03/04/02 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会表示部会           薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会表示部会 日時 平成15年4月2日(水) 14:30〜15:30 場所 厚生労働省18階 専用第22会議室 出席者 丸井部会長、五十嵐委員、井村委員、小沢委員、垣添委員、熊谷委員、     合志委員、田中委員、寺尾委員、豊田委員、長尾委員、福島委員、     村上委員、和田委員     食品保健部長、企画課長、基準課長、企画官 1.開会 2.食品保健部長あいさつ 3.議事   ・ 期限表示の用語・定義の統一について 4.閉会 ○事務局  それでは、定刻の少々前ではございますけれども、委員の皆様方がおそろいでござい ますので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会 食品衛生分科会表示部会」を開催さ せていただきます。  本日は、御多忙のところ御参集いただきまして誠にありがとうございます。  それでは、まず開会に当たりまして、食品保健部長からごあいさつを申し上げます。 ○遠藤食品保健部長  食品保健部長の遠藤でございます。  本日は、御多忙のところお集まりをいただきまして誠にありがとうございます。委員 の先生におかれましては、食品衛生行政の推進に御尽力を賜っておりますことを、この 席をお借りしまして厚く御礼を申し上げます。  食品の表示は、国民の飲食に起因する健康危害を防止する上で大変重要な役割を果た しておりますが、平成13年4月から実施をされております遺伝子組換食品とアレルギー 食品の表示が順調に進んでおりますのも先生方の御尽力の賜物と心から感謝を申し上げ る次第でございます。  さて、本日の議題は「期限表示の用語・定義の統一について」でございます。食品の 日付表示につきましては、平成7年に従来の「製造年月日表示」に代えまして「期限表 示」が導入されて以来、劣化速度が比較的緩和な食品については食品衛生法の「品質保 持期限」とJAS法の「賞味期限」の2つの用語が併存しておりましたし、また、劣化 速度が速い食品に対します「消費期限」につきましては両方で定義が違っていたという ふうなことで、消費者、食品事業者双方よりわかりにくいという指摘を受けておりまし た。  昨年の8月にまとめられました「食品の表示制度に関する懇談会」の中間取りまとめ において、「複数の法律において用語や定義などが異なっている表次項目等については 表示を見る消費者、表示を行う事業者のわかりやすさを考え、速やかに整合性の確保に 向けて検討に着手すべきである。特に消費期限や賞味期限及び品質保持期限について は、関係府省で速やかに定義や用語の統一を図る必要があるという御指摘をいただいて おりまして、併せて消費者、事業者と関係者を交えた場で、期限表示の用語の統一など 具体的検討を行っていくことが必要である」との提言がなされております。  この提言を受けまして、昨年12月から食品衛生法の方では、この部会の下の食品表示 調査会、それからJAS法の方では農林物資規格調査会表示小委員会、この2つの委員 会が共同で「食品の表示に関する共同会議」というものを設置をいたしまして、会議を 開いて検討を行っていただいてきておりまして、3月24日に期限表示に関します報告書 がとりまとめられたところでございます。  本日は、この共同会議の報告を踏まえまして、この部会として御議論を賜り、食品衛 生法における日付表示についての御審議をお願いをしたいと考えているところでござい ます。どうか先生方の御指導をよろしく御願いを申し上げまして、開会に当たりまして のごあいさつに代えさせていただきます。 ○事務局  ありがとうございました。  それでは、議事に入ります前に、本年1月に衛生審議会の委員の改選がございまし て、初めての表示部会でもございますので、企画課長から委員の皆様方の御紹介を申し 上げます。 ○吉岡企画課長  それでは、食品衛生分科会表示部会の委員の先生方を御紹介申し上げます。  私の左手から、五十嵐委員でございます。  井村委員でございます。  小沢委員でございます。  垣添委員でございます。  熊谷委員でございます。  合志委員でございます。  丸井委員、部会長を務めていただきます。  田中委員でございます。  寺尾委員でございます。  豊田委員でございます。  長尾委員でございます。  福島委員でございます。  村上委員でございます。  和田委員でございます。  以上、御紹介いたしました。 ○事務局  それでは、第1回目の表示部会でございますので、申し訳ございませんが部会長ござ います丸井先生、どうぞ一言ごあいさつちょうだい願います。 ○丸井表示部会長  座ったままで失礼させていただきます。私、このたびこの部会のまとめ役をさせてい ただくことになりました丸井でございます。どうぞよろしく御願いいたします  先ほど、部長からのお話しにもありましたけれども、平成13年からアレルギー食品あ るいは遺伝組換え食品についての表示が食品衛生法で義務化されまして、それで私、ア レルギー食品の表示について、研究班で研究をさせていただきまして、それ以来、幾つ か食品表示についてお手伝いさせていただく中で、昨年の「食品の表示制度に関する懇 談会」、また、農林水産省の方の食肉流通問題調査検討委員会ということをお手伝いさ せていただきまして、これも先ほど御紹介ありました「食品の表示に関する共同会議」 のとりまとめ役をさせていただきまして、農林水産省とこちらの厚生労働省の共同会議 という今までになかったような形の委員会、お手伝いさせていただきましたので、それ で今回またこの表示部会のとりまとめ役をさせていただくという身に余る大役を仰せつ かりまして、これから色々な議題も出てまいると思いますけれども、どうぞ先生方、御 審議をどうぞよろしくお願いいたしたいと思いますので、これからどうぞ活発な御議論 をいただきながらよい方向へ持っていきたいと思います。  どうぞよろしく御願いいたします。  それでは、まず議事に入ります前に、表示部会の部会長代理の選出を行うことにいた したいと思います。  薬事・食品衛生審議会令の第7条によりまして、部会長があらかじめ指名するという ふうに定められておりますので、私の方から委員の中から、小沢委員にお願いをいたし たいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  小沢委員、こちらの方の部会長代理席の方までどうぞお越しくださいませ。  さて、それでは早速、部会の議事を進めていきたいと思いますので、まず、お手元に ございます資料について、事務局から配付資料の確認をお願いいたしたいと思います。 ○事務局  それでは、先生方のお手元に配らせていただいております資料の確認をさせていただ きます。  資料といたしましては、資料1「期限表示の用語・定義の統一について」。これは先 ほど、ごあいさつにもございましたけれども、共同会議の報告書の形で準備をさせてい ただいてございます。  