研究事業:障害保健福祉総合研究事業 | ||||||||||||||||||
所管課:社会・援護局障害保健福祉部企画課 | ||||||||||||||||||
予算額の推移: ※1:研究費 ※2:推進事業費
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平成12年度厚生科学研究費補助金採択課題一覧
事業名 | 開始 | 終了 | 主任研究者 | 所属施設 | 職名 | 研究課題名 | 交付決定額 | |
1 | 障害保健福祉総合研究事業 | 12 | 13 | 田中 理 | 横浜市総合リハビリテーションセンタ− | 企画研究室長 | チェアスキー・ソルトレ−クモデルの研究開発 | 4,000 |
2 | 障害保健福祉総合研究事業 | 12 | 13 | 有馬 正高 | (社)日本知的障害福祉連盟 | 会長 | 知的障害者のための専門診療科医療の確保に関する研究 | 12,000 |
3 | 障害保健福祉総合研究事業 | 12 | 13 | 岡田 喜篤 | 川崎医療福祉大学 | 副学長・教授 | 障害児の発達支援のあり方と市町村との関係に関する研究 | 11,000 |
4 | 障害保健福祉総合研究事業 | 12 | 14 | 加我 牧子 | 国立精神・神経センタ−精神保健研究所 | 部長 | 知的障害児の医学的診断のあり方と療育・教育連携に関する研究 | 7,000 |
5 | 障害保健福祉総合研究事業 | 12 | 14 | 前田 茂 | 岡山大学歯学部附属病院歯科麻酔科 | 講師 | 知的障害者の歯科治療におけるノーマライゼーションに関する研究 | 7,000 |
6 | 障害保健福祉総合研究事業 | 12 | 14 | 多屋 淑子 | 日本女子大学家政学部 | 助教授 | 重症心身障害児のQOL向上を支援するための衣生活に関する研究 | 3,000 |
7 | 障害保健福祉総合研究事業 | 12 | 14 | 鈴木 二郎 | 東邦大学医学部精神神経医学講座 | 教授 | 精神医学における倫理的・社会的問題に関する研究 | 10,000 |
8 | 障害保健福祉総合研究事業 | 12 | 14 | 伊藤 順一郎 | 国立精神・神経センタ−精神保健研究所 | 社会復帰相談部長 | 地域精神保健活動における介入のあり方に関する研究 | 5,000 |
9 | 障害保健福祉総合研究事業 | 12 | 14 | 樋口 輝彦 | 国立精神・神経センタ−国府台病院 | 副院長 | 精神病院等の設備構造及び人員配置の在り方に関する研究 | 10,000 |
10 | 障害保健福祉総合研究事業 | 12 | 13 | 北川 定謙 | 埼玉県立大学 | 学長 | 精神障害者の社会復帰に向けた体制整備のあり方に関する研究 | 3,000 |
11 | 障害保健福祉総合研究事業 | 12 | 14 | 長瀬 輝誼 | 東京愛成会 高月病院 | 院長 | 病態像に応じた精神科リハビリテーション療法の研究 | 3,000 |
12 | 障害保健福祉総合研究事業 | 12 | 14 | 竹島 正 | 国立精神・神経センタ−精神保健研究所 | 部長 | 精神病院・社会復帰施設の評価及び情報提供のあり方に関する研究 | 10,000 |
13 | 障害保健福祉総合研究事業 | 12 | 13 | 仲村 英一 | (財)医療情報システム開発センタ− | 理事長 | 国際障害分類の改訂作業に伴う諸制度との関係及び諸外国の動向調査研究 | 5,000 |
14 | 障害保健福祉総合研究事業 | 12 | 14 | 白澤 政和 | 大阪市立大学生活科学部 | 教授 | 障害者ケアマネジメントの総合的推進に関する研究 | 4,500 |
15 | 障害保健福祉総合研究事業 | 12 | 13 | 上田 敏 | (財)日本障害者リハビリテーション協会 | 副会長 | WHO国際障害分類第2版の信頼性・妥当性・実用性に関する研究 | 3,000 |
16 | 障害保健福祉総合研究事業 | 12 | 13 | 荒木 信夫 | 埼玉医科大学神経内科 | 助教授 | 脳障害に伴う失認による生活機能障害の評価と生活支援に関する研究 | 4,500 |
17 | 障害保健福祉総合研究事業 | 12 | 14 | 三村 將 | 昭和大学医学部精神医学教室 | 専任講師 | 壮年脳損傷患者の高次脳機能障害に関する行動的評価法の開発 | |
