03/03/17 第5回看護基礎教育における技術教育のあり方に関する検討会      第5回看護基礎教育における技術教育のあり方に関する検討会      日時     平成15年3月17日(月)        16:00〜 場所     厚生労働省専用第21会議室 出席メンバー 内布敦子、大内宏子、川原礼子、神田律子、木村光江、國井治子、        竹尾恵子、西澤寛俊、濱田悦子、正木治恵、柳田喜美子、渡津千代子        (五十音順、敬称略) ○田村看護課長  ただいまから、第5回「看護基礎教育における技術教育のあり方に関する検討会」を 開催いたします。年度末、しかもお天気の悪い中、委員の皆様方におかれましてはご多 忙のところをご出席賜わりまして、誠にありがとうございます。  本日は、世古委員と辻本委員がご欠席ということで、ご連絡をいただいております。  それでは竹尾座長、議事進行をよろしくお願いいたします。 ○竹尾座長  早速、議事に入らせていただきます。まず初めに、事務局から資料の確認をお願いい たします。 ○勝又補佐  それでは、資料の確認をさせていただきます。  まず座席表、それからメンバー表、続きまして、「看護基礎教育における技術教育の あり方に関する検討会報告書(案)」、その次が資料1として「基本的な看護技術の水 準」という横表です。最後に資料2が「臨地実習説明書の例」ということで、3枚綴っ てあります。  以上が本日の資料です。過不足はありませんでしょうか。 ○竹尾座長  大丈夫のようです。 ○勝又補佐  ありがとうございます。 ○竹尾座長  これまでの検討会でいろいろご意見をいただきまして、それに基づいて事務局で報告 書の素案を作成いたしましたので、本日、ご議論いただきたいと思います。「はじめに 」から項目ごとに順番に検討していきたいと思います。まず、事務局にこれを読んでい ただいて、それについてご意見を賜りながら修正していければと思っております。それ ではお願いいたします。 ○勝又補佐  報告書(案)につきましては、作業の都合上非常に遅れまして、委員の先生方にはご 覧になっていただく時間がとても短かったのですが、それにもかかわらず多数のご意見 をいただきまして、本当にありがとうございました。いただいたご意見を基に修正を加 えさせていただいて、今回、案を提出しておりますので、よろしくご検討をお願いいた します。それでは、報告書(案)につきまして読み上げさせていただきます。    (看護基礎教育における技術教育のあり方に関する検討会報告書(案)読上げ)  資料1については既にご議論いただいた内容、資料2については臨地実習の説明書の 例、次の2頁目は臨地実習同意書の例、最後の3頁目は、西澤委員から個別技術用の臨 地実習同意書の例も付けたほうがいいだろうというご意見がありまして、それも付けて おります。以上です。 ○竹尾座長  長いものを読んでいただきましたが、1つずつご議論をいただきたいと思います。  まず、「はじめに」の所と、「1 看護基礎教育における技術教育の現状と課題」の 所に関して、いかがでしょうか。 ○正木委員  「はじめに」と1だけではなく全体にわたって、「看護師学校養成所」ということが 書かれているのですが、最初にこの検討会の検討目的に「看護師学校養成所を前提とす る」ということがありまして、例えばそれ以外の看護基礎教育機関として大学や短大や 高等学校などとあるのですが、それがどのように位置付けられるかということがちょっ と曖昧ではないかと思っております。  部分的に「大学、高等学校においては」ということが追加されたのですが、この部分 だけではなく、「養成所」と書いてある所にかなり共通的な所もあったり、そうではな い部分もあったりするので、この「はじめに」の部分に、まず、その検討はどこを前提 とするとか、その辺が入ったほうがいいのではないかと思っています。どこを前提に検 討されて、ただし臨地実習の現場などはやはり共通して学生が行ったりしますので、そ ういう意味では一緒に検討しなければいけない部分がありますので、その辺をどう整理 したらいいのかということが、「はじめに」に記載されていたほうがいいのではないか と思っています。 ○竹尾座長  いかがでしょうか。 ○田村看護課長  私どもでこの報告書(案)を整理している段階では、基本的に「看護師学校」と通常 言っておりますが、それは大学や高等学校、学校教育法の1条項を指しています。看護 師養成所は、厚生労働大臣の指定する看護専門学校とまた別な切り口で呼ばれますが、 そうした養成所を指しているものと考えております。  「大学及び高等学校についても」と一言入っているのは、実習の指導体制についての 記載がある6頁です。それは臨地実習の体制について書いたもので、「指定規則」につ いては、ご存じのように大学や養成所すべてにかかっているものですが、それに対して 「看護師等養成所の運営に関する指導要領」及び「看護師等養成所の運営に関する手引 き」という養成所の指導にかかる厚生労働省の局長通知については、大学や高等学校は 対象となりません。指導要領等において規定されている実習施設、実習指導者について も、大学等においても視野に入れてくださいという意味で、そこだけを限定的に書き込 んであるということです。  したがって、この検討会は基本的にすべて、大学も短期大学も養成所も、また高等学 校衛生看護科においてもこういう体制で整えてくださいということをお願いしている。 看護師教育に当たっていただいている所はそういう所だという整理でこれまで進めてき たつもりです。 ○竹尾座長  いかがでしょうか。ここで言う、「看護師学校養成所」には、ここのこの話はすべて 入っているということをどこかに書いてほしい、ということでしょうか。 ○正木委員  いいえ。ただ、いまのお話では、看護師学校養成所と看護師等養成所とを使い分けて いるということですね。 ○田村看護課長  基本的に、「看護師学校養成所」という言葉しか入っていません。「看護師等養成所 」というのはその6頁の指導体制の確立の2つの指導要領と手引きに関する部分だけで、 あとは全部「看護師学校養成所」で整理しているところです。  カギ括弧でも付けましょうか。そうすると、その意味がわかるかもしれません。 ○竹尾座長  そうですね。「看護師等養成所」の所ですか、「運営に関する指導要領」。 ○田村看護課長  例えば、指導体制については養成所指定規則の所でカギ括弧を1つ付けるとか、運営 に関する指導要領及び手引き、これは本当は別の文章なので繰り返しになるのかもしれ ないのですが。 ○竹尾座長  カギ括弧を付ければもっとはっきりしますか。 ○田村看護課長  6頁の。 ○竹尾座長  それ以外は「看護師学校養成所」となっており、全部統一されているということであ れば、それをわざわざ断らなくてもわかりますね。 ○正木委員  はい。 ○竹尾座長  いまご提案の6頁の上の所だけをカギ括弧にして、これは別途のものだよということ にすれば、はっきりしますでしょうか。 ○正木委員  そうかもしれません。 ○田村看護課長  ダーッと読んでいってしまうと、もう一つわかりにくくなってしまうかもしれないと。 ○竹尾座長  いかがでしょうか。6頁は、そこをカギ括弧にして、ちょっと注意を向けていただい て、それ以外は「看護師学校養成所」で統一して大学も短大も養成所も高等学校衛生看 護課も全部を含めているということでご納得いただけますか。 ○正木委員  はい。 ○竹尾座長  それでは、それ以外はいかがでしょうか。 ○濱田委員  1の ○「医療の高度化、患者の高齢化・重症化」の「重症化」というのが、何かちょっと違 和感があるのです。 ○竹尾座長  これは、入院患者の症度がかなり高い人が多くなっているという意味ですね。重症化 というのは、実習現場の患者さんの症度が高いというか重いというか、そういう意味か と思います。 ○濱田委員  高齢化によりということですか。 ○竹尾座長  高齢化だけではなくて、慢性的な方があまりいなくなっているという意味合いかなと 受け取りました。 ○田村看護課長  在院日数も低下してきていることの結果、かなり患者さんの症度と言いますか、それ こそ看護の必要度が高まっているといったようなことをこの言葉で表せるかなと考えた ところなのですが。 ○竹尾座長  実際に看護の実習に行っていると、そのことはひしひしと感じるわけです。その意味 で書かれているかと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。