参考資料といたしまして、参考資料1が「期限表示の用語の統一について」。これは 共同会議の第2回で配付をさせていただいた資料でございまして、期限表示について全 体の資料がとりまとめてございます。  参考資料の2が「食品の表示制度に関する懇談会 中間取りまとめの概要」でござい ます。  参考資料の3が「食品の表示に関する共同会議の設置について」。  参考資料3−2が「共同会議における検討スケジュール」についてということでござ います。  資料の過不足がございましたら事務局にお申しつけください。  以上でございます。 ○丸井部会長  委員の先生方、よろしいでしょうか。ありがとうございます。  それでは、本日の審議に入りたいと思います。  本日の議題は、お手元に議事次第がございますように、議事としては1つだけです。 「期限表示の用語・定義の統一について」という議事でございます。  まず、この議事に入ります前に、ただいま参考資料がお手元にございますけれども、 「食品の表示制度に関する懇談会の中間取りまとめの概要」「食品の表示に関する共同 会議の設置等について」「共同会議における検討スケジュール」これらにつきまして、 まず、事務局の方に御説明をお願いして、一とおり御了解いただいた上で議題に入りた いと思いますので、まず、これについて御説明いただけるでしょうか。 ○事務局  それでは、私の方から御説明をさせていただきます。  まず、本日は、期限表示の用語の定義、それから用語の統一ということで御議論いた だくわけでございますが、この御議論の前提となりました、昨年12月に設置をされまし た共同会議というものがあるわけでございますが、事前に先生方に資料としては送らせ ていただいてございまして、御説明はさせていただいているところではございますけれ ども、本日、第1回目の表示部会ということで改めまして御説明をさせていただきたい と思います。  そういったことで、この共同会議が設置されました経緯と、それから、共同会議の中 で検討されます内容について簡単に御説明を申し上げます。  それでは恐縮でございますが、参考資料の2から御説明をさせていただきたいと思い ますが、よろしゅうございますでしょうか。  「食品の表示制度に関する懇談会の中間取りまとめの概要」という資料でございま す。懇談会につきましては、それまでの間、いろいろとBSEの問題ですとか偽装表示 の問題、さまざまな表示に関します問題が、昨年いろいろと起こっておったわけでござ いますが、そうした問題を解決するために農林水産省の総合食料局長、それから、私ど もの食品保健部長の私的懇談会として、14年6月に設置されたわけでございますが、そ れが2か月の間に5回御検討をいただきまして、「中間取りまとめ」をまとめさせてい ただいたところでございます。  その中のポイントだけ、この表示共同会議につながりますところだけ簡単に御説明を 申し上げますけれども、特に3番のところをごらんいただきたいと思います。  「3 現行食品の表示制度の問題点」というところで(1)でございますが、表示制度 そのものが複数の法律にまたがってございまして、一覧ができないため、消費者、ある いは事業者にとっても非常にわかりにくいという御指摘。  それから(2)で、それぞれの各制度に基づく表示項目、それから表示内容の整合性が とれていない。あるいは用語や定義の統一性に欠けているということで、解釈等におい ても、情報提供などの運用面での統一性に欠けていると、こういった御指摘、問題点を 指摘されております。  そうしたことに対して、4のところでございますが、1つ目のポツでございます。後 段でございますが、個別の表示内容等につき本懇談会とは別の消費者、それから事業者 等の関係者を交えた場で、更に具体的な検討を行うことが必要であるという御提言をい ただいてございます。  更に1つポツを飛ばしまして3つ目のポツでございますが、複数の法律において用語 や定義が異なっている表示項目等については、消費者、事業者のわかりやすさを考え、 速やかに整合性の確保に向け検討に着手すべきだという御指摘をいただいてございまし て、特に、その後でございますが、消費期限や賞味期限、それから品質保持期限につい ては関係府省で速やかに定義や用語の統一を図ることが必要であるという御指摘をいた だいたわけでございます。  この概要を受けまして、今度は参考資料3の方をごらんいただきたいんですけれど も、具体的な検討をする場として農林水産省の調査会、それから厚生労働省の審議会が あるわけでございますが、この参考資料3の一番裏の4ページ目をごらんいただきたい と思います。  「共同会議のイメージ」ということで絵を示してございますが、下の部分でございま すが、従来はそれぞれ別々な、もちろん法律が別々でございますので、それぞれの基準 等を作成する場合、それぞれの審議会や調査会で審議をいただいたものが、それぞれの 省令、告示になっていくわけでございますが、それを1つのところで共同で審議をいた だくということで、この共同会議が設置されたわけでございます。  したがいまして、この共同会議で議論いただきました結果につきましては、左側でご ざいますが、厚生労働省の食品衛生法に基づきます表示の基準につきましては、今日御 審議いただいております表示部会に上がりまして、更にその後に分科会、それから食品 衛生審議会という形で構成をされております。  JAS法におきましては、この小委員会の上に農林物資規格調査会というものがござ いまして、その中で最終的な御審議をいただくという形になってございます。  それから、その審議の内容についてでございますけれども、2ページに戻っていただ きますでしょうか。  検討事項を3としてぺージを挙げさせていただいてございますが、食品衛生法及びJ AS法に基づく表示項目や表示内容等の整合性の確保を図る観点から、これら2つの法 律に共通した事項、これは表示項目でありますとか、あるいは表示の方法でありますと か、そういったことに関しまして全般的に御議論いただくことを考えてございます。  したがいまして、この共同会議におきましてはJAS法、それから食衛法の表示に関 することは網羅的に御議論いただくことを考えてございます。  例といたしまして(1)〜(4)まで表示全般、あるいは生鮮食品、加工食品、その 他という記載してございますが、いずれにいたしましても両法に関わる部分については 全般的な御議論いただくことを考えてございます。  それからスケジュールでございますけれども、参考資料の3−2として御用意させて いただいてございます。1枚おめくりいただきして2ページでございます。  大きく5つに分類してございますが、「1.早急に検討し、結論を得る項目」の要件 といたしましては、まず義務表示項目であるとか、あるいはJAS法、食衛法の両法に 共通する事項、あるいはそれぞれの法律の中で整合性がないもの、あるいは早急な改善 が必要なものと指摘を受けているものと、こういった要件で、まず一番最初に議論させ ていただくのが、今日御議論いただきます品質保持期限、あるいは賞味期限等の期限表 示についてということでございます。  