03/04/23 第1回「健康食品」に係る制度のあり方に関する検討会議事録      第1回「健康食品」に係る制度のあり方に関する検討会議事録            平成15年4月23日(水)10:00〜            虎ノ門パストラル新館5階 ミモザの間 ○尾形新開発食品保健対策室長  それでは、定刻となりましたので、ただいまより第1回「『健康食品』に係る制度の あり方に関する検討会」を開会いたします。  私、厚生労働省新開発食品保健対策室長の尾形でございます。座長が選出されるまで の間、私が司会進行を担当させていただきます。  それでは、始めに厚生労働省医薬局長の小島よりごあいさつを申し上げます。 ○小島医薬局長  おはようございます。医薬局長の小島でございます。  委員の皆様方には、大変御多忙のところ、当委員会の委員に御就任いただき、また本 日の検討会に御出席を賜わり誠にありがとうございます。また、平素より厚生労働行政 に多大な御支援、御協力をいただいておりまして、心より感謝を申し上げます。  さて、当委員会でございますが、お手元の資料等にありますように「『健康食品』に 係る制度のあり方に関する検討会」ということでございますが、実は、健康食品のとこ ろにかぎ括弧が付いてございます。この健康食品という言葉自身は、相当一般に流布し ているというふうに考えているわけでございますが、突き詰めていきますと、その定義 自体がなかなか難しい問題であるというふうに考えております。  当検討会におきましては、いわゆる行政の関与する保健機能食品以外のいわゆる健康 食品として販売されているものを含めた広い意味で、こうした問題を検討していただき たいと考えているわけでございます。  近年、国民の健康に対する関心の高まりは非常に大きなものがございまして、いわゆ る健康食品として数多くの食品が販売されておりますし、その形状、成分、効果、更に はその販売形態など非常に多岐にわたっております。  一方でこうした健康食品の意義づけ、位置づけについても各方面からさまざまな意見 が寄せられているところでございます。こうしたいわゆる健康食品を制度的にどうとら えていくかということが、現在の喫緊の検討課題となっているわけでございます。  具体的な検討課題といたしましては、検討会開催要領にも記載してございますよう に、いわゆる健康食品の国民の健康づくりの中における役割や、利用者の期待に応え得 る健康食品の在り方、行政、関係業界、消費者の果たすべき役割といったところになろ うかと思いますが、委員の皆様方におかれましては、こうした多岐にわたる課題につい て論点を整理していただき、制度の在り方について御検討をお願いしたいと思います。  なお、皆様方大変御多忙の中で難しい問題の検討をお願いすることになって誠に恐縮 でございますが、できれば私どもといたしましては、本年8月ごろを目途に論点を整理 していただき、その後関係者にも検討会委員に加わっていただいた上で、本年中に、健 康食品に関する制度の在り方をお示しいただければ幸いに存じます。  本日の十分な御審議をお願い申し上げまして、私からのごあいさつとさせていただき ます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○尾形室長  次に各委員の皆様方を50音順に紹介させていただきます。  まず、木村委員。  合田委員。  田中委員。  橋詰委員。  松本委員。  南委員。  以上、6名の委員の方々に御参加いただいております。  次に、事務局であります厚生労働省側でございますけれども、先ほどごあいさつをい ただきました、小島医薬局長のほかに、健康局より大江生活習慣病対策室長、食品保健 部より吉岡企画課長、中垣基準課長が出席しております。  なお、高原健康局長、遠藤食品保健部長につきましては、国会要務により遅れて出席 の予定となっております。間もなく到着することと理解しております。  次に、資料確認をさせていただきます。  お手元にございます議事次第の資料というところに従いまして、4点ほど資料を御用 意させていただいております。  まず1番目「『健康食品』に係る制度のあり方に関する検討会開催要領」ということ で、3枚紙を用意してございます。  2番目といたしまして、大変分厚い資料でございますが「健康食品を取り巻く現状」 という資料。  次に、これは1枚の紙でございますけれども「検討会の今後のスケジュール(案)」 というものがございます。  4番目でございますが、これはホチキス止めで6〜7枚のものでございますが「『健 康食品』に係る制度のあり方に関するヒアリングの希望団体及び意見の公募について (案)」ということでございます。  以上、4点おそろいでございましたら幸いでございます。よろしゅうございましょう か。 それでは、次に、当検討会の座長を選出していただく必要がございます。どなた か御推薦をお願いできればと考えております。  松本委員、お願いいたします。 ○松本委員  従来、栄養補助食品の検討会の座長を務められるなど、この分野で非常にとりまとめ 役として御苦労されてこられました田中委員にお願いするのが一番適任かと思います。 ○尾形室長  ありがとうございます。ただいま松本委員から田中委員に座長をお願いしてはどうか という御意見がございましたが、皆様いかがでございましょうか。               (「異議なし」と声あり) ○尾形室長  御異論ないようでございますので、それでは田中委員に座長をお願いいたします。  それでは、田中委員、座長席にお移りいただけますでしょうか。  では、ここで田中座長よりごあいさつをいただきたいと思いますので、よろしくお願 いいたします。 ○田中座長  皆さん、おはようございます。ただいま、座長に選出されました独立行政法人国立健 康・栄養研究所の理事長を務めております田中平三でございます。よろしくお願いした いと思います。  この問題は、国民の間でなかなか関心が深い課題であります。市場としては1兆円を 超えておるという話でありますし、今日、某新聞の記事によりますと、特定保健用食品 でも5,000 億円を超えるということであります。  先般、日本学術会議で代替医療のシンポジウムがございましたが、その中でも健康食 品が大きく取り上げられておりました。私は幾つかの検討会委員を務めさせていただい たんですが、こんなにたくさんの傍聴席で埋まって、その中で囲まれての検討会を経験 したことがございません。発言するのも非常に緊張しておりますが、それほど関心が深 いということであります。  先ほど小島局長さんからお話がありましたように、健康食品はいろんな面にわたって おりますし、非常にさまざまな意見がありますので、その実態を十分把握した上で論点 をまとめていくということは、しかも比較的短期間のうちにということでありますの で、困難なことではありますが、大勢の方のそして諸団体の意見を聞いて、学識経験者 としてまとめていただきたいと思います。  よろしくお願いしたいと思います。 ○尾形室長  ありがとうございました。それでは、これより議事に入りますので、カメラ撮りはこ こまでとさせていただきたいと思います。報道関係の方は、傍聴席にお移りいただくよ うにお願いいたします。 ○田中座長  それでは、検討会の開催に当たりまして、開催要領を事務局に作成してもらいました ので、まず、資料1に基づいて事務局より説明をお願いしたいと思います。 ○事務局  お手元の資料1をごらんになっていただけるようお願いいたします。  これはかぎ括弧が付いていますが「『健康食品』に係る制度のあり方に関する検討会 開催要領」という資料がございます。これにつきまして、順次流れに沿って説明させて いただきます。  読み上げに近くなりますが、まず「第1 趣旨」として、国民の健康に対する関心の 高まりに対応し、健康局長及び医薬局長(食品保健部長)の私的懇談会として、「健康 食品」に係る今後の制度の在り方を検討するため、「健康食品」に係る制度の在り方に 関する検討会を開催するということで、この開催の趣旨とさせていただきたいと思いま す。  次に「第2 検討課題」の部分でございます。これは大きく分けて3つございます。  まず、1点は健康食品の役割。ここにありますように、医薬品、それから現行制度に 基づく保健機能食品、いわゆる健康食品、これは保健機能食品以外の健康食品を含みま すが、それから一般食品の体系の在り方についてどうあるべきか。  2点目といたしましては、健康食品の利用・製造・流通の実態、それが国民の健康づ くりに有効に機能しているかということで、まずは、例えば安全性なり、有用性の確 保、それから消費者に対する適切な情報提供、あとは利用者の期待に応え得る健康食品 はどうあるべきかということでございます。  最後に3点目としては、関係者の役割ということで行政、あるいは関係業界、それか ら消費者の果たすべき役割はどういったものか、あるいは更に制度としてはどういった ものであるべきか。この3点でございます。  「第3 検討会の進め方及びメンバーの構成」でございますが、ここだけ若干普通の 検討会と異例のところがありますが、1番で委員の構成につきまして、まず検討課題が 多岐にわたりますので、現状なり、あるいは実態を踏まえた論点整理を行うため、学識 経験者のみにより構成される検討会において、関係者からヒアリングを行い、8月を目 途に論点整理を行うと、それでメンバーは別紙に付けております。  この8月の論点整理を経た上で、検討会のメンバーに関係者を加えまして、制度の在 り方を検討して、本年中に提言をとりまとめるということで進めていただければ幸いに 存じます。  「第4 座長」についてですが、検討会に座長を置き、メンバーの互選によって選任 するとありますので、田中座長、よろしくお願いいたします。  2点目としては、座長の役割として検討会を統括するということでございます。  3点目で、座長に事故があるときには、あらかじめその指名する者がその職務を代理 するということで、座長代理も置かせていただければと思います。  「第5 検討会の運営」でございますが、これは主に議事の公開についてでございま すが、まず「1 検討会の運営については、次のとおりとする」とありまして、会議 は、原則として、公開にて行うということで、本日のような形で傍聴者が入る形になり ます。  会議の資料は、会議終了後、厚生労働省ホームページ等により公開することを考えて おります。  会議の議事録につきましては、本日も速記が入っておりますが、会議の終了後、メン バーの了解を得た上で厚生労働省ホームページ等により公開するということでございま す。 等というのは、例えば書面でほしいという方に対しても開示するということで、 これはそういった意味を想定しております。  2点目として、座長が上記によりがたい場合が生じたときは、検討会の了承を得て、 その取り扱いを決定するものといたします。  「第6 その他」ですが、検討会の庶務は、健康局総務課生活習慣病対策室、それか ら医薬局監視指導・麻薬対策課の協力を得て、医薬局食品保健部企画課新開発食品保健 対策室で行うということにさせていただきたいと思います。  以上でございます。 ○田中座長  それでは、ただいまの開催要領に関しまして、御質問、御意見がございましたらちょ うだいしたいと思います。  ございませんでしょうか、よろしゅうございますか。                (「はい」と声あり) ○田中座長  それでは、ただいま了承をいただきました開催要領の「第4 座長」というところの 3番目にありますように、座長に事故があるときには、あらかじめその指名するもの が、その職務を代理すると、このようにございますので、私の方から指名させていただ きたいと思います。  松本委員にお願いしたいと、このように考えておりますが、いかがでしょうか。  よろしゅうございますでしょうか。               (「異議なし」と声あり) ○田中座長  それでは、御意見がないようでございますので、松本委員どうぞよろしくお願いした いと思います。  次に、議事次第の1にありますように、健康食品を取り巻く現状について御議論をい ただきたいと存じます。  なお、この検討会の検討の対象となっている健康食品でありますが、この言葉には必 ずしも定まった定義があるわけではありませんが、先ほど小島局長のごあいさつの中に ありましたように、制度化された保健機能食品及びそれ以外のいわゆる健康食品を含め た一番広い範囲を示す用語として便宜的に「健康食品」という言葉を使わせていただき たいと思います。  それでは、議事次第の2にありますように、本日は健康食品を取り巻く現状について 御議論をいただきたいと思いますので、事務局から説明をお願いしたいと思います。 ○事務局  では、お手元の資料2をごらんになっていただけるようお願いいたします。  資料自体は非常に分厚いものを配布させていただいていますが、かいつまんで説明す るために、別途こちらのパワーポイントの画面の方にも写し出しますので、そちらも併 用しつつごらんになっていただけるようお願いいたします。  