03/01/23 第19回社会保障審議会介護給付費分科会議事録         社会保障審議会 第19回介護給付費分科会議事録 1 日時及び場所    平成15年1月23日(木) 10時から12時まで    霞ヶ関東京會舘 ゴールドスタールーム 2 出席委員    西尾、井形、新井、喜多、木下、木村、見坊、笹森、下村、    田中(滋)、田中(雅)、中村、堀江、村上、矢野、山口、山崎、山本の各委員    青井、三宅の各参考人    青柳、京極、澄田、橋本、樋口の各委員は欠席 3 議題  1.介護報酬見直し案について  2.その他 (西尾分科会長)  前回、1月20日の審議では、介護報酬の見直しと運営基準の見直しの諮問がなされ、 ご議論いただいた。全体として、見直し案について概ねご理解いただけたものと考えて いる。  本日は、当分科会としての諮問に対する報告のとりまとめを行いたい。報告案は、前 回の議論を踏まえ、分科会長、井形会長代理、京極委員、田中滋委員の4名にて、事務 局も交え、協議の上作成したものである。  まず、前回時間がなくて発言ができなかった方々で発言されたい方はどうぞ。 (見坊委員)  全体としては、了承しなくてはならない段階であると認識しているが、居宅介護支援 (ケアマネジメント)の4種類以上のサービスを組み合わせた場合に加算をする理由に は、疑問がある。4種類以上組み合わせることが良いというような方向に誘導するよう な行政指導なり、あるいはサービス提供事業者が思うのでは、これは間違ってしまう。 行政指導、あるいは運用上、現場サイドも、利用者サイドも、必ずしもそういうことで はないという正しい認識の上でやっていただきたい。良いケアマネジャーによって適切 なプランが作られ、適切な連絡、調整が行われることによって成果を上げるのであって、 3種類、4種類、まして4種類以上の組み合わせということは、実際に利用したくても できない地域もあり、また、必要ないケースもある。指導を誤らないでほしい。  保険料、あるいは1割負担、そして基盤整備、これらを合わせ、行政の側もチェック をしていただき、安易に一律に負担を引き上げるようなことは避けていただきたい。 (喜多委員)  20回弱の委員会を経て議論を重ねてきたので、諮問された内容については、いわゆ る介護タクシーは納得できないが、概ね全体としては致し方ないと思っている。  しかし、その思いの中には、基礎データというものがはっきりしないので突っ込んだ 意見を言えなかったという残念さがある。  居宅介護支援については、4種類以上のサービスを要件とする加算について、必要性 の低いサービスもケアプランの中に組み込まれるおそれがあると心配している。  訪問介護については、複合型をなくし2類型にした。旧家事援助は、報酬が上がるの でそれなりに評価したいと思うが、身体介護の単価がなぜ下がっていないのか。また、 生活援助と身体介護の間に格差がありすぎる。  いわゆる介護タクシーは、通院等、「等」というのが入っている。通院に対するもの は今回100単位ということにされた。「等」という字を入れると、通院以外にさらに いろいろなものが加わってくるおそれがある。もともと介護タクシーは、介護保険を組 み立てたときには予想されていなかった。事業者の方がいろいろとアイデアを出して行 われるようになった。それはそれで良いが、それがいつの間にか制度の中に組み込まれ てしまうことに対して非常に心配している。  区分支給限度額については、変わらないと考えているが、どうなのか。  これらの心配、疑問については、市長会にある常任幹事会の意見でもある。  それからもう一つ申し上げるが、制度改革について中村老健局長自ら制度の見直しの 時期について発言があったが、これは非常に高く評価したいと思う。制度改正は早急に やっていきたいという意思をどこかにはっきり示していただきたい。  報告案の中に、「さらに検討を深めることが必要と考える」とあるが、これはもう少 し言葉を強めて、「早急にやっていく」とするべき。  初めての制度だから1年ごとに見直したらどうかと言ってきたが、3年と5年になっ てしまった。制度としてある程度国民が納得するまでは、毎年絶えず点検し、改める必 要があると思っている。 (香取振興課長)  介護タクシーについては、基本的には、通常のヘルパーの身体介護に通院外出介助と いうのがあるので、基本的にはその利用目的に関しては、その考え方に準じて取り扱い たいと思っている。他方、今回のタクシーに限らず、全体としてケアマネジャーについ ては、アセスメントのところできちんと必要性をみてプランを作るようにということで やろうと思っている。  車両を利用して通院をする、あるいは外出するという利用、あるいは乗降等の介助が 必要であるということについて、サービス計画上、あるいはアセスメント上、その点を きちんと明記していただくということで、全体の適正化を図りたいと考えている。 (外口老人保健課長)  区分支給限度額については、今回は変更を予定していない。平均的な利用率は、区分 支給限度額の4割から5割程度である。支給限度額を超えて利用しているものの割合は、 2%から3%程度である。  今回の改定では、トータルでみるとそれほどの大きな変動幅ではないので、それを踏 まえ、今回は支給限度額の変更は考えていない。  いずれにしても、この問題については、給付と負担の問題にもつながるので、制度論 のときの議論になると考えている。 (新井委員)  居宅療養管理指導については、医療保険並びということで理解しているが、歯科の提 供医療行為については、老人訪問口腔指導管理料等をはじめとして、歯科の提供医療行 為を包括して現在の単位数が設定されている。給付相当額を担保する観点から、報酬単 位の見直しをお願いしたい。  また、歯科衛生士による居宅療養管理指導については、2回目以降、今回単位が示さ れているが、介護現場で行われる提供サービスにふさわしい報酬額の必要性を訴えたい と思っている。  2点につき、今後検証を進められ、適切な設定単位となるように要望する。  また、制度の見直し等につき老健局長より発言があったが、そのように今後対応して いただきたい。 (三宅参考人)  今回の介護報酬の改定は、在宅重視の方向、あるいはサービスの質の向上、リハビリ に厚く、自立支援に向かっているということで、より良い介護サービスをこれから提供 していく方向に合致していると思う。  また、現在の経済状況を踏まえて、保険料の上昇を抑制していくという意味も含め、 バランスに配慮されているということで、全体として適正なものと評価している。  今回の改定の中で、結果的に在宅重視の方向で施設の報酬が下がったけれども、施設 サービス利用者の割安感にさらに拍車がかかることが懸念される。在宅と施設の利用者 の負担のあり方について、今後行われる制度見直しの中で検討していただきたい。  都道府県の役割として、市町村に情報を提供していく、あるいは介護従事者の育成を 図っていく、あるいはより適正な計画の策定の支援をしていくということに努めている が、なお制度的にいろいろ見直すべきところがあれば検討いただきたい。 (村上委員)  諮問書の介護報酬単位の見直し案の1ページに、「(1)〜(3)に引き続き30分 以上の生活援助が中心である指定訪問介護を行ったときは、30分増すごとに83単位 を加算」と書いてある。生活援助が中心である指定訪問介護を行ったときに83単位と いうのはわかるが、それでは1時間半を超える身体介護を行ったときはどうなるのか。 事前説明を聞くとそれは83単位であるとのこと。  身体介護は、これまで1時間半を超える場合は219単位であった。身体介護が1時 間半を超えるものがほとんどないのかどうか、そういう実態がないからこういう整理で 良いのか。  重度の要介護5とか重い方々が、例えば、一連のサービスを受けるとする。排泄介助 を受ける。それから、入浴介助を受ける。さらに、食事の介助を受けると。それから、 いろんな体位変化の介助を受ける。これぐらいやると、1時間半を超えていくと思う。 この前の議論の中で、身体介護で見守り的なものについては、生活援助に移すというこ とについての反対論が強く、身体介護に持ってきた。それが全然生かされないことにな るので、きちっと答えていただきたい。  それから、ケアマネジャーの問題。ケアマネジメントのケアプランの方針の一本化に ついては、外口課長は説明の際、分科会の全会一致による見直しとおっしゃったが、数 名の反対があったことを踏まえていただきたい。  今回ケアマネジャーの報酬については、大幅に17%アップした。