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児童虐待防止対策(発生予防)における論点事項に係る意見及び具体的施策等について

検討事項 指摘事項 委員から提出のあった論文等と具体的施策の例
1. 一般の子育て支援
養育者の孤立を防ぐための「場」の確保
 
 ・ 子育て負担軽減のための産後間もない時期からの一般的な取り組みの充実が必要。
 ・ 例えば子育てOB(経験者)が、押し付けではなく、現役の家庭に寄りそうような子育て支援を行うといった民間の支援も必要。
 ・ 子育て支援の取り組みが全国的に様々な形で展開されているが、温度差があるため、地域保健で基本的な方針を定め、保健所と市町村の役割を明確にする等、連携をスムーズに進めるための関係機関の連携システムづくりが必要。
 ・ 乳幼児健診を「疾病や障害の発見の場」に加え、「養育者が相談できる場」として、機能の充実を図る必要がある。「健診は待ち時間も少なく、友達ができ、子どもの状態も見てもらえるこんないいところはない。」といった健診のイメージアップを図ることで、受診率の向上となり、母子保健サービスに出会う機会を増やすことができる。
 ・ 保健センター、保健所等での保健相談体制のPRを図る等、日常的な育児相談に対応する機関としての位置づけを強化することが必要。
 ・ 母親(両親)学級の活用を図り、産後のマタニティーブルーズ等の生理的な変化に伴う、うつ状況への対処法など、産前からの指導や相談体制の充実を図ることが必要。
育児について最も心配だった時期及び手助けが必要だった時期をあとから振り返ると、退院直後から1ヶ月以内だったとする母親が最も多い服部祥子・原田正文「乳幼児の心身発達と環境」(1991年1月)
 ・ 妊婦等を対象に小児科医による育児に関する保健指導を受ける機会を提供し、新生児期からの小児科かかりつけ医を確保し、不安を軽減していくプレネイタル・ビジット事業を、今後積極的に推進していくことが必要。
 ・ 子育てOB(経験者)などのボランティアによる育児支援とそうした支援活動を 専門的にバックアップするため、保育所や児童養護施設の機能を活用。

子育て支援システム改革の必要性
 ・ 学校教育の場においても、子育ては楽しいと思える希望をもてる教育の充実が必要。
 ・ 男性の働き方を見直し、男性も積極的に子育てに関わる視点を持つなど、幅広い観点からの子育て支援の見直しが必要。
産婦人科医・小児科医地域連携事業出産前小児保健指導(プレネイ タル・ビジット)モデル事業結果(中間報告)より
→母親等の意見、要望等(自由記載) 役に立った(77.8%)
平成13年度乳幼児保健講習会 日医雑誌別冊 第128巻 第4号
(P594 表2 妊婦に対するアンケート調査、表3産科医に対するアンケート)

検討事項 指摘事項 委員から提出のあった論文等と具体的施策の例
2. 虐待リスクのある家庭の把握
妊産婦健診、周産期医療、乳幼児健診等を通じて早期に虐待リスクを把握するための母子保健施策の充実
 ・ 各医療機関に委託して実施する個別の乳児健診の場合、健診結果を集約するシステム上、その指導結果が関係機関に届くまでに時間がかかってしまうという問題があり、連携システムを更に検討する必要がある。
 ・ 健診の場での養育者の心理的問題への対応の充実をはかる。
 ・ 健診後の家庭訪問等の次につながる支援体制の充実をはかることで虐待の発生予防および早期対応が可能となる。
 
 ・ 生後1か月未満は、養育者が援助を最も要求している時期であり、さらにマタニティブルーズは産後早期のこの時期に発生する確率が高いこともあり、重点的な取り組みが必要な時期である。
 ・ 虐待を受けた子どもは6ヶ月未満の子どもが多く、この月齢への健診を通した支援必要者への手厚い支援が必要。特に養育者からありがたく訪問が受け止められる時期に保健師等による新生児訪問を充実することで、社会背景や家庭内の状況もわかり、健診に来ない養育者も保健サービスに出会う機会を設けることができる。
 ・ 虐待リスクのある家庭の背景を認識・共有するためにも、虐待の定義やリスクに対する、スティグマに配慮したアセスメント指標等による概念整理が必要。
マタニティ・ブルーズの出現率は30% 中野仁雄 「妊産婦の精神面支援とその効果に関する研究」平成6年度 厚生省心身障害研究報告書
産後うつ病の出現率は12〜17% 北村俊則「妊産期におけるうつ病の出現頻度とその危険要因」平成8年度厚生省心身障害研究報告書
虐待死亡事例のうち乳児死亡は40%(厚生労働省まとめ)