18 | 障害保健福祉総合研究事業 | 12 | 12 | 山内 繁 | 国立身体障害者リハビリテーションセンター | 所長 | 障害保健福祉総合研究事業の企画と評価に関する研究 | 2,280 |
19 | 障害保健福祉総合研究事業 | 11 | 13 | 木村 哲彦 | 日本医科大学医療管理学教室 | 教授 | 身体障害者福祉法における障害認定の在り方に関する研究 | 5,000 |
20 | 障害保健福祉総合研究事業 | 11 | 13 | 坂口 亮 | 全国肢体不自由児施設運営協議会 | 会長 | 脳性麻痺など脳性運動障害児・者に対する治療およびリハビリテーションの治療効果とその評価に関する総合的研究 -障害児・者等の機能改善へ向けて臨床医療的な視点から- | 8,000 |
21 | 障害保健福祉総合研究事業 | 11 | 13 | 小野寺 昇 | 川崎医療福祉大学医療技術学部 | 教授 | 障害児等に対する水中運動を活用したリハビリテーション・プログラムの開発及び評価に関する実践的研究 | 4,000 |
22 | 障害保健福祉総合研究事業 | 11 | 13 | 柴田 貞雄 | 国立身体障害者リハビリテ−ションセンタ−病院 | 病院長 | 人工内耳装用児の言語習得訓練状況についての全国調査と訓練法の開発 | 8,000 |
23 | 障害保健福祉総合研究事業 | 11 | 13 | 寺島 彰 | 国立身体障害者リハビリテ−ションセンタ− | 社会適応システム開発室長 | 盲ろう者に対する障害者施策のあり方に関する研究 | 9,000 |
24 | 障害保健福祉総合研究事業 | 11 | 13 | 二瓶 健次 | 国立小児病院神経科 | 医長 | 先天性無痛無汗症の生活援助に関する研究 | 5,000 |
25 | 障害保健福祉総合研究事業 | 11 | 12 | 渡辺 勧持 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 | 学部長 | 知的障害者における入所施設から地域への移行に関する研究 | 4,000 |
26 | 障害保健福祉総合研究事業 | 11 | 12 | 鈴木 康之 | 東京小児療育病院 | 院長 | 障害者福祉における医療ケアと施設の役割に関する総合的研究 | 8,000 |
27 | 障害保健福祉総合研究事業 | 11 | 12 | 浅井 邦彦 | 医療法人静和会浅井病院 | 病院長 | 精神科医療における行動制限の最小化に関する研究−精神障害者の行動制限と人権の確保のあり方− | 3,000 |
28 | 障害保健福祉総合研究事業 | 11 | 12 | 辻 伸行 | 上智大学法学部 | 教授 | 精神障害者の他害行為への対応とその防止に関する法政策の研究 | 6,000 |
29 | 障害保健福祉総合研究事業 | 11 | 12 | 三村 誠 | 社会福祉法人こどもの国 | 常勤理事 | 重介護を要する知的障害者の援助のあり方に関する研究 | 6,500 |
30 | 障害保健福祉総合研究事業 | 11 | 12 | 宮永 和夫 | 群馬大学保健管理センター | 助教授 | 若年痴呆の処遇と評価法の開発に関する研究 | 3,500 |
31 | 障害保健福祉総合研究事業 | 11 | 12 | 池上 直己 | 慶應義塾大学医学部 | 教授 | 精神医療における看護ケア必要度に関する研究 | 7,500 |
32 | 障害保健福祉総合研究事業 | 11 | 12 | 大野 裕 | 慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室 | 専任講師 | うつ状態のスクリ−ニングとその転帰としての自殺の予防システム構築に関する研究 | 6,000 |
33 | 障害保健福祉総合研究事業 | 11 | 12 | 木村 博光 | 国立伊東重度障害者センター医務課 | 課長 | 重度障害者のリハビリテーションとノーマライゼーションに関する研究 | 5,000 |
34 | 障害保健福祉総合研究事業 | 10 | 12 | 浅井 昌弘 | 慶應義塾大学医学部精神神経科学教室 | 教授 | 精神医療の機能分化に関する研究 | 16,000 |
35 | 障害保健福祉総合研究事業 | 10 | 12 | 日野原 重明 | 聖路加看護大学 | 理事長 | 音楽療法の臨床的意義とその効用に関する研究 | 4,000 |
