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資料No.2

企業行動計画の構造(イメージ)

I  総論

○ 目的、企業の果たすべき役割

(目標記載例)
 ☆  当社は、○○をコンセプトとして創業以来製品の開発、販売を行ってきた。社員が育児責任を全うできるようにすることは、単に労働個人の福利の向上だけでなく、会社の生産性の向上にとってもプラスに働くと考えるので従業員の意見を聴きつつ、計画を策定・実施し、目標の達成に向けて努力することとする。

○ 目標年限(計画期間)

(記載例)
 ☆  2年〜5年

 (参考)  企業の実情に応じて設定するのが望ましいが、2年未満では非現実的であり、5年超だと関係制度の見直し等が計画に反映できないのではないか?

○ 計画の推進体制

(目標記載例)
 ☆  経営トップの意思を体現するプロジェクトチームを立ち上げ、業務の各部門をユニットに現状把握、目標の設定を行うことを通じて計画の着実な推進を図る。(資料No.2 参照)

○ 国・地方公共団体の支援との連携

(目標記載例)
 ☆  育児・介護休業法に基づく育児休業、時間外労働の制限、深夜業の制限や育児のための勤務時間の措置の実施に当たっては、都道府県労働局等関係機関の助言等も得ながら適切な実施に努める。
 ☆  育児休業法に基づく厚生労働大臣の指定法人である(財)21世紀職業財団の行う両立支援に関する事業主等に対する助成金等の支給、労働者、事業主等に対する指導、相談、援助、情報提供等を最大限に活用するように努める。
 ☆  当社のメインの事業所があり、創業以来つながりの深い、○○市の次世代育成支援対策について○○市と連携策を検討し、実施することとする。

◆ 地方公共団体の計画イメージ


II  目標の設定とそのための具体的方策
 (取組分野ごとに具体的な方策及び目標を検討した上で、個々の企業の実情を踏まえた可能な取組事項を記載)

取組分野 具体的な方策の例 目標の設定(例)
育児休業を取得しやすくするための措置
育児休業制度の改善
取得率○○%(男女別)
制度の周知、好事例集の配布
 〃
推進委員会の設置
 〃
負担軽減(育児費用補助等)他
 〃
両立環境整備
子の看護のための休暇制度
○○年度までに創設
子育て期間の残業時間縮減
平均○○時間以内
短時間勤務や隔日勤務
○○年度までに創設
テレワーク制度    他
 〃
意識改革
長期休暇の取得の促進
年間平均○○人以上
年次有給休暇の取得の促進
取得率○○%以上
管理者への研修実施
全管理者に実施
その他
バリアフリーの推進
(授乳コーナーの設置、トイレの改修他)

○○年度までに実施
地域社会貢献活動
(地域協議会への参加、事業所内保育施設の一般開放)

○○年度までに実施

 ◆  目標の設定としては、数値目標が望ましいが必ずしも不可欠ということではなく、定性的な目標であっても検証が可能で全体として取組分野の充実が図られるのであれば良いのではないか。


III  具体的方策のメニュー
 主に企業内の労働者に関するもの

 妊娠・出産期の配慮
 ・  企業内の診療所等における妊婦への相談体制の整備
 ・  子出生時の父親最低5日間休暇取得へ向けた配慮

(目標記載例)
 ☆  母性健康管理電話相談窓口の周知
(厚生労働省が(社)日本母性保護産婦人科医会に委託して実施)
 ☆  「母性健康管理指導事項連絡カード」の利用の呼びかけ
 ☆  「子出生時の父親最低5日間の休暇」の取得を奨励する。
(具体的な対応)
 妻の出産後の出産休暇の制度化
 妻の出産後の有給休暇の奨励
 産後8週間(妻が育児に専念できる場合でも男性が育児休業を取得できる期間)は育児休業取得の制約がないことの周知徹底

 子育てと仕事が両立できる環境の整備

(1)  育児休業を取りやすく職場復帰しやすい環境の整備
 ・  特に男性が取りやすくするための特段の工夫、 奨励措置(例 勤務時間、勤務地、担当業務等の限定制度等)

(目標記載例)
 ☆  育児休業は、法律に基づく労働者の権利であることをあらゆる機会を利用して周知する。
 ☆  労働者の経済的な不安感を軽減するために「育児休業給付金」や育児休業期間中の社会保険料負担の免除について周知する。
 ☆  育児休業の前に労働者に対し育児休業中の収入見込み等の待遇について、書面で分かりやすく示したデータを提供する。
 ☆  勤務時間、勤務地、担当業務等の限定制度を導入し、特に子育て期の社員の利用を図り、育児をしやすい環境を整える。
 ☆  男性の育児休業取得に関する好事例の収集、紹介を行い、男性の育児休業取得の促進を図る