では、そこ はご了解いただいて、ほかはいかがですか。  次は2番目、「臨地実習において学生が行う基本的な看護技術の考え方」の所ではい かがでしょうか。水準の作成に当たっての考え方を中心にして述べております。 ○正木委員  2頁目のいちばん最後の ○なのですが、ここがおそらくこの水準をどういう考えで分類したかということが書い てある所だと思います。これは、「看護行為の実施によって予測される患者の身体侵襲 の程度を目安として水準分類した」という水準分類の考え方の基本が書いてあるのです。 前回、木村委員からの資料で、この看護技術の水準は教育的観点を考慮した上で相対的 な基準で絶対的な侵襲性の大小とは必ずしも一致しないという文言がありまして、それ がすごく教育的な表現として納得できたのですが、そこがここでは十分に表現しきれて いないのではないかと思うのです。 ○竹尾座長  前にそのような文章がありましたか。口頭だけでしたでしょうか。 ○正木委員  それは木村委員の報告。 ○竹尾座長  「教育的な配慮をした上で」とありましたか。記録を見ていただくとわかると思いま すが、前の中のどこかにありましたか。 ○田村看護課長  前回、木村委員がまとめてくださってご報告いただいた資料の2頁の所にあります。  正木委員のおっしゃったご発言があったのは、私どもとしては「その実習効果を考慮 した上で」というような言いぶりに若干変えたところだったのですが、やはり「教育的 観点」という言葉をきちっと書いたほうがいいのかもしれないです。 ○竹尾座長  「実習効果」の前に、「教育的観点」あるいは「実習効果を考慮した上で」と入れま すか。それだけでは足りないのですか。 ○正木委員  木村委員に教えていただきたいのです。相対的な侵襲性というものは絶対的な大小と 必ずしも一致しないというのは、例えば2頁の下から2番目の○に「患者の状態や学生 の学習状況によって」と書いてありますが、それが「教育的配慮をした相対的な侵襲性 」ということになりますか。その辺、「相対的な侵襲性」と「絶対的な侵襲性」をどう 使い分けるのかなというところを確認したいのです。ただ、読んだときにはとてもわか りやすかったのです。 ○木村委員  水準は、基本的には危険性の度合いによって分かれているのだと思います。ただ、危 険な場合でも、あえて、どうしてもそこまでは技術として身につけさせて出したいとい う先生方のご配慮が入ると思うのです。その意味で、かなり危険なことでもやらざるを 得ないというのが「相対的な危険性」という意味で私は使っていました。 ○竹尾座長  いまのお話ですと、下から2番目の○の「水準を変更して行う」といった所と関わっ てきますか。これは絶対的に1だとか2だとかではなくて、どうしても必要があるとか、 ほかの要素を考えて変えることができるとか、水準を動かすことができるというのはそ ういうことと繋がっていますか。いかがでしょうか。 ○国井委員  この水準を3つに分けた技術項目の議論を本会でやっていたときに、水準2の所に「 静脈注射の方法」というものがありますね。これは、侵襲性という意味で本当にこれで いいのかということが議論になったのです。しかし、いまのようなその考え方がきちっ と表現されていると、やはり侵襲性は非常に高いけれども教育として非常に重要だとい うことが伝わるので、何かその表現があったほうがいいかなと思います。 ○竹尾座長  そうするといまのご意見ですと、いちばん下の ○にも「教育的観点」というものを入れて、それを配慮してこの水準を分類したという ふうにするとよいということでしょうか。 ○国井委員  はい。 ○田村看護課長  私の提案なのですが、例えばここの「実習効果を考慮した上で」という所を削除して、 その上の所からいくと、「経験させてもよい項目を示すものであり、看護行為の実施に よって予測される患者の身体侵襲の程度を目安としつつ、教育的観点を考慮した上で水 準を分類した」というふうに書いたらいかがでしょうか。 ○竹尾座長  そうすると、いまの国井委員のご意見を含めて正木委員のご意見も反映されますか。 ○田村看護課長  身体侵襲はあるけれども教育的効果をも考慮して決めてあるというふうに聞こえます 。 ○竹尾座長  教育的効果があとのほうにきて、そちらを考えておりますよとなるのでしょうか。一 言だけだとちょっと見過ごされて、教育的観点だけでは弱いかもしれないので、いまの ご提案のようにしましょうか。いかがですか。もう一度言ってくださいますか。 ○勝又補佐  「項目を示すものであり、看護行為の実施によって予測される患者の身体侵襲の程度 を目安としつつ、教育的観点を考慮して水準分類した」。 ○田村看護課長  「目安としつつ、教育的観点を考慮した上で水準を分類した」。 ○竹尾座長  よろしいですか。何かご意見はありますか。では、いまのようなご意見で、単に侵襲 の度合いだけではないと、教育的な観点が入っていますということを強調しましょう。  次は3番になります。「学生の臨地実習に係る保健師助産師看護師法の適用の考え方 」という所をご覧いただいて、ご意見をいただきたいと思います。これは水準の説明で す。それと、非常に重要な所です。患者の同意の話など。ここに資料1も入ってきます から、資料1も含めてになります。ずっと長いので少しずつ、ゆっくりご覧いただきな がらご意見をいただきたいと思います。 ○西澤委員  4頁の下から2つ目の○の「プライバシーの保護」の所ですが、この「学習目的以外 で」というのがあえて必要なのかなと思います。と言うのは、読み方によっては学習目 的であればある程度、というふうにも読み取れかねないので、逆にここを削ったほうが すっきりすると思います。 ○竹尾座長  そうですね、いかがでしょうか。「ついては、これを他者に漏らすことがないように 」というふうにして、ご了解いただけますか。ほかにはいかがでしょうか。「目的の正 当性、手段の相当性」。 ○田村看護課長  資料2の「臨地実習説明書の例」もご参照下さい。 ○竹尾座長  資料2「臨地実習説明書の例」の5番目ですね。 ○田村看護課長  そこも、同様に削除をしておいたほうがよろしいですか。 ○竹尾座長  そうでしょうね。 ○田村看護課長  同じことですよね。 ○竹尾座長  この5番目の「学習目的以外でこれを」という、実習説明書の所も併せて削除させて いただいていいですか。ではここも、「以外で」という所を削除いたします。 ○正木委員  6頁目のいちばん上の ○です。先ほど出ましたように「看護師等養成所」にはカギ括弧が付けられると。それ とまた、「大学及び高等学校においても」というものが加わると思うのですが、この「 同様の指導体制の確立」の「同様の」というのがちょっと語弊が生じるかもしれないの で。文部科学省からの報告書では、大学等に関して指導体制をこのように確立したほう がいいというのは既に書いてあるので、それと内容がもしかして違うかもしれないので、 「同様の」というのは削除していただきたいと思うのです。 ○田村看護課長  「においても指導体制の確立」という、それだけでいいかということですね。 ○神田委員  同じ場所ですが、いまの施設規則を遵守すれば十分であるという意見はおそらく1件 もなかったように記憶しているのですが、いかがでしょうか。いまのを遵守しても、現 場では実際、指導に十分手が回らない状況である、という意見しか出ていなかったと記 憶していますが。 ○竹尾座長  いまのを遵守すればよいというようなことは、ここに書いてありませんが。 ○神田委員  はい、この文章表現ですとそのようなニュアンスで受け取られかねないと。 ○竹尾座長  「内容を遵守することにより、物的、人的な実習環境の質を一定に保つことができる 」と。 ○田村看護課長  ここは、「手段の相当性」を担保するための制度としてこのようなものがあるという ことの説明です。看護師の数が少なくて指導が難しいといったご意見は、会の最初のほ うで神田委員からも出てきたわけですが、それとは若干、ニュアンスが違う意味合いで 書いているところです。 ○竹尾座長  (3)の「手段の相当性」がこういうことで担保されていますよ、という意味合いで すね。 ○田村看護課長  はい。 ○竹尾座長  ですからこれが問題になるというのは、また別立てでしょうか。私たちは一応こうい うものを持っていますと、それが「手段の相当性」に当たるというふうに解釈していた だければと思うのですが、いかがですか。