しました。あとは資料4−2の余り科学的な根拠がなさそうなところは削除とい う、これは答申と関係ないですが。  それでは、次に行きましょうか。期限表示の用語・定義の統一について、これも事務 局から説明してください。 ○桑島補佐  資料5−1、5−2で御説明させていただきます。まず、5−1でございます。1枚 目の表紙をごらんいただきますが、これは4月2日付で食品衛生分科会の表示部会から 御報告をいただいたものでございます。その内容について御説明申し上げます。  1枚おめくりいただきますと表紙でございますが、この次の1ページ目、まず「問題 の背景」というところで、そもそも期限表示、いつまで食べられるかという表示でござ いますけれども、これは平成7年に規制改定されてございまして、期限表示が導入され てございます。それまでは、いつつくられたかといういわゆる製造年月日という表示が ございましたが、平成7年から変更になってございます。その際に、食品衛生法とJA S法でそれぞれ表記が違っていたところにこの問題の発端がございます。  2のところで、一昨年からのいろいろな偽装表示等、表示の問題がございまして、そ れを受けまして、昨年の6月でございますけれども、食品の表示制度に関する懇談会と いうものが農林水産省、厚生労働省のそれぞれの部長、局長の下の私的懇談会として立 ち上がってございます。8月に中間報告があったわけでございますけれども、指摘の中 に、真ん中のあたりでございますが、「特に、消費期限や賞味期限及び品質保持期限に ついては、関係府省で速やかに定義や用語の統一を図る必要がある」、こうした御指摘 をいただいたわけでございます。  この懇談会の流れを受けまして、昨年の12月でございますけれども、これも農林水産 省と私どもと共同で食品の表示に関する共同会議というものを立ち上げて、表示に関す る様々な案件について議論をしてまいっていたわけでございます。  次のページでございます。まず、「用語・定義の統一の考え方」というところでござ いますが、 1つ目のところで品質保持期限と賞味期限の用語と定義の統一でございま す。そもそも食品の劣化速度によりまして大きく2つに分けてございますが、劣化速度 の比較的緩慢なもの、もう少し具体的に申し上げますと、概ね5日を超えてまだもつも のについては、食品衛生法の中では「品質保持期限」、JAS法の中では「賞味期限」 という言葉を用いてございました。その言葉を統一しようというのが今回の流れでござ います。  その議論の中で、勿論そのほかの言葉を使うという御意見もございましたけれども、 以下にお示ししておりますとおり、「賞味期限」の方が多くの方になじみがあるという ような理由によりまして、「賞味期限」という言葉に統一させていただくということで まとまってございます。  それから、3ページの下の方でございますけれども、定義の部分でございます。一部 表示の部会の中で、「また」以下でございますけれども、「品質保持期限」、「賞味期 限」として表示された期限を超過した食品を摂取した場合においても、必ずしも衛生上 の危害が生じるわけではない。このため、食品資源の有効活用の観点から、それらの期 限を過ぎた食品であっても、期限を超過したことのみを理由にすぐに廃棄することがな いように、消費者に対する啓発の意味も込めて、コーデックスという一般規則の中にこ の期限表示の用語があるわけですが、date of minimum durability(best before) とい う定義の中に、仮訳でございますが、「しかしながら、その日付を過ぎても、その食品 は依然として完全に満足し得るものもある」という、日本語としては余りこなれてござ いませんけれども、こうした意味をこの定義の中に盛り込むべきということで御報告を いただいてございます。  それから、「消費期限」は、先ほど大きく2つに分けたと申し上げましたけれども、 少し足の早い方の食品でございますが、これについても定義の統一ということで御示唆 をいただいてございます。  そこで、それをまとめますと、4ページの下の「期限表示の用語・定義」の表にして ございます。「賞味期限」については、ごらんいただきますとおり、「定められた方法 により保存した場合において云々」という定義にさせていただいてございまして、今少 し申し上げましたコーデックスの定義を持ってくると申し上げましたところが「ただし 」以下でございまして、「当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持され ていることがあるものとする」と、こうした定義にさせていただいてございます。  