(1) |
衛生環境について
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培養環境は高温、多湿であり、培養液は栄養価が高く、細菌や真菌類が増殖しやすいため、無菌的操作が行える環境が必要であること |
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手術室並みの清浄度と無塵状態を保たなければならないこと |
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培養室内では無菌衣、帽子、マスクを用意しておき、入室時には必ず着用すること |
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培養室・培養前室ともに不使用時には、紫外線を点灯し殺菌すること |
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定期的に手術室のクリーン度検定用の寒天培地シャーレを用いて、落下細菌試験を行い、空気の清潔度を確認することが望ましいこと |
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少なくとも1週間に1回は定期的に清掃を行うべきであること
清掃の際、洗剤は用いず、水で湿らせた布で床面を含めたすべての部分のふき掃除をすること |
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(2) |
空気について
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施設を作る前に、ラボ内と外の揮発性有機化学物質の濃度を測定しておくべきであること |
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IVFラボ全体の空気を浄化するため、活性炭フィルターなどを使用することも考慮すること |
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外部からの雑菌の進入を防ぐため、除菌フィルターを設置し空気を流入させ内部を陽圧に保つこと
通常、毎時7〜15回の空気換気をしつつ陽圧(少なくとも0.10〜0.20インチ水圧)とする方法がよいこと |
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ラボ内の空気は密閉された供給源と環流管のもと、100%ラボ外の空気を化学的および物理的フィルターに通したものを用いるのが理想であること |
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(3) |
構造について
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採卵件数にもよるが、2名の配偶子・胚の取扱いに携わる技術者が平均1日1〜2症例のIVFを処理するならば、少なくとも15〜18 m2程度のスペースを確保するのが望ましいこと |
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ラボは、採卵する場所のできるだけ近くに設置する。採卵された卵は手術室と壁で隔てた位置にあるクリーンベンチ内の実体顕微鏡下で詳細かつ迅速に検鏡できるように設計することが望ましいこと |
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器具類は全て培養室の壁面に沿って配置し、中央部分はフリースペースとするのが望ましいこと |
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配管や機器の設置の際は、メインテナンスや修理作業をラボの外側で行えるような設計にして、極力業務の支障にならないように配慮すること |
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あらかじめ、避難経路が確保された設計にすること |
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(4) |
出入り口について
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ラボの出入り口を採卵室(手術室を利用する場合は手術室)と共有せず、できれば採卵室とは別にラボに出入り口をつくること |
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培養室前室にはエアカーテンを設置し二重扉とするのが望ましいこと |
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ドアは施錠できるようにすること |
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(5) |
照明について
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ラボの室内は自然光(太陽光)を避け、室内照明だけとすることが望ましいこと |
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胚への影響をコントロールするため、自然光、蛍光灯、顕微鏡からの紫外線を遮断すること |
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顕微鏡には紫外線カットフィルターを取り付けること |
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ハンドリングチェンバーや顕微授精装置のフードに紫外線カットフィルムを貼ること |
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室内光量は、顕微授精の針の取り付けや卵、胚の移動に支障がない程度に少し下げるべきであること |
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(6) |
温度・湿度について
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室内の温度、湿度は、作業員が最も能率よく仕事ができる条件に設定すること 一般に卵、胚培養温度は37℃が用いられ、培養器から出し入れするディッシュも同様の環境が望ましいとの考えから、ラボの室温を30℃あるいはそれ以上に保つべきとする考えもあるが、これは作業能率の低下をもたらす危険があり、逆効果と考えられること
ただし、必要に応じてラボ内の温度は30〜35℃に、湿度は40%以下に調節可能であることが望ましいこと |
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(7) |
振動、音響について
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顕微授精を行う際には、除振台を設置する等の配慮が必要であること
施設が交通量の多い道路に隣接しているような場合には最初から強固な架台を用意しておく必要があること |
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音響は(作業工事現場のようなものを別とすれば)なんら問題ないこと |
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(8) |
クリーンベンチについて
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配偶子や胚の操作、培養液の調整などはすべてクリーンベンチ内で行うこと |
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不使用時には70%アルコール消毒、UV照射を必ず行うこと |
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チャンバー内に設置するものは必要最少限とし、実体顕微鏡、ウォームプレート、ヒートブロック以外はなるべく恒常的におかないようにすること |
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(9) |
インキュベーターについて
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使用者はあらかじめ使用説明書をよく読み、調節や補正の方法に習熟しておく必要があること
使用前に内側の棚を全て取り外し、その内部の構造をよく確認しておくこと |
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必ず2台以上設置すること |
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インキュベーター内は雑菌が繁殖しやすい環境にあり、定期的に清掃、消毒が必要であること |
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温度、湿度、酸素濃度などを一定の時間を決めて毎日点検すること
チェックリストはインキュベーターの扉に貼っておいて記入しやすくしておくことが望ましいこと |
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年に1〜2回は業者による徹底点検を行うようにするのが望ましいこと |
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胚発育の環境の面から扉の開閉は最小限にすべきであること |
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インキュベーターの数に対する生殖補助医療の症例数は、原則として最小限に抑えられるべきであり、1台のインキュベーターに対して4症例以下になることが望ましいこと |
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(10) |
倒立位相差顕微鏡・顕微授精用装置について
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顕微授精を行うため、倒立位相差顕微鏡とマニピュレーターの設置が必要であること |
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テレビモニターシステムを付属すれば、モニターを見ながら操作することが出来るため、なお良いこと |
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(11) |
液体窒素容器について
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火事や停電の時には液体窒素の場所をすぐに移動させなければならないため、あらかじめ建物の出口の近くに液体窒素用の保存スペースを確保しておくべきこと |
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あらかじめ液体窒素の運搬が比較的簡単にできるように運搬ルートを設定して火事などに備えること |
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(12) |
その他について
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実体顕微鏡、生物顕微鏡、凍結用プログラムフリーザーを配置すること |
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壁面からの揮発性物質をなくすため、床はビニール、壁はタイル、または非揮発性塗料で塗装すること |
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壁や天井は極力配管による貫通を少なくすること |
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