02/12/18 薬事・食品衛生審議会生物由来製品臨時部会 平成14年12月18日議事録      薬事・食品衛生審議会 生物由来製品臨時部会 議事録 1.日時及び場所   平成14年12月18日(水) 10:00〜   厚生労働省専用第16会議室 2.出席委員(11名)五十音順   池 田 康 夫、○倉 田   毅、 小 室 勝 利、 清 水 慶 彦、   菅 谷   忍、 土 屋 利 江、 長谷川 紘 司、◎早 川 堯 夫、   藤 上 雅 子、 三 瀬 勝 利、 山 口 照 英 (注) ◎部会長  ○部会長代理   欠席委員(1名)五十音順   甲 斐 知恵子 3.行政機関出席者   鶴 田 康 則(大臣官房審議官)、 安 倍 道 治(審査管理課長)、   北 條 泰 輔(医療機器審査管理官)、   豊 島   聰(医薬品医療機器審査センター長)  他 4.備  考   本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。 ○審査管理課長 それでは定刻になりましたので、ただいまより平成14年度生物由来製 品臨時部会を開催いたしたいと思います。委員の先生におかれましては、年末のお忙し いところお集まりいただきまして、大変ありがとうございます。今日は甲斐委員が御欠 席ということで御連絡を頂いておりまして、本日はただいまのところ出席委員は10名、 それから清水委員におかれましてはまだ御到着になっておりません。それではどうぞ御 審議のほどよろしくお願いいたします。以後の議事進行は早川座長にお願いしたいと思 います。どうぞよろしくお願いいたします。 ○早川座長 それでは早速でございますが、議事次第に従って審議を進めたいと思いま す。初めに事務局の方から資料の確認についてお願いいたします。 ○事務局 初めに本日の配付資料の確認をさせていただきます。本日は当日配付資料が 大変多うございますけれども、順番に確認させていただきます。初めに資料1-1の「薬 事・食品衛生審議会生物由来製品臨時部会の今後の審議と主な論点(案)」、資料1-2の 「生物由来製品臨時部会での主な論点について(案)」、資料2-1の「生物由来製品の指 定の考え方について(案)」、資料2-2-1の「生物由来製品の指定に関する類型と処理基 準について(案)」、資料2-2-2の「特定生物由来製品・生物由来製品指定案」、資料2-4-1 の個別の製品の調査票というもの、資料2-4-2のフローチャートが書かれているもの、 資料2-4-3も別のフローチャートが書かれているものでございます。それから資料2-4-4 の製造方法の事例ということで冊子がございます。続きまして、資料3の「生物由来製 品の感染症に関する記録の保存についての考え方(案)」、資料4-1の「生物由来原料基 準(案)」、資料4-2として生物由来原料基準に関するポンチ絵が2枚ほどセットで付い てございます。資料4-3の「HTLV-1の検査に関する考え方について(案)」、資料5の「生 物由来製品に係る表示事項(添付文書を含む。)(案)」、資料6の「生物由来製品臨時部 会、血液事業部会の今後の進め方について(案)」という形でございます。それと参考資 料といたしまして、生物由来原料基準の対比表を一番最後に机上に配付させていただい ております。以上でございます。 ── 説明途中、審査管理課長退席 ── ○早川座長 お手元にございますでしょうか。それでは資料が整っているようでしたら 議題1ということですが、その前に事務局から前回の審議でこの臨時部会の下に設置さ れました小委員会の経緯、議論について、簡単に御報告をお願いいたします。 ○事務局 前回の当臨時部会は10月11日に開催させていただきまして、資料1-1で論 点として四点ほど挙げさせていただきました。生物由来製品の指定の関係、生物由来原 料基準の作成、生物由来製品に係る記録の保存、期間の設定、最後に「2.関連事項(報 告)」というところで生物由来製品に係る表示の問題という論点を挙げさせていただきま して、これらの事項について当部会の下に検討小委員会を組織し、そちらの方で技術的 な調査、整理を行うことになってございました。  次の資料1-2でございますけれども、こちらの方の小委員会で今申し上げました四点 の論点について10月31日〜11月21日まで5回審議され、技術的な調査、検討を行い まして、その議論が終わったところでございます。本日はこの小委員会で技術的な調査、 検討を行った項目につきまして、当部会の方に御報告させていただく次第になっており ます。全体の概略を申しますと、資料1-2の2でございますけれども、生物由来製品の 指定におきましては、特定生物由来製品として263製品、生物由来製品としては681製 品、これは医薬品も医療機器も両方含む形でございますけれども、そういったものを今 回御提示させていただいております。また2ページの記録の保存についても、30年、10 年、20年、10年等と一応案という形で今回挙げさせていただいております。基準につい てもこの後また御審議いただきますけれども、ここに書いてございますような形での基 準を小委員会の方から御提示させていただくということです。また表示につきましても、 今日の議題4にございますけれども、こちらの方で御紹介させていただくということで 御案内させていただきたいと思います。以上です。 ── 説明途中、審議官退室 ── ○早川座長 どうもありがとうございました。そのような経緯ということで、本日の審 議は小委員会からの報告を受けてそれを討議するということであると思います。論点ご とに小委員会の報告と討議を行いたいと思います。まず資料2-1になるかと思いますけ れども、指定の考え方について事務局から御説明をお願いしたいと思います。 ○事務局 初めに議題1の「生物由来製品及び特定生物由来製品の指定について」とい うことで、小委員会の方からの報告事項について事務局の方から御紹介申し上げたいと 思います。初めに資料2-1でございますけれども、こちらが小委員会での議論のいわゆ るサマリーに当たる部分でございます。また資料2-2-1が指定をする上での考え方につ いて、もう少し詳細に小委員会の方で検討させていただいた資料になってございます。 また資料2-2以下につきましては、実際の指定案という形で小委員会で整理させていた だいたものを本日お配りしてございます。取りあえずこの三つの資料を御覧いただきな がら御説明申し上げたいと思います。  まず資料2-1でございますけれども、「1.改正薬事法における『生物由来製品』及び 『特定生物由来製品』の定義について」ということで、「『特定生物由来製品』とは」 というところ、特に「市販後において当該製品による保健衛生上の危害の発生又は拡大 を防止するための措置を講ずることが必要なものであって、厚生労働大臣が薬事・食品 衛生審議会の意見を聴いて指定するものとをいう」。「『生物由来製品』とは」という ところでございますけれども、「保健衛生上特別の注意を要するものとして、厚生労働 大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう」という定義がござい ます。基本的に特定生物由来製品の方が保健衛生上のリスク、すなわちここでは感染症 のことを主に申し上げておりますけれども、そういったリスクの蓋然性がより高いもの という観点で、特に危害の発生又は防止という措置を講ずる必要があるものとして定義 されているものでございます。  「2.改正薬事法上の定義に沿った指定分類の基本的な考え方について」というところ でございますが、特定生物由来製品及び生物由来製品の指定に関しましては、おおむね 製品の感染症のリスクに着目し整理を行うという考え方で対応してきているところでご ざいます。ただし、これらの考え方はあくまで現在想定される感染症を基にした対応で ございまして、現在ある程度想定される範囲で将来的にどういうことが起こり得るかと いうところまでを考えてということでございますけれども、全く新しいタイプの感染症 等が出てまいりましたときには、必ずしも対応できるものではない可能性もございます ので、そういう場合には新たな知見が得られた場合に考え方としても見直しを行うとい うものでございます。  (1)でございますが、「特定生物由来製品については、製品における感染症の発生リ スクが理論的にも、かつ経験的にもより高いものであり、その原料に関して次のような 特徴を持つものを想定したものである」ということでございます。まず(1)は「人・動物 から得られた原料を使用する製品であって、不活化処理等の感染症に関する処置に対し て限界があるもの」ということで、例示としましては現在輸血用血液製剤を挙げさせて いただいております。現在治験を行っているものもございますが、将来的には培養皮膚 のように人・動物から得られた原料をそのまま用いて細胞組織を使った形での医薬品・ 医療用具も出てくることが想定されておりますので、そういったものにも対応するもの でございます。不活化処理等に限界があるものというものは、生の細胞等を使うという ことでございますので、熱をかけるとかアルカリ処理をするような処理がなかなか難し いといった点に基づいて書かせていただいております。  (2)は「不特定多数の人から採取された原料を使用する製品であって、一定の病原体の 不活化・除去等が行われているが、感染因子を内在するリスクがあるもの」ということ で、これは一般的には血液製剤、血漿分画製剤のようなもの、また人の臓器から抽出し てくるような医薬品を想定して書かせていただいております。具体的には資料2-2-2と いう一覧表の形になったものを本日資料として御提示させていただいておりますけれど も、これの一番最初の「カテゴリー1該当品目」というところでございまして、この冊 子を御覧いただきますと、基本的に血液製剤に該当するものを分類上「特」という形で 示させていただいているところでございます。あとは血液製剤と人臓器抽出医薬品とい うことで、人胎盤製剤もカテゴリー1の該当品目のリストの中に入っている格好になっ ております。  資料2-1を一枚おめくりいただきまして、(2)は生物由来製品についての考え方とい うところでございます。製品における感染症の発生リスクがありと、この感染症の発生 リスクというものが理論的にも否定できないものであって、次のような特徴を持つもの であるということで、三点挙げさせていただいております。まず(1)は人の病原体である 細菌やウイルスを原料として、一定の不活化、弱毒化等の措置が講じられているものと いうことで、具体的にはワクチン、抗毒素などがこのグループに入ってまいります。こ ちらの方はお手持ちの資料2-2-2の表で例示的に御覧いただきますと…、クリップを外 していただきまして中に一分冊ずつ出てくるところで、「カテゴリー1該当品目」とい う冊子の次に「カテゴリー2該当品目」、「カテゴリー3該当品目」というリストがご ざいます。こちらの方は基本的に「カテゴリー2該当品目」のところはワクチン製剤、 特にウイルス製のワクチンがリスト化されております。