それから、「消費期限」については、「定められた方法により保存した場合におい て、腐敗、変敗その他の品質の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認め られる期限を示す年月日をいう」、こうした定義にさせていただくということにしてご ざいます。  それから、5ページでございますが、こうした定義を踏まえて、更に消費者あるいは 事業者に対する十分な情報提供、普及啓発に努める必要があるということを御提言いた だいております。具体的なものにつきましては、この(1)から(4)にお示ししてございま す。  それから、今御説明申し上げました件に関しましてパブコメをとらせていただきまし た。15年4月9日から1か月間募集いたしまして、18人の方から38件の御意見をちょう だいしてございます。内訳につきましては下の方の表をごらんいただければ、年齢、性 別等をお示ししてございます。  1枚おめくりいたしまして2ページ目でございますが、提出された御意見38件の内訳 でございます。1つ目が品質保持期限と賞味期限の用語・定義の統一のところで、22件 ございますが、用語の統一につきましては15件で、ア、イ、ウと分かれてございまし て、賞味期限への統一に賛成という御意見が9件、反対という御意見が4件、別の第3 の用語を御提案いただきましたのが2件、それから定義について御意見をちょうだいし ましたのが 7件、それから消費期限に対します御意見は計5件でございます。それか ら、その他の御意見として11件ございまして、情報提供の充実、それから監視の強化、 関係省庁との連携、期限表示の設定方法に関する御意見、その他ということで、それぞ れごらんいただきますとおりでございます。  少し御紹介申し上げてまいりますが、消費期限への統一に賛成という御意見が9件で ございまして、ごらんいただきますとおりでございますが、それぞれ消費者等になじみ が深いことから「賞味期限」への統一を支持するという御意見で、同旨が5件というこ とで、理由につきましては下に掲載させていただいてございます。  それから、イといたしまして反対という御意見が4件あるわけでございますけれど も、「品質を保持」という文字が既に案の中に入っているではないか、そうしたことか ら「品質保持期限」という言葉の方が適切ではないか。あるいは、今まで事業者が使っ ているのでそういった言葉が必要ではないかいうことで、品質保持期限と賞味期限の用 語の統一は必ずしも必要ではないという御意見も寄せられてございます。  それから、第3の用語といたしましてウのところでございますが、例えば「5月5日 までおいしい」とか、あるいは「何月何日までに消費する」というような表示もできる のではないか、あるいは表示スペースの節約もそうしたことでつながるという御提案で す。それから、用語の統一の中で「勧奨」という言葉を使う、あるいは「推奨」という 言葉をつけて第3の用語をつくってはいかがかという御意見もちょうだいしてございま す。  それらに対しますお答えといたしましては、一括して報告書の趣旨というところでお 答えをさせていただいてございますが、2段目の最後のところでございますが、「報告 書の趣旨を十分に踏まえ、期限表示の用語の統一を図ることとしました」ということで まとめさせていただいてございます。  それから、次のページでございますが、定義の統一についても様々な御意見をちょう だいしてございますが、特に、先ほど少し入念的に御説明いたしましたけれども、「し かしながら」以下のところに対する御意見を幾つかちょうだいしてございます。例えば (1)のところでございますが、「食品の製造・販売者及び国にも責任の一部を認める解 釈が生じると考えられることから、賞味期限の定義のうち、『ただし、当該期限を超え る場合であっても、これらの品質が保持されていることがあるものとする」、この部分 については削除すべきという御意見をちょうだいしてございます。以下、同様な趣旨で いろいろな御意見をちょうだいしてございます  これにつきまして、先ほど御説明申し上げましたとおり、今までの定義を大きく趣旨 を変えるものではございませんで、人間的にそうした消費者への意見を掲載させていた だいたところでございまして、これまでの意義を大きく定義を変えるわけではないとい うことで御説明を申し上げて、回答案をつくらせていただいてございます。  それから、2のところで消費期限につきましては、もう少しわかりやすい表現がある のではないか、あるいは定義につきましても二重否定のような表現があるのでわかりに くいという御意見もちょうだいしてございますが、いずれにいたしましても、その内容 につきまして報告書、共同会議等での御議論を踏まえたものであるということでござい まして、コーデックス等の定義も準拠して、これまでと用語の意味を変えるものではな いということで御説明を申し上げております。  