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平成14年12月12日
厚生科学審議会
地域保健健康増進栄養部会
資料4

今後のたばこ対策の基本的考え方について(骨子案)


(1) 喫煙が、がん、心臓病などの疾病の罹患、死亡のリスクを増大させ、これら疾病の原因と関連があることは多くの疫学研究等により確立した科学的知見となっている。また、たばこには依存性があることも確立した科学的知見である。このため、いったん喫煙を開始すると禁煙することが難しく、疾病の罹患、死亡のリスクが一層増大することになるととらえてよいのではないか。

(2) 受動喫煙についても、最近の知見によると、肺がんなどの罹患・死亡リスクを上昇させ、これらの疾病の原因と関連があることは科学的に証明されており、たばこ対策を推進する一層強い根拠となると考えてよいのではないか。

(3) 喫煙は医療費の負担の増加、労働力の損失など多大な社会的コストを発生させているととらえてよいのではないか。

 喫煙による超過医療費負担や、労働力損失を含む社会的コストは多大なものととらえてよいのではないか。
 がん、循環器疾患は、我が国の死因の6割を占めている。

(4) 我が国の喫煙率は、特に男性は先進国の中でも最も高い水準に達しており、また、未成年者の喫煙率も過去に比べてもなお高い水準にあるととらえてよいのではないか。

 男性の喫煙は50%近くに及び、また、女性の喫煙率の上昇も懸念される。
 未成年喫煙率は高率であり、今後の喫煙率の上昇を支えることが懸念される。

(5) 国民の健康増進の観点から、今後、たばこ対策に一層取り組むことにより、喫煙率を引き下げ、たばこの消費を抑制し、国民の健康に与える悪影響を低減させていくことが必要であり、特に、未成年者の喫煙防止対策について、未成年者の喫煙率ゼロに向けて一層積極的に取り組む必要があると考えてよいのではないか。

 厚生労働省においては「健康日本21」、健康増進法(受動喫煙対策等)によりたばこ対策に取り組んできている。
 今後一層のたばこ対策を進めることにより、喫煙率を引き下げ、たばこの消費を抑制・低減し、国民の健康に与える悪影響を低減させていくことが必要と考えてよいのではないか。
 特に未成年については、たばこには依存性があり、喫煙開始年齢が低ければ低いほど健康影響が大きく現れるという問題があり、未成年者の喫煙率ゼロに向けて未成年者の喫煙防止対策に一層積極的に取り組む必要があると考えてよいのではないか。

(6) WHOで審議中の「たばこ対策枠組み条約」は、喫煙の健康に及ぼす影響を減じ、健康増進を図ろうとするものであり、基本的方向として妥当なものと考えてよいのではないか。


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