また「カテゴリー3該当品目」 のところには、細菌性のワクチンやピシバニールという溶連菌抽出物の注射液など、そ ういったたぐいのものもここに含まれた形でリスト化されております。  また資料2-1の2ページ、(2)の(2)に戻りますけれども、生物由来製品ということで 人又は動物の管理された細胞株、又は管理された動物個体、その管理された細胞株の中 には遺伝子組換えというものも含んでまいりますけれども、そういうものにより生産さ れる蛋白質等を用いて、また一定のウイルス病原体の存在否定に関する確認が行われて いるものというグループがここに書いてございます。ここにつきましては、遺伝子組換 えの蛋白質や細胞培養由来の蛋白質等が基本的に想定されているものでございまして、 具体的には先ほどの横表のリストで行きますと、カテゴリー3の次にカテゴリー4のリ ストでございまして、基本的に人やマウスといった細胞の中に遺伝子を組み込んで、そ こから産生してくるような蛋白質がこのグループの中に入っているものでございます。  また戻りまして資料2-1の2ページ、(2)の(3)でございますけれども、「健康の確認 された不特定多数の動物から得られた原料を用いたものであり、一定の病原体の不活化 ・除去が行われているもの」ということでございまして、これはヘパリンなどそういう 単純な動物の成分を集めてきて、そういうところから抽出をして造ってくると。その後 熱処理や化学処理等を行って、最終的に製品化をしていくような製品群でございます。 また横表のリストでございますけれども、具体的にはカテゴリー5という部分でござい まして、例えばここに入っているものですとコンドロイチン硫酸ナトリウム、また幼牛 血の抽出物、動物由来のインスリン、動物由来の性腺刺激ホルモンといったようなもの、 あと動物由来のトロンビンやヘパリン等々といったものがこの中に入ってきておりま す。大体ここまでの範囲が特定生物由来、生物由来製品として感染症のリスクが考え得 るところで、そのリスクが特に大きいものとより低いものというところで、特定生物由 来製品、生物由来製品という形で分けさせていただいた範囲でございます。  それから資料2-1の(3)でございますけれども、生物由来の原材料を用いているもの であっても、指定の対象とならないものは、現在の科学的知見において、感染症のリス クの蓋然性が低いものの中にあるわけでございまして、それがここに(1)、(2)、(3)と書い てございますけれども、(1)は動物から抽出してくるような原料を用いたものでございま して、例えば強度のアルカリ処理とか、オートクレーブにかけるような高温、過激な処 理等を行うもの、又は投与経路、経口や経皮といった部分から見ても明らかに感染症に ついてのリスクの蓋然性が低いと考えられるようなもの。これはゼラチンが例に挙がっ ておりますけれども、そういうものは基本的に指定の対象とする必要性はないのではな いかと。それから(2)でございますけれども、いろいろな細菌を使うようなケースでも病 原菌を使用せずに、またその病原菌を増やす過程でも人・動物の血清等を用いていない ようなものについては、明らかにリスクの蓋然性が低いだろうと。具体例では、一番極 端な話では乳酸菌製剤のようなものもございますし、もう少し進んだものですと大腸菌 から造ってくるような形、またインスリンのような遺伝子組換えの製剤ですとか、抗生 物質もこのグループに入ってまいります。また(3)でございますけれども、人獣共通感染 症の蓋然性の低い動物原料を使ったものということで、例えば蚕の糸を使ったような医 療用具ですとか、サメなどの魚類から抽出されるような原料、ここにコンドロイチン硫 酸が挙がっておりますけれども、そういったものについては基本的に指定をする必要は ないだろうということでございます。先ほどの横表の資料ですと、特に細かい説明は申 し上げませんけれども、カテゴリー6などに該当するものということで、一応どんなも のが具体的にあるかということはそちらの方に例示してございますので、また審議の中 で御覧いただければと思っております。  それから「(4)その他」というところでございまして、こういった分類のベースにあ る議論でございますけれども、近年のBSE対策というものがございます。その中で反 芻動物原料については原産国、使用部位の規制を行っておりまして、BSEの発生リス クの高い国ですとか、BSEの伝播リスクの高い臓器は反芻動物原料の中でも使用でき ないという規制を平成12年から行っているところでございます。これもまた後ほど御議 論いただく基準の中でも更に明確化いたしまして、BSEに関する製品のリスクについ ては、そういった根っこからリスクが高いものを使わないという対応を採ることにより まして、特にここでBSEに関連するリスクを特段考慮する必要はないという形での考 え方になっているところです。  続きまして3ページでございますが、2ページまでは割とクリアカットに特定生物由 来製品、生物由来製品というものが分かり得るところの御紹介をしてまいりましたけれ ども、実際には特定生物由来及び生物由来製品の指定の区分のどちらに入るかといった 議論を行う必要があるものが多々ございます。一つには(1)の人血液成分を製造工程中 で使用する場合、例えば遺伝子組換え製剤の安定剤、遺伝子組換え製剤を産生する細胞 の培地等に使用するような人血液成分、人アルブミン等を使っているものについてどの ように考えるかというところがございます。ここでは物によっては特定生物由来製品で あるし、物によってはそうでないということを書いてございますが、(1)としまして人血 液成分の製品中での含有量や、実際に製造工程で使った場合の残存量を各製品ごとに見 ていきまして、それを標準的な治療期間において使用した場合に、一体どれだけの累積 量があるかといった部分を計算してまいります。それとこれは純粋な血液製剤たるアル ブミンでございますけれども、そういったものが標準的な治療に用いられる場合の投与 期間や投与量をベースに、それを基準量という形で置いておくと。実際の個別の製品を 評価する上での累積量とアルブミン製剤の基準量を比較していきまして、それによって リスクを比較考慮していくという考え方が書かれております。  (2)の部分に「累積量」と書いてございますが、むしろここはアルブミンの使用期間や 使用量が、一般的にそういう使用期間中に暴露される人アルブミンのドナー数や人アル ブミンのリスクにも比例すると考えるものでございます。ですので、そういう累積量や 投与期間というようなファクターを考えていかざるを得ないだろうということを申し上 げているものでございます。  (3)でございますけれども、アルブミン自体がここ10年間において特に感染症発生事例 がないという前提の下に、各製剤ごとのアルブミン含有量等の累積量と基準量を比較し た値において、その基準量に満たないようなものであれば、それは血液製剤たるアルブ ミンよりも当然リスクが低いという形で定量的に考えるわけでございますので、そうい ったものは血液製剤並びの特定生物由来製品に指定するまでもないというところで、生 物由来製品に指定するという考え方でございます。こういう考え方をしていきますと、 遺伝子組換えの人第VIII因子製剤、具体的にはリコネイトとコージネイトという二つの製 剤がございますけれども、これらについてはそれぞれの製品中に含有するアルブミンの 累積量が基準量を上回るということで、特定生物由来製品の指定の対象となり得るもの であるわけでございます。ただし、「以下の場合」というところも規定しておりまして、 原則としてそういう基準量に満たないものであったとしても、特定生物由来製品に指定 する場合があるというところを書かせていただいております。それは「(ア)」と「(イ)」 というところでございますけれども、疾病によってはその製品を一生涯使用するものが あるわけでございまして、仮にアルブミン自体の累積量が小さいものであっても、未知 のリスクに対するより予防的な対応が必要であるという観点があります。また、同一成 分かつ同効製剤が特定生物由来製品である場合には、当然その製品の管理の問題や医療 機関における管理といったところで、他の製品が特定なのにこれだけ特定ではないとい うところは、なかなか難しい対応を迫られるところもあるわけでございますので、適正 使用という観点からも特定生物由来製品に指定する場合があるということは書いてござ います。これは具体的に何を意味しているかといいますと、遺伝子組換えの第VIII因子製 剤の中でも、3品目あるうちの2品目は先ほどの原則ルールどおりでございますけれど も、アルブミンの含量が非常に少ないものが1品目ございます。これはコージネイトF Sという第二世代の第VIII因子製剤でございますけれども、そういうものにおいてもこの (ア)と(イ)という原則を使って考えていきますと、やはり他の第VIII因子製剤と同様に特 定生物由来製品に指定するのが適当だろうということをここで書いているものでござい ます。  それがアルブミンを含有するような製剤に対する基本的な考え方でございますけれど も、(2)、(3)はもう少し未来の話でございます。将来的に遺伝子治療用医薬品や遺伝 子組換え生ワクチンというものも出てまいりますけれども、これは現時点ではまだ具体 的な製品があるわけではございませんし、製造方法としてもなかなか難しいものでござ います。こういったものが実際に出てきた場合に、個別の製品のリスクにかんがみて、 特定生物由来製品なのか生物由来製品なのかを当てはめていくと、そういった考え方を ここで示させていただいているものでございます。大体そういうことでございまして、 このような考え方に従いましてお手持ちのリストにございますように、特定生物由来製 品が約260余り、生物由来製品としましては681という形での整理を行っているもので ございます。  一応医薬品の方をメインにお話しいたしましたけれども、資料2-2-2の横表のリスト の一番後ろのところに医療用具に関しても同様に例示をさせていただいておりまして、 医療用具においては特にカテーテル等の表面にコーティングするような製品が主にござ いまして、そのようなところでウロキナーゼやヘパリンといった表面にコーティングを されるようなものがここに入っているわけでございます。小委員会での審議の報告とい うのは以上でございます。 ──説明途中、審議官入室 清水委員着席── ○早川座長 ありがとうございました。ただいまの資料による報告につきまして、御質 問あるいは御意見等がございましたら、よろしくお願いいたします。今主に御説明いた だいた資料2-1の「生物由来製品の指定の考え方について(案)」というのは、先ほど御 紹介がございましたように実は小委員会を5回ほど開きまして、そのときの資料として は主には資料2-2-1というもう少し詳しいものをベースに議論いたしまして、その中で いろいろな議論の分かれ道もあったわけでありますけれども、それを整理して資料2-2-2 という形でそれぞれ指定案を作ったと。その全体の話をもう一度総まとめにして作った のが資料2-1でございます。