(2)  子育て期間における家族で過ごす時間の拡大
 ・  子育て期間における残業時間の縮減
 ・  勤務時間短縮、始業時間の繰り上げ・繰り下げ、フレックスタイム、裁量労働制の活用
 ・  子の看護のための休暇

(目標記載例)
 ☆  子育て期(末子が小学校入学までor小学校卒業までor高校生以下位まで)の労働者の労働時間を週○○時間、年間△△時間内に止める。
 ☆  勤務時間の短縮制度を導入する。(既に導入済みの企業は▽▽の点について改善を図る。)
 ☆  始業時間の繰り上げ・繰り下げ制度を導入する(既に導入済みの企業は▽▽の点について 改善を図る。)
 ☆  フレックスタイム制を導入する。(既に導入済みの企業は▽▽の点について改善を図る。)
 ☆  裁量労働制を導入する。(既に導入済みの企業は▽▽の点について改善を図る。)
   年次有給休暇の計画的付与制度を導入する。
 ☆  子の看護のための休暇制度を導入する(既に導入済みの企業は▽▽の点に ついて改善を図る。)
 ☆  子育て期の社員リストを作成した上で、管理職等が当該職員の早期帰宅を 促す。
 (注1)  実態として30歳代男性は子育て意識は高いものの、長時間就業である者や帰宅時間の遅い者が多く、時間的にも育児を分担できない状況(平成13年版「働く女性の実情」p99)
 (注2)  育児・介護休業法第17条の育児を行う労働者の時間外労働の制限1月につき24時間以下、1年につき150時間以下

(3)  多様な働き方への支援
 ・  いわゆる「短時間正社員制度」、「多様就業型ワークシェアリング」の推進
 ・  テレワークへの支援

(目標記載例)
 ☆  社内に検討委員会を設け、「短時間正社員」制度を導入する。
 (注1)  平成15年度においては、短時間正社員制度を導入する場合の留意点や問題点の解決方法などを整理し、「導入モデル」として取りまとめる事業を要求している。
 (注2)  短時間正社員とは
 フルタイム正社員より一週間の所定労働時間は短いが、フルタイム正社員と同様の役割・責任を担い、同様の能力評価や賃金決定方式の適用を受ける労働者

 ☆  定時間の勤務制度に加え「隔日勤務」制度を導入する。

 ☆  「テレワーク」の導入を検討し、2年後を目途に導入を図る。
(注)
 テレワーク導入マニュアル
 平成15年度は、在宅勤務に関する労務管理等労働基準行政上の取扱いを明確にしたガイドラインを策定する予定
 労働者派遣事業制度の見直しの状況
 労働政策審議会の民間労働力需給制度部会においては、個人の就業意識の多様化が進む中、仕事と生活のバランスのとれたライフスタイルを選択する傾向が若年層を中心に見られ、このような働き方に対応していく必要性が高いという観点からも職業紹介事業、労働者派遣事業に係る制度を見直していくことが検討されている。
 (労働者派遣事業の見直しの論点)>
 ・  派遣期間関係
 ・  派遣労働者の希望を踏まえた直接雇用の促進関係
 ・  適用対象業務関係
 ・  許可・届出制等関係
 ・  紹介予定派遣・派遣労働者の特定関係
 ・  派遣元事業主・派遣先の講ずべき措置関係
 ・  指導監督体制の整備等

(4)  人事面、賃金面
 ・  代替要員の確保
 ・  育児休業後の原職(相当職)復帰
 ・  本人の経済的負担感の軽減(育児費用の補助等)
 ・  近くて広い社宅の優先割当

(目標記載例)
 ☆  計画期間内の育児休業取得に際し、要員管理を適切に行い、育児休業代替要員確保等助成金を活用しつつ、代替要員の円滑な確保を図る。
 ☆  育児休業をした労働者がスムーズに職場に復帰できるよう、育児休業者職場復帰プログラム実施奨励金を活用しつつ、職場適応性や職業能力の維持・回復を図る措置(職場復帰プログラム)を計画的に実施する。
 (注)  職場復帰プログラムとしては、次のようなことが考えられる。
 在宅講習
 職場環境適応講習
 職場復帰直前講習
 職場復帰直後講習
 ☆  ○○年度までに労働者が育児サービスの利用に要した費用の全部又は一部を補助する制度を設ける。
 ☆  ベビーシッター会社と契約し、労働者が割安な費用で子供を預けられるように、○○年度までに制度を整備する。
 (注)  以上の2つの目標例については、育児・介護費用助成金の対象となりうる。
 ☆  社宅の社内基準を子育て期の社員に有利な形で見直す。
   育児休業給付金の申請を会社が代行する。(過半数組合等との協定が必要)

