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需給計画に定める項目及び策定のために必要な調査等(案)


1.需給計画に定める項目

血液法及び基本方針に基づき、以下の事項について需給計画に規定することとされている。
(1) 必要と見込まれる血液製剤の種類及び量
(2) 国内において製造され、又は輸入されるべき血液製剤の種類及び量の目標
(3) 確保されるべき原料血漿の量の目標
(4) 原料血漿から製造されるべき血液製剤の種類及び量の目標
(5) 採血事業者が原料血漿を血液製剤の製造業者に配分する際の標準価格
(6) 採血事業者が原料血漿を血液製剤の製造業者に配分する量
(7) その他原料血漿の有効利用に関する重要事項

なお、血液法の国会審議等において血液製剤の適正な在庫水準や原料血漿からどれだけの製剤を製造できるかという観点も加味して需給計画を作成することとされている。


2.必要な資料等
 以上の事項を定めるに当たって、以下の資料が必要となる。

需要見込み
医療機関を調査し、以下の事項を把握する。
製剤毎の使用実績
製剤毎の使用見込み量 等

供給見込み、原料血漿関係
採血事業者、製造業者、輸入販売業者から以下の資料の提出を求める。
供給見込みの原料血漿の種類、量
原料血漿の供給に関する重要事項
製剤毎の製造見込み量
製剤の製造に要すると見込まれる原料血漿の種類、量
製剤毎の輸入見込み量
その他


3.平成15年度需給計画を策定するに当たって必要なデータ
需要見込み
 平成14年9月〜10月にかけて、全国の病院(20床以上)に対し、血液製剤の使用実態(平成13年度の使用実績及び平成15年度の使用見込み量)について調査を実施。
 需給計画の対象製剤(資料Eに掲げる35製剤)中、トロンビン(人由来のものに限る。)、人フィブリノゲン加第XIII因子、フィブリノゲン配合剤、乾燥濃縮人アンチトロンビンIII、乾燥濃縮人活性化プロテインCを除く30製剤について使用量を把握済み。
 〜別添参照

供給見込み、原料血漿関係
 採血事業者、製造業者、輸入販売業者に対し、平成14年度実績及び平成15年度見込みベースで必要なデータの提出を依頼。
 なお、平成15年度の需給計画は、初年度であるため、過去5年間の実績値も併せて提出を依頼する。


平成14年度血液製剤使用状況調査集計結果概略(暫定版)

 全国の20床以上の8,152施設を対象として、血漿分画製剤であるアルブミン製剤、免疫グロブリン製剤、血液凝固因子製剤およびその他の製剤の平成13年度の使用実績および平成15年度の使用予定量の調査を行った。


1. 調査票の回収率
全国の調査対象施設数は8,152施設、回答のあった施設数は7,563施設で回収率は92.8%であった。また、全回答施設の総病床数は1,299,464床であった。

2. 回答施設の状況
開設者別の集計では医療法人が最も多く、4,303施設(56.9%)、562,445床であった。(表-1)また、病床数別集計では20〜99床の施設が最も多く、3,373施設(44.6%)、199,916床であった。(表-2)

表−1 開設者別施設数および病床数

開設者   名称 施設数 総病床数
厚生労働省 182 76,309
文部科学省 55 31,228
労働福祉事業団 38 14,968
その他の国 39 5,505
都道府県 268 74,167
市町村 729 159,539
日赤 92 38,788
済生会 73 20,445
北海道社会事業協会 6 1,660
厚生連 112 35,014
国民健康保険団体連合会 3 444
全国社会保険協会連合会 52 14,544
厚生年金事業振興団 7 2,909
船員保険会 3 861
健康保険組合及びその連合会 17 3,291
共済組合及びその連合会 46 15,168
国民健康保険組合 - -
公益法人 318 70,959
医療法人 4,303 562,445
学校法人 95 51,086
会社 58 12,356
その他の法人 261 43,756
個人 806 64,022
全体 7,563 1,299,464
 

