02/11/05薬事・食品衛生審議会血液事業部会(平成14年11月5日開催分)議事録           薬事・食品衛生審議会 血液事業部会 議事録          1.日時及び場所   平成14年11月5日(火) 15:00〜   厚生労働省専用第18〜20会議室 2.出席委員(19名)五十音順   池田 康夫、 大平 勝美、 小幡 純子、 倉田  毅、   小室 勝利、 柴田 洋一、 清水  勝、 白幡  聡、   田中  滋、 花井 十伍、 早川 堯夫、 平澤 博之、   比留間 潔、 幕内 雅敏、 眞崎 理香、◎溝口 秀昭、   三星  勲、 宮崎 久義、 森 眞由美   (注) ◎部会長  ○部会長代理   欠席委員(5名)五十音順   菅谷  忍、 中村 雅美、○水柿 道直、 吉倉  廣、   吉澤 浩司 3.行政機関出席者   鶴田 康則(大臣官房審議官)、 田坂   治(総務課長) 、   橋爪  章(血液対策課長) 、 定塚 由美子(医薬情報室長)、   北條 泰輔(医療機器審査管理官)、    金子 和代、 高林  勉、 辻阪 高子、 田中 一成、    丈達 泰史、 芹川 武大、 他 4.備考   本部会は、公開で開催された。 ○血液対策課長  それでは定刻となりましたので、ただいまから平成14年度第1回血液事業部会を開催 いたします。本部会は公開で行うこととなっておりますので、よろしくお願い申し上げ ます。本日は委員24名中17名の御出席をいただき、定足数に達しましたので、薬事・食 品衛生審議会令第九条により本部会が成立いたしましたことを御報告申し上げます。  まず事務局に異動がありましたので、御紹介いたします。8月30日付けで厚生労働省 医薬局長が宮島彰から小島比登志に替わりました。本日国会業務の関係上、国会の方に 行っておりますので、医薬局長は急遽欠席いたすことになりました。また、8月30日付 けで血液対策課長が鈴木英明から、私橋爪章に替わりました。開催に当たりまして、医 薬局審議官より一言御挨拶申し上げます。 ○審議官  皆様、今日はお忙しい中、平成14年度第1回血液事業部会に御出席いただきまして、 ありがとうございます。開催に当たりまして一言御挨拶申し上げます。血液事業の在り 方につきましては、これまでいろいろな論議が行われてきたわけでございますが、関係 者による長年の要望を受けまして、第154回国会において採血及び供血あつせん業取締法 が全面的に改正され、名前も「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律」に改 められたわけでございます。この法律では、血液製剤の安全性の向上、国内自給の確保 による安定供給、血液製剤の適正使用、公正の確保と透明性の向上といったことが基本 理念として掲げられております。国、都道府県、市区町村、採血事業者、血液製剤製造 輸入販売業者、医療関係者、それぞれの責務が規定されております。さらに、血液製剤 の安全性に関する情報が、関係者によって速やかに共有、評価されることになったわけ でございます。  また、今般の改正におきましては、薬事法も併せて改正されておりまして、生物由来 製品、特定生物由来製品の特性を踏まえた安全確保対策の充実等が図られております。 これらの改正につきましては、公布日の平成14年7月31日より1年以内に施行すること とされております。委員の先生方を始め、関係者の方々の御意見を伺いながら各種準備 を行いまして、円滑に施行できるように努めてまいりたいと思っております。御出席の 皆様方には、限られた時間ではございますが、豊富な経験等を踏まえまして、積極的な 御論議をお願いしたいと思います。開催に当たっての挨拶に代えさせていただきます。 ○血液対策課長  この後の進行につきましては、部会長の溝口委員にお願いいたしたいと思います。 ○溝口部会長  ただいま御紹介にあずかりました、部会長の溝口でございます。今回は平成14年度第 1回目の会でございます。よろしくお願い申し上げます。まずこの会の目的ですが、7 月31日に公布されました薬事法、採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律 により、血液事業にかかわる法的な枠組みが大きく変化いたしました。新しく成立した 安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律の概要につきましては、後ほど事務局 に御説明願いたいと思いますが、この新法に対応する形でこの血液事業部会を更に拡大 し、体制を充実する必要があると考えております。  まず新法により当部会で審議すべき事項が大幅に増えましたので、それに伴い8名の 方を新たに部会の委員といたします。御紹介申し上げます。大平勝美委員、よろしくお 願いします。 ○大平委員  はばたき福祉事業団の大平勝美と申します。よろしくお願いいたします。 ○溝口部会長  次は小幡純子委員です。 ○小幡委員  行政法というものをやっております、上智大学の小幡です。 ○溝口部会長  次は菅谷忍委員でございますが、本日は御欠席でございます。次は田中滋委員、よろ しくお願いします。 ○田中委員  経済畑をやっております田中です。よろしくお願いいたします。 ○溝口部会長  次が中村雅美委員ですが、本日は御欠席だそうです。次は花井十伍委員です。 ○花井委員  ネットワーク医療と人権の花井です。よろしくお願いいたします。 ○溝口部会長  次は眞崎理香委員、よろしくお願いいたします。 ○眞崎委員  NHKで1982年くらいからエイズのレポートをやっておりまして、エイズに関しての 観点から参加させていただいております。よろしくお願いいたします。 ○溝口部会長  次は三星勲委員、よろしくお願いいたします。 ○三星委員  三星でございます。よろしくお願いいたします。 ○溝口部会長  以上8名の方でございます。よろしくお願い申し上げます。  次に資料Aを御覧になっていただきたいと思うのですが、資料Aにございますように 、この事業部会の中に運営委員会というものを新たに設けることにいたしました。この 運営委員会というのは、この法律のかなり大事な点でありまして、定期的に開催しまし て、血液事業の運営状況を確認するとともに、特に安全性に関する情報を速やかに共有 することとしております。運営委員会につきましては、次回以降の部会で検討させてい ただきたいと考えております。さらに新法に掲げられている需給計画を策定するために 、薬事分科会規程第四条に基づきまして、資料Aの下の方に書いてございますが、需給 調査会を設置いたします。これにつきましては、次回の部会で御報告させていただきま す。それでは新しく成立いたしました、安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法 律の概要、及びその施行時期について事務局から御説明願いたいと思います。よろしく お願いします。                ─ 森委員着席 ─                ○事務局  それでは安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律の概要について御説明いた します。時間が限られておりますので、手短に御説明したいと思います。お手元の資料 Cの4ページを御覧ください。この資料は、先の国会で成立いたしました薬事法、採血 及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律、これによる新しい血液事業の法的枠 組みを示したものであります。まず血液事業の基本理念、関係者の責務、献血の推進、 血液製剤の需給の適正化などについては、採血及び供血あつせん業取締法を改正した、 安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律に規定しております。また、血液製剤 など生物由来製品についての安全性の確保、向上のために、一般の医薬品における各種 基準に加えて上乗せの規制を行うこととしております。また、企業の市販後安全対策の 強化を図ることとしております。これらにつきましては薬事法を改正しております。ま た、一番最後の○の生物由来製品による健康被害の救済につきましては、今国会に法案 を提出しているところでございます。  