それから、その後の2.のところで「2.早急に検討に着手する項目」として両法に 共通する事項、あるいはそれぞれの固有事項であっても、やはりその優先順位の高いも のということで整理をさせていただいてございます。  以下、3.4.ということで「3.1、2に引き続いて検討する事項」ということで 整理をしたもの、あるいは随時検討が必要になるものについて、例えば遺伝子組換え食 品等については安全性の確認された食品については、随時、表示項目として追加すべき という御判断があれば、この中で御審議いただく。あるいは中長期的な課題として整備 を進めていくものとして検討すべきもの、そういうカテゴリーを設けまして検討を進め てまいりたいと思ってございます。おおむね2年程度で全体の議論の整理をさせていた だきたいと考えてございます。  共同会議につきましては以上でございます。  一括して御説明をしてもよろしゅうございますか。 ○丸井部会長  ただいまのところまでで、特に委員の先生方から御質問がございますでしょうか。  そうしましたら、続けてその先の資料1の説明を御願いします。 ○事務局  それでは、引き続きまして本日の議題でございます「期限表示の用語・定義の統一」 ということで御説明を申し上げます。資料1に基づきまして、御説明させていただきま す。  資料1の表紙でございますけれども、先ほどご説明を申し上げました共同会議におき まして、平成15年3月24日の報告ということで共同会議の座長でございます丸井先生か ら、私どもの部会長も丸井先生でございますが、表示部会に御報告をいただいたという 形になってございます。  それでは2枚おめくりをいただきまして、当報告書の内容について御説明をさせてい ただきます。  2ページ目でございますけれども「1.問題の背景」でございます。1つ目が「1. 期限表示導入の経緯について」と書かせていただいてございます。  食品の期限表示につきましては、食品衛生法では平成6年9月の調査会の答申、それ から、JAS法におきましては同年の8月の調査会の答申を受けまして、平成7年か ら、従来は御案内のとおり「製造年月日」を書いていただいておったわけでございます が、従来の「製造年月日」から「期限表示」に切り換えをさせていただいて、「期限表 示」の導入をさせていただいたところでございます。  その結果として「別添のとおりの現状」と書いてございますが、7ページ、8ページ をごらんいただけますでしょうか。  7ページ目は「1.劣化速度が比較的緩慢な食品」ということで具体的には5日以上 の期限がある、いわゆる足の若干緩やかなものについての食品の期限表示でございます が、食品衛生法上では「品質保持期限」という言葉を使ってございまして、JAS法で は「賞味期限」という用語を使わせていただいておるわけでございます。  定義につきましても、ここにお示しをしておりますように、品質表示期限については 「品質の保持が十分に可能であると認める期限を示す年月日」、あるいはJAS法にお きます「賞味期限」につきましては、「製品として期待されるすべての品質特性を十分 に保持し得ると認められる期限」ということで、言葉上の相違はございますが、基本的 に同じ定義というふうに私どもでは整理をさせていただいてございまして、同じ定義の 上に2つの用語が成り立っている、違う法律の下で違う用語が設定されているというふ うに整理をさせていただいております。  一方、次の8ページでございますが「2.劣化速度が速い食品」。いわゆるお弁当で すとか1日、2日で消費されるべきものということで、使われてございます「消費期限 」という言葉、この用語自体は食品衛生法、JAS法ともに同じ用語を使わせていただ いてございますが、それぞれの定義は若干の違いがございます、それぞれの法律の目的 もそれぞれ違いますので、食衛法の方は「衛生上の危害が発生する恐れがないと認める 期限を示す年月日」、JAS法の方では「摂取可能であると期待される品質を有すると 認められる期限」、こういった若干の違いはございます。用語としては同じでございま すが定義は若干違いがある、こうした違いが生じておりました。  こうしたことから、また、2ページにお戻りいただきますが、1.の2段目のところ でございますが、劣化速度が比較的緩慢な食品については「品質保持期限」と「賞味期 限」の2つの用語が存在し、劣化速度が速い食品に対する「消費期限」については2つ の定義が存在するということで消費者、それから事業者双方から非常にわかりにくいと いう御指摘をいただいておったわけでございます。  それから、2つめのポツのところでございますが、参考資料のところで御説明を申し 上げましたので省略をさせていただきます。  続きまして3ページでございますが、「2.用語・定義の統一の考え方」でございま す。  まず、(1)といたしまして、わかりにくいという御指摘をいただいておったわけで ございます。そうした中で、この用語の統一の検討過程におきましては、「品質保持期 限」あるいは「賞味期限」に統一するという意見のほかに「第3の用語に統一すべき」 という御意見もいただいたわけでございますけれども、以下の観点から「賞味期限」に 統一することは適当であるという意見が多数を占めました。  その意見を申し上げますと、(1)〜(4)でございますけれども、(1)が用語の各種調査 (参考1)とございますが、次のぺージに書いてございますが、これによれば「賞味期 限」が多くの種類の商品に使用されていること。  それから(2)に平成14年10月に、厚生労働省と農林水産省がとりまとめました「品質 保持期限及び賞味期限の用語の統一について」の意見募集の結果では、賞味期限に統一 すべきとする意見が全体の意見の過半数を占めたこと。  それから(3)として、食品の劣化速度が比較的緩慢な食品の期限表示には可食限界に 安全係数をかけて短く設定しているものでありまして、可食限界そのものを示すもので はないことから、可食限界のニュアンスがある品質期限表示よりも、賞味期限という用 語が適切であると考えられること。  それから(4)として、限られた表示スペースの有効利用の観点から賞味期限の方が、 より文字数が少ないこと。以上の3点から賞味期限に統一をした方がよろしいのではな いか、適当であるという御意見が多数を占めました。  次のぺージに参ります。  参考としてお付けしておりますのは、それぞれ各種調査を農林水産省、それから私ど も、それから合同でやりました調査、それぞれの結果を載せさせていただいてございま す。それぞれの結果につきましては、ごらんいただいておりますとおりでございます。  それから「(2)定義の統一について」。「品質保持期限」、それから「賞味期限」 の定義はそれぞれ共にコーデックスの一般規格に規定されてございます、date of minimum durability(best before)の定義を引用させていただいてございます。それ ぞれ省令・告示上の文字は文言は違いますけれども、同じ意味を表わしておりまして、 統一を図ることが適当であるということで御意見をいただいてございます。  