保健活動から把握する被虐待児は6ヶ月未満が35% 小林美智子
「保健医療機関における子どもの虐待の重症度と援助」
2000年3月厚生科学研究報告書
 ・ ハイリスクな家庭というのは子ども、養育者、家庭さまざまな側面がある。全体として養育者、家庭側に対しての注目が多くて、育てにくい子どもということに関する問題がもう少し語られると良い。障害を持っている子や、ディフィカルト
 ・ ベイビー(育てづらいような部分を持っている子)等への対応についても議論が必要。このような子は虐待に結びつく危険性が高いと、特に海外の文献を中心に報告されている。
 
 ・ 複雑な家庭、例えばステップ・ファミリー、内縁関係にあるといった場合に虐待が発生しやすかったり、エスカレートの仕方が早いといったことがあるのではないか。
 ・ 途中から養育者になるということについては、極めてリスクが高い。ステップ・ファミリー等で、最初から子どもがすっと溶け込むと言うことはありえない。退行現象が起こるなどのトラブルを上手く乗り越えられないと、安定した家族関係が形成されず、虐待に移行していくことも多い。新たな家族が生じた場合は、子育てをしていく上で、ハイリスクな家族だという認識を持ちつつ、社会としてのどのような具体的な支援の手だてを取るのかということも重要な課題。
 ・ 途中から養育者になるということについては、極めてリスクが高い。ステップ・ファミリー等で、最初から子どもがすっと溶け込むと言うことはありえない。退行現象が起こるなどのトラブルを上手く乗り越えられないと、安定した家族関係が形成されず、虐待に移行していくことも多い。新たな家族が生じた場合は、子育てをしていく上で、ハイリスクな家族だという認識を持ちつつ、社会としてのどのような具体的な支援の手だてを取るのかということも重要な課題。
 ・ 虐待者であると伝えることが養育者自身のスティグマになりかねない一方で、虐待という告知をすることでその後の対応が見えてくる両面がある。スティグマ性に配慮し、虐待告知に関するリスクアセスメントの方法や、養育者に対する対応を慎重に検討していく必要がある。
 ・ 虐待リスクのある者への支援など、虐待予防に対する保健の取り組みを明記することで、予防的な支援に取り組みやすくなり、リスクのある家庭の把握に向けての積極的取り組みが推進される。

健診未受診家庭への訪問等当該家庭の育児状況を把握
 ・ 虐待死亡事例は、把握に至らない段階での乳児死亡が多いことからも、健診にこられない養育者にはたらきかける方法として、家庭児童相談員や民生委員・児童委員、主任児童委員、保護司等の活用が考えられる。
 ・ サービスを自ら求めない人には以下のような背景があるのではないかと考えられる。どのような人が支援を求めないのか、適切なアセスメントを行った上で、必要に応じきめの細かい対応が必要である。
ア)初期対応に問題があり、支援機関への不信感がある
イ)転居等を繰り返し地域から孤立している
ウ)情報がいき届いていない
エ)子育てに対する個人的哲学・信念をもっている
 ・ 養育者が自ら訴え出なくても、子どもの状況をみて虐待やそのリスク因子が明確 に把握できるようなアセスメントを行い、育児負担感のある養育者に対し必要な 援助を行っていく。

虐待を念頭においた日常診療の実施
 ・ 医師のための虐待予防マニュアル配布や研修会を実施して、すべての医師が日常の診療の中からもリスクのある家庭を把握する視点をもつことが重要。
 ・ 母子健康手帳を活用した悩み等のやり取りを行うことで、産後うつへの取り組みが促進される。
 ・ 産後うつやマタニティーブルーズ等の産後のメンタルヘルスに対する誤解を解く必要がある。また精神科というネーミングに対する拒否感が強く、受診を妨げている。
 ・ 医学教育における取り組みも必要。

リスクアセスメントを行うことで重症度の判断が容易になる。
家庭の背景等、虐待に移行しやすい特異的要因がある。
小林美智子「保健医療機関における子供の虐待の予後と評価」
(2001年3月)