その理由は、公平 性・中立性を保つため。しかし、報酬を上げただけで公平性・中立性が保てるのか。独 立させなければ公平性・中立性は保てないと申し上げているが、これについてお答えい ただきたい。  ケアプランの評価制度を入れるべきだと申し上げてきた。前回の答弁では、やりたい けれども手法がうまく見つからないということであった。であれば、次回までには必ず やっていただきたい。  サービス提供責任者は大変重要であると思っている。制度的でありながら、実態は、 うまく機能していないと聞く。機能するようにシステム変更するなり、報酬をつけるよ うに申し上げてきたが、今回一切触れられていない。これについては不満。  制度見直しのときに、重視していただきたいのは、利用者本位の介護保険制度という ことでスタートしたはずなので、利用者の実態とか、ニーズであるとか、きちんと調査 をされ、実態を把握し、制度見直しをするべき。早急に利用者の調査を行っていただき たい。  低所得者対策をしてもらわなければ介護保険制度がもたないので、制度見直しの中で はきちんとしていただきたい。生活保護を受けている方の医療負担に関しては、公費で 負担している。それに対し、介護保険制度では保険から給付されている。これは、公費 負担にするべきである。  保険者機能の強化の問題。県と保険者の関係とか、国と保険者の関係とか、権能関係 をどうやって決めていくかという問題も整理するべき。  保険料上限の法定化がないと、行政の恣意的なことにより、どんどん上がっていく。 議論した上で上げていくということなら反対ではないが、議論がないまま上がっていく 可能性がある。法定上限をきちんとしていただきたい。  調整交付金の国庫負担からの外枠化やグループホームの住所地特例も検討していただ きたい。  制度問題を議論する部会を作ることについては大いに賛成である。早急に作っていた だきたい。  介護保険制度は利用者のための制度である。であるならば、制度を議論する部会は、 被保険者、利用者、保険者、それから税金が入っているので公益の方々で構成し、制度 論を議論すべき。給付費部会にサービス提供者が入るのは当たり前だが、これまでみた いなやり方は制度を議論するやり方として正しくない。この介護給付費分科会のメンバ ーもサービス提供者側が1、被保険者側が1、公益が1というメンバー構成をしなけれ ば公正な議論はできない。 (外口老人保健課長)  今回の改定案では、身体介護は例えば、1単位10円とすると、短時間のサービスで ある30分未満が2,100円から2,310円に引き上げられている。これは移動時 間のために効率の落ちる短時間の頻回訪問がやりやすくなるようにということを目指し たものである。  一方で、長時間の場合の単位は引き下げとなっている。1時間半までは変わらないの で、現行と同様に1時間半の場合は現行も改定後も、5,840円となる。  しかし、長くなると、例えば、3時間の場合では、現行は1万2,410円であるが、 改定案では3時間は8,330円と引き下げられる。これは利用者特に長時間の利用者 にとっては負担が減るが、事業者にとってはこの長時間サービスを控えるインセンティ ブになるおそれもある。  今回90分以上の単位を下げたのは、昨年4月に、全国社会福祉協議会の実施時間の 調査が配布されたが、ここの調査によると、おむつ介助の83%が1回あたり10分程 度以下、トイレ介助の75%が10分程度以下、食事介助の78%が30分程度以下、 全身入浴の86%が60分以下であった。  介護給付費の実態調査の請求状況を見ると、身体介護では52.6%が30分未満、 81.7%が60分未満、89.5%が90分未満と、大半は90分未満となっている。  したがって、たとえ事業収入の中で、長時間の部分の収入が減ることがあったとして も、今回引き上げられた生活援助を含めたトータルの収入では、平均2.3%のプラス となる。現在のデフレ傾向の中で、他のサービスの単位が下がる中での2.3%のプラ スであるので、収入面の理由で今までできた必要なサービスができなくなるということ にはならないと考えた。  必要度が低いのに長かったサービスを効率化することはあっても、必要があって長か ったサービスを拒否するようなことはないと思うし、またあってはならないので、利用 者の今後の動向について十分把握したいと思う。