03/06/02 第4回社会保障審議会児童部会児童虐待の防止等に関する専門委員会議事録     社会保障審議会児童部会 第4回児童虐待の防止等に関する専門委員会                    議事録 日時 平成15年6月2日(月)10:00〜12:30 場所 厚生労働省共用第7会議室(5階) 出席議員  柏女 霊峰  淑徳大学 社会学部 社会福祉学科 教授  津崎 哲郎  大阪市中央児童相談所長  松原 康雄  明治学院大学 社会学部 社会福祉学科 教授  青木 晋   東京家庭裁判所 判事  奥山 真紀子 国立成育医療センター こころの診療部長  加賀美 尤祥 日本社会事業大学 社会福祉学部 教授  影山 秀人  横浜みらい法律事務所 弁護士  川名 紀美  朝日新聞 論説委員  才村  純  日本子ども家庭総合研究所ソーシャルワーク研究担当部長  佐藤 拓代  大阪府健康福祉部 地域保健福祉室長  田中 康雄  国立精神・神経センター精神保健研究所 児童期精神保健室長  西澤  哲  大阪大学大学院 人間科学研究科 助教授  柳田 喜美子 日本医師会 常任理事 次第  1.開会  2.意見交換  3.閉会 ○事務局  おはようございます。定刻となりましたので、ただいまより第4回「社会保障審議会 児童部会 児童虐待の防止等に関する専門委員会」を開催させていただきます。  委員の皆様におかれましては御多忙のところ、お集まりいただきましてありがとうご ざいます。  なお、本日は高橋委員、山田委員、吉田委員から欠席とのお知らせを受けております。 なお、欠席の吉田委員からは事前に御意見を伺っております。  本日のお配りしている資料につきまして、御確認いただきたいと思います。  最初に「『児童虐待の防止等に関する専門委員会』報告書( 素案) 」というもの。  それから「『児童虐待の防止等に関する専門委員会』論点事項」。  そして最後に、各検討チームの協議資料がA3の横の表であります。  以上でございます。  それでは、以後の議事運営につきましては、柏女委員長にお願いいたします。よろし くお願いします。 ○柏女委員長  皆さん、おはようございます。ずっと熱心な検討を去年の12月から進めてまいりまし たけれども、今回、報告書の素案ができ上がっております。事前に各委員の皆様方に事 務局の方からお送りをしていただいておりますので、御一読いただいた上でさまざまな 御意見をお持ちの上、今日、お集まりをいただいたのではないかと思います。  今日の議事の進め方ですけれども、前回の専門委員会でこれまでの議論の内容を踏ま えて、報告書素案をとりまとめていただくことに御了解をいただいて、そして、事務局 の方で素案をとりまとめいただきました。  今日は、その報告書素案につきまして、事務局の方から御朗読をいただきまして、そ して、その後に順次御意見をいただきながらという形で進めていきたいと思いますので、 どうぞよろしくお願いをいたします。  それでは、事務局の方から報告書素案についての朗読をお願いしたいと思います。 ○古川虐待防止対策室長  では、読み上げをさせていただきます。座って失礼いたします。       「児童虐待の防止等に関する専門委員会」報告書( 素案)  1.はじめに  児童虐待への対応については、「児童虐待の防止等に関する法律」( 施行: 平成12年 11月20日。以下「児童虐待防止法」という。) の施行以来、広く国民一般の理解の向上 や関係者の意識の高まりが見られ、また、この間、様々な施策の推進が図られてる。 しかし、全国の児童相談所に寄せられる虐待の相談件数は、ここ数年の間に急増し、 最近では急増傾向は落ち着きつつあるものの、平成13年度においては約2万3千件にも 上るなど、児童虐待への対応は、依然として早急に取り組むべき社会全体の課題である。  また、「児童虐待防止法」の附則においては「児童虐待の防止等のための制度につい ては、この法律の施行後3年を目途として、この法律の施行状況等を勘案し、検討が加 えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする」と規定されている。  こうしたことから、本専門委員会においては、児童虐待に関する現行制度の実施状況 等を踏まえ、制度全般にわたる検討を加えた。  具体的な検討を進めるに当たっては、児童虐待への対応は、一般的には、●発生予防 ●早期発見・早期対応●保護・支援の3段階に整理されることから、各段階ごとに3つ の検討チームに分かれての集中的な議論を進め、これらの検討チームにおける9回の会 合を含め、○回にわたる検討を重ね、今般、当面早急に取り組むべき課題を中心に、そ の取り組みの具体的な方向性について取りまとめたものである。  2.児童虐待防止制度見直しの基本的な視点  虐待は子どもに対する重大な権利侵害であり、その防止に向けては社会全体で取り組 むべき課題との認識に立ち、児童虐待を予防し、発見から再発防止、さらには社会的自 立に至るまでの総合的な支援の手を親子に対して用意することが必要である。  それは、虐待を受けた子どもの保護や支援の充実に加え、保護者に対する支援や家族 の再統合を視野に入れたものである必要がある。  そして、そのことは、専門機関・施設のみならず、地域の幅広い支援ネットワークに よって初めて実現するのである。  児童虐待という親子間の最も深刻な事象に対応できる社会を創りあげていくことが、 すべての子どもと子育てにやさしい社会づくりにつながるとの視点を持つことが必要で ある。  3.具体的な取り組みの方向性  本専門委員会における児童虐待防止制度の見直しの検討に当たっては、別紙に示した ような幅広い論点事項について、議論、検討を重ね、早急に取り組むべき方向性につい て、以下のように整理した。  I.発生予防における取り組み  虐待は、その後の子どもの発育障害や発達遅滞、情緒面の問題、更には虐待の世代間 連鎖なども引き起こすと言われており、子どもの一生涯・更には世代を超えて大きな影 を落とすものである。  また、養育問題があるため、いったん特段に援助が必要な状態にまで至ってしまうと、 その改善は容易ではなく、相当手厚い支援を必要とすることになる。  こうしたことを考えれば、保健事業の充実や子育て支援対策の充実など保健や医療、 福祉等の連携による取り組みを通じて、できる限り、虐待の発生を未然に予防すること が極めて重要である。  しかし、現実間題として人的資源等に限りがある中でより効果的に虐待を未然に防止 していくために、専門的な支援については、これまでの「支援を望む人に幅広く」から 「支援を必要とする人によりきめ細かく」という考え方に転換していくことが必要であ る。  ●一般の子育て支援の充実  【取り組みの方向性】  日常的な育児相談や診療、学校教育、家庭等の様々な場面において、子育て支援の取 り組みを充実することにより、育児負担の軽減を図り、養育者の孤立化を防ぐことが虐 待を未然に防止していく下支えとなる取り組みとして重要である。  【具体的な取り組みに関する意見・提案】  ・子育て支援サービスに関する情報の周知や育児支援機関の連携の強化により、産後 まもない時期から地域全体で支えていく一般子育て支援の充実が重要  ・産後のマタニティーブルーズ等のうつ状態への対処法などについて、母子健康手帳 交付時や母親学級、プレネイタルビジット( 出産前小児保健指導) 等の機会を利用し、 適切な情報を提供  ・子育てOBなどのボランティアによる育児支援とそうした支援活動を専門的にバッ クアップするため、保育所や児童養護施設の機能を活用  【今後の課題】  ・男性の働き方の見直しや子育ては楽しいと思える希望を持てる教育の充実など、社 会全体で子育てを応援していくという意識・文化の醸成  ●虐待リスクのある家庭の把握  【取り組みの方向性】  養育者が精神的にも肉体的にも最も支援を必要とする出産後間もない時期を中心に、 母子保健事業や日常診療等の強化を図り、自ら訴え出ない、しかし実際には過重な育児 負担のある養育者が確実に支援と出会えるように積極的なアプローチを図ることが必要 である。 また、限られた社会資源の中で様々な要因をもつ虐待リスクのある家庭(育 児困難家庭)が効果的な支援に出会うためには、虐待リスクのある家庭を的確に把握し ていくことが重要であり、そのため、リスク要因が明確に把握できるアセスメント( 評 価・判断) 指標の開発が童要である。  なお、虐待リスクのある家庭を把握していくにあたっては、育児困難家庭が必ずしも 虐待につながるわけではない、という当然のことを十分に認識した上で取り組みを行っ ていくような配慮が必要である。  【具体的な取り組みに関する意見・提案】  ・乳幼児健診等の従来の母子保健事業の中で虐待発生予防の視点を強化し、必要な支 援が必要な時に提供できるような体制整備が必要。  ・育児困難度が高いと考えられる家庭はそうでない家庭に比して相対的に虐待のリス クを抱えているという考え方があり、限られた資源の中で効率的な発生予防の活動を行 っていくには、アセスメント指標等を用いて、ある程度リスク因子を明確にしていくこ とが必要。  ・養育者が精神的にも肉体的にも最も支援を必要とする出産後間もない時期を中心に、 家庭訪間等の積極的なアプローチを図るとともに、乳幼児健診未受診者等、自ら訴え出 ない様々な背景要因をもつ養育者に対してもアプローチしていくことにより、虐待リス クを早期に把握し、必要な支援につなげていくことが必要。 また、保健師等がそうした支援活動を行いやすいよう、その根拠を明確にすることも必 要。 ・小児科等において、母子健康手帳を活用した育児に関する悩み相談を行うなど、 虐待予防を念頭においたさらなる取り組みが重要。  ●虐待リスクのある家庭のリスク低減  【取り組みの方向性】  虐待のリスクを低減していくためには、リスクの内容や程度を適切にアセスメント( 評価・判断) する指標を確立し、支援の方向性を的確に判断することが必要である。  また、保健師などの虐待発生予防に係る専門職種の資質の向上を図るとともに、市町 村の相談機能の強化、虐待予防に資する子育て支援サービスメニューの充実によるリス クの低減、グループワーク等による養育者の孤立を防ぐための専門的な支援等が重要で ある。  【具体的な取り組みに関する意見・提案】  ・市町村における子育てや虐待に関する相談機能の強化  ・保健所においては、市町村における対応事例で処遇困難な者やネットワーク会議に おけるコーディネート機能などにおいて市町村を積極的に支援する体制をとるとともに、 未熟児・精神保健相談等ですでに関わっている虐待リスクのある家庭に対しては、関係 機関の協力のもとに主体的に関与  ・地域子育て支援センターや子育てのOB、産褥ヘルパー、ショートステイ、グルー プワークの活用など虐待リスクのある家庭を支えるサービス等( 補償因子) の強化  ・虐待リスクのある家庭の様々な背景や程度をアセスメント指標等を用いて専門的に 判断し、リスク低減へ向けて濃厚な家庭訪間を行う等有効なサービスを確実に提供  ・保健師、助産師、看護師、保育士等の虐待の発生予防に関わる専門職の研修による 資質の向上  ・自ら訴え出ないが、子どもにとって問題があり、支援が必要である家摩に対する支 援の充実  【今後の課題】  ・精神保健福祉との連携強化により、子どもと養育者とを共に診ていくなど家族全体 に関わるという視点からの精神医療による予防的アプローチの充実  ●連携による支援体制の確保  【取り組みの方向性】  地域の実情に応じた支援体制の強化をはかるためには、関係機関それぞれの役割を明 確化し、さらなる取り組みを促すと共に、民間の相談機関も含めた機動力のある連携体 制を組むことが必要である。  その際、特に住民に最も身近な市町村においては、子どもに関する一義的な相談に積 極的に関わるなど、虐待の予防についての役割を強化することが必要である。  【具体的な取り組みに関する意見・提案】  ・住民に最も身近な市町村において、子どもに関する相談を積極的に実施  ・市町村における虐待防止ネットワーク体制をさらに充実し、発生予防の機能を強化 するとともに、柔軟で機動力のある地域ネットワークとの連携の推進  ・NPOなどの民間機関等との連携の強化を図り、ネットワーク間での情報の共有化 をスムーズに行うことができる体制を整備することにより、虐待への対応力を強化する とともに、ケース対応の進行管理等を行う支援体制の強化も必要  ・ファミリーサポートセンター、地域子育て支援センター、児童家庭支援センター、 保育所、男女共同参画センター等、既存の子育て相談機関等との情報の共有化等、地域 における支援体制の構築  【今後の課題】  ・地域の小児科医等における虐待予防の視点をさらに普及していくため、情報データ バンクの構築やスーパーバイザーの育成等地域に拠点を設けてバックアップ体制を強化  ・NPOなどの民間機関等の取り組みに対する専門家によるバックアップ体制の構築 などの支援、連携の強化  ●虐待を認めない社会づくり  【取り組みの方向性】  虐待を認めない社会づくりの基本として、子どもの人権尊重に対する理念の明確化や 虐待を予防するための取り組みの必要性について、広く国民に周知することが必要であ る。  【具体的な取り組みに関する意見・提案】  ・子どもの人権擁護の理念など子どもの人権尊重に対する理念を明確化  ・CAPプログラム(子どもへの暴力防止プログラム)などの子ども自身の自己防衛能 力や自信を獲得していけるような実践的な教育の推進など・教育からの積極的なアプロ ーチ ・ペアレンティング( 親業、親になること) に関する体験的な学びの機会を学校教育を 中心に積極的に推進  II.早期発見・早期対応における取り組み  虐待の早期発見・早期対応をさらに進めていくためには、その中心的機関である児童 相談所の現行の体制には限界がある・  このため、今後、児童相談所の業務の一部を市町村や他の機関に委譲することや、よ り幅広い専門職種との連携強化、児童相談所の虐待対応に璽する対応力の強化を図るた め、司法関与の仕組みについても検討するなど・児里相談所全体のあり方を見直すとと もに、それに応じた体制の確保を図っていくことが必要である  さらに、児童相談所の支援を受けつつ関係機関が一体となって取り組む体制として、 市町村の果たすべき役割を明確化するとともに、市町村における虐待防止ネットワーク の設置の一層の推進を図ることが必要である。  ●対応機関の機能、システム  【取り組みの方向性】  虐待相談件数や緊急事例の急増等により、児童相談所においては、現行制度上、担う こととされている幅広い相談業務の全てに必ずしも対応しきれていない状況にあること を踏まえ、例えば、一部の業務を他の機関に委譲し、児童相談所の業務のスリム化を図 るなど児童相談所のあり方等について見直しを検討することが必要である。  また、児童相談所の機能の強化を図るため、職員の専門性の向上や医師、保健師・助 産師・看護師や弁護士等の幅広い専門職種との連携強化を図るとともに、一時保護所の あり方についても検討することが必要である。  さらに、早期発見・早期対応における地域の機関・住民の果たす役割は大きいことか ら、福祉事務所に設置されている家庭児童相談室や児童委員、とりわけ主任児童委員等 を地域の福祉の核として、積極的に活用を図るとが必要である。  【具体的な取り組みに関する意見・提案】  ・虐待対応の緊急性を踏まえ24時間・365日対応が望ましいが・現時点においては地 域の実情に応じた体制を整備  ・一時保護所における混合処遇( 被虐待、非行、不登校、障害児など) の改善や治療 的関わりを強化  ・児童相談所における相談業務のうち、障害相談、健全育成相談などは市町村や他機 関での役割分担が考えうる。  ・児童の診察、指導、親指導、職員へのスーパービジョン等を強化する観点から、児 童相談所における医療機能を充実  ・児童相談所の相談業務における対応の強化を図るため、スーパーバイズ機能の強化 や職員の増員が必要  ・虐待等新たなニーズに対応した心理判定員業務の見直し  ・子どもの虹情報研修センター等における実践研修の実施、専門相談等の充実や介入 的ソーシャルワークの確立と普及  ・児童相談所、児童福祉司の必置規制の撤廃については、虐待対応等における児童相 談所の有する権限発動の役割や職員の質の確保等の観点からもその是非を慎重に検討す ることが必要  ・中核市における児童相談所の設置については、数が増え、住民の身近になるという メリットと、職員の専門性の確保が可能か、保護児童の入所措置にかかる広域調整が再 能かといった課題も踏まえ、検討  ・一時保護所以外の多様な保護の場の設置などシェルター機能の強化とシェルター機 関を支援する体制の整備  ・児童相談所職員の専門性の確保のため、地方自治体における福祉専門職の採用や専 門職の中途採用、希望任用や人事ローテーションなど人事管理のあり方の見直し  ・児童虐待を念頭に置いた診療の充実  ・家庭児童相談室の家庭相談員の常勤化を促進  ・主任児童委員が児童虐待防止に関する活動を単独で行うことができるようにするな ど、主任児童委員の積極活用  ●虐待の早期発見・通告・早期対応のシステム(自治体とNPO、民間団体との連携等)  【取り組みの方向性】  児童相談所のあり方と併せ、市町村の役割を検討することが必要である。