資料2-1につきましては、そういう意味では大筋において ほとんど小委員会の議論も含めて反映していると思いますが、細かなところについては まだ字句的にずれるところは多少あるかとは思いますけれども、大きな議論としてはこ ういう整理でやらせていただいたというまとめでございます。先生、どうぞ。 ○池田部会長 人アルブミンを添加して製造工程で第VIII因子の例をとって今御説明いた だいたのですが、仮に組換えのアルブミンを使った製造工程になった場合、一生涯使用 されるとか、あるいは血液製剤で同効のほかの製剤が特定に指定されているからという 意見は生きてくるのですか。 ○事務局 今現実に遺伝子組換えのアルブミンは承認された形ではまだ存在してござい ません。当然将来的にはどんどんそういう形で置き換わっていくだろうということは想 定されているわけでございますが、そのときの状況というもの、同一成分かつ同効とい うものが実際臨床現場でどういった状況になっているのかといった状況も踏まえなが ら、実際にそういう製品が出てきたときにはこの(ア)と(イ)という部分も勘案して決め ていくことになっていくだろうと。ただ、現状ではそういうものがあるわけではござい ませんので、どういう形で指定するということを約束することはなかなか難しいのでは ないかと事務局は考えてございます。 ○池田部会長 その後の条件というのは、ここでの製品を指定するのとはちょっと観点 が違った議論ですよね。やはり血液事業という観点からの配慮があってそうなるわけで、 ここでの製品の区分けという意味からいうと、組換えアルブミンを恐らくそのまま使う ことになると思いますし、FDAなどでも非常に注目して、人に大量に使わなくても添 加品として組換えを既に使っていったらいいではないかという話があるやに聞いており ます。私よりもむしろ倉田先生や早川先生の方がお詳しいと思いますが、ですからやは りその辺で議論をちょっとクリアにしておいた方がいいのかなという気がしたのです が。 ○事務局 この整理からいいますと、科学的には遺伝子組換えのアルブミンになった場 合には、このような人アルブミンを添加したような考え方はもはや採る必要はなくなる だろうということではあると思います。 ○池田部会長 ただ血液事業の観点からいったら、また別の考え方で整理するというこ とでいいのですか。 ○事務局 ただ、指定の議論というのはできるだけ科学的なベースに基づいて行うべき だろうということで、実際に新しい製品が出てきたときも踏まえて対応することになる だろうということです。 ○早川座長 ほかにどなたかございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。 今の池田先生の御質問は結局最終的に指定という場合に、私どもの小委員会あるいはこ の部会としては、できるだけ最大限科学的に物事を考えてどういう指定をすべきかを考 える会議であると理解して、議論したいということでございます。最終的にどういう形 になるかというのは、多分ほかのいろいろな事業との関係や社会的、文化的背景もござ いますから、いずれにしてもこのことの指定自体が、特定あるいは生物由来その他…。 結局実際に感染症が起こる可能性がこれだけあるとかないという話ではなくて、起こる 可能性の高さをある程度仕分けしていっているということで、本当は起こってはいけな いけれども、起こったときにどういうふうに対応、対策をしていくかということも含め て、万全を期しているという考え方だろうと思うのです。そういう意味では、起こるこ とを想定しているわけではありませんが、起こったときにどう対応するかということも 含めて考えているということです。科学的にはそういうことですけれども、これは必ず しも1足す1の世界ではないというか、いろいろなグレーゾーンがあって、そこはほか の要素をどこかで加味して最終的な指定案ができてくると私は理解しているのですが、 そういうことでよろしいでしょうか。ここは科学的にやるといっても、100%科学的にス パスパッという割り切りはできない、可能な限り科学的に仕分けをしていくというふう に考えて…。どうぞ。 ○小室委員 記載の問題で、資料2-1とその後に来ました資料2-2-1でBSEについて の記載に若干ずれがあるように思うのです。今説明いただいた資料の2ページの一番下 から2行目は「考慮する必要はないものと考えられている」という表現になっておりま す。それから資料2-2-1の8ページの下から二つ目は、「極めて低いという前提での評 価となる」と若干ニュアンスが違うのです。これのどういうところが引っ掛かるかとい うと、実は牛由来の  という問題がBSEの危険ということで生物由来に指定したと いう経緯があるかと思うので、この表現をどういうふうにするか統一した方がいいので はないかと思うのです。 ○早川座長 これは当然生物由来ということも考えているはずで、ただ対策としては別 途講じてあるのでという意味ですよね。ですから、そこら辺はこのまとめの表現を…。 ○事務局 表現をオリジナルの方と整合させていただきたいと思います。 ○早川座長 藤上先生、どうぞ。 ○藤上委員 また元に戻って申し訳ないのですが、第VIII因子製剤の遺伝子組換えのもの が3種類あるとおっしゃいましたけれども、その遺伝子組換えの基は何かの動物の細胞 でしたね。それで人アルブミンが添加されている場合には特定の方に入るということで すけれども、ちょっとほかから聞いたところでは、アルブミンを使わない遺伝子組換え の第VIII因子製剤が出るのではないかという話があるのです。基が動物由来の細胞を使っ ているとするならば、BSEのようなことを考えますと、将来的にもしかして未知の感 染症が起きるようなことがあるのではないのかなと思ったのですが、それはどうなので しょうか。 ○早川座長 ちょっと小委員会の議論の立脚点だけ私の方から御説明したいと思いま す。小委員会の議論としては、やはり未知という話をすると限りなくあらゆることが未 知になってしまって、議論の収束点がないと。したがって、現在考え得るベストの知識 と技術をベースにしてこういう指定は議論しましょうということであって、この中に見 直し規定もございますけれども、将来いろいろな情報が出てきたときには当然それに対 応して議論し直すと、小委員会の立脚点はそういうことでございました。  それから動物由来のことにつきましては、遺伝子組換え第VIII因子を動物細胞から造る ということでありますけれども、国際的な合意の中で行われているやり方であって、こ れは細胞バンクといっていますが、動物細胞に対して徹底的にウイルス学的な検証をす ると。それから培養した後でもウイルス学的なテストはきちんとすると。そこからまた 出てきた製品についてもしかるべき時点で適切なテストもしますし、あとはウイルス除 去、不活化という工程の評価をきちんとすると。そういう幾つかのセーフティーネット の組合せの中で、世界的には国際合意としてそういうやり方でやりましょうということ ですので、そこのことを更にはみ出て動物細胞には未知の云々があるということを我が 国がいきなり言い出すということは、ちょっと国際的な観点からいうと違いますし、そ ういうことは今問題にはなっていないことでございます。それでこういう整理にしたと。 ただ、アルブミンについては先ほど御説明があったようなことで、長年使うことや適正 使用の観点からある分類をしましょうという説明というか、我々の理解としてはそうい うふうに議論をしました。どうぞ。 ○長谷川委員 今までのお話に若干関連するのかもしれませんけれども、今御説明のあ りました(1)、(2)、(3)の考え方と(4)のBSEとの関係についてお聞きしたいので すが、手っ取り早くいくとこのBSE対策での考え方と今回の(1)、(2)、(3)の考え 方のどちらを優先するのかというところ。もっと具体的に言いますと、例えばBSE発 生国からの反芻動物材料を使ったけれども、例えば(3)の(1)に該当するものはどうなの だろうかということ。あるいは資料2-2-2の最終的に指定されない予定の品目の中に幾 つか牛を使った材料がございますけれども、これについてはBSE発生国でないところ からの牛という確認がされているという前提の理解でよろしいのかどうか。 ○早川座長 そういうことだと思いますが、事務局の方からもし御説明があれば…。 ○事務局 BSE関係の原料の規制という部分については、また後ほど42条基準、原料 基準のところでもお話し申し上げますが、このBSEの(4)がすべての前提でございま す。ですから、原則的にはBSE対策によって原産国、使用部位が不適切なものは使用 しないというベースの上に、このような特定生物由来、生物由来という整理が成り立っ ているというのがここでの構造でございます。 ○早川座長 よろしゅうございますか。先ほどの文言がちょっと誤解を招く?BSEに 関しては、これは並列というか、もともとこれが前提であるということです。 ○菅谷委員 今のBSEの牛の問題は必ずしもそうは言えないのではないですか。発生 していない国からの牛…、日本の牛は絶対に安全だと言ってきましたが、そうではなか ったでしょう。ですから、そんなことでこの議論はできないのではないですか。それで 何が担保できるのですか。 ○事務局 BSEに関する部分をもう少し細かく御説明させていただきますと、確かに 菅谷委員がおっしゃるように、発生していないからといってその国が安全という保証は どこにもございません。それは日本での昨年の事例が正しく示しているようなことだと 私どもは考えております。そこで今現在厚生労働省の医薬品関係で対応させていただい ておりますBSE対策は、ただ単にその国が発生国でないからその国は使っていいとい うことではなくて、実際にEUや国際獣疫事務局等の評価において、その国がきちんと BSE対策をやっている、またサーベイランス等もきちんとやっているという評価を受 けた国のみ使用できるような形での対応を採らせていただいております。もちろんそれ でもやはりリスクが完全に否定できないだろうという議論もございまして、基本的に牛 の部位においてもそのリスクが高い部位については、EU委員会や国際獣疫事務局で評 価されている国でも使用しないという形で、そこは二重に予防線を張るような形で対応 させていただいております。そういった事項につきましては、すべて承認書の中に原産 国や使用部位、と蓄場単位の話まで規定させていただきまして、実際に承認審査の中で そういったものの確認をさせていただいているのが現在のBSE対策でございます。 ○早川座長 どうぞ。 ○菅谷委員 原則的にはそうかもしれませんけれども、外国がそういうきちんとした対 応を採っているということはどこまで信用できるか、ここが問題なのです。今までの流 れを見てもそれほど信用できるような状況ではないわけでしょう。自分の国では使いた くないけれども、人の国には売りつけるという国がたくさんあるわけです。そのような 中でどうやってそういうものを担保するのですか。疑ってかからなければこういう仕事 はできないですよ。 ○早川座長 BSEの問題については、またそれ自体としていろいろ議論が大きいと思 うのですが、今ちょっと事務局からも御説明があったように、まず発生国というのは発 生しているかどうかということに関してきちんとサーベイランスシステムがあって、そ の結果として発生していないと認定すると、それが一つの担保です。