03/05/09 第2回「健康食品」に係る制度のあり方に関する検討会議事録       第2回「健康食品」に係る制度のあり方に関する検討会議事録             平成15年5月9日(金)14:00〜             厚生労働省省議室 ○田中座長  定刻となりましたので、ただいまから、第2回「『健康食品』に係る制度のあり方に 関する検討会」を開催したいと思います。  先生方におかれましては、御多忙のところ御出席くださいまして、心から御礼申し上 げます。  また、本日は、社団法人日本栄養士会の池本常任理事、そして同じく社団法人の日本 薬剤師会の飯島常任理事も御多忙のところ本検討会に対して、ヒアリングに御出席を賜 わりまして、心から御礼申し上げる次第でございます。  本日の議題は、資料の議事次第のところにありますように、まず、社団法人日本栄養 士会と、社団法人日本薬剤師会から、健康食品に係る制度の在り方に関するヒアリング を行います。  次に事務局から、健康食品を巡る現状について追加説明がございますので、よろしく お願いしたいと思います。  議事に入ります前に、事務局より、本日の委員の出欠及び本日お越しいただきまし た、日本栄養士会の池本常任理事と、日本薬剤師会の飯島常任理事の紹介をお願いした いと思います。 ○尾形新開発食品保健対策室長  事務局でございますが、本日は、社団法人日本栄養士会より、池本真二常任理事。  それから、社団法人日本薬剤師会より飯島康典常務理事にそれぞれ参考人として御出 席いただいております。御多忙のところ大変ありがとうございます。  さて、検討会委員の方でございますけれども、本日は、松本委員が所用により御欠席 ということで、5人で構成することになっております。 ○田中座長  それでは、これより議事に入りたいと思いますので、カメラ撮りはここまでにしてい ただきたいと存じます。                 (報道関係者退室) ○田中座長  それでは、まず、議事次第の1にありますとおり、本日は、社団法人日本栄養士会及 び社団法人日本薬剤師会からの健康食品に係る制度の在り方に関するヒアリングを行い たいと思います。  本日のヒアリングの進め方ですが、まず、各参考人の方から10分程度の御意見を述べ ていただき、その後、いただいた御意見に対する質疑応答と意見交換を行いたいと思い ます。 では、団体名の50音順ということで、日本栄養士会の池本参考人から健康食品 に係る制度の在り方に関する意見陳述をお願いいたします。 ○池本日本栄養士会常任理事  ただいま御紹介にあずかりました、社団法人日本栄養士会常任理事の池本でございま す。よろしくお願いいたします。  本日、このような機会を与えていただきまして、本当にありがとうございます。  本財団は、団体の概要にもございますように、国民の栄養の確保改善に関し調査研究 を行い、栄養に関する国の施策の遂行に協力するとともに栄養士の資質の向上を図っ て、もって国民の福祉の増進に寄与することを目的として事業を実施しております。  本検討会に関しましては、健康被害ということで非常に栄養士業務にも関わってまい ります内容かと思いますので、本会を代表いたしまして、御意見を申し上げさせていた だきたいと思います。  10分ということですので、お手元にお配りさせていただきました資料の中で、ポイン トとなる点をかいつまんでお話しさせていただきます。  2ページ目をお開きいただけますでしょうか。  もう御承知のとおり、保健機能食品制度が多少の問題を抱えているとは言いながら定 着している現状の中で、特に特定保健用食品、それから栄養機能食品に関しましては、 ある程度の成果を見ているというのが現状ではないかと思っております。  今回のテーマにもございますような健康食品に関しましての被害が現実には出てまい ったということで、これに関します流通販売、あるいは販売責任的なところにつきまし て、本会の意見をまとめさせていただきました。  2ページ目の中ほどのところを見ていただきたいのですが、健康食品の効用は認めら れるものもありますが、その多くは誇大広告に例を見るように製造・輸入・販売側のモ ラルの問題が非常に大きく関わっていると思われます。  その反面で、当然のことながら消費者であります国民の意識の問題も関与してまいり ます。ですから、国民側への正しい知識の普及を努めることが当面の課題であろうと考 えております。それ故、実際的には健康食品は法的にも位置づけられているものですか ら、積極的に利用者側に立った対策を講じるべきではないか、と我々日本栄養士会では 考えております。  そこで、結論から申し上げますと、その次に書いております個々人の栄養診断、いわ ゆる栄養評価に基づいて適切な栄養補助食品の活用、あるいは栄養指導能力を有する管 理栄養士を中心とした運用、服用指導的なものが健康被害の防止及び消費者サービスへ の向上につながるものではないかと考えております。  この観点で、次に記載してあります様に、A、B、Cと大きく項目を分けさせていただ きました。  まず、Aでありますが、ともかく販売制限をしなければならないであろうということ です。その場合に、我々栄養士会が申し上げたいのは、そこに書いてありますけれど も、食品とは言いながら過剰摂取の問題、あるいは相互作用の問題が生じることは明白 であります。それにもかかわらず、調剤薬局、ドラッグストアー、スーパーマーケット 等での販売が非常に広く普及してきております。資料の後半にもありますけれども、イ ンターネット販売というものも普及してきているという状況です。  こういった販売の制限をかける意味で、調剤薬局等では、管理栄養士、栄養士を雇 い、栄養指導を行って販売しているというのが現状です。その個人にとっての健康食品 あるいは保健機能食品が本当に必要であるかどうか、あるいは服薬している薬があると するとその薬との併用に問題がないのか等を薬剤師と管理栄養士が連携を取って指導販 売に当たっているというもので、そういう薬局等が増えてきているのも現状でございま す。  その中で、私の本務地が城西大学薬学部にあります管理栄養士の養成校であるという 関係で、薬剤師側の御意見もよく賜わるんですが、その際、薬剤師だけでは、現実に消 費者の販売の現場における質問に対応し切れないという現状から、いわゆる健康食品の 利用に関しては、食生活に関わる因子が非常に幅広く、ファジーな部分も多い、実際に 栄養学を習得して栄養評価をできる管理栄養士がその責に当たるべきであろうと、そう いう対応をしていかなければならないというふうな、そのニーズから管理栄養士の採用 を薬局等で始めているというのが現状だというふうに聞いております。  その観点から申しますと、この販売制限の中で管理栄養士の指導を義務づけるという ふうなことを1つ提案させていただければと思っております。  Bに関しましては、製造販売責任の明確化と、健康情報発信源の責任体制ということ で、この部分に関しましては、日本栄養士会としては、的確なコメントをする専門団体 ではありませんけれども、是非ともこれはこの検討委員会の方で御議論していただきた いという項目として挙げさせていただきました。  今般、食品衛生法の一部改正、あるいは健康増進法の一部改正に伴いまして、資料に 書きましたような禁止措置、あるいは罰則規定、あるいは誇大広告表示の禁止といった ことが現実には進められているところでありますけれども、それ以外の、例えば健康志 向、カルト的な状況にまで誤った広告、あるいは誇大広告、それを更に助長するような 情報の発信の仕方、そういうものも大きく関与しているんではないかというふうに思っ ております。 その点で、ここに書きましたような、1つの例でありますけれども、テ レビ局あるいは出版社、インターネット販売業者等への責任、あるいはそれの関与、規 制的なものを打ち立てていただけないかと思っておる次第であります。  後半のところに書いておりますけれども、最も被害が生じているのがインターネット 販売であろうかと思います。この点に関する関与、制限については、我々としては明確 な提案事項を持ち合わせておりませんけれども、この点についての御検討を是非ともお 願いしたいと考えております。  これは、先ほどのAのところで提案させていただきましたように、管理栄養士による 健康栄養相談、あるいは栄養評価を伴った販売を制度化するまでの段階として、早急な 措置として規制をお願いしたいという点でございます。  続きましてCでありますけれども「輸入品の取り扱い」という様にタイトルを挙げさ せていただきましたが、これの多くはインターネット販売等によって被害が生じている というのが現状であろうかと思います。  これに対する規制に関しましても、販売を管理栄養士による栄養評価を伴った形での 販売を義務づけていただけるのならば、これも1つの規制がかかるであろうと考えてお ります。  次の4ページ目の中ほどに書いておりますけれども、いわゆる国内生産品であろう が、海外からの輸入品であろうが、その商品に、いわゆる薬品と同様に添付文書、ある いはインタビューフォーム等を付けていただいて、その商品における信頼度を高めてい ただいて、その情報を基に管理栄養士がその効用を国民に、消費者に伝えながら、その 服用が本当に必要なのかどうか、そういったことをアドバイスをしながら販売をしてい くという、システムが構築されるならば、おのずとまがい品と言いますか、健康被害を 生じるような商品については、当然のことながら自然淘汰されていくのではないかと 思っております。  