その際、市 町村が子育て支援に果たす役割、市町村保健センター等における保健事業の実績等も考 えあわせ、より積極的に役割を強化する方向で検討することが必要である。併せて、保 健所と市町村保健センター等における役割分担についても検討することが必要である。  とりわけ市町村におけるネットワークは、児童虐待の発生予防から自立に至るまで大 きな役割を果たしうることから、引き続きその設置を促進することが必要である。  さらに、民間団体との連携強化を図ることも必要であるが、連携を進めるに当たって は、公的機関とは異なる配慮が必要である。  なお、児童相談所のあり方や市町村の役割などについては、「児童部会」本体におい て児童相談所全体のあり方を見直す中で、当専門委員会が指摘した諸点を十分に踏まえ、 さらに検討を深めることが必要である。  【具体的な取り組みに関する意見・提案】  ・市町村ネットワークの設置促進が重要。なお、民間団体も含めた幅広い関係機関の 連携を強化するに当たってはその関係者が基本的認識を一つにした上で組織的に対応で きるよう市町村におけるコーディネート機能を明確化することが重要  ・児童家庭支援センターなど地域支援の拠点を拡充  ・在宅指導における学校との連携体制の構築  ・例えば、相談への動機がある場合は市町村で、問題意識がなく、強権的な介入が必 要な場合は児童相談所が担うなど、児童相談所と市町村との役割分担を整理  ・児童相談所における児童虐待対応業務のIT化のモデル実施状況を踏まえ、さらな る活用策を検討  ・子ども、親、家族への効果的な支援プランを作成し、実施するために必要な心理的、 社会的アセスメント手法の確立に向けた研究及び実践を推進  ・民間団体の果たす役割や自治体との連携、民間団体の育成や支援のあり方について 検討  ・通告義務の対象である「児童虐待を受けた児童」については、広く柔軟に解釈して 運用することが適当。  ・通告に関する免責及び罰則規定の整備の必要性や是非について検討  ・通告のネックになっている原因等を明らかにし、通告が促進されるような環境を整 備していくことも必要  ・複数の機関による継続的な家族支援を行うことになることから、援助に関する規定 の整備に当たっては虐待防止の観点のみならず、守秘義務、個人情報の保護との関係な どにも留意しながら検討  ●児童相談所の行政権限、裁判所の関与  【取り組みの方向性】  ○立入調査   立入調査については、立入を拒否された場合の打開策がないという課題認識を前提 と しつつ、要件を設定しうるのか、誰が執行するのか、現実的に対処できるかといっ た間 題点等を踏まえ、有効な手だてについて、引き続き、検討が必要である。  ○一時保護   一時保護制度が緊急性がある場合に発動する行政権限であることを踏まえ、人権に 十分配慮した現行制度の運用を図ることとし、制度運営に対する司法関与については、 慎重な検討が必要である。  ○親の意に反する施設入所措置( 児童福祉法第28条措置)  現行制度上、無期限措置となっている家庭裁判所の承認に基づく親の意に反する施 設入所措置については、人権保障の観点からの手続きの適正化という観点や、親が将 来の見通しを持てることで家庭復帰に向けた指導を効果的に行い易いという観点から、 家庭裁判所の承認に基づく施設入所措置は期限付きのもの( 期限付きの承認) とし、必 要に応じ、再審査をするなどの仕組みの導入に向け、内容や要件などを検討することが 必要である。 また、子どもの安全・安定等を確保する観点から、児童福祉法第28条措 置にかかる 審判前の保全処分ができるような仕組みの導入に向け、保全処分の内容や要件などを 検討することが必要である。  ○保護者への指導  保護者に対する指導のあり方については、親子がともに生活していくことを目指す 以上、現行制度の効果的な活用はもとより、司法が関与することによって、保護者指 導の動機付けや実効性を高めるための仕組みの導入は、重要な課題。  このため、司法の枠組みに適するように制度を設計することを前提に、制度導入を 検討することが必要である。  ○親権喪失  18歳以上の未成年者の親の親権喪失について、児童相談所長による申立を認めるこ とが適当である。  【具体的な取り組みに関する意見・提案】  ・立入調査に関し、鍵を壊してでも確認する緊急性が認められる場合は、警察官職務 執行法で対応が可能。同法による対応が想定されない場合に果たして裁判所が命令を出 せるかについてはプライバシー保護との関係で疑問。  ・親子が一緒に住める権利を行政機関の判断のみで行うことは、「子どもの権利条約 」に反し、人権の観点から、不当に長い間分離している場合、親の意見が反映される仕 組みが必要  ・一時保護処分について、司法が審査することになれば、一時保護の緊急性が損なわ れる可能性  ・施設入所措置解除(退所、家庭復帰)に関して、一定のシステムをつくることは、保 護者に対するケア、子どもに対するケアの充実につながる。  ・入所段階で親権と子どもの福祉を比較考慮して承認している以上、一定期間後に再 度、親子分離の必要性を判断することが必要である。また、再度審査があることが、親 の改善への動機付けとなり得る。  ・児童福祉法第28条の家庭裁判所の承認に基づく施設入所措置については・期限付き のものとするとともに、親の努力目標が示されることが効果的。  ・入所措置の期限をどの程度とするか、再審査の要件をどのようにするかについては、 実例の分析等を踏まえて検討する必要がある。  ・入所措置の期限については、ある程度の年限で、一律としないと裁判所の承認にか かる要件の設定が困難である。  ・一時保護を行っているケースにおいても、親による強制引き取りなどの行動によっ て保護の安定性が確保できない実態がある。  ・児童福祉法第28条措置にかかる審判前の保全処分については、28条措置の状態を仮 に承認するような内容とするのか、多様な内容とするのか、慎重な検討が必要。  ・児童相談所としては再審査時や審判前の保全処分に関する資料を裁判所に速やかに 提出する必要があるとともに、保護者に対するプログラムを充実させる必要がある。  ・保護者指導については、児童相談所において、知事勧告といつ現行制度を視野に入 れた運用がなされているか、現行制度を十分使い切っているかどうかなど効果を見極め ることが必要。  ・裁判所が審判の理由中で親に対してカウンセリングの受講を求めることで、改善に つながることが多いという実例もある。また、児童福祉法第28条措置の承認を認めた場 合、保護者の態度は消極的ではあっても、同意するようになるといった調査もある。こ のように、保護者指導にかかる司法的関与は有効。だからといって、全ての困難ケース に第28条を適用することは不可能。  ・保護者指導にかかる司法的関与を検討するに当たっては、行政の勧告権限に対して 司法が関与する類似の立法例が見あたらないことから、司法審査にふさわしい枠組みは どのようなものがあり得るのかを検討する必要がある。  ・児童福祉法第28条措置の承認前の保全処分や期限付き承認を行うことで、実質的に は、親権の一部一時停止につながる。  ・児童相談所長による親権喪失の申立は18歳未満の児童の親についてしか認められて いない。また、18歳以上の未成年者の親の親権喪失について、親族からの申立は可能で あるが、親族が拒否する場合も多い。したがって、本人の申立権や児童相談所長による 申立権を認めることが必要。  ・児童相談所長による申立を認める場合には、子ども本人の意思が尊重、配慮される 仕組みとすることが必要。  ・施設入所中の児童の監護、教育、懲戒について、施設長がとる措置の範囲が不明確。 28条入所の場合、面会、通信の制限は規定されたが、それ以外、特に、医療行為につい ては不明確。  【今後の課題】  ・長期の引きこもりなど安全確認の必要性は高いが、緊急性が明らかでない場合など に、令状を発布してまで立ち入るということについては、どの程度の必要性があるか、 介入すべき要件、介入するための人権保障(適正手続き)など、十分な吟味が必要。  ・一時保護処分や児童福祉法第28条の家庭裁判所の承認に基づく施設入所措置に対し、 行政不服審査に加え、運営適正化委員会や地方児童福祉審議会など既存制度の活用を含 め、親が申立を行い、意見が反映されるような仕組みの整備について検討が必要。  ・一時保護制度に対する司法関与の是非については、その要件や有効性などの問題点 を含め、引き統き検討が必要。  ・親権や面会、通信の制限のあり方については、親権の範囲や一時停止と制限の差異 などに関する解釈が未整理であることなどから、条件の厳密化と併せての整理が必要で あり、現行制度の中での工夫を含め、さらに検討が必要。  ・子どもの医療ネグレクトヘの対応については、医療拒否の実態把握とともに、現行 制度の運用などについてさらに検討。  ・性的虐待を受けた子どもについては、審判プロセスが子どもに与える影響が大きい ため、司法手統上の慎重な配慮について運用上の工夫が必要。  ・児童相談所と保護者の間のトラブル、混乱を緩和し、話し合いができる仕組みとし て、緩衝的機能と支援機能を発揮できるような保護者に対する代理人制度の構築を検討。  III.保護・支援等における取りみ  児童虐待防止対策の目標は、虐待を受けた子どもが安全で安心できる生活を保障する にとどまらず、適切なケアや治療を提供することによって、子どもの心身の健全な発達 と自立を促し、さらには親への適切な指導・支援を通じた家族再統合や家族機能再生に ある。 そのためには、分離保護の場合も在宅支援の場合も可能な限り、家族の再統合 や機能の再生が望ましいとの基本的な考えの下、虐待を受けた子どものみならず、虐待 を行った親に対する治療や指導の充実など「家族」への支援という視点に立ち、十分な アセスメントと家族再統合や機能再生に向けた精度の高いプログラムの開発が必要であ る。  また、親子の分離(保護)を行った場合であっても、可能な限り家庭的な生活環境を保 障するとともに、必要に応じ、適切な治療や、自立を促していくための支援を充実して いくことが必要である。  なお、子どもの自立や家族再統合・家族機能の再生に向けた取り組みは、幅広い関係 機関の連携による長期にわたる支援が必要であり、関係職員の資質の向上やネットワー クの強化が必要である。  ●児童福祉施設、里親等の機能、システム  【取り組みの方向性】  子どもの社会的自立に向け、安全で安心した生活環境を保障するとともに、個々の状 況に応じてきめ細やかなケアと治療を可能とする規模の小さな施設や里親制度の充実、 自立援助ホームの充実等について検討していくことが必要である。併せて、それらに対 応した支援体制の確保を図っていくことも必要である。  親子分離や家族再統合などを進める場合に、親と子が置かれている状況を客観的に判 断するアセスメントツールの開発や、養育サービスの質を維持するための客観的評価の 確立が必要である。  なお、児童福祉施設の体系や里親のあり方などについては、児童部会に新たに設置さ れた「社会的養護のあり方に関する専門委員会」において、当専門委員会が指摘した諸 点を十分に踏まえ、さらに検討を深めることが必要である。  【具体的な取り組みに関する意見・提案】 ・できる限り、個々の状況に応じた支援を行っていくため、施設の小規模化や里親制度 の充実を基本にしながら、そのあり方を考えていくことが必要。  ・小規模施設の整備に当たっては、施設を小規模化する誘導策や里親型の小規模施設 の運営の促進など多様な手法を検討。  ・虐待を受けた子どもの多くは、安全な「生活」はもとより、精神面における治療的 な支援が必要であり、生活と治療の両側面の充実が必要。  ・子どもに最適の社会的養護を提供するために、子どものニードを図る的確なアセス メントが必要。  ・児童家庭支援センターを核にした児童福祉施設による地域支援のあり方などについ て検討が必要。  ・ケアの連続性の観点などから、乳児院と児童養護施設の関係についての検討が必要。  ・施設の満杯状態への早急な対応が必要。  ・家庭復帰できない18,19 歳の子どもが自立していくためのプログラム及びその支援 体制について、自立援助ホームの整備・充実や年齢延長といった点なども視野に入れ検 討していくことが必要。  ・子どもの自立年齢は上昇していることを踏まえ、社会生活の中で個別に対応する仕 組みを、NPOなどの活用も視野に入れた検討が必要。  ・里親が普及しない根本的な原因を究明し、その対策を講ずることが必要。  ・レスパイトやケアワークを含め、施設が里親を支援するなど里親に対する抜本的な バツクアツプ体制の強化が必要。  ・里親・施設・児童相談所が一体となった柔軟な取り組みが必要。  ・施設内虐待を防止する体制など施設内での子どもの行動上の間題に対応する体制が 必要。  ・施設で暮らす子どもの権利を擁護する仕組みをより実効性のあるものとすることが 必要。  ・施設等の客観的な評価を進める評価者の養成が必要。  ・児童福祉法28条に基づく入所にあっては、その期間を定めることも有用。  【今後の課題】  ・子どものケア内容に応じた措置費体系の見直しや児童福祉施設最低基準の改善につ いて検討が必要。  ・虐待を受けた子どもへのケアと治療を目的とした施設として、地域の施設の中核と なる拠点を定め、そこを中心として地域全体の関係機関が連携して虐待を受けた子ども を支えていくということをモデル的に検討すべき。  ●児童福祉施設職員、里親等の資質向上、資格要件、人材確保・メンタルヘルス  【取り組みの方向性】  虐待を受けた子どもやその保護者をケアしていくには、専門的なトレーニングを受け た職員が必要となる。  そのため、実習を充実させた研修などによって、施設で子どもの生活・治療にかかわ る職員の養成、資質と専門性の確保とともに、関係機関施設職員の意識などの向上を図 ることが必要である。  また、資質・専門性の確保に加えて、担当職員数の一層の拡充についても「社会的養 護のあり方に関する専門委員会」での議論を踏まえて検討することが必要である。  【具体的な取り組みに関するチームからの意見・提案】  ・フレックスタイムの導入など柔軟な勤務態勢を敷くことも有用。  ・職員等のメンタルヘルスのために相談体制の確保や、スーパーバイザーの養成・配 置。 ・児童福祉施設にケア担当職員の増員が必要。  ・虐待を受けた子どもを育ててみたいという里親をトレーニングするとともに、里親 がいつでも相談に行ける体制が必要。  ・子どものケアに関わる研修プログラムを開発して、ケアワーカーを養成することが 必要。  ●在宅支援の強化  【取り組みの方向性】  虐待の進行防止、家庭復帰後の支援のために民間も含めて市町村の在宅支援機能を充 実するとともに、市町村レベルでの子育て支援のさらなる充実・展開が必要である。  また、地域で虐待を受けた子ども(及び保護者)の自立に向けた長期的な支援を行うと いう観点からは、見守り役としての市町村の役割は重要となる。  ただし、市町村の取り組みに当たっては、児童相談所の支援・協力は不可欠であり、 重篤なケース等については、児童相談所が支援する過程を管理することを含めて関わり が必要である。  なお、その際は、家族再統合を目指した支援を行う観点から、虐待を受けた子どもの みならず保護者を含めた「家族」への支援のあり方を援助方針のなかに含み込むことが 必要である。  また、児童虐待防止対策においては、福祉、医療、保健はもとより警察、教育、司法、 さらにはNPO等民間団体や地域住民等の広範な関係者が基本的認識をひとつにした 上で、組織的に対応していくことが必要である。  その一つの手法として多くの関係機関からなる市町村ネットワークの整備が重要であ るが、ネットワークが有効に機能し、虐待を受けた子どもが自立に至るまで、継続的に 関わり、その時々に適宜適切な支援が行えるためには、その運営の中核となる、市町村 の果たすべき役割を明確にするとともに強化することが必要である。  【具体的な取り組みに関する意見・提案】  ・通所型の支援では限界があり、支援意欲をもった専門家による継統的な訪間型の支 援が重要。  ・NPOが親グループ活動などに対して市町村と連携して運営して効果を挙げている 例もあり、積極的に活用。  ・市町村などと連携し、施設のノウハウを活用した在宅支援を行うため、児童家庭支 援センターの整備促進やファミリーソーシャルワーカーの配置などの体制整備が必要。  ・学校の教員を対象にした研修の充実にあっては、子どもの指導にかかわるプログラ ム作成も必要。  ・市町村の役割強化とそのための人材養成、研修システムが必要。  ・地域での見守り体制は、多様な機関による連続性が求められることから、これらを きちんとコーディネートする者(機関)を育てることが必要。  【今後の課題】  ・虐待の予防に向けては、関係機関・施設のみならず、地域社会がこうした問題を理 解し、支えることも必要。