それから次は、も ちろんそこには感染動物はいないわけですから、感染動物から試料は採らないというこ とがその中に必然的に入っているわけですけれども、同時に今ちょっと御説明があった ように、国際的にここは特定危険部位であると定められている部位に関しては、発生し ている発生していないということにかかわらず、全部排除しているという対策を採って いる。我が国は更にそこは国際社会より超予防的というか、更に厳しい基準で危険部位 とされるものを排除していっているわけです。そういうことを前提にして今の議論を考 えましょうということでありますので、どこの国からであれその部位に関しては使用で きないと。幅広に採った部位に関しても使用できないと。そこ由来の材料も使用できな いと。そういう対策を前提にしてこの議論が成り立っているというふうに私どもは考え て、小委員会では議論いたしました。  それからもう一つは、その後のBSEの不活化・除去というか、製法がそれにかなう のかどうかという点に関しても小委員会ではかなり議論をして、相当ハードなところで これだけの処理をしているから、もし万が一入ってきてもプリオン自体は不活化・除去 されるでしょうということも含めて、例えばカテゴリー6のようなものはしていったと いう経緯でございます。 ○審議官 せっかくBSEについて御意見を頂いたので、場合によっては(4)のところ をもう少し書いて、それから今BSEをやっている条件といいますか、こういうことを やっているということを書いていただいて、その上でこれを考えているということをや はりしっかりした方がいいのではないかと思うのですが。 ○早川座長 おっしゃるとおりですね。ですからここの指定の考え方については、もう 少しいろいろな意味で疑問に対してクリアになるように整備した方がいいとは思いま す。先生、どうぞ。 ○菅谷委員 今の議論は国内のものについては検証できますから、それは分かります。 しかし外国から輸入したものについては検証できていないわけですから、そういう議論 はだれがどうやって担保するのですかと言っているのです。 ○早川座長 外国由来のものについても一時期の点検でもって検証しているはずです。 ちょっと御説明いただけますか。 ○事務局 こちらのBSE対策の関係は、確かにいろいろな国からの牛の原料が使われ ているというのが実情でございますけれども、実際にどこの国のどういうところから原 料を買っているかということを一応平成12年のBSE対策の中で一度総点検をさせて いただいたということがございます。その上で、実際にどこから買っているかという証 明書等も製造事業者において取っていただいて、そういったものを私どもの方でも必要 に応じて承認審査の中で確認をしながら、一個一個承認書の中に原産国を書いていった という格好でございます。承認書の中に原産国、部位を明記していくことは、当然それ に違反するものにおいては、薬事法上の査察ですとかそれに基づく行政処分を受けるこ とになりますので、そういった意味での明確な抑止的効果というものを踏まえて対応を 採らせていただいているというのが現状でございます。 ○審議官 それから今回の薬事法改正で、外国の製造所でも立ち入るということをちょ っと説明してください。 ○事務局 それからさきの通常国会において改正された薬事法におきましても、今まで は製造施設等については国内のみ査察に行けるという制度でございましたけれども、平 成17年以降については海外の製造施設その他関連施設について、厚生労働省なり国と同 等の機関が外国まで直接的に査察まで行けるという形での規定を盛り込ませていただき まして、そういう実際現地での確認能力についても行政の対応を強化させていただくこ とになっております。 ○早川座長 先生、どうぞ。 ○菅谷委員 今までは業者が出してきた資料についてすべて信用してきたと。それが間 違いのもとだったわけで、それで対応するということは安全を担保したということには 一つもならないわけです。平気でいい加減な資料を提供してきているのが今までの例で すから、そういう意味できちんとした対応がどうやって採れるのか、そこがなければこ れは安全だから外していいということは簡単には言えない。これは感染が起こってから いろいろな対応を採っても遅いわけで、感染が起こらないような条件をきちんと決めた 上で、なおかつ未知のもので起こったということはやむを得ない話ですけれども、軽々 しく現在大丈夫だから、業者がきちんとやっているから安全だと、だから外していいと いうことで対応するのは今までの対応です。そういうことでは駄目だからもっときちん としようということになってきているわけで、やはりその辺はきちんと対応しないと、 今考えられる科学的根拠はこれだからいいのだということには私はならないと思うので す。そういう意味でもっときちんとした対応をすべきであって、この問題は幾ら規制を 加えてもいいわけで、規制を外すことによってむしろ問題の方が大きくなります。特に 外国の製品についてはそんな軽々しく信用できるような会社はありませんから、そうい う意味できちんとした対応を採らなければいけないし、特に日本でやっている状況と同 じ状況を外国に求めなければならない。外国の状況にこちらが合わせていることでは駄 目で、国内の製品だけきちんとした対応を採らせて、外国の方は業者任せだという対応 は採ってはなりません。やはり同じ条件できちんとした対応が採れるようにもっていか なければいけないので、そこがこれからの対応で一番求められているところではないの かということを申し上げたい。 ○早川座長 事務局から何かございますか。 ○事務局 菅谷委員が御指摘いただいた点については、正しく薬事法改正を行う際のさ きの通常国会でも同じような御意見を多数承ったところでございます。そういうところ もございまして、やはり品質、安全の管理、強化という観点からすれば、国内、海外を 問わず対応していくのが今の考え方でございますし、改正薬事法においてもそういった 観点から、国内だけではなく外国の製造施設に対してもきちんと査察に行けるような形 での対応ということで薬事法改正をやってきたわけでございます。そういう趣旨から考 えまして、当然行政対応として今後も改善していく点がまだ多々あるかと思いますけれ ども、そういう形で改正薬事法の下で国内外の対応という部分については、私どもも十 分に留意して対応させていただきたいと思っております。 ○早川座長 小委員会としてもBSEに関しては外国あるいは国内を問わず、同じ基準 でそういう意味での規制がかかった上での話であると理解して議論をしたということで ございます。どうぞ。 ○菅谷委員 先ほどからの説明を聞いていると、簡単に言えば人由来のものは危なくて、 動物由来は安全だというふうに聞こえるのですが、それでいいのですか。 ○早川座長 これは人由来のものは安全ではなくて、動物由来のものは安全であるとい うことではなくて、一つ一つどういうソースから来たのか、どういう部位を使っている のか、製品に至るまでにどういう措置をしているのかと。その前に原料に対してどうい う制限をかけているのか、BSEなどは特にそういうことだと思いますが、そういうこ とをすべて総合的に勘案して議論をさせていただいたということでございます。ですか ら、これは国内、国外、人、動物…、必ずしも人だから安全ではないということからス タートしている議論ではないと。あくまで科学的な意味で動物であってもリスキーなも のはリスクがあると。人間であっても処理の仕方によっては、製品としてはこういうリ スクの程度でしょうという科学的な議論をした結果がこれであると。私どもとしてはそ ういうつもりなのですが、倉田先生、何か。 ○倉田座長代理 今菅谷委員のおっしゃったことは非常にごもっともですが、そうする とあとは外国製品の一つ一つについて日本で再チェックするかという話かなと。現在の 科学的レベルで判断するしかないと我々は考えてきたわけですが、その技術はBSEに 対しては特にそうですから、HIVのときにも遺伝子レベルでチェックされていた時代 でないときにいろいろなことが起こったわけですが、HIVの遺伝子がチェックできる ようになって、それが今感染が起こってから2週間後くらいなら確実にできると。では 2週間以内はどうかということは、今の技術では分からないわけです。ということで、 このBSEに関しても、今の検査レベルで行きますとまだ見えないところが確かにある わけです。その辺については今分かっている過去の事実と技術的な事実で判断するか、 あるいはそうでなければ使わないと、どちらかしか結論は出ないと思うのです。それが 医療上必要であるならば、それは現在100%安全ですと言い切れるのかどうかというの は、今言われたようにそれは科学ですから言えないと思います。もう一つは例えばポリ オのワクチンですが、あの製造工程の中でBSEの分子が入っているとして計算してい ったときに、実際に1ドーズの子供に投与される量で行きますと、それは10の10乗分 の1〜10の30乗分の1と。10の10乗というのは100億ですから、100億分の1と。そ ういうリスクはゼロではないのですね。そういうものを許容するかしないかという議論 になっていくわけです。そこは現実的なことも考えて、今の技術でこういうことはここ まで分かっていると、そこまでこういう総合的なところに記載するかどうかは別として、 必要ならばそうするか、あるいは今ある技術ですべての製品をチェックし直すかという ことになってきて、かなり混迷するかなと思います。先ほど座長が言いましたように、 私はそれを使うならば今分かっている範囲内の技術で判断していくしかないだろうとい うふうに考えております。 ○早川座長 先生、よろしゅうございますか。 ○菅谷委員 少ししつこく確認したかっただけのことでして、そういう対応できちんと やれるという現在の状況であれば、これはそれで行かざるを得ないというふうには思い ます。 ○早川座長 ありがとうございます。それではほかにどなたか御質問ございますでしょ うか。それでは先ほど御提案がございましたように、BSEの件についてはもう少し考 え方のところをきちんとまとめ直すということ、あるいはほかにももう少し細かく見直 した方がいいなというところもございますので、考え方についてはもちろん大筋はこれ で結構なのですが、細かなことも含めて少し修正をした上でやると。これについては公 表か何かされるのでしょうか。 ○事務局 指定の考え方と指定案につきましては、薬事法のこの部分の施行が来年の7 月ということで、製造上の準備体制を進めなければならないという状況でもございます し、また一方で患者の方々等の関心も非常に強い事項でもございますので、今御指摘が ございました資料2-1については文言と中身を修正させていただきまして、座長に御確 認いただいた上で公表させていただきたいと考えております。それと指定の実際の品目 の案でございますが、まだ個別の品目名を出すところにおいては、当該企業の確認等も 得ていないという状況でもございますので、本日資料2-3という形でお配りをしており ます成分名の一覧という形で、この指定の考え方と併せて公表の対応を採らせていただ ければと考えております。