資料の最後の方に書いておりますけれども、真に国民の健康を考える商品開発販売を 行っている国内企業さんも多数ございますので、そういう会社さんが被害を被らなく、 国民の健康保持増進のために生かされるような形になっていただければというふうに 我々栄養士会の方では考えておる次第であります。  最後に、以上のことをまとめますと、有効な健康食品は管理栄養士の指導の下、販売 され利用されれば、当然その効果が期待され、国民のメリットになるものと考えており ます。また、指導に基づき販売を行うことによって、健康被害のリスクも軽減できるの ではないかというふうに考えておる次第です。  以上でございます。 ○田中座長  ありがとうございました。それでは、池本参考人より述べていただきました御意見に ついて、御質問、御意見等がございましたら、御発言をお願いしたいと思います。 木 村委員、いかがでしょうか。 ○木村委員  ちょっと確認させていただきたいんですが、今、お話の販売制限、あるいは管理栄養 士によるいろんなシステム化のお話でございますけれども、これは保健機能食品を対象 としているのか、それ以外のいわゆる健康食品も含めての考え方なんでしょうか。 ○池本常任理事  今、問題が生じているのは、いわゆる健康食品の方かと思っておりますので、まず念 頭に考えておりますのはいわゆる健康食品のつもりでおりましたけれども、トータル的 に保健機能食品、いわゆる健康食品の範疇も網羅して指導に当たるべきではないかと 思っております。 ○木村委員  両方入っているということで理解してよろしいんですか。 ○池本常任理事  両方入っていることとして御提案させていただきます。 ○木村委員  わかりました。  もう一つは、いろいろな規制緩和の中で、現実的に、こういうふうな販売制限の可能 性がどうかということを考えたときに、現段階で前の方に書いてありますけれども、い わゆる健康食品の定義そのものすらもなかなか確定できないというふうな現状の中で、 具体的にどういうふうな対策が考えられるか、もしお持ちでしたら教えていただきたい んですけれども。 ○池本常任理事  具体的なと言いますと、ちょっと明確に的を得たお答えになるかどうかわからないん ですけれども、今、私がお話ししましたように、その個人の消費者の方にとって、本当 に必要な、いわゆる健康食品なのか、要するに保健機能食品なのか、すべてトータルな 形で提案したいと思うんですけれども、その商品の持っている効能が本当に消費者の方 にとって必要なのかどうなのかというのを評価するのは、個人の栄養評価ができない と、それは指導ができないわけです。それができるのがやはり管理栄養士だろうという ことで、その販売に当たれば、おのずと自然淘汰されていくという形になっていくんで はないかなというふうに思っております。  現状のいわゆる多くの団体、協会さんが進めておりますサプリメントアドバイザリー スタッフの制度が現行として動いておりますので、その中で栄養評価をされた上での販 売に当たれる方がどのぐらい出てくるか、その辺りにも関わってくると思います。です から、あえて管理栄養士でなければならないとは、なかなか言いづらいものがあると思 いますので、栄養評価を明確にやれる方が実際の販売責任を負うという形になっていっ ていただければいいのかなというふうに思っております。  現状で考えれば、栄養評価ができるのが管理栄養士でしょうから、その部分というの が当然のことながら管理栄養士業務になっていくのではないかというふうに思っており ます。 場合によっては、サプリメントアドバイザリースタッフ制度の何団体かの認定 制度が立ち上がっておりますので、当然そういった方々の協力を得ながらという形にも なろうかと思っております。 ○木村委員  それはわかっていますけれども、販売制限とありますね、販売箇所を限定すると、例 えば調剤薬局とドラッグストアーというお話でございますけれども、その辺のところを 少し聞きたかったんですが。 ○池本常任理事  失礼いたしました。その辺りについては、現状として販売が進んでいる、適切に評価 ができる場を持てるところが当然必要なわけですね。いわゆる栄養評価をしようする場 合には、当然のことながら栄養相談ができる場所がなければならない。  そうしますと、現状で考えた場合に、調剤薬局等が一番適切なのではないかというふ うに思っておりますけれども、今の流通から考えますと、ドラッグストアーであり、ス ーパーマーケットなどの健康食品コーナーであり、そういうものがつくられているとこ ろに必ずそういう栄養評価の相談窓口をつくって販売していくという形になっていただ ければというふうに考えております。 ○木村委員  販売については、販売の制限と言うよりも、つまりスタッフがいればいいという考え 方ですか。 ○池本常任理事  いや、ただ販売をするときに、そのものの評価が当然伴いますので、それが先ほどC のところに書いてあります添付文章であったり、インタビューフォームであったりする わけです。その中でその商品を評価して、ネグっていくというような形になろうかと思 いますが。 ○木村委員  ちょっとかみ合っていないようですけれども、要するに販売制限するということは、 どこどこしか売れないとか、許可制とかそういう形になるかどうかはともかくといたし まして、制限するという考え方ですね。 ○池本常任理事  はい。 ○木村委員  それは人的に栄養士さんがいればいいと、そういう職能の方がいればいいと、そうい う考え方なのか、どういうふうに考えればよろしいんでしょうか。 ○池本常任理事  まず、第一段階は、当然商品チェックが必要になるかと思います。ですらか、その部 分では、今、成分チェックをされているのが、国立健康・栄養研究所であり、国立医薬 品食品衛生研究所等ではないかと。 ○木村委員  今、制度の話ということでお尋ねしているんですけれども、要するに制度として、そ ういうふうな健康食品は販売制限しよう、あるいは製造、輸入段階のチェックをしよう と、そういう提案をなさっているわけですね。 ○池本常任理事  はい。 ○木村委員  そういう提案は、それはそれでいいんでしょうけれども、現実に今、規制緩和とかい ろいろやっている中で、健康食品そのものをこういうものだというふうに定義づけすら 難しい状況の中で、そういうのをやるということは、何か具体的にこうすればいいと か、何かそういう考え方をお持ちなんでしょうかという質問なんですけれども。 ○池本常任理事  それに明確なお答えは、ちょっとできかねるかと思います。 ○木村委員  また後でお願いします。次の方もいらっしゃいますから。 ○合田委員  今の質問と同じかもしれないんですけれども、要するに特定保健用食品以外の健康食 品の何か定義をつくって、そういうものに見合うものについては、特定の販売制限をか けて、そこで栄養士さんがいるところで積極的に売っていこうと、そういうふうな考え 方ですか。 ○池本常任理事  そうです。 ○合田委員  ただ、そういうものについては、どういう規格云々という考え方をお持ちだったら、 それを具体的に話をしていただく方が、我々には参考になるんですけれども。  要するに、今、非常にたくさん健康食品がありますから、その中でピックアップして 拾い上げるべきものはどういうものなのかと、その辺のところのお考えはお持ちです か。 ○池本常任理事  明確にはお答えしづらい部分がありますけれども、やはり食品の機能が人体に対して 有効性が認められなければ、やはり健康食品と銘打つことはなかなかできないだろう と。成分の毒性の問題も若干絡んでくるだろうというふうに思っておりますけれども。 ○合田委員  一番最後のところで、添付文書あるいはインタビューフォームを付けるべきであると いうような話が出ていますが、こういうものをつくるとすると、結局こういう規格のも のについては、こういうものが必要で、何かレギュレーションがかかりますから、そう いうものについては、そこを信じて管理栄養士がアドバイスをするシステムがほしい と、そういう話ですね。 ○池本常任理事  はい。 ○田中座長  ほかにございますか。橋詰先生いかがですか。 ○橋詰委員  大変重要な提案をなされて、この説明はよく理解できます。したがって説明に対して の質問は今のところありません。 ○田中座長  南先生いかがですか。 ○南委員  私もほぼ今までの御質問でカバーされております。 ○田中座長  栄養士会側からの販売制限等の導入という話は、本来は健康食品ではないものからき ているようです。つまり、本来ならば医薬品とされている成分を含んでいるわけですか ら、医薬品として発売すべきものが健康食品であると偽られたために健康被害が出てき たわけです。ですから、そこから話が始まるから販売制限とか何とかという方に向いて いってしまっているわけなんです。  そうではなくて、それは言わば健康食品と称する非健康食品です。それではなくて、 ある程度保健の作用が科学的根拠で明確になっておるものということで、特定保健用食 品というのが多くの健康食品の中から制度化されてきたわけです。  もう一つは、ビタミン・ミネラルについては栄養機能食品が出てきたわけです。木村 先生、合田先生からの栄養士会への質問というのは、今、栄養士会としては健康食品の 中の特定保健用食品及び栄養機能食品の現在の制度についてどう思っておられるか、と いうことです。それを除いた、先ほど言いましたような変なものではなくて、変なと言 うとおかしいですが、健康食品と称しておって実はそうではなかったものを除いて、そ の他のものについて何かもう少し制度を持つべきであるかどうかというようなことを聞 いておられるんです。  だから、中国の去年の事件があったようなものは、はっきり言って健康食品ではなか ったわけです。健康食品と偽称しておったものなんです。本来ならば医薬品であったと 言っていいかもしれません。