検討事項 指摘事項 委員から提出のあった論文等と具体的施策の例
3. 虐待リスクのある家庭のリスク低減
市町村の役割の強化
 ・ 養育者からの子育て相談は、住民に身近な市町村で対応する。
 ・ 市町村の相談機能の強化を図り、従来の児童相談所の業務を児童虐待のみに特化する等、機能的な役割分担を検討する必要がある。
 ・ 市町村の虐待における相談機能の強化が必要。

保健所と市町村の機能と役割分担
 ・ 地域保健に関する基本指針に虐待に対する役割を具体的に明記することで、保健所と保健センタ−業務・相談窓口の明確化を図る必要がある。しかし、虐待防止ネットワーク等に関しては、地域の実情にあわせた役割分担等の柔軟な運用が必要。
 ・ 多職種がいる機関の利点を生かした保健所の虐待対策における位置づけを明確にすることが重要。
 ・ 保健所においては、市町村における対応事例で処遇困難な者やネットワーク会議におけるコーディネート機能などにおいて市町村を積極的に支援する体制をとるとともに、未熟児・精神保健相談等ですでに関わっている虐待リスクのある家庭に対しては、関係機関の協力のもとに主体的に関与。

虐待リスクのある家庭を支えるサービス等(補償因子)の強化
 ・ 辛い立場にいると思われる養育者を孤立させないためには、地域を知っている職種である保健師・民生児童委員・家庭児童相談員・母子保健推進員等による手厚い支援システムの構築が必要。
 ・ ピアカウンセリング等の手法を用いて、養育者が自らの問題に気づき、虐待を防止するような専門的サポートによるグループワークの充実。
 ・ 支援者が忙しい日々の業務のなかでも知識や技術が同じ水準で維持できるよう、力を維持していく研修が必要。
 ・ 地域子育て支援センターや子育てOB(経験者)、産褥ヘルパー、子育てショートステイ、保育、学童保育、子育て支援メニュー等を、様々な背景因子をもつ虐待リスクのある家庭を支える支援として活用できるように充実。
 ・ DV(配偶者からの暴力)と虐待には深い関わりがあり、DVを無くしていく取り組みが必要。

保健師・助産師・看護師や保育士等の専門職の資質向上と人員の確保
 ・ アセスメントから集中的な支援まで、福祉と医療が合体したケア体制をつくる。
 ・ 地域での支援体制を強化するためには、その中心たる保健師のパワーアップが必要。保健師が家庭訪問等でソーシャルワーカー的な働きをしていくことが必要。
 ・ 自ら訴えでない育児不安感のある養育者に対し、虐待予防へむけた行動観察、家族等(社会資源)の地域で支えてくれる人が近くにいるか等、情報を整理するアセスメント指標の開発が必要。
 ・ リスクアセスメント指標を予防の視点で活用する等、リスクアセスメントに関する考え方の共有化を図るために研修機能・内容の充実・強化が必要。
 
 ・ スティグマに配慮した虐待リスクの把握から支援に至るアセスメント指標を確立することが必要。育児困難度アセスメント指標(案)の提案。
 ・ 保健師等の専門職が、若年・経済問題あり・未婚という対象に妊娠期から2歳まで濃厚にかかわり、生活指導を続けた結果、虐待抑制効果を証明したというアメリカの報告があるなど、専門職による虐待リスクのある家庭への持続的な支援は虐待予防に有効と考えられる。
 ・ 出産前後に支援者がそばにいることによって母子のメンタルへルスに良い影響を与えることがわかっており、養育者に寄りそうような支援が重要。

精神保健福祉との連携強化・精神医療からのアプローチ
 ・ 軽度の発達障害等、情緒的なアンバランスさを持つ児への早期対応が虐待のリスクの低減につながる。

虐待リスクのある家庭へ妊娠中から2歳まで定期的に家庭訪問を行ったケースは虐待発生率が4%と、行わなかったケースは虐待発生率が19%に対し、有意に低かった
“Preventing Child Abuse and Neglect: : A Randomized Trial of Nurse Home Visitation Olds DL,PEDIATRICS Vol.78 No.1 July 1986
 ・ 精神科医療では、養育者の相談・治療の入り口で虐待を受けた子どもを発見することもあり、養育者の治療ともに、子どもに何がおこっているかをともにみていく視点が必要。
 ・ 軽度発達遅滞のグループは、子どもの世話をしようと思っているが、結果的に世話や情緒のやりとりができずに子どもに問題がおこっていることがある。このような養育者を濃厚な支援でサポートする体制整備が必要。
 ・ 精神医療の取り組みにおいても、虐待リスクのある家庭に対し、保健や福祉の関係機関につなげていく視点等予防的アプローチの充実が必要。

