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<発言資料>

 吸引は、何分のおきに行うというように決められた時間でするものでなく、患者の要求に応えて吸引するものである。今、吸引したばかりでも2〜3分後に再度吸引の要求があり、予測不可能で吸引されなければ死に直接かかわる。

 在宅療養の当初の吸引回数は、多い時で68回、平均30〜40回、最近は多い時で34回、平均10回である。常に患者のそばから離れられないのが実情です。

 我家のケアー体制は、医療保険による訪問看護が週1回。月曜日の9:30〜11:30の2時間。30分は持ち出し。介護保険でヘルパー身体介護1名。家事援助1名。隔週水曜日ヘルパー家事援助1名。金曜日、介護保険で入浴サービス、身体介護ヘルパー1名だけです。
 しかも、他市のステーションを利用している。週1回を条件に受け手もらった。

 医療保険による訪問看護で週3回入れない理由は、訪問看護ステーションのマンパワー不足。常勤ナースが管理職1名で他は非常勤。他市に比べると非常勤が多い。難病・末期の患者を複数抱えられない。回数が増えると赤字になる。24時間体制をしていないから等です。制度は沢山あっても、全部使える患者は数少ない。経済的に余裕がなければ、1割負担でも払えない。

 週休2日制の世の中なのに介護は1日24時間休みなしである。介護は家族がするのが当然と思われているが、1日の休みもなく夜間もぐっすり眠れず、疲労で体調を崩せば、通常気付く異常にも気付かず、事故につながる危険性がある。

 ナースコールが1日に150回〜200回近くある。コールの音は患者にとっては命の綱ではあるが、介護者にとっては、ストレスのもとになる。

 枕の位置、頭の位置、ナースコールの位置、手・足の位置、頭や喉等のかゆみ、肩の位置等ミリ単位での調整。目をふく、布団の調節、起床時から就寝時までのTV・ビデオの調整など、どれも必要なのものであり、患者にとっては要求を100%聞いてほしい。療養が長期になると介護者も年をとり、疲労で介護力はダウンする。お互い険悪になり、介護の限度を超えれば、介護放棄しかねない。娘は結婚して、石垣島から介護に来る。留守番がいなければ、一歩も外へでられない。介護所のレスパイトを確立させないと患者のQOLを高めることは無理と思う。

長岡 明美



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