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血液凝固第VIII因子製剤の供給について(案)


 血液凝固第VIII因子製剤の供給については、平成13年3月、一部の遺伝子組換え製剤(コージネイト;バイエル薬品(株)輸入)に出荷一時停止等の問題が生じた以降、成分献血の推進、原料血漿の確保、献血由来製品の増産等、関係者の協力によりその安定供給を図ってきたところである。

 1  現状
 ○  血液凝固第VIII因子製剤(遺伝子組換え製剤を含む。)の主要な4社の合計在庫量は、平成13年7月以降3ヶ月以上を保ちながら推移してきており、平成14年12月末の合計在庫量(速報値ベース)は約4.6ヶ月分である。【別紙1参照】

 ○  現在、合計在庫量が輸入停止の問題が生じる前の平均的な在庫水準(3ヶ月)を十分確保している。

 ○  バイエル薬品(株)においては、
 平成14年にコージネイトFSを約6,000万単位輸入したこと
 概ね前月出荷量の6ヶ月分を在庫として確保しながら供給してきたこと
 米国バイエル社の生産量も増加していること
から、今後も継続的に供給できると見込んでいる。【別紙2参照】(PDF:52KB)

 2  今後の需給動向
 ○  平成15年の血液凝固第VIII因子製剤の需給動向については、平成14年需要量(実績見込)に対し年3.2%増(過去5年間の平均需要増加率)として試算すると、約2億4千300万単位の需要量が見込まれ、一方、供給量については、現時点における各社の平成15年製造・輸入予定量の合計で、約2億8千250万単位(日本赤十字社;約1億単位、(財)化学及血清療法研究所;約1,750万単位、バクスター(株);約9,000万 単位、バイエル薬品(株);約7,500万単位)と見込まれる。
(各社の製造計画及び輸入割当計画に基づく見込量であり、今後変動があり得る。)

 3  今後の対応案
 上記を踏まえると、緊急対応すべき事態は解消されていると考えられることから、
 ○  日本赤十字社、(財)化学及血清療法研究所、バクスター(株)への「最大限生産・増量する」ことの要請及びバイエル薬品(株)への「少なくとも平成14年12月までは、概ね前月出荷量の6ヶ月分を在庫として確保しながら供給する」ことの指導(「血液凝固第VIII因子製剤の安定的な確保について」(平成13年9月5日付及び平成14年2月7日付厚生労働省医薬局長通知))については、これを解除する。なお、引き続き安定供給の確保への協力については引き続き依頼する。

 ○  日本赤十字社における原料血漿貯留保管期間については、供給が安定するまでの暫定措置として「4か月以上」としているが、これを解除する。

 ○  各社の製造・輸入量、供給量、在庫量については、引き続き厚生労働省においてモニターし、必要に応じて適切な対応をとる。


血液凝固第VIII因子製剤の需給状況(平成14年12月末現在)

単位:万単位
年月 製造(輸入)量 需要量 在庫量  
日赤 化血研 バクスター バイエル
H 12.12             4,742  
H 13.1 256 183 339 0 778 1,567 3,953  
H 13.2 262 87 568 1,069 1,986 1,712 4,227  
H 13.3 705 0 503 0 1,208 2,133 3,302  
H 13.4 984 180 0 0 1,164 1,774 2,692  
H 13.5 999 459 153 1,137 2,748 1,807 3,633  
H 13.6 683 92 584 1,955 3,314 1,958 4,989  
H 13.7 547 464 965 1,334 3,310 1,815 6,484  
H 13.8 1,082 281 18 0 1,381 2,077 5,788 (←在庫3か月)
H 13.9 564 461 787 0 1,812 1,846 5,754  
H 13.10 1,513 0 655 199 2,367 2,000 6,121  
H 13.11 1,187 192 397 500 2,276 1,971 6,426  
H 13.12 281 186 1,547 0 2,014 2,378 6,062  
合計 9,063 2,585 6,516 6,194 24,358 23,038    
H 14.1 1,901 188 0 0 2,089 1,557 6,594  
H 14.2 844 99 337 0 1,280 1,663 6,211  
H 14.3 824 291 317 2,098 3,530 1,699 8,042  
H 14.4 680 96 674 0 1,450 2,065 7,427  
H 14.5 531 92 577 0 1,200 1,946 6,681  
H 14.6 1,134 92 569 0 1,795 1,828 6,648  
H 14.7 1,124 188 682 1,484 3,478 2,048 8,078  
H 14.8 833 94 138 0 1,065 2,047 7,096  
H 14.9 529 88 646 0 1,263 1,811 6,548  
H 14.10 1,348 90 944 1,577 3,959 2,186 8,321  
H 14.11 1,079 0 1,049 765 2,893 2,062 9,152  
H 14.12 1,388 93 882 0 2,363 2,609 8,706 ←在庫4.6か月
合計 12,215 1,411 6,815 5,924 26,365 23,521    
【平成14年11月5日開催の薬事・食品衛生審議会血液事業部会提出資料を直近データにより置き換えたものである。】
 ※  製造(輸入)量は、H14年12月までの実績値による。
 ※  需要量について、H14年12月は速報値ベースの数値を用いている。
 ※  在庫については、平成12年の年間需要量(約22,700万単位)の12分の1を在庫1か月分として算出した。
 ※  第VIII因子製剤の流通過程において卸売り等に存在する分については、在庫量に含まれていない。
 ※  日赤のH14年2月分製造量には、B型肝炎ウィルスNAT陽性血が混入した原料血漿から分画製造されたロットの取り扱いについて検討中のため、当該ロット分については含めていない。


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