また、仮にそのようなことがあったと すれば、行政として必要な対応をしたい。  身体介護のケアが適切に利用できるかどうかは、ケアマネジャーの腕にかかっている。 今回ケアマネジャーの報酬が重点的に引き上げられたが、介護保険の要として大きな期 待が込められているからだと思う。  公正・中立の立場で、適切なケアプランが作られていくよう、行政の立場からの努力 を重ねていきたいと思うし、ケアプランの評価制度についても、検討を急いでいきたい。  公正・中立については異論はないと思う。ただ独立性については、制度論の中での検 討が必要だと思う。例えば独立性と言ってもどの程度の独立性なのか、同じ法人はやっ てはいけないのかどうかとか、幅広い議論が必要ではないかとも思う。  ケアマネの一本化についての発言はご指摘のように訂正する。 (村上委員)  諮問書案の介護報酬単位の見直し案における身体介護のところは、書き方を変えても らわなければよくわからない。1時間半以上の場合、生活援助をやった場合に83単位 を加算する。それでは、身体介護が行われた場合はどうなのか、それがわからない。誤 解のないような表現にすべきである。 (外口老人保健課長)  告示案が最終のものになるので、ご指摘の点を踏まえて、修正する。 (西尾分科会長)  前回発言したくてできなかった方々の発言はひととおり終わったので、今回の報告書 案の朗読をしていただき、その上でご意見を賜りたい。 ○ 福本企画官による報告書案の朗読  (西尾分科会長)  ただいま朗読していただいた報告案について、ご意見があればお願いしたい。 (下村委員)  数字的側面について検討し、マイナス2.3%という数字はあっていると確認できた。 経済実勢に合わせ、大まかな改革の方向性は、見直しの考え方に沿っていると思う。ケ アマネジャーや介護タクシー等個々の数字的な面やバランスについての妥当性は疑問が 残る。ケアマネジャーについての4種類の加算の評価のように継続検討すべき問題、あ るいは制度的に検討すべき問題が残っているけれども、答えを出す時期も来ているから 了承するというのが全体的な感じではないのか。  ケアマネジャーの17%というのが突出している。ケアマネジャーの独立性の議論が あるが、独立性の観点だけから評価するのは問題があるということであれば、ケアマネ ジャーの資質の向上とか、職務のあり方について検討すべきだということを明文化して ほしい。 (木下委員)  基本的な考え方の中に、満足度の高いサービスが提供され、サービスの質の向上に重 点を置くとあるのに、3対1介護が廃止されたことはこれに相反する。介護療養型医療 施設の介護報酬設定における人員配置の評価の在り方については、引き続き検討すると いうことを議事録に残していただきたい。  利用者から見たサービスの質の向上について、十分に議論し検討できる体制を整えて いただきたい。例えば、どういう人員配置であれば利用者の満足度の高いサービスがで るのか具体的に議論していただきたい。ナースコールを押したとき、すぐ来てくれるか、 5分で来てくれるか、運が良ければ来てくれるか、皆様どう思われますか。  ケアマネジャーについても、運営基準で指導すると言うが、真面目にサービスを行っ ているものが評価されるような指導をお願いしたい。  先ほど村上委員から、制度論については提供者側は入れるべきではないという意見が あったが、現場のことを知らないで制度論を議論するのはとんでもないことであり、こ れには反対である。 (中村委員)  効率化の観点から、今まであまり議論されなかったが、認定審査会の夜間開催など、 介護認定の事務部門のスリム化・効率化について議論していかなければいけない。 (山本委員)  低所得者対策は、やるべきだと申し上げたが、炭鉱があった地域のように、社会的要 因により過疎化した地域に対しては、国が配慮すべきだと思う。保険料についても配慮 すべきと思うが、されていない。  生活保護に関しては、医療は全部公費で負担しているが、介護はそうではない。介護 と医療の関係の位置づけが必要である。 (矢野委員)  政策をどう評価していくか説明を受け議論する場が必要であるが、それをどう考える のか。  公費あるいは保険料で賄われている事業の主体が、説明責任、アカウンタビリティー を果たしていないんではないかと疑念を持っている。