36 | 障害保健福祉総合研究事業 | 10 | 12 | 飯田 雅子 | (財)鉄道弘済会 総合福祉センター弘済学園 | 園長 | 知的障害者に対する適正な医療、リハビリテーション等の提供に関する研究−重い知的障害を持つ人たちへの入所施設でのリハビリテーションのあり方− | 6,000 |
37 | 障害保健福祉総合研究事業 | 10 | 12 | 江草 安彦 | 日本自閉症協会 | 会長 | 自閉症児・者の不適応行動の評価と療育指導に関する研究 | 11,000 |
38 | 障害保健福祉総合研究事業 | 10 | 12 | 岩谷 力 | 東北大学大学院医学系障害科学専攻肢体不自由学 | 教授 | 高齢大腿部骨頸部骨折患者の寝たきり防止に関する研究 | 3,000 |
39 | 障害保健福祉総合研究事業 | 10 | 12 | 大井田 隆 | 国立公衆衛生院公衆衛生行政学部 | 公衆衛生行政学部長 | 精神医療保健福祉に関わる専門職のあり方に関する研究 | 12,000 |
40 | 障害保健福祉総合研究事業 | 10 | 12 | 白倉 克之 | 国立療養所久里浜病院 | 院長 | アルコール依存症の疫学と予防に関する総合的研究 | 8,000 |
41 | 障害保健福祉総合研究事業 | 10 | 12 | 熊谷 公明 | 神奈川県総合リハビリテーション事業団福祉部七沢療育園 | 園長 | 重度・重複障害児・者の包括的医療・療育に関する研究 | 5,000 |
42 | 障害保健福祉総合研究事業 | 10 | 12 | 富澤 彰雄 | 東大阪短期大学 | 教授 | 知的障害児(者)施設の援助のあり方に関する総合研究 | 8,000 |
43 | 障害保健福祉総合研究事業 | 10 | 12 | 高柳 哲也 | あいち健康の森・健康科学総合センタ− | 館長 | 介助犬の基礎的調査研究−介助犬の実態と身体障害者への応用に関する研究 | 8,000 |
44 | 障害保健福祉総合研究事業 | 10 | 12 | 矢野 英雄 | 国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所 | 運動機能系障害研究部長 | 脊髄神経障害性運動麻痺のリハビリテーション技術の開発研究 | 10,000 |
45 | 障害保健福祉総合研究事業 | 10 | 12 | 大塚 俊男 | 国立精神・神経センター精神保健研究所 | 名誉所長 | 疾患に応じた適正な医療のあり方に関する研究 | 11,000 |
46 | 障害保健福祉総合研究事業 | 10 | 12 | 廣瀬 秀行 | 国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所 | 高齢障害者福祉機器研究室長 | シーティングクリニックの開発 | 3,000 |
47 | 障害保健福祉総合研究事業 | 10 | 12 | 井上 剛伸 | 国立身体障害者リハビリテーションセンター福祉機器開発部 | 研究員 | 介助者の身体的負担を指標とした移乗介助方法及び移乗介助機器の定量的評価に関する研究 | 5,000 |
平成13年度厚生科学研究費補助金採択課題一覧
1251課題 合計26,271,424千円 (単位:千円) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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平成14年度厚生労働科学研究費補助金採択課題一覧
(単位:千円) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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(障害保健福祉総合研究事業)
3.研究成果及びその他の効果
○ | 障害者の保健福祉施策の総合的な推進の基礎的な知見を得ることを目的としており、人文社会的分野を含めた、行政ニーズに基づく研究課題を実施し、成果をあげている。 具体的な成果は、以下のとおり。 |
・ | 支援費制度(H15年度施行)における判定方法(チェックリスト) | |
・ | ジョブコーチの導入にあたっての実施モデル、人材養成プログラム | |