続きまして5ページです。この資料は、新しい血液事業の基本理念についてでござい ます。現行の採血及び供血あつせん業法は、昭和31年に制定されて以来実質的には改正 されておりません。被採血者の保護ですとか、採血業の規制が主眼となった法律でござ います。今回の改正によりまして、まず法律の目的を拡大して、血液製剤の安全性の向 上、安定供給の確保、適正使用の推進を新たに加えております。また、真ん中のところ ですが、血液事業の運営指針となる基本理念として四つを掲げております。まず一つ目 が血液製剤の安全性の向上、それから献血による国内自給の原則、適正使用の推進、血 液事業運営に係る公正の確保と透明性の向上でございます。また、一番右側でございま すが、血液事業に携わる関係者の責務を明確化しております。新しい法律では、国、地 方公共団体、採血事業者、製造輸入業者等、そして医療関係者それぞれの責務を基本理 念にのっとって規定しております。  続きまして6ページを御覧ください。これは血液事業と関係主体との関係を図で示し たものでございますが、血液事業とこの薬事・食品衛生審議会との関係について御説明 します。左上の箱の部分ですが、新法に基づき国が行うことといたしましては、基本方 針、献血推進計画、血液製剤の需給計画を策定することとされております。基本方針に ついては中期的なものを策定する、献血推進計画、需給計画については、毎年度、翌年 度の計画を策定するということになっております。これらを定め、又は変更するときは 、右側の箱ですけれども、薬事・食品衛生審議会の御意見を伺うということになってお ります。また左下の箱ですけれども、採血事業者は献血受入計画を策定することとなっ ております。これは国が認可することとなりますが、認可に当たっては薬事・食品衛生 審議会の御意見を伺うことになっております。また、地方公共団体につきましては、国 の策定した献血推進計画に基づいて、都道府県献血推進計画を策定するということにな っております。このほか、需給計画の実施状況ですとか、感染症定期報告の評価につい ても審議会に御報告するということになっております。そのほか、幾つか細かい資料が ございますが、後ほど見ていただけたらと思います。  続きまして資料Dについて御説明いたします。これは「安全な血液製剤の安定供給の 確保等に関する法律の施行時期について(案)」でございますが、この血液法は公布の日 、つまり平成14年7月31日から起算して1年を超えない範囲内で、政令で定める日から 施行することになっております。所要の準備を経まして、生物由来製品の規制に係る改 正薬事法と一体的に、平成15年7月から施行したいと考えております。少しこれの御説 明をいたしますが、資料Dの2ページを御覧ください。2ページの一番下に血液法の第 二十九条を引用してございますが、「厚生労働大臣は、毎年度薬事法第六十八条の八第 一項に規定する生物由来製品(血液製剤に限る。)の評価に係る報告について、薬事・食 品衛生審議会に報告し、必要があると認めるときは、その意見を聴いて、採血事業者に 対する指示、その他血液製剤の安全性の向上のために必要な措置を講ずるものとする」 という条文が今回の改正により新設されました。ここで規定されております薬事法第六 十八条の八第一項や生物由来製品につきましては、今回血液法と同時に改正された薬事 法において新たに盛り込まれたものでございます。それがこの2ページの上にあります 薬事法の抜粋の第二条、そして第六十八条の八第一項の部分でございます。このように 、薬事法の生物由来製品に係る規制の部分と、血液法とは規定が連動しておりますので 、一体的に施行する必要があるというふうに考えております。  資料1ページに戻っていただきますが、2のところに薬事法関係の今後のスケジュー ルが書いてあります。今回新しく設けられた生物由来製品につきましては、今後その指 定や生物由来原料基準の作成、そしてこれに基づいた表示の準備等を行うこととなって おります。そのための期間といたしまして、これから表示の内容を決定し、それから事 務的な手続きを経て業者の方で印刷等の準備をするということで、表示が切り替わった ものを施行日以降出荷するということになりますので、そのための準備期間をかなり要 するということでございます。このために薬事法の施行が7月となる予定です。これと 併せまして、血液法の施行も7月を考えております。「3.今後の対応」ですが、施行は 7月ですけれども、本日これから御議論いただくことになります基本方針については、 施行と同時に厚生労働大臣告示という形で示すこととしたいと思っております。施行と 同時ということで、平成15年7月に策定して告示したいと考えております。また、先ほ ど御説明した新血液法に規定されております計画、例えば献血推進計画や都道府県の献 血推進計画、献血受入計画、需給計画などですが、法的には施行後次年度の計画を策定 することになっておりますので、15年度に施行すれば16年度分から策定するということ になります。ただし、新血液法の趣旨を踏まえますと、法施行後速やかに血液製剤の安 定供給の確保等に向けた対策を実施する必要がございますので、平成15年度分について も施行後速やかに策定することを予定しております。以上でございます。             ─ 説明途中、幕内委員着席 ─             ○溝口部会長  どうもありがとうございました。血液法は大きく様変わりいたしまして、いろいろな 重要事項に関する審議会の法的関与を通じて、公正かつ透明な実施体制を確保するとい うことであります。それについては、薬食審に対するいろいろな報告や諮問の依頼はあ るわけですが、それはほとんどこの血液事業部会を通して行われることになると思いま すので、この会が多く持たれることになると思いますけれども、先生方の御協力をお願 いしたいと思います。ただいまの事務局の説明につきまして、何か御意見か御質問ござ いますか。この審議の前の準備段階で特に印象に残ったのは、いろいろな国その他の責 務が決められた点でありまして、その中に今までなかった医療関係者の責務というもの が入れられた点が非常に印象的でありました。先生、何か御意見ありますか。 ○柴田委員  資料を少し持ってきましたので、配付してください。今の説明の中で適正使用に関す る調査会ができるということで、使用者側の責務というのは非常に大事で、厚生労働省 の平成11年の指針でも、輸血部門の設置並びに責任医師の配置ということをパンフレッ トで各病院に置くようにということがリコメンドされてきているわけです。ちょっと表 題が長いのですが、国立大学では「国立大学附属病院の医療提供機能強化を目指したマ ネジメント改革について(提言)」がこの3月に出ました、この中に今お配りした医学教 育課の両角課長補佐がこの内容を踏まえて、全国国公私立大学病院検査技術者、全国の 研修会で講演しているのです。講演のときに配付したスライドの原稿です。すみません 、資料が全部ないので何と書かれているか読み上げます。「輸血部長等は将来的に各診 療科との併任、臨床検査技師は診療支援部(仮称)から配置、感染症は外部委託、検査部 と合同での当直体制の整備」。つまり全く輸血部を廃止する方向です。診療支援部に技 師を全部入れて、医療職(二)の中で検査技師、放射線技師、薬剤部技師を全部一緒に合 理化すると。  それから輸血部長等の医師は、輸血部には専任の医師は要らないということで、将来 的には併任とするということで、42国立大学では既に輸血部が実質的に廃止されたとい うところがあると聞いております。11月21日、22日に筑波大学で全国国立大学42校が集 まった国立大学輸血部会議が行われますので、そこでもっと具体的なことが明らかにな ると思います。実際上、合理化と称した国際的にも類例のないことであり、かつ厚生労 働省がこれまで指針として示した内容とも全く矛盾することが実施されて、それを裏側 で来年度概算要求でこういう提言を実施したところには予算を付けるということで追い 込んでいるのです。これは本当にゆゆしき問題で、国会では4回追求されまして、坂口 厚生労働大臣は国立大学病院長会議からリストラの動きがある輸血部についても、血液 製剤の使い方をチェックする大変大事な部門であるとの認識を示し、文部科学省と進め ている協議で提案する用意があるということを述べられているのです。  