(5)  相談、情報提供
 ・  専任の担当者あるいは既存制度上の推進者等の活用
 ・  地域における保育等の情報の提供

(目標記載例)
 ☆  「次世代育成支援対策推進者」を置き、企業行動計画の事務方の責任者に位置づける。
(注)  育児・介護休業法上、選任に努めるよう求められている職業家庭両立推進者を中心に取り組むことも考えられる。
 ☆  子育て期の労働者に対し、地域における保育等の情報を提供する(冊子の作成・配布、組合と共同でホームページにリンクを作成する等)。
   社員の家族向けに会社の福利厚生制度に関する情報を提供する。

(6)  事業所内保育施設等の整備
 ・  保育施設
 ・  授乳室、(要望に応じ)育児用品の備置

(目標記載例)
 ☆  事業所内託児施設を○○年度に新たに設置し、運営を開始する。
 ☆  事業所内の空きスペースを活用して、事業所内託児施設の運営を開始する。
 ☆  既存の事業所内託児施設の定員を○○年度に5人以上増やし、35平方メートル以上の増築(又は建替え)を行う。
 ☆  事業所内託児施設の保育遊具等の購入を計画的に進める。
(注)  以上の整備については、事業所内託児施設助成金の利用が可能。

 働き方の見直し、職場優先の企業風土や固定的な性別役割分業の是正

(目標記載例)
 ☆  啓発パンフレットを作成し、全社員に実施する。
 ☆  管理職から担当レベルまで全社員を対象に年○○回研修を実施する。
   L休暇(土・日曜日と年次有給休暇とを組み合わせた2週間程度の休暇)を職場に導入し、その利用を奨励する。
   「職場に長時間いることが善である」という風潮を改め、「所定外労働は、臨時・緊急のときにのみ行うもの」という原則を浸透させる。

 その他
 ・  出会いの場の設定(結婚紹介所との提携、情報提供)

(目標記載例)
   若手社員の希望に応じ、10年先、20年先の結婚、子育てを前提としたライフプラン(今から準備しておくこと等)を考える場を提供する(講習会、個別相談等)。
 ☆  企業内の福利厚生のメニューに結婚情報サービスの提供を盛り込む。

 企業内の労働者に限られないもの

○ 子育てバリアフリー化の推進

(目標記載例)
 トイレを改修し、当社の訪問者は、男女を問わず、幼児のおむつを代えやすくする。当該トイレ付近でその旨の周知を行う(掲示板、受付等)。

 国の平成15年度概算要求
(1)  乳幼児とその親が一緒に外出した際に大いに役立つ「子育てバリアフリーマップ」を地域の人々の協力のもとに作成する事業
(2)  公共施設等への託児室や授乳コーナーの設置及び乳幼児連れでも安心して利用できるトイレへの改修等を行うための計画の策定を支援する「子育てバリアフリー推進事業」

 企業内の体制整備
 ・  推進委員会の設置
 ・  管理者への研修実施

(目標記載例)
 ☆  検討するテーマに応じてトップ、実務者レベル別の検討組織を設け、機動的な体制を構築する。
 ☆  事業主行動計画の推進体制の研修を一部の「管理者」だけではなく、実際に業務に携わる部門の担当者も幅広く対象にする。

 地域における取組、社会貢献活動
 ・  地域協議会等を通じ住民、企業、NPO等の地域レベルでの参加
 ・  自社従業員の地域のボランティア活動への参加に対する支援等
 ・  事業所内保育施設の一般開放

(目標記載例)
 ☆  (都道府県、市町村の計画に位置づけがある)◎◎地域協議会に参加し、その中で検討される開催行事に当社の社員を協力スタッフとして派遣する。
 ☆  ボランティア休暇・休職制度、表彰制度を導入したり、ボランティア活動の情報や機会を提供することを通じて、社員が活動しやすい環境整備やきっかけづくりに取り組む。
 ☆  事業所内保育施設を△△市の支援を得て○○年度より一般開放する。


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