・ | 身体障害者補助犬の有効性の評価、管理方法 | |
・ | 触法精神障害者を想定した病棟整備のあり方 | |
・ | 更生相談所のあり方 | 等に関する資料の提供 |
・ | 精神障害者社会復帰施設における情報開示に関する調査 | |
・ | 精神病院における患者動態の調査 | 等の実態把握 |
・ | 心臓ペースメーカー(心臓機能障害者)のための電磁波防護服の開発 |
・ | 言語コミュニケーション困難者の支援技法の開発(マニュアル作成) |
・ | 点字修得支援用の辞書作成 |
7.研究事業の総合評価
○ | 行政的な課題に基づいた基礎的資料の収集を念頭においた行政研究として、施策の推進に大きく貢献している。 |
○ | 研究成果の効果的な施策への反映をめざし、近年、関係課室のヒアリングを実施した上で、学術的な観点からの意見を聞いて公募課題を決定することとしており、さらに行政ニーズ密着研究事業として効果的な成果が期待できる。 |
○ | 既存の障害種別を超えた研究、障害横断的な研究も実施されており、身体障害、知的障害、精神障害等を一つの研究事業の中で取り組む意義は大きい。 |
障害保健福祉総合研究事業・研究成果(平成14年度終了課題分)
研究課題 | 実施 期間 |
合計 金額 (千円) |
主任研究者 所属施設 |
氏名 |
イ 研究成果の学術的・国際的・社会的意義 |
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| 発表状況 | 特許 | 施策 | (4)研究の成果が分かるホームページのURLなど | |||||
原著 論文 (件) |
その 他 論文 (件) |
口頭 発表 等 (件) |
特許の出願及び取得状況 | 反映件数 | ||||||||||||
障害者交通施策が当事者自立に及ぼ効果評価と実効性ある施策に関する研究−交通バリアフリー法後の福祉のまちづくり新展開− | 平成13-14年度 | 9,000 | 近畿大学理工学部社会環境工学科 | 三星昭宏 | ア 交通バリアフリー法と諸基準を当事者の生活と関連させた評価論はほかに研究事例が無く、堺市等をケースにした研究発表は反響を呼んでいる。これらは来年開催の国際会議論文として投稿中である。ITS等の機器システム開発の重要視点として土木学会誌に掲載され反響を呼んでいる。 | 厚生労働行政と国土交通・警察・総務行政のブリッジとなる学際的研究である。成果は三星が委員の国土交通省の「移動円滑化整備ガイドライン」における「段差解消問題」や「情報利用」に反映されている。厚生労働行政においても、「地域福祉計画」(今回は三星が委員の奈良県の策定ガイドライン)の考え方に反映されている。今後、各地の「地域福祉計画」で活用できるようにする予定である。 | 交通バリアフリーは国土交通分野がリーダーシップをもってすすめるため、障害者・高齢者の自立という目的が希薄になりがちな中で、バランスのとれた展開が重要であることの社会的認識を広めている。 | 8 | 3 | 15 | 0 | 2 | なし | |||
ジョブコーチによる地域就労支援のあり方とジョブコーチの人材養成に関する研究 | 平成13-14年度 | 12,600 | 社会福祉法人横浜やまびこの里・仲町台発達障害センター | 小川浩 | 新たな障害者就労支援の方策である「ジョブコーチ」について、(1)わが国の実情に合った実施システムの検討、(2)汎用可能なモデルプロセスの整理、(3)集中的な人材養成プログラムの開発、以上の3点を目的とした。その結果、(1)実施システムのフレームワークの提案、(2)モデルプロセスおよび方法・技術を整理した「ジョブコーチ・ハンドブック」の作成、(3)4日間の集中研修プログラムと教材・テキストの開発、を行った。 | 今後の就労支援施策の基礎資料として、ジョブコーチを効果的に実施するための行政と民間との連携のあり方、および、行政と民間の委託契約システムについて具体的情報を提供した。ジョブコーチが成果を上げるためには、適切な方法論の普及が重要であるため、普及に資する冊子「ジョブコーチ・ハンドブック」を作成した。ジョブコーチの人材養成に貢献するため、プログラム、テキスト、教材から成る研修のパッケージを開発し、人材養成の全国展開を容易にした。 | ジョブコーチに関する研修ニーズは高まりを見せているが、体系化された方法と技術の伝達を行える機関は限られている。本研究で作成した「ジョブコーチ・ハンドブック」は文字情報としてジョブコーチの方法論の普及に貢献できる。また、本研究で開発した集中研修プログラムは、その修了者がトレーナー研修とトレーナーハンドブックに基づいて、各地域で研修会の講師を担えるシステムになっており、今後の発展性が高い。 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | なし | |||