以下、その他の御意見、消費者への配慮をもう少しすべきというような御意見等もご ざいました。それらにつきましても、農林水産省で共同いたしまして、パブリックコメ ントを踏まえまして、利用者等、あるいは消費者等にわかりやすく理解していただくよ うな努力をさせていただくということで、お答えをつくらせていただいてございます。  それから、6ページの(2)のところで監視の強化、関係省庁の連携というところ も、期限表示の言い回しより、その期限で食品が本当に大丈夫なのか、もっとチェック をしろという御意見をいただいてございます。あるいは、省庁間の十分な連携を図って ほしいという御意見もいただいてございます。  そうしたことに対しましては、冒頭のところで御説明申し上げました、農林水産省と の共同会議の設置、あるいは一元的な相談窓口の設置、それからパンフレットの作成 等、こうしたことで対応してまいりたいということでお答え申し上げます。  それから、6ページの下のところで(4)でございますが、その他のところで1つ、 製造年月日をやはり記載をしてほしいということの御意見もちょうだいしてございまし て、これにつきましても、製造年月日につきましては平成7年で期限表示に移行したわ けでございますけれども、現行のルールにおきましても任意に表示をすることは可能で ございますので、そういったことで対応させていただきたいということで考えてござい ます。  パブリックコメントにつきましては以上でございます。御審議のほどよろしくお願い いたします。 ○吉倉分科会長  丸井先生、いかがでしょうか。 ○丸井委員  内容的にはただいま事務局の方から御紹介があったとおりです。その背景について、 2点御説明させていただきます。  食品表示は、ただいまも御紹介がありましたように、食品衛生法だけでなく、農林水 産省のJAS法、もう一つ公正取引委員会のいわゆる景表法という、過大広告などを抑 える、その3つの法律あるいは省庁の間でかかわっているものでして、それで懇談会の 下、農水と厚生労働省で共同会議というものを開催しております。その結果は、食品衛 生法並びに農林水産省のJAS法で同じ用語を使って定義をするということで、両方の 法律にかかわりが出てくる。それをこちらの薬事・食品衛生審議会の表示部会というも のと重ね合わせて開催をしているということになります。それが1点です。  第2点目は、今まで幾つかの部会から勿論御紹介いただきましたように、例えば基準 のようなものですと科学的な検証が可能なものでありまして、そして安全性を確保する ということに力を注ぐことができるわけですが、この食品表示の問題は、どちらかとい いますと、安全を確保するというよりは、消費者の方が安心してそれを選ぶかどうかと いうことで、安全を確保した上にむしろ安心をきちんと確保するということでありまし て、どちらかというと、科学的な検証よりは社会的な合意の問題、あるいは社会的な需 要という問題になってくるところでして、そういう意味で科学的根拠というよりは、幾 つかの組織あるいは立場の中での合意をどういうふうにつくってきたというところで、 ほかの部会とややなじまない側面があるかと思いますけれども、その辺のところを御理 解いただければと思います。  現在、共同会議では原料原産地の表示をどうするかというようなことで、安全が確保 された上で、果たしてその先に消費者が一体どこまで何を望むか、あるいはどこまで表 示できるかという生産側、販売側、そして消費者の間でその辺のところのやりとりを現 在しているところでございますので、今後とも、どうぞ御理解をよろしくお願いしたい と思います。 ○吉倉分科会長  御意見をお願いします。  今のこの件に関して、ここでどういう具合に審議していいのか必ずしも明確ではない んです。というのは、これは農水と一緒にやっておられるわけですね。そうすると、こ こで審議したことはどういう具合になるんですか。また、農水に持って帰るんですか。 ここの手続がよくわからない。ここでどういう審議をすればいいか。事務局、お願いし ます。 ○桑島補佐  先生が御指摘のとおりでございまして、農水におきましては、共同会議で審議をいた だいたもの、要は私どもと一緒にやった部分につきまして、実は7月10日でございます けれども、JASの総会におきまして御審議をいただきまして、この答申案につきまし て御了承いただく、御審議をいただくという結果になってございます。  確かに、双方で違う結論になりますと、また差戻すといいますか、なかなかそういう 形には難しいとは思いますが、現実的には、もし仮にこの答申がお認めいただけないと いう話になりますと、もう一度戻っていくという形にはなろうかと思っております。 ○吉倉分科会長  簡単にいうと、よく読んで、大して反対がなければ何とか我慢してくれという、そん な感じですか。 ○和田委員  これに反対するというのではなくて、質問なんですが、この資料の4ページにコーデ ックスの定義が仮訳されております。「しかしながら、その日付を過ぎても、その食品 は依然として完全に満足し得ることもある」と、これはMayの解釈だと思うんですが、 これが新たな用語の3の賞味期限のところを見ますと、後段に「ただし、当該期限を超 えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあるものとする」と、 ちょっと違うんですが、これは全く同じというふうに解釈していいのかどうか、それが 1つです。もしそうだったら、言葉も統一された方がいいのではないかと思います。  もう一つは、製造年月日の表示についてのことですが、私は部会に出ておりまして質 問した記憶があるんですが、やはり今回は表示の統一ということで、賞味期限にしてい きたいと。私は、東京都の条例でも幾つかの商品について製造年月日の表示を許してあ るのもあるから、せめてそういうものまで抹殺するようなことはしないでくださいと 言った覚えがあるんです。この回答の中で「任意表示とすることが可能です」というふ うにされておりますので、これでいってほしいということです。2点です。 ○吉倉分科会長  私も和田委員と同じようなコメントをしたいと思っていたんです。1つは、和田委員 が言われるように、Mayのところ。次にsatisfactoryというのが「品質が保持されてい る」という具合に割と客観的記述になっている。satisfactoryというのは主観的にうま くやってやろうという感じですね。「品質が保持されている」だと、本当にそのものと いうことになり、コーデックスのニュアンスと大分違う。  それから、消費期限についても、コーデックスの消費期限だと、after this date, the food should not be regarded as marketable、要するに、この期限を過ぎたら 市場に出してはいけないというふうなのがわざわざ書いてあるわけです。その辺のコー デックスの書き方と少し違うなというように私自身は思うんですけどね。委員の意見を お願いします。事務局としては余り変えられると困るということもあるかもしれないけ れども、意見は言っていただいた方がいいと思います。  丸山先生、今の和田委員とか小生の意見について、部会でその辺の意見は何かありま したか。 ○丸山委員  規格ではございません。規格部会でこれを取り上げたということでありませんので。 ○吉倉分科会長  言っているのは、フードラベリングのコーデックスの部会のテキストに、規格ではな いんですけれども、ここに今のような記載があったわけです。  一応今の文言でも、コーデックスとそれほど隔たってはいないという理解もできなく はないんですが、丸井先生、何かありますか。 ○丸井委員  先生方の御指摘のとおり、ここのところは大分議論があったところでして、2つあり まして、1つは「ただし」以下は要らないのではないかという従来の定義に近いもので す。ところが、実際、共同会議の委員の生産側、消費者側双方から「ただし」以下をつ けてほしいということで、先ほど来、事務局から御説明があったように、本体は前半で あって、それを入念的にということで後ろをつけたということで、そういうわけで、賞 味期限、消費期限2つについて、必ずしもコーデックスと同じにしようという意図は全 くありませんでした。むしろ独自でよいと。独自でいく中で、コーデックスと合うとこ ろは合っている。そういうようなことで、共同会議の場ではこのような形で出してきま した。 ○吉倉分科会長  御意見はいかがですか。一応この資料5−1のような内容で厚生労働大臣に答申して よろしいか、その辺のところです。もしも、特別な反対がなければ、了解ということで いきたいと思います。よろしいですか。  そうすると、その後の手続についてお願いします。 ○桑島補佐  ありがとうございます。今回、御答申をいただきましたものについて、今後約1か月 以内の間に省令を改正いたしまして対応させていただきたいと考えてございます。 ○吉倉分科会長  資料5−3の乳製品の成分規格というのは。 ○桑島補佐  失礼いたしました。これにつきましては、期限表示に関しましてWTO通報の内容で ございまして、提出された意見が特にございませんでしたので、御報告を申し上げま す。 ○吉倉分科会長  要するに、そういうことを報告するということですね。 ○食品保健部長  WTO通報をしましたけれども、何もありませんでしたということです。 ○吉倉分科会長  何もなかったということですね。  そうすると、あと残っているのは、食品衛生分科会における組織の変更を事務局から お願いします。 ○桑島補佐  資料6−1、6−2でございますが、6−2に表でお示ししてございますので、そち らの方がわかりやすいかと思いますので、一括して御説明申し上げます。  冒頭でも部長の方からごあいさつで申し上げましたけれども、7月に食品安全委員会 が設立されまして立ち上がってまいります。そうしたことによりまして、リスク評価に つきましては、私どもリスク管理機関から分離いたしまして、安全委員会の方で御評価 をいただくという形になってまいります。それに伴いまして、左側の(旧)でございま すけれども、食品衛生分科会が、現在の体制が左側でございますが、右側の体制に移行 してまいりたいということで御説明を申し上げます。  今申し上げましたように、リスク評価の部分が分離されまして安全委員会にまいりま す。したがいまして、その残った部分、管理の部分、マネージメントの部分のみが私ど もの方に残るという形になります。それに伴いまして、上から4つ目の毒性部会、番号 がついてございませんので恐縮でございますが、8つ目の食品衛生バイオテクノロジー 部会、その2つ下でございますが、10番目、ダイオキシン特別部会、この部会につきま しては統廃合してまいります。毒性部会につきましては全くなくなってまいります。  しかし、8番目でございますけれども、バイオテクロジー部会につきましては安全委 員会におきまして個別の食品あるいは添加物のリスク評価をしていただきます。ただ、 官報の掲載ですとか、そうした必要な手続はこちらの方で行なわせていただくというこ とにしてございまして、分科会には通常の事後報告の形ではございますけれども、報告 をさせていただくという形で分科会の方に矢印が伸びているわけでございます。  それから、ダイオキシン部会につきましては、管理の内容につきましては食品規格部 会、それから乳肉水産食品部会、その合同の部会に調整させていただく、御審議いただ くという内容もございますので、その矢印がそれぞれの部会に引いてあるわけでござい ます。  それから、食品衛生法の改正によりまして、農薬、それから動物用医薬品、飼料添加 物の残留について、いわゆるポジティブリスト制を導入するという形になってございま す。そうしたことから、従来の乳肉水産食品部会において御審議いただいた動物用医薬 品等の残留農薬について残留農薬部会に移管することといたしまして、新たに右側の真 ん中になりますけれども、農薬・動物用医薬品の部会を設置させていただくことを考え てございます。  それから、その他のそれぞれの部会に調査会がぶら下がってございましたけれども、 具体的に評価の部分を重点的にお願いしてございましたので、それらの調査会が新たな ところではなくなってございます。ただ、一部、新開発の部分は、有効性の部分が残っ てございますので、そうした調査会は引き続きお願いしたいということと、表示の調査 会につきましては農林水産省との共同会議という方で存続してございますので、引き続 きお願いをしたいということで考えてございます。  それから、組織の変更に伴います委員の異動につきましては、7月に入りましてから 今後、調整をさせていただきたいというふうに考えてございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長  関係して、分科会の規程とか何かがあるようですが、この辺を何でしたら簡単に。 ○桑島補佐  分科会の規程が6−1でございますが、今御説明申し上げましたものを主に部会の設 置というところで、それぞれの部会がなくなるもの、あるいは新たに名称を変えて設置 をさせていただくものが規程をしてございます。それと併せまして、それぞれの所掌を もう一度整理をさせていただきましたものでございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長  これは報告を聞くということなんですか。これでいいかどうかという話ですか。  こういう説明でよろしいかという話のようですが、いかがでしょうか。こういうのを 見せられて審議しろと言われても、ああそうですかということなんですが、分科会長ば かり質問して申し訳ないですけれども、先ほどの説明だと、食品安全委員会はリスクア セスメントをやって、この分科会は何とも言われなかったんですが、マネージメントを 分担するという具合に考えていいんですね。  そうすると、コーデックスのリスクアナリシスのフレームワークからいうと、リスク アセスメントとリスクマネージメントというのは独立した事象である。