これまでの国会の審議では、何しろ文部省の政府委員はようやく5年前に輸血部が42 校すべてに講師1、技官2、看護婦1という最低限の数ですが、国際的にこういうとこ ろはありません。そういうものが最低限設置されたのが、今度もまた専任も要らないし 、診療支援部に医師を押し込めるという形で合理化するということで追い込んでいるの であります。国会ではもちろん、厚生労働省の宮島政府委員も輸血部門の重要性という ものを引き続き文部科学省に訴えていきたいということと、それからまた文部科学省で は輸血部門の重要性にかんがみ、すべての国立大学医学部附属病院に輸血部を設置し、 専任の医師及び検査技師を配置していると私どもも承知しているところだと答弁されて いるのです。ですから、この村田提言、かつ先ほどの概算要求での村田通告が生きてい て、マネジメント改革提言が病院長会議で作られているというので、ちょっと奇異な感 じを受けられると思いますが、これが出てきた背景をちょっと説明しないと理解できな いと思うのです。去年の秋に厚生労働省が大学病院を中心とした特定機能病院に、包括 医療制度を来年4月から導入するという噂が去年の秋ごろ流れてきたのです。そのとき に文部科学省の医学教育課がこれは文部省つぶしだということで、包括医療が導入され れば42国立大学の病院収入も下がると。  それでその包括医療導入を反対するための対案というか、何とか廃案に追い込むには どうしたらいいかということで、国立大学が非常にコスト意識がないとか、マネジメン トがうまくいっていないとかいろいろなことが批判の対象として世の中にあるというこ とに対して、やはりこれだけの改革をやっていると。ですから、包括医療導入は阻止し たいといういわゆる厚生労働委員会の衆参の委員に対する手みやげ代わりとして、これ ができたわけです。しかし、結局は来年から包括医療が実施されるので、提言だけは残 ってしまったということで、非常に拙速な案で専門家の意見をほとんど聴くことなしに 、病院長会議というのもこういうものに簡単に押し切られるわけですからまただらしな いですね。何というか、本当に我が国の民主制度がどういうふうになっているのかと思 うくらいですが、何しろ概算要求に迫られてだれも反対できないというような状況で、 こういうちょっと信じられないような案が押し切られて出てしまったので、今回の国内 自給達成には非常に病院側の適正使用というのは大事な項目であるにもかかわらず、こ の分野の担い手を育成するということは、国立大学では非常に困難な状況になって、こ んなことを書かれればだれも来る人はいません。そういうところをかんがみ、本当にど ういう形でこれをクリアしていかなければならないかということを日ごろ考えているの ですが、結局のところ国民医療にとってこういうことが破壊されていけば、最終的には 国民が被害を受けるという観点なので、我々は組織防衛などといったことから言ってい るわけではなくて、このような大事なことは検査の方も大変です。検査はすべて外注の ようなことを書かれているのです。それで講演して回っております。そういう大事なこ とですが、チーム医療で厚生労働省が約3,000人も臨床検査技師を国家認定しているわけ です。そういうような状況がありながら、医学教育課がこういう行政策でかなりの、こ の分野に関して非常に重要なことを何らオープンに議論することなく決めていっている ことに対しては、我々として力の限りこういうものが本当に実施されないような形でや るつもりですが、皆様方にも是非関心を持っていただきたいと思います。長々とすみま せん。 ○溝口部会長  今の先生のお話は大変大事な問題ですが、お手元にお配りしておりますけれども、前 もってお聞きした先生方の御意見を基に基本方針、たたき台も含めて資料Eを作ってご ざいますので、またそこで御議論いただきたいと考えます。ほかに何か特にここで御意 見を述べられたいという方はいらっしゃいますか。それではこれから何回かこの事業部 会を持たれますが、7月の施行を目指して準備を進めていきたいと思いますので、皆様 方の御協力をよろしくお願い申し上げます。  今ちょっと申し上げましたが、次はこの新血液法に基づく基本方針についてでござい ます。基本方針の素案につきましては、事前に皆様に送付し御意見を頂きました。お手 元の資料の基本方針、たたき台というのは、皆様の御意見を基にそれを修正して文章化 したものでございます。基本方針の中に記載がある血液製剤についての中期的な需給の 見通しにつきましても、併せて事務局から御説明願いたいと思います。よろしくお願い します。資料EとFでございます。 ○血液対策課長  事前にお送りしておりますし、試しに読み上げてみたらものすごい時間を食ったもの ですので、全員の先生方に事前に読んでいただいているということを前提にさせていた だきたく思いますが、その中で特に資料Fの部分、需給に関する部分ですが、ここはち ょっと複雑ですのでそこの部分だけ事務局から説明させます。 ○溝口部会長  ではよろしくお願いいたします。 ○事務局  それではお手元に準備しております資料Fを御覧いただきたいと思います。「血液製 剤についての中期(平成20年度)的な需給の見通し(案)」でございます。まず輸血用血液 につきましては、これは既に昭和49年以来、国内自給は達成しておりまして、中期的に 見ましてもこの状態については確保されるのではと考えております。  続いて問題になりますのがIIでございますが、血漿分画製剤、こちらは免疫グロブリ ン製剤とアルブミン製剤でございますが、この原料用血漿の需給の見通しでございます 。用いた資料につきましては、平成13年度厚生科学研究において行われた、輸血用血液 製剤の安定的な供給及び血漿分画製剤の国内自給に向けた原料血漿確保量に関する研究 、こちらの方を参照させていただいております。まず免疫グロブリン製剤の需要予測で ございますが、1ページめくっていただきまして、「別添1」を御覧いただきたいと思 います。こちらは横の表にまず平成9〜13年度までの免疫グロブリン製剤の使用量、こ れは原料血漿量に換算してございますが、ここにありますように漸増といった状況にご ざいます。そして、先ほど申し上げた厚生科学研究におきましては、まず一つの推計方 法として、1988〜2001年までの使用量の実績を見まして、この間の平均的な増加率は1.3 2%ということだそうですが、こちらを使って将来に向かっての需要予測を行ったものが 2の推計でございます。また、臨床医等に今後の免疫グロブリン製剤の需給の動向につ いてアンケート調査を行い、そのシナリオをまとめまして、一応エンドポイントは現在 平成20年を目標としておりますが、平成22年には117万Lになるであろうという形の、い わゆるシナリオに基づいた推計を行っております。あくまでも現在中期的ということで 、推計については平成20年度の時点での予想になっておりまして、こちらを御覧いただ きますと、平成20年度の時点で免疫グロブリン製剤については109万Lから115万Lと、 およそこの幅の中に入るのではないだろうかと考えております。  続きまして、アルブミン製剤については同様の推計を行っておりまして、現在1988〜2 001年までの使用実績の平均の減少率、こちらの方は御案内のとおり適正使用等の推進に より現在減量傾向にございまして、その率が年2.14%という状況でございます。こうい ったものを受け、先ほどと同様に推計をいたしますと、過去の推計から出た平成20年度 の値を原料血漿に換算して163万L、またシナリオから頂いた結果で行きますと170万L という形の推計結果になっております。こういったものを受けまして、この需給見通し における書きぶりですが、免疫グロブリン製剤の需要予測は109万Lから115万Lである と。アルブミン製剤の需要予測は163万Lから170万Lであるということになっておりま す。  続きまして、これに対する供給は今後どういった動きをするであろうかということで すが、まず原料血漿の供給体制についてお話をさせていただきますと、平成13年度の実 績でございますが、原料血漿確保目標量101万Lに対して実績が104万Lでございました 。