例えば、子育て中の親を孤立化させない、虐待を受けて施設 に入所している子どもを学校等で他の保護者や子どもが正しい知識と理解を持って受け 入れるなどが求められる。こうした地域社会を形成するためのプログラム検討と実施が 必要。  ●子どもに対する治療・指導法の確立( 福祉・医療・保健機関等)  【取り組みの方向性】  虐待を受けた子どもや親のケアや、治療に関する知識や技術の一層の開発・普及、ま たそのあり方を明らかにするアセスメント方法の一層の研究、開発・普及が必要である。 特に、性的虐待を受けた子どもに関する治療やケアは特別な注意が必要である。  また、子どもの養育に関する情報の共有化や、専門性の維持のために必要な情報を適 宜活用できる仕組みを整備することが必要である。  【具体的な取り組みに関する意見・提案】  ・今までの研究をべースにしたアセスメントのガイドラインをつくっていくべき。な お、アセスメントは、子ども、家族、地域資源など、多角的・重層的に行われることが 重要であり、それに基づき、総合的な支援計画を立て、一定期間後に見直すことが必要。  ・情報を集積した情報センター( 子どもの虹情報研修センター) を活用。  ・施設内での記録を画一化するなどの手法により、セキュリティに十分な配慮をしつ つ、情報を共有化することが必要。  【今後の課題】  ・児童虐待にかかわるアセスメントについては、その方法・技術の開発・普及だけで はなく、望ましいアセスメント実施のための体制の確立に向けた検討が必要。この検討 の中では、児童相談所の一時保護所と児童福祉施設の役割分担も検討されるべき。  ・子ども・親への適切な支援を始め、ケア評価をするためのアセスメントの研究、開 発及びアセスメント機関の機能的拡充、アセスメントセンターの創設。  ・性的虐待を受けた子どもへは、他の虐待とは異なるケアが要求される。保護した直 後の関わり方から重要であり、よりきめ細やかな対応を確立していくことが必要であり、 新たな施設体系を検討する際に考慮すべき課題の一つである。  ●保護者に対する治療・指導法の確立( 福祉・医療・保健機関等)  【取り組みの方向性】  家族再統合を目指した支援を行う観点から、虐待を受けた子どものみならず、親も含 めた「家族」に対する支援という考え方が重要である。  すでにいくつかの関係機関によって実施されている保護者に対する治療・指導プログ ラムを充実、発展させ、普及を進めるとともに、家族再統合に向けたプログラム開発に ついても研究を進めることが必要である。  なお、保護者に対する指導のあり方については、II●「児童相談所の行政権限、裁判 所の関与」の欄を参照。  【具体的な取り組みに関する意見・提案】  ・虐待を行った保護者で、治療意欲が乏しく、対人関係を図ろうとしない者も少なか らずいることから、そうした者に対する支援の在り方も検討することが必要。この場合、 専門家による継統的なねばり強い支援をしなければ対応は困難であり、効果は期待でき ない。そのため、関係機関職員に対する養成・研修の拡充と併せて、訪問型在宅支援の 強化が必要。  【今後の課題】  ・家族再統合に向けたケアワーク、治療、ソーシャルワーク機能をもった治療システ ムの確立。  ・家族再統合プログラムの開発・研究。  ・子どもと親のライフサイクルに応じた治療・生活モデルの構築。  ・ソーシャルワーク、心理、医療などを結合させ、単一ではない支援のメニューが必 要。  ●医療機関の機能、システム  【取り組みの方向性】  虐待を受けた子どもは複雑なトラウマを抱えており、精神医学的な介入が必要な子ど もが多い。このため、こうした子どもに的確に対応できる医療墳境の整備が必要である。  虐待を受けた経験のある、あるいは精神疾患を抱えている保護者に対しては、地域の 医療機関による一層の専門的な支援が必要である。  また、その他の医療関係者に対する教育・研修の充実を図るとともに、小児科医と精 神科医の連携強化を図ることが重要である。  【具体的な取り組みに関する意見・提案】  ・虐待を受けた子どもの入院加療中の人権を保障していくためには、保育士によるケ アなど生活を保障する福祉と治療する医療・看護と合体するシステムを整備することが 必要。 ・小児科医と精神科医との連携。  ・地域に児童精神科の専門医が少ない現状にかんがみ、小児科医の研修等が必要。  ・治療のための医療関係者の人材養成及び医療対応システムの開発が必要。  ・虐待をする保護者は精神病とは異なり、これまで一般の精神科医が扱ってこなかっ た問題である。更なる知見の集積と治療技術の向上のための研究とそれに基づいた卒後 研修が必要である。  ・虐待のケースヘの係わりは、非常に多くの時間を費やさなければならず、この点を 考慮にいれ、医療機関の対応を促す対策が必要である。  【今後の課題】  ・医療対応システムに関する研究。  ・都道府県レベルでの拠点医療機関の設置。  ・児童精神科医、小児精神科医の充実。  IV.その他( 全体を通じた指摘事項等)  【取り組みの方向性】  発生予防、早期発見・早期対応から保護・支援に至る各段階において、市町村の役割 強化、民間機関も含めた関係機関の連携によるきめ細かな取り組みが重要である。  また、児童虐待防止対策に関する継続的な検討の場の確保や制度の運用状況を踏まえ た法律の定期的な見直しが求められる。  【具体的な取り組みに関する意見・提案】  ・児童虐待防止法に子どもの人権尊重の理念を盛り込む必要。  ・児童虐待の定義(範囲)を検討(性的虐待の加害者・DVの目撃等)。  ・児童虐待防止法に予防や援助、ケアについても規定すべき。  ・関係機関を幅広く法律上に明記することが必要。  ・制度の検討に当たっては、国による家庭への過剰な介入への配慮が必要。  ・児童虐待への対応を向上させるためには、児童虐待に関する総合的データベースづ くりを行い、それを基に的確な分析を行って。科学的根拠に基づいた対策をとることが 必要。 ・更に、データだけではなく、総合的・統合的に検討して、継統的にプランニ ングする機関も必要。  ・国において援助、ケアについても骨格や指針を示すべき。  ・虐待の予防と対応について、全体的なシステムのあり方の検討を継続的に実施して いくことが必要。  4.さいごに  以上、児童虐待防止制度の見直しについての取り組みの方向性を整理してきたが、取 り組み全体を貫く考え方を集約すれば、おおむね以下の4点に集約されるものと考える。  I.発生予防から虐待された子どもの自立に至るまでの1 望れ目ない支援 児童虐待防止対策の目標は、虐待という重大な権利侵害から子どもを守り、子どもが心 身ともに健全に成長し、ひいては社会的に自立に至るまでを支援することにある。  早期発見・対応のみならず、発生予防から虐待された子どもの自立に至るまでの各段 階において、こうした「子どもの権利擁護」という理念に立脚した多様な関係機関によ る切れ目のない支援体制が必要である。  II.「待ちの支援」から要支援家庭への「積極的なアプローチによる支援」へ 児童虐待の特性(家庭(地域)内での発生、虐待と認めない親が多いなど)にかんがみ、 その解決に向け、親の権利や個人のプライバシーには最大限配慮しつつも、幅広い関係 機関が、積極的に親・子にアプローチする形での新たな支援のあり方が必要である。  III.家族再統合を目指した子どものみならず親を含めた家庭への支援  家庭的な暖い養育環境の生活が子どもの健全育成には望ましいとの基本認識の下、家 族再統合を目指す方向で、子どもに対する支援はもとより親(含む里親)も含めた家族 への支援という視点が必要である。  また、それが困難な場合であっても、できる限りそれに準じた生活環境の確保するこ とが必要である。  IV.虐待防止ネットワークの形成など市町村における取り組み強化  児童虐待問題の解決に当たっては、地域、特に市町村における取り組みを強化するこ とが必要である。なお、その際には、県(児童相談所、保健所等)との協力関係の確保に 特段の配慮が必要である。  児童虐待防止制度の見直しについては、本報告書において指摘した点を踏まえつつ、 さらに議論を深めるとともに、その実現に向けた早急な取り組みを期待する。  以上でございます。 ○柏女委員長  ありがとうございました。  前回、議論をさまざまいただきましたが、その中での3つのワーキングチームの報告 を土台にして、それに全体を貫く視点も入れていただいた上で、報告書という形で本題 を作成をしていただきました。  これに、今日お配りをしてあります論点事項、あるいはその各ワーキングチームでの 御意見などを添付した上で、全体の報告書という形になるわけでありまして、今は報告 書の言わば本体の部分を御朗読をいただいたわけですけれども、これにつきまして何か 御質問はございますでしょうか。御意見はまた後ほどということにしたいと思いますが。  影山委員、どうぞ。 ○影山委員  最初に全体の構成について御質問したいと思います。今日は素案という形で報告書を 今、朗読いただいたんですが、かなりレジュメ的な体裁になっておりまして、これを最 終的には文章化するのかどうか、それについて1つお伺いしたいと思います。  それから、具体的な取り組みの方向性の欄では幾つかの項目に分かれてとりまとめが なされておりますが、例えば「取り組みの方向性」「具体的な取り組みに関する意見・ 提案」「今後の課題」というふうに分かれてまとめられているわけですが、それぞれの 項目の違いといいますか、それぞれの項目がどういう意味で分けられているのかに関し て、もう一回確認をさせていただきたいと。  それから、せっかくの専門委員会の報告書ですので、できるだけ読んでわかる、そし て説得力のある報告書であるべきだと思うんですが、冒頭申し上げましたように若干レ ジュメ的な感じになっておりまして、それぞれの項目にいいこと書いてあるんですが、 理由づけがかなりない、結論の羅列になっておりますので、先ほど申し上げたようにも う少し文章的な形にしていった方がわかりやすいのではないかなというふうに思います。  それから、ちょっと前後、行ったり来たりしてしまいますけれども、取り組みの方向 性とか、あるいは意見・提案なり、今後の課題、これらすべて、いろいろ早急にやるべ きこと、あるいは将来の課題とかいうような形での区分けもあり、強弱もあるんでしょ うけれども、基本的にはこういう方向であるというのが、この専門委員会の意見である と。  したがって「具体的な取り組みに関する意見・提案」というところで幾つか項目が羅 列をしてあるわけですが、これらは基本的にはこの専門委員会で一致を見た意見である と、こういうふうに理解をすべきであるということでよろしいのかどうか。この辺りを 質問させていただきます。 ○柏女委員長  それでは、事務局の方で今の御指摘・御質問の点、3点ほどあるかと思いますけれど も、まず最初、この全体の構成について報告書のスタイル、最終的にどういう姿になる かどうかという点。  2点目はここにあります「取り組みの方向性」「具体的な取り組みに関する意見・提 案」「今後の課題」、これらの3つ住み分けというんでしょうか、どんなふうにこれを 理解したらいいのかという点。  最後に、理由をもう少し書いて、これは意見になりますかね。 ○影山委員  そうですね。 ○柏女委員長  理由をもう少し書いた方がいいんじゃないかと。これは御意見ということで、御質問 という点では今の2点でよろしいですか。 ○影山委員  はい。 ○柏女委員長  それでは。 ○古川室長  まず、記述の方式がレジュメ的であるという御意見でございます。これにつきまして は、現場に詳しい皆様方から御意見をいただくという専門委員会の特性ということも考 えまして、きれいに文章化するというよりは、昨年12月の段階でもA3の横表は、考え 方と方向性と具体的な施策の提案という形で資料を出させていただきましたように、例 えばこんな方策があるのではないかという案を提起していただく、いわば提起型といい ますか、そうした形で議論をまとめさせていただいたという、当方としての意識ではあ ります。  その意味で、考え方とそれを踏まえた具体的な取り組みとしてはこのようなことが考 えられるのではないかというものを、あえて意図的にレジュメ的にさせていただいてい るということでございます。  また、その構成の中で、方向性と意見・提案と今後の課題と分かれておりますけれど も、これは幅広く検討チームや専門委員会本体で御議論をいただきました議論を集約す ると、当面目指すべき方向性はこういうことであろうという内容が取り組みの方向性で あります。  そして、その考え方に至った提言や具体的な取り組みが意見・提案に記述してあると いうことでございます。  今後の課題は、更に検討すべき課題ということでありますけれども、例えば、予防に 関して申し上げれば、社会全体を見直すとか、極めて大きなテーマであることから、今、 直ちに具体的に取り組むには比較相対的に、時間がかかるということで仕分けをさせて いただいたということです。これも昨年12月の段階で、今回の制度見直しに取り組める 話と中長期的な課題を分けて議論をしていくことととされたという当時の了解を踏まえ て分けているものでございます。  理由につきまして検討チームとしてはさまざまな御議論をいただいたわけであります が、その全部について書き込むということにいたしますと、極めて膨大な記述になると いうこともあり、A3表の方に、先ほど委員長からもお話がありましたように可能な限 り記述し、そのいわばポイント、エッセンスを抜き出すという形にさせていただいてい るということでございます。 ○柏女委員長  影山委員、どうぞ。 ○影山委員  済みません。先ほどの議長の確認で、要はこの取り組みの方向性、四角に囲んである 部分、具体的な意見・提案、それから今後の課題、これはまとめて、すべて専門委員会 の報告書、専門委員会の意見と、こう理解してよろしいということですね。 ○柏女委員長  そういうことですね。そういうことになるかと思います。四角の中、取り組みの方向 性ということについてはいろんな議論がありましたけれども、大枠の一致を見た方向で すね。  それから、その具体的な取り組みに関する意見・提案というところでは、さまざまな 御意見が、あるいは提案を専門家の立場から提案をしていただいたものをそこに載せさ せていただいているという形になるだろうというふうに思います。  よろしゅうございますでしょうか。 ○影山委員  質問はいいですが、意見は。 ○柏女委員長  それでは、意見は、どうしましょうか。全体の報告書のスタイルについての御意見と いうことで、あるいは細部についての御意見。 ○影山委員  スタイル。 ○柏女委員長  では、最初にそれをやってから細部に入っていきましょうか。  それでは、報告書のスタイルについての御意見ということで、まず最初に伺いたいと 思います。  影山委員、どうぞ。 ○影山委員  影山でございます。今のように御説明で意図はわかりましたが、やはりいろいろな方 に読んでいただいて、わかりやすい報告書にするというためには、少なくとも今のよう な古川室長の方から御説明いただいたような報告書の読み方みたいなところを、どこか で簡単に説明していただいた方がよろしいのかなと思います。 ○柏女委員長  なるほど、このスタイルは基本にしながらも、この報告書の中でやはり今、言ったよ うな取り組みの方向性とか意見・提案とか今後の課題というところの位置づけがわかり にくいので、それをどこかに入れておいた方がいいのではないかという御意見ですね。  それについて、いかがでしょうか。そのような形があった方がいいということで、そ れでは、そのようなものを入れさせていただくようにしたいと思います。よろしくどう ぞお願いします。 ○西澤委員  関連事項なんですが、今の古川室長の説明で理解はできるんですが、やはりちょっと 弱いと思うのは、現状認識というか、現状の、項目に関して大きな方向性を出すときに どういうふうなことが問題であるというふうに認識しているかというのは、ある程度示 しておいた方が、それがあって初めて、それをバックグラウンドにして、その下の具体 的な提案というのが浮き出ってくるだろうというふうに思うんで、その辺御配慮願えれ ばなというふうには思います。 ○柏女委員長  それでは、事務局の方、いかがでしょうか。 ○古川室長  その点に関しまして、例えば、1つの提案ですけれども、第1回の12月の段階で現状 について、いろんなデータ編を出させていただいておりますけれども、その資料をここ に添付をさせていただき、この数字をベースにこの議論が成り立っているという形にさ せていただくというのはいかがでしょうか。 ○西澤委員  それも一つの手だと思いますし、事務局が大変だからというのであれば、それはわり ますので、ただ、この領域における一番大きな問題は何なんだという、文章が入ればも っといいなと。人の仕事の量のことですので、余り言いませんけれども、報告書として ぱっと見て読みやすいかなという気がしますけれども。  これはあくまでも意見だということで。 ○柏女委員長  とても大事な視点だと思います。