被虐待児の35%に基礎疾患によらない発達の遅れがある。
小林美智子「保健医療機関における子供の虐待の重症度と援助」
(2000年3月)
不適切な養育を行っている養育者等への濃厚な子育て支援
 
 ・ 不適切な養育手前の育児に追い詰められている養育者への対応。
 ・ レッテル貼りにならないリスクアセスメントの考え方が重要。
 ・ 虐待のリスクがある養育者には様々なレベルがあり、ひとまとめにして考えると効率が悪い。グループ分けをしてそれぞれの関りの効果に対し裏づけを作成していく作業が必要。
 ・ 自ら訴え出ないが、子どもにとって不適切な養育を行っている養育者を専門的に把握し、濃厚に子育てを支援するシステムの構築が必要。
 ・ 不適切な養育を行っている養育者がペアレンティング等を学ぶためには家庭訪問等の個別支援の充実が必要。
 ・ 子どもの軽度発達の遅れは、養育者が子どもの世話をしようと思っているが、結果的に世話や、情緒のやりとりができずに子どもに問題がおこっていることがあり、そうした背景を理解した上での支援が必要。
 ・ 養育者と子どもの愛着形成を促進する取り組みが必要。
養育問題の事例(養育が適切に行われていない家庭:事務局注)では、児の53%に軽度から境界域の発達の遅れがある
大阪児童虐待研究会「子どもの虐待予防にむけて」(1998年3月)

検討事項 指摘事項 委員から提出のあった論文等と具体的施策の例
4. 連携による支援体制の確保
市町村における虐待防止ネットワークと地域におけるネットワークの推進
市町村における虐待防止ネットワークと地域におけるネットワークの推進
 ・ ネットワークには民間の相談機関や支援団体も含めた運用等、地域の情勢に応じたネットワークの構築が必要。
 
 ・ 虐待の予防、早期発見・早期対応など地域における虐待対応に関する支援や研修などを行う拠点が必要。
 ・ 発生予防に重点を置いた視点から、予防機関が参画したネットワークの整備が必要。
 ・ コミュニティというものを考えながら子育ての環境を整えていくことが必要になる。地域の中でどのようなネットワークを組んでいくかというのが重要。
 ・ カウンセリングの手前で支える民間機関の育成や男女共同参画センター、女性センター等の相談窓口の活用。
 ・ サービスの機動性・柔軟性・24時間対応を考え民間機関に相談業務を委託。
 ・ 住民に身近な市町村における子育てや虐待に関する相談機能の強化が必要。
 ・ ネットワークの取り組みにおいては、ケース対応の進行管理等を行う支援体制の強化が必要。

保健所、医療機関等の相談支援における関与の明文化
 ・ 保健所においては、市町村における対応事例で処遇困難な者やネットワーク会議におけるコーディネート機能などにおいて市町村を積極的に支援する体制をとるとともに、未熟児・精神保健相談等ですでに関わっている虐待リスクのある家庭に対しては、関係機関の協力のもとに主体的に関与。(再掲)
 ・ 各県1ヵ所、虐待医療センタ−等の拠点を設置。
 ・ 各地域に虐待予防を念頭においた日常診療が行える体制整備として直接的に診療に携わる一般の小児科医等が活用できる、情報のデータバンクや虐待に関する医療的アドバイスを提供してくれるスーパーバイザーの育成や啓発が必要。