経営主体のアカウンタビリティー に対する考え方を高めていただきたい。  報告書案のなお書きについては、保険料の問題も含めて幅広く検討していくと考えて 良いのか。 (中村老健局長)  報告書案の2枚目の意見にも、見直しのルール、今後の見直しに向けての審議のあり 方、経営実態調査等の方法について、さらに検討を深める必要があると書かれている。 これはこの介護給付費分科会の仕事になる。  この改定の効果がどう影響したか検証作業が必要だと思っている。  経営実態調査あるいはデータの話が出たが、次の改定においてこういうデータでは十 分審議できないとご指摘をいただくことのないように、介護報酬改定のフォロー、次の 改定に向けての基礎作業について分科会に相談したい。  12月9日の分科会で示された介護報酬見直しの考え方において、制度見直しに向け ての必要な検討体制を早急に整備すること、そして、必ずしも5年後を待たず逐次実施 を図るべきであることをご指摘いただいたと理解している。いずれ制度見直しの部会を 設置するので、その際は、分科会で何度か議論がされ、また、その時にいただいた宿題 について部会にも報告し、審議をスタートしていく手順になる。 (村上委員)  制度論を議論する部会に提供側が入るべきだという、先ほどの木下委員の意見につい て、そうした主張をされるのは構わないが、実態を知らないという発言は納得できない。 現場の実態を一番知っているのは利用者。われわれも、施設、在宅ともに見学を行って いるし、利用者や介護労働者である組合員の観点から、実態を見て知っている。また、 様々な調査もわれわれ独自に行っている。現場の実態を知らないという発言だけ は取り下げていただきたい。 (木下委員)  調査や見学と言われるが、どれぐらいの時間そういうことをされたのか。我々は24 時間現場でやっている。それを全部おわかりいただけるとは思っていないので、先ほど の発言になった。 (井形委員)  ケアマネジャーの問題にしても、実際はサービスを1種類しか提供してないケアプラ ンが50%ある。これは大変だということで4種類加算の案が出た。制度は試行錯誤が あり、やってみて問題が生ずればそれに柔軟に対応していくことが一番重要である。現 状の中で明らかになった問題をとりあえず直すことによって、次の問題が明らかになる。 この案で答申をまとめていただきたい。 (喜多委員)  「今回の介護報酬の見直しは」の2行目から3行目ですが、「さらに検討を深めるこ とが必要と考える」というのは、極めて時間がのんびりしている。早急に検討すべきで あるとした方がすっきりする。 (下村委員)  この分科会で何を検討していくのか議論する必要がある。次の介護給付費分科会をい つ開くのか回答いただきたい。 (西尾分科会長)  改定に伴う実務業務が多々あると思うし、制度を検討する部会を立ち上げる作業もあ るので、次回いつ開くかを決めるのは難しいと思う。「さらに検討を深める」というの は引き続き検討する必要があるという意味で、ずっと先へ延ばすという意味ではない。 (下村委員)  次はいつ開催するか、大まかな見当ぐらいは言っていただきたい。 (中村老健局長)  告示や通知の改正等の実務作業が3月いっぱいまであるし、また検証作業を行うにし ても4月以降請求が出てきてからということになる。  しかし、請求が出てきてからでは半年くらい経ってしまうことになるので、各委員の 御都合を伺いながら、作業段取りを相談できる体制を整え、4月には開催したいと考え ている。 (西尾分科会長)  4月には開きたいということであるが、それであれば「さらに検討を深めることが必 要と考える」という表現は改める必要はないと考えるが、いかがか。 (喜多委員)  議事録に残していただくならば、結構。 (西尾分科会長)  低所得者対策、あるいは地域対策としての低所得者対策の問題を、報告案のなお書き の制度の見直しの中に書いてほしいというご意見・ご要望がありました。ただ、この制 度の見直しについては極めて多岐にわたる問題が既に出ている。  ここで、低所得者対策ということを書き加えると、それだけ特記するのは困るという 意見が必ず出るのではないかと思う。報告案のなお書きの中に低所得者対策の問題も全 て含まれているとご理解いただけないか。 (山本委員)  我々のところは産炭過疎と呼んでいる。そういう地域に対して、同じように保険料を 負担しろと言うこと自体が間違っている。自然減なら仕方がない。ところが、社会減で あるから、その辺りは十分配慮するべきではないかということで申し上げた。 (貝谷介護保険課長)  確かに過疎地域等、生活保護を含めてですが、制度的な対応、配慮というものは特段 ない。調整交付金の中で、低所得者が地域によってばらつきがあるという点は、全国的 な平均にならすという趣旨での措置は行っているが、過疎地域等についての措置は行っ ていない。この点をどうするかというのは、制度全体の中での見直し、調整交付金の機 能をどうしていくかという中での議論だと思う。  過疎地域の保険者のところは、保険料が大変上がるというお話があったが、この点に つき、15年度予算案において、広域化等保険者支援事業として全体で17億円強の財 政支援を行う予定にしており、この中で離島等の特例地域については、介護報酬が加算 されることへの保険料影響分を予算措置で財政支援しようと考えている。  制度的な議論が行われるまでの間、そういった予算措置を考えている。 (西尾分科会長)  それでは、山本委員の発言の趣旨もあり、また、下村委員からも修文の要求がでてい るので、一度ここで議論を締め切り、分科会長、井形会長代理、田中滋委員と事務局で、 修文をどこまでできるか検討させていただきたい。  一旦、中断する。  ○ 修文のため中断 (西尾分科会長)  修文の案を口頭で読み上げるので、ご了解いただければと思う。  主文の部分について、以下のように修文したい。  「諮問案は、」とあるが、その次に「継続して検討を要する課題も残ってはいるが、 」という文章を挿入する。  全文読み上げると、「諮問案は、継続して検討を要する課題も残ってはいるが、当分 科会が平成14年11月9日にとりまとめた『介護報酬の見直しの考え方』に沿ってい るものとして、概ね了承する」という修文となる。  これが第1点。  第2点目は、2ページ目に移り、2段落目の文章の最後に以下のものを付け加える。  「特に、重点的に評価を行った居宅介護支援については、介護支援専門員の資質の向 上と地位の確立を図るとともに、居宅介護支援が公正、中立に行われるよう、検討を進 めることが必要である。」  全文通して読むと、第2段落目は、「また、今回見直し後の介護報酬について、利用 者のサービスの利用の動向や事業者の経営状況などに与える影響の把握に努め、介護サ ービスが適正かつ効率的に運営されているかどうか、また、サービスの質の向上に資す るものとなっているかどうか、検証し、次回以降の見直しに反映させていくことが必要 である。特に、重点的に評価を行った居宅介護支援については、介護支援専門員の資質 の向上と地位の確立を図るとともに、居宅介護支援が、公正、中立に行われるよう、検 討を進めることが必要である。」以上が第2点目の修文である。  第3点目は、最後の段落の2行目に「利用者の意見や実態を踏まえながら」という場 所があるが、ここに「利用者の意見や実態並びに地域の実情を踏まえながら」、という 文章を挿入する。  全文通して読むと、「なお、制度の見直しについては、『介護報酬見直しの考え方』 において示された意見に沿いつつ、利用者の意見や実態並びに地域の実情を踏まえなが ら、制度創設の理念とあるべき介護システムの実現に向けて、幅広い検討を早急に行っ ていくことが必要である。」  以上3点の修正である。  これで、よろしいか。 ○ 「はい」と声あり。 (中村老健局長)  これからの介護報酬もより良いものとなるよう、今回認めていただいた介護報酬、運 営基準をきちんと施行してまいりたい。また、次回の介護報酬の見直しに向けてきちん とした作業をしてまいりたい。  この介護報酬の作業が終わったら、制度見直しの問題の検討を進めていきたいと思っ ている。 (西尾分科会長)  当分科会は、1昨年の10月より19回にわたり審議を行ってきたが、本日、平成1 5年度からの介護報酬見直し案、運営基準の見直し案についての報告をとりまとめるこ とができた。  それでは、本日の当分科会の審議はこれにて終了する。 照会先 老健局 老人保健課 企画法令係     TEL 03(5253)1111(内3948 3949)