そうなってくる と、委員の構成もそういう意味で変わっていくということですか。どういう具合に考え ればいいのか。 ○食品保健部長  委員につきましては、現実的には人数が日本国内で足りておりませんので、一部重複 することがあり得るという考え方になっております。具体的には、食品安全委員会の委 員7名の方々についてはこちらと兼務することはありません。それから、向こうの安全 委員会の下に置かれる専門委員会につきましては兼務もやむを得ずということではござ いますけれども、向こうの専門委員会の会長をされる方については、基本的にはこちら はお辞めいただこうかということでございまして、向こうの人選が整いませんと、こち らの部会の変更もうまくいかないというふうなことがあって、少し時間をいただければ というふうなことになっております。 ○吉倉分科会長  何か御意見は。分科会としてはこういう機構で問題ないということでよろしいです か。  そうしたら、これで了承したということにしたいと思います。  あと、報告事項があると思いますが、お願いします。 ○新開発食品保健対策室長  新開発食品調査部会で特定保健用食品についての審議を行ないましたので、その結果 を御報告いたします。参考資料3でございます。  6月16日に行なった同部会におきまして、3つの諮問品目について御議論いただきま した。同品目については、古いものは平成13年11月から長い期間にわたって調査会の方 で御議論いただいた上で、6月11日に部会で最終的に審議を行い、認めることとして差 し支えないと判断されたところでございます。  参考資料3の2枚目を見ていただきますと、具体的な品目3つが書かれております。 ヘルシーコレステ、豆鼓エキスつぶタイプ、エコナマヨネーズタイプの3つでございま すが、保健の用途の分野というところを見ていただきたいんですけれども、一番上のヘ ルシーコレステは脂質関係、これは血中コレステロールの抑制ということです。2番目 の豆鼓エキスは血糖値上昇抑制、3番目のエコナマヨネーズタイプは体に脂肪が付きに くいと書いてございますが、血中中性脂肪の抑制ということでございまして、3つとも いわゆる成人病予防というコンセプトのものでございます。  最近、特定保健用食品の申請はこういった類型が極めて多くなってきているところで ございますが、それぞれ簡単に御説明いたしますと、ヘルシーコレステは植物ステロー ル、これは菜種由来の植物ステロールということで、この植物ステロールが吸収抑制を して血中コレステロールを抑制する。その結果、真ん中辺に書いてございますが、期待 できる旨の表示内容ということに書いてあることが認められたということでございま す。  次に、豆鼓エキスでございますけれども、これは豆鼓エキスという成分がございまし て、納豆のようなにおいがする成分でございますけれども、これがやはり吸収抑制の効 果を持つということで血糖値を上昇抑制する。そして、真ん中に書いてある表示内容が 認められるということでございます。   3つ目のエコナマヨネーズタイプでございますが、これはジアシルグリセロールと いう加工油脂でございますけれども、この加工油脂は再合成されないという特性がござ いまして、その結果、血中中性脂肪が抑制され、体に脂肪がつきにくいということで、 そこに書いてありますような表示内容が認められたものでございます。  いずれも、十分に審議していただいたところでございますが、特にエコナマヨネーズ タイプにつきましては平成13年11月から6回にわたって調査会で審議してまいりまし た。実はいろいろな方々から、これは厳格に審査してほしい、特に安全性についての指 摘も強く出されていたものでございますので、異常に年月がかかったところでございま す。去る16日の部会におきましても、毒性部会の先生方、今日お見えの福島先生にも御 意見いただきましていろいろな安全性についての審議をいたしましたが、慎重に審議し た結果、許可することとして差し支えないと判断されたところでございます。 ○吉倉分科会長  これは報告ですね。福島先生、何か追加はありますか。よろしいですか。 ○福島委員  結構です。 ○吉倉分科会長  それでは、その次をお願いします。 ○基準課長  続きまして、参考資料の4−1、4−2、4−3と、今お配りさせていただきます資 料に基づいて説明させていただきたいと思います。  参考資料4−1を見ていただきますと、6月3日に開催されました乳肉水産・毒性合 同部会におきまして、魚介類に含まれる水銀について御審議を賜ったところでございま す。直接のきっかけとなりましたのは、平成14年度の調査結果がまとまったということ から、それまでにございました都道府県の調査結果、あるいは水産庁の調査結果を合わ せますと、約三百種、2,600 検体の分析結果が出てまいりましたので、それらに基づい て御審議を願ったところでございます。  