その後でございますが、また「品質表示期限」、それから「賞味期限」として表示さ れた期限を超過した食品を摂取した場合においても、必ずしも衛生上の危害が生じるわ けではない。このため、食品資源の有効活用の観点から、それらの期限を過ぎた食品 を、期限を超過したことのみを理由に、すぐに廃棄することがないように、消費者に対 する啓発の意味も含めまして、コーデックスの定義の中で、一番最後の部分になるわけ ですが、However以下の部分の意味を定義に追加することが必要ではないかという御意 見をちょうだいいたしました。  それから、「2.消費期限の定義の統一について」ですが、これは先ほどもごらんい ただきましたけれども、同じ用語に対して、定義が2つにわかれておるわけでございま して、これも定義の統一を図ることが適当であるという御意見をちょうだいいたしまし た。  3でございますが、こうした御意見をふまえまして、それぞれの用語定義について案 を出させていただきまして、共同会議としておまとめをいただいたところでございま す。  劣化速度の比較的緩慢なものにつきましては「賞味期限」という用語で統一をという ことで、定義につきましては、ここにご覧いただきますとおりでございますが「定めら れた方法により保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能で あると認められる期限を示す年月日をいう。ただし、当該期限を超えた場合であって も、これらの品質が保持されていることがあるものとする」。  この最後の「ただし」以下でこざいますけれども、先ほども御説明をしましたが、期 限を過ぎたと思ってすべて廃棄すると、こうした問題に対して、共同会議としては消費 者への啓発として、この文を加えるべきという強い御意見がございました。  また、期限表示の設定方法そのものを変えるわけではないと考えておりまして、衛生 的な意味合いが変わるものではないというふうに考えてございます。  それから、比較的足の速いものにつきましては、「消費期限」という言葉で現在も用 語は1つでございます。この部分は変わりません。  定義につきましては、ご覧いただきますとおり「定められた方法により保存した場合 において、腐敗、変敗その他の品質の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがない と認められる期限を示す年月日をいう」という定義にさせていただきたいということに なります。  最後のぺージでございますが、「4.留意すべき事項」というところでございます が、今回、期限表示の用語・定義の統一についての検討の過程におきまして、期限表示 の用語・定義の意味について、十分な理解が得られていないことが指摘をされました。 今後、以下の点について正しい理解が得られるよう、消費者、それから事業者に対して も十分な情報提供、普及啓発に努める必要があること。その具体的な内容は  (1)食品の劣化速度により、「消費期限」「賞味期限」に区別されているということ。 それから、  (2)食品の劣化速度が比較的緩慢な食品については、表示された期限を過ぎても、必 ずしも直ちに衛生上の危害が生じるわけではないこと。  (3)表示される期限は、包装を開封する前の期限であること。 (4)賞味期限表示への円滑な移行のため、新たな表示期限に基づく表示が義務付けられ るまでの猶予期間においては、引き続き従前の表示が認められていること。  以上でございます。 ○丸井部会長  どうもありがとうございました。  引き続きまして、ただいま事務局の方から説明がございましたけれども、先ほど御紹 介しました、この共同会議の座長をさせていただきました関係上、私の方から若干御説 明を追加させていただきたいと思います。  先ほど来、お話ししましたように、このような形の2つの省の間での共同会議という のは非常に珍しい形ということでありまして、にもかかわらず、事務局、すなわち厚生 労働省と農林水産省、両省は非常によく連携して事務局機能を果たしてくださったとい うふうに思います。これについては非常に感謝しているところです。  また、1つは、まず解決すべしと懇談会の方から指示されまして、この共同会議はワ ーキンググループのような性格を持っておりまして、具体的な内容について解決をして いくという作業をすることになりまして、昨年12月から月に1回のペースでこの委員会 をやってまいりました。  そういう意味で、まず、その最初に扱うテーマが期限表示ということでして、これは ある意味では食品表示の中で、消費者に混乱をもたらしているというように言われる項 目の最たるのもでして、そういう意味では食品表示の問題の、言わば象徴的な部分とい うことになっていたと思います。  2つの省の間ですが、1つは厚生労働省の食品衛生法と、農林水産省の、いわゆるJ AS法。これはもちろん目的も異なりますし、そして、若干対象が異なっております。 御承知だと思いますけれども、JAS法の方は、いわゆる食品だけを対象にしておりま すけれども、食品衛生法は食品と添加物を扱うということで、その対象とするものが若 干ずれるところがございまして、それもこの共同会議の中での議論の一部として出でき たところでして、それをどうするかということもございます。  期限表示、劣化速度の速いもの、遅いものというふうに2つに分けていることについ て、これについて統一しようという御意見は実は共同会議の中では出てまいりませんで した。その理由は恐らく懇談会の方からの御指示で2つの用語の、2つと言いますの は、2つの法律の用語を統一、あるいは定義を統一ということで、その役目を共同会議 が担ったという意識上、そもそもの加工食品、あるいは表示のための期限表示を一本に するということまで、そこまでさかのぼっては議論しなかったということになると思い ます。  そのようなことで、4回御説明いただきながら議論をするということを繰り返しまし て、共同会議は消費者、事業者、そして、それ以外のメンバーで構成して様々な角度か ら議論をいたしまして、それで、ただいま御説明いただきましたような報告書をつくり ました。  はじめにも御紹介ありましたように農林水産省と厚生労働省で、この共同会議からの 報告書の扱い方の手順が若干違いますので、本日、是非この表示部会で共同会議でつく られました報告書について御議論をいただきたいと思います。  まず、基本的な御質問、あるいは御意見あろうかと思います。是非、忌憚のない御意 見を出していただければと思いますが、いかがでございますでしょうか。  どうぞ合志委員。 ○ 合志委員  大変な御努力で出来上がったもののように拝察いたしますので、貴重な答申だと思っ ております。審議の経過を承知していないので、一部ピントはずれになるかも知れませ んが、ここの「賞味期限」、「消費期限」というものが足の速いもの、それからそうで もないものというふうにお分けになっていろんな議論が進んだように伺いました。その 点が果たして適切かどうかという問題があります。もう一つは、いわゆる消費者の立場 に立ったときに、この表現、例えば賞味期限というものを書かれていて、果たしてどの ぐらい役に立つのかなということで、疑問を感じざるを得ないわけであります。  