これがなかったらもっと困ってしまうと思い ますが、 ○柳田委員  5頁の2つ目の○の、「臨地実習における学生の学習のほとんどは、患者を受け持ち、 必要な看護援助の過程を通じて行われるものであり見学実習のみでは達成できない」と 限定してもいいのですか。 ○竹尾座長  ここの「教育実習のみでは達成できない」。それは達成できないと思っていますが、 いかがでしょうか。 ○柳田委員  見学実習のみの場合もあるわけですね。 ○竹尾座長  もちろんそうです。ただ、この「見学実習のみ」は、見学だけをしていればよいとい う意味ではなく、やれることは実践しなければならないということだと思います。いか がですか。 ○柳田委員  もう1つ、6頁の上から4番目の○の所です。「臨地実習が安全に実施できるよう、 看護師学校養成所においては、カリキュラムの中で安全教育を徹底させることが必要で ある」。その次に、「また、実習施設においても、例えば、医療に係る安全管理のため の指針の整備や職員研修の実施等、安全管理のための体制の確保を図ることが重要であ る」とありますが、ここの部分は、既に医療安全委員会とか制度ができていまして、こ れがなければ減点されるわけです。ですからあえてこういうことを書くのかというよう な感じで、これは必要ないのではないかと思います。既に実施されています。 ○竹尾座長  これに関しては、いかがでしょうか。 ○柳田委員  またこれからやるような感じですが、既に実施されていまして、それがない所は減点 ということになっています。 ○竹尾座長  これは、私が読むと、臨地実習が安全に行われるようにという、その目的がまずあっ て、それを目指してということで医療施設全体がやりなさいというよりは、実習をやる ためにというふうに両方にかかっているように読めるのです。ですから、学校側も教育 し、施設側も整えてくださいと。当然、施設はやっていらっしゃるでしょうが、ここで は教育的な見地から再度言っているというふうに読めると思うのです。ですからあえて 書いておいて、もう一度注意を喚起したほうがいいかなという気はしますが、いかがで しょうか。 ○柳田委員  これは既にそうなっていますから、あえて何か付け加えなくても。 ○竹尾座長  私は、「例えば」という所は例として挙げなくても、「実習施設においても、医療に 係る安全管理の」、この目的は、「臨地実習が安全に実施するため」という枕言葉にか かって、「例えば」は削除してもいいけれども、そこは置いておいたほうがいいかなと 思うのです。委員の方々、いかがでしょうか。いまのご意見がありましたが、相反する ことではありませんし、よろしいですか。 ○柳田委員  「より一層の確保を図る」とか。 ○竹尾座長  「より一層の確保を図る」と。しかしそうすると、なおさら、余計になりますけれど も。 ○西澤委員  柳田委員がおっしゃるように、すべての医療機関はこれをやっていると。しかし実習 を受ける病院はさらに、より一層すべきであるということを言うのであれば、非常に結 構だと思います。 ○竹尾座長  そうすると、「体制のより一層の確保」。 ○西澤委員  「体制の確保をより一層」。 ○竹尾座長  「より一層図ることが」。 ○西澤委員  「体制のより一層の確保を図ることが重要である」でよろしいのではないでしょうか。 ○竹尾座長  そうすると、「より一層の」を入れて、いままで当然やっておられるけれどももっと お願いしたい、という意味にしてよろしいでしょうか。 ○柳田委員  7頁の2つ目の○の所です。「『実習委託契約書』等で、予め明確にしておくことが 望ましい。患者に対する第一義的責任は病院等の施設側にあるが、事故の形態や過失の 程度によって責任の所在は変わり得ることを念頭に置いておく必要がある」。ちょっと ここは意味がわかりません。 ○竹尾座長  これは、先生が以前ご説明いただいたものからきているかなとは思うのです。木村委 員でしたか。 たしか責任の所在というようなことがあったときの。 ○木村委員  万が一患者さんに事故が生じた場合というのは、基本的には病院の施設内で行われて いることですので、病院側の指導の先生であるとか、学生本人ということもあるかもし れませんが、病院の中のことであるということで、基本的には病院側が責任を負うこと が多いであろうということです。  ただ、それこそ学生本人の非常に大きな過失があるとか、あるいは、そもそも実習に 出すべきでなかったのに出したとか、そういうような事情があれば、学校側に責任が生 ずることもあるだろうと。ですから、場合場合によるということを念頭に置いていただ きたいということを、この前は申し上げました。 ○竹尾座長  ここに書いてあるのはその意味ですね。そのような意味合いになるのですが、よろし いでしょうか。  これは私が言ってしまっても何ですが、下から2番目の所で、拒否する学生について、 教育を受ける権利を損なわれることのないように配慮するのは当然だと思うのですが、 「シミュレーターを使う」などという具体例までは要らないかなと思うのです。いかが でしょうか。嫌だという学生には、その状況状況に応じて先生方が考慮する、配慮する、 ぐらいに留めて。もちろんあっても悪くはないのですが、具体例までなくてもいいかな という気がします。いかがでしょうか。もしご同意がいただければ、そうさせていただ きます。 ○内布委員  先ほど神田委員が指摘されたことは、ちょっと気になっているのです。6頁の(2)の 1つ目の○ですが、「質を一定に保つことができると考えられる」とあります。制度的 にはそういうことを担保している、ということをここでは書きたかったということです ので、この文章自体はこれでいいと思うのですが、現実にはそれができない状況にある、 ということが確かに委員の間で議論された経緯があったと思うのです。それをどうする かということについては全く触れないまま、制度的には一応整っているのだから大丈夫 なんだと言ってのけるのはやはり厳しいかなと、それでは議論した意味がないかなと思 うのです。  制度はそれなりに考えて作られているわけなので、制度上のことだけを言っていくの であれば、担保できるように制度も作っているわけですから、担保できるのは当たり前 のことなのだと思うのです。  しかしここで議論してきたのは、そういう制度は確かにあるのだけれども現実に現場 で、例えば臨床指導者を1人余計に置くからと言って、そこに保険点数が余計に入ると いうようなことはないわけです。看護師は頭数で配置されていますから、患者何対何と いう体制の中の1人が浮いて動くわけですから、病院側がプラスアルファで自分の所の 収入にはならないけれどもそういう人を置くということをしないかぎり、浮いて使うと いうことは難しいわけです。そうすると、収入はないけれども人を置くということをや っていかなければならない現場にとってみれば、厳しい状況があると思うのです。その ことが難しいんだということが、ずっと議論になってきたと思うのです。ですから、私 はこの文章は変える必要がないと思います。文脈上、ここは制度上担保するという意味 で書かれているので、これはそのまま残していいと思うのですが、神田委員が先ほどお っしゃったことはとても気になっていて、どこかに何かを残さなくていいのかとても気 になっているのです。 ○竹尾座長  その辺はいかがでしょうか。この会の目的からすれば臨床の体制をどうすべきである というところまでのは言い過ぎかもしれませんが、一応そこへの配慮のようなことを記 すということは、いかがでしょうか。こういう問題があるんだよ、ということですか。 ここではまず、しっかり臨床指導をしなければいけないということを要求しているわけ ですね。それに対して教育側も臨床側もきちんと対処してくださいと。 ○内布委員  それは、どこでもわかっているのです。そのことは、教育側もわかっているし臨床側 もよくわかっていて、それをやろうとしているのだけれども、少なくともそういう人の 配置を保証するだけのお金が付いていないわけです。病院は、学校側から来ている契約 に基づく1人当たり時間何百円程度のお金しかもらっていないわけなので、その中で人 を雇うということは、とてもできないだろうと思うのです。こういう種類のものが診療 報酬に加算されるわけではないですよね。ですから、どこからお金が来るか。人を雇う にはお金が要るわけです。ですから、「制度上は保証していますけれども現実は行われ ていません」ということでは、担保したことにはならないと思うのです。