ですから、そういうものはちょっと置いておいて、本来か ら健康食品と言われているものの中で、特定保健用食品及び栄養機能食品というものが あるわけで、その制度についてどうお考えになるのか、そして残りの健康食品をどう制 度化していったらいいのかという質問なんです。それは栄養士会としてはどう考えてお られますかということです。  まず、今の保健機能食品、特定保健用食品と栄養機能食品の制度についてどうお考え ですかと。そのことについては余り触れておられないんです。現状でいいというお考え なのか。 ○池本常任理事  ある程度有効性は明確になっている、保健機能が明確になっているものが、実際には 販売されているだろうということです。  ですから、この保健機能食品については、ある程度現状のままで構わないんではない かというふうに考えております。 ○田中座長  現状で改善する必要がないと、こういうことですか。 ○池本常任理事  明確なラインの問題です。どこからどこまでが、例えば同じような効用を持っている ものであっても、特定保健用食品であったり、それから栄養機能食品であったりする場 合があるかと思うんです。それでどこまでのものが申請の段階で認められているかとい うことにも関わってくるかと思うんです。ですから、成分の効用だけではなくて、その 商品中に含まれる成分の効能だけでは評価できない部分というのが当然あるかと思いま すので、その部分の区別化的なものが必要なのかもしれません。  ただ、保健機能食品というくくりの中で考えた場合に、さほどの問題点は今のところ ないのではないかと、逆にそれをうまく使っていくというシステムをつくるべきではな いかというふうな考え方に立っております。 ○田中座長  ほかに委員の先生方質問はございますか、合田先生どうぞ。今、私がした質問をお二 人はなさりたかったんではと私は理解しているんですが。 ○合田委員  要するに制度をどうお考えになるのかという具体的なことを聞きたかったんですが、 今、成分の効能以外のものをというような話をされたところが、ちょっとよくわからな かったんですけれども、その辺のところをもう少し詳しくお願いします。 ○池本常任理事  商品の中で、すべての成分を表記されているわけではないはずです。有効性成分につ いての効能を表記されているわけですから、それ以外のものというのも当然その商品の 中に含まれているケースがあると思うんです。 ○合田委員  食品は当然多成分系だから、そういうものだとは思いますけれども。 ○池本常任理事  ですから、そういうものが当然のことながらありますので、その部分で未確定な成分 が当然含まれているだろうという意味で申し上げたんですけれども。 ○橋詰委員  質問ではないんです、と言いますのは、恐らくこれからの議論でもって、1つはいわ ゆる健康食品を保健機能食品の中に入れていくか、そうでなければ保健機能食品と別の カテゴリーを設けるかと、こういうことになるわけです。これをやらない限りは、今の 答えがなかなか出てこないと思います。 ○田中座長  それについて栄養士会はいかがですか。今の橋詰さんがおっしゃったことは私が提示 したのと同じことなんですけれども。  では、事務局から何か御質問がございましたらどうぞ。 ○遠藤食品保健部長  結局同じなんですけれども、この紙の1ページの下の方にも、今回の検討会の検討課 題というものを1回目にこちらからお示しをさせていただいた、医薬品から一般食品ま でを全体で4つに分けているわけで、ダイエット食品の話は、むしろ医薬品に近い話と いうことになって、無許可医薬品みたいな話の方が、むしろ大きな問題だとすると、そ こはそれほど今回の検討課題にはならないんだろうと思うんですが、現行制度に基づく 保健機能食品が、今も言っているように、ある有効成分を新たなというか、個々に認定 していく特定保健用食品と、それからビタミン類あるいはミネラル等を表示する栄養機 能食品という制度が今あるわけで、そこをどうするのかというのも1つの課題ではある わけですけれども、やはりその次のいわゆる健康食品というところ、恐らく特定の有効 成分に必ずしも着目をしていない、あるいは単に主張しているだけみたいな、名前だけ 健康になっているみたいなものまであるわけです。  そういう中で、先ほど来おっしゃっているのが、この分類で言う、いわゆる健康食品 の部分をどうするかという御提案だったんでしょうか。 ○池本常任理事  被害を生じているのが、いわゆる健康食品の部分ですので、そういう言い方をさせて いただきましたけれども、考え方としては、保健機能食品、いわゆる健康食品、これを トータル的に含めた形での販売に指導を絡めた形に持っていければというふうに考えて おるわけです。  ですから、今の田中座長の御意見、御質問に対して、明確な答えにはならないと思う んですけれども、基本的なスタンスとして販売のときに栄養評価をして、適正な販売、 要するに消費者にとって必要かどうかという判定をしながら販売をしていくということ で提案をさせていただいていますので、両方を引っくるめた形で評価をするという形に なろうかと思います。  また、今の質問に対しては、ある程度私個人的な意見になってしまうかもしれません けれども、保健機能食品に健康食品のある機能性を持っている部分については含めた形 で、医薬品まがい的なものは、医薬品まがいとしての排除をしていくというような形で この部分を取り払って、なくしてしまえば、要するに保健機能食品も、現在のいわゆる 健康食品も、両方ともある程度の規制がかけられるんではないかなというふうに思って おります。 ○遠藤部長  いわゆる健康食品というのと、一般食品との境目というのは、実際には成分的に言え ば、一般食品であるのに健康的な名称を使っているということになるんですね。それが いわゆる健康食品の一番一般食品寄りのもののわけですけれども、それを一般食品と区 別するものが何か、それから果たしてそれに対して。 ○池本常任理事  その区別をするからには、やはり効能がうたえないものは健康食品というふうにはう たえない、商品としては出せないんではないかと。 ○遠藤部長  現実には出ているわけですね。 ○池本常任理事  ですから、そこのところの制度をつくっていただければというふうに。 ○遠藤部長  そうするとむしろおっしゃりたいのは、今、現行の保健機能食品をもう少し広げて。 ○池本常任理事  保健機能栄養機能を持っている、いわゆる健康食品の類いのものを含めた形にして、 その販売に付加価値を付けるという形になろうかと思います。 ○遠藤部長  先の方はわかるんですけれども、最初のところがよくわからなかったものですから、 制度の枠組みが、何に対してというところがよくわからなかったので確認をさせていた だきましたけれども、そうすると現在の保健機能食品を広げた上で、それの販売につい て規制をかけたらどうかということですね。 ○池本常任理事  そうですね。ですから、場合によっては保健機能食品のくくりを例えば3区分、もう 1区分増やしてしまうとか、そういう形になろうかと思いますけれども、それらをトー タル的に販売責任的なものを求めるという形の方がいいのではないかと。 ○遠藤部長  それでもう一方は、何て言うか、成分的には一般食品と区別のつかないものについて は野放しにすると。 ○池本常任理事  健康食品とうたえない、少なくともそういう言葉は使えないという形にはできるかと 思うんです。 ○遠藤部長  わかりました。 ○田中座長  時間も迫っておりますので、この辺で池本参考人に対する質疑は、ここまでとさせて いただきたいと思いますが、また後で質問するかもしれませんので、ちょっとしばらく 待機していただきたいと思います。  池本参考人におかれましては、御質問にお答えいただきまして、ありがとうございま した。  引き続きまして、社団法人日本薬剤師会から飯島参考人より、健康食品に係わる制度 の在り方に関する意見陳述をお願いしたいと思います。10分ぐらいでお願いします。 ○飯島日本薬剤師会常務理事  今日は、当検討会で御意見を述べる機会を与えていただきまして、ありがとうござい ました。  私は、長野県上田市で保険薬局を経営しております。また、日本薬剤師会常務理事も 担当しております。  今日は、日本薬剤師会としての意見を資料に基づいて述べさせていただきます。  資料2でございます。  「(1)国民の健康づくりにおける『健康食品』の役割」。平成13年4月より、保健 機能食品制度を創設し施行され、品目ごとに審査を行う個別許可型、いわゆる特定機能 食品及び規格基準型についての栄養機能食品については、表示など定められた基準の下 で一定の役割を果たしていると考えられます。  しかし、それ以外のいわゆる健康食品については、その役割は不明で、あたかも万病 に効くような宣伝を行う、例えばクロレラ食品のようなもの、また○○を食べるとがん にならないとか、××を食べるとがんになる、植物性はいい、動物性は悪い、自然、天 然はいい、人工は悪いと、いわゆる健康食品がどういう経緯で大流行するようになるの かよくわかりませんが、テレビ、雑誌などのマスメディアが部分的に関与しているのだ と思います。健康被害の発生や広告された効果が全く表われていないなどの問題が懸念 されます。  食品は水分・栄養の補給などを通じて生命・健康の維持を目的に飲食されるものであ り、したがって医薬品のように治療効果をうたう食品を信じる利用者が適切な医療を受 ける機会を逸してしまう危険性もあります。疾病の治療や積極的な予防を目的として流 通されるべきものではないと思います。  一般の消費者には現行制度による食品区分も広くは理解されておらず、まず制度につ いての情報提供を徹底させ、いわゆる健康食品の安全性の確保という観点から現行制度 の活用策を検討する必要があると考えます。  