それでは、全体の資料の構成といたしましては、こちらの目次にありますとおり「1 『健康食品』の類型」それから「2『健康食品』の製造・流通の実態」。 ○田中座長  事務局の方、大変申し訳ないんですが、ここからですと画面がぴったりあなたの顔だ けになってしまうので、座って結構ですので、座って説明してください。 ○事務局  大変失礼いたしました。済みません、お言葉に甘えさせていただいて、座って説明さ せていただきます。  最初に資料の全体像を説明させていただきますが、まず「1『健康食品』の類型」。  「2『健康食品』の製造・流通の実態」。これは主に供給者側から見た場合の実態で ございます。  「3『健康食品』の使用の実態」。  次に制度的なものといたしまして「4 保健機能食品制度」。  「5 薬事法における規制」。  「6『健康食品』に関して指摘されている問題点」。  それから、現在、国会で御審議をいただいています「7 食品衛生法等の一部を改正 する法律において対応した事項」。  この検討会の方向にもなっています「8 国民の健康づくりにおける施策」で、どう いった施策がなされているか。  「9 米国における健康食品関連制度」。  「10 EUにおける健康食品関連制度」ということで順に説明させていただきます。  先ほど申し上げたように、これ全体では六十何ページかございますので、その中の一 部を説明させていただいて、あとは適宜補足させていただければと思います。  まず、「1『健康食品』の類型」というところでございます。  健康食品と言いましたときに、どういったものがあるかということでございますが、 一応図式化いたしますと、このような図式になるかと思います。  まず、両方の端に医薬品、それから一般食品とあります。医薬品と食品につきまして は、食品衛生法の方で、食品というのは飲食物のうち、医薬品と医薬部外品以外のもの というふうにされていますので、まず食品と医薬品とというところで分かれます。その 上で、保健機能食品というものが、この間に来るという図式になるかと思います。  具体的には、まず、特定保健用食品。これは個別許可型ですが、こちらにありますよ うに食生活において特定の保健の用途の目的で摂取する者に対して、その摂取により保 健の目的が期待できる旨の表示をする食品。  もう一つは、栄養機能食品。これは規格基準型でございまして、規格基準に合致して いれば、栄養機能食品という表示ができますが、具体的には特定の栄養成分を含むもの として厚生労働大臣が定める基準に従いまして、当該栄養成分の機能を表示する食品で ございます。例えば、例としては、ビタミン含有食品等がございます。  今回の検討会のもう一つの検討分野なっております、いわゆる健康食品につきまして は、こちらにありますように、例えば錠剤とか、あるいはサプリメント形態のほか、古 くからの伝承の健康食品、あるいは代替療法に用いられる健康食品等極めて多様な健康 食品が存在いたします。  ただ、保健機能食品以外のいわゆる健康食品につきましては、行政としては厳密な定 義は、現在は置いておりません。  ※にありますように、かつて栄養成分を補給し、または特別の保健の用途に資するも のとして販売に供する食品を健康食品として用いたことがございます。  お手元の資料にもございますが、健康食品と一口に言った場合、さまざまな成分、具 体的には例えば3ページ目とか4ページ目にございますが、主な健康食品の種類、それ から既許可の特定保健用食品の保健の用途について、現在どういったものが使われてい るかということを示しております。  形状につきましては、5ページに記載しております。  次に「2『健康食品』の製造・流通実態」の方に移させていただきます。ページとい たしましては、こちらは7ページ目でございます。  まず、健康食品がそもそもどういった市場規模であるかというマクロの視点で見た場 合の議論でございますが、これは政府の文章の中で健康食品なり、あるいはそれに近い ものの市場規模として出てくるのは、政府のバイオテクノロジー戦略大綱、昨年の12月 に出されたものですが、具体的には2010年の健康食品の市場規模を3.2 兆円と推計して おります。 現時点では、今、2000年の数字ですが、これは出典の産業構造審議会の方 の数字になりますが、2000年時点で健康志向食品の市場規模をおおよそ1.3 兆円と推計 しております。 ほかの数字を見ますと、例えば特定保健用食品、これは日健栄協の調 べでございますが、平成13年現在で、おおよそ4,000 億円。それから家計調査年報によ る健康保持用摂取品、これは錠剤・カプセル等でございますので、特定保健用食品とは 異なった食品になりますが、これは大体4,500 億円程度ということで、併せますとおお むね1兆円程度ということは言えるかと思います。  参考までに、医薬品との比較でいきますと、医薬品の場合は平成13年で大体6兆5,000 億円、そのうちその他医薬品は大体7,700 億円という数字になっております。  次にお手元のページの9ページをごらんになっていただけるようお願いいたします。  「『健康食品』の製造に係る安全・衛生基準の状況」でございます。こちらは田中先 生に御調査いただきました数字でございますが、こちらにありますように、安全衛生基 準につきましては、例えば業界基準、それから業界基準と自主基準を用いているもの で、大体4割強、それからおおよそ半数が自主基準に基づいて、安全性に関する基準を 策定しているという状況でございます。  次にページといたしましては、お手元の大きい方ですと10ページになりますが、健康 食品の健康機能の裏づけについてはどのようになされているかということでございまし て、まず、表の見方といたしましては、製品そのものの健康機能、それと製品の素材の 健康機能はどうかということで、その上で、ヒトにおいて健康機能が明らかになってい るか、あるいは健康機能が動物において明らかになっているかという分類で調査がなさ れております。  その上で、ほかの分類としては昔からいいと言われているというものでございます が、まず、製品そのものの健康機能がヒトにおいて明らかというのは、健康食品全体で は38.2%。これが特定保健用食品になりますと94.4%という数字になります。  ほかのはどういうものかと言いますと、具体的には例えば製品中の素材の健康機能が 人において明らかというのが健康食品全体の中でおおよそ4割と、そのほかに動物実験 において明らかというのが大体1割弱という状態がございます。あと昔からいいと言わ れているというものも1割強ございます。  次に「『健康食品』の表示に対する販売店の意見」でございます。これは12ページで ございます。  こちらは販売店の方に対して調査した際に、具体的に表示について、それが例えば成 分表示はわかりやすいか、あるいは機能に関する表示はわかりやすいかといったことに ついて項目別に聞いております。  例えば、具体的には、成分表示はわかりやすいということについて、肯定というの は、どちらかと言えばそう思う、あるいはそう思うというものを集計したもので、否定 は、そう思わないとかという形で集計したものでして、それ自体について価値的な判断 ではなく、事実としてそう思うかどうかということで集計されたものですが、具体的に 言えば、成分表示につきましては4割の方がそう思うと。機能について医薬品・医薬部 外品と紛らわしい表示があるということは、大体4割の方がそう思っていると。一方 で、機能に関する表示はわかりやすいというのは、逆に否定の方が4割という状況で す。  例えば、過剰摂取などに関する注意喚起については、否定的な意見が大体6割5分、 それから例えば安全性に関する記述につきましては、こちらも6割程度の方が否定的な 見解を持っていると。それから後は具体的な疾患の予防や、治療効果が記されているも のがあるということについては、否定的な見解が57.7%ということでございます。  ただいま健康食品の流通・製造・実態を説明させていただきましたが、次に使用の実 態を説明させていただきます。次の資料は、お手元の資料の15ページをごらんになって いただけるようお願いいたします。  健康食品の摂取状況でございます。これも田中先生の方の調査でございますが、健康 食品、具体的に言えば、ここでは健康食品ということで栄養食品と健康食品ということ で使っておりますが、具体的に摂取したことがあるという方につきましては、全体では おおよそ4割という数字が出ております。  大体調査時期としては、平成12から、3年前ですが、大体今の数字ですと4割程度の 方が摂取したことがあるという状況でございます。  次のページに参りまして、健康食品はなぜ摂取するかという理由のところでございま す。 健康食品の摂取理由といたしましては、非常に多岐にわたっていますが、例えば 疲労回復あるいは精力増強といった項目につきましては、比率はおおよそ4割という一 般的な用途については極めて多いと。  ただ一方で、例えば美容のためというのも2割程度の方が、実際に食べているという 現状もあります。あるいは、美容とは別に病気を予防したいからといったものも用途と しては挙げられております。  更に個別のものを見ていきますと、例えば肥満解消、あるいは次の表にいきまして、 病気なり持病があるからというものがあります。あるいは、血圧を下げるとか、血圧上 昇防止とか、そういうのも個別的に見ていきますといろいろございます。  お手元の資料の方でいきますと、次の17ページから20ページまで、それぞれ年齢階層 別に見た、健康食品の摂取理由を見ますと、ここで一言で言えますのは、一般的な用途 につきましては、比較的どんな年齢階層でも同じような比率で出てきます。ところが、 例えば美容とか、こういったものにつきましては、若年層の方に比較的多く接するとい う方の比率が高くなる。  逆に例えば病気を予防したいから、あるいは持病があるからといったことにつきまし ては、明らかに高年齢層の方が比較的摂取しているということで、必ずしも一様という ことではなくて、むしろ年齢が進むことによって、それぞれの志向というのが恐らく あって、必ずしも一様に、例えば疲労回復、精力増強だけではなくて、ほかの理由も あって摂取しているということが推測されます。  次にお手元の資料でいきますと、21ページでございます。  健康食品の使用の実態といったときに、今までどの程度の方が使っているか、それか らなぜ使っているかということがありますが、もう一つといたしましては、では実際に 幾らぐらい使っているかというのを調べたものでございます。  こちらで見ますと、大体6割5分の方が、月3,000 円以下の支出をしていますが、一 方で、例えば3,000 円から1万円月に健康食品に対して支出している方もおります。そ れから1万円以上支出しているという方も1割に満たないにせよ、決していないわけで はないという現状がございます。  お手元の資料の次のページになりますが、例えば健康食品の支出額を見ていきまして も、これは家計調査年報から推計した数字ですが、実際に年々支出額というのは増加傾 向にありまして、または支出割合というのも増加傾向にあるということが現在は言えま す。  お手元の資料の23ページに、栄養や食事に関する情報源といったものを付けてありま す。 これを見ますと、例えばテレビ、ラジオとか、あるいは新聞といったものが、こ れは一般の栄養なり食事に関する情報源ですが非常に多いと、それから家族も一方で多 いという状況でございます。  今までは、実態に関してかいつまんで御説明させていただきましたが、次は制度的な ことについて簡単ではありますが、説明させていただきたいと思います。  まずは、保健機能食品制度につきまして説明させていただきたいと思います。  お手元の資料でいきますと、25ページになります。  これは、最初にご覧になっていただきましたスライドと同じ図を少し違う形で書いて みました。表示についてはどうなっているかということでございますが、例えば医薬 品、それから特定保健用食品、あと栄養機能食品でそれぞれどういった表示がなされる かという例示でございます。  例えば、医薬品であれば、これは疾病の診断、あるいは治療または予防の表示でござ いますので、例えば糖尿病の食後過血糖の改善といった具体的な効能・効果を記載する ことができます。  一方、特定保健用食品場合は、次の幅の広い括弧の下でございますが、例えば特定の 目的で健康の維持増進に役立つ表示ということで、例といたしましては、例えば糖の吸 収を穏やかにするので、血糖値の気になる方に適しますといった表示が実際にできま す。  あと、栄養機能食品の場合は、栄養素の働きに関する表示でございますが、例といた しましては、ビタミンAは夜間の視力の維持を助ける栄養素です。ビタミンAは皮膚や 粘膜の健康維持を助ける栄養素ですという表示ができます。  表示に関する例としては、保健機能食品の場合は2つございますが、いわゆる健康食 品につきましては、現在、機能に関する表示の制度は特段ございません。  次の26ページ目の資料ですが、保健機能食品に関する経緯というものについて御説明 させていただきたいと思います。  