例えば、病院 側が臨床指導に努力をすることに対して、どこかの財源からかお金が出るということが あればいいのですが、非常に難しいです。そのことは、ここで議論しないのであればど こかで議論していただくように、何か1行ぐらいは残していただくようなことがないと、 問題はずっと解決されないままいくのではないかという気がするのです。ここで議論す るのでなければ、それはそれでいいのですが。 ○神田委員  私は、「物的、人的な実習環境の質を一定に保つことができると考えられる」という 所が気になるのです。遵守することは最低条件であって、これさえ十分でないという現 状があるわけです。ですから、ここが最低条件であるというような文章であれば納得で きますが、「物的、人的な実習環境」というこの後半の一部分は、これで十分ですよと いう印象を与えかねないと思うのです。実際、私はそう読みましたし、自分の職場でこ れを直属の部下に見てもらったところ、そうとしか受け取れないという意見を私は聞い ておりますので、ちょっとここの所が引っかかるのです。 ○内布委員  規則自体が担保していない、とお考えということですね。 ○神田委員  そうです。結局、あの規則ですと、1グループが10名以下ですね。ということは、10 名まではOKですよということですね。現実問題として十分ではないけれどもこういう 規則は作っていますよ、という意味であれば前半はいいのですが、先ほど読ませていた だいた一文については、ちょっと納得はできかねます。 ○竹尾座長  「一定に保つことができる」というところが誤解を生みやすいと。そしてこういった ような規則があってある程度その指導体制の確立に関して担保されている、という意味 合いの文章であれば、何とかご納得いただける。 ○神田委員  せめてそこまでかなと。「最低限の条件」という言葉はちょっと使いづらいかもしれ ませんが。 ○竹尾座長  ここは、何かいい方法はないですか。「一定に保つことができる」ということが非常 に引っかかると。もうこれでいいのだよという意味みたいになってしまう。「指導体制 については・・・に規定されており」、この「指導体制が規定されている」というぐら いで留めてしまいますか。 ○大内委員  私も、「実習施設、実習指導者に関する内容を遵守する」というだけで終わっていた だいたほうが、そのあとの一文は、もうこれさえ守ればいいというふうにされるのはち ょっと困るなとは思っていたところです。 ○竹尾座長  いかがですか。一応こういう規定があって、これを遵守しているというだけで、指導 体制がきちんと確立しているよと読めますか。 ○田村看護課長  そうしましたらその下のほうの2行半を削除するような形で、その3行目の後半から ですが、「内容を遵守することとなっている」という所までで止めますか。 ○竹尾座長  そういう規則で縛っているよということで留める。 ○田村看護課長  それで指導体制というものは。 ○竹尾座長  それで、大学及び高等学校にも、指導体制の確立が必要であるということでしょうか。 ○内布委員  しかし現場の人は、それで担保できていないと感じているのです。 ○竹尾座長  しかし、今はそれで担保できていませんよ、だから実習はやれませんよという論理で は、ちょっとこの場合困ってしまいます。しなくていいですよというわけにはいかない ですね。 ○大内委員  いまその指導体制の中では、こうした保助看法の中ではこういう取決めがあるのだと いう、そこを示せればよいのではないでしょうか。 ○竹尾座長  いまは最低限でもその制度はありますよと、何でもいいというわけではないですよと いうことは言わざるを得ないでしょう。担保しているかしていないかという議論よりは、 何もありませんでは困りますし、事実、ないわけではないのですし。 ○内布委員  そのプラスアルファの努力をどうするかというのは、どこかに書いてありましたか。 ○田村看護課長  その部分は、「おわりに」の所に書き込んだつもりです。 ○竹尾座長  いまおっしゃっている所は、「おわりに」の3行目ぐらいと、その下の辺りですね。 「臨地実習の指導体制を更に強化する」。これは学校側に関係している。あるいは「臨 床側においては」という表現でその下に書いてある。先生が1行ぐらい何かを残すとい うのは、これでは駄目かということなのですが。 ○内布委員  たぶんこういう漠然とした書き方だと、なかなかその先には進まないかもしれません。 この報告書に入れていただくかいただかないかは別として、指導者の確保は、やはりお 金のかかる問題なので、それをどこが支払うかという問題はあるのです。病院に払って いる実習指導のためのお金というものはものすごく安いのです。人を1人、2人、浮か せるようなお金ではないのです。ですから教育側が、それだけ教育というものはお金が かかるものですから、そういう人を雇えるぐらいのお金を、教育側というかどこかが出 さなくてはいけないのではないかなと思っています。少なくとも病院の診療報酬ではこ れはカバーされていません。 ○竹尾座長  診療報酬とは関係ないですね。 ○内布委員  関係ないのでお金が全然入ってこないのです。入ってくるとしたら学校からしか入っ てこないわけなので、それで人手を1人、2人雇用するのは、非常に難しい。  私もオーストラリアに調査に行った時に、実習期間だけパートタイム業務で学校側が 雇い上げる人たちがいるのです。その人たちは病棟で事前に研修をして、そして学生を 受け入れる期間の1カ月ぐらい前から病棟に入り込んで学生を受け入れて、かなりの人 数で学生をみていくということをやっているようなのですが、そのお金は学校が払って いたのです。日本では学校側が病院に甘えているようなところもあって、お陰でこちら としてはやらせてもらっているほうなのですが、お金がない中で1人を浮かすことは、 いかに臨床側が工面しているかということはよく分かるので、そこはいつまでもそこに 頼っていくのか、どうするのだろうなとは思います。 ○田村看護課長  いまの内布委員のご意見ですが、もう既に私どもの「看護師等養成所の運営の指導要 領」により、実習施設の側に実習指導者という人が十分に確保されないというようなこ とも想定した上で、学校側が臨床指導に専念できるような教員を、その方が非常勤で実 習指導にだけ専念するような形であっても、そういう方々を配置するようにということ も書かせていただきます。それは学校が雇い上げた方ですから、当然、学校がその方に 給与を支払うという体制をつくるようにという指導をしています。  そういうことも含めて、先ほど最後のところにということで、3行目にある「臨地実 習の指導体制を更に強化するなど」という一文を入れて、学校側が実習・指導に対する 体制づくりをもっと考えてくださいというニュアンスを入れたところです。 ○内布委員  学校への指導はどういう形でなさっているのですか。 ○田村看護課長  局長通知として全国の看護師養成所には通知をし、そういう体制で実習をやっていた だきたいということを申し上げているところです。 ○竹尾座長  そうすると、6頁の「指導要領及び手引き」という所にそういうことが要望されてい れば、それを守りなさいよということで指導者を雇うことになりますが、もっと記述が 必要だということでしょうか。私の疑問は、教育病院とか実習病院というのは、教育に 配慮してスタッフの配置が違うのですか、他と同じでやっているのですか。 ○田村看護課長  私どもの指導の中では、実習を受け入れていただくための病院はさまざまな基準を持 っていまして、例えば看護部門の体制であるとか、看護基準であるとか、看護手順とい ったものを整備するとか、院内研修を計画的に行っているであるとか、あるいは看護師 の教育の場になりますから、半数以上は看護師であって、准看護師が超えていないとい うことであるとか、さまざまな細かいことまで決めて実習病院の基準をつくっておりま す。 ○竹尾座長  ある意味では、実習をできるであろう体制ということで、ここに規定されているわけ ですね。その意味ではめちゃめちゃでもない、きちんと要望はされているわけですね。 ○内布委員  私、原則に細かく書いてあることはよく知っているのです。 ○竹尾座長  それに従えばいいわけですが、なぜ従わないかということですか。 ○内布委員  そういうことではなくて、問題はその人を雇うことに関して、お金はどこからも出て いないということで、私はそのことを心配しているだけです。基準があることは私も重 々承知しています。