1枚めくっていただきますと、結論が2ページに出ておりまして、魚介類というのは 健康上非常に有益なものなんだけれども、一部の魚介類に高いレベルの水銀が含有され ており、このため妊婦の方々は、ここに書いておりますように、バンドウイルカといっ たクジラ類について、例えば週に1回、あるいはメカジキ、キンメダイについて週に2 回までにしていただくことが望ましい。更に、妊婦以外の方々はすべての魚種、あるい は妊婦にあってもこれ以外の魚種については、健康への悪影響を懸念されるようなデー タは今のところないというようなことを注意事項として公表されたところでございま す。  また、資料4−2でございますが、6月3日の部会の決定事項を正確に御理解いただ くために、これは事務局の責任で先生方に御相談をしつつ、つくった解説文書でござい ます。  更には、資料4−3でございますが、6月13日付でQ&A型式で、1枚めくっていた だきますと問1から問17までございますが、よくある質問についての考え方をまとめた ところでございます。これについても毒性の先生方に御相談願ったところでございま す。  これが6月3日の乳肉水産・毒性部会におきます魚介類の水銀に関する注意事項の経 緯とその後の報告でございますが、更に、今お配りさせていただいた紙をごらんいただ きますと、国際的な専門家会議でございますJECFAが6月10日から15日に開催され まして、その概要が日本時間の昨夜遅く公表されたところでございます。  その概要で申し上げますと、水銀につきましては、メチル水銀と書いてありますが、 従来のPTWI、すなわち耐容週間摂取量が3.3 から1.6μg/kgに引き下げられており ます。また、同じくカドミウムについても、ここに書いてありますように、議論があり ましたが、現在のPTWIが維持されております。  厚生労働省といたしましては、詳細なデータを入手次第、食品安全委員会に諮問させ ていただこうと考えております。  今お配りさせていただいた2ページ目でございますが、これは全く違う案件でござい ますけれども、昨日、伝達性海綿状脳症対策部会を開催させていただきまして、これま での議論の結果を取りまとめていただいたところでございますので、簡単に御報告いた します。  内容としましては、2番目にございますとおり、牛のせき柱に含まれる神経節のリス クについて、現在特定部位とされている脊髄と同程度であること、また、3番でござい ますが、我が国では既に全頭検査を実施しているわけでございますし、更に特定部位の 除去を実施しているわけでございますが、そういったことによってリスクは大幅に低下 している。更に、全頭検査の検出限界以下の牛というのは、特定部位として除去される 回腸あるいは扁桃に大部分が存在をするというような御意見を示していただいたところ でございまして、厚生労働省といたしましては、食品安全委員会に意見を求めると同時 に、せき柱の管理について、更に引き続いて部会で御議論していただきたいと考えてい るところでございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長  報告ですが、何か御質問はありますか。 ○村上委員  時間が押しているので手短に。水銀の件でございます。私は食品の健康被害情報など の発信や受信が特に関心が深い領域なんですけれども、今回は割合に親切な発表だった と思います。親切過ぎて、「妊婦の方」はまだしも、「子どもの方」とか、変なところ に敬語があったり、その後は「一般の人」になったり、「母親」は呼び捨てになった り。それはともかくに対象は妊婦だけであり、一般の人は大丈夫だとか、摂食頻度はこ のぐらいにすればいいとか、最後に魚は健康にいいから食べなさいとか、いろいろ配慮 があったと思います。けれども、ちょっと惜しいと思いましたのは、Q&Aが10日後に なっていることでございます。これは、突然起こった事件では仕方がないでしょうけれ ども、今回は発表以前にある程度Q&Aをこしらえておくということはできなかったの か。発表時点でこのQ&Aが出ていれば、なおよかったかなということでございます。 タイミングの問題です。大急ぎでこれをおつくりになった関係者の御苦労もわかっての 上のないものねだりかもしれません。  もう一つは、なぜか、という解説をもう一歩踏み込んでいただくとありがたいと思い ます。妊婦は胎児に影響があるという、そのもう一歩先に、メチル水銀が胎児の脳のバ リアを越えて入るというあたりの解説もほしい。それから、授乳中の人もすぐ心配にな るんですけれども、母乳の移行は少ないと。こちらはQ&Aの方に出ておりましたが、 それはやはり最初のころにあったらいいかなと。  