まず、保健機能食品に関する経緯といたしましては、平成3年9月の栄養改善法の改 正にさかのぼるかと思います。このときに特定保健用食品の創設ということで始まった わけでございまして、お手元のグラフですと、30ページのところに製品の許可数の推移 が記載されておりますが、26ページの方に戻りまして、それ以降の経緯といたしまし て、まず、1つ大きな転換となっておりますのが、平成8年度からなんですが、ビタミ ン、ミネラル、ハーブ類についての医薬品の範囲の見直しということが挙がっておりま す。  これによりまして、例えば通常海外で食品として流通なり販売されているものが医薬 品として規制をされることなく、食品として取り扱いできるようにするため、こういっ た規制が順次行われました。  具体的には、ビタミンについては平成8年度、9年につきましてはハーブ類、10年度 におきましてはミネラル、そして11年度におきましては形状についてそれぞれ規制が緩 和されました。  そうした健康食品を販売するときに、こういった表示を、当然ビタミンなりミネラル の機能を表示するかという問題が出てきたわけですが、それを消費者にいかに情報を的 確に伝えるかということで検討が始まったのが、保健機能食品制度でございます。  具体的には平成10年以降、健康食品の類型化について検討が始まりまして、平成13年 2月に薬事・食品衛生審議会に答申が出されまして、13年4月からは保健機能食品制度 が施行されました。  この13年4月以降の施行により1つ変わったのは、栄養機能食品が追加されまして、 それまで特定保健用食品だけであったのが、この保健機能食品制度となったことで、栄 養機能食品と特定保健用食品という2本立ての制度に移行することとなりました。  次の資料としては、28ページをご覧になっていただけるようお願いします。  特定保健用食品についてということで、特定保健用食品とはどういったものかという ことをこちらに記載しております。  これは個別に国の許可、承認もありますが、これを受けた上で特定の保健の目的で健 康の保持、増進に役立つ旨を表示することができる食品でございます。  製品例としては、例えば食品の種類ということでおみそ汁、効果成分としては難消化 性デキストリン、これはでんぷん由来の食物繊維でございますが、許可表示といたしま しては、本製品は、食物繊維として難消化性デキストリンを含んでおり、糖の吸収を穏 やかにするので、血糖値の気になる方に適していますということで表示している例はご ざいます。 ポイントでございますが、まず1点目として、ヒトでの有益な効果が明ら かにされていること。  2点目といたしましては、安全性に問題が認められないこと。これは具体的に言え ば、例えば動物を用いた毒性試験なり、あるいは過剰接種した場合の影響の確認等を 行っております。  それから、過剰な塩分等、栄養学的にも問題となるようなものでないこと。  それから、食品が消費されるまでの間、製品規格への適合性が確保されていること。  最後に、製品・原料の規格、製造方法、試験検査等の品質管理の方法が定められてい ること等がございます。  28ページ以降、例えば特定保健用食品の審査の流れ、これは具体的にはこちらにあり ますように、現在、新開発食品調査部会というものが、薬事・食品衛生審議会の中にあ りまして、こちらで審議あるいは報告ということで現在許可しております。  30ページにあります資料が、特定保健用食品の許可件数の推移。  31ページが、これまで許可された特定保健用食品における主な商品形態と代表的な表 示。 それから特定保健用食品の認知度が32ページと、33ページにあります。  次に34ページの栄養機能食品制度についてでございます。  こちらは、栄養機能食品制度ということで、具体的にどういった制度かと言います と、国が定めた基準に沿っていれば、許可や届出等をなくして、先ほどの特定保健用食 品の場合は許可が必要でありましたが、こちらの場合は許可や届出等なくして、機能表 示とともに、食品に含まれている栄養成分の機能を表示することができる制度でござい ます。ただし、機能表示等ともに注意喚起表示を行う必要がございます。  その例につきましては、下の表にございますが、まずその前に、現在のところ栄養機 能を表示するための基準が定めてある栄養成分は現在14種類、ビタミンにつきましては 12種類、それからミネラルにつきましては2種類ございます。  例えば、ビタミンAを例に取っていきますと、ビタミンAは夜間の視力の維持を助け る栄養素です。これは先ほど申し上げましたが、「皮膚や粘膜の健康上助ける栄養素で す」と。ただ、注意喚起表示も同時にございます。「本品は多量摂取により疾病が治癒 したり、より健康が増進するものではありません。1日の摂取目安量を守ってくださ い。妊娠3か月以内、または妊娠を希望する女性は過剰摂取にならないように注意して ください」という注意書きを記載しております。  こういった形で栄養機能食品制度ができておりまして、35ページの方には、栄養機能 食品における代表的な主な商品形態と、代表的な表示を記載しております。こちらで は、例えば錠剤、カプセル、粉末、果汁といったものがございます。ただ、一方でダイ エット食品のように本来の趣旨に沿った利用形態とは違ったものもございます。  次に「5 薬事法における規制」でございます。  こちらは資料といたしましては、37ページをごらんになっていただけるようお願いい たします。  「薬事監視における『健康食品』の監視」ということで、実際に薬事法に基づいても 健康食品の監視というものは行われております。  具体的には、無承認無許可医薬品を監視する観点から、いわゆる健康食品の表示、具 体的には効能効果、用法用量等、あるいは更に今は表示だけではなくて、成分本質、具 体的には原材料ですが、それの確認を行っております。  具体的には、例えば表示につきましては、国や都道府県における苦情の受付、あるい は広告監視、具体的には折り込みチラシ等が代表的な例ですが、更には特に増えており ますインターネットによる広告を監視いたしまして、これにより薬事法違反が疑われる 表示につきましては、当該業者の主たる事務所がある都道府県等において指導等を行っ ております。  お手元の資料でいきますと、39ページと40ページに具体的な表示義務違反例を記載し ております。  こういう形で、例えばお肌やおなかの調子はどうですかといったものについても薬事 法の違反に該当するということでございます。  それから、37ページに戻っていただきまして、もう一つの薬事監視の柱は成分でござ います。  具体的には、例えば国または各都道府県等の独自の事業によりまして、市場からの買 い上げ調査、こちらを実施いたしまして、成分分析を行いまして、専ら医薬品に使われ る原材料、これが使われていないかどうかというのを確認いたします。  お手元の資料でいきますと41ページ、こちらの方に具体的に試買調査により医薬品成 分が検出された事例というのが記載されておりまして、例えば食欲抑制効果のある成分 とか、緩下作用のある成分、こういったものも実際に試買調査から検出されている例が ございます。 ○尾形室長  大変恐縮です、説明の最中でございますが、高原健康局長と遠藤食品保健部長は、国 会要務、法案審議への対応のため、ここで退席させていただきました。事後になりまし て恐縮でございます。 ○事務局  説明を継続させていただきます。  次にお手元の資料でいきますと、42ページ以降になります。  「6 健康食品に関して指摘されている問題」ということで、実際に効能効果という ものもある一方で問題点が指摘されているという状況でございます。  次のページで、いわゆる中国産ダイエット食品等による健康被害、これは昨年の7月 から8月にかけて実際に死に至った方もおられまして、こちらにはこの経緯を一番わか りやすくするために、このグラフを記載させていただいております。  こちらにありますように、下の文字が見えにくくなっておりますが、これは昨年の7 月から本年3月までの被害者数、これは都道府県から報告のあった数を記載しています が、この推移を記載しております。  ごらんになりますとおり、7月、8月というのは、これまでの掘り起こし効果もある と思いますが、非常に報告事例数が多うございました。  それ以降が、順次9月、10月と健康被害事例数は毎月報告される数自体は、現在少な くなってきていますが、とはいえ必ずしもゼロにはなっていない状況でございます。  これについての具体的な対応につきましては、お手元の資料でいきますと、44ページ と45ページの方に記載させていただいておりますが、当省といたしましても、一定の対 策は講じさせていただいたところでございます。  これは専ら健康食品のいわゆる安全性に関する問題でありますが、もう一つの問題点 としてありますのは、47ページの資料をごらんになっていただけるようお願いいたしま すが、表示なり広告に関する苦情でございます。  こちらは国民生活センターの消費生活相談データベースの方から集計させていただき ましたが、全国の消費生活センター等において健康食品で、なおかつ表示・広告に関し て該当した項目の事例数を集計いたしましたところ、直近の平成14年では、おおよそ750 件程度で、こちらにありますとおり、中ほどでたしか健康食品の支出額も上がっている という統計があったと思いますが、一方でこちらの表示・広告関係の苦情相談が上昇傾 向にあるということが伺えます。  前の46ページの安全性関係ですが、こちらにつきましても、年を追って変化がござい ますが、途中まで増加傾向にあったのが一旦減少して、特に昨年の平成14年におきまし ては、これは恐らく中国産のダイエット用食品の影響等もございますが、急激に増加し ていったという状況でございます。  次に資料といたしましては、48ページでございますが、こうしたことも踏まえまし て、今回の食品衛生法等及び健康増進法の一部を改正する法律において、一定の対応を させていただきました。  食品衛生法、それから健康増進法のそれぞれでございますが、まず、食品衛生法の方 では、まず1点として特殊な方法、これは具体的には例えば濃縮化とか、あるいはカプ セルにして直接腸に届くような食品を想定していますが、そういったもので食経験のな い食品を摂取するような場合、あるいは健康被害の原因と疑われる食品、こういったも のにつきまして、食品衛生上の危害を防止するため緊急の必要があると認めるときは、 暫定的にその販売、具体的には流通と言っていますが、暫定的に流通を禁止する措置を 取れるようにする措置を今回盛り込んでおります。  それから、健康増進法の一部改正でございますが、これは2つございまして、健康の 保持増進の効果等についての、これは字が間違っておりますが、虚偽です、誇大・誇大 と2つ並んでおりますが、虚偽・誇大広告等の表示の禁止、こちらがございます。  これは、お手元の資料でいきますと50ページになりますが、具体的には食品として販 売されているようなものについての健康の保持増進、効果等に関して、例えば著しく事 実に相違する、あるいは著しく人に誤認させるような表示をさせてはならないとして、 その上で厚生労働大臣の方からの広告を行う者に対する勧告、あるいは命令、更には罰 則といった体系をつくっております。  もう一つは、特別用途表示の試験実施主体の拡大ということでございまして、具体的 には、現在、51ページにございますが、特別用途表示の許可業務のうちの成分分析とい うものを現在行っておりますが、これを独立行政法人国立健康・栄養研究所のみに委託 しております。  こういった許可の迅速化を図るためには、この成分分析というものを独立行政法人国 立健康・栄養研究所以外の登録試験機関にも行わせることができるよう措置をしたとこ ろでございます。  次に「8 国民の健康づくりに関する施策」。これまでは言わば健康食品に関する実 態なり、あるいは制度的な枠組みというのを説明させていただきましたが、では、どこ に向かうべきかということで、考えられる1つの方向として、国民の健康づくり、これ が今回の検討会の課題の中の、言わば国民の健康づくり中における健康食品の役割とい うものをどう考えるかということが1つございますが、それについてどういった施策が 取られているかということについて説明させていただきたいと思います。  お手元の資料でいきますと、53ページに健康日本21ということで、こちらは平成12年 3月31日に厚生事務次官通知、それから保健医療局長通知、あいるは3局長通知で示さ れたものですが、これは言わば国民の健康づくりに関する国民運動を高めていこうとい う動きでございまして、基本的な方向といたしまして、まず、こちらの表題の下にござ いますが、まず一次予防の重視、それから健康づくり支援のための環境の整備、それか ら目標の設定と評価、あとは多様な実施主体による連携のとれた効果的な運動の推進と いう4つの方向で、その上で目標値を設定して、最終的には例えば健康寿命の延伸と生 活の質の向上などを目指します。  具体的にここで出てきますのは、例えば生活習慣の見直しということで、栄養なり食 生活、まさに栄養なり食生活は今回の健康食品にも関わるものですが、これも1つの見 直しの中心になっています。  