言語的コミュニケーションが困難な重度障害児・者の自己決定・自己管理を支える技法の研究とマニュアルの開発 | 平成13-14年度 | 10,000 | 香川大学教育学部 | 中邑賢龍 | これまで多くの自己決定や自己管理、および、コミュニケーションの技法が紹介されてきたが、ニーズによって体系づけられておらず、障害のある人の支援場面に、直面してもうまく技法を選択し、適用することは容易でなかった。本研究において、それらがマニュアルとして体系的に整理されたことにより、技法の不十分な部分が明らかになると同時に,今後のコミュニケーション支援技法の研究に方向性が示された。また,この成果の活用は重度障害のある人の潜在能力を顕現化し,療育やリハビリテーション研究にも影響を与えると考える。 | 本研究の成果は,当事者の意思を尊重できるという点で福祉サービスの向上に貢献できると考える。また,このことは,問題行動の減少にも直結すると考えられ,家族や支援者の心理的,身体的負担を減らすだけでなく,社会的にも,問題行動抑制や監視に要したコストを大きく削減できるであろう。そして,人権を重視する世の中のルール作りの実践的裏付けともなるであろう。 | ここで作成した技法のモジュールはデータベース化されており更新も容易である。マニュアルを電子化することによってよりさらに効果的に情報を提供できると考えられる。 | 5 | 5 | 7 | 0 | 0 | なし | |||
ペースメーカー装着者の就労や社会参加の促進に向けた高周波電磁波干渉における誤動作防止用電磁波防護服の開発及び利用に関する研究 | 平成14年度(単年度) | 9,500 | 近畿大学 理工学部 | 岡本允夫 | ペースメーカーを植込んだ人体の電磁気学的モデルとして、従来のIrnichモデルと共に、人体の胴体形状を模擬した精密モデルを使用し、両者を比較した。精密モデルを使った実験結果から、防護服着用により人体モデル内部の電磁界強度が減少し、防護作用を有することが示された。本研究成果は、電磁波防護服に関するさらに進んだ研究開発を行う上での基礎データとして有効に活用できる。 | 凶器探知機や全自動麻雀卓等の電磁波干渉源が心臓ペースメーカーに及ぼす影響の評価方法として、従来のモデルよりも生体効果を大きく反映した精密人体モデルの提案を行った。このモデルを用いて実験することにより、心臓ペースメーカー装着患者が電気・電子機器を利用する時の注意事項が、従来より正確に把握できるようになり誤動作事例の減少が期待できる。 | 高周波電磁波による心臓ペースメーカーの誤動作を、効果的に抑制できる防護服の開発が可能となり、国内で50万人近い心臓ペースメーカー装着患者の不安の払拭に貢献できる。 | 予定あり | 予定あり | 予定あり | 未定 | 予定あり | http://www.tri.pref.osaka.jpに掲載予定 | |||
精神障害者等が快適に安全に生活するためのインフラの整備に関する研究−身体合併症、アメニティ、身体的健康度とQOLについて− | 平成13-14年度 | 30,000 | 京都府立医科大学附属脳・血管系老化研究センター | 渡邊能行 | 総合病院精神病棟は、他施設、他診療科と幅広く連携しながら精神障害者の身体合併症入院医療を行なっていたが、施設面でのその整備状況は医学的にもアメニティの点でも満足のいくものでなかった。また、精神障害者には生活習慣病予備軍が相当存在しており、その改善に向けた健康管理の重要性が示唆された。精神障害者の身体合併症入院医療という観点だけでなく、精神障害者の身体的健康度も明らかに出来た点で、予防につながる点で学術的・社会的に大きな意義がある。 | 厚生労働行政上、精神障害者の適正な医療を展開していくために、パイピングの設置された個室の整備や廊下幅よりもデイルームやラウンジ等の自由な空間が重要であるといった点を総合病院精神病棟や精神病院の整備に活かしていくことができる。また、精神障害者に対して老人保健法による基本健康診査項目を定期的チェックし、健康管理することにより生活習慣病の発生を未然に予防していくことも実際の施策として活用可能である。 | 精神科医に対して生活習慣病のリスクを有する精神障害者が存在することの認識を高めることにより、日頃からの身体的健康管理の実践を普及させ、このことを通して、精神障害者の身体合併症予防に寄与することができる。 | 1 | 0 | 4 | 0 | 0 | なし | |||