今、事務局の方からお話がありましたように、第1 回目のときにそれぞれのその現状、こんな問題をいろいろ抱えているんだということを 報告書の中に取り上げると、こういうスタイルは是非また考えていかなければなという ふうに思いますが、それを文章化していくと、漏れてしまうところが、今、西澤委員お っしゃったことはわかりますが、そうしますとなぜうちは大変なのに入ってないんだと、 うちはもっと大変なんだという形になって、結局、網羅的になってしまうのではないか なと、そんな懸念もちょっと感じるものですから、文章の中に現状の中の大きな問題す べて盛り込んでいくのは、ちょっと考えさせていただくということでよろしいでしょう か。○西澤委員 それは、そういう形で処理をしていただければ。 ○柏女委員長  分かりました。ありがとうございます。  それでは、報告書全体についてのスタイルについてはいかがでしょうか。  では、奥山委員、どうぞ。 ○奥山委員  非常に基本的なことを伺いたいんですけれども、まず一番最初に目次というのが来る んですかね。一般的に報告書というのが、どういう全体としてのイメージになるか、ち ょっと教えていただければと思うんですけれども。この素案のところの「はじめに」は 全体の「はじめに」ととらえていいわれですね。その辺のところがどういう順番になっ ていくのか、ちょっとイメージを教えていただきたいんですけれども。 ○柏女委員長  今、考えられているもの、ありますでしょうか。ありましたら、雑駁なイメージで結 構ですから。 ○古川室長  まさに報告書に通常付いてくる目次でありますとか、議事日程でありますとか、名簿 とか、そういうものは、最終的には付けさせていただきます。 ○奥山委員  といいますか、これ3部に分かれていますね、報告書というのと、討論事項と、それ から横表、それぞれがどういう役割を持っているのかということが、やはり一番最初に ないとわかりづらいのではないかなというのがあるんです。 ○古川室長  それは先ほどの各項目立てと同じかもしれませんけれども、それぞれA3表の意味す るものと、本体と、論点事項の役割が明確になるようにそれを記述をするということで よろしいでしょうか。 ○奥山委員  この「論点事項」が目次というわけではないんですね。 ○古川室長  論点事項というのは、今回議論を始めて頂くに当たって御検討いただく項目として我 々が提出させていただいた項目ということです。 ○奥山委員  これは前に来るんじゃなくて、あくまで後ろにあるものと考えるのですか。 ○古川室長  本日はそのような形で後ろに付けさせていただいております。 ○柏女委員長  いかがでしょうか。奥山委員、よろしいでしょうか。 ○奥山委員  はい。ちょっとまだわからないんですが。 ○柏女委員長  全体のイメージとしては、この報告書本体、それから論点事項、これはこういう論点 について、みんなで検討しましたよという論点ですね。  それから、御意見が入る、そして現状認識として一番最初のときに上げていただいた いろんな問題点がそれぞれのところで起こってきているというようなことを網羅して、 そして、それらについての簡単な説明を入れていただくというような報告書のスタイル になるだろうと。報告書本体についても3つが取り組みの方向性、それから意見・提案、 今後の課題ということについても簡単な説明が入ると、こういうスタイルイメージにな るかと思います。よろしいでしょうか。  佐藤委員、どうぞ。 ○佐藤委員  佐藤です。この3つのチームで検討したことは、実はそれぞれがオーバーラップして いる部分がございまして、ですのでこの3つの関係性といいますか、それを実施してい ただくとか、何かわかりやすいようにしていただいた方が縦割りで取り組みを進めてい くんだというイメージを持たれなくていいのではないかなと思うんですけれども、これ も意見で、そういうのを付け加えていただいたらいかがなものかという。 ○柏女委員長  報告書の全体を通覧する視点として4つの視点というものを前回の議論の中で今回入 れさせていただいたんですが、それを図示するような。 ○佐藤委員  お互いに予防のところでも再発防止のところまで、実はつながってくるとか、予防が 早期発見のところにもつながってくるとかという部分がございますので、そこが、何と かもう少しわかるような形で、図示というのは願いですけれども、そこら辺のところを ちょっと入れていただけたらなというように思いました。 ○柏女委員長  一応、3つのワーキングチーム全体を貫く視点として、最後のところに4つの視点を 前回議論の上で入れさせていただいて、例えば、市町村での取り組みというようなもの は予防から再発防止まで、市町村の取り組み強化ということは必要なんではないかとい ったようなことで、ここの4つが全体を貫く、言わばだんごのくしという表現をさせて いただいたんですが、そういうものとして考えさせていただいたんですが、御了承いた だければ。  もし、全体を俯瞰する図をということであれば、また事務局の方に御工夫はいただけ るかと思いますけれども、報告書としてはそんなイメージで考えております。よろしゅ うございますでしょうか。  では、奥山委員、どうぞ。 ○奥山委員  読む側の視点に立って考えたときに、1つの課題が3か所に書かれているわれですね。 真ん中の論点事項というのは本当に骨子だけなわけですけれども、その両方突き合わせ てみると全体が見えるという形ですね。  そういうふうな構成になっているということをわかりやすくしておかないと読みづら いんじゃないかと思います。先ほどの、どちらかというと箇条書きの部分が後ろの横長 ので補うんだとすれば、なおさらのことです。もっと知りたい人は後ろの同じ事項読ん でくれというような意味では、どちらかというと論点事項が最初にあって、その部分に 関してのそれぞれの報告書と、更に具体的な内容とということで指せるんじゃないかな というイメージがあるんですけれども、その辺はどうなんですか。  つまり、それぞれのところで後ろと前に行きながら充実させて読んでねということで すね。 ○柏女委員長  はい。 ○奥山委員  そうすると、これは全部貫いている一つの骨子なんですよという部分をまず明確にし て、これを見ながら前と後ろと突き合わせて読んでくださいというような形にもってい った方がわかりいいのではないかなと。1つの提案ですかね。 ○柏女委員長  そうしますと、言ってみれば、この報告書の全体を貫く本報告書の読み方みたいなも のを。 ○奥山委員  そうですね。難しいと思うんですね、知らない人が読むには。 ○柏女委員長  影山委員、いかがでしょうか。 ○影山委員  なぜそうしているのか、よくわからないんですね。後ろにこの横長のものが付くんだ として、横長のところに書いてあることと、前に書いてある報告書のつながりというの が、読む方にはすごくわかりづらいのではないかと思います。後ろの方にかなりいろい ろたくさん指摘してあります。その中のものがこの素案の報告書の中には取り上げられ ていないものも勿論あります。  そうすると、後ろの方はいろんな意見は出たと、だけど委員会としての全体の意見に はまとまらなかったものなのかなというふうに読めばいいのか。それとも、後ろの意見 も、これも全部、専門委員会のまとまった意見なんだと。前はまとめであって、より詳 しくは後ろを見るんだと、そういう読み方になるのか、すごく混乱します。  要は専門委員会はどういう意見まとめたのということがわかりづらくなってしまうの では、かえって意味がない。せっかく後ろの方もかなり詳しくなっているわけですから、 もし後ろの指摘事項なんかはおおむねとりまとまった意見であるというのであれば、基 本的にはこれを全部、報告書の中にぶち込んでもいいのではないかと思いますし、この 関係とか体裁が、私はまだよく理解できないんですけど。 ○柏女委員長  よろしいですか。では、事務局の方お願いします。 ○古川室長  A3表につきましては、前回にも申し上げましたけれども、これまでの各検討チーム での議論を網羅的・機械的にかなり幅広に記述させていただいているというのが中心で ございます。つまり、各検討チームとして網かけの方向性として必ずしも一致しないも のであっても、各委員からそれぞれの御立場からこのような問題があるのではないかと して、御指摘があったものについては入れさせていただいているということでございま す。その意味では、一致を見たものという理解ではございません。  しかし、それぞれの立場で見て、様々な課題があるということは当然のことでござい ますし、それらの御指摘は報告書の一部という意識ではございますけれども、方向性と して必ずしも委員の皆様の一致を見ていないという意味で、多少の違いはありますので、 そういう意味でA3表のものを報告書の本体の方に盛り込むということは、必ずしもで きかねるのではないかと思っております。  なお先ほど御意見もございましたが、A3表がどういう性格のものであるかは、明確 に記述をさせていただきたいと思っております。 ○柏女委員長  よろしいでしょうか。この児童虐待の問題については、さまざまな分野が関わってい て、そして、さまざまな御意見がさまざまなところから、とにかく私はあるだろうと思 っています。そのすべてを取り上げていくことが本当は大事なことであるし、それをで きるだけしたいわけですけれども、その中でも我々のこの委員会の中で合意できたこと、 ある程度の方向性について合意ができたこと、まだまだ事務的に詰めなければいけない 問題が、それぞれの取り組みの方向性という一文の中だけでもあるわけですけれども、 取り組みの方向性として私たちがこのことは願いたいと思うものについては、やはりこ の四角の中のゴチック体のところで表現をしていきたい。  ですから、我々の委員会の言わば命というものは、この網かけといいましょうか、そ の四角の中の取り組みの方向性というところに置かれるのではないかというようなこと は考えているんですけれども、いかがでしょうか。事務局の方でありました、それぞれ のペーパーの性格づけについても記述をしていって、この報告書の読み方ということに ついて記述した上で報告書を作成するということでよろしゅうございますでしょうか。 ○川名委員  済みません。一点確認をさせてください。この横長表は報告書に盛り込まれて、くっ 付くわけですか。私は報告書というのはこれだけかと思っていたんですが。 ○古川室長  はい。報告書の一部であります。 ○川名委員  そして、一緒に出る。 ○古川室長  はい。そのつもりです。 ○柏女委員長  できればそのような形にしていきたいというふうにも、私も思っておりますけど、よ ろしいでしょうか。お一人お一人の貴重な御意見ですので、それらを取り上げていきた いというふうに思いますし、また、ここでの議論がこの後、社会的養護の在り方の委員 会とか、あるいは児童相談所や市町村の在り方の委員会につながっていくことになるも のですから、ここで出た意見というのは、なるべくこちらの方にも引き継いでいきたい という思いを持っておりますので、できればそのような形にしたいなというふうに思い ます。よろしゅうございますでしょうか。  それでは、報告書のスタイルということにつきましては、今、議論が出た点を勘案し ていただきながら、また事務局の方で更に詰めていただくというふうにさせていただき ますが、それでは一番中心部分である報告書の本体の方ですね。そちらに入っていきた いというふうに思います。  それで、議論の仕方なんですけれども、最初の方から少しぺージを繰りながら御意見 をいただくような形でやっていきたいと思いますが、よろしいでしょうか。  それでは、そのようにさせていただきます。まずは1ページの「はじめに」というと ころですけれども、「はじめに」それから「児童虐待防止制度見直しの基本的な視点」、 「具体的な取り組みの方向性」、この3点についてですけれども、何かございますでし ょうか。  早い者順で、どうぞ。 ○加賀美委員  細かいことを言って申し訳ない。行で言うと上から6行目ですか、「最近では急増傾 向は落ち着きつつあるものの」という記述でございますけど、これをどう考えるかなん ですね。これが与えるイメージというのは、かなりインパクトあると思うんで、確かに 数値的なもので言うと倍増、倍増してきたものが落ち着いたという、そういうようなイ メージがあるけれども、現実的には本当に落ち着いているのかというと、実態的には潜 在しているものがまだ出てきていないという実態を隠蔽してしまう危険性があるという ふうに思いますので、是非この記述について御検討いただきたいと思います。 ○柏女委員長  今の御意見で「最近では急増傾向は落ち着きつつあるもの」、これはまだ件数として は報告はされていないんですね、14年度。 ○古川室長  はい。 ○柏女委員長 ですから、これは削除してもそう大きな問題はないですね。 ○古川室長  まだ公表させてはいただいてないんですが、受付件数などを各自治体から伺っている 感じでは、昨年度と同程度かという意味では、明らかにこの数年の動向よりは、件数だ けで見ますとトレンドとしては傾きがおさまりつつあるということを申し上げたという ことでございます。表現は御指示を踏まえて修正致します。 ○柏女委員長  確かに、虐待の問題というのは件数が多いから問題なんではなくて、その影響が深刻 だから問題なわけですから、これは削除するという方向も含めて考えていただきたいと 思います。  今日の議論の中で報告書のスタイル、これでいくという形になりましたので、できれ ば修正意見をいただいた上で、一つひとつ確認をしながら進めていきたいというふうに 思いますので、よろしくどうぞお願いをいたします。  加賀美委員、よろしいでしょうか。 ○加賀美委員  はい。 ○柏女委員長  それでは、奥山委員、どうぞ。 ○奥山委員  それにちょっと近い「はじめに」のところなんですけれども、先ほどの現状分析が余 り入っていないというところが影響しているのかもしれないんですけど、要するに体制 が追い付いていっていない危機状態にあるんだということが、ここからだと少し読み取 れないんではないかという印象があります。もう少し実際、虐待の問題が今おっしゃっ たように数だけではなくて、いろんな意味で大きくなってきているのに、それに対して 体制が追い付いてきていないところで、いろんなほかの問題が起きてきているという危 機状態の部分をもう少し入れ込んでいただいた方が、わかりいいかなという気がします。 ○柏女委員長  現状の虐待の問題に対して、現状の体制が追い付いていないという現状認識を入れ込 むべきではないだろうかという御意見ですけれども、柳田委員、関連して。 ○柳田委員  「はじめに」の6行目ですが、「平成13年度においては約2万3千件」と、これは10 年前の、20倍ぐらいでしょうか、そういう文言を入れるのもどうかなという気がいたし ます。  以上です。 ○柏女委員長  そうですね。件数が増えたということと、それから現在の体制が追い付いていないと いう状況について、ここの中に一文を、2個目の段落のところですね。加賀美委員のお っしゃったところ辺りに入れていくという形で対応ができるだろうということでござい ますが、よろしいでしょうか。  奥山委員、その方向でよろしいでしょうか。  それでは、影山委員、どうぞ。 ○影山委員  私は2番の見直しの基本的視点のところの6行目でございますが、「家族の再統合」 という言葉がございます。これ、第3チームのところでは意識的に表現を気を付けてい るかと思いますが、この分離しないケースの支援ということもございますので、家族の 再統合という言葉だけでなく、家族機能の再生というふうな言葉もここに入れていただ ければと思います。 ○柏女委員長  「保護者に対する支援や」、どういう形になりますか。 ○影山委員  再統合ないしは家族機能の再生を視野に入れたものである。 ○柏女委員長  ないしは家族機能の再生を視野に入れたものである必要があると。そうですね、第3 のワーキングチームの方がそういう書き方を意識的にしているということで。分かりま した。  才村委員、どうぞ。 ○才村委員  同じく2番の基本的な視点なんですが、今回虐待は子どもに対する重大な権利侵害と いうのも入れていただいて、これは本当にそのとおりだと思います。  更に、この虐待の子どもに対する権利侵害だけではなくて、侵害された権利を回復す るための取り組みの理念といいますか、つまり児童虐待対策を推進していく上での理念 が必要ではないかというふうに思います。  具体的にこの理念は、児童の権利条約の理念であります児童の最善の利益に対する配 慮ではないかというふうに考えます。  したがって、具体的に申し上げますと、虐待対策を推進するに当たっては何よりも、 この被虐待児童の最善の利益、もしくは別の表現であると、被虐待児童の福祉を最優先 した対応というものが考慮されなければならないと、そういったものへの文言を追加し ていただければなというふうに思います。 ○柏女委員長  それはどこですか。 ○才村委員  ですから、2番の基本的な視点の中に、今、申し上げた趣旨のことを、具体的には、 「権利侵害であり」と、ここで具体的に再発防止とか自立に至るまでの総合的な支援の 点ということで、方法論が書かれていますので、この方法論の前に虐待対策の理念とし て、今、申し上げたことを入れていただけたらどうかというふうに思います。 ○柏女委員長  方法論の前に、重大な権利侵害であり、その回復に当たっての考え方、その子どもの 最善の利益という視点を入れていくということでしょうか。 ○才村委員  はい、そうですね。 ○柏女委員長  事務局の方、大丈夫でしょうか。 ○古川委員  その防止に向けた施策を推進するに当たっては、虐待された子どもの福祉を最優先し て社会全体で取り組むべき課題といった感じでございましょうか。 ○才村委員  はい。 ○松原副委員長  そうしたら、才村委員、こういう理解でいいでしょうか。2行目のところで「取り組 むべき課題との認識に立ち、」になっていますけれども、ここを「立つ必要がある。」 で締めておいて、この認識に立って、その政策を実施するに当たっては、虐待を受けた 子どもの福祉を最優先させる方向で推進すべきであると。また切って、何か接続詞を入 れて、もとの文章、「児童虐待を予防し」に戻るという形でよろしいですか。  では、第1段落のところを修正ということで。 ○柏女委員長  それでは、今のような松原副委員長の発言のような形での御修正を御検討ください。  ほかにはいかがでしょうか。西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  議論の経過を聞いていて、1つは、もう削除するかもしれないという「落ち着きつつ あるもの」というのは、やはり認識としては虐待が実際に数として落ち着いたんだけど、 質的には大変だという認識とともに、数も天井効果かもしれないという認識もあると思 うので、そこは慎重にしていただくということだと思います。  もう一つ、奥山先生が言われたことについて、柳田先生が言われたのが重なってしま って、危機意識があるんだということがただ10倍、20倍になってしまったからというよ うな感じになっているので、それで了解されたような気がして、やはりもっとシステム 全体を脅かしているということはきちっと認識しているということを入れておかないと いけないんじゃないかと。  それから、影山先生が言われたことについての家族の再統合と家族機能の再生、私も 賛成ですが、ただ文言として家族の機能再生ってぼんと出てしまうと、意味がよくわか らぬなというのがあって、これは1回どこかでも誤認があった経過があったので、どこ か解説的に入れておく必要があるんじゃないかという、言葉の上で、というふうに思い ました。 以上です。 ○柏女委員長  それでは、そうした意見も踏まえて御修正をお願いしたいと思います。  今、西澤委員の方からありましたように、この虐待問題というのがシステムの在り方 全体を脅かしているということについては、当然この報告書が児童相談所や市町村の在 り方をもう一回検討するべきだとか、あるいは社会的擁護の在り方を検討するべきだと いう提言をしているのと機を一にしているといいましょうか、だからこそそのシステム 全体が問題になっているという問題意識は我々の中にはあるということでありますから、 それを表現していくのはいいというふうに思います。  よろしいでしょうか。それでは、各論に入ってまいりたいと思います。2ページから 5ページの上のところまで、I.の「発生予防における取り組み」、これにつきまして 何か意見ございますでしょうか。  奥山委員、どうぞ。 ○奥山委員  2ページのところなんですけれども、2つ指摘をさせていただきたいと思うんですけ れども、一番最初の上の「世代間連鎖なども引き起こすと言われており」というところ、 ここかなり議論のあるところだと思うんです。私自身は世代間連鎖は大きいと思ってい ますけれども、やはりここは気を付けて表現するという意味では、「引き起こすことも あると言われており」とか、「引き起こす危険があると言われており」とかという表現 の方が、勿論全員が連鎖していくわけではないですから、ここはその方がいいんではな いかというふうに思います。  それから、もう一つ段落の最後のところ、「しかし現実問題として人的資源等に限り がある」というこの全体なんですけれども、後で「専門的支援については」と入っては いるんですけれども、何か支援を望む人に幅広くは切り捨てるんだというイメージが持 たれやすい文章で、誤解を生むんではないかというふうに思うんです。  本当に人的資源に本当に限りがあるのかどうかも問題です。つまり人的資源といった ときにはNPOとかそういうものも人的資源ですから、そういう意味では専門的な人的 な資源には限界はあるよと、だけれどもいろんなところとネットワークを組んでいくこ とによって幅広く確保しながら、かつもっと専門的にやるんだという辺りの文章になっ た方が、誤解が少ないのではないかと思います。 ○柏女委員長  第1点目については、おっしゃるとおりだと思います。  2点目については、いかがでしょう。事務局の方で何か御意見ございますか。これは 前回も議論があったところで、私の方から象徴的な意味合いで、そちらを支援を望む人 に幅広く、では幅広くしないのかということではなく、そういう広く薄くという点も大 事にしながら、それととも支援を必要とする人によりきめ細かくする、つまり例えば健 診に来られない、あるいは来ない方々、その方々に対してもより専門的に手を差し伸べ ていく必要があるんじゃないかということで、言わば象徴的な表現として用いられてい るということを申し上げたと思います。 ○奥山委員  だとすると、「から」というところを「のみならず」ということになるんだと思うん です。 ○柏女委員長  この辺いかがでしょうか、事務局の方で何か御意見ございますでしょうか。 ○古川室長  予防チームの認識にかかわる部分でありますので佐藤座長にお話をいただければと思 います。 ○佐藤委員  のみならずですと、やはり幅広いのもあると思います。どちらかというと軸足をこち らに移してという視点の方が正しいと思いますので、これまでの支援を望む人に幅広く という視点を持ちつつも、軸足を支援を必要とする人によりきめ細かくとか、そういう ようにもたっとした表現ですけれども、直していただけたらと思います。 ○柏女委員長  ここのところは、ワーキングチームの第1チームのところからの御意見ということな ので、佐藤委員の方に御発言いただきましたけれども、関連して、奥山さん、どうぞ。 ○奥山委員  そこのところなんですけれども、要するに、これは発生予防全体の書き方の中で、専 門的な人的な資源としては軸足を移す、それはわかるんですけれども、もっと幅広くい ろいろな人的資源を開発していくんだということもあるわけですね。そこが全体の取り 組みとして1行入っていた方がいいのではないかと思います。上に保健、医療、福祉と の連携というのが書いてあるんですけれども、もう少し一般のNPOや何かとも連携し ていくという辺りのところを1行入れた方が、そういう意味ではわかりいいんではない かと思います。 ○柏女委員長  よろしいでしょうか。それでは、影山委員、どうぞ。 ○影山委員  今と同じところです。人的資源に限りがある中でという言葉の頭についてこの表現が あるものですから、これは素直に読むと人的資源には限りがあるので、余り幅広く幾ら 望んだって、客観的に見て余り危険性もないよという人は切り捨てていいんじゃないか と。それよりもむしろ本人は望んで来なくても、虐待親なんかだと自らは支援なんか望 んでは来ないような人ほど支援が必要な人もいるので、そういう人にピンポイントで限 られた支援人材を登用していこうというふうな考え方でいこうじゃないかと提案してい ると読めます。  でも、議論を聞いていますと、いや決してそういう趣旨ではないと、望む方を切り捨 てるという意味ではないですよと。ただ、もっと有効に力を入れていきましょうという ことを言っているということですので、この辺りの表現はやはりうまく誤解を受けない ように書いていただいた方がよろしいかなと思います。 ○柏女委員長  そうしますと、ここは専門的支援についてはということで、NPO等々の支援という のはちょっと置いていたんですけれども、分けておられたんだと思いますけれども、や はりちょっとわかりにくいという、誤解を招く可能性があるということですので、支援 を望む人に幅広く、のみならずといったような少し両方とも大事ですよという表現に変 えることを御検討いただくという形にしたいと思います。  ほかにはいかがでしょうか。  どうぞ。 ○西澤委員  私の理解力がないからかもしれないですけれども、2段落目の、また養育問題があり、 いったん特段に援助が必要な状態云々ということで、この養育問題というのが浮き立っ てしまっているような気がして、何を意味しているのかよくわからないなというふうに 思ったんですが、それはいかがでしょうか。 ○柏女委員長  この辺はいかがですか。 ○佐藤委員  前提があって養育問題が出てきたのが、こういうようにとりまとめてしまうと、これ がこういう報告書の書き方になるときの気を付けなければならない点だと思うんですけ れども、確かに今までの話の前提があって養育問題というのが第1チームの方ではイメ ージができていたのですが、これだけの言葉が出てくると確かにわかりにくいと思いま すので、ここのところを少しわかりやすく直していくように事務局と検討したいと思い ます。 ○柏女委員長  これは養育問題があるためというのを削除しても大きなことではないと。 ○佐藤委員  そうですね。 ○柏女委員長  そのような形でいかがでしょうか。ほかにはいかがでしょうか。3ページ以降。  影山委員、どうぞ。 ○影山委員  2ページでございます。今後の課題で、「男性の働き方の見直しや子育ては楽しいと 思える」、このくだりなんですが、男性の働き方の見直しと、子育ては楽しいと思える、 希望を持てる教育の充実というのは多分違うことをここでとりまとめて書いているんだ と思うんですが、少なくとも子育ては楽しいと思える。希望を持てる教育の充実という 課題は、必ずしも今後の課題ではなくて、今できる具体的な取り組みと言えなくもない のではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 ○柏女委員長  これは、ここに整理をしたというのは何かありますか。 ○古川室長  教育そのものの在り方という話は極めて大きなテーマであるということで、ここに記 述させていただいたということでございます。 ○柏女委員長  勿論、その「具体的な取り組みに関する意見・提案」のところに入れてもいいでしょ うけれども、今の事務局の話ですと教育全体の在り方ということもあるので、こちらの 今後の課題のところに振り向けたということなんですが。 ○影山委員  この厚生労働省関係の委員会の報告書という性格上、どうしても他の省庁に関わる部 分に関しては、余りこういう整理をしてしまうような部分があるかと思いますが、「今 後の課題」というところで整理をしていくと、専門委員会としてはこれはそう急いでや らなくてもいいとか、あるいは今すぐにはできないことではないかというふうに考えた というふうに取られると思うんです。  子育ては楽しいと思えるような教育というのは、お金がかかることではございません ので、皆さんが意識をして日々の教育実践の中で取り上げていけばすぐにでもできるよ うなことではないかと思いますから、可能なところで是非実践をしてくださいねという 意味で委員会として具体的な取り組みの提案というふうにしてよろしいのではないかと 思っているんですが。 ○柏女委員長  いかがでしょうか、今、御意見が出ましたけれども。特に御異論がなければ、そのよ うな方向で。  どうぞ。 ○松原副委員長  私は「今後の課題」のところ置いておいた方がいいなと思うのは、上の方は比較的に 具体的な提案が出ていまして、子育てを楽しいと思える、希望を持てる教育、それが何 なのか、例えば都の方で学校で親用教育をしようとか、いろいろ具体的な提案が出てい ますけれども、その教育の中のプログラムのところまで第1の分科会の中でお話が出た かどうか、なかなか出ないとすれば、やはりそこが、勿論この検討会の中でもそういう こと、あるいはこういうものが虐待に関するこういう委員会、あるいは児童部会の中で 議論されていくときにここはすごく大切なところなので、きちっと議論をした方がいい ところだと思いますし、大切なところだと思うんですけれども、もう少しその辺が第1 分科会で、具体的なプログラムがもし出ていないのであれば、むしろ検討課題の方に置 いておいた方がいいかなと思うんですか。 ○佐藤委員  議論の中では、上の意見・提案ほどは出てこなかったというところで、深められてお りません。ということで、課題の方に挙げさせていただいたということです。 ○柏女委員長  関連してどうぞ。 ○柳田委員  今、お話が出ておりますが、私はここは大事なところだと思うんです。やはり日本の 独特の子育て文化というのがあります。昔は子に勝れる宝なしというようなことわざと かあったんですが、現代の時代は暗いことばかりで、子育てが楽しいと思えるような情 勢になっていないと、やはりそこを学校教育でしっかり教育していくことで大分改善が できてくるんじゃないかということで、教育に関しては非常に重大だと思っています。 ○柏女委員長  今そういう意見がありましたけれども、十分なディスカッションがワーキングチーム では行われなかったけれども、でも大切な視点であることには間違いがないということ では一致をみているようでありますので、できましたらこの今後の課題のところに入れ ていただいて、これは児童部会の重要な論点の整理がされておりますが、今後検討して いくべき論点整理が児童部会でなされておりますが、その中にも入っておりますので、 これらはやはり今後児童部会に引き継ぎながら議論をしていかなければならない視点だ というふうに思いますので、「今後の課題」のところに是非置かせていただいて、そし て今後につなげていった方がいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。よろ しゅうございますでしょうか。  それでは、ほかにはいかがでしょうか。どうぞ。 ○西澤委員  細かいことかもしれませんが、4ページの上から数行目、「今後の課題」「精神保健 福祉との連携強化」という、これもまた何でここに入っているんだろう、今後 の課題なんだろうか、まだ十分に検討されてないからだということで理解したとして、 何かちょっとしっくりこないのは、精神医療による予防的アプローチというのが、そん なのあるのかなということで、やはり精神保健だろうという気がします。  それから、あくまでも医療モデルだなと思ったのは、「子どもと養育者を共に診てい く」の診てがこの字ではないだろうと思いますので、これは医者がつくったものだなと 思った次第です。 ○柏女委員長  よろしいでしょうか。では、今の御意見を踏まえて御訂正をお願いいたします。  ほかにはいかがでしょうか。  特になければ、時間の関係もございますので、第2の方に移りたいと思います。  どうぞ。 ○奥山委員  佐藤委員がよければいいんだと思うんですけれども、ここのところは精神医療の中に 組み込めよという意識なのか、それとも精神保健の段階でもうちょっとちゃんとやって よという意識なのか、それによって診るもこの字でいいのかもしれない。 ○西澤委員  もともとこの診るというのはないわけだから、医療造語だから。 ○奥山委員  だから、医療がもうちょっとしっかりしろよという意味じゃないですか。そこのとこ ろがちょっとわからなかったので。 ○佐藤委員  これは、田中委員の方が意見があるかなと思うんですけれども、診るという字は、精 神科医療に来るお母さん方の中には、こんないろいろな問題を持っている人たちがいて、 医療がもう少し気がついたならば、予防的なところにつなげてくれたならば、もっと効 果的に進めていくことができるんではないかという意見があったので、こういうふうに 書いたわけです。確かに医療による予防的アプローチというと、一挙に飛び超えて誤解 をされかねないようなイメージもありますので、これは田中委員と一緒に精神医療の場 から保健とか予防的なアプローチにつなぐような工夫をしていくとか、そういうように 変えさせていただきます。 ○柏女委員長  よろしいですか。西澤委員よろしいですか。 ○西澤委員  ちょっと危惧したのは、精神医療の過剰な関与があって、28条ケースなんかで後々苦 労するということがあったので、済みません、そういう指摘をさせていただきました。 ○柏女委員長  それでは、影山委員どうぞ。 ○影山委員  こういう体裁を取ってしまうので、すごく今後もいろんなところで全部危険だと思う んです。本当に1行か2行でまとめられてしまって、前後の文脈がないわけです。こう いう流れの中で、こういう考えに基づいて、こういうことを提案しているんだよという ことが書かれていないものですから、それは推測してくださいみたいな、かなり不親切 な報告書になっていると思うんです。ころっと書いてしまうと、読む人によっていろん な受け取り方をされてしまう。そういう危険のある誤解を受けそうな項目に関しては、 若干文章がその部分だけ長くなってしまってもやむを得ないので、少し丁寧に、こうい う意図なんですよと誤解を受けないような表現を是非各項目で工夫していただければと 思います。 