以上でございます。 ○早川座長 それでは今のお話にございましたように、資料2-1は私どもや部会長とも 御相談をしながら少し修正をして、それから資料2-3は結局この会議の暫定案ですね。 現時点での一つの考え方案であるということで、取りあえず関係者に投げ掛けるという 措置を採らせていただいて、そこからまた御意見を承るということですね。そういうや り方でよろしゅうございますでしょうか。特に御意見がないようでしたら、そういう手 続きでやらせていただきます。  それでは引き続きまして、資料3に当たるかと思いますが、議題2の「生物由来製品 の記録の保存について」ということに関して、事務局の方から現時点での案について御 報告いただきたいと思います。 ○事務局 引き続きまして資料3、議題2の「生物由来製品の記録の保存について」で ございます。資料3は小委員会の方で検討を受けた考え方の案を今回御提示させていた だきます。これはまだ小委員会の中で作ってまいりました案でございますので、またこ こからこの部会のお立場で引き続き御議論いただければと思っているところです。  感染症に関する記録の保管という部分におきましては、改正薬事法第68条の9におき まして、製造事業者については当然のことながら製造記録、販売記録を保管していただ くと。また特定生物由来製品におきましては、医師その他の医療関係者においても使用 対象者の住所、氏名等を記録していただくということが規定されているところでござい ます。  また国会における論点ということで、前回も御紹介申し上げましたけれども、記録の 保管期間については諸外国の例を参考とし、十分な期間を設定するということを国会で も付帯決議として付けられている状況でございます。ちなみに現在は血液製剤に係る行 政指導というところで、医療機関においては10年間記録を保存していただいているのが 現状でございます。  小委員会での記録の保管に関する議論での検討の方向性ということで、ここで三点書 いてございます。まず安全対策上の観点というところで、万が一未知、既知の感染症が 発生した場合に、その感染の拡大防止のための安全対策を講ずるのに必要な期間という ところが一点。それから、今回さきの臨時国会で感染症等被害救済制度を含めた医薬品 ・医療機器総合機構法というものが通りましたけれども、今後医薬品・医療機器等に起 因するような感染症が発生した場合に、そういったものに対する被害について救済する 制度を発足していくわけでございますが、その感染症救済の観点から、より遅発性の感 染症発症者を合理的に救済していくという観点で、どれだけ長い期間をとれば十分なの かという議論が一方でございます。それと外国での状況を見ていくということでござい ます。  引き続きまして2ページ、現時点での小委員会の検討状況における案でございますけ れども、特定生物由来製品におきましては、製造業者における記録の保存という部分に ついては30年を考えております。それに対しまして、医療機関における特定生物由来製 品の記録の保存については、20年という形で対応を検討させていただいております。ま た、生物由来製品については10年を原則といたしまして、その中で血液成分を含むよう なケース、血液成分の記録については30年をお願いするという案になっております。  この期間の考え方という部分は下の5以降に書いてございますけれども、安全対策に おいて感染者が出始めたところで速やかに措置を採るという観点から、想定される感染 症の大方の潜伏期間をカバーできる保存期間が最低限必要だろうということでございま す。その感染症が出始めたところでいろいろな行政庁に対する様々な製薬企業、医療機 器の企業なり、また医療機関からの副作用感染症報告を受けていって、さらにそこから 二次的な感染を防止する等の行政的な対応を採っていくということでございまして、そ ういう意味での安全対策における期間ということでございます。考え方といたしまして は、基本的に現在医療機関にお願いしております10年間の保管期間という部分、これは ウイルス性の感染症をベースにやっているところでございまして、いろいろと感染症に 関する潜伏期間のシミュレーション等を*印で事例も挙げさせていただいておりますけ れども、大体10年ということで書かせていただいております。またプリオン型の感染症 のリスクを考えていく場合に、特に最近vCJDという部分が血液製剤において注目さ れている現状を踏まえますと、そういったところは20年という設定をさせていただいて おります。この根拠になりますところは、この資料で行きますと5ページでございます けれども、「表3 プリオン型の感染症の過去の感染事例と潜伏期間について」というも のがございまして、平均的な感染症の潜伏期間が大体10年を超えるという実情ですと か、6ページでございますけれども、もし仮に日本でvCJDが感染爆発したようなケ ースをシミュレーションしてみまして、人口の0.2%に潜在的なリスクがあると仮定し ますと、潜伏期間という部分からいうと99%ぐらいのところは大体20年もあれば捕ま えることができるというシミュレーションも私どもの方でさせていただきまして、そう いう結果を基に20年と書かせていただいております。  3ページでございますけれども、今度は感染被害救済という点から考えていった場合 に、どれだけ合理的に最長の期間をカバーできるかということでございまして、そうい う最長の期間をカバーするという記録を持っていることが、製品との関連を示すための 記録として利用されるということでございます。一つにウイルス性の感染症であれば10 年という線でございますけれども、プリオン型の感染症であれば、先ほどの6ページの シミュレーションで行くと、最大限30年までとっておけば遅発性の感染症、プリオン型 のものが感染した場合でもぎりぎり拾えるだろうという観点で書かせていただいている ものでございます。ただ、(3)でございますけれども、当然未知の感染症への対応につ いては現時点では未知のものでもあり、現在知られている感染症を基に検討しているも のでございまして、新しいタイプの感染症が発生した場合には再検討をする必要性があ るという認識で対応を考えているところでございます。  6の記録の保存期間と対象となる製品ということでございますが、特定生物由来製品 という部分におきましては、ウイルス性の感染症のみならずvCJDといった問題が最 近出てきておりますので、そういった部分からプリオン型も十分含める形での期間の設 定が必要になってくるだろうと。また生物由来製品については、先ほどいろいろと御意 見もございましたけれども、BSE対策を徹底していくという観点からすれば、主にウ イルス性の感染症を想定したものを中心に考えていく必要があるだろうという形の議論 になってございます。  また7の記録の保管対象者でございますが、医薬品の製造業者というのは当然のこと ながら感染被害救済の観点からも十分な製造記録ですとか、ここでは販売先記録も今回 の薬事法改正の中に入ってございまして、実際にどういう医療機関にどのロットを納入 したかというところまで、きちんと記録を保管する形になっていくということでござい ます。それと医療機関においては、感染リスクの高いものについてより早期に感染症を 捕捉していただくという観点から、合理的な期間をという考え方でございます。  8の保管する記録の内容でございますが、製造業者においては採血記録を始めといた しまして、製造記録、ロット記録、出荷先、医療機関に関する書類を電子媒体する場合 もございますけれども、そういったものを当然のことながら一定期間保管していただく と。4ページでございますけれども、医療機関においては、平成9年から行政指導で医 療機関にお願いしている血液管理簿と同じ考え方でございますけれども、投与日、処方 患者の氏名、住所、製品名、製品のロット番号、記号について保管をしていただくとい う考え方でございます。また特定生物由来製品につきましては、原因究明に供するとい う目的で、10年間の製品のロットサンプル、又は採血サンプルの保管を求めるというこ とをここで書かせていただいております。  大体考え方としてはそういう議論をしてきたところでございますけれども、諸外国で の記録の実態を5ページの表2にまとめさせていただいているところです。例えば米国 におきましては、記録の保管義務ということでは採血施設、製造事業者で10年の記録の 保管をしていると。また一方医療機関におけるカルテの保存年限は、米国においては5 年でございます。ただ、EU域内のようにvCJD等の対策が実際に目の前に迫られて いる国というレベルのところでは、記録の保管等もかなり長めにとっているのが現状で ございまして、極端な例で申しますとフランスは40年、医療機関でのカルテ保存期間、 実際の採血事業者なり、血液製造業者、医療機関共々40年記録を保管していると。また、 ドイツにおいても医療機関のカルテ保管は10年という形ですけれども、製造業者、医療 機関におけるこういう使用記録等の保管については15年という形で対応を採っている と。英国については具体的に規制の要件はございませんが、実態としては大体採血業者 において15〜30年、医療機関のカルテ保管期間は8年という実情でございます。またE U全域というところで見てまいりますと、現在欧州議会において血液製剤に関する法令 ということで検討作業が進められておりまして、それは年内にも欧州議会を通過すると 欧州の担当者から聞いておりますが、そこでは採血業者、製造業者に対して30年間の記 録の保管を義務付けるということでございまして、その根拠としましては、やはりvC JDの可能性を踏まえた対応ということで御議論がされてきたということだと聞いてお ります。そういうことで、こちらの小委員会の方で提出いただいた報告書のシミュレー ションの30年という部分と、欧州での対応の30年というところにおいては、国際的に も整合するような形のものとなることを御参考のために申し上げておきたいと思いま す。記録の保管については以上でございます。 ○早川座長 ありがとうございました。ただいまの御報告に関しまして、御意見、コメ ント等をお願いいたします。どうぞ。 ○土屋委員 もちろん30年、40年になりますと医療機関や製造メーカーがつぶれたり いろいろな事情があると思うのですが、そこの辺りの記録の保管はどのように担保され るのですか。 ○事務局 これから10年先、20年先、30年先、どのようなことが起こるか分からない というのが実情でございますけれども、そういった対応についても現在行政上の内部で は検討させていただいておりますので、また次回の審議のときにでもいろいろと御紹介 させていただければと思っております。 ○早川座長 よろしいですか。ほかにございますでしょうか。先生、どうぞ。 ○菅谷委員 基本的にはある程度の期間、むしろ長い方がいいのかもしれませんけれど も、特に患者救済という点を考えれば記録の保存は長い方が望ましいと私は思います。 