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安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律について



新しい血液法の概要


血液事業の実施フローと国の関与等について


安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律(抄)
(昭和三十一年法律第百六十号)


   第一章 総則

 (基本理念)
三条 (略)
 (略)
 血液製剤は、献血により得られる血液を原料とする貴重なものであること、及びその原料である血液の特性にかんがみ、適正に使用されなければならない。
 (略)

 (国の責務)
四条 (略)
 国は、血液製剤に関し国内自給が確保されることとなるように、献血に関する国民の理解及び協力を得るための教育及び啓発、血液製剤の適正な使用の推進に関する施策の策定及び実施その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

 (医療関係者の責務)
八条 医師その他の医療関係者は、基本理念にのつとり、血液製剤の適正な使用に努めるとともに、血液製剤の安全性に関する情報の収集及び提供に努めなければならない。


薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(抄)
(平成14年6月4日参議院厚生労働委員会)

  政府は、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

 血液製剤の適正使用を一層推進する観点から、我が国における血液製剤の過剰使用及び使用量の地域間格差の原因を調査するとともに、標準的な使用指針の医療機関への普及を図ること。さらに、不適切な使用を是正させる具体的方策を検討すること。


医薬品・医療機器の安全対策の推進に関する件(抄)
(平成14年7月24日衆議院厚生労働委員会決議)

 我が国の国民があまねく近代的医療の恩恵を享受しうる社会環境が整備され、先端技術を用いた医薬品・医療機器が多くの患者の生命を救い、あるいは予後の改善をもたらしてきた。しかしながらその一方で、サリドマイド、スモン、HIV感染、クロイツフェルト・ヤコブ病感染という医薬品・医療機器による健康被害が発生したのも事実である。政府は、こうした健康被害を再び発生させることのないよう最善の努力をするとともに、速やかに次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

 血液製剤の遡及調査を円滑に実行するとともに、適正使用を徹底するため、医療機関の体制確保を含め具体的施策を講ずること。医療関係者が、特定生物由来製品のリスクとベネフィットの説明を十分患者に説明できる環境を整備すること。


血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保に関する基本的な方針(抄)
(平成十五年五月十九日厚生労働省告示第207号)


第一 血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保に関する基本的な方向

 一 基本的な考え方
1〜2 (略)
 適正使用の推進
 医療関係者は、血液製剤が人の血液に由来する有限で貴重なものであること及び原料に由来する感染のリスク等について特段の注意を払う必要があることを改めて認識し、真に必要な場合に限って血液製剤を使用するなど、適切かつ適正な使用を一層推進する必要がある。これは国内自給及び安定供給の確保の観点からも重要である。
 このため、医療機関において、血液製剤の管理体制を整備し、血液製剤の使用状況を正確に把握する等、血液製剤の適正な使用を推進する必要がある。
 以上のことから、国は、血液製剤の適切かつ適正な使用を推進するため、血液製剤の適正使用や輸血療法の実施等に関する指針の普及を図るものとする。また、医療機関における血液製剤の使用状況について定期的に評価を行うなど、更に適正使用を促進するための方策を講ずることとする。

第三 血液製剤に関し国内自給が確保されるための方策に関する事項

 二 国内自給を確保・達成するための基本的な考え方
 血液事業に関わる者は、血液製剤の国内自給を確保・達成するため、国内の需要を満たすために必要な献血量を確保し、あわせて、確保された原料血漿がすべて有効に利用され、血液製剤として国内に供給されるよう体制を整備するとともに、血液製剤の適正使用を推進することが必要である。

 五 血液製剤の適正使用について
 免疫グロブリン製剤の使用量は増加傾向にあり、今後、適正使用の推進が求められる。アルブミン製剤の使用量は、適正使用の推進の結果として、減少傾向にあり、引き続きこの動向が維持される必要がある。
 医療機関においては、第七に示すとおり、血液製剤の適正使用に努めることが必要である。また、国は、血液製剤の適正使用や輸血療法の実施等に関する指針を医療機関に示してきたところであるが、医療機関における血液製剤の使用状況について定期的に評価を行うなど、適正使用の推進のためのより効果的な方法を検討するものとする。

第七 血液製剤の適正な使用に関する事項

 一 血液製剤の適正使用の推進
 医療関係者は、血液製剤の特徴を十分に理解し、その適正な使用を一層推進する必要がある。また、医療関係者に対する教育や研修等、様々な機会を通じて働き掛けていくことが重要である。
 国は、血液製剤の適正使用や輸血療法の実施等に関する指針を医療機関に示してきたところであるが、医療機関における血液製剤の使用状況等について報告を求め、定期的に評価を行うなど、適正使用の推進のためのより効果的な方法を検討するものとする。

 二 院内体制の整備
 医療機関においては、血液製剤を用いた医療が適正になされるよう、院内の血液製剤を管理し、使用するための体制を整備することが重要である。このため、国及び都道府県等は、そのような医療機関に対し、様々な機会を通じて院内における輸血療法委員会、責任医師の任命及び輸血部門の設置を働き掛けるものとする。

 三 患者等に対する説明
 医療関係者は、それぞれの患者に応じて血液製剤の適切な使用に努めることが重要であり、患者又はその家族に対し、適切かつ十分な説明を行い、その理解と同意を得るよう努めるものとする。

第八 その他献血及び血液製剤に関する重要事項

 一〜二 (略)
 三 研究開発等における血液製剤の使用に関する基準の策定
 国民の善意の献血によって得られる血液を主たる原料とする血液製剤は有限で貴重なものであり、その使用に当たっては、倫理的な観点からの慎重な配慮が必要である。血液製剤の適用外使用により、本来の効能・効果を目的として供給される血液製剤が不足したり、医療に支障を生じることがあってはならない。
 しかしながら、研究開発等に当たり、人の血液を使用せざるを得ない場合もあるため、本来の効能・効果を目的とした血液製剤の供給に支障を生じないよう、国は、研究開発等における血液製剤の使用に関する基準を策定し、これを様々な機会を通じて医療関係者等に徹底させるものとする。
 基準の策定に当たっては、血液事業に関わる者の意見を踏まえ、公正かつ透明な審議を確保するものとする。


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