「(2)『健康食品』の利用・製造・流通の実態」でございます。  いわゆる健康食品の効能に関する表現ですが、効く、効いた、治った、解消、防ぐ、 予防する、改善する、本来効いた、治ったという表現は軽々しく使えない用語です。体 験をすべて否定するつもりはございませんが、薬剤師から見れば、科学的研究方法によ らず、個人的な体験を収集して、効いたというような消費者心理を利用していると思わ れるような販売実態があることは大きな問題であります。  「(3)行政、関係業界、消費者の果たすべき役割、制度」として、保健機能食品以 外のいわゆる健康食品については、成分、表示、広告などの面から問題があると考えら れる場合には速やかに市場から排除できる仕組みが必要と考える。  伝統的な食品では、例えば危険な部位などについては消費者も理解しており、その回 避方法も広く知られているが、それ以外の食品については何らかの健康被害を生じる可 能性もあり、被害発生の情報収集・分析・評価体制を整備することが必要と考える。  お手元に資料の2の3ページ目なんですけれども、その資料にもございますように、 平成14年8月において、中国製ダイエット食品による健康被害が発生したことは、記憶 に新しいと思います。事故を起こした製品は、いわゆる健康食品として食品扱いで輸入 されたものと思われるが、この製品はこの名称の一部に減肥という言葉を盛り込むなど 痩身効果を標榜し、かつ、錠剤、カプセル剤の剤形を採っている。かつて、錠剤、カプ セル剤のような剤形については、医薬品・食品の区分を示した行政通知により、効能効 果、成分本質等を勘案し、医薬品として誤解を招くものについては、健康食品では大幅 に制限されていたが、政府の規制緩和策により、食品にもこれらの剤形の使用が認めら れ、現在、ほぼ自由となっている。医薬品類似の形態の食品については、特に安全性の 観点から留意が必要であると考える。  次に特定健康食品及び栄養食品については、消費者への情報提供が特に重要と考えら れる。  お手元の資料の4ページなんですけれども、これはいわゆる健康食品なんですが、セ ント・ジョーンズ・ワート含有食品と医薬品との相互作用についての資料をここに添付 しました。  また、いわゆる特定機能食品でも、前回の会議のときの資料なんですけれども、許可 の特定保健用食品の保健の用途による分類という項目の中に、血圧関係で、ラクトトリ ペプチドというACE阻害のものがございます。これとある血圧の薬等の相互作用、相 乗作用みたいなものがある。これらを見ても、医薬品成分や他の食品成分との相互作用 の情報も重要である。医薬品を服用している人は、医師、薬剤師に相談をするようにと いう注意表示を検討することも必要であると考えております。  以上でございます。 ○田中座長  ありがとうございました。それでは、ただいまの飯島参考人に対する御意見、あるい は御質問がありましたらちょうだいしたいと思います。いかがでしょうか。  また、木村先生から順番にお願いします。なければないで結構です。 ○木村委員  今のお話の中で、最初の方に現行制度をもっと活用しなさいと、これはいわゆる健康 食品の安全確保という観点から、現在の制度を活用しなさいというふうな御提案がござ いまして、この現行制度というのをどこまで理解するのか、これが1つ。  それから、その下の方に、もう一つはいわゆる不適な製品ですが、成分表示とか広告 に問題のある健康食品について市場から排除できる仕組みが必要だというふうなことを おっしゃっていますが、この辺について、この現行制度との関係、あるいは別のシステ ムを考えていらっしゃるのか、その辺をわかる範囲で教えていただければと思うんです けれども。 ○飯島常務理事  最初の方の御質問なんですけれども、いわゆる健康食品は、今ある特定保健用食品及 び栄養機能食品の中にできれば入れて、適切に行ってほしいということでございます。  もう一つの方ですけれども、やはり薬事法とか法律がございますから、できればそう いうものを活用して、やはりだめなもの、消費者に健康被害が及ぶものであれば、でき れば排除してほしいということでございます。 ○木村委員  新たな仕組みということではないんですか。 ○飯島常務理事  ではないです。 ○木村委員  現行ということですか。 ○飯島常務理事  はい。 ○木村委員  わかりました、ありがとうございます。  もう一つよろしいですか。 ○田中座長  どうぞ。 ○木村委員  最初の方で、いわゆる健康食品については役割が不明だと、それからいろいろ問題が ありますというふうなお話でございますが、実は薬局、薬店さんというのは、多分薬剤 師会さんの会員さんがやっていて、一番多く取り扱っているところだと思うんですけれ ども、その辺について何か御指導なり何かありましたら。 ○飯島常務理事  おっしゃるとおりなんですけれども、私も薬局経営をしておりまして、やはりコマー シャル、テレビとか、ある番組で例えばルイ・ボスティーとか、名前を言ってはいけな いんですが、そんなようなものが出てきたときに、消費者が来るんですね、来たとき に、明らかにこれはこういうような健康被害が起きるとか、有効性、安全性がないです よと言っても、消費者は満足しないんです。消費者は採れるかどうかを確認してくるん です。その場合に、やはり製造元のしっかりしたものであれば取り寄せをして、その飲 み方や、食べ方について適切に指導をしながら対応しているつもりではおります。 ○木村委員  ありがとうございました。 ○合田委員  質問させていただきたいのは、剤形のところでカプセルとか、いわゆる医薬品的な剤 形が認められているんですけれども、要するにそれは元に戻せというようなお考えです か。 ○飯島常務理事  それは、もうそういうことはちょっと無理だろうと、それは世界の流れの中で、そう いうことは言いませんけれども、ただそういうような健康被害が、消費者もその辺がよ くわからない部分がありますね、いわゆる健康食品と言って、錠剤みたいな格好をして いるから服用するとなるわけです。本来であれば食品は食べるわけです。その辺が誤解 のないような啓発をした方がいいんではないかなということです。 ○合田委員  そういうものについて、別の何か規格とか、何か1つのシステムをつくるというよう なお考えはあるんですか。 ○飯島常務理事  ございません。 ○合田委員  どうもありがとうございました。 ○橋詰委員  特にありません。 ○南委員  剤形の問題なんですが、剤形カプセルのようなものが事実上規制緩和になったことに よって、消費者はかなり混乱している現状があるということですか。 ○飯島常務理事  おっしゃるとおりです。 ○田中座長  非常に卑近な質問で恐縮なんですが、ビタミンの錠剤があったとしたら、一方では医 薬部外品として売られますね。一方では健康食品にしておられますね。何か販売上区別 されておられますか。あるいはお客さんに対する説明とかで差がありますか。 ○飯島常務理事  やはり健康食品というのは、例えばビタミンEであれば、ビタミンEの中の成分100 ミリと書いてありますが、例えば医薬品であれば、1カプセルの中に入っているのが100 ミリです。だけと健康食品は、よく読んでみますと、10カプセル中100 ミリです。そう いうような健康食品もあるわけです。やはりその中の服用具合、食べ具合を適切に説明 し、なおかつ1錠当たりどのぐらいの金額かを説明し、なおかつ製造している元がしっ かりしたところかどうかを消費者に説明して、あとは消費者に選んでいただくようにし ております。 ○田中座長  事務局から何か補足的な質問はございますか。 ○小島医薬局長  おっしゃったんですけれども、薬局に消費者が来られて、要するに是非ほしいと、余 り有効性、安全性という問題にはなりませんと説明しても、なかなか消費者の方は納得 しないと、こうおっしゃいましたね。 ○飯島常務理事  はい。 ○小島局長  その理由というのは、何かありますか。 ○飯島常務理事  マスコミの神かがり的なものが強い部分があると思いますけれども、先ほども述べた 中に、お患者さんの場合は、体験談があたかも効くというふうに見えてしまう部分があ るんです。ですらか、そういうようなものというのは商品のサイクル、寿命が非常に短 いです。だから、局長さんがおっしゃっているように、そういう患者さんは買う、飲ん でみる、実際に試してみて、ああやはりだめだったんだ、あるいは薬剤師の言ったこと は間違いなかったというようなことになるのが、大体の結果です。 ○田中座長  ほかに御質問ございませんか。どうぞ。 ○合田委員  売られるときに、多分医薬品、医薬部外品と、それから多分いわゆる食品で同じ成分 が入っているときの差で、GMPが管理されて、片方つくられている、片方はそうでは ないというような説明がされることはありますか。 ○飯島常務理事  それはします。それから、なおかつ陳列の仕方もありますね、陳列は混置はだめです から、健康食品と医薬部外品は、医薬品とは一緒に並べられない、ですから明らかに全 然違うところに並べるようになりますので、その辺は、我々薬剤師会としても消費者教 育をしていれば、消費者は十分理解できると思いますけれども。 ○合田委員  どうもありがとうございました。 ○田中座長  先ほど栄養士会の方にも質問をしたわけですけれども、現行の保健機能食品制度、つ まり特定保健用食品と栄養機能食品の制度については現行のままでいいとお考えか、何 か修正すべき点がありや、否や。  それからそのほかの健康食品について、新たに何か、何々食品といったものを設ける ようなことも1つのオプションとしてあるようにも思うんですが、その辺りの御意見は ございますでしょうか。 ○飯島常務理事  今の現行制度の中へできれば含めてほしい。 ○田中座長  現行制度の中でもっと含めるということは、保健機能食品の基準なりを緩やかにせよ という意味になりますか、それとも。 ○飯島常務理事  今のとおりで、行っていただければと。 ○田中座長  それは、業者側にもっと特定保健用食品の申請をしなさいと、こういう話ですか。 ○飯島常務理事  おっしゃるとおりです。 ○田中座長  どうぞ。 ○合田委員  ということは、そうではないものは健康食品を称さないシステムにしてほしいという ことですか。 ○飯島常務理事  おっしゃるとおりです。 ○田中座長  ほかにございませんか。それでは、栄養士会と薬剤師会、両法人に対してもう少し聞 いておきたいことがあればどうぞ。どちらの法人でも結構です。  どうぞ。 ○合田委員  管理栄養士の方にお聞きしたいんですが、先ほどのお話の中で管理栄養士さんが健康 食品の販売に必ず薬局か何かにいて、そういうことで何か関与をしてうまく説明して、 それで正しい使い方を普及したいと、そういうような話でしたが、そういう場合に、管 理栄養士さんは、やはりそういうシステムにすると非常に責任が出ますが、責任が出る ということは、そういうことに対して何かトラブルがあったときには、そういうリスク も取られるというような考え方であるということですね。 ○池本常任理事  そうですね、当然それは付いて回ると思います。 ○合田委員  ありがとうございます。 ○池本常任理事  ただし、その部分の全責任が問題にならないようにと言うと変なんですが、そのリス クをできるだけ軽減するがための添付文書であり、インタビューフォームであり、そう いったものを制度化していただければというふうな考え方です。 ○田中座長  ありがとうございました。それでは、飯島参考人、池本参考人、いろいろと質問にお 答えいただきましてありがとうございました。  それでは、次に議事次第の2にあるとおり、前回検討会としてお願いいたしました、 コーデックスにおける健康食品の表示基準について、事務局より説明をしていただきた いと思います。 ○小澤室長補佐  事務局では、本日、コーデックスにおける健康食品の表示基準についてということで 御説明させていただきたいと思います。  大変恐縮なんですが、お手元に配られている目次ですが、目次の表題の「健康食品」 が「健康商品」と誤っておりましたので、申し訳ございませんが、それは御訂正いただ けるようお願いいたします。  それでは、マウスの操作もございますので、座らせていただいて説明させていただき ます。  説明の順番といたしましては目次にありますとおり、まず、コーデックスとはどうい うものか。  次に、コーデックスにおける主な部会。  次に、コーデックスにおける表示基準ということで、食品に関する表示基準。  あとは、いわゆる栄養・特別用途食品部会における議論ということで順次説明させて いただきたいと思っております。  まず、お手元の資料の2ページ目をごらんになっていただけるようお願いいたしま す。  まず「コーデックスとは」ということですが、これは正式名称は、FAO/WHO合 同食品規格委員会(Joint FAO/WHO Codex Alimentarius Commission )ということで、 1962年に設立されております。  日本は、1966年に加盟しまして、現在、168 か国が加盟しております。  これは部会等ですが、現在29の下部組織がありまして、後ほど申し上げますが、世界 規模全般課題規格部会として9部会、それから世界規模食品規格部会として11部会、そ れから特別部会と、あと地域調整委員会としてそれぞれございます。  そもそもコーデックスとはどういったものかということでございますが、まず、目的 としては国際的な食品規格を策定することを目的としております。  では、そこで策定された規格がどういったものになるかということでございますが、 この策定されたコーデックス規格と言いますのは、加盟国の法制定に強制力はございま せん。ただし、食品貿易における紛争解決のための世界貿易機関、つまりWTOでござ いますが、こちらでの裁定における判断基準となりますので、仮に紛争になった場合 に、何らかのコーデックス基準との違いについて問題が出た場合は、その紛争の当事者 はその違いについて合理的な説明をすることが必要となります。  では、コーデックスでこの規格なり基準がどういった形で決められるかというのが採 択手順で、ステップ1〜8まであるんですが、基本的にはこちらにありますように、 ちょっと字が小さくて恐縮ですが、まずステップ1ではどういったものをつくるかとい うことを決めまして、順次その提案国で作成して、ステップ2でまず規格をつくると。 それを各国に送るのがステップ3で、ステップ4では部会会議が開催されます。その 後、ステップ5で一旦ここでコーデックスの総会において規格案が承認されることとな ります。ただ、これだけで終わりませんで、この後、ステップ6、7、8とありまし て、それはもう一回同じサイクルで、同じつくられた規格を2回議論するという手順が ございます。これがステップ6〜8でございまして、まず、ステップ7では同じように 部会の会議が行われると。ステップ8では、それの総会の承認と。このステップ8、つ まり2回議論が終わった上で始めて規格集として収録されるという手順を取ることにな ります。  では、お手元の6ページをごらんになっていただけるようお願いいたします。  「コーデックスの部会」ということで、先ほど合計29の下部の組織があると申し上げ ましたが、そのうちの世界規模全般課題規格部会としては9部会ございます。例えば一 般原則、あるいは食品添加物、あるいは食品衛生といった形でそれぞれありますが、こ のうち資料の方に二重線を付させていただいたものが、今回御説明させていただこうと 思っている、特に健康食品に関係する部会で、具体的には食品表示部会、それから栄 養・特殊用途食品の部会がそれぞれございまして、この部分がコーデックスの中で特に 健康食品に係る規格に関係することとなります。  ではその部会ですが、まず食品表示部会というのはどういう部会かと言いますと、こ れは7ページ目になりますが、食品全般に適用される表示の基準について検討している 部会でございます。  健康食品に関しては、具体的には例えば、栄養強調表示、健康強調表示、この2つに ついては後ほど述べますが、これが議題として検討されているところでございます。こ ちらは毎年開催されており、今年で31回目となります。  次に栄養・特殊用途食品部会ですが、これはこちらにありますように、食品の栄養に 関する全般的な規格の検討及び特殊な栄養上の諸問題を検討している部会であります。 健康食品に関しては、ビタミン・ミネラル補助食品のガイドラインを検討しておりま す。こちらは11月、それで24回ということで毎年開催ということになっております。  次に9ページ目をごらんになっていただければと思います。  では、この2つの部会がどういった関係にあるかということですが、まず、健康上に 関わる部分では、食品表示部会では健康強調表示等の定義、それから適用条件などを決 定することを目的としています。  それから、栄養・特殊用途食品部会では、表示内容の科学的根拠の確立、これを目指 しての大まかな分類になるかと思います。  次に10ページ目をごらんになっていただけるようお願いいたします。  ここで「これまでに策定された健康食品に関係する規格等」ということで、若干簡単 に説明させていただきます。と言いますのは、この後に申し上げます、健康強調表示に 関するガイドラインと、ここには載っていない、現在検討中のものが、今後の議論に も、国際基準ということで影響を与えるものなので、そちらを中心に説明させていただ きますので、こちらの現在の規格というものについては、簡単に説明させていただけれ ばと思います。  まず、包装食品表示一般規格、こちらは1985年制定でございますが、これは例えば包 装食品の表示に関する一般原則ということで、例えば虚偽記載の禁止、あるいは強制表 示事項、それから任意表示事項を規定しています。  それから、強制表示に関する一般ガイドラインというのが別途あります。これは実は 包装食品表示一般規格よりは古いんですが、例えば強調を表示する際の条件、具体的に は天然といった用語の使用、あるいは栄養表示に関する強調など、あとは禁止事項とし て実証し得ない強調表示、これは虚偽記載に近い話でございますが、こういったことに ついても規定しております。  それから、栄養表示に関するガイドラインということで、これは1985年制定でござい ます。これは栄養表示を原則ということで、例えばこの後に栄養強調表示というのが出 てきますが、これの定義、あいるは栄養素、成分を明記しなければならない場合。これ は具体的には例えば、栄養強調表示をする場合は強制、そうではない場合には任意とい う違いがあります。  それから栄養素基準値、このNRVというのがあるんですが、これらがございます。 これは現在、それぞれ各国に、例えば日本であれば一定の栄養所要量がございますが、 こういった主要国のものを集めまして、栄養素基準値というのがコーデックスの方で定 められています。  それから、次に栄養強調表示の使用に関するガイドライン。これは栄養強調として、 栄養成分強調あるいは栄養比較強調、それから栄養機能強調を規定しています。これら の強調には後ほど述べますが、いずれも表示という言葉が付きます。