精神病院等の設備構造及び人員配置の在り方に関する研究 | 平成12-14年度 | 28,000 | 国立精神・神経センター 国府台病院 | 樋口輝彦 | ア 研究目的の成果適切な精神病院等の設備構造及び人員配置を明らかにすることを目的として、精神疾患の特性や国民の生活水準に応じた入院施設の設備構造、人員配置、治療内容を分析・提示することができた。イ 研究成果の学術的・国際的・社会的意義本研究の一部は海外の学術誌(Health Policy, International Journal of Geriatric Psychiatry, Psychiatric Services)にすでに受理・掲載されている。また日本建築学会、日本病院管理学会、世界精神医学会総会(World Congress of Psychiatry)などで、発表がなされた。台湾精神医学会は本研究に関連するテーマについての講演要請があった。 | l 本研究で明らかになった設備構造・人員配置に関する国内外の知見は、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(案)」の策定において参照されてきた。l 精神科稼動病床数の将来推計結果は、第2回社会保障審議会障害者部会精神障害分会において資料として採用された(平成14年2月25日)。l 精神科入院医療の機能分化における審議会において活用されることが想定できる。 | l 本研究成果を中心としたシンポジウムを平成15年3月15日に開催したところ、予想を大きく上回る200人程度が参加した。l 本成果に関する特集が「こころの臨床アラカルト」22巻1号において組まれた。 | 5 | 5 | 11 | 0 | 3 | なし | |||
重症心身障害児のQOL向上を支援するための衣生活に関する研究 | 平成12-14年度 | 8,430 | 日本女子大学家政学部 | 多屋淑子 | 寝たきりで自分の意志を全く持たない患者の日常生活のストレスを客観的に評価するための計測技術を確立し、得られた情報分析により、常時開眼している患者の、今まで不明であった睡眠時と覚醒時の区別の判断の可能性も生まれて来た。また、足部などの末梢部を加温することにより、寝たきりの患者の生活上のストレスが緩和できることも確認できた。医学分野から新しい視点の研究であり今後も継続すべきというコメントをいただいている。 | さらにデータを収集することにより、寝たきりで全く自分の意志を持たない患者に望ましい衣服や寝具のガイドラインの提案を行うことも可能である。また、介護時における生活支援のタイミングや適切な処置の仕方を判断するための客観的な方法として本研究の成果を普及させて行きたい。 | 今年度で本研究は最終年度であるが、寝たきりで自分の意志を持たない患者の日常生活を支援して行くために、特別な看護技術を要しなくても誰にでも容易に適切な介護を提供できるため介護技術にまで発展させたい。学会発表などを通して、望ましい衣服や寝具の提案を行うことも可能であり、寝たきりの患者の生活支援のための介護や看護の新しい方法を提案したい。 | 4 | 1 | 12 | 0 | 0 | なし | |||
介助犬の適応障害と導入及び効率的育成に関する調査研究 -身体障害者に対する有用性と課題- | 平成13年度〜平成14年度 | 9,500 | 東京医科歯科大学大学院国際環境寄生虫病学分野 | 藤田紘一郎 | 身体障害者補助犬法施行を受け、介助犬の有効性、普及および育成について、医学的観点からの評価体制、処方体制の試案を作成、および実際の受入態勢の実態調査と使用者の実態調査を行った。研究成果は、「介助犬を知る」名古屋大学出版会(2002)を出版。その他、福祉関連の多くの雑誌、新聞へ掲載。多方面からの反響を得ている。 | 成果をもとに、身体障害者補助犬法に即した評価、訓練等のフォームを試案し、各自治体が介助犬事業に取り組む上での指針として提供した。また、厚生労働省の介助犬に関する検討会資料として、自治体の啓発、広報、研修資料として広く活用されている。 | 身体障害者補助犬法施行により、補助犬同伴受入が義務化となるが、現時点での社会における同法律の周知度は低く、今後の具体的かつ実践的な周知が望まれる。本研究班における成果は、補助犬使用者と受け入れ側の社会双方にとって意義は大きく、必要不可欠である。 | 8 | 38 | 23 | 0 | 0 | http://www2u.biglobe.ne.jp/~jsdra/ | |||
