戻る

参考3
(第1回食品の表示に関する共同会議資料6に一部追加)


「品質保持期限及び賞味期限の用語の統一について」


期限表示に関する定義等の現状

  消費期限 品質保持期限 賞味期限
食品衛生法 JAS法 食品衛生法 JAS法
表示対象
(概念)
 製造又は加工日を含めておおむね5日以内の期間で、品質が急速に劣化しやすい食品に表示。  期限表示を表示する食品であって消費期限を表示する食品以外の食品に表示。
定義  定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の食品又は添加物の劣化に伴う衛生上の危害が発生するおそれがないと認められる期限を示す年月日(※1)  容器包装の開かれていない製品が表示された保存方法に従って保存された場合に、摂取可能であると期待される品質を有すると認められる期限(※2)  定められた方法により保存した場合において、食品又は添加物のすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日(※1)  容器包装の開かれていない製品が表示された保存方法に従って保存された場合に、その製品として期待されるすべての品質特性を十分に保持しうると認められる期限(※2)
両法の関係
 JAS法の消費期限と食品衛生法の消費期限とは同一の意義。(※3)
食品衛生法(品質保持期限→賞味期限)
 品質保持期限と同一の期限を示す文字として「賞味期限」を規定。(※4)
JAS法(賞味期限→品質保持期限)
 「賞味期限(品質保持期限)」と規定。(※2)
 JAS法の賞味期限及び品質保持期限と、食品衛生法の品質保持期限及び賞味期限とは同一の意義。(※3)
設定方法  期限の設定については、食品等の劣化の速度は、原材料の衛生状態、製造・加工時の衛生管理の状態、保存方法等の諸要素により左右されるので、期限の設定にあたっては、当該食品等に関する知識を有する者が設定すべきものであることから、基本的には製造又は加工を行う営業者が行うものであること。
 期限設定は、食品の特性等に応じて、微生物試験や理化学試験及び官能検査の結果等に基づき、科学的・合理的に行う。(※5)
 食品に表示される「賞味期限」等の期限は、その食品の品質保持に関する情報を把握する立場にあり、当該製品に責任を負う製造業者等が科学的、合理的根拠をもって適正に設定すべきものである。
 期限の設定に当たって製造業者等は、食品の特性に応じて、理化学試験、細菌試験、官能試験等を行うとともに、これまでの経験や知識等を有効に活用することが必要。(※3)
 期限の設定については、食品等の劣化の速度は、原材料の衛生状態、製造・加工時の衛生管理の状態、保存方法等の諸要素により左右されるので、期限の設定にあたっては、当該食品等に関する知識を有する者が設定すべきものであることから、基本的には製造又は加工を行う営業者が行うものであること。
 期限の設定は、食品の特性等に応じて、微生物試験や理化学試験及び官能検査の結果等に基づき、科学的・合理的に行う。
 なお、品質保持期限の設定は、食品等の製造後、定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の食品等の劣化に伴う衛生上の危害が発生するおそれがないと認められる期間の終期より十分に余裕をもって行うものであること。(※5)
 食品に表示される「賞味期限」等の期限は、その食品の品質保持に関する情報を把握する立場にあり、当該製品に責任を負う製造業者等が科学的、合理的根拠をもって適正に設定すべきものである。
 この場合、「賞味期限」の設定は、摂取可能であると期待される品質を有すると認められる期限の場合より短いものとなる。
 期限の設定に当たって製造業者等は、食品の特性に応じて、理化学試験、細菌試験、官能試験等を行うとともに、これまでの経験や知識等を有効に活用することが必要。(※3)

※1: 食品衛生法施行規則第5条第1項第1号ロ
※2: 加工食品品質表示基準第2条
※3: 「飲食料品及び油脂の日本農林規格及び品質表示基準の日付表示に係る事項の改正について」(平成7年2月17日付け7食流第392号通知)
※4: 「食品衛生法施行規則第5条第1項第1号ロ及び乳及び乳製品の成分規格等に関する省令第7条第2項第2号ホの厚生労働大臣が定める文字」(平成7年厚生省告示第19号)
※5: 「食品衛生法施行規則等の一部改正について」(平成7年2月17日付け衛食第31号通知)


「包装食品の表示に関するコーデックス一般規格」(CODEX STAN1-1985 (Rev.1-1991) )
(抜すい)

原文 (仮訳)
2.Definition of Terms
For the purpose of this standard: [中略]

 "Date of minimum durability" ("best before") means the date which signifies the end of the period under any stated storage conditions during which the product will remain fully marketable and will retain any specific qualities for which tacit or express claims have been made. However, beyond the date the food may still be perfectly satisfactory.
2.用語の定義
この規格上、[中略]

 [date of minimum durability(best before)]とは、ある保存条件の下で、製品が完全な市場性を有し、かつ、黙示的又は明示的に表示されたいかなる特定の品質をも保持する期間の終期を明らかにする日付を意味している。しかしながら、その日付を過ぎても、その食品は依然として完全に満足し得ることもある。
 [以下略]  [以下略]