それから、身体活動なり運動、あるいは休養、たばこ、アルコール、歯の健康といっ たものがございます。  その上で、生活習慣、それから危険因子の減少とございまして、例えば肥満なり高脂 血、あるいは高血圧、高血糖といったものの因子を減少させていくと。その上で健診等 を充実させまして、疾病等を減少して、最終的には生活の質の向上といったものを目指 すという流れでございます。  合計で70項目からなる具体的な目標値を定めていますとありますが、例えば食塩摂取 量の減少、あるいは野菜の摂取量の増加といった栄養面での目標も立てています。  あと、日常生活における歩数の増加、こういったことで例えば心臓病なり脳卒中、あ るいは糖尿病につきまして、それぞれ減少を見込んでいるということでございます。  今回、健康食品について、特に関係が深い栄養・食生活に関する目標につきまして は、お手元の資料でいきますと55ページの方に、実際にどういったものが目標として記 載されているかということを記載しております。  例えば、こちらでいきますと、栄養状態、栄養素の摂取レベルということで、適正体 重を維持する者の割合の増加とか、これには例えば肥満の減少ではなくて、やせの減少 といったものも当然含まれます。  それから、食塩摂取量の減少と先ほどもありましたが、それから知識・態度・行動レ ベル、具体的には朝食の欠食率の減少とか、こういったものにつきましても、それぞれ 目標を立てております。  あとは環境レベルについてそれぞれ目標がございます。  ここまでが、国内の制度の説明でございますが、お手元の資料でいきますと、56ペー ジ以降で、以降は、米国、EUの制度について御説明させていただいております。  お手元の資料でいきますと、57ページをごらんになっていただけるようお願いいたし ます。  57ページの資料では、米国における健康食品関連制度の全体の枠組みを示させていた だいております。  大きく分けまして、機能・構造強調表示、それから健康強調表示という2つに制度と しては分かれます。  このうちの機能・構造強調表示というのは、具体的には次のページになりますが、58 ページで食品のヒトの構造機能への影響に関する表示ということでございます。  それから、健康強調表示の内容といたしましては、60ページにございますが、食品ま たは栄養素等、疾病または健康状態等の関係に関する表示ということで、よくほかの言 い方としては、疾病のリスク低減表示といったものが用いられているかと思いますが、 これが健康強調表示というものになります。  それにつきましてそれぞれ法律がございまして、構造・機能強調表示の場合は、栄養 補助食品健康教育法、これはDietary Supplement Health and Education Act 、 94制定ですが、例えば具体的には「月経前症候群における正常な状態での健康的な状態 をサポートします」という表示ができるようになります。  それから健康強調表示ということでございまして、これは3つ制度がございまして、 1つはまず、栄養表示教育法、Nutrition Labeling and Education Actですが、これは 例えば「常に運動をして、十分なカルシウムを含む健康的な食事をすれば、10代や若い 女性、白人もアジア人にも」ということで、アメリカの場合は特に人種ごとの特性とい うのが問題になりますが、「健康的な骨を維持し年をとってから骨粗鬆症になるリスク を低減するのに有効です」と。  もう一つの制度といたしましては、FDA近代化法、これはまさにFDAMAという 名前の法律ですが、例えば表示例としては、こちらは後ほど説明しますが、NLEAに 近い形で、「全粒穀物を51%以上含み、飽和脂肪、コレステロール及び総脂肪量の少な い食事は、心疾患及びある種のがんのリスクを低減します」と、言わば疾病の低減表示 をすることができます。  それから、限定的健康強調表示、Qualified Health Claims というのがございます が、これは少しほかのとは違うんですが、こういった健康強調表示の証拠について、暗 示的な証拠が否定する証拠よりも上回っている場合に適用されるものでして、これは実 は判例によりまして、こういった制度が始まっています。  その表示例としては、こちらにありますが、先ほどの2つとは異なりまして、一定の 限定、あるいは注釈をかけた形での表示例となっております。  なお、これらの制度によらず、構造・機能強調表示あるいは健康強調表示を行った場 合、不正表示として、流通停止なり回収等の措置の対象となります。  以下、58ページ以降に、それぞれDSHEAあるいは、健康・教育法表示の関係を説 明していますが、まず、58ページをごらんになっていただけるようお願いいたします。  こちらにDSHEAの概要ということでございますが、ポイントといたしましては、 この3つかと思います。  栄養補助食品について、構造・機能強調表示をしようとする方は、まずFDAに届出 ること、これは製品の販売後30日以内でございます。  もう一つは、表示以外に、FDAに評価を受けたものではございませんというものを 表示する義務はございます。あともう一つは、証拠を有していなければならないという ことでございます。  59ページには最近の動きも書いていますが、60ページの健康強調表示に関する制度を ごらになっていただけるようお願いいたします。  先ほど3つの健康強調表示の制度がございましたが、まず1つは、NLEAというの がございます。これのポイントといたしましては、先ほどの3つはいずれもFDAが承 認するものでございますが、このNLEAの場合は、こちらの真ん中にありますよう に、専門家の間に合意が存在する科学的な証拠。これは英語でSignificant Scientific Agreementと言っていますが、これに基づいて表示する必要があります。  健康強調表示の場合は、申請者以外の方も、これを強調表示をしたいということで申 請するわけですが、その申請者以外の方も、FDAが申請に基づいて規則を交付すれ ば、健康強調表示をすることができるようになります。  61ページが健康強調表示に関する制度でございまして、次がFDAMAですが、これ と先ほどの違いは何かと言いますと、先ほどはSSAということで、専門家の間に合意 が存在する科学的な証拠ということでございましたが、これはそうではなくて、権威の ある分権、例えばNIHだとか、それからCDCのようなところが出した証拠に基づく 疾病リスク低減表示というものにつきまして認めている制度でございます。  あと、最後の62ページでございますが、Qualified Health Claims というのは、これ は実は法律ではございませんで、訴訟に基づいてでき上がった制度でございます。  具体的には、これは少しわかりにくいんですが、この真ん中の線のところでございま すが、健康強調表示に対して暗示的な証拠がある場合、その上で当該表示を支持する証 拠のものが支持しない証拠に勝る場合は、こういう場合は一定の注釈文を付けて表示す ることができます。  最後になりましたが「10 EUにおける健康食品管理制度」ということで、65ページ をごらんいただけるようお願いいたします。  EUにおける健康食品制度ということで、これはアメリカとは若干違った動きがござ います。66ページになりますが、EUにおけるビタミン及びミネラル補助食品に関する 理事会指令というのがございます。  こちらはまず、具体的に機能をうたうところまではいっていませんで、まず、ビタミ ン、ミネラル補助食品について、表示すべき事項ということで、例えば1日接種目安 量、あるいは過剰摂取の場合の健康へのリスク。  それから栄養補助食品の多様な食事の代替物として使用してはならないことといった ことを表示すべきこととしております。  もう一つは、表示してはならない事項ということで、栄養補助食品の表示や広告は、 バランスの取れた多様な食事が栄養素一般の適切な量を補強しないということを暗示し てはならないこととされています。つまり、栄養補助食品で食事を代替できるというこ とを暗示してはいけないということになっております。  最後になりましたが、次のページで、現在の検討状況を若干記載させていただいてい ます。これは、現在、EUの方でも、まず現時点では先ほどのようなことがございます ので、疾病予防、治癒に係わる特性を有する旨や虚偽、または誤認を与える旨の表示な り広告を禁止しております。  なお、2つ目の○ですが、現在、欧州委員会では食品の栄養・健康強調表示に関する 規則案を検討しているところでございます。この規則案では、広く栄養一般について対 象としておりまして、栄養補助食品または機能性食品といった対象の特定は行っており ません。 ただ、その中では特定のではなくて、全体的な改善、つまり健康に一般的に いいとか、そういう形での全般的な改善や身体の機能の全体的快調等強調する表示は禁 止することを検討しているところというところで聞いております。  資料といたしましては、以上でございます。 ○田中座長  ありがとうございました。それでは、かなり膨大な資料で長時間にわたって説明して いただいたんですが、御質問、御意見などの発言をお願いしたいと思います。どなたか ございませんか。何でも結構ですので。  では、最初に橋詰先生、いかがですか。 ○橋詰委員  ただいまのは、現状を分析されたので、それはよく理解できました。これからどのよ うにそれを基にして検討していったらいいかということになると思います。 ○田中座長  今のところで特に御質問はございませんか。 ○橋詰委員  いや、特にございません。 ○田中座長  それでは、順番に御意見をいただきたいと思うんですが、松本先生、いかがでしょう か。 ○松本委員  具体的な話は、これから審議が進んでいく中で発言したいと思うんですが、そもそも 健康食品にかぎ括弧が付いていること自体、審議の対象が一体何なのかという辺りがそ もそもあいまいな感じがいたします。  それで、私自身はいわゆる狭い意味の健康食品は特に摂っていないんですが、健康を 志向する食生活、あるいは健康を念頭に置いた食生活はやりたいと思っているわけで、 そういう意味で食品をいろいろ考えながら生活をしていますが、そういうものも健康と 食品という意味では非常に絡んでいるわけで、その中から括弧付きの健康食品というの を取り上げる場合に、一体何を入れるのかと、WHOで言うところの健康の定義は、た しかすごく広いわけで、人間が生活するために口にする食品というのは、すべてある意 味では健康食品と言えなくともないかなと思いますから、その辺りがずっともやもやし ながら聞いておりまして、海外の制度でもどこかを切り取ってやろうということで、一 面だけ切り取れば、それなりのルール化はできると思うんですが、全体をいかに考える のかというのは非常に難しいかなという気がしております。 ○田中座長  今の点について、少し事務局から補充してくださいますか。原則的にはだれも明確に 健康食品を定義することはできないと思うんですけれども。  お願いいたします。 ○尾形室長  それでは、お答えになるかどうかわかりませんが、健康食品というのは大変あいまい な概念であるという点について、御参考になるようなお話をさせていただきたいと思い ます。  先ほどの資料の2ページで、事務局の方から説明いたしましたように、かつて行政と してどういうものを健康食品として整理するか、定義とまではいかぬまでも、検討対象 として、どういうものを健康食品としてとらえてくるかということは考えたことがござ いまして、そのときは栄養成分を補給し、または特別の保健の用途に資するものとし て、販売の用に供する食品、資するものとして販売されるということでありますから、 実際に資するかどうかということは明らかでないものも含まれるわけです。  実際に資するということが、公に認知されていれば、それは保健機能食品になるとい うことでございますが、必ずしも実際にそうであるか、表示どおりであるか、能書きど おりであるかどうか、そこはあいまいな部分も含めて全部、健康を標榜するものは健康 食品だというようなことをこの当時一応の概念整理としてしたことがございます。  しかし、健康を標榜していれば、何でも健康食品になるといっても、やはり概念はあ いまいでございまして、実は過日EUの欧州委員会の担当者にお会いしたところ、フル ーツバスケット一盛りをファンクショナルフーズとか、健康食品と言えば言えるんだ と、こういうようなものも健康食品になると言えば言えるので、EUでは余りこういう 定義にこだわるつもりはないというお話がありまして、まさにこれが今、松本委員から 御指摘のあった点にどんぴしゃりかなうような指摘ではないかと思います。  現在、行政として我が方がEUのようなやり方が正しいというのか、それとも別途、 もう少し狭い健康食品というものを定義すべきであるのかということをこの場で決め付 けることはできない、むしろ皆様方に御検討いただきたいというふうに思っているんで すが、検討の対象としてはできる限り広くということでありますので、あえて厳密に狭 い概念をつくるつもりではないということだけ申し上げておきたいと思います。 ○田中座長  この2ページで、※のところの一番右下に「かつて『栄養成分を補給し」と書いてあ りますが、これも、当時、ディスカッションされたところでございまして、通常は栄養 成分と言いますと、いわゆる栄養素のことを指しておるんですが、この場合はそうでは なくて、栄養素及び非栄養素成分、わかりやすい言い方で言いますと、いわゆるポリ フェノールとか、イソフラバンとか先生聞かれたことがあると思いますが、そういった ものは必須の栄養素ではないわけです。だから、そういった非栄養素成分も総称してこ の場合は使っております。通常、栄養成分と言うときには、栄養学の立場から言います と、栄養素を指しておるんです。しかし、この場合には、栄養素及び非栄養素成分を栄 養成分と総称しているということで、ちょっと付け加えさせていただきます。 それで は南先生、よろしくお願いいたします。 ○南委員  私も大変なものに巻き込まれてしまったなという印象で、何を申し上げたらいいのか 戸惑っておりますが、「健康に資する食品」というふうにくくるのであれば、人間の口 に入っているもので健康に資するものでないものは、もう取らない方がいいということ になってしまって、国民一般としては、テレビやいろいろな媒体を通じて流される、健 康にいい、体にいい食品というのをあれこれ聞いていると何だかわからなくなるという のが本音ではないかと思います。  それに対して、何らかの整理ができるのであれば、是非した方がいいと思います。私 自身さまざま出回っている健康食品について、余りきちんと区分けをしてみたりしてい なかったので、認識が十分できていませんが。ところで、こういったことが問題になる 背景として、今まで、私どもがごく普通に食してきた野菜なり肉、等の食品、天然食品 と言うんでしょうか、そうした食品の「劣化」が非常に著しいという話を少し聞いたこ とがございます。季節ごとに自然の実りを食していた時代に比べて栄養素などが劣って きている。それを劣化というのかと思いますけれども、食品の栄養成分などがかつてよ り劣ってきたと言うんでしょうか、従来のものとは違ってきて、普通に、いわゆる栄養 所要量に基づいて、野菜や肉を普通に食べていたのでは、現代の人間は十分な栄養をと れない、というような事実があるのでしょうか。その辺を田中先生に、少し教えていた だけたらと思います。 ○田中座長  科学的根拠というのは、余りないとは思うんですけれども、例えば旬のものにはいろ んな栄養素が多く含まれているとか、おいしいというようには言われております。同じ 食物であっても栄養素の含有量に季節変動があったり、産地間の差があったり、あるい は輸入品において差があったりというのは、例えば同じトマトであっても栄養素含有量 に違いはあると思います。  しかし、原則的には、前回のいわゆる栄養補助食品の取り扱いに関する検討会の報告 書を見ていただいたらわかるかと思いますが、普通の、通常の、と言った方がいいかも しれませんが、そのような食事をしておれば、食生活指針にも示されておりますよう に、主食、主菜、副菜をバランスよくとれば、我が国では、一応必要量を充足するであ ろうということです。  だから、そのことについては、いわゆる通常の食事については余り心配なさらなくて いいかと思います。普通にとっておればということなんです。でも、実際にはいろんな 状況でとられていなくて、いわゆる飽食時代での低栄養というのがあるのも事実です。 先ほども少し触れましたけれども、若い女性のダイエット志向が強いという場合もあり ますし、それから独居老人とか、そういう高齢者の中には通常の食事ではとられておら れないという現状があるのも事実であります。  次に木村先生お願いできますか。 ○木村委員  先ほどの説明の中から2〜3御質問をさせていただきたいんですが、資料の9ページ でございますけれども、これは座長が研究なさったものですが、この中で製造に係る安 全・衛生基準の状況という形でまとめておりますが、これは基準がある、基準に従って そういうふうな管理をしているというふうに理解していいのかお願いします。  もう一つ、ついででございますが。 ○田中座長  もう一つの質問は、この調査に関連しますか。 ○木村委員  はい、もう一つは次のページで、同じ調査の中で、製品の健康機能は人において明ら かとかずらずらありますけれども、これはどういうふうな形で明らかであるということ を評価したのかも併せて教えていただければと思います。 ○田中座長  この調査を実際に担当しましたのは、私ども研究所の健康栄養情報・教育研究部長の 松村康弘先生ですので、来ていただいておりますので、この調査の概要も踏まえて、そ して各論的にここで言う安全衛生基準の業界基準、自主基準、それから10ページの機能 の裏づけ方法について少し説明してくださいますか。 ○参考人  国立健康・栄養研究所の松村でございます。質問に答えさせていただきますが、ま ず、ここの9ページ、10ページに出ています結果でございますが、実はこれは平成11年 度の研究事業として、いわゆる摂取状況に関する調査と、製造輸入状況に関する調査 と、販売状況に関する調査の3本立ての調査を実は平成12年1月〜3月にかけて行って おります。  その中の9、10は、製造輸入状況調査の結果でございまして、健康産業流通新聞社か ら発行されています『健康産業名鑑』に掲載されていた企業の一覧から、健康食品を製 造していると推定されました3,400 社に対しまして、調査表を郵送させていただきまし て、その返ってきた回答の集計をした結果でございます。  当初、これをやるに当たって、私どもは11年度の秋ぐらいから検討を始めて調査を実 施したものですから、3,400 社に対しては、健康食品と関連のない企業も含まれまし て、実際に得られた回答は311 社ということでございました。  これらの企業に対して、製造している、輸入しているという各製品に関する個別の質 問として、それぞれの製品に対して安全性の確認をしていますかという質問をしており ます。更に、そのほかに安全基準、衛生基準がありますかということで、複数回答でそ れぞれ答えていただいております。  健康食品と申しましても、非常に範囲が広うございますので、それぞれの業界に応じ て、業界の基準が設けられているという場合もございましょうし、そうではない場合も あるということでございまして、まずは業界の基準が設けられており、その基準に従っ ているというような、あるいは業界の基準は設けられていますが、そのほかにも自主基 準を設けて更に厳しい安全性、衛生基準を追及しているというような選択肢の回答を御 用意いたしまして、それについて選択をしていただくという形での回答でございます。  そういった意味で、いわゆる業界基準プラス自主基準は、非常に厳密に自分のところ で安全性追求をやっているという回答だというふうに理解してよろしいんではないかと 考えております。  更には、健康食品の健康機能の裏づけということでございますが、これに関しまして は、いわゆる健康食品を開発して製造するに当たりまして、そういったものの企画をす る段階で、そういったものの需要とか、効果を考えると思います。  それに対して、科学的なエビデンスがあるのかどうかといったことについて質問を投 げかけてございまして、各文献等々で調べているのかどうか、そういったことを調査す るために幾つかの回答の選択肢を設けまして、この回答を得ております。  ただ、残念ながら、ここで若干注意していただかなければいけないのが、ここの特定 保健栄養食品の中で、製品の健康機能はヒトにおいて明らかということで94.4%になっ ております。特定保健栄養食品の制度から申しますと、これは本来100 %でないといけ ないんです。実は、この調査をした時点で、製造をしている会社の担当者の方にも一部 特定保健用食品の御理解がいただけていない会社が多少なりとも入っていたというふう に考えざるを得ないという状況であります。  したがいまして、ここのエビデンスに関しては、まず、やはりヒトについて明らかな 科学的根拠があるのかどうか、そういった文献を調べているのかどうかといったことに 主眼を置いた質問を投げかけた結果の回答だというふうに御理解いただきたいと思いま す。  よろしゅうございましょうか。 ○木村委員  はい。 ○橋詰委員  今のも、将来検討される安全性に関してとても大事なことなんですが、自主規制とい うように書いてあるものの中で、どういう内容であるかということはつかめているわけ ですか。 ○参考人  申し訳ありません、このときには、とにかく幅広く実態を調べることと、調査表の誌 面にも限りがございましたので、その項目は残念ながらございません。 ○合田委員  同じ質問なんですけれども、10ページの健康機能の裏づけに関するところで、エビデ ンスの部分のレベルは全然問われていないわけです。要するに会社が、エビデンスがあ るかどうか、自分たちで判断したデータという具合に考えてよろしいんですか。 ○田中座長  この質問表ではそうであります。しかし、特定保健用食品を許可するときにはそうで はなくて、原則的にはヒトを対象としたRCTを必須項目の1つとしております。  これは業者側に対する質問でありますから、ヒトにおいて有効性が明らかであるとし ている根拠には、いろんなレベルはあるとは思います。必ずしもRCTではないかもし れません。しかし、研究デザインはこのアンケート結果ではわかりません。 ○木村委員  ちょっと先に進まれたんですけれども、まず、先ほどの説明ですと、9ページの安 全、衛生基準については、あくまでもアンケートで基準があります、あるいはそれに 従ってやっていますというレベルのデータですということですね。 ○田中座長  はい。 ○木村委員  それから同じように、10ページの明らかというものは、これまた相手の方で、データ の量・質の問題ではなくて、一応そういうデータの中でやっているというふうな集計と 理解してよろしゅうございますか。 ○田中座長  はい。 ○木村委員  わかりました。 ○田中座長  アンケート回答者の自主的な判断での答えです。だから、単なるケース・コントロー ル・スタディーの場合もあるでしょうし、RCTの場合もあるでしょうし、コントロー ルなき、インタベーション・スタディーもあるかと思います。それはわかりません。 ○木村委員  もう一つ、私は東京都の職員なんですけれども、東京都でも健康食品につきまして は、いろいろと都民等から要望等もございましたので、以前より国に対して、この健康 食品につきましても適切な製造・販売、あるいは不良品があった場合には、的確に排除 できる、そういった制度を現行諸制度を含めて、体系的な新たな制度を是非ともつくっ てほしいということを国の方に要望してきたところでございますので、是非この会で、 座長のリーダーの下にまとめていただきたいと思いますし、私も努力させていただきた いというふうに思っています。 ○中垣基準課課長  事務局から質問するのは非常に変な話なんですが、先生方の御理解を深めるために、 できれば松村部長に教えていただきたいんですけれども、9ページ、10ページにござい ます、健康食品は栄養補助食品・健康食品というふうに書かれておりまして、今日配ら れた参考資料の引用した調査に関する注釈というところを見ると、栄養補助食品・健康 食品というのは、総合ビタミン剤、ドリンク剤等の医薬品として販売されているものを 含む、すなわち医薬品を含んでおるということが書かれておるわけでございますが、こ の9ページ、10ページもやはり医薬品を含んでいると解釈すべきなのかというかのが1 点。  2点目は、仮に医薬品を含んでいるとすれば、当然のことながら国の基準、あるいは 国の承認、許可があるわけでございますけれども、今回の311 社の中に、医薬品の製造 許可を持っておる会社がどれぐらいあるのかというのが第2点。  第3点は、医薬品も売っている、ほかの食品も売っているという、すなわち複数製品 を当然のことながら販売していると思うんですけれども、複数製品のうちに例えば1つ でも基準がある、あるいは医薬品として承認を受けておるというような場合には、基準 がある、あるいはヒトにおいてその効果が明らかというような回答をすることになって いるのか、複数製品がある場合にはどういう回答をすることになっておったのか、その 点を教えていただければと思います。 ○参考人  まず、第1点目の医薬品、医薬部外品を含んでいるかということですが、これに関し ましては、錠剤、カプセル、ビタミン剤、ミネラル剤に関して、調査票の中では、医薬 品や医薬部外品を除いた形で御回答いただくということでお願いしてございます。した がって、医薬品は基本的には含んでいないというふうにお考えいただきたいと思いま す。  次に、どういった企業かと言いますと、311 社の中には、実は薬品工業の企業も若干 含まれていますが、比率は非常に少のうございます。正確な値は今出てまいりません が、非常に少のうございました。  勿論、親会社が薬品もやっていてというような割と大きな企業も中に含まれておりま す。