このように大きな問題は2つあります。簡単にするために、最初に私が感じているこ とを申し上げてしまいますと、賞味期限と消費期限というものは両方表示されてしかる べきであり、それが消費者にとって最も有効な情報になるのではないかということであ ります。ところが対象物によって決めてしまいますと、片方しか表示しない。それでは 消費者にとっては十分な情報ではない。これは非常に片手落ちになるのではないかとい う気がするわけであります。そういうことで、ちょっと経過を伺いたいと思います。 ○ 丸井部会長  御指摘ありがとうございました。これについては事務局の方から御説明いただきま す。 ○事務局  まず先生の御指摘の1点目でございますけれども、そもそもこの「品質保持期限」あ るいは「賞味期限」と「消費期限」を足の速いもの、あるいは足の遅いものということ で分けることの意味でございますけれども、申し訳ございません、先生方にお配りして ございます参考資料の1で10ページでお示しをしてございますけれども、そもそも平成 6年に、製造年月日から期限表示を導入する際に整理をさせていただいたところでござ います。  当時、導入に当たりまして、いろいろと御議論いただいた結果を表にまとめておるわ けでございますけれども、検討会レベル、あるいは審議会レベルと幾つかに分けてござ いますが、このときの御議論の中では、例えば一番左端の方でございます、検討会レベ ルで食衛法というところの欄でございますが「<食品の日付表示に関する検討会報告 (平成5年11月15日)>」のところでございますが「3.日付表示に関し留意すべき点 (1)食品の特性と日付表示の考え方について」「食品特性に応じ食品衛生の観点から 望ましい日付表示を検討すべきであり、このような考え方に立った場合の食品特性の類 型とそれに対応して表示すべき日付は、概ね以下のように考えることができる」という ことでございまして、このときの議論の中で、やはりその早期に消費が望まれるもの、 あるいは品質の劣化が比較的緩慢な食品、あるいは長期保存しても衛生上の危害を及ぼ すことが低い食品、こうしたような分類に分かれていろいろと御議論をちょうだいした ところでございまして、やはり消費者にこうした情報を伝えるべきであるということが 当時の御議論としてまとめられたのが今のこうした、足の速いものと遅いものと、ある いはそれ以上長期のものについては、実は表記を省略することができるものもございま すけれども、そうした整理の中でこの期限表示が定められたところでございます。いず れにいたしましても消費者にこういた情報を伝えるべきということで分類をされたわけ でございます。 ○合志委員  経緯はある程度わかりましたけれども、本当に消費者の行動のベースになる必要があ ると思います。しかも、それは非常に簡単に、すぐに判断できるような格好で情報が提 供されるべきだと思うわけです。その場合にあらかじめ2つに分けられていて、片方は 「賞味期限」、片方は「消費期限」だけでは非常に不安です。  具体的な話しです。ここにある瓶詰めがあったとする。それは「賞味期限」が3年だ ったとする。それで3年目が来た。そのときその消費者は捨てるか、それともあと1年 ぐらいは使おうと考えるかどうか。そのときに有効なインフォメーションが、提供され ているかどうかということなんです。そういう点が一番消費者の立場に立ったときに欲 しい情報であるわけでありまして、その辺についてどのくらい御議論があったのか、そ こをちょっと伺いたいと思うんです。 ○和田委員  すみません。関連して一緒にお答えいただいてよろしいでしょうか。 ○丸井部会長  どうぞ。 ○和田委員  先生おっしゃいますように、確かにこの消費と賞味という言葉はややこしいと私も思 います。もともと何で消費・賞味という言葉が出てきたのかということは。もう御存じ と思いますが、製造年月日の表示が、1997年に賞味期限の表示に切り替えられたわけで す。これは欧米諸国では、賞味期限の表示が普通だから日本も合わせなさいということ で、合わせたという歴史があるんですが、実際は、輸入品の輸入年月日表示が国産品の 製造年月日と比べるとやはり非常にふるいと。そういうことで、障壁になるという外圧 から生まれてきたことだと理解しています。  希望なんですが、先生がおっしゃられますように、やっぱり表示というのは適正で正 しく理解されなければいけない、勉強しなければわからないという表示では、表示とし て適正でないと思われます。  そうしますと、日付表示によってこの食べ物が一体どのぐらいの間大丈夫なのだろう か、そういうふうなきちんとした保証といいますか、そういうふうなものを本当は消費 者は望んでいると思います。  今回、賞味期限というものが、品質保持期限と同じ取り扱われるということで結論づ けられたということでございます。したがって、消費者として是非御願いしたいのは、 この食品が何時、作られたかという製造年月日の表示も重要な情報として、やはり併記 していただきたい。  そして、先生が御指摘されたように、その日付が来たから捨ててしまう。私どもがア ンケートを取りましても捨てるのは男性が多いんですが、女性はどうしても辛抱します から。ただいまの説明の中にもあるように無駄をなくすとか、消費者啓発を図って、少 し過ぎても食べなさいよということを言われましても、食への教育は今まさに下降気味 ですから、製造年月日を併記していただいてその両方で判断をする。私どもも食教育を 増やして、そして、地球環境、それから我が国の自給率も下がっておりますから、そう いうことも考えまして、品質保持を賞味期限と同一にすることであれば、製造年月日を 是非書いていただきたい。  これは、新しいことを言っているんじゃなくて、東京都の条例でも併記を定めてるも のがあります。それは豆腐と生麺と、多分一夜漬けだと思うんですが、この3品には併 記していると思いますので、是非、賞味期限表示に、製造年月日を併記していただきた いと、そういうふうにお願いします。 ○合志委員  今の意見に関連することなのですが。 ○丸井部会長  どうぞ。 ○合志委員  私、申し上げましたのはこの賞味期限と消費期限を食品の対象別に決めてしまうと、 要するにたった1つしか表示されない。そうすると、まあまあ大丈夫か、使っていいか という判断が不可能になってしまうわけですね。ですから、そういう点でこの2つを対 象別にしてしまったということについて若干疑問があるということ。  それから、和田委員のご意見のように、同じ効果は製造年月日を表記すれば、期待で きます。ですから、どういう形をとるかは、これから御議論いただきたいと思うんです けれども、2つの表示があれば、どのくらい使えるか、あるいは捨てるべきかというこ とははっきりわかるわけでありまして、そういう趣旨で申し上げておるわけでありま す。 ○和田委員  それからもう1つ、関連してなんですが、先日来、食品の表示の事件が起きておりま す。例えば、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが賞味期限切れの冷凍牛肉、それから ボイルエビですか、その食品を使っていたという事件。