  (注)  Date of minimum durability (best before)とは、現在の「品質保持期限」及び「賞味期限」の用語を策定する際に参考とされた表現です。
<以下を追加>

 "Use-by date"(recommended last consumption date, expiration date)") means the date which signifies the end of the estimated period under any stated storage conditions, after which the product will not have the quality attributes normally expected by the consumers. After this date, the food should not be regarded as marketeable.
<以下を追加>

 [Use-by date(recommended last consumption date, expiration date)]とは、記載された保存条件のもとで、その期間を過ぎれば、その製品は消費者が通常期待する品質特性を多分失うであろう、と推定される期間の限度を示す日付である。その日付を過ぎたならば、その食品は販売できるとは見なすべきではない。
4.7 Date marking and storage instructions
4.7.1  If not otherwise determined in an individual Codex standard, the following date marking shall apply:
(i)  The "date of minimum durability" shall be declared.
(ii)  [略]
(iii)  The date shall be declared by the words:
 "Best before ..." where the day is indicated;
 "Best before end ..." in other cases.

[以下略]
4.7 日付表示および貯蔵条件
4.7.1  個別のコーデックス食品規格に別段の定めがない場合にあっては、次の日付表示が適用されるものとする。
(i)   [date of minimum durability] を明示すること。
(ii)   [略]
(iii)  日付は次の文言によって明示すること。
-  「日」が記載される場合にあっては、 [best before・・・] ;
-  その他の場合にあっては、 [best before end・・・] 。

[以下略]


(別紙)

「品質保持期限及び賞味期限の用語の統一について」に寄せられた意見について


1.意見募集方法の概要

(1) 意見募集の周知方法
意見募集要領及び参考資料を厚生労働省及び農林水産省のホームページに掲載
厚生労働省、農林水産省及び地方農政局等の窓口で上記資料を配付

(2)意見提出期間:  平成14年9月4日から10月3日まで(郵送の場合は10月3日必着)

(3)意見提出方法:  電子メール(厚生労働省)、インターネット(農林水産省)又は郵送

(4)意見提出先:  厚生労働省医薬局食品保健部企画課 又は 農林水産省総合食料局品質課

2.意見募集の結果
 
電子メール又はインターネットによるもの  175件
郵送によるもの  38件
      合計  213件

3.整理した意見の分類別件数(別添)


(別添)

「品質保持期限及び賞味期限の用語の統一について」に寄せられた意見

項目 件数 主な理由
賞味期限に統一 134 63%
賞味期限の方が一般的に用いられており、消費者に馴染みがある。
改版に伴う作業及び費用が新たに生じるため。(コストの問題)
表示すべき事項が複雑多岐になってきているため、表示スペースや見やすさ等を勘案し、字数の少ない賞味期限表示が望ましい。
既に賞味期限が消費者に浸透・定着しており、これ以外の表示に変更されると、消費者に混乱をもたらすことになる、また、賞味期限は食品のイメージに適切な表現である。
統一不要 41 19%
消費者にとって「品質保持期限」及び「賞味期限」は定着しており、現段階でとくに混乱していない。
諸外国でも期限表示は、Sell-by-date,Expiry date,Use-by-date, Best・・・・、The date ofminimum durabilityなどいろいろな表記がされている。
現状の表示が、個々の商品に合った表示方法である。(ケース・バイ・ケース)
品質保持期限に統一 26 12%
賞味期限は消費期限と語感が近いため、混同しやすい。
添加物のように「賞味」することが前提でないものに「賞味期限」と表示するのは、不自然、不合理である。
消費者が表示に求めるべきは、「おいしく食べ得る期限」よりも、法律用語の定義により近い「食品の安全期限」だと考える。
その他
(新語の提案等)
12 6%
品質保証期限は、商品特性とその販売先に対応して、品質を充分に保持しうる最適な表現方法であり、消費者を対象としたものの表示については賞味期限がすでに定着している。(業務用は「品質保証期限」、消費者用は「賞味期限」)(注2)
目安的な表現であるならば、もっと分かりやすく色で表記したり、マークで示すのはどうか。
両方の用語は生活に定着しているので、どちらかが消えると品質に関する期限設定が無くなったような印象を受けることから、用語を合わせた方が良いと思われます。(「品質賞味期限」)
新語として他には、「安全期限」、「可食期限」等がある。
合計 213 100% 件数に対する内訳
個人(109)、事業者(96)、消費者団体(8)
 意見書の提出が個人名の場合は、「個人」へ分類。(ただし、固有の会社名や団体名が記載されている場合は、「事業者」若しくは、「消費者団体」に分類。)
注1) 意見書に賞味期限(個人としての意見)、統一不要(事業者としての意見)の2つの意見を併記してあった1件については、両方の項目に重複してカウントしている。
注2) 業務用の食品は、JAS法の表示の対象外である。


トップへ
戻る