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参考資料5


平成14年度の水道事業者等の立入検査について


1.目的

   水道法第39条第1項の規定に基づき、水道(水道事業及び水道用水供給事業の用に供するものに限る。)の布設若しくは管理又は水道事業若しくは水道用水供給事業の適正を確保することを目的とする。


2.年間計画の策定

   毎年度に当該年度の立入検査に関する基本方針等を定めた立入検査年間計画を策定し、重点検査事項、立入検査対象事業者、立入予定時期等を定める。
 なお、立入検査対象事業者については、概ね5年間をもってすべての厚生労働大臣認可事業者に対し立入検査を実施できるように計画をしている。


3.H14年度重点検査事項

  
(1) 水道技術管理者の業務の関与状況確認
(2) 水道施設の管理体制(危機管理、水質管理、施設管理)の確認


4.H14年度立入検査対象事業者

   立入検査対象事業者については、水道法第39条第1項に基づく報告の徴収結果 により選定。具体的には、
(1) 水道技術管理者の業務の関与状況で指導が必要と思われる事業者
(2) 水質管理体制の強化が必要と思われる事業者
(3) 水道事業の危機管理、施設管理において指導が必要と思われる事業者


5.実施対象事業者数

   厚生労働大臣所管の水道事業者等の数は平成14年11月の時点で、470事業者であり、そのうち平成14年度は104事業者について立入検査を実施。

  平成13年度 平成14年度
水道事業者 65 94 159 (157)
水道用水供給事業者 10 18 ( 18)
73 104 177 (175)

 2水道事業者については、H13及びH14の両年度に実施


6.H14年度立入検査結果の概要

   立入検査は、原則として水道技術管理者の立会のもと、事務所又は水道施設のある場所において、水道法の規定等に基づき適切に事業等が実施されているかどうかの確認を行った。
 検査終了後には、検査内容について現地にて口頭での講評を行うとともに、その内容の重要性(法律との整合性)により、必要に応じて文書指導を実施。

(1)文書指導

   立入検査を実施した104事業者のうち、文書指導は47事業者に対し、延べ115項目について行い、その内訳は次のとおりである。

文書指導の内容 指摘項目数
1.認可等手続きに関すること  
  ・事業変更認可手続きの不適切(第10条)
  ・給水開始前届けの不適切(第13条)
  ・記載事項変更届けの不適切(第7条)
小計 (14)
2.布設工事の監督に関すること(第12条)  
  ・無資格
3.水道技術管理者に関すること(第19条)  
  ・責務規定違反(施設基準)
  ・   〃  (水質検査及び施設検査)
  ・   〃   (水質検査) 24
  ・   〃  (健康診断)
  ・   〃  (衛生上の措置)
  ・   〃  (全般)
小計 (48)
4.水質検査に関すること(第20条)  
  ・毎日検査の未実施 24
5.健康診断に関すること(第21条)  
  ・健康診断の対象者、回数の不適切
6.衛生上の措置に関すること(第22条)  
  ・給水栓における残留塩素濃度の保持の不適切
7.その他  
  ・施設基準に関すること(第5条)
    井戸への塩素直接投入
10
  ・水質管理
小計 (11)
115

(2)口頭指導

   口頭指導を行ったもののうち、特に指摘が多かった主な項目は以下のとおりで  ある。
ア 認可関係の手続きに関すること
   ・記載事項変更届け等各種届出の未提出
イ 水道技術管理者の責務に関すること
   ・職責を果たすための組織上の位置づけの問題
   ・責務に対する関与が不適切
ウ 水質検査に関すること
   ・採水地点が不適切
   ・精度管理が不適切
エ 需要者への対応に関すること
   ・情報提供が不十分
オ 施設管理に関すること
   ・石綿管、老朽管の更新計画が未整備又は不十分
   ・浄水汚泥の処理が不適切
カ 危機管理に関すること
   ・マニュアルが未整備

(3)改善措置の結果

   文書による指導を行った水道事業者等については、文書の中で早急に改善の措置を講じるとともに、その結果を報告するよう求めている。
 また、口頭指導を行った事業者等についても、その後の対応について報告を求めることとしており、今後、改善措置の結果については、取りまとめる予定である。

(4)総括

   文書指導及び口頭指導の結果からみると、特に水質管理体制の不備が多く見受けられた。特に、毎日検査の実施や給水栓における残留塩素濃度の保持等必要最低限実施すべき水質管理を怠っている事業者が数多く見られ、併せて、これら水道の管理について技術上の業務を担当する水道技術管理者の責務が十分果たされていない状況にある。
 これらのことから、水質管理をはじめ、維持管理体制の強化とこれらを管理監督する立場にある水道技術管理者の役割の重要さの再認識が重要な課題となっており、今後も引き続き立入検査の実施や水道技術管理者等を対象とした研修等の実施により改善を図っていく。


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