また、平成14年度の確保目標量、現在各都道府県、また日赤の方でも御努力いただい ているところですが、こちらの108万Lも、現状においては多分達成できるであろうとい う見込みでございます。  続きまして、平成20年度の状況を推測した「別添2」の表を御覧いただきたいのです が、これはまず平成9〜12年度までの実績が出ております。そして、現在平成14年度の 目標の108万L、そして平成15年度についても、先日の都道府県の担当者会議において各 都道府県に対し108万Lという目標を設定して伝えたところでございます。この伸びを見 ますと、直線的に増えているというよりは、徐々にではございますが、伸びに多少鈍化 の傾向が見られると。そういったものを織り込みまして曲線を近似したところ、平成20 年度においては大体117万Lといった線での数値が出てきたわけでございます。これを受 けまして、1ページに戻っていただきたいのですが、平成20年度の供給予測は117万Lで あるということで推計値を書かせていただきました。また、頂いた原料血漿を分画でき る体制についてはどうなのかということですが、現在日本赤十字社血漿分画センター及 び国内3社、この合計4社においては、原料血漿に換算して年間120万L以上の血漿分画 製剤の製造能力は有しているという状況にございます。  ただ、今回この推計を行うに当たりまして、大きく三つの不確定要因がございます。 まず一つは、遺伝子組換えのアルブミン製剤でございますが、これは御案内のとおり現 在遺伝子組換えアルブミン製剤の開発が進められておりまして、こういったものの出現 が需給にかなり影響を与えるであろうということは想像に難くないところでございます 。また、先ほど出しておりました数字については、あくまでも適正使用の従前の取組を ある程度ベースにしたものでございますので、今後免疫グロブリン製剤の使用量、現在 確かに増加傾向にあるのですが、今後ガイドライン等の作成も視野に入れつつ作業を進 めております。こういった点についても不確定要因になってしまう、また同様にアルブ ミン製剤についても現在この使用量については減少傾向にあるわけですが、やはりより 一層この地域間格差の分析その他を十分に行い、一層の適正化を図ることが私どもに求 められておりまして、そういった作業についても努めていきたいと考えております。し たがいまして、それぞれ一層の適正使用の推進、こういったものをどの程度今後需給の 中に読み込んでいくか、これは非常に大きな確定要因になり得ると考えております。  また最後でございますが、製造輸入販売の動向といたしまして、現時点においてもや はり輸入品が血漿分画製剤については一定のシェアを持っているという現状において、 こういったものを今後需給の中でどの程度評価していくべきかといった点も大きな不確 定要因になるだろうと考えております。以上の見通しに基づきまして、お手元の資料の 4ページ辺りだと思うのですが、数値を書き込ませていただいておりますので、議論の 御参考にしていただければと思います。以上でございます。 ○溝口部会長  どうもありがとうございました。ただいまの御説明に何か御質問、御意見はございま すでしょうか。どうしても何らかの方策を採らないといけないように思います。需要に 供給が足りないという結果のようでございますが、一つはリコンビナントのアルブミン の開発で、少しアルブミンの供給が増えるかということ。もう一つは、やはり一番大事 なのは適正使用だと思うのですが、それも今柴田先生のおっしゃったいろいろな面でや りにくくなるのではないかということが懸念されるということであります。たたき台の1 0ページの一番下に柴田先生のおっしゃった、先生の御意見を入れた院内体制の整備とい うことで、「血液製剤を用いて医療行為を行う医療機関においては、院内の血液製剤が 適正に管理され使用されるよう管理体制を整備することが重要である。このため、国は 医療機関に対し様々な機会を通じて院内における輸血療法委員会、輸血部門の設置を働 きかけるものとする」というふうに先生の御意見が入っていると理解しております。ほ かに御意見をどうぞ。大平委員、どうぞ。 ○大平委員  基本方針のたたき台を事前に頂いたわけですが、前文から含めてかなりの量がありま して、私も事前に少し意見を述べさせていただきました。1ページの前文による問題に ついて、「法第九条に基づき」という真ん中のところにあるのですが、ここのところで 献血による国内自給というのが、「血液製剤の安全性の向上、安定供給の確保、適正使 用の推進及び公正かつ透明な血液事業の…」に入っていないというところがありますの で、是非そこは入れていただきたいと思うのです。献血による国内自給の確保が抜けて いるのではないかと感じます。  もう一つよろしいでしょうか。2ページの「安全性の向上」につきましては、中ほど にある「血液の採取から製造、供給、使用に至るまで」というところで、ここのところ は遡及調査も含めた一貫した調査体制というのが安全性の確保に必要だと感じておりま して、具体的にそこのところに遡及調査の問題というのを文言として入れていただけれ ば、安全性の確保及び向上に向けた努力ということにつながるのではないかと感じます 。  それからその先に行きまして、「常にその実効性が検証されるような体制を構築する ことが必要である」ということで、例えばここは具体的にもう少し記録保管義務ですと か、査察、監視評価といったものが文言として入ってもいいのではないかと感じます。 そしてまたその先に、「血液製剤と代替性がある医薬品であって、最終製品としてのリ スクが血液製剤と同様な遺伝子組換え製剤については」と書かれています。しかし、こ こはもう常に血液製剤等と代替性のある遺伝子組換え製剤ということで、漠と書かれた 方が患者としても分かると認識しておりますので、是非ここのところは書き換えていた だきたいと考えています。そうしなければ、例えばこの最終製品としてのリスク評価と いった問題について、遺伝子組換え製剤についてはその評価についてまた別の部会で行 われているので、そこのところは私たちは俗に言う蚊帳の外に置かれているわけです。 そこのところに入ってきちんと見届けることができないということでは困りますので、 こういった問題についてはここに明示していただきたいと考えております。  それから3ページの「(3)適正使用の推進」につきましては、後でまた具体的なところ は出てくると思いますが、適正使用の問題について医学教育の面、それから倫理性など をきちんと入れていただくということが大事なのではないかと思います。せっかく血液 法ができた中で、省庁の壁を越えてやはり文部科学省の方で、先ほど柴田委員の方から 御指摘がありましたように、こうした医学教育の中で輸血の問題について後退するよう な形では、血液法をつくったとしても意味がないのではないかと感じております。それ から(4)においても、「国は血液事業に係る施策の策定及び実施に当たり」の「国は」と いうところは、やはり厚生労働省を指しているのかもしれませんが、医学教育の面も考 えますと所掌を越えてという感じで、国全体としてこの血液事業、それから血液法に関 してのいろいろな施策をきちんととっていただかないと、やはり良質な医療を患者に提 供することにならないのではないかと考えます。  それから4ページの第2節で、「血液製剤(輸血用製剤、血漿分画製剤及び用法、効能 及び効果について血液製剤と代替性のある医薬品。第8節において同じ。)と書かれてお ります。これは後でまた指摘したいと思うのですが、第5節、第6節、第7節、第8節 についても同じような形でここに書き込んでおいていただきたいと思うのです。ですか ら、「第8節について同じ」というふうにここだけで出していてはいけないのではない かと感じます。それから4ページの「(2)今後5年間の血漿分画製剤の需要予測」の中 で、免疫グロブリン、アルブミンなどの需給予測というところでは、やはり遺伝子組換 え製剤も入った需要予測があってしかるべきであると感じております。それから「(3) 今後5年間の原料血漿の供給予測」についても、やはり遺伝子組換え製剤の供給の問題 が考慮されなければここで予測がつかないということなので、できれば特別に4項目と して作っていただいて、今後5年間の遺伝子組換え製剤の供給予測というものをここで きちんと把握できるようにしていただきたい。