ここでは文章を簡 略化するため表示という言葉を省いていますが、それで現在、このガイドラインに健康 強調表示、これは後ほど御説明申し上げますが、これを加えた健康栄養強調表示の使用 に関するガイドラインとして修正案を現在検討しているところでございます。  追加でございますが、特定の健康状態、あるいは疾患により要求される特別食として 製造された食品に関する特殊用途食品の表示規格というのもございます。  次の11ページ目にいきまして、ここから現在検討されている健康食品に関係する規格 というものを若干御説明させていただければと思います。  まず、食品表示部会、こちらはCodex Committee on Food Ladelingとありますが、こ ちらでの検討状況を御報告させていただきます。  まず、そもそも先ほど何度も出てきました強調表示、これは英語で言えばClaim にな りますが、これはどういう意味かということは、若干直訳風になって恐縮なんですが、 食品がその期限、栄養的特性、性質、生産、加工処理、組成あるいはその他あらゆる品 質に関して特別な特徴を持つことを述べたり、示唆あるいは暗示するすべての表示のこ とを差します。  これは、先ほど冒頭で申し上げました包装食品表示一般規格、それから強調表示に関 する一般ガイドラインに規定されております。  基本的に、この後で述べるガイドラインにおきましても、こういった規定に基づいて 議論されております。  次の13ページをごらんになっていただけるようお願いいたします。  まず、健康・栄養強調表示の使用に関するガイドラインですが、これは先日、4月末 から5月初めにかけまして、小樽の方でコーデックスの部会が開催されまして、こちら で了承されまして、現在、ステップ8、つまり次に総会の承認を経れば、コーデックス 規格書に収載される形にまで現在来ております。  これは、一応位置づけとしては、先ほど栄養強調表示の使用に関するガイドラインが あるということを御説明しましたが、これについて栄養強調表示に加えまして健康強調 表示、これを加えた形で必要な事項を規定するものでございます。  先ほどの10ページのところで、いわゆる強調表示に関する一般ガイドラインというも のがございましたが、それとの関係を若干口頭で補足いたしますと、これはあくまで基 本は強調表示に関する一般ガイドライン、この一般ルールがあってそれを補足するもの が、この健康・栄養強調表示の使用に関するガイドラインです。ですので、あくまでそ ういった一般原則の強調表示に関する一般ガイドラインに含まれるすべての禁止事項を ここで別に取って代わるというものではございません。  あと、経緯のことで申し上げますが、まず、1979年に強調表示に関する一般ガイドラ イン、これが制定されまして、それで1991年に修正が採択されているいるわけですが、 この過程で健康強調表示に関しても議論が進められているところです。  ただ、これについてはなかなか加盟国の間でも議論がまとまりませんでしたので、健 康強調表示の部分につきましては、一旦置きまして、栄養強調、これは後ほど申し上げ ますが、栄養成分の強調、栄養比較強調、それから栄養素機能強調の3つなんですが、 これにつきましてガイドラインが採択されて、現在、これを改正する形で新たに健康・ 栄養強調表示の使用に関するガイドラインというのが、現在、策定作業が進んでいると ころです。 2の前文として、この部分は基本的にどういった精神でやっているかとい うことで書いていまして、例えば国の栄養政策、健康政策との一致、それから科学的な 根拠の裏づけ、あるいは消費者の食行動や食事パターンに与える影響についてのモニタ ーといったこと。 もう一つは、疾病の予防表示というのはできません。後ほど疾病の リスクリダクションというのが出てきますが、それとは異なって疾病を予防するという ことまではここのガイドラインではできないということになっております。  次の14ページ目をごらんになっていただけるようお願いいたします。  健康強調表示は一体何かということでございますが、これは食品あるいはその成分と 健康との関わりを述べ、示唆し、暗示するすべての表現のことであり、次のものが含ま れます。  これは、具体的には栄養素機能強調表示、それからその他の機能強調表示、それから 疾病リスク低減強調表示ということで、次のスライドと一緒にごらんになっていただけ ればと思いますが、このように強調表示には、栄養強調表示、栄養素成分強調表示、栄 養素比較強調表示、それから健康強調表示とあって先ほどの3つがあります。  この栄養強調表示というのは、どちからと言いますと、栄養素の成分がどう含まれて いるかという強調の方でございますので、日本で言えば、どちらかと言いいますと、栄 養表示の部分になります。  問題は、今回特に健康食品のことで個別の食品の機能制度化が議論になるわけです が、この部分につきましては、健康強調表示の方が中心になるかと思います。この栄養 素の機能、日本で言えば、例えば栄養機能食品で個別に栄養素の機能をうたっています が、それに相当するものが栄養素機能強調表示、それからそれ以外の機能強調表示と、 あともう一つは疾病リスク低減強調表示というのがあります。  1つ戻りまして、参考として、では栄養強調表示というのは何かというのは、今申し 上げましたとおりビタミンなりミネラルの含有量などにつきまして強調する表示という ことでございます。  前後して申し訳ございませんが、16ページをごらんになっていただけるようお願いい たします。  栄養素機能強調表示というのは何かというのは、こちらはまず原点に当たりますと、 栄養素の生理学的な役割を表示するものであります。  次の栄養素機能以外のその他の機能強調表示、これはOther Function Claims と言っ ておりますので、それを補足する形で栄養素機能以外ということでわかりやすく説明で きればと思っていますが、その品あるいはその構成物、具体的には例えば特定成分にあ りますが、それを摂取することによる特定の有用な効果に関する表示です。具体的に は、健康に対する積極的な貢献、あるいは機能の改善、それから健康の保持ということ で、例えば物質Aは、健康に係わる生理学的機能もしくは生物活性を改善、変更する効 果があると。どちらかと言えば、日本で言えば、特定保健用食品に近い制度になるかと は思います。  次に17ページに参りまして、疾病のリスク低減強調表示というのがございます。  こちらは、具体的には食生活においてその食品の成分と、疾病あるいは健康に関する 状態の進行に関するリスクの低減との関係でございます。  この場合のリスクの低減というのは、疾病あるいは健康状態に対するリスクを有意に 改善するということの意味が必要でございます。  あと、ここで気をつけなければいけないのは、疾病には複数のリスク要因があって、 それらのうちの1つを改善することでは、必ずしも効果があるとは限らないということ は、ここで述べることになっています。  具体的には、栄養素Aは、物質Aの含有量の低い健康的な食事、またはリスクを低減 するかもしれない。これは英語でもともとmay、orという言葉を使っておりますの で、必ずしも適当ではないかもしれませんが、断定的に言わないという意味で、この言 葉を使っております。  まず、それぞれ3つ強調表示の関係を申し上げますと、1つ戻りまして16ページの栄 養素以外のその他の強調表示の部分ですが、もともとこれは栄養素機能強調表示以上の 高度な強調表示という言葉が検討されていましたが、これにつきましては、これを高度 と言うと若干うまく説明できないということで、栄養素機能強調表示以外のその他の機 能強調表示となったという経緯がございます。  あと、経緯的なことを申し上げますと、なぜReduction of Disease Risk となったか は、経緯を確認してみますと、1998年の第26回の分会においてアメリカの提案がありま して、疾病の予防と、こういうことをしないようリスクの低減としたという経緯がある ようでございます。  次に18ページをごらんいただけるようお願いいたします。  この健康強調表示が認められる条件は何かというのが4つございます。  1つは、当然のこととして健康強調表示というのは科学的知見に基づくものでなけれ ばなりません。具体的には、2つの要素が必要です。  1つは、広く認知されている食事と健康の関わりにおける栄養素の生理学的役割。  2)として、それがどれぐらい含まれているかという情報が必要でございます。  Bとしては、食品が販売される国の当局が容認できるものでなければならないという ものがございます。  ただ、これは若干注意が必要なんですが、冒頭で申し上げましたとおり、コーデック スというのは、紛争になったときの裁定の基準になりますので、仮にこのリスクリダク ション表示につきまして紛争になった場合には、当然このことの違いというのは、仮に 当局が認めていないということだけでは必ずしも紛争において勝てるというわけではな く、ある程度合理的な説明が必要だということだそうです。  Cとして、強調表示されている効果というのは、言わば合理的な量、つまり特定の食 品を過剰に食べるんではなくて、普通に食べる量の中でそういった効果が得られるべき ということでございます。  それから栄養素機能強調表示、先ほどの3つの中の1つにございましたが、これは コーデックスの栄養表示ガイドライン、あるいはその国で認められたNRV、日本で言 えば、栄養所要量ですが、これに規定されている必須栄養素を対象とすべきということ でございます。  19ページをごらんいただけるようお願いいたします。  では具体的にどういった表示をするかということにつきまして、これは項目が多いの ではしょって説明させていただきますが、まずは適切な食事習慣をおとしめるようなも のであってはならないと、あるいは過剰の摂取を促進するようなものではないこと。  