ただ、これはちょっと確認しておきたいのですが、カルテの保存はそれぞれ各国によっ て決められておりますけれども、ここで言っている血液製剤等に対する記録の保存は特 に諸外国ではやっていないということですね。あるいは確認できなかった…。 ○事務局 今御質問の点はEUのところでございますでしょうか。 ○菅谷委員 いや、米国にしてもドイツにしても、医療機関が特に血液製剤についての 記録を別個にやっているという状況は特にない…。 ○事務局 ここの表の読み方でございますが、ドイツとフランスにおきまして、「医療 機関」を少し太字で書かせていただいておりますけれども、医療機関における血液製剤 の記録の保管をドイツにおいては15年、フランスでは40年という形で、製造業者と同 様の義務を課させていただいているということでございます。失礼いたしました。 ○菅谷委員 分かりました。医療機関がどの程度の期間保存すればいいかという問題は 私の見解は最初に述べたとおりですけれども、いろいろありますので医師会としてもそ れなりに検討してみたいと思っています。その結果をできれば次の機会にでも、御報告 したいと思っております。 ○早川座長 その点はどうぞよろしく御検討いただきたいと思います。ほかにございま すか。どうぞ、先生。 ○池田部会長 医療機関のカルテ、記録の保存はいいんですが、書面での記録に加えて 特定生物由来製品が非常に多岐に指定されることになって、それについて従来の製品ロ ット又は採血サンプルの保管を求めるということは大変なことになるだろうと予想され るのです。一つは、それをどういう仕組みで保存するかというような手順を早く作らせ ないと、恐らく有効に機能しないと思うのです。やはり患者のサンプルなりロットの長 期間にわたる保存というのは、医療施設によっては使用する患者数が毎日何百人という 可能性もありますね。ですからそういうことも含めると、どういうやり方でやるかとい う手順を示してあげることが親切だと思いますし…。製品ロット又は採血サンプルの保 管を求めるというのはそういう意味でしょう。 ○事務局 ここで言っている採血サンプル又は製品ロットの保管といいますのは、血液 製剤の製造業者又は製造業者に対して血漿等を提供する採血業者ということでございま すので、一般医療機関において院内採血等で輸血等を行っているものはここには含まれ ないということでございます。 ○池田部会長 そうですか。これは医療機関に求められているものではないのですね。 ○事務局 そういうものではございません。 ○池田部会長 違うのですね。そうすると、遡及調査のときに役に立つようにという意 味でこれを書いているわけではないと。 ○事務局 そういうことではございません。 ○池田部会長 分かりました。 ○審議官 そこはやはり書かなければならないと思うのです。製造業者とか血液事業法 からいったら採血業者ということをきちんと…。 ○池田部会長 そうですね。そうでないと、ちょっと見ると医療機関が使用したロット とか採血サンプルを保管するということになると大変な作業ですので、これはもう画期 的なことになると思います。実はびっくりしまして、それは確実に書いて誤解のないよ うにしていただきたいと思います。 ○早川座長 ほかにございますでしょうか。それでは幾つか宿題も出ましたので、これ については宿題に対する調査あるいは回答も含めて、事務局の方から次回の部会でまた 報告を出していただいて、それについて審議をしたいと。それから医師会の方でも御検 討いただいて、その結果についてまた御報告いただき議論したいということで、この議 題についてはほかにはよろしゅうございますでしょうか。  続きまして、議題3の「生物由来原料基準について」の審議に移りたいと思います。 資料4でございますが、この基準について現時点での案について御説明お願いします。 ○事務局 引き続きまして資料4でございますが、生物由来原料基準について、小委員 会からの議論の御説明をさせていただきたいと思います。まず最初に資料4-2というイ メージ図がございます。ここでちょっと前提をお話しさせていただいた上で中身を御紹 介させていただこうと思います。資料4-1の2ページを開いていただきますと、「生物 由来原料基準の位置付けについて」というものがございます。これを少し御説明申し上 げて、今回資料4-1として出させていただいております原料基準がどういうふうに出来 上がっているかという概略を最初に御説明申し上げたいと思っております。  この生物由来原料基準という部分の考え方につきましては、生物由来製品、特定生物 由来製品に指定するいかんにかかわらず、生物由来の原料を実際医薬品等の製造に用い る際に守らなければいけない品質管理上の事項でございまして、それは有効成分だけで はなく、添加剤や製造工程中で使う培地においてもこの原則をお守りいただくための基 準を考えているものでございます。そういう論点の中で現行の42条基準、行政指導とい う部分がございますが、現在人血液製剤、このカラムでいうと上から二番目の部分にお きましては、生物学的製剤基準というものがございまして、いわゆる原料採取における 原料基準に近い部分が通則・血液製剤総則という部分に規定されていると。一方で製品 の品質確保に関する部分の各条の基準というものがありまして、それが製品基準という 形で設けられている構成になってございます。これはワクチンなどについても、同様に 生物学的製剤基準が設けられているような格好になっております。一方で一番上のカラ ムでございますが、「細胞組織医薬品・医療機器」というものがございまして、これは 先ほど申し上げた培養皮膚や培養軟骨といったものでございますが、こういうものにつ いては昨年に細胞組織医薬品・医療用具基準という形で、いわゆるドナースクリーニン グから品質管理までのまた別の基準を設けさせていただいております。これも現行の薬 事法42条の基準でございます。ここは総則的な基準でございまして、製品に関する各条 はない格好になっています。同様に真ん中の方に自己由来の細胞組織ですとか、動物細 胞由来、例えば豚の肝臓等を使った代用臓器のような医療機器というものが前提になっ てまいりますけれども、そういうものについても細胞組織医薬品・医療用具基準が該当 するという格好になっております。それと通常の医薬品一般ということでございますけ れども、動物由来である場合には健康な動物というものを規定させていただいて、いわ ゆると蓄場場法など食品法規の方とも整合性をとった形での健康動物由来というものを 定めさせていただいているのが現状でございます。  いわゆる原料に関してはそういう形で、既に特に血液製剤や細胞組織については基準 が定められているところでございますけれども、この総則的な原料基準について今回指 定の対象となるような製品群にも広げていくというのが、生物由来原料基準の対象のイ メージでございます。その対象を広げていく上で、現在行政指導でやっているような様 々な原料採取の基準というところで、例えば遺伝子組換え製剤であれば、先ほど座長の 方から御紹介がございましたICHという国際的なガイドラインがございますけれど も、そういうものを引用した形での基準作りといったものを踏まえて対応させていただ くということで、行政指導の部分をより明確な形でこの42条基準の中に放り込んで、特 定生物由来製品から生物由来製品、又はその他の医薬品であっても生物由来の原料を使 うものについては、そういったものの品質の適切性を確保するための基準を作っていく という形での対応を検討しているわけでございます。一方では、先ほど申しました血液 製剤やワクチン等の現行の生物学的製剤基準の製品各条という部分、製品基準につきま しては、この総則的な生物由来原料基準とはまた別の基準という形で再度整理をさせて いただくということで、別途作業を進めているところでございます。  そういう前提の下で資料4-1の「生物由来原料基準(案)」に入ってまいりますけれど も、この通則の案に書かれているところというのは、製造に使用されるあらゆる成分に 関する品質、有効性、安全性を確保する目的で、講ずべき必要な措置を定める基準であ るということでございます。まず最初に血液製剤のところから入ってまいりまして、「血 液製剤総則」という部分がございます。ここは原則的に現行の生物学的製剤基準の生物 学的製剤総則を、ある意味ではそのまま準用して写させていただいた形になってござい ますが、現行の総則と違うところは、輸血用血液製剤と血漿分画製剤において基準の項 目を分けているところでございます。これは特に輸血用血液製剤と血漿分画製剤におい ては実際の採血方法が違っている部分があったり、そういう方法論的な違いがあるよう なところもございますので、そこは書き分けをさせていただいているところでございま す。ただ、後ほど実際にこの議論を主に御担当いただいた小室先生にも御紹介いただこ うと思いますが、血漿分画製剤の原材料として用いる血液の検査項目、資料4-1の3ペ ージの下のところに枠囲いで書いてございますけれども、HTLV-1との対応をどのように するかというところについては、またこの部会でも御議論いただければと考えていると ころでございます。  4ページでございますけれども、ここからは血液以外の人由来の原料基準でございま して、まず下のところから「人細胞組織製品原料基準」が書いてございます。これにつ きましては、昨年の3月に告示として制定させていただきました人細胞組織基準という ことで、薬事バイオテクノロジー部会の方で御審議いただいたものでございますけれど も、その中身をほぼそのままこちらの方に書かせていただいている格好になっておりま す。ただ一点、5ページの下でございますけれども、昨年告示させていただきました基 準におきましては、細胞組織等のドナーの方に対する「説明と同意」という項目につい ては、その時点ではまだ告示の中には書いてございませんでした。しかし、行政対応と してはこういった部分を明確にするという観点もございまして、今回同意を得てきちん と説明を受けて無償で提供を受けた細胞組織のみを製造工程で使用するという規定を明 記させていただいたということが一点ございます。  6ページ以降は「人尿由来原材料基準」ということで、様々な検査を行うこと、不活 化処理等を行うことが規定されている部分。それから7ページからは「人由来原材料基 準」ということで、血液や尿、細胞組織以外のものから造ってくるものということで、 ここではセルバンク由来の原材料や、先ほど申し上げましたプラセンタのような臓器を 集めてきて造るようなもの、そういったものに対するウイルス感染の否定試験などを規 定している形になってございます。  また8ページ以降は動物由来の原材料の基準ということで、まず一番始めにBSEに 関する部分の反芻動物より採取された原材料ということで、使用してはならない部位、 また国際的にもきちんとBSE対策が評価されている国をリストアップさせていただき ます。また、その記録の上でも原産国、と蓄日その他必要な記録を明記していただくと いうことを、42条基準というのは強制基準の上でも明確にさせていただいているところ です。