ただ、そういった会社では食品部門が独立しておりますので、その食品会社が回答 したという形になってございます。  申し訳ございません、最後の質問は。 ○中垣課長  複数製品を製造している、販売している際に、どのような形でこのアンケートという のは答えることになっておったのかと。 ○参考人  その質問に関しては、製品それぞれに関して、それぞれフォームをつくりまして、1 個1個の製品についての質問であり、それに対する回答でございますので、9ページ、 10ページは個々の製品についてというふうにお考えいただきたいと思います。 ○田中座長  この調査をやった当時は、栄養補助食品というのは、錠剤、カプセル等、形状的には 医薬品と余り差のないものというイメージでこのときは使っております。そうしたとき に、既に御存じのように医薬品としてビタミン剤が出ておりますし、食品としてもビタ ミン剤が販売されておりましたから、その区別が本当にうまくなされて回答されている かどうかというと、若干難しいと思います。 ○参考人  そこの確認はできませんが、あえて調査票の最初に、調査の対象として医薬品は除い てくださいというような形で、割と細かく記述してございます。 ○田中座長  もし医薬品会社であれば、それはかなりうまく明確にされたかもしれませんが、そこ のところはちょっと確認しようもありません。しかし、除く努力はしたということであ ります。  どうぞ、松本先生。 ○松本委員  今の中垣課長の質問との関係で、ちょっと私の理解があいまいなのではっきりさせて いただきたいのですが、錠剤とかカプセルのような、医薬品のような形状をしているも のは、食品ではなくて医薬品の方に入るという前提の下に、今、御説明されたわけです か。すなわち、2ページのマトリックスでいけば、錠剤とか、カプセル形態のものは、 一般食品ではなくて、形態がこうだから医薬品になるという話なのか、今の制度では形 態がどうであれ、食品の場合もあるという話なのか、ちょっと制度的にどうなんです か。 ○尾形室長  これは医薬品の範囲に関する規制緩和が行われたという説明を先ほどいたしましとこ ろでございますけれども、その規制緩和が行われる前は、錠剤、カプセルといった形状 のものは医薬品という判断をされていたわけでございますけれども、その規制緩和後、 ごく大ざっぱに申し上げるわけですが、今日はそういったものでも食品ということが明 らかであるものについては、食品として販売することができるという制度になっており ます。  その食品として販売される錠剤、カプセルというものが、場合によっては保健機能食 品であったり、その他のいわゆる健康食品であったりということになったりしていると ころでございます。 ○松本委員  今回の議論の本筋から外れるかもしれないんですが、食品であることが明らかという ことの意味がちょっと理解できないんですが、つまり口から摂取するという意味では、 医薬品も食品も同じですね。その中で、錠剤の形であると、従来はそれは医薬品扱いし たんだけれども、今回食品として扱っても構わないというのは、それは一体何なんです か。錠剤の中身が違うからなんですか。 ○尾形室長  食品と医薬品の区分の話がまずあるべきだったかと思いますけれども、その形状いか んにかかわらず、医薬局の方で定めております、医薬品成分のリストに該当するような 成分を含有するものは医薬品になるわけでございます。  そういう、これを含有していれば医薬品になるというものでない成分についてであれ ば、それは食品として認められる余地があるということでございまして、先ほど申し上 げました明らかに食品であるというような言い方は若干誤解を招きますので、言い方を 正確にいたしますと、要するに食品として販売されると、その食品として販売されてい るいうことがパッケージとか、そういう表示の中で明記されているという趣旨でござい ます。 ○田中座長  ちょっと補充しますと、医薬品と食品との区別は、単に形状だけでは区別しないわけ ですね。一番は、その中の成分本質であります。それは、リストに載せられております から、極端な言い方をしますとそのリストに含まれているものは、成分という意味では 医薬品になるわけですね。それで、ビタミンとミネラルとアミノ酸と百六十幾つかの ハーブ類については、そのリストから外されたわけです。  それから、摂取する方法もございますね。例えば、食後2錠ずつ飲みなさいというの は、これは薬的表現であるわけです。しかしながら、特定保健用食品等ある種のものに ついては、それもある程度認めていこうというようなことがありまして、いろんな方向 から総合的に判断して区別されておるというように理解していただきたいと思います。  それから、当然これからの議論で出てまいりますが、使用目的、効能、効果、つま り、その表示の問題ですね。そして、販売方法、販売時の演述等、いろんなところから 総合的に判断して医薬品と健康食品との区別をしておるということであります。  どうぞ。 ○合田委員  今、薬の話が出たので、多分私が先ほどの事務局の説明を聞いて感じたところは、 ちょうどその部分だったので話をさせていただきたいのですが。  一番最後のところで、米国とEUの制度の考え方の部分というのが出てきましたけれ ども、それは基本的には薬の制度も米国とEUが違うので、それでいろんな食品側の方 の考え方も違うという具合に考えるべきではないかと思います。  私、今、生薬部長をやっておりますので、生薬とかハーブとかというのは非常に関係 が深いわけですけれども、実際にハーブに対して、今、座長言われましたけれども、医 薬品から除くという状態になっております。けれども、EUは基本的にハーブに対して は国ごとに違いますけれども、多くはハーバルメディスンという1つの医薬品の区分が あります。米国は、ハーブというのは全然医薬品と認めておりませんので、それはどち らかと言えば、基本的には食品扱いです。ですから、食薬区分といいますけれども、そ の食薬区分の制度というのが、米国とEUでハーブの部分、植物薬の部分で違っていま す。  結局、私自身、この検討会で食品の話をすることになるわけですけれども、最終的に は医薬品と食品と両方の制度の上でこういうものはどこに立脚するのかということを考 えていかないといけないのではないんだろうという具合に思っています。 ○田中座長  今のハーブ類も、日本はちょっとアメリカ、ヨーロッパとは違うと思います。1つ は、従来からいわゆる漢方薬というのがありますから、それはきちっと医薬品としても う承認されて、医療の現場で使われておるものがあります。それ以外の先ほど申し上げ た幾つかについては、どうするかということが前回の栄養補助食品の在り方の検討会で 議論されまして、現時点では規格基準型ではなくて、個別評価型です。特定保健用食品 として認めていくという形ですが、現実には何品目かございますか、室長、特定保健用 食品。 ○尾形室長  先ほどの資料にもありますとおり、現在339 品目。 ○田中座長  いやいや、ハーブ類で特定保健用食品の品目数。 ○尾形室長  ハーブが特保になっている例は、極めて少のうございます。 ○田中座長  いや、何品目ございますか。 ○尾形室長  数品目、ハーブというものの概念がはっきりしませんので、どこをとらえてハーブと いうのかにもよりますが、2、3といったところです。 ○田中座長  ということで、現時点では個別評価にしておるわけですね。これが日本の大きい特色で あります。既に漢方薬として医薬品とされているものと、それ以外に百六十幾つについ ては、食品として販売してもよいというものとがあります。後者の中から個別評価で、 特定保健用食品として認められているもの、これから認めていこうというものが今ある わけです。今後、栄養機能食品となるものも出てくるかもしれませんが・・・。  どうぞ。 ○合田委員  少し付け加えさせていただきますと、漢方薬という言葉が出ましたけれども、漢方薬 というのは処方でできておりますいわば複合製剤です。医薬品として使用する目的で処 方があるので、それはもう明らかに医薬品として認められています。  漢方薬の処方の個々の構成要素が生薬です。生薬は生薬ごと個別に食薬区分の判断が なされます。基本的には医薬品目的として用いられるものが医薬品ですけれども、どの 様な生薬が含まれているかどうかで無承認無許可品でも実際に即医薬品判断されるか、 それとも医薬品としてはすぐには判断しないかという部分があります。各生薬について は、食薬区分リストの中にこの生薬はどうだということが書いてあります。  それとはまた全然別に、我々が伝統的に生薬として使っていたもの以外で西洋で用い られているハーブというのもありまして、そのものについても非常に危険なものは、日 本では医薬品として取り扱わなければいけないので、そういうものもわずかに専ら医薬 品に入っております。けれども、基本的には先ほどの規制緩和の段階でハーブは、医薬 品として取り扱わないことになっています。  ただ、効能効果の問題がありますので、効能効果を言ってしまいますと、それでは医 薬品扱いになりますから、それは効能効果を言わないで、いわゆる食品として売る、一 定のルールの下にあればそれは食品であるという状態になっております。 ○田中座長  どうぞ。 ○木村委員  御参考までに申し上げますけれども、いわゆる健康食品として販売されていて、それ を試験・検査したところ、医薬品の成分が出たというふうな事例がございます。東京都 の場合は、年2回に分けまして、80品目かける2で年間160 品目程度試買調査しており ます。それを分析した結果でございますが、平成9年から14年度までに、これを集計い たしますと、684 品目中35品目、4.4 %でそういった成分が出ています。成分として は、センナ葉、ダイオウ、ウワウルシ、マオウ。それから、化学薬品の中では、クエン 酸シルデナフィル、いわゆるバイアグラの成分ですが、そういったものが出ているとい うふうな状況にございます。  これは、特に去年の中国製ダイエット食品の問題とか、そういうのを除いて、定例的 にやっているだけの数字ですから、ある程度平均化された数字だろうというふうに認識 しています。御参考までに。 ○田中座長  ありがとうございました。これは、今の資料の37ページに薬事監視における健康食品 の監視というのがありますが、これに基づいて東京都さんが行われたことの現状を今、 説明していただいたわけであります。  今、大体健康食品って何かというような話が中心になっておるわけですが、橋詰先 生、何か追加ございませんか。先生の思っておられる健康食品でも結構ですので。 ○橋詰委員  追加ではないんですけれども、先ほどの松本委員から出た問題は、26ページにある程 度書いてあるわけです。実は、平成8年度のビタミン、ミネラル、ハーブ等の医薬品の 範疇見直しから始まりまして、ここのとき私も委員だったんで、追加させていただきま すけれども、おっしゃるように錠剤、46通知というものがありまして、錠剤とかカプセ ルというのはみんな医薬品だったんです。しかし、海外事情で既にビタミンとか、ミネ ラルとか、そういうようなものは錠剤、カプセルとして販売されていますので、食品の 中にカプセルも入ってきたと。あるいは、錠剤も入ってきたのです。それが1点と。  それから、今、田中座長からの質問の、では保健機能食品をどうするかというような 問題なんですが、今まで日本ではどちらかというと医薬品と保健機能食品、サプリメン トと言った方がわかりやすいですが、サプリメントをどう区別するかということに力点 が置かれていたんです。  ところが、欧米では一般食品とサプリメントをどう区別するかというようなことに力 点が置かれているんです。ぼつぼつ日本も一般食品と、それからサプリメントをどうい うふうに区別していったらいいかの方の議論をしていくと、自然といわゆる保健機能食 品、いわゆる健康食品というものの姿が見えてくるのではないかというふうに考えま す。  以上です。 ○田中座長  今、26ページでちょっと気が付いたんですけれども、アミノ酸は何年でしたでしょう か。医薬品の範囲の見直しで、ビタミン・ハーブ・ミネラルとありますが、アミノ酸も 入っておるはずですが、これはいつでしたか。  アミノ酸もリストから除くとなっておったと思うんですが、この経過で言うと何年ぐ らいになるんですかね。 ○尾形室長  お恥かしながら、しばらく確認に時間をいただければと思います。恐縮でございま す。 ○橋詰委員  アミノ酸は、別な委員会で検討したかと思います。 ○田中座長  ここに、見直された年度が書いてあるものですから、ちょっとアミノ酸のことを確認 したいと思いましたので。 ○橋詰委員  いつだか忘れましたけれども、大体、あれはかなり遅くなって、平成10年ぐらいでは ないかと推定します。ただ、しっかり覚えていませんので。 ○田中座長  46通知では、リストから除かれたと思うんですけれども。そして、見直しは・・・。 ○橋詰委員  そうです。アミノ酸の中でも医薬品もありますし、食薬区分のなかで検討されたと思 います。 ○田中座長  どうでしょうか。松本委員、南委員、健康食品ということを若干御理解していただけ たかと思いますが。  