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4 保健機能食品制度


医薬品と保健機能食品の効果に関する表示

 
-----------保健機能食品----------

 
医薬品
(医薬部外品を含む)
特定保健用食品
(個別許可型)
栄養機能食品
(規格基準型)
一般食品
(いわゆる健康食品を含む)
|----------------|
疾病の診断、治療又は予防(効能・効果)の表示
例: 糖尿病の食後過血糖の改善
|-------------------------------|
特定の目的で、健康の維持・増進に役立つ表示
例: 糖の吸収を穏やかにするので、血糖値の気になる方に適します。
栄養素の働きに関する表示
例: ビタミンAは、夜間の視力の維持を助ける栄養素です。ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
 


保健機能食品に関する経緯

平成3年9月 栄養改善法改正により特定保健用食品の創設
平成8年度〜 ビタミン、ミネラル、ハーブ類等について医薬品の範囲の見直し

(内容)
 通常海外で食品として流通・販売されているものが医薬品として規制されることなく、食品として取扱いできるようにするため、ビタミン、ミネラル、ハーブ類、形状(剤型)、表示の基準についてできる限り緩和する。
平成 8年度  ビタミン(13種類)
平成 9年度  ハーブ類(168種類)
平成10年度  ミネラル類(12種類)
平成11年度  形状(錠剤について見直し)
平成10年〜 健康食品の類型化について検討
平成13年2月 薬事・食品衛生審議会答申
平成13年4月 保健機能食品制度の施行


保健機能食品の法令上の位置づけ


保健機能食品の法令上の位置づけ

※健康増進法は平成15年5月1日から施行。


特定保健用食品について

個別に国の許可(承認)を受けた上で、特定の目的で健康の保持・増進に役立つ旨を表示することができる食品。

(製品例)
食品の種類 おみそ汁
効果成分 難消化性デキストリン(でんぷん由来の食物繊維)
許可表示 本製品は、食物繊維として難消化性デキストリンを含んでおり、糖の吸収を穏やかにするので、血糖値の気になる方に適しています。


<特定保健用食品の許可のポイント>
ヒトでの有益な効果が明らかにされていること
安全性に問題が認められないこと
(動物を用いた毒性試験、過剰摂取した場合の影響の確認等)
過剰な塩分等、栄養学的にも問題となるようなものでないこと
食品が消費されるまでの間、製品規格への適合性が確保されていること
製品・原料の規格、製造方法、試験検査等の品質管理の方法が定められていること。 等


特定保健用食品の審査の流れ

特定保健用食品の審査の流れ

※1: 血圧、血糖値、脂質、体脂肪関係の保健の用途を表示する品目の審査を担当。
※2: お腹の調子、歯、骨、ミネラルの吸収関係の保健の用途を表示する品目の審査の担当。
※3: 平成13年度第1四半期(平成13年4月受付分)から平成14年度第4四半期(平成15年1月受付分)に(8期分)に申請されたもの(取下げ品目の除く)のうち許可したものを対象
※4: 既許可の特定保健用食品であって、商品名(申請者を含む)のみ異なるものについては、薬事・食品衛生審議会における安全性及び効果の審査を経ているものとして取り扱うこととしたので、上記の審査は不要となる。


特定保健用食品の許可件数の推移


特定保健用食品の許可件数の推移
注: 現在114社が表示許可を得ているが、うち40社(29.8%)が東証一部上場企業

平成15年3月31日現在


既許可特定保健用食品における主な商品形態と代表的な表示

(例)
ヨーグルト おなかの調子を整える
乳酸菌飲料 腸内環境を整える
炭酸飲料 おなかの調子を整える
食用油 体に脂肪がつきにくい
納豆 カルシウムが骨になるのを助ける


特定保健用食品の認知度

(1)「特定保健用食品(トクホ)」の名称の認知度

 
  (%)
知っている 29.7
知らない 70.3

(2)「特定保健用食品」についての主要な認知内容

  ((1)で特定保健用食品(トクホ)を知っていると回答した者を対象)
  (%)
厚生労働省が許可した食品 56.4
品質の安定性、安全性が確かめられている食品 27.5
名称は知っているが、内容は知らない 25.5
スーパー等で購入できる 24.8
食生活が乱れがちな人等の継続摂取に適した食品 23.5
体調を整える働きのある成分を加えた食品 19.5

資料: 健康日本21推進フォーラム「特定保健用食品〔トクホ〕に関する認知・実態調査」(平成13年12月)
注: 調査は、首都圏に居住する既婚サラリーマン、サラリーマン世帯の主婦計501人を対象に行ったものである。


特定保健用食品の試験に要する費用(概算)

(1)有効性に関する試験 (1)基礎試験 100万円以上
(2)ヒト試験 500万円以上(1試験当たり)

(2)安全性に関する試験 (1)急性毒性試験 数十万円
(2)亜急性毒性試験 300万円以上
(3)亜慢性毒性試験 500万円以上
(4)変異原性試験 数十万円

(3)品質に関する試験 食品分析 20万円以上


注1 試験費用は、既存資料の利用が可能な程度或いは関与成分や保健の用途の開発の困難性等によりかなり異なる。また、試験方法、試験項目、期間、例数などによってもかなり異なることとなる。
注2 この他に、国立健康・栄養研究所における許可試験の手数料として17万2000円がかかる。

資料 日本健康・栄養食品協会特定保健用食品のガイド(入門編)(平成14年12月)


栄養機能食品制度について

国が定めた基準に沿っていれば、許可や届出等なくして機能表示とともに、食品に含まれている栄養成分の機能を表示することができる制度。(ただし、機能表示とともに注意喚起表示を行うことが義務付け)
栄養機能を表示するための基準が定められている栄養成分は、現在のところ14種類(ビタミン12種類、ミネラル2種類)。
ビタミン :ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、葉酸
ミネラル :カルシウム、鉄

(栄養機能表示及び注意喚起表示の例)
栄養成分 栄養機能表示 注意喚起表示
ビタミンA ビタミンAは、夜間の視力の維持を助ける栄養素です。ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。1日の摂取目安量を守ってください。妊娠3ヶ月以内又は妊娠を希望する女性は過剰摂取にならないよう注意してください。
ビタミンC ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です。 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。1日の摂取目安量を守ってください。
カルシウム カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。1日の摂取目安量を守ってください。


栄養機能食品における主な商品形態と
代表的な表示

錠剤等 チュアブル マルチビタミン(ビタミンB1は、炭水化物からのエネルギー産生と皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。)

カプセル 胚が油カプセル(抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助ける栄養素です。)

粉末など パウダーカルシウム(カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。)

果汁 鉄分入り果汁ドリンク(鉄は、赤血球を作るのに必要な 栄養素です。)

 
制度本来の趣旨に沿った利用形態とは違った以下のような例もある

ダイエット用食品 脂肪を吸着し余計な糖分カット糖分の脂肪化対応!
(主成分β−キトサン)(ビタミンB1やビタミンB6などを含有しており、栄養機能食品の基準を満たしている)


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