精神病院・社会復帰施設等の評価及び情報提供のあり方に関する研究 | 平成12-14年度 | 33,000 | 国立精神・神経センター精神保健研究所 | 竹島正 | 平成12-14年度の精神保健福祉課の実施する調査(630調査)に研究面から関与し、精神保健医療福祉の実態をマクロな視点で観察・評価する方法および指標として、630調査の調査・解析手順と調査票の整備、入院患者残留率に基づくマクロ指標(1年以内社会復帰率、1年後残留率、50%退院日数)の提案を行った。本研究によって動態としての精神科医療の実態が明らかになった。また平成12年度から14年度の630調査をもとに、精神病院、精神科デイケア施設、社会復帰施設等の活動状況を解析した。精神科における診療情報開示のあり方に関する分担研究では、開示請求にはインフォームドコンセントで対応可能な事例も少なくないこと、非開示ないし慎重な開示を要する事項は、治療者の主観的印象の記述、第三者情報等であることを明らかにした。 | 平成14年12月に公表された社会保障審議会障害者部会精神障害分会報告書「今後の精神保健医療福祉施策について」は、具体的な施策として「精神保健医療福祉施策の評価と計画的推進」を挙げている。本研究の成果は、同報告書にも紹介され、またその解析結果の一部は「我が国の精神保健福祉」の資料として掲載されるなど、我が国の精神保健福祉行政の現況を把握するための基幹的資料として役立っている。なお同報告書には、インフォームドコンセントやカルテ開示の推進が課題としてあげられているが、精神科における診療情報開示のあり方に関する分担研究の成果は、カルテ開示のガイドライン策定を可能にするものである。 | 本研究の成果である、630調査の解析結果は「精神保健福祉資料」にまとめて刊行され、都道府県等で精神保健福祉行政を進める貴重な資料となっている。また本研究の成果は、厚生労働省内に厚生労働大臣を本部長として設置された精神保健福祉対策本部の課題である「障害者プラン」の計画的かつ着実な推進(特に社会的入院の解消に向けた施策の推進)、一般精神医療の室の向上にも貴重な資料を提供するものである。 | 3 | 1 | 0 | 0 | 6 | なし | |||
知的障害者の歯科治療におけるノーマライゼーションに関する研究 | 平成12-14年度 | 17,800 | 岡山大学歯学部附属病院 | 前田茂 | う蝕リスク検査から、歯科に対する協力度が低い患者ではう蝕を作りやすいという可能性が示唆された。協力が困難な障害者に対しては、静脈内鎮静法を適応する必要があるが、今回の研究で確立されたプロポフォールを用いた鎮静法および脳波による麻酔深度モニターは知的障害者の歯科治療において有効であることが示された。実際に、静脈内鎮静下での口腔清掃のみで歯周病が維持・改善される可能性があることが明らかとなった。 | 地域歯科医療施設が知的障害者を積極的に受け入れることが、ノーマライゼーションのためのポイントであるが、そのためには歯学部および歯科大学での障害者歯科についての教育および卒業後、歯科医師となってからの卒後研修や地域での活動などの研鑽が必要であると思われる。また地域ごとに中核となる施設を整備し、地域歯科医療施設からの患者紹介または相談を受けることを可能にする必要がある。 | ノーマライゼーションの理念から考えると、知的障害者であってもできるだけ本人の希望や意見を聞いて、歯科での処置に取り入れることが重要である。意見交換が極めて困難な患者に対しては、う蝕と歯周病に対して、静脈内鎮静法を用いて、積極的に予防処置を行う必要があると思われた。 | 1 | 0 | 13 | 0 | 0 | なし | |||
※本研究課題における研究班全体の成果、予定を含む ※施策への反映状況・件数は、幅広く記述する。 |