それから成分の量を表示すると、それから対象とするグループがどういった方々か。 それから後は使用方法、F番としては虚弱な人の場合の使用方法、あるいは摂取を忌避 する必要がある人へのアドバイス、あるいは最大摂取量、それから食事に対する導入方 法、最後は、ある意味当然のことかもしれませんが、健康的な食事の維持の重要性とい ったものを表示すべきということでございます。  次は、20ページに参りまして、栄養・特殊用途食品部会における検討内容を御報告さ せていただきたいと思います。  ビタミン・ミネラル補助食品ガイドラインというのが、現在検討されておりまして、 これは位置づけとしては、こういったビタミン・ミネラル補助食品に対する成分規格、 後ほど申し上げますが、あるいは例えば表示すべき事項といったものを規定しておりま す。  前文のところでもありますが、これも先ほどの健康栄養強調表示の中にも幾つか出て きましたが、本来であれば、普通の食事を摂取することによってバランスの取れた食事 ができる人というのは必要な栄養素というのは取れると。ただ、あくまで補充という位 置づけでビタミン・ミネラル食品は位置づけられるということが、この前文では述べら れております。  22ページ目に参りまして、ビタミン・ミネラル補助食品ガイドライン案、一応これは 先ほど説明を飛ばしましたが、現状では、現在ステップ3ということで、まだこれは2 回目のステップに入っているものではございません。  戻りまして、適用されるものですが、これは日常の食事の補助に用いるビタミン・ミ ネラル補助食品に適用されます。補助食品が法的に食品と判断とされる場合のみ適用と いうことでございます。  先ほども少し申し上げましたが、特定用途食品の表示規格が対象とする食品には適用 とされないということでございます。  定義でございますが、これは幾つかございますが、まずは当然ビタミン・ミネラルと いうのは栄養学的な意味でのビタミン・ミネラルであると。  こういった補助食品というのは、通常の食品の形態ではございませんで、例えば錠 剤、粉末、カプセル、それらを濃縮したものといったことで、大量のエネルギーを摂取 するものではないことが条件です。  この四角括弧が付された部分というのは、現在まだ加盟国の間で合意に至っているも のではないんですが、定義としては、あくまで補充とか必要と考える場合に、日常の食 事を補助するものということで定義されております。  次に参りまして、ビタミン・ミネラル補助食品ガイドラインの成分規格でございます が、表示基準の対象とするビタミン・ミネラルの選択につきましては、まず、FAO/ WHOに認知されて、人に対する栄養価が科学的に証明されることが前提ですが、そう いった認知されたビタミン、あるいはビタミン前駆体、あるいはミネラルを含むべきで あると。  当然、こういったビタミン・ミネラル源の選択というのは、安全性、あるいは生物学 的利用能の基準を基にすべきと。  それからCとしては、各国としての供給状況を考慮して、あとは健康保護、あるいは 安全性を理由とすべきと。  それからビタミン・ミネラル補助食品というのは、単独であり、あるいは複数のビタ ミン・ミネラルを含むことが両方できます。  24ページに参りまして、成分規格でございますが、まず、こちらはビタミン・ミネラ ルの含有量について規定しております。具体的には、ビタミン・ミネラルの製造者によ る推奨1日摂取量の最小量というのは、栄養所要量の大体15%〜33%、このどの程度の 割合かというのは、現在、各国で検討中ですので、これまだ合意に至ったというもので はありません。  それから最大値というのは、栄養所要量の100 %を超えてはならないと。1日摂取量 の最大値を決める際には、例えば科学的なデータに基づくリスク評価に基づいて、それ から次に消費者層の感受性の違いを考慮して決定します。  それから食事から摂取されるビタミン・ミネラルの1日摂取量というのも当然考慮し て決められます。  あとは、国別に異なる最大限度値を定めるということもできます。  25ページ目に参りまして、表示すべき事項の内容でございますが、こちらにつきまし ては、まず、製品名にビタミン・ミネラル補助食品を表示すると。あるいは食品を補充 するビタミン・ミネラル補助食品と表示した上で、栄養素名を表示すべきということで ございます。これもまだかぎ付きですので、合意には至っておりません。  それから含有量ですが、これは2つございまして、これは推奨1日摂取量に対する割 合、それから摂取単位量当たりの重量で表示いたします。例えば1回摂取するときの量 で表示いたします。  それから栄養所要量に対する情報、例えばこれは所要量に対する割合という、栄養表 示に関するガイドラインにおける所要量に対する割合を表示するとされています。  それから推奨される使用方法、あとは警告表示、それからもう一つは、食事の代替と して長期間使用する旨の表示と。それからもう一つは、栄養士、栄養管理者あるいは医 師の助言で摂取すべきという表示。  これらにつきましては、まだ合意に至っていない部分がございますが、現在、こうい ったことを表示すべきということで検討されている状況でございます。  以上でございます。 ○田中座長  ありがとうございました。それでは、ただいまコーデックスの概要についての説明を いただいたわけですが、これに対しての御意見、御質問がございましたらお願いしたい と思います。  これは、今年の4月から5月初めにかけて、表示部会がカナダで開かれました。その 時の最新情報が入っています。  つまり、従来、「高度健康強調表示」と言われていたものが、「その他の機能強調表 示」となったところであります。  そして、いわゆるリスクリダクションのClaim が採用されたといったところが一番の 特徴ではないかなと思います。  それからもう一つは、この栄養特殊用途食品部会では、従来はダイエタリーサプリメ ント、つまり栄養補助食品と言われておったんですが、これがビタミン・ミネラル補助 食品というように、ビタミンとミネラルに限定しておるというのも特色であります。ダ イエタリーサプリメントからビタミン・ミネラルサプリメントになったのはいつからで したか。 ○尾形新開発食品保健対策室長  正確に何年からだったか、今ちょっと調べますが、ごく最近こうなったということで す。それは当初はハーブあるいはアミノ酸も含めて、いわゆるダイエタリーサプリメン ト全体を対象にこういう規格をつくろうという話が始まったところ、ハーブとかアミノ 酸については、各国で意見が非常にまとまらなかったと、このままこれを対象の中に含 めていくと、いつまで経っても議論が進まないということがあったので、たしか3年ほ ど前だったと思うんですけれども、ドイツにおける部会の方で、意見のまとまりやすい ビタミンとミネラルだけを先行して規格をつくろうということになったものと理解して おります。そう切り離したんですけれども、まだステップ3ということで、まだ多々問 題は残されているという状況です。 ○田中座長  そういう意味では、日本の栄養機能食品に近いものになってきておるわけです。大体 これはヨーロッパ、EU諸国からの流れだと思います。  それでは、木村先生、何か御質問はございませんか、先生方はコーデックスのことを よく御存じかもしれませんが。 ○木村委員  最新の情報をありがとうございます。いろいろ表示とか、私どもが今から検討するの に非常に役立つようなことと思います。 ○田中座長  どうぞ。 ○合田委員  教えていただきたいんですが、18ページのAの1)の広く認知されている云々という ところの広く認知されているというのは、どういうレベルを言っているんでしょうか。 ○小澤室長補佐  ここはワイド・リコグナイズというもともとの英語の用語が使われておりますので、 恐らくここはどういう形かというのは、かぎ括弧が若干あることですが、広くというこ とですので、まさにここにありますように、一般的に認知されているということかと思 います。 ○合田委員  多分、このディスカッションをするときに、サイエンティフィックなエビデンスが、 こういうことをするのに非常に重要だというディスカッションが、たしか昔コーデック スでありまして、そこでいろんな話があったかと思うんですけれども、その出口は多分 これだと思うんです。  そうすると、どういうエビデンスかということは、結局コーデックスでは決まらなか ったということですか。 ○田中座長  いや、先生、これは栄養素の話ですから、ビタミン・ミネラルについてはもう既に、 いわゆる医学、内科学あるいは栄養学の教科書で、その生理作用、あるいは欠乏症等、 記載されていますね、だからそういうレベルの話です。栄養素ですから。だからミネラ ル、ビタミンについては人体への生理作用及び欠乏症等が明確にわかっていますね、で すからわかりやすい言い方をすれば、世界の標準的な教科書に記載されておるというよ うな読み替えをしてもらってもいいのではないかと思います。 ○合田委員  どうもありがとうございます。  そうすると、そういうものについては、リスクリダクションの表示ということにつな がってくるんですか。 ○田中座長  リスクリダクションは、また別ですね。リスクリダクションの場合には、やはりかな り先生のおっしゃっているエビデンスベースのものでないとだめだと思います。 ○合田委員  この表題がそもそもHealth Claims になっておりますが。 ○田中座長  勿論そうですが、ここの記載は、一応栄養素ということに限っておるんではないかと 思います。抗酸化作用をもつビタミン、ミネラルは生活習慣病のリスクリダクションを 示すこともありますし・・・・。 ○尾形室長  済みません、事務局の方の資料の作り方が誤解を招くようになっておるかもしれませ んが、こういうことでございます。  健康強調表示という内容に3つの中身があります。栄養素機能強調、それからその他 の機能強調、それからリスクリダクションと3種類あるということで御紹介しました が、ここにある条件は、別にどれかについてということで特定された条件ではなく、こ の条件を満たしていればリスクリダクションも含めて可能であると、そういう構造でご ざいます。  ただ、このAのところに1)2)と書いてある内容については、健康強調表示をしよう とする場合に、問題になります食品成分が栄養素だった場合の話でございまして、その 1)2)という部分の書きぶりだけは、ごく部分的な限定的な適用対象を持つ話だった ので、ちょっと誤解を招くような書き方になっていたということでございます。 ○田中座長  原文は、NutrientもしくはNutrition となっておりますか。 ○尾形室長  Nutrientだと思います。 ○田中座長  だから栄養素についてはそうだということのようです。  それから、リスクリダクションについては、当然エビデンスベースということですか ら、できたらメタアナリシスとか、RCTとか、少なくとも多くの研究とかでそれぞれ の因果関係のレベルがありますから、そういったことできちんと実証されておるという 意味であると思います。リスクリダクションの場合はです。  例えば、食事性の飽和脂肪酸やコレステロールは血中コレステロールを上げるという のは、ほぼ否定する人はないですね、これは確立された概念ですから、そのように解釈 していただいたらいいんではないかと思います。 ○合田委員  昔、リスクリダクションの場合、個別の商品で人のレベルで明らかな試験がないとだ めだというようなディスカッションをしていましたが、ここに書いてあるのは、個別の 商品に限ってというわけではない考え方なんですか、これはそのものが入っているとい うことがわかっていれば、こう書けるという考え方なんですか。日本の特定保健用食品 は、その個別の食品で必ずエビデンスがないとだめだという考え方ですか。 ○田中座長  原則としてはそうです。なお、日本の特定保健用食品の場合については、現時点では リスクリダクションは認められていないんです。 ○合田委員  認められていないですね、当然そうですけれども、そうではなくて、こういう健康強 調表示をする場合の部分について、エビデンスのレベルがその商品に限ってという考え 方で話をしているわけではなくて、その成分全体としてこういう考え方をしているとい うことですか。 ○田中座長  ですから、17ページを見ていただいたら一番いいと思うんです。一番下に例と書いて ありますが、これが1つの例です。これは2つの文章に分かれておるところが特色で す。  1つは、先ほど話がありましたように、一応広く認められておるという事項であるわ けです。栄養素Aまたは物質Aの含有量の低い健康的な食事は疾病のリスクを低減させ るかもしれない。例えば、飽和脂肪酸の低い健康的な食事は、高脂血症のリスクを低減 させるかもしれない、これはわかっている話ですね。そして、それを受けた上で、この 健康食品Xはということでしょうね。例えば飽和脂肪酸が少ないという二段構えの表示 になっておるということです。食品X中のAの含有量が問題となってくるでしょうが・ ・・・。  だから、個々の食品については、2行目の文章になるわけです。1行目の文章は、先 ほど先生が御指摘があったように、18ページのAの1)にあります広く認知されている 食事と健康との関わりというお話になっているわけです。 ○合田委員  要するに18ページのA、Bの部分は特に栄養素についてという話で理解してよろしいん ですね。 ○田中座長  そうですね。本当は原文にはどう書いてあるかですが。 ○尾形室長  原文をよく読みますと、こういうことでございます。  18ページのAの最初の1行ですが、これが条件というべきものでございます。  Health claim must be based on current relevant scientific substantiationとな っているわけでございます。それで、1)2)として書いてある部分は、実は、こうい う下りでございます。The health claim must consist of two parts、つまりそういう 健康強調表示というのは、次の2つの部分から成っているべきだと、要するに構成要素 でございまして、ツーウェーシステムとかという言い方をしておるんですけれども、ま ず、食品成分とか栄養素がどういう性格のものか、それを言った上で当該食品にはこれ が含まれていると、そういうふうに言ってくださいという話をこれは書いている部分で ございます。 ○合田委員  両方を表示しろということですね。 ○尾形室長  はい、そういうことです。日本の特定保健用食品ですと、そうではなくて、個々の商 品が何々だという書き方でございます。こういう有効性を持っていると、それを2つに ばらして、まず食品成分と有効性、その当該食品と食品成分との関係を別々に書くとい うのが、このコーデックス流の健康強調表示のパターンだということで御理解いただけ ればありがたいと思います。 ○田中座長  もう一度確認ですが、今の18ページは栄養素とは書いていないんですね。 ○尾形室長  いえ、Nutrientと書いております。Information physiological role of the Nutrientと書いてあります。 ○田中座長  だからそういうことですね。ですから、例えば17ページの先ほどの下の例で言うと、 日本は個別評価ですので、日本の特定保健用食品では食品Xは物質Aが少ないので何々 という疾病のリスクを低減するかもしれないという1つの文章で表現されているという ことです。  コーデックスは、広く認められていることをまず書けと、それを受けて、その食品の 記述をせよと、そういうことになっているということであるわけです。だから、もしも リスクリダクションを日本で認めるようになっていくとすれば、こういう表現が望まし いという意味に解釈できるわけであります。しかし、「物質A」という表現があります から、栄養素に限らないのかもしれませんが・・・・。  ほかに御質問ございませんか。  合田先生、よろしゅうございますか、今のはわかっていただけたでしょうか。 ○合田委員  あと、17ページの一番下のところは、栄養素Aまたは物質Aが含まれている場合に、 疾病の低減云々という場合は考えていないんですか、それも当然あるわけですね。 ○田中座長  いやいや、これは低い例ですし、高い場合というのも勿論あります。 ○合田委員  下の文章は、もしかして違うんではないかと思うんですが、食品Xの方は、もしかす ると、栄養素Aがあると低減して、後の方は物質Aが少ないと低減するという両方の意 味が取れるように文章が書いてあるのかなと思ったんですが。 ○尾形室長  これも例示として、ちょっと不適切だったかと思うんですが、これは例えば塩分とか で考えていただければいいんですけれども、塩分が少ない健康的な食事は疾病リスクを 低減すると、ちなみにこの食品Xは塩分が少ないと、こういう例示なんです。  裏の書き方の例を書いてしまったので、本当だったら何々が含まれている食事はリス ク低減につながって、何々というこの食品は、何々が多いというふうに書いてあればわ かりやすかったんですが、たまたま裏の例を取ってしまったので、非常に誤解を招くよ うになってしまいました、恐縮でございます。 ○合田委員  わかりました。 ○田中座長  勿論、高い例であってもいいわけです。多く含まれているという意味です。  栄養素で言いますと、例えば食塩が低いと高血圧のリスクを下げるわけです。この食 品は食塩が少ないのが、今の室長の説明であったわけです。  もう一つ、例えば仮にビタミンCの多い食品は、動脈硬化性疾患のリスクを下げると いうことであって、この食品はビタミンCを含んでいますという例であってもいいわけ です。 ほかに御質問ございませんか、よろしゅうございますか、またたくさんの資料 をいただきましたので、先生方におかれましても大変でしょうが、もう一度よく見てい ただけたらいいんではないかと思います。  よろしゅうございますか。  それでは、少し時間が早いようでございますが、本日の検討会は、これで終了にした いと思います。  池本参考人、飯島参考人におかれましては、御多忙のところこの検討会に御出席いた だきまして、委員に成り代わりまして心から御礼申し上げます。大変ありがとうござい ました。  次回の第3回検討会でありますが、5月27日の火曜日午前でございますが、開催する ことにしたいと考えております。場所は決まったでしょうか、まだ未定ですか。 ○小澤室長補佐  厚生労働省の第22会議室ということです ○田中座長  何階でしょうか。 ○遠藤部長  18階。 ○田中座長  厚生労働省の建物の中の第22会議室で27日火曜日、午前中10時から12時までの間に開 催することにいたします。  どうぞ。 ○合田委員  前回、ヒアリングの対象のところで募集があったんですけれども、国民生活センター を呼んでいただければいいんではないかと思っているんですが。 ○田中座長  わかりました。それでは、それは私と事務局とで話し合って検討させていただきま す。  どうもありがとうございました。                                   ――了―― 照会先:医薬食品局食品安全部 基準審査課新開発食品保健対策室      (内線:4270、2459)