ほかに何か御質問ございませんか。 ○南委員  済ません。一般の国民の視点としては、やはり健康食品というようなくくりで手にし たもので、健康被害があるのは困るということだと思うんです。そのためには、やはり 先ほどもおっしゃいましたように、何が健康食品なのかということも勿論大事ですけれ ども、それをどういうふうに、多分どんなものでも過ぎたれば及ばざるがごとしという ことで、取り方で必ずしもよくないというものも多分あると思うんですけれども、一般 の人というのは、私は新聞というところで仕事をしている印象としては、やはりいいと 言われると、極端になってしまうというのが一般の方では非常に多いことだと思うんで す。ですから、その辺の啓蒙も合わせてやっていかないといけないのではないかという ふうに思いますけれども、そこまでこの委員会がされるかどうかは別としまして。 ○田中座長  率直な御意見だと思います。安全性は、非常に大切なことであります。中国の事件が ありましたけれども、結局はあれは医薬品に入る話なんですね。ですから、あれですべ て健康食品が危ないというイメージを持たれても若干困るんですけれども。調べてみた 結果は実際は医薬品に該当するものが入っておったということなんですね。  どうぞ。 ○合田委員  今の中国の健康食品の話は、ちょうど我々のところでやりましたので、少し補足させ ていただきます。我々のところは、そういうものの監視に関わる仕事もしております。 一番困りますのは健康食品と称して入りますけれども、例えばどういう成分が入ってい るかという表示が全くありません。実際に分析しますと、非常に多数の成分が入ってお ります。そういうもので、逆に医薬品のようにポジティブリスト制でやりますと、すべ てのものを対象にして分析できるわけではありません。こういうものが危ないだろうと いう、入っている可能性があるだろうというものは始めからねらって分析できますけれ ども、そうでないものは分析できませんので、現実的に表示がないものについては、か なり分析するのが難しいと思います。  中国製品の場合には、ニトロソフェフルラミン、言わば医薬品成分が入っているとい う話がありますけれども、最終的にはそれは医薬品成分とみなさなければ取り締まりが できないので、医薬品成分としてとりあえずみなすという方向で最終的に危害を食い止 めたという形に私は理解しております。ですから、未知のものが悪意を持って入ってき た場合には、健康食品の場合でもどうやってコントロールするかすごく難しいことだと 思います。  そういう考え方から、多分食品衛生法の方でも、もう少し制度が変わってそういうも のをみなして、食品衛生法の方でも取り締まれるという形になっているんだろうという ふうに私は理解しています。 ○田中座長  ほかにどうでしょうか。健康食品ということについて御質問ございませんか。 どう ぞ。 ○松本委員  今の南委員の御発言との関係なんですが、健康食品の中に健康を害する成分が含まれ ているいうのはもう論外の話だと思うんですけれども、それと別に健康食品に関わる被 害を見ていますと、安全性の問題とは別に期待した機能、あるいは主張されている効能 効果といいますか機能が、実際は実現しないのに、そのように信じさせられて買わされ るという類いの、広告絡みの苦情がたくさんあります。  ここでも、効果が全くなくて、毒にも薬にもならなくて、精神的にはいい気持ちに なっているというぐらいであれば、それほど積極被害は健康面ではないと言えるかもし れないんですが、健康志向の食生活を営まなくても、これを適宜摂取していればいいん ですよという形で摂取することによって、実際は健康を害するという形の、直接成分が 危険だというんではなくて、やはり摂取方法とか、いわゆるヘルスクレームの書き方に 問題があって、健康を害するという安全性の問題というのがもう一つあるかと思います ので、そちらの方もかなりきちんと議論しなければならないんではないかと思います。  アメリカの法律で非常に印象的なのは、何とかエジュケーションアクト、教育法とい う名前がみんな付いているという、ここが非常に示唆的な感じがいたしまして、消費者 に対して情報提供といいましょうか、健康な食生活のためのエジュケーションの一環と してこのような制度が位置づけられているのかなという印象を持ちます。 ○田中座長  それは、この検討会の検討課題であります。資料1にもありますように、重要な1つ でございます。特に2番目について先生が触れられておりましたし、あるいは、南先生 が触れられていたように、安全性の確保ということも書いてあります。それから消費者 に対する適切な情報提供ということであります。今はいろんな健康食品が次から次へと 出てきますし、インターネット等からも自由に個人輸入ができる時代ですので難しいん ですけれども、できるだけ多くの情報を共有していくというような状況になってくるん ではないかと思っております。消費者あるいは食品会社、関係団体、学術団体等、ある いは行政といったところで、できるだけそういう適切な情報を交換し、共有していくと いうところをどうしていくかということも重要ではないかと思いますが。  今日は、主に1番の医薬品、それから保健機能食品、健康食品、一般食品で、特に左 側の医薬品と健康食品との区分のことを、いろいろ質疑応答していただきましたし、橋 詰先生からはもっと右側の方の区分も明確にしていく必要が、あるいはディスカッショ ンしていく必要があるだろう、との御指摘をいただきました。健康食品と一般食品の区 別というような意見もいただいたわけですが、あといかがでしょうか。この検討課題に ついて、今日は結論を出すわけではありませんので、自由に御意見をいただけたらいい と思うんですが、最終的にはこの3番にありますように、行政関係者、業界、消費者の 果たすべき役割、そしてその制度はどうかというところに入っていくわけですけれど も、その辺りについて意見をもう少しいただけたらいいんではないかと思っております が。  木村先生いかがでしょうか、今度は逆回りで一言ずつ言っていただけたらと思いま す。 ○木村委員  これから、いろいろヒアリング等で業界なり実態をもうちょっと把握しないと、私ど もは私どもで行政としての情報は持っていますけれども、これは恐らく情報の一部でし かないだろうというふうに認識していますので、広くこれからヒアリングの中で聞い て、その中からいろいろと考えていきたいというふうに考えています。 ○田中座長  多分業者と言っても、さまざまな意見が出てくると思います。その他、関連団体、消 費者等々からまさに千差万別の意見が出てきます。そこはやはり学識経験者としてこう いう方向ということを示すことが期待されておりますので。なかなか大変なんですけれ ども。  合田先生、どうぞ。 ○合田委員  今、制度の問題が最後の出口になるということを言われましたけれども、結局制度の 問題を出口に考えたときに、1つは今、保健機能食品はある程度の特定の目的で健康維 持に役立つというところの、効能効果ということが言えますね。その効能効果の問題と いうのは、多分非常に重要なんだろうと思います。  それから、今までディスカッションに出なかったところで、GMPの問題がありまし て、医薬品は非常に厳密なGMPで製造を管理されておりますけれども、健康食品とい うのはそういうものがありません。今は、業者の自主的なものが少し始まったようには 聞いていますけれども、そのGMPをどうコントロールするかという問題も多分あるだ ろうと思っております。 ○田中座長  松本委員、南委員のお二人の方に、GMPって何か説明してあげてください。 ○合田委員  私が専門ではないんですけれども、素人なりに説明させていただきますと、要するに 医薬品を製造するときに。 ○田中座長  何の略語ですか。 ○合田委員  グッド・マニュファクチュアリング・プラクティス(優良製造規則)なんですが、医 薬品を製造する際に、どのように厳密にコントロールして製造するか、要するに必ず同 じものが、同じ品質で、同じ有効性を持つものができるかということを、製造の段階で コントロールする。医薬品というのはそうしなければいけない。  先ほどの中国産のものは医薬品として認定されたというか、そういうような形になっ ていますけれども、あれはカプセルごとに全く中身が入っているものが違っている場合 も多く、1カプセルを開けてみますと、色も中身が全然違います。要するに、まさにG MPが全くない状態でつくられたものです。一方、医薬品はどの1錠を取っても同じ1 錠であるということが厳密に保障されているわけです。食品というのは、そういうこと は全くコントロールはないという形です。 ○田中座長  先生は医薬品の立場からの発言ですので、そういうことも非常にきっちりやるべきで あるという御発言であるわけですね。  しかし、先ほどの南先生の質問にもありましたように、極端な言い方をすると大根の 産地によって、季節によって、栄養素含有量が違うわけですね。そういう食品の現状を 考えると、製造管理をどの程度まで徹底するのかというところも、なかなか食品の場合 は難しいんですね。医薬品ですと、化学物質ですから、新たに合成されたものですか ら、さらに副作用のこともありますから、品質管理を厳しくしていくことが要求されま すが、食品の場合はそういう点もなかなか難しいということを南先生や松本先生も御理 解していただきたいと思います。誤差の許容範囲は、医薬品と健康食品とは必ずしも同 じでないと思います。決していいかげんにせよと私は言っておるんではございませんけ れども。  では、橋詰先生、お願いします。 ○橋詰委員  先ほど申し上げましたが、それに付け加えますと、やはり消費者、国民の立場から見 れば、有効性と安全性が大切で、そこの検討はどうしても避けられないものだと思って います。  もう一つは、対外的にはこれはもともと市場開放問題苦情処理というところから始ま って、その対策本部でも平成15年3月13日に具体的に外国に流通する食品添加物の 開放という問題が1つ出てきておりますし、もう一つは、合田委員も私もやっているん ですが、食薬区分の見直しというようなことも対策本部の方から出てきております。そ れに対応するような検討が必要になってくると思います。 ○松本委員  食薬区分との関係で、いわゆる健康食品をどう制度的に位置づけるかという、医薬品 にかなり近い形で位置づけるということであれば、先ほどおっしゃったGMP、品質が 均一でなければならないという議論がかなり出てくるんでしょうが、他方で食品との連 続性の方を考えますと、先ほども言いましたが、健康を志向した食生活をしたいと思っ ている国民は恐らく非常に多いわけで、そういう点からいきますと、その当該食品がど ういうものであるかを知りたい、端的に言えばアメリカの加工食品は、たしか成分表示 を非常に細かくしていて、塩分が何%だとか、いっぱい書いてあって、あれを見ると ちょっと食べたくないぐらいの数字が出てくるんですが、日本の場合はそれがほとんど ないということなんで、一般食品であっても、健康に資するためにどういう食品を摂取 したらいいかという情報提供を、積極的に事業者の方がやっていくような仕組みをつく った方がいいんじゃないかと。食品衛生法レベルで、もっとそういう成分表示的なもの を積極的に義務づけていただいた方が、私個人としては多様な選択ができていいかなと 思うんですが、それといわゆる健康食品におけるヘルスクレームというのも、連続線上 にあるんじゃないかと、どちらも正確な情報をきちんと科学的に実証できるものを伝え ていただければ、それは消費者にとってプラスになるだろうと。はっきりしないのにあ るかのようなことを言う、あるいはそれについての摂取の仕方等をきちんと情報提供し ないで、ある一面だけを強調してやるというところに恐らく問題があるので、どの食品 もある意味では健康に資するものであるとすれば、その健康に資する資し方についての 適切な説明を制度的にきちんと義務づけるというのが一番いいのではないかという印象 を持って持っております。 ○田中座長  事務局から、栄養素含有量表示の現状について、ちょっと説明していただいたらどう ですか。必ずしも健康食品とは関わりはないんですけれども。 ○尾形室長  食品に含有している栄養成分を表示すると言いますか、より正確に言いますと栄養成 分を表示できる制度というのがございます。できるとあえて言い直しましたのは、義務 的なものではない、任意で利用できるという制度でございまして、例えばコーヒー缶を 見ていただきましても、何も書いてないものもあれば、書いてあるものもあるというこ とでございます。ただ、この栄養成分を表示しようとする場合は、一定のルールに従っ てくださいということが、栄養改善法、5月1日から健康増進法になりますが、それに 細かく書いておりまして、いわゆる四大栄養成分と言われたものは必ず併せて書いてく ださいというようなこと、あるいは、エネルギー、熱量、そういったものを併せて表示 してくださいということが義務づけられている。更に、栄養成分だけでなく、栄養成分 の機能まで表示したいという場合にはそれができる。