それから、伊藤忠が輸入ウナギ の賞味期限を書き換えたという事件。それから雪印日本フードがラベルの張り替えをし て再出荷したという事件。これは、企業のモラルが責められることであって不正という か、違反ではない、今後は問題にされないということになるのかどうか。その点をはい かがでしょうか。 ○吉岡企画課長  村上委員の方は関連の申し出ございましたら。 ○村上委員  今こういう2つの足の速い遅いの区分が問題になっているので、その区分の定義とい うか、一体どこで分けるのかっていうのをもう一度おさらいをしたいと思いまして。  というのは、数日間でということなんですけれども、では10日目、2週間目ぐらいの ものはどちらであろうかとか、どこで一体線を引き、どこでその対象をしっかり分けて しまうことが問題と、今、委員がおっしゃっていらっしゃいましたので、その区分の基 準みたいなところをちょっとお教えいただきたいんですが。 ○丸井部会長  今、調べておりますが、共同会議そのものは先ほどお話ししましたようにワーキング ループとして設置されまして、懇談会の諮問を受けて、それについて答えるという形で 運営しましたので、それについて、例えば、表示そのものをどのようにするかというこ とでなく、用語の統一、定義の統一について議論せよということで、それに限って議論 しました。  製造年月日についても懇談会の席でも意見は出されたと思いますけれども、これにつ いては現段階では触れないというようなことで、懇談会ではそれ以上の話に続かなかっ たというふうに記憶しております。  そういう前提がありましたので、共同会議では改めて製造年月日に戻って議論をす る、あるいは賞味期限、消費期限についての統一、あるいは併記というような可能性に ついての議論は共同会議ではする場ではどうもなさそうということで、共同会議ではそ れについて深く議論をしておりませんでした。というのが共同会議の方の経過でござい ますけれども、今のように2つの種類に分けているという、その辺りのところを平成 5、6年のところの食品衛生調査会で出された答申のところで根拠があるんだろうと思 いますが、よろしいでしょうか。 ○吉岡企画課長  事務局の方から若干、今、何人かの先生方の御質問等につきまして、まとめてお答え させていただいて。  1つは今回の共同会議の位置づけ、今、部会長が御話しになりましたように、いわゆ るBSE問題から始まって、いろいろ表示の問題等、2つの制度、あるいは2つの省が 同じようなものについて別々の定義あるいは用語を用いているという切り口から、昨年 の5月から8月にかけまして、まず表示懇談会、消費者の代表の方もお入りいただい て、こういう1つの縦割りの問題から入りましたが、この際、表示の問題について、い ろいろな考え方、意見を出していただきまして、5回にわたりまして御議論いただいた わけでございます。  その結果、いただきました答申は、先ほど参考資料の方で、2枚紙でおまとめいただ いたものでございまして、一番際立ちましたのは、期限表示の品質保持期限と賞味期限 に分かれていると、この用語1つをとっても統一をされていないという、非常にある意 味での象徴的な、縦割りの弊害といいますか、これが消費者に混乱をもたらしたり、あ るいは事業者にも非常にわかりずらくなっていると。  そういう辺りに焦点を当てて、しかしそれだけではなくて、この際、表示に関わるい ろんな問題についても御議論いただきました。その中で今、部会長がおっしゃいました ように、例えば「消費期限」と「賞味期限」ないし「品質保持期限」、これは統一する とかどうかという御意見は、私ども事務局として出ておりましたが、そういう意見は出 ていなかったということから、この共同会議でも、まずその期限表示として分かれてい る「賞味期限」と「品質保持期限」の問題を最優先課題として、これまで4回にわたっ て議論いただいた結果、今の部会に御報告をしているわけでございます。  それで、少し前後しますが、品質賞味期限ないし品質保持期限の違いは、実は先ほど 和田委員から御指摘ございましたけれども、平成6年に、それまで製造年月日を義務づ けている制度に対しまして、非常に食品の保存技術が日進月歩で、いろんな企業のノウ ハウ、あるいは新しい技術の取り入れによりまして、必ずしも製造年月日からある程度 日数が経っていても、十分に安全においしく召し上がれるということ。 逆に言います と、製造年月日を尊重する余りに、非常に生産現場の過程では1日を急いでつくると、 非常に夜業残業が多くなったり、あるいは逆にスーパーも当日のものでなければ廃棄を されて消費者も買わないと、非常に資源の有効利用の面からも問題が指摘されまして、 それで平成6年、この薬事・食品衛生審議会の前身でございます当時の食品衛生調査会 の中で御議論いただいて、製造年月日から切り替えて、食べ物の終期を設定すると。そ の中で「消費期限」と「賞味期限」ないし「品質保持期限」、これは2段階で、具体的 には通知で、おおむね5日以内に食すべきものについては、「消費期限」という名称で 消費者に情報を与えること。それ以上のものにつきましては「賞味期限」ないしは「品 質保持期限」という形で、御議論の結果、そういう方向性をいただいたわけでございま す。  ただ、今から振り返ってみると、当時は最終的に用語の統一ができなかった。当時も いろいろ統一に向けての議論がされたと聞いておりますが、それ以前から使われていた 名称との関係でどうしても一本化できなかった、その部分が10年近く経って、まだ課題 として残っていて、そこはいわゆる縦割りの弊害の象徴という形で、昨年大きくクロー ズアップされたわけございます。  そういう意味で私どもは製造年月日からですね、期限表示へ移行するときには、十分 この審議会の前身である調査会で十分御議論いただいた上で、消費期限とそれ以外の期 限の区分されていることについても、特段現時点において見直す考え方は私どもも持っ ておりませんし、また表示懇談会でも、そういう御意見が出なかったと。  したがいまして、まずターゲットで優先して検討すべきは、期限表示、消費期限の5 日以上長いものについての制度間の不統一、これをどうするかと、あるいはそれに伴っ て定義をどうするかということで御議論をいただいたわけでございまして、そういう意 味で課題としては、「賞味期限」と「品質保持期限」の統一ということが最大の課題で あるというふうに思っております。  勿論、いろんな制度は当然見直しということはあり得るわけですので、今後いろんな 御議論によって、また別の考え方の検討があるかもしれませんが、急ぐべきは期限表示 の統一化ということで、その件については御理解をちょうだいしたいと思っておりま す。  それから、和田委員から御指摘がありましたけれども、先ほど言いましたように、製 造年月日を義務化しないというのは、まさしく食べ物がいつまで食べられるかというこ とは、食べ物の製造と同じように、非常に各企業のいろんな努力の成果が表われるとこ ろでございまして、そういう意味でいつつくったかという期限、これは実は今の任意表 示という形で当然表示は可能でございまして、スーパーでもありますように、消費期限 が書いてあって、かつ製造年月日が書かれているということは特段の両方書いてだめだ ということにはならないわけでございます。