また8ページの下のところ、ちょっと切れてしまっていますけれども、「動物細 胞組織製品原材料基準」ということで、実際に動物の臓器や細胞をそのままお使いいた だいて、医薬品、医療機器の製造に用いるというものです。具体的には先ほど申しまし た豚の肝臓代用臓器や、再生医療に用いるような材料を提供するものなどが対象になっ てくるわけでございます。ここにおいては動物の飼育管理という部分、また動物福祉の 精神というものまで、人組織に対する倫理的な対応と並んで書かせていただいているも のでございます。またウイルス検査等もここに規定をしているというところです。  10ページでございますけれども、ここでは「動物由来原料基準」ということで、動物 の細胞組織を使ったもの以外の動物の組織等から抽出してくるような原材料、また動物 のセルバンクを使って製造するような医薬品に関するウイルスの否定試験、その他不活 化・除去処理といったようなものにつきまして、ここで規定をしているという形になっ ております。  少し細々と御説明を申し上げましたけれども、大体こういうことでいわゆる医薬品・ 医療機器等に使われる生物由来の原材料につきまして、原材料の受入の部分、また使用 の部分において最低限守るべき基準ということで、それを適用する目的でこういう基準 案を今回御提示させていただく次第です。以上です。 ○早川座長 ありがとうございました。ただいま御説明がありましたように、現行の42 条基準で制定されている原料採取基準等、それからその他のものについては通知等で既 に原材料はこうあるべしと書かれてあること、それを一括して生物由来原料基準として こういうふうに作ったということでございます。先ほどちょっと触れられましたように、 3ページの「II.血漿分画製剤総則」のところの原材料に関するウイルステストに関して、 小室先生の方から資料が出されておりますので、先生の方から少し御説明いただけます でしょうか。 ○小室委員 資料といいますのは、この参考文献を小委員会に提出いたしまして、それ を基に事務局の方で作っていただいたもので、私は若干手を加えさせていただいたとい うものでございます。  この問題は現在二つの矛盾がございます。一つは、先ほど御説明のありました42条に 関連するところの基準の部分では、今現在ATL、HTLV-1のテストが規定されておりま せん。それが今現在なのです。しかしながら、行政指導といいますか通知のレベルでは 日本国内では陽性血を使ってはならないということでございまして、そこに矛盾がある わけです。では具体的にそれをどうしたらいいだろうかということを考えまして、それ らの科学的な解析、あるいは分析をさせていただきました。それがこの資料4-3でござ います。  簡単に御説明いたしますと、血漿成分でHTLV-1の感染は歴史的に過去20年近く起こ っていないと。それがまず第一点でございます。これは国内のデータが最初に報告され まして、その後外国でも同様のデータが報告されております。その機構は恐らく感染の レベルでは細胞の接触が必要であろうということが前提にございます。したがって、臨 床的に全く感染源が認められないものについて、あえてここでテストする必要があるか という問題がございます。ちなみに外国では輸血用血液、すなわち赤血球や血小板等で はテストしている国が、アメリカ、ドイツ等を含めまして数か国はございます。分画に ついては、テストする必要があるという基準を設けている国はございません。  そういうことで、これをどういうふうに扱うかというところが問題でございまして、 先ほどの基準と通知の問題だけではなくて、もう一点考えておかなければならないのは、 外国との整合性でございます。先ほど言いましたように、外国ではそれを基準で定めて いない、その根拠は科学的なデータをバックに作った基準であるということでございま して、ここに示しましたのはあくまでも科学的にはこう考えたらよろしいのではないか という案を事務局の方で作っていただいたということでございます。しかしながら、こ れが恐らく国会でも問題になっているという話も以前データの中でお聴きした記憶があ るものですから、その点については科学的な根拠プラスアルファという判断も必要かな ということは考えておりますが、取りあえずここに示しましたデータは科学的にはこの ように考えて妥当であろうというデータでございます。以上です。 ○早川座長 ありがとうございました。これは一つの典型的な例だと思いますが、科学 的に突き詰めていくとこうだという話と、あとプラスアルファをどういうふうに、もろ もろの周辺事情があるということについてどのように考えるかということではあるかと 思うのですが、これに関しましてどなたか御質問あるいはコメントがございましたら、 どうぞ。要は今輸血用血液製剤の原材料として用いる、これは2ページの4に書かれて いることですが、ここでは「ヒトリンパ球向性ウイルス型(HTLV-1)の血清学的検査を行 わなければならない」というくだりがあります。今の3ページの「II.血漿分画製剤総則」 の4になるのでしょうか、そこのところのHTLV-1が諸外国の事情、あるいは科学的に考 えて不要ではないかという御意見でございます。これは事務局の方で何かコメントとい うか、行政的というかその他の立場で何かございますか。 ○事務局 私どもが考えておりますのは、この基準を新たに作るという段階におきまし て、まず科学的な議論をベースに対応を採らせていただきたいと一時的には考えており ます。そういった意味でここで出ている案、また考え方についての妥当性がどうである かということを御審議いただきたいというのが、私どものこの部会に対するお願いでご ざいます。一方で、これを公表した際にいろいろな議論等が予想できる部分もございま すし、またこの基準案を出した段階で出てくる意見等についてどれだけ着実に対応をし ていくか、またこの案自体も血液事業部会等にも意見照会をする予定になってございま す。そういった中での議論を踏まえて、科学的なところをベースにしつつも修正するべ き点が出てくる場合には対応せざるを得ないだろうというふうには考えてております。 ○早川座長 分かりました。ということでございます。ですから、この部分に関しては この部会でも今すぐ結論を出す訳ではない。一応御提案があったということで、科学的 にはこうでしょうということではございます。私がパッと拝見しても確かに1ページの 3で輸血用血液製剤の原材料は、「(1)全血採血で採取したヒト血液」、それから2ペ ージに入って「(2)血液成分採血で採取した多血小板血漿又は濃厚血小板血漿」、「(3) 血液成分採血で採取した血漿」というくだりがあるわけです。採り方はそういうものを 材料にしますと。3ページの血漿分画製剤の原材料の(1)、(2)、(3)はそれと全く同 じことになっていまして、それで4に対する対応がHTLV-1が除かれると。サイエンティ フィックに申しますと、小室先生のおっしゃったとおりで私は100%賛成なのですが、 全血を血漿分画製剤の材料としますというくだりもあるものですから、そこをどういう ふうに整合性をとって考えるのか。あるいは諸外国の例からいえば御意見のとおりであ りますけれども、今までの基準とのすり合わせをどう考えるのか。もう少し議論をしな ければいけない部分があるようには思います。ですから、結局この全体を通じて1足す 1ですべて割り切れればいいのですけれども、あくまでサイエンスを追求しながら、プ ラスアルファの部分でどこかでいろいろな方々の御意見、制度との関係、基準との関係、 整合性も考えていかなければいけない問題かなと思います。特にこれに関して御発言は ございますでしょうか。ないようですから、ちょっと宿題的なことになりますが、これ は一応この会議が終わった後で世の中に公表するのでしょうか。 ── 倉田座長代理退席 ── ○事務局 確かに今回初めて御議論いただく基準案でございますので、また中身を精査 いただいて再度御議論を継続していただくという今の座長の御提案で私ども事務局も結 構かと思っております。この基準につきましても、いろいろな製造準備の関係、また関 係者の方々もこの内容について中身を早い段階で知りたいという御要望も来ております ので、一応平行して審議をしているものではございますが、もし差し支えなければ今日 の審議が終わったところで公表させていただければと考えております。 ○早川座長 分かりました。どうぞ。 ○土屋委員 いわゆる組織工学では、角膜ですと羊膜や培養皮膚でも動物由来のフィー ダーレイヤーを使うわけですが、フィーダーレイヤーというのは動物由来原料基準やそ ういう基準の中に対象として含まれているのでしょうか。 ○早川座長 基本的には含まれているはずです。先ほど添加剤としてのアルブミンの話 なども出てきておりますし、アルブミンはもちろん医薬品としてあるわけですけれども、 通則のところで本基準の1がございますが、これは有効成分を造るときの原料基準を書 いてあると。全体としては当然それでよろしいということですけれども、あと添加物や 培地の成分、その他製造工程中の段階で使うものについても同じような基準が適用され るべきであって、そういうところが分かるようにちょっと書き直した方がいいかも分か りません。ですからそこもまた預からせていただいて、事務局で精査して公表する際に はもう少し詰めたものを出すというようなことでよろしいですか。今のことは一応どこ かで盛り込んだ方がいいかなと思いますので。土屋先生、それでよろしいですか。ほか にこれについてはよろしゅうございますでしょうか。どうぞ。 ○池田部会長 ちょっとつまらないことかもしれないのですが、言葉の問題なのですけ れども、資料4-1の1ページの「血液成分採血(「アフェレーシス」)」とわざわざ書い てあるのですが、これは用手法で全血を採ってバッグで分けるのも「アフェレーシス」 と言うのですか。わざわざ「(アフェレーシス)」と書いてありますが、公表するのだっ たらその「アフェレーシス」という言葉…。私の理解では血液成分採血装置で採ったも のを「アフェレーシス」と言うので、用手法で全血を採ってバッグを分けて戻すという のは「アフェレーシス」とは言わないのではないかと思うのですが。 ○早川座長 これは消しますか。 ○池田部会長 これは「(アフェレーシス)」を書いておく必要はないですよね。ちょっ と気になったもので。 ○早川座長 特にどうしても入れなければいけないことでなければ、ここは取ってしま うということで。それから先ほどの血漿分画製剤の公開する中間報告の案の中で、HTLV-1 を入れたものを出すのかという点については、問題提起として入れないものを出すとい うことで一応整理していただいて、いろいろまた各方面からの御意見を受けて再度議論 という扱いでよろしゅうございますでしょうか。もし御異論がなければ、取りあえずは そういうような発表の仕方をさせていただきたいということでございます。これにつき ましては次回の部会で更に審議を続けるということで、御了承いただきたいと思います。 次に議題4の表示の問題につきまして、よろしくお願いいたします。 ○事務局 引き続きまして、表示に関する事項でございます。資料5の「生物由来製品 に係る表示事項(添付文書を含む。)(案)」というものを出させていただいております。 