それから、Q&Aの方にデータが出てまいりますと、マグロがかなり実は含有量は高 い。ただし、キンメダイは平均70数グラムを1回にとるが、マグロの方は平均すると少 ないから対象外、と。けれども、マグロをたくさん食べる人も中にはいるかもしれませ んので、回数だけでなく量も、など、もう一歩踏み込んでいただくとなおよかったとい う、少しないものねだり的な要望でございます。 ○基準課長  叱咤激励ととらえさせていただきます。1つだけ申し上げておきたいのは、事前にQ &Aをつくるというのは、今回の部会での御審議を部会長から御紹介いただく時間もな いんだろうと思うので、私の方から申し上げますと、どのような注意を出すかというの は最後の最後まで議論していただいて、予定されている時間を1時間延長をして結論に 至ったというような経緯もございますし、最近の開かれた審議会運営ということから申 し上げますと、事前にQ&Aを用意するというのはなかなか難しいんだろうと思います が、先生の御指摘、すなわちスピードが一つの問題だ、内容とともにスピードが問題だ ということであると思いますので、それは重々受けとめてやっていきたいと思います。 ○吉倉分科会長  ほかにいかがですか。これは昨日来たというJECFAのあれは3.3 から1.6 に引き 下げたということなんですが、それによって、参考資料4−1その他は変更点は出てこ ないんですか。 ○基準課長  従来と考えますと、昨夜遅く公表されましたのはサマリー・アンド・コンクルージョ ンのところでございますので、詳しい状況というのはわからないんですが、わかる範囲 で申し上げますと、不確実係数、いわゆる安全係数が約6倍というのがとられた、それ による変更だというふうに考えております。そういうふうに書かれております。  そう考えますと、これを今緊急に何か手を打つような状況ではないんだろう。我が国 としてのリスク評価をしっかりしたものをやっていただいて、その上でということでご ざいます。 ○吉倉分科会長  大体状況はわかったと思います。それでは、もしもなければ、最後の報告をお願いし ます。 ○監視安全課長  遺伝子組換え食品の安全審査の手続を変えるということでございます。参考資料5− 1を見ていただきたいんですが、組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の 手続、これは厚生省の告示で定められているわけでございます。このたびの食品安全委 員会の立ち上げによりまして、安全性審査及び再評価を行なうに当たっての厚生労働大 臣が意見を聞く機関を現在の薬事・食品衛生審議会から食品安全委員会に改めるといっ たことでございます。  参考資料5−2がその告示でございまして、安全性審査、それから再評価です。安全 性審査の2のところに下線部で書いてございます。それから、再評価のところにも下線 が引いてございますが、その部分が食品安全委員会に変わるということでございます。  以上でございます。 ○新開発食品保健対策室長  引き続きまして、特定保健用食品の審査につきましても並びの改正がございます。参 考資料5−3と5−4がございますけれども、基本的に申し上げましたように、遺伝子 組換え食品の方と並びの手続改正でございまして、告示の参考資料5−4でございます けれども、薬事・食品衛生審議会と書いてありますところを変えさせていただく。  ただ、1点、遺伝子組換えと違う点は、特定保健用食品の審査は安全性だけではな く、効果、すなわち有用性の審査も行なっておりますので、その部分は引き続き当審議 会の方に残すという改正になります。それが5−3の真ん中の○のところにあります内 容でございまして、「特定保健用食品の安全性審査及び当該審査の再評価に関して、厚 生労働大臣は食品安全委員会(安全性に係る部分に限る)及び薬事・食品衛生審議会の 意見を聴く旨改めるもの」ということでございます。 ○吉倉分科会長  そうすると、今の説明で、特定保健用食品については、その効果の評価はこの分科会 に残るということですか。 ○新開発食品保健対策室長  全くそのとおりでございます。引き続き同様にやっていただく。 ○吉倉分科会長  この分科会は評価もやる。アセスメントもやる。 ○新開発食品保健対策室長  有効性についてはリスク評価ではないので、その評価は引き続き残っております。 ○吉倉分科会長  そういうことのようです。そうすると、大体これで終わりですかね。  それでは、皆さん、どうも御苦労さまです。終わります。                                       了 照会先 医薬食品局食品安全部企画情報課     03−5253−1111(2449)