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ロッテルダム条約
(The Rotterdam Convention on the Prior Informed Consent Procedure for Certain
Hazardous Chemicals and Pesticides in International Trade)



 背景等
 1992年の国際環境開発会議(UNCED)で採択されたアジェンダ21は、有害な化学物質の適正な管理のため、事前のかつ情報に基づく同意の手続に関する法的文書の作成を謳っており、これを受けた国際環境計画(UNEP)及び国連食料農業機関(FAO)共催の交渉を経て、1998年9月10日、ロッテルダムにおいてこの条約が採択された。
 本年1月末現在、未発効。発行には50箇国の締結が必要。現在の締約国は39箇国(G8では、加、独、伊の3箇国)。

 ロッテルダム条約の概要
 この条約は、複数の締約国において使用を禁止され又は厳しく規制された化学物質及び極めて有害な駆除用製剤を一定の手続に従って条約の附属書に掲載し締約国は、自国の輸出者が他の締約国の当該化学物質の輸入に係る決定に従うことを確保すること、締約国間で有害な化学物質等に関する情報交換を促進すること等を規定しており、有害な化学物質の潜在的な害から人の健康及び環境を保護し、並びに当該化学物質等の環境上適正な使用に寄与するものである。
 具体的には、事務局が、附属書に掲載する化学物質について締約国に予め輸入意思を確認し、それを各締約国に送付することにより、締約国がその化学物質を他の締約国に輸出するにあたり当該輸入国の意思に従うように規定している。また、自国内で禁止又は厳しく規制された化学物質を輸出する場合に、輸入国に対しその危険性等の情報を通報することを規定している。


附属書(III)に掲げられた27物質の用途


1.一般用途別分類

一般用途別分類の図


2.条約上の分類及び主な具体的用途
  <駆除剤>
ニ・四・五−T  除草剤
アルドリン  殺虫剤
カプタホール  殺菌剤
クロルデン  殺虫剤(工業用:合板接着剤の添加物)
クロルジメホルム  殺虫剤、殺ダニ剤
クロロベンジレート  殺ダニ剤
DDT  殺虫剤
ディルドリン  殺虫剤
ジノセブ及びジノセブ塩  殺菌剤、除草剤
一・二−ジブロモエタン(EDB)  殺虫剤
フルオロアセタミド  殺鼠剤、殺ダニ剤
HCH(異性体混合物)  殺虫剤
ヘプタクロル  殺虫剤
 (工業用:地下のケーブル用の箱における使用)
ヘキサクロロベンゼン  殺菌剤
リンデン  殺虫剤、殺ダニ剤
水銀化合物  殺菌剤
 (工業用:理化学機器、ハンダ)

  <著しく有害な駆除用調合剤>
モノクロトホス  殺虫剤、殺ダニ剤
メタミドホス  殺虫剤
ホスファミドン  殺ダニ剤、殺虫剤
メチルパラチオン  殺虫剤、殺ダニ剤
パラチオン  殺虫剤

  <工業用化学物質>
クロシドライト  アスベスト(石綿)の一種、断熱剤、電気絶縁材
ポリ臭化ビフェニル(PBB)
 (但し、臭素数が六、八、十のものに限る)
 耐熱プラスティック、合成繊維の難燃剤
ポリ塩化ビフェニル(PCB)  絶縁油(蓄電器、変圧器)、熱媒体
ポリ塩化テルフェニル(PCT)  ワックス(金属部品用)、燃焼抑制剤
トリス(ニ・三−ジブロモプロピル)=ホスファート  合成繊維、プラスチック、塗料、ゴム等の燃焼抑制剤

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