NPO・民間機関等との連携
 ・ 虐待の発生予防という観点では民間機関の力ははずせない。たとえば虐待専門相談ではない子育ての電話相談にも虐待の発生予防という大きな役割がある。
 ・ 民間機関で相談を受けるためは、医師会や臨床心理士等のバックアップ体制がないと難しい。また、早期発見や対応が必要となったときの窓口を明確化しておくことも重要。
 ・ 民間機関へ相談した者のプライバシー保護を法的に明文化する。
 ・ 保健師を中心に民生・児童委員、母子保健推進員、子育てOB(経験者)等地域の人材を活用することは意味のあることであるが、その際ちょっとした言葉のやりとりで相手が傷つくこともあり研修が必要。
 ・ 人の流出入が激しい地域などコミュニティとしての地域文化が存在しずらい地域は虐待リスクのある家庭の割合が高い。人とのつながりをつくる支援が必要。
 ・ ファミリーサポートセンター、地域子育て支援センター、児童・家庭支援センター、保育所、男女共同参画センター等、既存の子育て相談機関等との情報の共有化等、地域における支援体制の構築。
ネットワークへの参加率 NPO団体3.1% ボランティア団体5.6%
厚生労働省調べ 児童虐待防止の機能を持つ市町村域でのネットワークの設置状況調査(平成14年6月調査)

検討事項 指摘事項 委員から提出のあった論文等と具体的施策の例
5. 虐待を認めない社会づくり
子どもの人権尊重に対する理念の明確化
 ・ 子どもの人権擁護の理念を法定化。
 ・ 子どもの人権尊重の意義について議論を深めることが必要。
 ・ 子どもの意見を尊重することを前提にして、虐待問題に関する教育の取り組みを行うことが重要。
 ・ 一般社会に子どもの人権擁護をしっかりと説明していくことが必要。

子どもが、虐待被害を第三者に伝える等、被害を回避する技術を身につけるための学習機会の提供
 ・ アメリカでのCAPプログラム(子どもへの暴力防止プログラム)のように、義務教育の中で、子どもたちに自己防衛手段や、権利主張の具体的な方法についても教え、子どもが早期に自己防衛していく手段・力や自信を獲得していくていけるようにする。(日本でも、今各地で少しずつ広がりつつある。)
 ・ CAPプログラムを普及させていくには、民間機関との連携が重要。

児童虐待を防止するための予防教育や啓発の推進
 ・ 学校を中心とする予防教育の実施が必要。例えば、赤ちゃん抱っこ体験等、子育て体験の学習が現在推奨されている。
 ・ ペアレンティング(親業・親になること)に関する体験的な学びの機会を学校教育を中心にした積極的な推進が必要。
 ・ 学校の先生は必ずしも虐待に関する専門家ではないので、虐待に対する認識や虐待を受けている子どもについても学校側がそのように把握していないこともある。今後は養護教諭の活用をはかることで虐待把握の目を育てることも必要。
 ・ 子育ては楽しいという希望をもたせるような教育が義務教育の段階から必要。
 ・ 学校におけるいじめや暴力などの問題に的確に対応し、子どもの健全な発育を保障。
 ・ スティグマに配慮し、広く子育て少子化への総合的対策の中で虐待を位置づける。
 ・ 虐待対応の必要性に対する国民のコンセンサスを得るため、広く周知することが必要である。
 

検討事項 指摘事項 委員から提出のあった論文等と具体的施策の例
全般にわたる指摘事項
市町村の役割、機能強化についての検討(再掲)
市町村の役割の強化
 ・ 養育者からの子ども相談は、住民に身近な市町村で対応する
 ・ 市町村の相談機能の強化を図り、従来の児童相談所の業務を児童虐待のみに特化する等、機能的な役割分担を検討する必要がある。

保健所と市町村の機能と役割分担
 ・ 地域保健に関する基本指針へ虐待に対する役割を具体的に明記することで保健所と保健センタ−業務・相談窓口の明確化を図るといった全国的なスタンダードをつくる一方で、虐待防止ネットワーク等に関しては、地域の情勢にあわせた役割分担等の柔軟な運用が必要。
 ・ 多職種がいる機関の利点を生かした保健所の虐待対策における位置づけを明確にすることが重要。
 ・ 保健所においては、市町村における対応事例で処遇困難な者やネットワーク会議におけるコーディネート機能などにおいて市町村を積極的に支援する体制をとるとともに、未熟児・精神保健相談等ですでに関わっている虐待リスクのある家庭に対しては、関係機関の協力のもとに主体的に関与。

市町村における虐待防止ネットワークと地域におけるネットワークの推進
 ・ ネットワークには民間の相談機関や支援団体も含めた運用等、地域の情勢に応じたネットワークの構築が必要。
 


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