まず1ページに改正薬事法第68条の3及び4が書いてございますが、生物由来製品、特 定生物由来製品にあっては、その物が生物由来製品又は特定生物由来製品であることを 示す直接の容器、包装等の表示をする必要があるということが改正薬事法の中に定めら れているところでございます。それからもちろん添付文書においても、その特性に応じ て必要な注意喚起を行う表示をするというところが基本的な考え方でございます。  その上で論点として一つ国会等で指摘された部分について御紹介申し上げますと、参 議院の付帯決議でございますけれども、血液製剤については採血地及び献血又は非献血 の区別を記載するということでございますし、血液製剤に代替するものについても必要 に応じて同様の措置を講ずるという決議がございました。ここで採血地といいますと、 アメリカ、ドイツというふうにクリアに書ける部分でございますけれども、献血又は非 献血の区別という部分においては、現時点での案においては、下に※印で書いてござい ますけれども、1991年の国際赤十字・赤新月社の総会決議のvoluntary non-remuneratedblood donation(「自発的な無償献血」)という定義を踏まえて対応させ ていただきたいと考えているところでございます。1ページめくっていただきまして、 そういうことで各採血事業者で行われている採血が各国政府によって定義された自発的 な無償供血に合致しており、自発的な無償供血の趣旨と著しく解離していない場合には、 「献血」と表示することを検討しているものでございます。もちろんこの定義に当たら ないものについては、「非献血」という表示をさせていただくということです。  引き続きまして3ページに少し細かく具体的な事項を書かせていただいております が、直接の容器、包装におきましては、生物由来製品は「生物」、特定生物由来製品は 「特生物」という文字を白地、黒枠で記載すると。またその表示においてロット番号等 も記載していただくということ。また特定生物由来製品については、ただいま御案内の とおり採血国、献血、非献血の区別を記載していただくということでございます。施行 日までの対応でございますけれども、この法律が施行される日には、基本的にすべての 流通する製品にこういった必要な表示がなされている必要があるということでございま して、当然先に製造してしまって出荷するものもあるわけでございますので、そういう 旧表示で造ってしまったものについては付加的にシールを貼る等の対応において、新し い表示に対応していただくという旨の特例も一方で定めることにしております。その特 例の期間は施行日以降2年以内ということでございます。またその施行日に医療機関に 納入されてしまっていると、使用者にも手渡されてしまっているものについては、新表 示の対応は必要ないという形で整理をさせていただいております。  直接の容器包装に関する事項ということで、通知等で定める行政措置としての対応で ございますけれども、献血、非献血の該当性という部分については、採血地の採血所の 許可証等に基づきまして、「自発的な無償献血」であることの確認をまず製造業者が行 った書類を承認審査において確認すると。必要に応じ採血所に対する書面又は実地の調 査も行う形で担保するという形でございます。  添付文書における記載事項ももう少し細かくなってまいりますが、添付文書において も直接の表示ラベルと同様に必要な記載をしていただくということでございまして、1 の(1)においては特定生物由来製品では感染症伝播の危険性に関する事項、現在も血液 製剤において何々ウイルスのリスクは完全に否定できないといったことを書かせていた だいておりますけれども、そういったものを継承していただいて危険性に関する事項を 表示していただくということがございます。それから特定生物由来製品、生物由来製品 共通でございますが、実際に先ほど土屋委員からも御指摘がございましたように、有効 成分だけでなくすべての原材料、添加剤や製造工程中で使うような基材などといったも のでも、生物由来のものがあれば由来動物臓器等を含めて生物に関して全成分を表示し ていただくというルールを添付文書の中に定めるという案でございます。  また、名称に「生物由来製品」、「特定生物由来製品」と記載するとか、遺伝子組換 えである旨等を記載するという当たり前のことはございますけれども、特定生物由来製 品についてはきちんと見やすい文字を用いて、感染症伝播のリスクに関する注意を簡潔 に記載していただく、成分にそういったものが使用されていることや、安全対策を実施 している、伝播の危険性がある、リスクがあるという部分。治療上の必要性を考慮して 最小限の使用とすること等の表示を盛り込ませていただく予定でございます。  また「組成・性状」という部分で、ここはあくまでどういったものがその製品で使わ れているかという、その生物由来の原材料についてより明確な形でお示しいただくとい うことで、ここに模式表的なものを示させていただいておりますけれども、そういう形 での対応を検討しております。  最後は「使用上の注意」というところで、特定生物由来製品においては有効性、安全 性等の適正使用のための必要な事項について、製品の使用者に対して説明し理解を得る よう努めなければならない旨ということでございます。これは改正薬事法の68条に書か せていただいている、インフォームド・コンセントに関する注意喚起をさせていただく という部分と、使用された患者さんに関する住所、氏名等の情報の記録を保管するとい う旨も記載していただくということについて、改めて使用上の注意でも申し上げさせて いただくという構成を考えているところでございます。大体行政的な対応といたしまし て、改正薬事法を受けてこのような形での表示や、添付文書の整備を今後進めさせてい ただきたいと考えております。以上でございます。 ○早川座長 それではこれにつきまして、どなたからかコメントあるいは御意見を頂け ればと思います。どうぞ。 ○土屋委員 この表示というのは、いわゆる医療用具安全対策部会というものがあるの ですが、そこでインフラントデータベースでJANとかいろいろなバーコード表示によ るデータの記録の保存というものがありまして、どうせトラッキングするわけですから そういうものとある程度使いやすいように、安全対策のときに合理的に迅速にトラック できるようなシステムを導入していただきたいと思います。 ○事務局 先生御指摘のように、バーコード化というのは大変重要な問題でございまし て、当然これは流通上でいろいろな記録のやり取りを製造事業者と流通にかかわる卸の ところにもございますし、記録のやり取りを迅速に効率的に行っていくということが正 しく生物由来製品のトレーサビリティーというものを担保していく上で大変必要な格好 になってきております。その上で電子化は極めて重要な問題でございまして、特に関係 する方々からもバーコード化等の御要望が出ているところでございます。基本的にそう いう流通上のインフラの整備といった部分、また医療機関の電子化におけるバーコード 化の対応におきましては、厚生労働省内では医政局がインフラの整備に対応しておりま して、私どももそういう現在バーコード化等を求められている実情を認識いたしまして、 こちらでの表示やトラッキングの議論を担当局と協議しながら、バーコード化等の対応 の検討を進めているところでございます。そういう実情を一応御紹介させていただきま した。 ○早川座長 よろしいですね。ほかにございますでしょうか。それではこれはインフラ の整備等は行政当局できちんとやっていただくということが前提で、この案も一応今の 時点で公開するということで、先生方よろしゅうございますか。 ○池田部会長 これは外に出るのですか。そうしたら、1ページの「自発的な無償献血」 というのは「voluntary non-renumerated blood donation」ではなかったでしょうか。 「renumerated」でNとMが逆さではないですか。 ○早川座長 NとMが逆さということで、これは確かめた上修文してください。もしほ かにお気付きの点がございましたら、今頂ければと思います。ではお気付きになりまし たら、後日でも事務局の方に是非お寄せいただければと思います。それでは一応予定さ れた議題はこれで終了ということで、「3.その他」の今後の予定について、事務局の方 からお願いいたします。 ○事務局 資料6でございますが、今後の進め方というところでございます。本日はお 忙しい中、第2回臨時部会で御審議いただきまして、誠にありがとうございました。本 日御議論いただきました中身において、資料2-1の指定の考え方及び資料2-3の指定の 品目の一般名称については、必要な修正を加えた上でこの部会の終了後に公表させてい ただきたいと考えております。また、おさらいでございますけれども、資料4-1の「生 物由来原料基準(案)」、また資料5の生物由来製品関係表示案も併せて公開させていた だこうと思っております。この資料につきましては、当然まだこちらの部会で審議継続 中の内容でございますので、公表させていただく資料においては「未定稿」と明記して 出させていただければと考えているところでございます。これらの公表資料については 同時に血液事業部会委員にも送付いたしまして、1月上旬までということで意見照会を させていただきます。その上で本年度第3回の当臨時部会を1月10日に開催させていた だきまして、それぞれ血液事業部会からの御意見、その他関係者からの御意見を踏まえ て、論点をまとめて結論を審議していただきたいと考えているところでございます。  今日の審議後は指定案の一般名のみを公開するということでございますけれども、1 月10日の審議を行った段階で今度は個別の品目の指定案といった部分、また可能であれ ば記録の保存等についても公表できればと考えております。そこはまた1月10日の御審 議にお任せしたいと考えております。  また御参考までに次の予定を申し上げますと、1月24日に血液事業部会がございまし て、そこでまたこちらの審議の結果を御報告申し上げるということがあるやに聞いてお ります。その後パブリックコメント手続き、またWTO通報手続き、薬事分科会等での 手続きも経まして、本年3月下旬から4月上旬にかけてこの部会で御審議いただいたも のを実際の省令や告示という法令上の文書の形でフィックスしていくような対応を現時 点では予定として考えているところでございます。  つきましては次回は1月10日に当部会を開催ということで、事前に日程調整等もさせ ていただいておりますが、どうぞよろしくお願いしたいと思います。ありがとうござい ました。 ○早川座長 ありがとうございました。何か御質問ございますでしょうか。特にもしな いようでございましたら、本日の部会はこれで終了させていただきたいと思います。ど うもありがとうございました。                                   ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 審査管理課 専門官 齊藤(内線2743) - 35 -