これが先ほどの栄養機能食品なん でございますが、機能表示をする場合には一定のワーニング、過剰摂取の場合の注意で あるとか、この食品は必ずしも国の認定を得たものではありませんというような、そう いう注意書きも併せて記載してくれというような表示のルールが定められているところ でございます。いずれにしても、これは利用したい人ができるというものであって、し かもその義務づけられているのは四大成分だけということでございますので、必ずしも アメリカのような詳細なものではないということでございます。 ○田中座長  では、南先生、どうぞ。 ○南委員  先ほど申し上げたことと重なりますが、やはり消費者、一般国民としては手にする食 品が「栄養を志向している食品」ということであれば、最低限その有効性と安全性は確 かなものにしてほしいということだと思います。  食し方、摂取の仕方にも問題があるのではないかということで、是非、提供する側か らも示して欲しいというお話がありましたが、消費者と事業者側と両面だと思うんで す。つまり、食し方にも問題がありますけれども、表示の仕方にも勿論問題があるわけ で、先ほど松本先生がおっしゃいましたように、表示の仕方で特定の部分ばかりを強く うたったりするような表示の仕方は不適切であると思います。アメリカの食品など見て いますと、ニュートリショナルファクトとして栄養成分が詳しく書かれていますが、あ れを一般の消費者が読んで、どういうふうに健康の参考にしているのかというところ、 私なんかはとても興味があるんです。  日本でそれと同じことをやっても、それだけの消費者側にバランスよくそれを理解す るだけの基礎知識があるのかどうか、疑問ではないかと思います。表示に関してはなる べく正確で親切な表示をしていただきたいと思いますし、更に言えば幅広い栄養と基礎 的な教育というところも是非考えていきたいと思います。 ○田中座長  ありがとうございました。日本人も教育レベルは非常に高いですから、情報共有とい うことになれば、接近はできるかとは思いますけれども。  それでは、今日は健康食品を取り巻く現状ということに関して意見交換をしていただ きましたが、時間となりましたので、ここまでということにしておきたいと思います。 今後ヒアリング等始まりますので、積極的に意見を交換していただきたいと思います。  次に今後の検討会の進め方についてお諮りしたいと思いますので、事務局より今後の スケジュールの大まかな案について説明していただきます。 ○事務局  お手元の資料3、「検討会の今後のスケジュール(案)」をごらんになっていただけ るようお願いいたします。  まず、本日4月23日ですが、第1回検討会ということで、ただいま開催させていただ きましたが、まず1つのポイントといたしましては、この後お諮りいたしますので、そ の御相談にはなりますが、できれば健康食品に係る制度のあり方に関するヒアリング希 望団体の公募、それから意見の募集を開始させていただければと思っております。これ は1か月程度を予定しております。  その上で、5月、6月、来月でございますが、関係者からのヒアリング等を実施して いくという流れを考えております。  7月には、論点整理に向けた議論。  8月には、冒頭の開催要領にもございましたとおり、論点整理ということで進められ ればということで考えております。  9月以降ですが、この段階で関係者をメンバーに追加いたしまして、健康食品に係る 制度のあり方に関する検討を開始していただければと思います。  その上で、12月に健康食品に係る制度のあり方に関する検討会提言をおまとめいただ ければと思います。  以上でございます。 ○田中座長  ありがとうございました。資料3について、御質問ございませんか。大まかに言いま すと、ヒアリングをやるわけですが、具体的には実際にここへ来ていただいてお話を聞 き、意見交換をするというのと、インターネット、あるいは郵送・ファックスもやられ るんですか。そういう方法からも意見を聴取すると。これらを大きい意味でヒアリング と事務局の方は申されております。  そして、論点を整理した上で、9月以降に関係者メンバーを追加して、この検討会を もう少し大きいものにしていくというところでございますが、何か御質問・御意見ござ いませんですか。よろしゅうございますか。               (「異議なし」と声あり) ○田中座長  それでは、検討会の今後の大まかなスケジュールについては、資料3にあるとおりと させていただきたいと思いますが、何かございませんか。               (「異議なし」と声あり) ○田中座長  ありがとうございました。  次にこのスケジュールの中にあります、ヒアリング希望団体の公募及び意見の募集の 要領の案について、資料が提出されておりますので、事務局より説明していただきま す。資料4ですね。 ○事務局  お手元の資料4をごらんになっていただけるようお願いいたします。  「『健康食品』に係る制度のあり方に関するヒアリングの希望団体及び意見の公募に ついて」というものでございます。ここでありますのは、先ほど座長からも御説明が あったとおり、まずはこの場に来てヒアリングに参加していただく団体の公募、あとは インターネット等を通じての意見の公募という、この2点で、広く国民、あるいは関係 者の意見を集めようという趣旨でございます。  冒頭にありますとおり、この検討会では今後の在り方を検討するため、ヒアリングと その意見を募集をすることにいたしましたので、お知らせいたしますという下りで始ま ります。  この後、資料といたしましては、大きく2本立てに分かれまして、1ページ目の部分 がヒアリングの実施。それが2ページ目の中ごろまで続きまして、2といたしまして 「意見の募集について」ということでございます。  かいつまんで説明させていただきますが、ヒアリングの考え方としては、団体を主に 対象としています。具体的には、健康食品に係る制度の在り方に関し、検討会の場で意 見陳述を希望する団体と。  受付期間ですが、もしお許しをいただければ、本日からおおむね4週間制度を予定し ております。その上で、検討会におけるヒアリング実施団体の選定につきましては、検 討会の場で選定していただくということを想定しています。  「(4)ヒアリング方法」でございますが、本年6月に東京都内で開催する検討会の 会場、こういった会場が想定されますが、各団体1、2名出席いただきまして、各団体 10分程度意見陳述をいただいて、その上で委員からの質疑に対応していただく予定でご ざいます。  ただ、(5)のところで、1つ御了解を取っておきたいのが申請書の扱いなんです が、検討会の場で具体的にどの団体に対してヒアリングを行うかということを検討いた しますので、申請書、あるいは参考資料というのも検討会提出資料となりますので、同 時に厚生労働省のホームページにも掲載されることになります。  それから、団体の名前が資料として公表されることになることについて、ヒアリング の希望者に対しても御了解を取る形を考えております。  次に意見の募集方法につきましては、これは団体のみならず個人も含みます。その上 で、意見の募集期間としては、先ほどと同様に、できれば本日からで来月16日までと。  意見の公表につきましては、これはこちらの事務局の方で整理した上で、検討会に資 料として提出することを考えております。ただ、事前に意見を募集する際に断わってお きますことは、いただいた御意見に個別に御回答することは予定しておりませんという のは、御了解していただこうと思っております。  以下、3ページ目以降につきましては、送付先あるいは具体的な実施要領ですが、こ こでポイントとしては、4ページ目の2をごらんになっていただきたいと思いますが、 検討課題を具体的に、既に開催要領にもありますので、こちらについて御意見をお願い しますということを明示することで、意見をお願いしようと考えております。  以上でございます。 ○尾形室長  事務局の方より、一点追加で御相談がございます。今、御説明いたしましたように、 ヒアリング公募期間をおおむね1か月、5月16日まで予定させていただく案になってお ります。そういたしますと、後ほど5月の本検討会の日程については、具体的な日程を お諮りいたしますけれども、1回目、2回目の5月の日程が、この公募のまさに真っ最 中と重なる。あるいは、その直後というようなタイミングになってしまうということで ございまして、公募の手続完了を待っておりますと、5月のせっかくの御日程がせんな いことになってしまうと、そういう日程的な余裕がないことも踏まえまして、大変便宜 的ではございますけれども、公募の実施と併行して、手元に1枚お配りしております が、我々の方でも、あらかじめ、健康食品に関して極めて強い利害関心を有しておられ る諸団体、そこに記載してあります13の団体に対しましては、こちらからヒアリングの 希望の有無を積極的に打診してみたいというふうに考えております。この点をお諮りし たいと思っております。もし今この場で御了解がいただけますれば、次回、次々会、あ るいは6月の初め、都合4回ヒアリングを大体予定しているところでございますが、そ のうちの3回はこれらの団体のうち実際に希望の上がったところに対してヒアリングを 実施するというような便宜的な取り扱いをさせていただきたいと思っておりますが、い かがでございましょうか。 ○田中座長  よろしゅうございますでしょうか。ですから、主として時間的な問題のためでありま すが、今お配りしていただきました団体に対して、希望されるかどうかを聞き、希望さ れたらヒアリング対象としたいと。それから、このほかに欄外にも書いてありますよう に、ヒアリングに応募をした団体からこの検討会で幾つか選んで、その方もヒアリング をしたいと、ヒアリングの方も2つのやり方でやっていきたいということであります。 効率的な意味でありますが、そういうところでよろしゅうございますでしょうか。  あるいは、このヒアリングの対象として考える団体で、こういう団体を入れるべきで あるという御意見がありましたら頂戴したいと思います。追加するべきところがあれば おっしゃっていただいても結構です。ございませんでしょうか。  どうぞ。 ○合田委員  大衆薬協はどうですかね。1つ、ハーブはその辺が扱っている可能性があると思いま すけれども。 ○田中座長  では、一応事務局の方で、それは検討していただくことにいたします。私と事務局に 任せていただきたいと思います。  ほかにございませんか。  それでは、この方法により進めていきたいと思います。なお、これ以外にヒアリング の公募を行うのは今、説明のあったところであります。事務局におかれましては、募集 の手続なりについて、よろしくお願いしたいと思います。  それから、ここの資料には関連の法律も資料として用意していただいたわけですが、 特にいろいろ健康食品というのは範囲が広うございますので、何かこういう資料を用意 せよというような要望がありましたら、今お聞きしておきたいと思いますが、何かござ いませんか。特に、松本先生、南先生辺り、こういうことを勉強したいので、こういう 資料はないかというようなことがございましたら、また今日は膨大な資料でしたので、 見ていただいてこういう点についてほしいということがありましたら、おっしゃってい ただいてもいいかとは思いますが、ございませんでしょうか。 ○松本委員  また後ほど。 ○田中座長  私としては、やはり今日はアメリカとEUの話が出ましたので、当然コーデックス と、それからEUでも各国によっていろいろ現状の制度は異なっておるようでございま すので、主な国、いくつかを用意していただけたらと思っておりますけれども。  先生方からの要望はございませんか。よろしゅうございますか。  それでは、事務局におかれましては、よろしくお願いしたいと思います。予定の時間 がまいりましたので、本日の検討会はここで終了することとします。なお、次回以降の 日程でございますが、事前に委員の先生方の御都合をお伺いしたところで、できるだけ 多くの委員の方に御出席いただける日程としまして、第2回検討会は、5月9日、金曜 日、午後2時より厚生労働省の本省9階の省議室で行うことにいたします。  第3回検討会は、5月27日の火曜日に開催することとしたいと考えておりますが、ま だ場所は未定でございますので、決定次第お知らせしたいと思います。  次回以降の検討会の審議に当たっては、本日皆さんから伺った御意見を十分に踏まえ て進めてまいりたいと思います。本日は、これをもちまして閉会といたします。どうも ありがとうございました。  なお、委員の方は、この場にお時間が許せば残っていただきたいと思いますので、よ ろしくお願いいたします。                                   ――了―― ┌───────────────┐                       │照会先:医薬局食品保健部企画課│                       │    新開発食品保健対策室 │                       │    (内線:4270、2459) │                       └───────────────┘