ただ、それは義務づけはしないと、義務づ けていたことが、前回の改正の検討の前提になりまして、いろいろある意味での弊害を 生んでいたということで、そこは方向転換されたわけでございます。  ただ、少し御紹介しますと、表示懇談会でも消費者代表の方から、製造年月日をやは り書かせるべきではないかという御議論はございました。更に書かせるべきではなくて も、製造年月日が書きにくいような役所の指導があるんじゃないかということもござい ましたが、そこは農水省あるいは厚労省からも、あくまでもそれは任意表示ということ で、これは書いてはいけないということではございませんということはそれぞれの事務 局から御説明いたしました。  その結果、表示の懇談会から、その部分の指摘はないということでございますので、 私ども今日お諮りしておりますのは、共同会議の結論の中で特に期限表示の「賞味期限 」、「品質保持期限」の一本化ということでお諮りをしておりますので、その辺りを経 緯も含めて御理解をちょうだいできればというふうに考えております。 ○丸井部会長  ただいま企画課長の方から御説明がありましたけれども、共同会議あるいは本日こち らで御審議いただいております報告書、これは食品の表示に関係するさまざまな一本化 へ向けての見直しのまず第一歩として、せめて2つの省で使っている別の言葉を、せめ て言葉だけでも用語だけでもまず統一して一本でいって、そしてそれを今度は更に上流 の問題を考えていくと。同じ言葉を使わないで今までやってきたわけですので、せめて 同じ言葉を使うようにしようという、そういう本当の第一歩で実質的な、ただいま委員 の先生方からいただいたようなお話は、恐らく同じ言葉を使って、それでその内容をど うするのかということをまた見直して次のステップに入っていくものであろうと思いま して、その辺のところまでの議論、本質的な議論というのを残して、言葉だけでは困る ではないかという御指摘もあろうかと思いますが、まずは同じ言葉を使っていこうでは ないかと。  この先、例えば先ほどの2つの法律で非常に違っておりますのは、加工食品と生鮮食 品も非常にずれがありまして、この辺のところも、これから是非この表示というところ から実質的なところにむしろ議論を戻していきたいというふうに考えておりまして、製 造年月日、あるいは原産地表示等々、これからまだ共同会議がかなりたくさんの課題が ございますが、まず初めに言葉だけそろえようではないかという、本当に小さい一歩の ところの報告ということで、私が共同会議の座長をしておりまして、またこちらの方で こういう形で報告させていただいたり、あるいは議論していただいておりますが、その 辺のところで、ただいま企画課長からお話がありましたようなところで御理解いただけ ればというふうに思っております。  これから先、また共同会議の議論の経過をこちらで御議論いただくという機会がます ます増えてくると思いますので、その進展状況なども、またこれから御検討いただけれ ばと思います。  そういうわけで、今回はそういう意味では最初の一歩ということで御了解というか、 御認識いただければというふうに思っております。 ○合志委員  この委員会の本来のタスクは、言葉の統一ということであったわけでありますから、 ごちゃごちゃ申し上げるつもりは全然ありません。しかし、ここで出されたことが今後 の検討を拘束するようような格好になってしまうと、非常にまずい。言葉の統一から独 り歩きして言葉の使用法などの、特に「消費期限」というのは足の速いものに適用する というふうに決めてしまうと大変まずいので、「消費期限」というのは、まさに5ペー ジに書いてあります定義の表現に限るべきである。それ以上のこと、たとえば適用その 他について触れるべきではないんではないかという感じがするんです。 ○吉岡企画課長  ちょっと私の説明が足らなかったと思うんですが、実は先ほど言いましたが、製造年 月日と従前に書かれていたものは、終期を示すという形で消費者に情報提供しようとい うことは平成6年の段階で、この審議会の前身である調査会で御議論いただいたわけで ございます。  ただ、もう10年経っているから別の議論もあるんではいかということはあるわけです けれども、ただ私どもとしては、足の比較的速いもの、それから長いもの、それは通知 で、おおむね5日というところで線引きをしまして、普通一般の形態からいきますと、 例えば5日以内に食する、例えば豆腐とか弁当とか、そういうものは大体消費者もそれ を超えれば、召し上がらないという状況であると聞いております。  ただ一方では、何か月とか、何年とかいうものについては、必ずしもその期限を超え ても、少し味見をしてみて召し上がっている場合もありますし、むしろ消費者の代表の 方からも、期限を過ぎたからといって、すぐに廃棄をするようなことはやはりおかしい のではないかという意味で、先ほどの報告でも申し上げましたけれども、特にロングの 方の「賞味期限」なり「品質保持期限」の意味づけとして、コーデックスのただし書き の部分をあえて日本語に訳して消費者の周知を図ったらどうかと。  そういう意味では「消費期限」と「品質保持期限」と、ないしは新しくは「賞味期限 」ですけれども、同じく期限という言葉ですが、かなり終期の持つ意味合いが違ってい るべきだし、違っていることについて、この際消費者に御理解いただこうという意見が あったわけでございまして、「消費期限」と「賞味期限」とを区分してやること自身 は、特段今回はそれを見直すという御意見は消費者の方々含めてございませんでしたの で、私どもとしては平成6年の議論をそのまま今後とも制度に反映するということで、 今回の共同会議で新たに線引きをしたわけではございませので、その線引きそのもの は、既に平成6年のときの1つの御決断として我々は今も踏襲させていただいている と、こういうことでございます。 ○丸井部会長  予定の時刻は、実は3時半までということで1時間、時間をとっていただいておりま すが、そういうわけで、時間がそれほどありませんが。 ○寺尾委員  1つよろしいですか。 ○丸井部会長  どうぞ。 ○寺尾委員  先ほど、村上委員が御質問になったことと同じ疑問を持ったんですけど、そうします と、5日以内か5日後でこの賞味期限と賞味期限というのを分けるとすると、そうする とそこらで同じ商品なんだけどメーカーによってどちらの言葉を使うかというのがご ちゃごちゃになるってことはないわけなですね。 ○事務局  メーカーの判断で。 ○寺尾委員  メーカーの判断なんですか。 ○事務局  はい。 ○寺尾委員  そうですか、そうすると同じ食べ物でも。 ○吉岡企画課長  それは違うことが有り得ると。 ○寺尾委員  そういうことですか、何か消費者の方は、またそこで少し混乱を生ずる可能性がない のかなという気がしたんですけど。 ○吉岡企画課長  賞味期限をどうするかは、もう繰り返して言いませんが、非常に各メーカーのノウハ ウが活かされる部分だというふうに私ども評価しておりまして、例えば大きなメーカー であれば、特に微生物試験とか理化学的な試験とか、あるいは官能試験とか、そういう 科学的な根拠を基に、例えば、我が社のある製品は、こういう期限を定めていますと、 そういうデータをきちんと持っていただいている。  それから、中小企業でも業界ごとに一定のデータを基に、例えばこの種の食品は、お おむねこういう日数で行きましょうということで、それは全くばらばらという意味では なくて、技術の発達に応じて、例えば、ここはまさに我が社のノウハウであるという部 分は、例えば普通の商品だと5日以内であっても、7日とか8日とかいう場合には消費 期限ではなくて、賞味期限という形で掲示をする、それは私どもも認めているところで ございます。 ○小出企画官  若干補足させていただきますと、今ちょっと手元に資料を持ってきていないんですけ れども、過去に実態を見たときに、やはり5日辺りで分かれるというのは余りなくて、 5日より短い豆腐だとかお豆腐だとか、そういうグループか、ものすごく長い月単位で あるようなもの、そこに山が2つありますので、ぎりぎりの限界の部分もゼロとは言い ませんけれども、そこは非常に少なくて、実態上は消費期限と賞味期限が画然と分かれ てます。ですから、ある1つの御弁当について、ある会社は賞味期限使って、ある会社 は消費期限というのは実態としてはないというふうに承知しております。 ○和田委員  時間がないのに1つだけどうしてもお聞きしたいんですが、この賞味期限が切れても 当分の間食べられると、そういう消費者教育を啓発するようにということですが、期限 が過ぎてもどれくらいまでは食べられるかは、やっぱり食品ごとによって違ってくると 思うんですが、そういう判断はどういうふうにしろということで、こういった記述にな ったのかわかっていればお教えください。 ○吉岡企画課長  期限は、やはりこの制度として、そういう期限を付することをお願いし、また、メー カーから期限を付けられていて、消費者に対してはまさしくこれ以内に食べていただく のがベストですと、そういう情報なんです。ただ、短いものについては、勿論余り日数 が経ますと腐敗ということもありますけれども、比較的長いものについては、必ずしも 期限を過ぎたからと言って食べられなくなるとか、急に危険なものになるとか、そうい うものではないということは、きちんとお知らせするべきではないかということで、共 同会議でも特に消費者代表の方とか生協の方からも御意見がございましたので、そうい うことでお示ししたわけでございまして、私どもは期限を過ぎて、では何日ぐらいまで いいですということを、もしお示しできるとすれば、それはその後の方がまさに期限と してあるべき話であって、期限として付していただいているものは、それはメーカーの 判断でつけていただくと、ただ、それを過ぎたからといって、あとはもう消費者の御判 断ですけれども、必ずしも食せなくなるものではないということをお話しして、では期 限が過ぎた後、いつまで何日ぐらいまで召し上がるかっていうのは、これはもう最終的 には消費者の御判断ということ。  ただ、ものによって違いますから、例えば、どんなものでも期限プラス2割ほどはO Kだということも一律には示せない。ただ、途過したからといって必ずしも安全ではな くなったり、食べられないものではないということだけはお知らせをしていただきたい という御意見が大半だったというふうに了解しております。 ○丸井部会長  というわけで、最後の6ページのところで「4.留意すべき事項」ということで、 「消費者及び事業者に対する十分な情報提供、普及啓発に」という、ここのところが大 分強調されました。それで、この(1)〜(4)までは是非これから運用していくときに注意 してほしいという強い御要望がありました。  時間が過ぎておりますけれども、もしよろしいようでしたら、この部会として、この 報告書、先ほど私の方から共同会議の方の座長の立場として、言葉の統一というところ を、まず一歩でということで提出させていただきまして、この部会としてこれで了承い たしたいというふうに思いますが、いかがでございましょうか。              (「異議なし」という声あり) ○丸井部会長  どうもありがとうございます。  では、分科会長への報告書を作成したいというふうに思います。報告書案はございま すでしょうか。 ○事務局  はい。今、先生方の方にお配りさせていただいているところでございます。 ○丸井部会長  御説明いただけますか。 ○事務局  お手元に行きましたでしょうか。  本日御議論いただきました「期限表示の用語・定義の統一」に関する当薬事・食品衛 生審議会食品衛生分科会表示部会報告についてといことで(案)でお示ししてございま すが、平成15年3月24日付厚生労働省第0324004号をもって、厚生労働大臣から諮問され た「期限表示の用語・定義の統一」について当部会において審議した結果、別添の報告 書に基づき報告をするということで御報告をさせていただきたいと思います。いかがで ございましょうか。 ○丸井部会長  この報告書案について何か御意見ございますでしょうか。  それでは、これで御了解いただいたものとしまして、この報告書案の案を取りまし て、部会報告書として分科会長あてに御報告いたしたいと思います。先ほど来、いただ きました委員からの御議論は、これは非常に本質的な大事な御議論だと思いますので、 この表示部会のみならず、より広い範囲でこれからも議論させていただくことになると 思いますので、是非よろしくお願いいたします。  それでは、これにつきまして今後の予定について、事務局の方から説明していただけ ますでしょうか。 ○事務局  それでは、今後の予定につきまして御説明を申し上げます。  本日御議論いただきました御報告案に基づきまして、今月になりますがパブリックコ メントの募集をさせていただきたいと思います。このパブリックコメントにつきまして は農林水産省と共同で約一か月の期間をもちましてパブリックコメントの募集をさせて いただきたいと思っております。  そうした手続きを踏まえまして、6月あるいは7月に入るかもしれませんが、食品衛 生分科会を開催しまして、その中で答申、それから厚生労働省の省令の改正について御 説明をさせていただきまして、お認めいただくことになります。  そうしまして、7月に、この同時期にその省令の法文施行の形をとらせていただきた いと思っております。  一応、参考まででございますが、猶予期間としまして前例を参考といたしまして、約 二年間程度の猶予期間を設定させていただきたいと考えております。  以上でございます。 ○丸井部会長  ありがとうございました。  それでは、時間も過ぎておりますので、本日の部会はこれで終了したいと思います。 その他に事務局からはよろしいですか。 ○事務局  はい。 ○丸井部会長  それでは、活発な御議論をどうもありがとうございました。  これで本日の部会を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。 照会先 医薬食品局食品安全部基準審査課 03−5253−1111(2921)