そうしなければ、やはり需給や供給予測 というものが総合的につくれないのではないかと感じます。  7ページに行きまして、第5節の「(1)血液製剤の製造及び供給に関する基本的な考 え方」については、大変重要な指摘がここに盛り込まれているので、是非これを残して いただきたいと思います。そしてここの中で確認したいのは、「代替性のある医薬品を 含み」というところですが、「この節において同じ」というのはどの節について同じと いうふうにここで書かれているのかを後で御説明願いたいと思います。できれば先ほど 言いましたように、第8節だけではなくて、第5節、6節、7節についても同じような 取扱いというふうにお願いしたいと思います。  それからまた8ページの「(4)適正在庫の確保」につきましては、コージネイトの事 件もありましたが、危機管理の問題がきちんと出されている必要があると思います。で すから、適正在庫については血液製剤等にというような形で、リコンビナント製剤につ いてもやはりある一定の在庫をきちんと備蓄させることを必要性として認めさせるとい うことが大事だと思います。  10ページに行きまして、「第7節 血液製剤の適正な使用に関する事項」につきまして は、これは第6節に書かれておりますが、血液製剤だけではなくて代替性のある遺伝子 組換え製剤についても、適正な使用に関する事項として含んでいただきたいと考えてい ます。それから「(2)院内体制の整備」については、先ほどの御指摘がありましたよう に、文部科学省における輸血部門の大切な働きというものを是非厚生労働省からも指摘 していただいて、きちんとこの新法が機能するようにしていただきたいと感じておりま す。以上です。 ○溝口部会長  どうもありがとうございました。大変大事な御指摘をありがとうございました。ほか に何か御意見ございますか。三星委員、どうぞ。 ○三星委員  今のはたたき台ということですが、読んだだろうからといって済まされましたが、正 直言うと我々はよく分かりません。やはりこれはきちんと言っていただかないといけな いと思います。  それからもう一つ今の資料Fの問題ですが、これは一体どれほど足りなくなるのかが この数字では私たちは分かりませんが、原料血漿が117.4万Lあっても実際その時点で足 りているのか足りないのか、やはり足りないなら何がどのくらい足りないのかというこ とまできちんと言っていただかないといけないのではないでしょうか。それにしても、 大平委員はある程度話されましたが、こういうのはたたき台ですから、時間を掛けても きちんと御説明があってしかるべきではないでしょうか。そうではないと、我々は献血 奉仕団体ですから医学的なことは分かりませんので、一通り読んだくらいでは残念なが ら頭に入りません。恐らくほとんどの方はお分かりだろうと思うので、分からないのは 私だけかもしれませんが、よろしくお願いします。 ○血液対策課長  まず読み上げることは、非常に時間を食うので省略させていただきました。さらに解 説を加えてとなりますと更に時間を食いますので、分かり難い方は事務局がまた別個お 伺いして説明にまいります。そういう形で、今日この会議場では読み上げることは省略 させていただきたく思っております。 ○溝口部会長  二番目の足りない点は、数字を足すとグロブリンが109万Lとアルブミンが163万Lが 最低で、最高は115万Lと170万Lを足すと272万Lが285万L…、それから117万L引いた 分が足りないのだと思うのですが、先ほど大平委員も御指摘されたリコンビナントの分 が全く入っていないので、その分はやはり何らかの形できちんと出された方がいいのか なと思います。アルブミンは全く分かりませんが、第VIII因子の方はどうですか。 ○血液対策課長  これは同一の血漿から分画して造りますので、より多い方に引きずられると。両方足 す必要はございませんので、現時点で需要を規定している要因はアルブミンであります ので、確かにこの辺は解説をしないと分かりにくいところではございます。失礼いたし ました。 ○溝口部会長  では53万Lくらい足りないのですね。 ○血液対策課長  ということになります。これは単純に現在の需要を予測したらどうだ、供給を予測し たらどうだということを述べさせていただいただけでございます。それに対しまして、 不確定要因というのが非常に大きゅうございまして、例えば仮にアルブミン製剤が出て きましたら、遺伝子組換え製剤のときの献血由来の遺伝子組換え製剤とのシェアとを参 考にいたしますとちょうど…。これも非常に大ざっぱな議論ですけれども、50万L程度 が置き換わるのではないかということです。ただ、この辺が本当に不確定要因で大ざっ ぱ過ぎますので、現在私どもが持ち合わせている数字なりを淡々と述べさせていただい たところにたたき台はとどめさせていただいております。今後議論を進めまして、これ を表現上どう工夫するかという点は、この部会の議論を進める中で固めていきたく思っ ております。 ○溝口部会長  分かりました。あと血液製剤の需給の現状のところに、大平委員のおっしゃったよう なリコンビナント製剤を別枠で挙げると少しクリアになるかなという気がしたのですが 。ほかに何かコメントございますか。 ○大平委員  今課長さんの方からお話がありましたが、やはりリコンビナント製剤などは、これま でなかなかメーカーの方の資料が提示されないというのがありましたので、やはりここ はきちんと代替製剤も含めて提示して、そして需給予測を立てていく、それが中期計画 やいろいろなところに及ぼす大事なことではないかと考えております。やはり血液製剤 に代わる代替製剤についてもきちんと出していく、そしてそこで考えて議論を立ててい くというのが透明性を確保していくのに大事だろうと思いますので、是非お願いいたし ます。 ○溝口部会長  もう一つ、やはり運営委員会の方で副作用その他、安全性に関する議論が、血漿分画 製剤だけではなくてそれと関連した物質の安全性についても議論がなされると私は理解 しています。三星委員、申し訳ないのですが、今言ったような事情で御不満はありまし ょうが、もう一回次回の部会までお読みいただいて、それで一応御意見があれば文章で1 1月末までにお書きいただいて、また御質問があれば個別に血液対策課の方から御説明に 伺うということでございますので、それでよろしゅうございますか。どうぞ。 ○小幡委員  私は医療の専門家ではなくて法律屋でございまして、その立場からちょっと読みにく かったところの確認をしたいと思います。9ページの中ほどから下の辺りですが、「医 療関係者は、血液製剤等を使用する際には、原材料に由来する感染リスク等について、 特段の注意を払う必要がある場合がある」。それからインフォームド・コンセントの話 がございます。大事なことがダブっているのは当然構わないのですが、例えば私の立場 から読みにくいのは、11ページの「(3)患者等に対する説明等」ですが、「医療関係者 は、血液製剤の使用に当たって、患者(又は家族)に対し、血液製剤の特性等について適 切な説明を行い」、ここでは「特性等について適切な説明」と言っていますが、これは 9ページの適正使用のインフォームド・コンセントの話と同じことを指しているのか。 同じことであれば、同じ書き方をしていた方がよろしいかと思います。  それからもう一点は品質表示のお話でございますが、これも何か所かに分かれていて ちょっと読みにくいのですけれども、7ページの(3)の上の部分ですが、最後に「国は 、国内献血由来製剤の識別の明確化を図るものとする」とございます。これはこれでよ く分かるのですが、後を読みますともう少し細かい話になるのかなと。例えば9ページ の一番上でございますが、「保健衛生上の観点から定める品質等基準において、原材料 採取の方法等につき」、これが入るのか、付加的な基準のところで入るのか。それから 同じ9ページの(2)の上のところですが、遡及調査は大変大事なことだと思います。それ から10ページの(2)の、感染症の発生などが判明した場合は迅速に遡及調査とございま す。この遡及調査を可能にするためには、品質表示のところで国内由来献血であるとい うだけではなく、恐らくナンバリング等で遡及調査を可能にするシステムをお考えにな っているという…、これからの議論かもしれませんが、ちょっとその点を確認したいの ですが。 ○溝口部会長  遡及調査を可能にするシステムはもう既にあると思うのですが、いかがでしょうか。 ○血液対策課長  献血由来製品であれば、遡及調査ができるシステムはもう既に出来上がってございま す。 ○小幡委員  そうしますと、国内由来であることの識別化を図るというのは、念のためという理解 ですか。 ○血液対策課長  たたき台の段階ですので、表現上齟齬(そご)があるところは先生の御意見を参考に して次回以降修正いたします。 ○溝口部会長  まだございますか。どうぞ。 ○大平委員  識別のところは、やはり原産国表示の問題だろうと思います。ですから、そこは食品 でも今大切な問題になっているので、一生続けて輸注していく患者にとっては、本当は 国内でのきちんとした体制ができるまでですが、それまではきちんとどこで採取されて いるかというのは、やはり私たちエンドユーザーとして知りたいと希望しておりました ので、そこをきちんと明示していただきたいと思います。 ○溝口部会長  国内か国外かというだけでいいのですか。 ○大平委員  国の名前ですね。 ○溝口部会長  国の名前ですね、分かりました。 ○小幡委員  WTOの通報というのはこの話…。 ○溝口部会長  書類はあるのですか。 ○事務局  審査管理課の方からお答えします。先ほどWTO通報等の指定のスケジュールの方を お示ししましたが、基本的にこの薬事法に基づいて制定するような、「下位法令」と通 常申し上げておりますが、政令や省令といった事項については新たな制度をつくるとい う観点のものでございますので、表示等も含めてWTO通報の対象になるという理解で ございます。 ○溝口部会長  よろしゅうございますか。ほかに何か御意見、御質問ございますか。どうぞ、白幡委 員。 ○白幡委員  11ページの一番最後ですが、「(1)研究開発等血液製剤の適用外使用に関するルール づくり」、血栓止血学会のメンバーと最初に頂いた資料をちょっと検討させていただい た中で、「適用外使用に関するルールづくり」という一文をもう少し前向きに…。実際 には適応はとれていないけれども、有効な病気というのは血液製剤の中にはかなりあり まして、そういったものに対して前向きに取り組んでくれるつもりの文章なのかと思っ たら、今日出てきたものを見るとむしろ制限するという文章になっているのです。この 辺のところは、ネガティブな文章をもう少しポジティブなものに御検討いただきたいと いう…。学会でもそういった適用外、要するにオフラベルを含めたものに対する検討を 専門家の中でしていこうという準備に入っておりますので、是非よろしくお願いしたい と思います。  それからもう一つ、先ほどの大平委員の御説明の中で、2ページの真ん中より少し下 の、「最終製品としてのリスクが血液製剤等と同様な遺伝子組換え製剤」、この文章は 要らないのではないかという御意見だったと思うのですが、遺伝子組換え製剤の場合に 安全性と安定供給というのはやはり分けて考える必要がある。ここはあくまでも安全性 の向上という項目の中ですので、私自身はこの文章でいいのではないかと。ただ、安定 供給という意味では、後ろの方に出てまいりますが、遺伝子組換えの製剤も含めてして いかなければいけないと私は思います。 ○溝口部会長  大平委員、どうですか。 ○大平委員  最終製品としてのリスクで血液製剤と同様なというところがあったわけですが、そこ のところだけなのですね。別に安全性の向上ですとか安定供給の問題について、そこか らすべて遺伝子組換え製剤をとるという話ではなくて、私はそういういろいろな制限を 入れないで、安全性の向上と安定供給を血液製剤と同じように是非きちんとここで盛り 込んでほしいというふうにお願いしたという認識です。 ○白幡委員  遺伝子組換えの製剤というものはほかにもたくさんありますよね。成長ホルモンやイ ンシュリンから始まって…。 ○大平委員  ここの問題は、血液製剤の代替としての遺伝子組換え製剤を常にここで述べているは ずだと認識しております。 ○白幡委員  「最終製品」という言葉としては除くにしても、「リスクが血液製剤等と同様な」と いう文章そのものは別に入れておいても私はいいのではないかと思ったのですが。 ○溝口部会長  花井委員、どうぞ。 ○花井委員  これは薬事法の規定と、血液法側からの規定になっておりますので、先ほど大平委員 の御指摘の中であった、全体の中で血液製剤及び代替製剤を含むというものがどこにか かるかというのが、確かに書き方がいろいろで分かりにくくなっているのですね。先ほ ど大平委員が御指摘したとおりであるとすれば、4ページの一番上に「第8節において 同じ」と書いてありますよね。その後も細かく読みますと、表現が違うのですが、先ほ ど大平委員が御指摘したように第5節、6節、7節にもかかると読めるのですが、それ がそう読むのかどうか。もしそう読むのであれば、基本的に代替製剤を含むという書き 方にして、むしろ含まないを例外にした方がよいと思います。なぜかというと、見たと ころこれは血漿の配分のところ以外は全部かかるのですね。  白幡委員が指摘されたのはよく分かるのですが、この場合は血液製剤と代替製剤も含 む遺伝子組換え製剤についてはということにしても、リスクの同様なというところは薬 事法の裏側から特定生物由来製品というところでくくって、特定生物由来製品について のみインフォームド・コンセントの規定があったりとか、薬事法側からの整合性があり ますので、ここは一応血液と血液の代替という理解で当然インスリンなどというのは含 まないという理解になります。むしろここでリスクと同様なという表現を血液側からに 入れると、実は薬事法側から記載する場合とは逆にちょっと混乱を生じるので、そうい う意味では実はない方が…。非常にテクニカルな話ですが、整理としてはそれほど問題 ないのではないかと。むしろ両方読むと、ここに入るとかえって混乱するという理解が ちょっとあると。事務局からは、今のどこを含んでいてどこを含まないかというところ も、スパッと分かるように記載していただければ、今言ったような混乱が生じないので はないかというのが一つ。  ついでだからもう一つ一緒に言わせてもらいますが、2ページの薬事法関連の「(1)安 全性の向上」の中くらいに、「より一層の安全確保対策の充実が求められている」と。 これは正に薬事法で規定されている部分なのですが、今国会に独法医薬品総合機構が提 出されているのですが、安全対策部門がここにかなり委託になるのですね。今までの安 全対策課の業務がここにかなり委託する中で、血液独自の安全対策についてもやはりこ の書き方の整理は、正に改正薬事法の施行令等を通じた中身はここに落とし込まれてい くわけです。ここに落とし込まれたときに、血液製剤ならではの安全監視体制について ここがどのような役割を担い、どういうことをやってくれるのかという中身がもう少し 必要ではないかと。今まだはっきりしていないのかもしれませんが、もし分かっている のであれば、やはりこれは単に薬事法に丸投げするのではなくて、血液ならではの安全 対策というのが薬事法側でどのように確保されているかという説明も、この法律の審議 と並行してこの部会に御報告いただけたらと思います。以上です。 ○溝口部会長  事務局どうですか。それでよろしいですか。 ○事務局  血液製剤の定義につきましては、書き方がどこを含んでどこを含まないかということ が若干読みにくい部分がございますので、次回にもう一度書き方というか考え方の整理 を、こちらの考え方を分かりやすい形で整理したいと考えております。 ○溝口部会長  花井委員、よろしゅうございますか。ではそういう方向で、大分議論が出たようでご ざいますので、更に御意見のある方は11月末までに事務局に御意見をお述べいただきた いと思います。その御意見を基に、基本方針の取りまとめ作業を進めていただきたいと 思います。そういうことで、このことはよろしゅうございますか。  次の議題に移らせていただきます。次の議題は「ウエストナイル熱等の輸入感染症へ の対応について」ということでございますが、まず事務局から御説明願いたいと思いま す。 ○事務局  それではちょっと厚めの資料で恐縮ですが、お手元にございます資料Gに基づいて御 説明させていただきたいと思います。  