准看護師の比率が何パーセント以下とか細かくあるというのは知っ ていますが、それは診療機能を持つ病院としての、たまたま持っている機能の中で、教 育の条件に合うというところが拾われて実習病院になるということで、実習のための新 たな人材とかになると経済的な問題が絡んでくるので、そこをどうするかまだ解決はさ れていないということを言いたかっただけです。神田委員が言われたことは、これは法 律も担保していません、制度上でも担保していることになりませんよということだった ので、私の勘違いだったので、それはそれでいいのですが、私が片方で気になったのは、 病院側が非常に工面して実習指導者を割り付けてくださっている。私の所などはかなり 協力してくださるが故に心苦しいのですが、工面してくださっている所に対しては、い まのところ学校はかなり甘えているので、どうなのだろうなと思った次第です。実習指 導者を置くようにという指導はしておられるということなのでしょうが、将来にわたっ ては、例えばこれぐらいは必要という数値的な基準も、もしかしたら必要になってくる のかなとは思います。それは今回のこの報告書の範囲ではないと思うので結構かと思い ます。 ○竹尾座長  そうですね。重要な視点だとは思いますが、差し当たってこの最後の「おわりに」は、 漠然としているといえば漠然としていますが。1人余計に増やせみたいには書いてない のですが、まあ、強化するという表現でよろしいかと思います。今回、先生のご意見は 確かに重要なご指摘と思います。 ○柳田委員  やっていますが、はっきり言えば非常に厳しいです。これで、大学が入ってくれば実 習施設はどうなるかと思うぐらいです。 ○竹尾座長  確かに大きな問題ではあります。 ○柳田委員  人数の面ではかなり厳しいです。 ○西澤委員  本当に大きな問題で、いま実習を受け入れている病院はある意味ではボランティアで やっているような感があると思います。経済的な裏付けは全くない、こういうことでは きちんとした教育は将来的にはなされない。いま診療報酬はどんどん下がっている。と すると、もしかしたら経費節減等々となってくると、もう実習を受け入れないという施 設も出てくる可能性がある。それを避けるためには、やはりきちんとした経済的基盤の 確立ということも「おわりに」の辺りに一言、「今後教育をされるためにはそういうこ とも整備することは必要であるという意見があった」ぐらいのことは、もしかしたら書 いていただいたほうがいいのかなという気はいたします。 ○神田委員  具体的な例で申し上げますと、いま実習指導者研修を修了していることが条件にあり ます。いま8週間になりました。8週間の研修に出すと夜間看護加算だとかそこに引っ かかってくるのです。すると8週間の研修すら出せないという施設が出てきていて、8 週間の研修の定員割れが起きているという状況があります。  例えば私どもの施設でも各病棟に2名ずつ実習指導者を置くということになっていま すが、これから受講させます、あるいはもう実習指導に直接かかわらない、主任、看護 師長クラスまで入れて、ようやく各施設、各部署に2名ずつ確保できるという現状なの です。本来は看護師長ではなくて、現場でケアを提供するナースが実習指導者として名 簿を挙げるべきだと思うのです。そうしないと本当の意味での技術訓練にはならない。 いまナースの配置だとかが夜間看護加算との関係で厳しくなっている状況では、それを 遵守することは最低条件であって、遵守すれば一定に保つことができるというところま で踏み込んでは表現できない、そのように考えています。これは現場ではおそらくどこ でもそうだと思いますし、私ども最初に紹介いたしました360床、303名のナースですら、 年間に3人は厳しくて研修に出せないのです。特定機能病院になれば別でしょうが、入 院基本料にかかわるような状況が起きてしまう、それぐらいぎりぎりの人数で現場を組 んでいるという状況ですと、先ほど申しましたように、ここの表現は誤解を招かないよ うにしておく必要があるかなと思いますので、意見を述べさせていただきました。 ○竹尾座長  確かに大きな問題ですから、「おわりに」の所をもう少し踏み込んだ表現にしましょ うか。 ○柳田委員  8頁の ○です。「診療行為でないことから、処方は必要ないと考えられる」と書いてあるので すが、例えば生理的食塩水を注射するとしても、処方がないと実施できないという意見 があるわけです。これはどうしたらいいか。 ○竹尾座長  処方はいかがでしょうか。採血の場合はよろしいですね。 ○西澤委員  今回の案では採血だけですから、よろしいと思います。 ○竹尾座長  採血だけですからいいと思います。 ○柳田委員  「採血等を実施する場合にあっては」ですね。 ○渡津委員  先ほどの生理的食塩水ですが、採血だとか注射ではなく、学内での演習においてはあ る程度、身体侵襲についても条件設定をし、学生たちの同意があればしてもよろしいと いうことで整理しました。では、生理的食塩水を使おうかなと思う時に、処方箋はなく てもどういうふうにしているかとなってくると、養成費等が付いているわけですから、 そこの中で会計等に申請をして目的を明白にして、生理的食塩水を受けるような方法も あるわけですから、そのことを学校の人たちは把握しているという解釈をしていたので す。ですから方法さえ工夫すればできます。ただ、そこにビタミンだとかの薬品が入っ てきたときには当然、健康管理と連絡体制をとってとありますので、ドクターを介入さ せなさいよ指導してきたので、私はすっきり入ったのです。 ○竹尾座長  その辺いかがですか。学生同士の場合というのは、処方を書いてもらってやるのです か。そういう手段もあるのですか。 ○内布委員  体内に入れるということまでしますか、これは「採血等」と書いてあるから、採血以 外のことも入っているのだとは思うのですが、現実に静脈内に生理食塩水を点滴をする とか、筋肉注射をするとかいうことは、やらないと思いますが、これを見る限りでは、 文章上は「採血等」の中に入っているかもしれないとは思いますね。 ○竹尾座長  水準の中で細かく出てくるわけですか。 ○内布委員  いや、これは学内実習ですから、体内に入れるということに関してはどうなのでしょ う。私もそこまではしてはいません。針を刺して入れる直前まではできますよね。血管 確保をして接続して滴下する直前まではできると思います。学内実習というのは中にま で入れなくてもそれで十分だと思うのです。 ○渡津委員  それは静脈注射の場合ですね。 ○内布委員  はい。 ○渡津委員  筋肉注射とかも。 ○内布委員  筋肉注射も入れる直前までやるので十分でないかと思うのです。 ○渡津委員  今まで学生にやっていなかったかときかれたら、現実的にはやっていたのです。前回 そのことについて法的な解釈もすっきりしたので、生食を使うか何を使うかはドクター と相談した上で、その学校の中できちんと経済的なものも整理した上で、実際に患者に 初めて打つ時には、初めての注射ではないようにしておきなさいという内容ならば、学 校側として工夫をしなさいよということで読み取ったのです。うちの学校は卒業までに 注射を経験させると思ったときに、学生に無理強いはしないけれども、させるときには、 学生同士お互いにいいと言うのならば、神経麻痺等をきちんと選択をできて、注入する。 針を刺す時にまさかエアーを入れるわけにもいかないから、やはり液を吸うことをして みて、それを持ち替える。この技を見ない限りは注射をしたという技術ではないと思う のです。その時に、それは水準2にあるから、うちは針を刺すまでは行うが、液までは 入れないなど、ここに学校差が出てくるかもしれないのでしょうね。そういう解釈で私 はここにずっと座っていたのです。 ○内布委員  それをするに当たっても診療行為ではないので、十分計画されて手順などもきちんと したものをお持ちになっていて、医師との調整もやられた形でプロセスがちゃんと踏ま れていることが記録に残っていて、それをやられる分には別に問題はないということで すよね。 ○渡津委員  そうです。ただ、水準2の所を本当に現場でやろうと思ったら、そのぐらいの努力を しないと水準2は達成できませんよという、今回の検討会の解釈かなと思ったのです。 ○竹尾座長  患者の所に行って初めて刺すわけにもいかないですね。 ○西澤委員  水準2は、患者に対しての実習の話で、もう一つのほうは学生同士の話ですね。これ は分けて考えないとちょっと。 ○竹尾座長  でも、これを学内でやっておかなければ、水準2ができなかろうと。 ○内布委員  でも、例えば導尿をしますかというと、しませんよね。それと同じことだと思うので す。だから、それをやっておかなければやれないといったら、お互いに導尿もしますか、 浣腸もしますかと。それはしないと思いますがどうですか。 ○竹尾座長  導尿はしませんね。 ○渡津委員  導尿の患者は別個です、針刺しのことがいちばん頭にあったものですから、そこだけ 限定して話しました。 ○内布委員  身体で体験しておかなければ何事もできない、という考え方自体は、私はあまり通用 しないと思う のです。ただ、できることというのがありますよね。そういうものの中 で自分たちの身体を使って、できるだけ迫ろうではないかという努力はしなさいという ことなのだと思うのです。その範囲での注射までだと思うのです。導尿や浣腸などはそ の範疇ではないだろうと私は思っているのです。そういうことでずっと考えていました。 ○竹尾座長  その辺は少し差が出てくるのでしょうね。そこまでしないという学校もあるし、やる ところもある。 ○内布委員  私は注射は範疇だと、お互いの体を使ってやれる範囲だと思うのです。例えば血圧測 定、脈拍測定、ネブライザー、吸引とかはやれる範囲だと思うのです。ただ、技術の中 にも、自分たちの身体を提供してでも習得する努力ができる範囲というのはあると思う のです。例えば、私たちは手術は自分たちの業務ではないからもちろんしませんが、医 学生もできませんよね。 ○竹尾座長  ここで「採血等」で処方は必要ないと考えられるところの話に戻ると、表現としてこ れはこれで良いのですね。 ○内布委員  これで良いと思います。確かに診療行為ではないので処方はいらないだろうと思いま すし、連絡体制とか書いてありますから、例えば筋注で生食を使うかどうかということ に関して、自分の学校医と連絡を取ってなさると、そのことがちゃんとプロセスに残っ ていれば特に問題は起きないと思いますから、この文章はこのままで生きると思います。 ○竹尾座長  そうしますと、最後の「おわりに」に少し表現を踏み込むかどうかの所が残りますが、 資料1、資料2とかについて、更にご意見とかがありますでしょうか。そちらを伺って おきましょう。 ○内布委員  資料2の最後の頁、個別技術用の同意書ですが、これはどこまでなのでしょうか。例 えば清拭をさせていただくとか、足を洗うとかいうことまで必要なのかどうかというこ とも。注射については必要かなとは思います。 ○西澤委員  これは前回、私が言ったので書いていただけたと思うのですが、これは1つの例であ って、どの行為を取るか取らないかは、それぞれの実習先での判断で全くかまわないと 思います。 ○竹尾座長  個別技術用とはいってもその判断で良いということですね。 ○内布委員  この水準でいくと、例えば患者に見せて、こういうふうに水準があるのですが、ここ のレベルは了解を取るようにしますとかって最初から説明するとか、そのたびにこうい うものをお持ちするので、署名をしてくださればいいというふうに言うのか。1はあま り要らないような気もします。  最初の段階で大まかに実習というものの受入れというか、受持ち患者になることとい うのは了解するにしても、その時点でどこまで説明するかなのですが、例えばこういう ことを看護学生は実習上でやっていますと、あなたの場合は該当しないものがたくさん ありますが、3は見学なので口頭でお願いをすると思います。1と2に関しては、同意 書が必要と言ってくだされば、その都度用意しますのでどうぞ言ってくださいと、最初 に受け持たせていただくときの説明の時に、この表も見せながら言うかということなの か。十分な説明といったら、きっとそこまでいくのでしょうね。 ○竹尾座長  その辺はいかがでしょうか。あまり細かいと大変なことになりますが。 ○木村委員  同意書の件は前回も話したのですが、個別技術用というものは、西澤委員の趣旨が私 よく分かっていなかったのですが、基本的には1枚目、2枚目でよくて、いわゆる受持 ちとならないような患者に個別にピンポイントでお願いする時、という趣旨と取ってよ ろしいのですか。 ○濱田委員  そういうふうに私も解釈をしました。 ○西澤委員  私が言ったのは、いちばん上の用紙も前はもう少し簡単だったと思いますが、ただ実 習に協力をするということで同意したけれども、例えばの話ですが、注射だけはしてほ しくないという患者がいた場合に、最初のものでは分からないだろうと。その時に全部 の説明をするわけにはいかなければ、個別の例で静脈注射とか特殊な例を実習先で考え ていただいて、その時だけ患者に説明をする。それももしかしたら口頭で良いかもしれ ないが、できれば文章があったほうがよりよろしいのではないかというつもりで、これ を作っていただいたと記憶しています。 ○竹尾座長  そうすると、これが付いていると全部やらなければいけない、となってしまうと大変 なことになるので、何か分かるように、必要があればこれを使ってというようなふうに しますか。 ○西澤委員  これはあくまで1つの例で、全くこのとおりにやりなさいでもないですし、このとお りにやれば問題はありませんでもないと思うのです。あくまで1つのパターンですから、 今までもおそらく実習先病院では、これより素晴らしい同意書とか説明書を作ってい る病院もあると思います。それは独自でよくて、これからはそういうことをどんどんお 互いに情報交換をしながら、より良いものを作っていただく。そして、どこまでの行為 だったらきちんと文書に取るということも、これからしていただくことでよろしいと思 います。 ○竹尾座長  先生方が同意をとる場面で参考にするようにという意味で、例としてここに付けてい るということでいかがですか。 ○濱田委員  この趣旨は分かるのですが、あくまでも臨地実習の時の説明としての資料の1枚目、 2枚目で私は十分ではないかと思うのです。 ○竹尾座長  3枚目はあえて載せなくてもいいというご意見ですね。 ○濱田委員  はい。 ○西澤委員  本当は私のイメージも1枚目、2枚目は必要で、個別技術用は、これからおそらく実 習を受ける病院では、クリニカルパスをきちんと作っておられる。クリニカルパスの中 でどういうことをするか見えているので、それぞれについて説明をすれば要らない。た だ、もしそういうものを作っていなければ、やはり必要だとは考えています。 ○竹尾座長  いかがでしょう。報告書は2枚だけにしますか。 ○内布委員  1枚目の4番に「学生が行う看護援助に対して無条件に拒否できること」というふう に書いてあるから、最後の1枚はいらないのではないか。ちょっと教条主義的になり過 ぎると思います。 ○竹尾座長  では、3枚目の個別用というのはなくてもいいでしょうか。 ○田村看護課長  西澤委員のご意見で、今日ご提案させていただいてご議論をいただければと思ってい ましたので、ここはなしということでよろしいかと思います。 ○竹尾座長  それではなしでいくということでいいですね。そうすると、最後、先ほどの所で「経 済的」という言葉は使えないかなという気はちょっとするのですが、どういたしましょ うか。 ○内布委員  これ以上、書きようがない感じもします。 ○神田委員  「努力」といいますと、各学校及び臨床側が努力をしなさいという意味ですか。 ○内布委員  そういうことだと思います。 ○竹尾座長  「より一層の充実が望まれる」とかしますか。 ○田村看護課長  ここは養成所の努力ですね。 ○内布委員  養成所と臨床側の努力の2つについて書いてある。 ○竹尾座長  それで2つに分けた。 ○田村看護課長  先ほど申し上げたようなことも含めて、臨地実習の指導体制を更に強化をするとなれ ば、当然、結果として、養成所側の学生の授業料に若干、跳ね返ることもあるかもしれ ませんが、私どもも養成所の方々、特に民間立の養成所に対しては実習謝金も含めて、 運営費の補助をさせていただいていますので、そういったことも一方でありますが、こ の書きぶりではまだ足りないでしょうか。 ○西澤委員  「おわりに」の所は、まず学校養成所に対してこうしなさい、それから実習先の病院 に対してこうしなさいとあるのですが、やはりもう一箇所欠けていると思うのは、行政 的な支援、経済的な支援です。ですから、その議論は今回の目的から外れているのは重 々承知ですが、どうしても今回の議論の根底にそれがあったと思うのです。