表−2 病床数別施設数および病床数

病床数 施設数 総病床数
20〜99 3,373 199,916
100〜199 2,163 311,260
200〜299 782 188,342
300〜499 821 303,301
500以上 424 296,645
全施設 7,563 1,299,464

3. 各血漿分画製剤の平成13年度使用実績
3-1  アルブミン製剤
加熱人血漿たん白および人血清アルブミン製剤を使用した施設は、5,677施設(75.1%)で、総病床数は1,112,534床であった。
全使用量は42,645.061kgで、使用した施設における1,000床あたりの平均使用量は38.3315kgであった。

3-2  免疫グロブリン製剤
筋注グロブリン製剤を使用した施設は833施設(11.0%)、静注グロブリン製剤を使用したのは4,647施設(61.4%)、いずれかの製剤を使用したのは4,707施設(62.2%)であった。全使用量は筋注製剤5.3kg、静注製剤3,124.7kg、両製剤は3,130.0kgであった。 また、1,000床あたりの平均使用量は筋注製剤4.08g、静注製剤2,404.61g、両製剤2,408.69gであった。

3-3  血液凝固因子製剤
血液凝固因子製剤を使用した施設は、896施設(11.0%)で、総患者数は5,503名(内インヒビター保有者284名)であった。
第VIII因子製剤の総使用量は1億7,997万2,900単位、第IX因子製剤の総使用量は1,944万3,851単位、フォンヴィレブランド因子製剤は367万6,500単位、インヒビター製剤は1,032万700単位であった。

3-4  その他の薬剤の集計
アルブミン製剤、免疫グロブリン製剤、血液凝固因子製剤以外の、抗HBs人免疫グロブリン、抗破傷風人免疫グロブリン、乾燥抗D(Rho)人免疫グロブリン、乾燥濃縮人血液凝固第XIII因子、乾燥人フィブリノゲン、人ハプトグロビン、乾燥濃縮人C1-インアクチベーター製剤の平成13年度における使用量を集計した。

4. 平成15年度の使用予定量
本調査では、平成13年度の使用量実績と平成15年度における使用量の予測についても調査した。その結果、アルブミン製剤、免疫グロブリン製剤については、ほぼ13年度の実績と同じか、微増するとなった。血液凝固因子製剤については、第VIII因子製剤がほぼ平成13年度実績並み、第IX因子製剤、インヒビター製剤の順に3.0%、4.1%の増加、フォンヴィレブランド因子製剤が17.1%の減少という結果となった。
その他の製剤では、乾燥濃縮人血液凝固第XIII因子、乾燥人フィブリノゲン製剤が、それぞれ3.8%、9.6%減少し、その他の製剤については増加する結果となった。(表-3)

表−3  13-15年度 使用量比較

分類 種類 単位 13'年度使用量 15'年度見込量 増減率
血漿分画製剤 アルブミン製剤 (g) 42,645,061 42,720,620 100.2%
人免疫グロブリン 筋注のみ(g) 5,302 5,300 100.0%
静注のみ(g) 3,124,698 3,153,551 100.9%
筋+静(g) 3,130,000 3,158,851 100.9%
第VIII因子製剤 (単位) 179,972,900 179,518,000 99.7%
第IX因子製剤 (単位) 19,443,851 20,029,150 103.0%
フォンヴィレブランド
因子製剤
(単位) 3,676,500 3,049,054 82.9%
インヒビター製剤 (単位) 10,320,700 10,741,400 104.1%
抗HBs人免疫グ゙ロブリン (単位) 12,214,800 13,001,400 106.4%
抗破傷風人免疫
グロブリン
(単位) 20,351,250 21,659,250 106.4%
乾燥抗D(Rho)
人免疫グロブリン
(倍) 5,424,000 6,289,000 115.9%
乾燥濃縮人血液
凝固第XIII因子
(倍) 161,130,000 155,066,000 96.2%
乾燥人フィブリノゲン (g) 2,782 2,515 90.4%
人ハプトグロビン (単位) 8,928,600 9,121,200 102.2%
乾燥濃縮人
C1-インアクチベーター
(倍) 185,500 187,000 100.8%


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