ただそれだけです。 ○柏女委員長  はい、わかりました。ほかにはございますでしょうか。どうぞ。 ○奥山委員  そういう意味で、余り長くなり過ぎるようでしたら、後ろの表のところの何ページ参 照とか、少しレファレンスを付けるとわかりよいかもしれません。例えば、確かに横表 の5ページのところに精神保健福祉との連携強化の中に精神科医療ではということが書 かれていて、そこにつながってくるんだと思うんですけれども、さっき影山委員がおっ しゃるように、1行ぽこんと出ていると非常にわかりずらくなってしまいます。もしこ れを付けるんだとしたら、何かわかりずらいところは参照していただけるような何かを 付けるという方がいいのかなと思います。 ○柏女委員長  そのためもあってこの論点事項というのが4枚とじのものでしょうか、それぞれ報告 書と、それから要旨を突合させるような論点事項という形で、こういう点について幅広 く議論をしましたというものを付けようかというふうに考えていたんですけれども、何 ページ参照とやると、ちょっと煩瑣になってしまう、論文になってしまうような気がす るものですから。 ○松原副委員長  少し丁寧に書くと。 ○柏女委員長  そうですね、少し丁寧に書くような形で誤解を生みそうなところは少し丁寧に書くと いう形で報告書をつくっていきたいと思いますが、よろしいでしょうか。  それでは、5ページ以降の「II.早期発見・早期対応における取り組み」というとこ ろについて9ページまでですが、何かございましたらお願いしたいと思います。 ○奥山委員  その前に、まだ4ページのところで、やはり「今後の課題」のところにNPOに対す るバックアップ体制というのは、これはもう少し緊急に取り組んでいく課題の1つでは ないかなというふうに思うんですけれども、やはり今後もっと時間をかけてという感じ なんでしょうか。 ○柏女委員長  「取り組みの方向性」のところで、2行目に民間の相談機関も含めた機動力のある連 携体制を組むという形で、念頭には入れてあるということです。 ○奥山委員  なおさら、下に行くより、意見・提案のところではないかなというふうに思ったんで すけれども。 ○柏女委員長  なるほど意見・提案のところの3つ目NPOなどの連携しかないので、バックアップ というところがないので、そこをバックアップという部分を上のところへ持っていった らどうだろうかという御意見ですね。 ○奥山委員  はい。 ○柏女委員長  わかりました。ほかにはいかがでしょうか。どうぞ。 ○田中委員  先ほどの精神保健云々のところもそうなんですけれども、きっと具体的な取り組みと いうのが、短期で短いスパンでできることで、今後の課題が長い目でということになる と、両方にNPOなどのバックアップ体制、ネットワーク機能というのを重ねて置いて おいた方が、きっと長期的にもよりいいんだろうということで、二股に書かれていたん だろうというふうに理解をしています。  先ほどの精神保健福祉との連携強化により云々というのは、確かに3つの文章が重な っているんです。精神保健福祉の連携強化というものと、精神医療により予防的なアプ ローチ、あるいはより深刻にならないようなところでのせめぎ合いができないかという 文章と、医療モデルであれば子どもと養育者をともに見ていくという、これが1つの文 章になっていくので、こういうことになっていくのかなというふうな感想を一応持ちま したので、その辺をこれからまた読みやすいものにしていくのに、ちょっとすごい時間 をかけることになるのかななんていうふうに思って聞いていましたけれども。 ○柏女委員長  ありがとうございました。時間の関係もあって、2部の方に入りたいなという思いが あるんですけれども、よろしゅうございますでしょうか。  それでは、才村委員どうぞ。 ○才村委員  6ページの上から2行目になると思うんですけれども、児童相談所の相談業務におけ る対応の強化を図るため、スーパーバイズ機能の強化や職員の増員が必要というところ でございます。  対応の強化を図るためというふうにさらっと触れられているわけですけれども、特に これから児童相談所に強く求められるのが、家族再統合や、それこそ先ほど影山先生が おっしゃったように、家族機能の再建に向けた保護者援助、更には里親への支援の強化 などです。こういったことが今後児童相談所にますます求められていくだろうと。  しかし、現状の職員体制では、通告への初期対応に追われて、親子分離後のケアにま でなかなか手が回らないという実情がございます。  また、司法関与により、保護者の援助への動機づけが高まるということも期待されま すし、これにきちんと対応するためにも職員体制の強化が不可欠ではないかというふう に考えます。  また、社会的養護の小規模化に伴いまして、今後、里親委託の増加も期待されるわけ です。里親制度がうまく機能するかどうかは、ひとえに児相とか施設のバックアップに かかっているんではないかというふうに思います。  そういう考え方を踏まえまして、具体的に児童相談所の相談業務における対応の強化 の後に、とりわけ家族再統合や家族機能の再建に向けた保護者援助、里親への支援の強 化を図る必要があり、このためにもスーパーバイズ機能の強化や職員の増加が必要とし ていただけないかということでございます。  私は、第2検討チームにいて、今更こういうことを申し上げるのは非常に心苦しいで すが。  それと、ちょっと申し訳ないですが、私この辺で退席いただかないといけないので、 あともう一点だけお願いしたいと思います。  同じところで、●の3つ上でございますが、家庭児童相談室の家庭相談員の常勤化を 促進というところでございます。これはこれで非常に結構かと思うんですが、やはり家 庭児童相談室の在り方や位置づけについても見直すべき時期に来ているんではないかな というふうに思います。  現在、家児相は、福祉事務所に設置することになっていますので、都道府県設置の家 児相と市設置の家児相がございます。  これは、柏女先生も何年か前に調査されているんですが、特に都道府県設置の家児相 は、非常に管轄エリアが広域ですので、地域に密着したきめ細かな支援という家児相本 来の趣旨が十分反映し切れていないということを先生の方も御指摘されていたというふ うに思います。  したがいまして、今ある都道府県設置の家児相は、町村設置とすべきではないかとい うふうに思います。ただし効率性、専門性の問題がございますので、各町村に家児相を 設置するのは無理があるのかなということも考えられますので、例えば一部事務組合に よる設置とするのか、また家児相業務を他の適切な機関に委託するということも考えら れていいんではないかというふうに思います。  いずれにしましても、児童相談所の業務の一部移譲も含めた相談体系の在り方議論の 中で家児相の在り方についても検討していく必要があるんではないかというふうに思い ます。  この報告書の中では、具体的に家庭児童相談所の在り方についても検討が必要という 文言を入れていただけたらありがたいなというふうに思います。  以上です。 ○柏女委員長  ありがとうございました。6ページの2行目のところに一文の追加、更には●の上2 つ目、家庭児童相談室のところについて、その在り方についての見直しについて御意見 をいただきました。ありがとうございました。  それでは、影山委員お願いします。 ○影山委員  5ページに戻ります。四角の中というのは、大変重要だというふうに思いますので、 御意見を申し上げます。  5ページの四角の中の「取り組みの方向性」ですけれども、これの最初の5行です。 対応し切れていないので、業務を単に委託するとスリム化を図る必要があるんではない でしょうかという趣旨が書かれておりますけれども、後ろの方の意見の中では、まさに 今、才村委員も指摘されたように、職員の増員が必要だということも書かれております。  この四角の中のこの文章だけを読むと、児童相談所はある意味ではスリム化していっ て、むしろ縮小してもいいんではないかというふうに誤解を受けてはまずい。やるべき ことはたくさんありますし、むしろ職員は増やさなければいけないのではないかという のが委員会の意見ではないかと思いますので、例えば職員の増員を図りつつという言葉 をどこかにうまく入れていただくなりして、児童相談所は、縮小化していくんだという ふうな意見なんだというふうに誤解を受けないような表現にしていただければと思いま す。 ○柏女委員長  ありがとうございました。貴重な御指摘ではないかと思います。  ほかにはいかがでしょうか。 ○西澤委員  細かいこともあるんですが、1つは、これは全体を通じてなんですけれども、やはり つい気になるのは、指導という言葉が強い、子どもへの指導だとか、親指導だとか、ち ょっと高みに立った言葉だなと。場所によってはケアとか援助、支援という言葉が使わ れているので、できるだけそちらの方に言葉は統一していった方がいいんじゃないかと いうふうには思っています。これは意見です。  それから、言葉へのこだわりではないんですが、6ページの上の方に介入的ソーシャ ルワークと、松原先生、こんな言葉はソーシャルワークの中にあるんですかね。ソーシ ャルワークにおける介入的技法というような言い方だとまだわかるんですが、介入的ソ ーシャルワークというのはいかがなものかと思います。  それと文章をスリム化した結果、すごい誤解が起こるなと思いました。「児童相談所、 児童福祉司の必置規制の撤廃」についての記述がいきなり出てきますので、これは地方 分権の流れですよね。その文脈性がないと、何かこれが全面に出てしまうような気がし て、何か怖いなと思いました。  それから数行下の主任児童委員が児童虐待防止に関する活動を単独で行うことができ るようにと、一体何をするんだろうと私は思ってしまうので、先ほどから私も学習した ので、こっちを見たらよりわかるんだと思って見てみたら同じ文章しかなかった。これ は議論の背景が見えないと、一人歩きすると何かなというのはあります。  たくさん言って申し訳ないんですが、1つこれは質問なんですけれども、最初に郵送 でもらっていた文には、7ページのところに児童虐待の通告義務の対象を児童虐待を受 けた児童のみならず、児童虐待を受けているおそれがある児童を含めることが、これは ちょっと文言が変だなと思いつつも、それを含めてくれたのに対して、今回の方は、そ の部分が更に改定されていて、広く柔軟に解釈して運用することが適当となって、ちょ っと後退ぎみかなと思っていますので、多分その理由としては、「おそれ」というのを 幅広く解釈されたら困るとか、いろいろあったんだろうと思うんですが、例えばアメリ カの条文なんかだと、専門家としての合理的判断でおそれがあると認めた場合みたいな、 そういった枠をかけているので、そういったことも可能なのかなと思ったんですが、そ の辺はいかがでしょうかという意見と質問とも取り混ぜてのことです。 ○柏女委員長  それでは、最後の質問の部分は何かありますか。 ○古川室長  虐待防止法上、おそれというものが明確に書き分けがされているということがありま して、通告対象者として、おそれのある者まで法律上の解釈として明確に言えるかどう かという議論があったということが前提としてあります。  私どもといたしましては、幅広く通報するようにお願いしますと自治体に対しても申 し上げていますし、その意味で解釈については異論はないのですが、法文上との整理と の関係からこのような表現をさせていただいたということです。幅広な通告という意味 を込めて広く、柔軟にという表現になっているということでございます。 ○西澤委員  はい、了解しました。 ○柏女委員長  あと御意見の方でありました、例えば6ページの上から4つ目のところでしょうか、 必置規制の撤廃、あるいはその下の中核市における児相の設置とか、これらについては 幾つか、さまざまなところからの意見があることを踏まえての意見ということですけれ ども、それが入っていないので誤解を招くだろうということの御意見だと思いますので、 これも先ほど同じように、こういうものについてはわかりやすく修文するという形にし たいということでございます。 ○西澤委員  ちょっと教えてほしいんですけれども、主任児童委員が単独で活動できるというのは、 どういう意味でこれが入っているのかよくわからないんですが。 ○柏女委員長  これについてはいかがですか。津崎委員どうぞ。 ○津崎委員  現在の主任児童委員の活動は、基本原則は単独で活動するのではなくて、既存の民生 委員さん、既存の児童委員さんの連絡調整みたいなものが主になっていて、そこを抜き に動けないような仕組みがどうも一般的なんです。  だから、児童委員さんが独自にケースを持って、活動するということがかなりしにく くなっている様子がある。だから自分たちはケースを持って動くことができにくいんだ というふうに思われている主任児童委員がかなりあって、そこにもう少し活動が自由に できるような形にならないと、主任児童委員さんをかなり増員していただいているんで すが、実際上の虐待に関わる役割を果していくことができにくいという、そういう事情 を反映してこういう表現になっているということです。 ○柏女委員長  よろしいでしょうか。 ○西澤委員  これを読んだ人は、そういうことは多分だれもわからないと思いますよ。もう少し何 か解説的に書かないと、意味がわからないんではないかなと思って、多分私らもよくわ からないですね、これを聞いても。 ○津崎委員  だから、それを言い出すと、その部分がよくわかっている人は、この表現でわかりま すけれども、ほかの門外漢の人からすると、この表現ではわからないというのが、あち こちいっぱい出てくる。 ○西澤委員  確かにそうなんですけれども。 ○津崎委員  また最初の議論になって、かなりの説明も加えた分厚い報告書になってしまうから、 その辺をどういう形の報告書なのかという基本的スタンスのところでかえってしまうと いうことです。 ○西澤委員  報告書の読み方集みたいなもの。 ○影山委員  一応括弧して、例えば現在、主任児童委員は児福法第何条によって、児童委員に対す る連絡調整しかできないことになっているのでとか、何か表現を入れれば少しはわかる ようになるかもしれません。 ○柏女委員長  はい、ほかのところと同じように工夫を若干していただくという形になろうかと思い ます。よろしくお願いいたします。  影山委員どうぞ。 ○影山委員  済みません、少しまとめて幾つか申し上げたいんですが、まず、5ページに下から3 つ目のポツなんですが、一時保護所における混合処遇のことが書いてあります。できま したらここに、一時保護所の教育の充実というふうな表現も入れていただければという ふうに思います。  6ページ目でございますが、ときどき慎重に検討することが必要とか、検討とか、更 に検討とか、この具体的な取り組みの意見、提案に関しては、検討に修飾語がいろいろ 分かれて書かれているんですか、これは何か意味があるのかどうか。  例えば、6ページ目の上から幾つか目のところで、必置規制の撤廃に関しては、慎重 に検討することが必要だと書いてありますし、慎重にと書いてあると、例えば専門委員 会の意見としては、これは余りしなくていいよというふうに読むのか、この辺りは何か 意味があるのかどうかは質問させていただきたいなと思います。  それから6ページ目の四角の中ですが、民間団体との連携を図るくだりなんですが、 公的機関とは異なる配慮が必要であると書いてあります。何となくわかるんですけれど も、四角の中は大変重要だというふうに考えますと、この意味とは一体何なのかなと。 民間団体との連携強化を図るときに、公的機関とは異なる配慮が必要であると一言ぽん と書いてあると、一体何を専門委員会として言おうとしているかが、ちょっとわかりず らいんではないかなというふうに思います。  それから、7ページ目ですけれども、こちらまでいってしまってよろしいんですか。 ○柏女委員長  はい、構いません。 ○影山委員  四角の中です。「○一時保護」のところなんですけれども「人権に十分配慮した現行 制度の運用を図ることとし」という表現なんですが、この人権に十分配慮したという修 飾語がどこにかかるのか。つまり、現行制度にかかるのか運用にかかるのかがわかりに くいんです。恐らく現行制度は人権に十分配慮しているというふうには私は余り言えな いのではないかと思いますので、人権に十分配慮して、現行制度の運用を図るというふ うな表現がよろしいんではないかと思います。  先ほどの質問に関わるんですが、ここに慎重な検討が必要であると書いてあるんです が、慎重なというのがもしも否定的な意味であるとすれば、いかがなものかと思います。 例えば、引き続き検討が必要であるというふうにしていただけたらと思います。  8ページもかなりあるんですが、続けてよろしいでしょうか。 ○柏女委員長  出していただいた方がいいと思いますので、お願いします。 ○影山委員  では、8ページに関しての御意見を申し上げます。  まず、具体的な取り組みに関する意見・提案、これは指摘ではなく提案ということだ そうですけれども、その1つ目です。