とすれば、 意見の1として、そういうことをすることによって、これからの看護教育は良いものに なっていくということは、何かの形でさらっとでも書いていただいたほうが、おそらく 委員の皆様方は納得するのではないかなと思います。 ○竹尾座長  「行政サイドの支援が望まれる」とは書けなかろうと思います。 ○内布委員  やっぱり学校なのかなと思います。外国の例などを見ていても、学校が払っているの です。いま学校が払っているのですが料金がすごく安いのです。たぶん時間で1,000円 だと思うのです。払うとしたら私は学校ではないかなと思うのです。ただ、諸外国でや っている所は、継続教育において、もう免許を取った人が新人で入った時に、例えば1 人新人をそこの病棟が雇うと、年間300万ぐらいの予算がその病棟に下りるとか。その 継続教育のためにお金を使うことができる制度を持っている国はあります。それも公立 の病院に限ってやっていて、民間の病院には国はお金を出していないのです。そういう ことはあるかもしれないが、実習に関してのお金がどこから出るかというのは、私は知 らないです。やはり学校が出しているのです。あとは寄付という形で、クリスチャン系 の病院であれば、寄付のお金が回ってきている場合もあるようです。 ○西澤委員  国が出しているというか、外国の場合は公的保険がある場合は公的病院が受けている 例が多くて、民間病院はプライベートの患者というか、公的保険以外を診ることが多い のです。日本の場合は全てが公的保険の中で民間病院がやっているわけです。すると公 的保険を管理しているのは国なのです。そうだとすれば、学生養成とか何かにも、その 辺の財源を使うのがいいのかなという気もするのです。 ○内布委員  もしそれをするにしても、看護教育のためにある程度の予算が確保されて、それが実 習教育の充実のために使われて、それの一部がパートタイムの臨床指導者に使われると いう仕組みが必要ですね。でも、どうでしょうか。それを制度というふうに持ってくる のは難しい。個々の大学なり学校なりの努力がどこまでできるか、ということではない かと思うのです。 ○西澤委員  そこまで具体的な提案をする必要はないと思うのです。例えば学生の養成だから文部 省管轄のお金を使うのか、公的保険だから医療保険の財源で使うのか、いろいろあると 思うのですが、その辺を含めて、いまのままだと実習病院が経済的に実習を受け入れら れなくなるような危険性があるという現状です。それをなんとかしなくてはいけないと いうことは1つ問題提起で書いておいて、あとは方法論についてはお任せするという感 じではないかなと思うのです。問題提起だけでいい。 ○竹尾座長  いまの「おわりに」の3行目で提案ですが、「臨地実習の指導体制を更に強化するな ど、より一層の拡充が望まれる」としたらどうですか。「努力を期待する」では弱いか ら「拡充が望まれる」。これは大きな問題で小手先の問題ではいかないので、「拡充す ることが必要である」といってもいいですか。 ○川原委員  いまの議論に関係がないことだと思うのでお伺いしたいのですが、6頁の ○の3番で、「また、学生の実習の受け入れる実習施設においては」の所ですが、「学 生の実習施設として認可されていることを院内に掲示するなど」とありますが、これは 院外に掲示して、私どもはこれこれこういう条件をクリアしていますという形で、宣伝 していくということはできないのですか。 ○田村看護課長  現在のところ医療機関の広告規制がありまして、院外に対して看護の実習施設である ということを広告することは駄目だということになっています。そのことを決定するた めの審議会の中でも、ご提案をしていただいたところなのですが、見送られたという経 緯があります。そのために院内用のパンフレットであるとか、院内の何かの掲示である とかいった所に書かれる分には一向に差し支えないということです。 ○川原委員  医学生の場合には、実習施設であることが非常に名誉なことのような印象を受けるの ですが、看護の場合はちょっと寂しいなというように思います。 ○田村看護課長  そうですね。病院の数も2,000を超えるぐらいを看護実習の施設として認可している ものですから、大変数も多いということも1つ、その時には外された経緯としてはあっ たように思っています。 ○川原委員  看護のほうも実習を引き受けるに当たって、いろいろなメリットが施設側にあると思 うので、そこのところを出していきたいと思います。 ○内布委員  先ほどの問題ですが、1頁の「現状と課題」の所に、例えば「いま実習を受け入れて いる施設にあっては、受入れのための人材確保等が困難な状況になっている」とか、言 葉はあれにしても、何かそういう現状として示しておくことは可能かなと思います。 ○國井委員  「現状と課題」の所に載せたら、やはり「おわりに」の所で何かそれなりのものがな ければいけない。何度も議論をされたことでもあるので、最後の所に何か表現を残して もいいかと思います。 ○竹尾座長  私としては1つは「拡充が望まれる」と。あとは5行、6行目ぐらいに、「積極的な 支援・対策が望 まれる」とか何か、せめてそういう言葉ぐらいを入れて、支援・対策 とは何だというのはもう1回考えなければいけないのですが、まあ、そのぐらいかなと いま考えていたのですが、いかがでしょうか。 ○田村看護課長  「教育環境充実のための積極的な支援・対策が望まれる」。 ○竹尾座長  このままですと、臨床施設は教育のために努力しなさいという言葉ですね。そうでは なくて、臨床側にもそういう支援が、逆にいえば対策をしてあげなければ充実できない という意味で「連携を密にするとともに、教育環境充実のための積極的な支援対策が望 まれる」とする。そういう対策を考えておかなければいけない。それで了解できるかど うかです。 「養成所との連携を密にするとともに、教育環境充実のための積極的な支 援・対策が望まれる」について、これならという何か良い文章がありませんか。  1行目は「臨地実習において、看護の基礎技術が安全・確実に修得できるよう」のほ うがいいかなと思うのです。これ安全性のことを考えてきたので、そのほうがいいかと 思います。  それで、「おわりに」の所を整理をしてみてはいかがでしょうか。 ○内布委員  もうこれ以上言う方法はないのではないでしょうか。どこがとも示せず、書くわけに もいかないし、どこがを示すほどまでは議論をし尽くしていないし、というのが現実だ と思うのです。いま既に経済的な支援をしている部分もあると伺っているので、どうな のでしょう。これ以上書けないと思うのです。 ○竹尾座長  もう一回整理をして読ませていただきますので、ご意見をください。「おわりに」の 所で、「学生が臨地実習において、看護の基礎技術が安全・確実に修得できるよう、看 護師学校養成所においては、学生の教育内容・方法を充実させるとともに、臨地実習の 指導体制を更に強化するなど、より一総の拡充が望まれる。また、実習を受け入れる臨 床側においては、看護教育への理解を深め、看護師学校養成所との連携を密にするとと もに、教育環境充実のための積極的な支援・対策が望まれる」。これは今度は立場が逆 で、ほかから支援・対策がいるという言い回しになるのです。学校が努力をするだけで はないのだということです。 ○内布委員  それだったら主語をどこかに入れ込まないといけない。ここは主語は「おいては」だ から、支援・対策もなんであっても、最後の3行は臨床がやっていることになるのです。 ○竹尾座長  「対策が」だけだとまずいですか。 ○内布委員  「支援・対策」、「対策」を入れてもそれは実習を受ける側の臨床側がやるというこ とです。 ○竹尾座長  「側についても」ですか。 ○内布委員  そういうことですから、それを入れても、なんら別に変わらないと思うのです。 ○竹尾座長  「臨床側については」にすれば、その臨床側のことについて言えば、自分たちが理解 ・努力をするとともに、支援・対策がいるよということがあれば少しは、対策という言 葉は、かなり強いと思うのですがいかがですか、そこまでは入れられないと言われれば 別ですが。 ○田村看護課長  支援・対策ですか。 ○竹尾座長  支援・対策がいるということです。 ○田村看護課長  「積極的な支援・対策を行う」。 ○竹尾座長  誰がどうやるかはぼかしてあることは事実です。 ○田村看護課長  「養成所については」、バランスが悪い。 ○竹尾座長  「理解を深め」は取ってもいいです。 ○田村看護課長  バランスが若干悪い感じはしますが、いいですか。 ○竹尾座長  「対策」だけでも入れておいても。 ○田村看護課長  「ついては」でいいです。「支援・対策を行うことが望まれる」。 ○竹尾座長  そのほうが強いのです。 ○田村看護課長  養成所の所は「おいては」というふうにして、学校側はそのままで、臨床側について 言えばということですから。「看護教育への理解を深め」というのは、削除ですか。私 は残していただいたほうがよろしいのではないかと思っています。 ○竹尾座長  それは結構です。 ○田村看護課長  修正箇所の確認をさせていただきます。 ○勝又補佐  確認です。2頁の下の ○ですが、「技術項目については、学生の臨地実習において最終学年までに経験させて もよい項目を示すものであり、看護行為の実施によって予測される患者の身体侵襲の程 度を目安としつつ、教育的観点を考慮した上で、水準を分類した」。  4頁の下から2つ目の○です。「学生は、臨地実習を通して知り得た患者・家族に関 する情報については、これを他者に漏らすことがないようにプライバシーの保護に十分 留意すべきである」。  6頁のいちばん上の○です。「臨地実習における指導体制については、「保健師助産 師看護師学校養成所指定規則」、「看護師等養成所の運営に関する指導要領」及び「看 護師等養成所の運営に関する手引き」に規定されている実習施設、実習指導者に関する 内容を遵守することとなっている。大学及び高等学校においても、指導体制の確立が図 られる必要がある」。  6頁の下から2つの○の所です。「臨地実習が安全に実施できるよう、看護師学校養 成所においては、カリキュラムの中で安全教育を徹底させることが必要である。また、 実習施設においても……」の「例えば」を取り、「医療に係る安全管理のための指針の 整備や職員研修の実施等、安全管理のための体制のより一層の確保を図ることが重要で ある」。 ○柳田委員  「安全管理のための指針はあるが……」とか、「……あるものの」、若しくは「安全 管理の体制が既に行われているが……」の方がいいのではないでしょうか。 ○勝又補佐  「より一層の」という言葉を入れていますが。 ○柳田委員  「より一層」ですが、既にあるわけですよね。 ○竹尾座長  あることは分かっているので、よろしいでしょう。「より一層」の中に「現在ある」 という意味を含めていることでよろしいのではないでしょうか。 ○勝又補佐  7頁の下から2つ目の○です。「プライバシー……その際、学生が拒否することによ って教育を受ける権利を損なわれることがないように……」の「当該学生」を削り、「 損なわれることがないように配慮しなければならない」とします。  最後の「おわりに」の所ですが、「学生が臨地実習において、看護の基礎技術が安全 ・確実に修得できるよう、看護師学校養成所においては、学生の教育内容・方法を充実 させるとともに、臨地実習の指導体制を更に強化するなど、より一層の拡充が望まれる。 また、実習を受け入れる臨床側については、看護教育への理解を深め、看護師学校養成 所との連携を密にするとともに、教育環境充実のための積極的な支援・対策を行うこと が望まれる」以上です。  資料2の1頁、同様に「学習目的以外で」という所を削除します。そして、最後の同 意書の例については、今回取り除くということです。以上です。 ○竹尾座長  なんとなく主語がはっきりしないような所もありますが、いかがでしょうか。資料2 の3枚目は削除ですね。 ○勝又補佐  はい。 ○竹尾座長  全体としてこれで報告書を作成させていただいてよろしいですか。 ○田村看護課長  いま簡単に修正ができるので、お待ちいただいてよろしいですか。 ○竹尾座長  少し休憩をさせていただきます。                  (休憩) ○竹尾座長  質問ですが、この報告書は出ましたらどのようになるのですか。 ○田村看護課長  これはできるだけ早い時期に、まず看護師等養成所の皆さんに知っていただくように、 都道府県を通じて送付したいと思います。それに関連して、大学等にも同じように配布 していただくようにお願いすることになろうかと思っています。例えば省令改正である とか、そうしたところまでは必要はありませんので、その時に局長の文面を付けて送付 する形を考えています。  今回こうしていろいろご議論をいただいた中で、これまで各学校が手探りで、ここま で学生にやらせていいのか、よくないのかといったことを、非常に不安に思いながらな さっていた実習のいろいろな問題が整理できたのではないかなと考えています。各学校 の教育に当たっておられる先先方は、きっと安心されたり、もう一度見直そうと思われ たり、次の行動がまた出てくるのではないかと思うところです。 ○田村看護課長  先ほどの修正箇所の打ち直しをしたものが出来ましたので、竹尾座長から医政局長に お渡しを願いたいと思います。その前に濱田委員から、なお、やはり気にかかるという 所について1つご指摘いただきましたので、ご発言いただきます。 ○濱田委員  6頁のいちばん上の ○の「指導体制の確立」という文案ですが、1行目、2行目、そして3行目で「実習指 導者に関する内容を遵守することになっている」となっています。そして、次に「大学 及び高等学校においても、指導体制の確立が図られる必要がある」と。これは看護師養 成所ですとそのまま何の抵抗もないのですが、大学・高等学校という時には、運営の指 導要領とか手引きは関知しないのですね。これをこの通りに読まれた時、大学に関して 非常に曖昧な表現ではないかと思い疑問を出しました。 ○竹尾座長  そこを例えばもう少し詳しく、「何の」というふうに入れたいということですね。 ○濱田委員  はい。 ○竹尾座長  その具体案をいただきながら、そう大きな修正ではなくていいですね。 ○濱田委員  はい。 ○竹尾座長  一言、「何々について」とかでいいのですね。 ○濱田委員  意味内容は違っていないのですが、大学に対して誤解されないような書き方を、何か 一言入れなくてはいけないと思っているのですが、いかがですか。 ○竹尾座長  教育サイドの先生方いかがですか。 ○正木委員  それは座長に一任します。 ○竹尾座長  いまは時間もありませんので、そんなに大きくなく一言加えると、それを私預かりで させていただいてよろしいでしょうか。 ○正木委員  お願いします。 ○竹尾座長  その保留を残して、一応これで最終報告ということでよろしいでしょうか。                 (異議なし) ○竹尾座長  いろいろありがとうございました。 ○田村看護課長  座長から局長に手渡しをしていただければと思います。           (竹尾座長から局長に報告書を手渡し) ○竹尾座長  いろいろ本当にありがとうございました。今日、手渡すことができて、座長としてほ っといたしました。 ○田村看護課長  局長ご挨拶をお願いいたします。 ○篠崎医政局長  ただいま竹尾座長から検討会の報告書をいただきました。5回にわたりまして大変お 忙しい中を熱心にご議論をいただきまして、このようなまとめをしていただきましたこ とに厚く御礼を申し上げます。  坂口厚生労働大臣の下に医療制度改革のチームができまして、昨年の9月に中間まと め、叩き台をお示しをし、今年度中に報告書(案)を作るということになっていますが、 もう3月も残すことわずかでございますから、いま最終的な作業をしているわけです。 その中で特に医療人の資質の向上というのは、医療制度改革の中でもいちばん大きな目 玉の1つでございます。そのような中で、看護師の養成教育の全体の充実に繋がる今回 の検討会の報告書は、大変貴重なものだというふうに認識をいたしております。この検 討会の報告書でいただいたご意見を基にして、今後一層、医療人、特に看護師の教育、 そして資質の向上に努めたいと考えているところでございます。  最後にまた改めて、竹尾座長を初め、各委員の皆様方に大変お世話になりましたこと を厚く御礼を申し上げたいと思っております。どうもありがとうございました。 ○田村看護課長  それでは、本日おまとめいただきました報告書につきましては、先ほどの保留部分を 竹尾座長とご相談させていただいた上で、本日付で公表をさせていただきたいと思いま す。先生方のほうにも出来上がりましたらすぐにお送りさせていただきたいと思います。 本当にありがとうございました。 照会先 厚生労働省医政局看護課 勝又、平良 連絡先 03-5253-1111(内線 2599、2595)