そもそもこのウエストナイルウイルスというものの性質ですが、資料が前後して申し 訳ございませんけれども、13ページを御覧いただきたいと思います。これは国立感染症 研究所の倉根部長より御提供いただいた資料ですが、現在米国等で感染が問題になって おりますウエストナイル熱、言葉の問題ですが、「ウエストナイル熱」という言い方で 現在厚生労働省の方は統一をしております。もしかすると今日一部「西ナイル」といっ たような言葉を使ってしまうかもしれないのですが、ウエストナイル地方というのが固 有名詞だそうです。ですから、それを勝手に「西」と訳すのは良くないということで、 「ウエストナイル」と現在統一しておりますので、当省の方はそういう扱いにしており ます。13ページの右上を御覧いただきたいのですが、決して氏素性のはっきりしないも のではございません。1937年と申しますから戦前なのですが、ウガンダの有熱患者の血 液から分離されたという非常に歴史の長いウイルスでございます。フラビウイルス科、 フラビウイルス属に属するものでございまして、蚊などの節足動物が運ぶアルボウイル スにも属すということでございます。お仲間なのですが、左側の真ん中に「フラビウイ ルスの主な抗原グループ」と書いてございますが、非常になじみの深い日本脳炎ウイル スとかなり類似したウイルスだということ、また臨床症状その他も非常に類似している と御理解いただきたいと思います。右側の一番下、「ウエストナイルウイルスの感染環 」というところで小さな絵で表示をしてございます。もともと日本脳炎の場合はブタに ウイルスが感染し、それを吸った蚊がまた他のブタに吸血するときにウイルスを増やす 。ブタの中でウイルスが増加して次々とウイルスが増えていき、たまたまブタを吸血し た蚊がヒトに吸血した際にうつすということで感染していくのですが、このウエストナ イルウイルスについてはトリがブタの代わりをするのだと御理解いただければ、話は分 かりやすいのではないかと考えております。  現在、米国において非常に大規模な流行が見られているということで、いろいろと問 題になっているわけでございますが、14ページを御覧いただきたいと思います。これは 決して米国だけの問題ではございませんで、過去の流行の経緯がこちらにありますが、 イスラエルでの流行が1951年から2000年にも見られております。また、フランス、サウ スアフリカ、ルーマニア、イタリー、ロシア、そして一番下のユナイテッドステーツと いうことで、現在大流行が見られているといった状況でございます。臨床的な症状につ きましては14ページの左の一番下にございますが、潜伏期が2〜14日、突然の発熱に引 き続き頭痛、筋肉痛、時に消化器症状、リンパ節の腫脹、発疹。通常、こういったもの が1週間程度で回復しまして、その後倦怠感が残ることもあると。これを御覧になって いただきますと、特有的な症状はございませんで、臨床症状だけからこれがウエストナ イル熱だという診断を行うことはまず不可能であると考えられております。そういった ことで、診断その他についてはこのページの右上のシェーマを見ていただきたいのです が、感染して大体2〜6日くらいで血中にウイルスが出てくる、いわゆるウイルス血症 のような状況になりまして、発熱その他を起こす人はこの潜伏期以内に発熱を起こすと 。この時点で診断がつけばウエストナイル熱ということになるわけですが、同時に抗体 価が上がってまいりまして、実際に一部重なっているところがございますが、既に抗体 がはっきりと確認できる段階ではウイルスの方は、通常よほど免疫不全の状態でもない 限りは血中からすべて駆逐されてしまうといったようなものでございます。先ほど臨床 症状を述べたのですが、通常大体8割方はこの疾患については不顕感染、つまり症状が 全く出ないという状況でございます。  15ページを見ていただきたいのですけれども、現在の米国での感染状況でございます が、左の一番下に鳥や人間で確認されたと。これを見ていただきますと、ほぼ全米でそ ういった患者の発生、あるいは鳥からのウイルスの検出が見られているという状況でご ざいます。現在のウエストナイル感染の発症状況でございますが、15ページの右の一番 下ですけれども、米国においてはやはり感染者の20%が発症、約8割が不顕性感染、そ して感染者の150分の1が脳炎(脳髄膜炎)を発症していくということ。そして脳炎患者で すが、15ページの左上を見ていただきますと、高齢者層の方でメジアンを採りますと、6 5歳、68歳のところでウイルス感染者が見つかっているという状況でございます。いった ん、こういった形で発症した場合の致死率が11%、14%といった形の状況になっている というものです。したがいまして、現在こういった疾患に対して米国の規制当局におい ても様々な規制をとっているのですが、やはり最近になり問題になってまいりましたの は、私どもが所管しております血液行政の中でこのウエストナイルウイルスが輸血を介 して感染するのではないかということで、警告がCDCの方から発せられたところでご ざいます。これについては一番新しいデータがございますので、11ページを御覧いただ ききたいと思います。  こちらは前2ページに続く英文資料の要約でございます。CDCのレポートでござい ますが、従前輸血の可能性があるということで説明があったのですが、「輸血による感 染と確認」ということで、それの確認をしたという形のウイークリーレポートが10月28 日に発出されたところでございます。  1ページを御覧いただきたいのですが、厚生労働省はこういった状況を受けまして、 ただいま申し上げたようなウエストナイル熱に関する情報収集、職員の派遣等も含め現 在行っているところでございまして、収集した情報につきましては、ホームページ等を 通じて広く情報提供しているという状況でございます。また、平成11年度から様々な研 究も実施しているところでございます。検疫上等の対応については割愛させていただき ますが、2ページを御覧いただきたいと思います。現在、輸血用血液、先ほど申し上げ ましたように輸血による感染、現在我が国においては水際作戦その他を実施しておりま して、国内での感染事例については報告されておりませんが、やはり潜伏期間の問題が あります。また、不顕感染の問題もあるということで、米国における流行といったこと を受けての対応でございますが、現在従来から実施している献血者の健康状態の確認を 徹底しております。これは特に日本赤十字社の方で素早く対応していただきまして、過 去1か月以内に海外から帰国した献血者に対しては問診マニュアルの改訂、これは3ペ ージにございますが、帰国後に健康上の問題があった場合には採血を行わないというこ とを徹底しているという状況でございます。また、血漿分画製剤、これは米国から製品 を輸入している場合、また原料血漿を輸入している場合があるかと思うのですが、こう いったことについては現在行われているウイルスの不活化処置、これはフラビ属という ことでウエストナイルウイルスにも対応できるレベルであると考えております。お手元 の資料の6ページを御覧いただきたいと思うのですが、米国で採血された原料血漿を輸 入して血液製剤を製造している業者、また米国で採血された原料血漿を用いて製造され た製品を輸入している業者、こういったところに対して安全性に対する所見について血 液対策課あてに報告するようにということで、念のため10月2日に事務連絡を出してお ります。  4ページを御覧いただきたいのですが、その結果、アベンティスファーマから五十音 順で並んでおりますが、こういったメーカーから現在回答が寄せられております。各社 ほぼ同様の所見を申しておりまして、これをまとめますと、まずウエストナイルウイル スそのものの認識についてはフラビ属であって、脂質エンベロープを持つRNAウイル スであるということ。現在そのウイルスバリデーションを各社行っているのですが、モ デルウイルスとしてここにございます3種の同種のフラビウイルスを用いてそういう検 討を行っていると。また、ウイルスの不活化処理等につきましては、ここに書いてあり ますS/D処理その他、エタノール処理までやっていて、こういったものが自分たちとし ては有効であると考えているという結論が来ております。