立入調査ですけれども「鍵を壊してでも確認する 緊急性が認められる場合は」というのは、そういう場合は警察官職務執行法の対応が可 能であるというふうに断定的に書かれておりますけれども、警職法で中に入る要件とい うのは、かぎを壊してでも確認する緊急性が認められる場合という要件ではございませ んので、緊急性が認められる場合、押しなべてすべて警職法で対応が可能であるかのよ うな表現は誤解を招くと思います。対応が可能な場合があるという程度かと思います。  それ以外の場合「裁判所が命令を出せるかについてはプライバシー保護との関係で疑 問」と言い切ってしまっておりますけれども、これも言葉足らずでございまして、疑問 があるので慎重な検討が必要であるというふうな表現の方がいいのではないかと思いま す。  2つ目のポツなんですけれども「親子が一緒に住める権利を行政機関の判断のみで行 うことは」と書いてありますけれども、親子が一緒に住める権利を奪うことを行政機関 の判断のみで行うことはという表現の方がわかりやすいかなと思います。  次のポツなんですけれども、一時保護処分について、司法が事前に審査することにな ればと、事前にという言葉を入れた方がいいと思います。事後審査であれば緊急性が損 われるということはないわけですから、事前に審査することになればという表現に変え た方がいいと思います。  真ん中ぐらいになりますけれども「入所措置の期限については、ある程度の年限で、 一律としないと裁判所の承認にかかる要件の設定が困難である」というふうにまとめら れておりますけれども、これは青木委員もあるいは御意見があるかもしれませんが、こ この部分はいろんな意見が第2チームではあった部分でして、この意見で例えば専門委 員会が意見をとりまとめたというのは、いかがなものかなと私は認識しております。  確かに、困難であるという意見もございましたけれども、一方においてケースごとに 年限を決める方が望ましいのではないかという意見もございましたけれども、例えば委 員会のとりまとめとしては、この部分では両論併記をしておいた方がいいのではないか なと思います。  済みません随分たくさん申し上げましたけれども。 ○柏女委員長  ありがとうございます。今、幾つか具体的な御意見が出ておりますが、1つ質問が事 務局の方に出ておりますけれども、慎重に検討、それから検討、更に検討、こうしたと ころについて文言上のことで、何か視点の違いがあるんだろうかということでしたけれ ども、いかがでしょうか。 ○古川室長  その点につきましては、各チームとしての方向性をおまとめいただくこととした訳で すが、方向性としてはそういうことだろうが、さまざまな課題が多いものについては、 更に慎重にと、現実的に直ちに制度化するには難しい点もあるとして様々な意見が出さ れたものについてはそういう表現になっているということでございます。 ○柏女委員長  よろしいでしょうか。それでは、今、いただいたさまざまな御意見、また本に生かし ていただくような形でお願いできればと思います。  青木委員どうぞ。 ○青木委員  報告書の各項目についての整理の仕方について確認のようなことになりますが、四角 の中の取り組みの方向性については、方向性について専門委員会として合意できた事項 であると。  2番目の具体的な取り組みに関する意見提案というのは、必ずしも委員会の中で一致 した意見提案ではなく、各委員からの提案をできるだけ両論併記で拾ってあるものと、 そういう理解でよろしいんですね。 ○古川室長  指摘や意見がすべて委員会としてオーソライズされたものということではなく、この ような議論を踏まえてこのような方向性となったということについてもできる限りわか りやすく示したいという考えで、このように記述をさせていただいているのでございま す。 ○青木委員  したがいまして「具体的な取り組みに関する意見・提案」は、先ほど来からいろいろ 各委員から指摘があるように、要約の仕方で短くまとめてしまったために意を尽くして いないものとか、いろいろあって、そういう意味では項目を一つひとつ洗い出している と、ここは切りがないというふうに考えますので、そういう意味で両論併記されるとい う前提で私は理解しておりますので、その趣旨をお含みおきいただければというふうに 思います。 ○柏女委員長  奥山委員どうぞ。 ○奥山委員  そういう意味では、この意見のところが、ほとんどの委員たちが一致した意見のとこ ろも結構あることはあるわけですね。それからこういういくつかの異なる意見が出て、 今のところは検討にしましょうというところに落ち着いたというのもあるわけですね。 その辺がごっちゃになって出てきているので非常にわかりずらいんではないのかなと思 うんです。  特に、第1とか第3のチームなんかは、意見が一致している部分がかなり多いので、 みんなの意見として挙げてもいいようなことが提案のところにかなり書かれている。  ところが、第2のところでは意見のところがかなりいろんな意見が出たと。それをと りまとめるというよりも、今、こういう意見があるから検討していきましょうという結 論に達したと、その辺のところが不明確なので、わかりずらくなっているんではないか なと思います。  少なくとも、やはりの書き方として「可能」とか、「疑問」とかという書き方は余り に乱暴なんではないかなと思うんです。やはり文章として、少なくとも箇条書きでもい いから、やはり文章にはなっていてほしいと思います。疑問という意見が出されたとか、 そういう意見から今後の検討に付されたというような部分がないと全体の1つの文章と してはわかりずらいというふうに思います。  あと、細かいことを1つ聞いていいですか。 ○柏女委員長  今の点について。 ○影山委員  こういう議論は余りしたくなかったので、私は冒頭にこの意見書の体裁、中身に関し て御質問を申し上げたんでけれども、先ほどのお答えいただいた理解では、横長の大き なものは、これはいろんな意見が委員さんからも出されて、それはできるだけ幅広く拾 い上げてとりまとめたもの、そういう意味では、委員会として一致を見た意見ではなく ても、おおむねこんな意見が出ましたと、こういうことでまとめましたというふうに御 説明があったかと思います。  しかし、素案は四角の中も、それから意見・指摘も、これは個別の委員の意見・指摘 ではなくて、あるいは提案ではなくて、委員会としての提案であるというお答えを先ほ どいただいたかと思うんです。委員会としての意見提案であると。そして今後の課題、 委員会として、今後是非こういうことはやってくださいという委員会の意見であると。 そういうふうに素案は、これは委員会としてのとりまとめであると。こういうふうに私 は理解をしましたので、いろいろ意見だ提案だと書いてある部分に関しても、委員会と しておおむねこういう方向で一致した意見となるものだと思いましたので、大変細かく なって失礼かと思いましたが、幾つかの意見を申し上げたと。 ○柏女委員長  私の考えというか、理解を申し上げたいというふうに思いますが、この委員会に私た ちは何を託されたということを12月の時点のことを振り返ってみたいんですけれども、 1つは児童虐待防止法の見直しも含めた児童虐待制度をどうしていったらいいのかとい うことについて、これから各会でさまざまな論議が始まるので、それについての厚生労 働省の方で基本的な考え方や、あるいは論点をまとめておきたいんだということで、実 はこの専門委員会の立ち上げがあったというふうに私は最初に聞いております。  そうしますと、この報告書をとりまとめるときに、この委員会の中でおおむねまとま ったものについては、こういう方向を厚生労働省の方で考えていただけないか、いろん なところからいろんなアプローチがあったり、いろんなところでいろんな取り組みがこ れから起こるわけですけれども、それに対して厚生労働省がこういう基本的な視点で取 り組んでほしいと。それがこの取り組みの方向性ということではないだろうかというふ うに思います。  もう一つ、さまざまな御意見が、これは基本的な方向性ということですが、今度は専 門家としての御意見をいただいた上で、議論がいろんなところから出てくるときに、厚 生労働省として対応していかなければいけない。そのために論点を整理をしていただけ ないだろうかと、その点もあったんだろうというふうに思います。  「具体的な取り組みに関する意見・提案」というのは、言わば論点と言いましょうか、 こういう問題がある、こういう問題があるというようなところを挙げていただくという ようなもので、その中には当然多くの方が一致したものもあれば、あるいは意見の一致 を見なかったものも、特にワーキングチームの2では、それが際立っているということ になるんだろうというふうに思います。  ですから、意見・提案というのは、必ずしもすべての意見が一致をしていなくても、 たまたま第2チームの場合は意見の一致しないところが見られるものですから、それが 出てきたと、こういうことでよろしいのではないかと思うんですが。  しかし、それにしても誤解を招きやすいということは当然ありますので、箇条書きで あるけれども文章にした方がいいということがあるだろうと思いますが、そういう整理 で考えたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ○影山委員  「具体的な取り組みに関する意見・提案」とまとめたところに書いてあることは、こ れは委員会としての意見・提案という意味ではないんですか。 ○柏女委員長  委員会として、こういう意見や提案があります。その中には反対のものも、反対とい うか、相互にちょっと不整合なものも当然入っているわけです。それはそのまま委員会 の意見として、意見では委員会の中にこういう意見もあったという形で、それはそのま まオープンにしてはどうだろうかと、それがいろんなことを検討するときに一定の方向 性を、勿論方向性の出たものはありますけれども、そうではないものについてはこんな 意見とこんな意見があったと、それはそのまま委員会の意見として出しますと、こうい うことでございます。 ○影山委員  つまり、代表的な意見を両論併記するような場合もありますと、それはそういうこと だったらいいと思います。 ○柏女委員長  そういう理解で考えたいと思います。 ○影山委員  そうであれば、例えばここにちょっと書いて、一方の意見だけをすらっと書いてある と、そのまま読めば委員会として一致した意見のようにも読まれてしまう場合がありま すから、やはり誤解を受けないように丁寧にお書きいただいた方がありがたいと思うし、 冒頭御説明がありましたように、読み方に関する説明という部分に関しても、慎重な文 章にしていただければと思います。 ○柏女委員長  今の御提案は、非常に貴重な御意見だと思います。それで文章化していただくときに、 基本的に体言止めというのは誤解を招く可能性があるということで、例えば何々の意見 の方向でほぼ一致を見ているとか、あるいは何々の意見があったとか、これこれが可能 と思われるとか、そういうような末尾を工夫をしていただくような形にできればという ふうに思います。  よろしいでしょうか。 ○西澤委員  済みません、きらわれるのはわかっているんですが、そうするとこれとの関係はどう なるんですか、こっちが出た意見とか、議論になったことを出したんだとしたら、この A3版の存在がよくわからなくなってしまうんですが、こちらがそうではなかったんで すか。 ○柏女委員長  A3版は、いろんな意見が更に重なっているわけですね。ワーキングチームの1、2、 3でもいろんな意見が出ています。更にいろんな意見が出ていますので、それをおおむ ね拾い上げたということになるかと思います。 ○西澤委員  こちらはある程度は統一を見たけれども、まだ十分に全体の統一になっていないもの が含まれているのに対してこっちの方は出た意見で、ある意味取るに足らないものも取 り混ぜてという、そういうことですか。 ○柏女委員長  幅広く取り上げたということになります。 ○奥山委員  そうすると全体としては、比較的みんなが言っていた意見で重要そうなのを取り上げ てきたということですね。 ○柏女委員長  はい、そうです。 ○奥山委員  ただ、重要だけれども意見が対立しているものもこの中に入っているということなの で、対立しているところだけ明確にすれば大体わかるんではないかと思うんですけれど も。 ○影山委員  あとは大体一致していると考えて。 ○西澤委員  この点に関しては、こういう意見と、こういう意見があったというような両論併記で あることを示してほしいなという気はしますけれども。 ○奥山委員  非常に細かい点なんですけれども、診療という言葉が入っていたんですけれども。  6ページですか、これは新しく入ったんですね、前にいただいたのにはなかったんで すけれども、児童虐待を念頭に置いた診療の充実というのが下から4行目にあるんです けれども。児童相談所に関してです。  それで診療機能を全部持っていくというふうに意識されて、わざわざこういうものを 入れられているのか、その辺をちょっと知りたかったんです。診療をするということに なれば、保健所の許可を取って行わなければなりません。 ○柏女委員長  これは何か。 ○津崎委員  これは、児童相談所における医師の役割、あるいは医療的な機能の充実ということを 確立する必要があるだろうということの表現の仕方がこういう言葉になっているんだろ うと思います。 ○奥山委員  少し、医師の機能の充実というふうに変えて、診療という言葉を使わない方が、ここ ではいいんではないかと思います。 ○柏女委員長  わかりました。 ○佐藤委員  1の方からも小児科医の診察等では、虐待も念頭に置いた診察がというような言葉が 出てきていましたので、私はそちらの方から入った言葉かなと思ったんですけれども、 2の方にはトレードされていますけれども、実際は何を示しているかは書き分けていた だく必要があると思います。 ○柏女委員長  それでは、大分時間も押していますが、できれば今日は保護支援関係のところについ ても御意見をいただいた上で、この報告書の今回の議論がもしまとまるようであれば、 あとはいろいろ御意見を伺った上で、今回の委員会を最後にというふうに考えておりま したけれども、さまざまな御意見が出ておりますので、後でまたちょっと御意見を伺い たいと思いますが、もう一度ということもあり得べしかなということを今思っています。  ただ、今回、保護支援等における取り組みのところについても御意見は一応詰めてい ただいておきたいというふうに思いますので、9ページ以降について御意見を賜われば と思います。  影山委員どうぞ。 ○影山委員  9ページでございますけれども、済みません、まだ早期発見、早期対応の部分でござ いますけれども「今後の課題」としてまとめてあることの中に、一番最後の方にも少し まとめてあったのかな、ここがいいのか、あるいは15〜16ページ辺りがいいのかちょっ とわかりませんけれども、例えば親権規定の見直し検討ということ、親権の中にも懲戒 規定とかがございまして、児童虐待とかなり密接に不合理の部分がありますので、親権 規定の見直しに関する課題というのもどこかで入れていただけたらいいかなと思います。  それから、未成年後見人の在り方なんですけれども、例えば法人とか機関、児相長 とか、そういう機関で未成年後見ができるようにすべきではないかという議論もたしか あったかと思います。  この未成年後見人の在り方についても更に今後検討をしていくことが必要であるとい うふうなことも入った方がいいんではないかなと思いますが、いかがでしょうか。 ○柏女委員長  今の御意見につきましては、今日お休みですけれども、吉田委員からも同様の御意見 があったように記憶をしております。今後の課題ということで、そうした視点について も盛り込んでいくということでございます。よろしゅうございますでしょうか。 それ では佐藤委員どうぞ。 ○佐藤委員  14ページの下から2行目なんですけれども「虐待をする保護者は精神病とは異なり」 というところで、精神病にむしろ偏見を抱いているような書きぶりにも読めるところが あるので、虐待をする保護者の心の問題は、これまで一般の精神科医が扱ってこなかっ た問題であるというように素直にしていただいた方がいいのではないかなということが 1点。  それから、16ページ最後ですけれども「IV.虐待防止ネットワークの形成など市町村 における取り組み強化」の2行のところで県だけが出てきているんですが、これは是非 都道府県にしていただきたいということです。  以上です。 ○柏女委員長  ありがとうございます。今の佐藤委員御指摘の件については、今、中座されましたけ れども、田中委員の方からも同様の御意見が出ておりますので、それも後で事務局の方 で調整させていただきたいと思います。  ほかにはいかがでしょうか。川名委員どうぞ。 ○川名委員  11ページなんですが、3行目の施設内虐待を防止する体制のところですけれども、こ れを最初読み始めたときは、職員の子どもに対する虐待かなと思いながら読んだら、途 中から施設内での子どもの行動上の問題となっているので、これは年長の子が年下の子 を虐待するということを言っているんでしょうか、それとも職員のことであれば、この 後半が何かおかしい感じで、職員が子どもたちを虐待するということを扱っているんで あれば、後ろ半分は全然違うことを書かなければいけないはずだと思うんですが。 ○西澤委員  ちょっといいですか、これは多分、子どもの問題があるから、職員がしつけをしよう として過剰に暴力的になってしまうという現場で起こっている問題をそういうふうに理 解して書いておられると思います。  例えば、虐待を受けた子どもは大人を挑発しますし、そういう傾向が出てきてしまい ますし、あるいはかんしゃくを起こし大暴れをしてしまうという、そういう事態でした ら虐待が起こることが多いという認識だろうというふうに思います。 ○影山委員  それはおかしいですね。 ○西澤委員  だからそういう認識だろうと思いますという説明です。現実には、そういう事態で虐 待が起こっていると思うんですが、ただ防止する体制よりも、まずは対策を講じないと いかぬのではないかと、実際に起こった施設内虐待の問題に対してどうするのかという ことがあって、防止するための体制をつくっていくというような2つに分けないといけ ないかなという気がしますけれども。 ○川名委員  いずれにしても読んで何のことかわからないということ。  それから施設の情報公開とか、外部評価という、ちょっとここに下から2つ目の項目 に客観的な評価を進める評価者の養成となっていますが、外部評価の必要性とか、情報 公開の必要性というのはうたっておく必要があるんではないかと思うんですが。 ○柏女委員長  10ページの「取り組みの方向性」の中で、養育サービスの質を維持するための客観的 な評価の確立が必要であるという形で、こちらの方にそのことは盛り込まれているかと 思います。  それと、施設の情報公開の必要性あるいは、今、川名委員から御意見があった外部評 価の必要性等々については、恐らく社会的養護の在り方に関する専門委員会の重要なテ ーマでもあるというふうに思いますので、是非そうした点もつなげていければというふ うに思います。ありがとうございました。  ほかにはいかがでしょうか。  加賀美委員どうぞ。 ○加賀美委員  10ページの「取り組みの方向性」の中で、アセスメントツールの開発というところか ら、いきなり施設のサービスの評価というところにいってしまうのですけれども、この 間に、言ってみればツールの開発に基づく社会的養護の支援のプログラムをどう進める かという体制の問題、つまりシステムづくりの問題をしっかり議論をしてきて、今後の 課題ではあるとしても、いずれにしてもツールの開発ということは、それを具体的な実 践上の課題としてシステム化するかということが一番問題なので、そこも表記をしてお いていただいた方がよかろうかと思います。 ○柏女委員長  ありがとうございます。そのほかにはいかがでしょうか。  奥山委員どうぞ。 ○奥山委員  先ほど来出ている「家族再統合」という言葉ですべて統一されてしまって、在宅ケア のところでも「家族再統合」という形になってしまっているんです。  分離して再統合する家族でなければ家族への支援がないというわけではなくて、在宅 でも家族を支援して、家族の機能を向上させるということがあるわけで、そこのところ の文言を「再統合」だけですませない必要があります。例えば12ページの「●在宅支援 の強化」という中で「取り組みの方向性」の10行目ですか、そこの「家族再統合」とい うところも、やはり「機能の向上」ということを入れてほしいし、13ページの保護者に 対する治療・指導法の確立というときも、「家族再統合を目指した支援を行う観点から 」だけだと、家族再統合は分離して再統合じゃなければ家族に支援がないということに なってしまうので、やはりこれは家族機能の向上を目指した支援を行うということを明 確にすべきです。最後の1行もそうだと思います。プログラム開発に関しても同様だと 思います。  もう一つ、14ページの医療のところで、さっき「精神病」という言葉は問題というの は、確かにそうなんです。ただここで言いたかったのは、どちらかと言うと、精神医療 がこういう問題を扱ってこなかったということを言いたかったので、前半の部分は削っ ていただいた方が確かにいいと思います。  もう一つは、この前議論が出たところで修正がなされていないところだったんですけ れども、「地域に児童精神科の専門医が少ない現状」だけでなくて、「及び低年齢児へ の対応の必要性から小児科医のトレーニングが必要である」ということです。足りない から小児科が必要というだけの問題ではないというところを入れていただいた方がいい というふうに思います。  今のところは以上です。 ○柏女委員長  ありがとうございました。どうぞ。 ○西澤委員  さっき私がよけいなことを言ったので、議論が全然深まらないままにさらっとなって しまって、重要な施設内虐待の問題ですが、やはり1つは施設内虐待への対応をする体 制をつくるということをまずやらないといけないと思うし、予防に関しては、私は自分 の心理のアイデンティティーからそういうふうに言ったんだけれども、でもこれだとな んか子どもの方に問題があるのでという文脈になってしまうので、真意は違うかもしれ ませんが、そう読めてしまうので、やはりこれはケアワーカーの問題だと思うので、そ の部分ははっきり書かれた方がいいかなという気がします。済みません、よけいな口を 挟んだので議論が散逸してしまったことをおわびします。 ○柏女委員長  いや、恐らく皆さんそのようにとらえていたと思います。  ほかにはいかがでしょうか。影山委員どうぞ。 ○影山委員  15ページですが「具体的な取り組みに関する意見・提案」の2つ目、児童虐待の定義 を検討ということで、括弧の中にDVの目的等例が挙げておられますけれども、この括 弧の中のこれだけで、例えばこういう点をしっかり検討する必要がありますということ がわかるかどうか。わかる人は勿論簡単にわかってしまう問題なんですけれども、では どういう方向で考えますかという点も含めて、ちょっとこの括弧だけでは余りにも不親 切なので、もう少し丁寧にやった方がいいんではないか。 ○柏女委員長  その件についてどうぞ。 ○松原副委員長  私もそこは賛成で、どこで発言しようかと思っていたんですが、やはり現場レベルで 言うと、いわゆるDV法の被害者の方が連れているお子さんというのは、かなりオーバ ーラップをしてきますので、そういう女性保護等の分野との連携も検討課題に挙がって いくと思いますので、ここは少し丁寧に書かせていただけたらなというのをどこかで発 言しようかと思っていましたので、影山委員の御意見を伺いまして、どこかに入れられ るように、また事務局と御相談させていただきたいというふうに考えております。  そういう意味では、非常に市町村の役割が重要視されているというのは非常にいい報 告書なんですけれども、DV法だけでは都道府県対応なので、どこかでぽっと落ちてし まっている部分があるので、どこかでそれを入れたいなと思っています。 ○柏女委員長  それでは、加賀美委員どうぞ。 ○加賀美委員  その他のところで、児童虐待防止法の根幹に関わるところで、この虐待という文言に ついてどう考えるかという意見が議論されたということだけは残していただきたいとい うことです。  これは、今後の課題ではありますけれどもそこのところをどうするかというのは、ま さにこれからの日本の虐待防止のシステムづくりの上で非常に重要な意味を持っている ような気がするので、定義のところにくくっているというふうに言われてしまえばそう なんですが、ちょっと違うような気がしまうので。 ○柏女委員長  虐待という文言自体の問題ですね、わかりました。それも含めて、この点を文章化し ていただく形になりますので、詳しく記述をお願いしたいと思います。 ○西澤委員  時間的にどうなんでしょうか。今日、全部出すと考えなければいけないのか、それと ももう一回これは継続審議になるので、今日はもうこの辺でと。 ○柏女委員長  それをできればこの後に御意見を伺いたかったんですが、今、御質問がありましたの で、今の考えではもう一度、この議論は、ここで一応この報告書についての意見は今日 できれば是非いただきたいというふうに思います。  その上で、それを基に過失修正をしていただいたものを持ち回りという形でやるか、 あるいはもう一度ここで開くか、そこについての御意見をいただきたいと思いますが、 この報告書の素案についての御意見については、今回いただければというふうに考えて おります。 ○西澤委員  ちょっと、いろいろあるんで申し訳ないんですが、10ページのところで、一番下にレ スパイトやケアワークを含め、里親を支援するなどというふうにあって、ケアワークと いう文言がよく意味が理解できないというのがあります。  それから、施設内虐待については、先ほどお願いしたことです。  それから、11ページの●の「取り組みの方向性」の一番直下の具体的な取り組みに関 する意見で、いきなりフレックスタイムというのが入っていて、何でだろうというのが 、順番は割と重要度というのがあるような気がするのに、しかもフレックスタイムと言 われても、施設はもう既にそういういろんな勤務体制は引いているんではないかという、 こっちの現場に対する認識の甘さが言われるんではないかということ。  それから、数行下に虐待を受けた子どもを育ててみたいという里親というのは、もう 少し文章を考えられた方が、小学生の作文ではあるまいしという、何か情緒的に混乱を 抱えた子どもたちへの里親に関心のあるとか、何かそういった言葉の方がいいんじゃな いかという気がします。  自分のところだからきちんと一生懸命やろうと思うんだろうと思うんですが、同じよ うなことが12ページの下の「今後の課題」の一番上に、これらをきちんとコーディネー トするというのも、きちんというのも報告書の文言ではないんではないかと思います。  ちょっとそういった細かいことはあれとして、13ページの「今後の課題」のところで、 これはちょっと私は意味がわからないので教えていただければと思うんですが「児童虐 待に関わるアセスメントについては、その方法・技術の開発・普及だけではなく、望ま しいアセスメント実施のための体制の確立に向けた検討が必要。この検討の中では、児 童相談所の一時保護所と児童福祉施設の役割分担が検討されるべき」というのは、アセ スメントを民間の施設に委託するというような考え方なのかというふうに、そういう議 論があったかどうか、私も覚えていないのですが、この文章の意味が取れなかったと思 います。  それから、最後16ページ、もうここまでいっていいんだろうかということで。 ○柏女委員長  構いません。 ○西澤委員  さっき指摘があった児童虐待の定義を検討する中に、私はこの「性的虐待の加害者」 というのが入っているのがどういう意味なのかがよくわからないので教えていただけれ ばありがたいのと。  それから「4.さいごに」のところで、これは本当に意地悪な文言で、「集約すれば 集約される」というのは当たり前だろうみたいな、最後に取り組み全体を貫く考え方を 集約すれば、おおむね以下の4点に集約されるという、ちょっと文章がなという、しょ うがない指摘もしてしまいました。済みませんでした。  以上です。 ○柏女委員長  ありがとうございます。今、幾つかの御指摘をいただきましたが、質問になっていた 点については、何かありますか。 ○奥山委員  前回お話をした「保護者により」という定義がありますね、今の児童虐待防止の。 ○西澤委員  例えば別のところで。 ○奥山委員  つまり、おじさん、おばさんからは性的虐待とは言わないということになってしまっ ている部分です。 ○西澤委員  済みません、ようやく意味がわかりました。これはかなり普通には意味が取れないで すね。 ○奥山委員  それから、さっきの一時保護所と児童福祉施設の役割分担、アセスメントのところで、 これは処遇のためのアセスメントと、ケアのためのアセスメントをどういう形でやって いくのかということがかなり議論されたというところだろうと思いますけれども。 そ ういう意味で、アセスメントの方法と同時にどこでどういうふうにアセスメントをして いくのか。それが例えばある一定期間生活した後に、再アセスメントを一体どこでする のかとか、そういうことも含めて場所としてのシステムの方も考えていくべきであろう ということが議論されたということです。 ○西澤委員  それがこういう文章になったんですか。議論している人間ですらわからないという、 なるほど了解です。 ○佐藤委員  細かいところですけれども、15ページで上の4行目の「今後の課題」のポツの3つ目 の児童精神科医と小児精神科医を書き分ける必要があるのかなということです。 ○奥山委員  2つの言い方があるということです。児童(小児)と。 ○柏女委員長  ありがとうございました。御意見よろしいでしょうか。  影山委員どうぞ。 ○影山委員  11ページの「今後の課題」なんですが、1つ目の児童福祉施設最低基準の改善につい ては、これは昔からずっと言われていたことで、いろんなところで議論する度に今後の 課題、今後の課題と言われ続けて、我々もこういうところで、やはり今後の課題に整理 してしまうと、大変怒られそうな気がして、あえて最後に言っておいた方がいいかなと 思いました。  とは言っても、やはり先ほどの説明だと、この提案にはなかなかなりにくいのかもし れませんので、例えばせめて児童福祉施設最低基準の改善については、早急な検討が必 要とか、今後の課題に入れても結構ですが、何か強調していただければと思います。 ○柏女委員長  ありがとうございます。今、松原員の方から社会的養護の在り方の委員長もされてい ますので、何か御意見ございますでしょうか。 ○松原副委員長  社会的養護の在り方の方でいろんな議論があって、現行の施設最低基準そのものをど うということではなくて、もう少し中長期的には施設の今の種別をどうするかという議 論も出てくるので、今、早急に何かするというよりは、9月までの日程ですから、どの 程度のものが我々の中でできるかわかりませんけれども、そちらも少し待っていただき ながらとも思うんですが。 ○柏女委員長  ここの雰囲気は、影山委員の御意見も皆同じような気持ちだろうとは思いますので、 そこに期待をしたいと思います。  ほかにはいかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。私どもの進行の不手 際で随分時間もオーバーをしてしまいましたが、さて、今後の在り方ということですが、 大きく分けて2つあるかなというふうに思います。  1つは、今日いただいた御意見を踏まえて、事務局の方で鋭意報告書の過失修正を行 っていただいた上で、そしてそれを皆様方にお回しをすると。そしてその上で御意見を いただいたものを、例えば私と松原副委員長の方に御一任をいただいた上で、報告をさ せていただくというやり方が1つあります。  もう一つのやり方は、今日いただいた御意見を踏まえて、報告書を再度過失修正し、 もう一度この場でディスカッションをするというやり方があるわけですけれども、日程 的に言えば、この委員会の立ち上げのときに6月ぐらいまでにということでありますの で、いずれでも大丈夫かなという気はしますけれども、どうでしょうか、どちらのやり 方がよろしいでしょうか。これは委員の皆様方の御意見、あるいは事務局の方で何か御 意見ございますか。よろしいでしょうか。どちらの方法を取らせていただければよろし いでしょうか。○影山委員 可能であれば、もう一度やっていただいたらと思います。 ○柏女委員長  もう一度開催という形でよろしゅうございますでしょうか。皆様方には、お忙しいと ころ、またお集まりをいただくという形になりますけれども、それでは早急に日程調整 等につきまして、事務局の方からまた御案内の連絡をさせていただくような形になるか と思います。  また、事前に報告書の素案につきましてお送りをさせていただくことになろうかと思 いますので、お目とおしをいただきました上で、可能ならば次回は報告書をとりまとめ たいというふうに考えておりますので、是非御協力をお願いしたいと思います。  今日は、渡邊審議官、最初から最後までお付き合いをいただいておりますけれども、 何かごあいさつ等ございましたら。 ○渡邊雇用均等・児童家庭局審議官 ありがとうございます。また次回に。 ○柏女委員長 特にございませんでしょうか。  それから、オブザーバーの方、各省庁の方おいでいただいておりますが、何かござい ますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。  それでは、事務局の方から次回の段取りについて御連絡をお願いしたいと思います。 ○事務局  それでは、先生方の御日程につきまして、早急に連絡させていただきますので、どう ぞよろしくお願いいたします。 ○柏女委員長  それでは、今日の委員会は、これで終わらせていただきたいと思います。 どうもあ りがとうございました。(了) (照会先) 厚生労働省 雇用均等・児童家庭局総務課虐待防止対策室 調整係  03−5253−1111 (内線)7799