また、情報提供といたしまし て、5ページにございますけれども、FDAから現時点で「特異的試験は実施されてい ないが、血漿由来物質によるウイルス伝播の危険性は非常に低いものと見なされる」と いうことで、現在情報が出ているということもございました。ただ、現地にまいりまし て情報収集した結果、ウエストナイルウイルスに関する安全性については、現在米国内 でも非常に問題になっているということで、このウエストナイルウイルスそのものを用 いたウイルスバリデーションも予定しているのだといった情報もございます。こういっ た点につきましても、今後情報収集をしていきたいと考えております。  なお、ウエストナイルということでお話をしてまいりましたが、12ページを御覧いた だきたいと思います。米国でのウエストナイルの流行という報道を受けまして、現在非 常に大々的にそのリスクが喧伝されているところでございます。実際、ウエストナイル 以外にも現在国内流行はないのですが、一定の潜伏期間を持ってウイルス血症を持って 帰ってくるといった可能性が否定できない疾患について専門家の方にも聞きましたとこ ろ、特に代表的なもので言えばデング熱、こういったものも実際にはあるので、やはり ウエストナイルということだけではなくて、やはりそういったものへの対応も広く考え たらどうかといったようなことで、様々な方面からの提言も頂いているところでござい ます。  つきましては、お手元の意見書を御覧頂きたいのですが、実はこういった件について は審議会の構成上この部会に上がる前に、安全技術調査会の方で実際に御議論いただい た後に部会にという形が常なのですが、御案内のとおりウエストナイルの問題も含めま して、現在非常に機動的に早い対応を当省に求められております。本日御出席の、安全 技術調査会長の小室委員に御相談いたしまして、案を取りまとめて持ち回りでファック ス等Eメールを使ってこういった形での対応をとったらいかがかということで、部会あ ての意見案をまとめさせていただいております。上のところは省略させていただきまし て、「記」というところを簡単に御説明させていただきます。 1 現在、我が国に流行の見られない疾患であって、輸血を媒介して感染が危惧される疾 患によるリスクを軽減するため、国外からの帰国者からの採血禁止期間(3週間とするの が適当)を設定し、献血血液の安定供給上の対応を整え実施することが適当である。 2 なお、米国由来の血漿を原料とする血漿分画製剤におけるウエストナイルウイルスへ の対応については、現在行われているウイルスの不活化処理により安全性が確保されて いるものと考えられるものの、念のため、引き続き安全性確保に関する情報の収集に努 めることが適当である。 こういった内容でまとめさせていただいて本日提供させていただきました。なお、献血 血液の安定供給上の対応、やはりこういった点も非常に重要な点でございますが、資料 Gの一番最後の29ページでございますけれども、御案内のとおり現在この献血の状況に ついては年間を通して平準化しているという状況ではございません。あくまでも月別の 献血の状況を13年度の統計表から拾わせていただきましたが、本日の御議論の参考にし ていただければと思い添付いたしました。説明は以上でございます。 ○溝口部会長  どうもありがとうございました。後で小室先生から補足していただきますが、その前 に何か御質問や御意見はございますか。どうぞ、眞崎委員。 ○眞崎委員  大変よくまとめてあると思うのですが、おっしゃったようにウエストナイル熱につい て大規模な感染の危惧というのは、専門家の方によりますと今のところ余りないようで す。ただ一つだけお願いしたいのは、2ページの「7.今後の対応」で「(2)検査法に関 する講習会の実施」と、エイズのときもO-157などのときもですが、こういうところで 発表されますと、もう検査法もすべて確立していて体制も整っていて講習会も実施する ということです。しかし、もし実際地方の方に症例が出た場合、地方のお医者様や保健 所という、衛生研究所に上がって来る前の医療機関に行くことが多くて、そこで迷って いたり子供が下痢したり、高熱を発して食当たりと言っている間に、どんどんそれが進 んでしまって亡くなる方まで出てしまったという症例がありますので、いち早くやって いただきたいということ。それから衛生研究所の担当者対象ということでもちろん御安 心はなさってないと思いますが、小さい医療機関や保健所、地方の一般の方が最も親し みの持てる医療機関には、是非こういうことの周知徹底をお願いしたいと思います。ち ょっとした遅れが人命にかかわるようなことにもなりますので、よろしくお願いいたし ます。 ○事務局  補足をさせていただきたいと思います。17ページを御覧いただきたいと思います。縦 割と言われてしまえばそれまでですが、基本的にウエストナイル熱に関する対応につい ては、健康局結核感染症課の方で10月23日付けで既に対応をとっております。現在、御 指摘いただきました医療機関への診療ガイドラインの徹底通知、あるいは住民等への普 及啓発のためのQ&Aの作成と、こういった形で現在関係部局の方において鋭意実施を しているということを付け加えさせていただきます。それとともに、従前脳炎というこ とで定点観測の対象になっていたのですが、発生時の観測態勢強化ということで、四類 感染症の方に指定いたしまして、発生状況についても機動的につかめるといった体制の 構築を現在担当部局の方で実施している状況でございます。 ○溝口部会長  倉田先生、どうぞ。 ○倉田委員  診断についてですけれども、一部検疫所の方も入っておりますが、10月28日に私ども の研究所で実験室、診断に関する講習会をやりました。PCRのシステムというのはど こでもできます。そのほかウイルス学的検査等全部使えるものをやりまして、原則とし てはどこでもできる。この病気は、今蚊がどんどんいなくなっている時期でして、これ から春まではともかく、春過ぎは入るかどうかについては、私どもの研究所の公的な見 解でもありませんが、私自身は入ると思います。なぜかといえば、日本の蚊がどんどん カリフォルニアで捕まっているのです。それは飛行機でもさることながら、船に乗って くる、日本を出航するときに水がたまったようなものの中に乗ってそのまま行ってしま うということで、これはCDCの蚊の大専門家ですが、80年代後半に日本の蚊が随分捕 まっているということで、日本の脳炎ウイルスを輸出するのかという冗談まで言われて います。今度の夏は日本は警戒すべきだろうと思います。つまり今カリフォルニアまで も来ていまして、これが東海岸から来るまで約2年ちょっとですから、来ればかなり早 いスピードで広がるだろうと。このベクターとなっている蚊は日本にもいますから、同 じグループのものがいったん入ってしまったらかなりしんどいことになるだろうという 気はします。例えばブラジルではお墓に花を持っていって水に生けてはいけないと法律 で禁止しているのですね。というように、これは日本脳炎の場合もそうですが、媒介蚊 が増える場所というものを自分の生活の範囲から、少なくともうちの周りといったとこ ろからなくすようにしていくことも非常に大きな一つの対策だろうと思います。  それから4ページの2の2)ですが、チックボーンとダニ媒介性のものは同じもので、 下の「ダニ媒介性脳炎」というのは日本語として正しい言葉ですから、そちらだけにし た方がいいかと思います。  それからこれは25ページですけれども、「(4)鑑別診断」に「他のウイルス性脳炎」 とありまして、これもあらゆる考えられるものが載っていますが、一般の内科の先生方 、あるいは小児科の先生方がこれを考えろというのはなかなか難しいかなという気がし ます。免疫不全でしかあり得ないものと、それから健康状態であるものがごちゃごちゃ になっていますから、これは整理された方が第一線の先生方がお読みになるには理解し やすいかなという気がします。以上です。 ○溝口部会長  どうもありがとうございました。先生、ちょっとお聞きしたいのですが、患者さんを 診ている立場としては、疑ったら多くの一般的な検査センターで検査ができますか。 ○倉田委員  日本脳炎はできますし、それからウエストナイルも検査センターは導入を考えている と思います。 ○溝口部会長  分かりました。是非お願いしたいと思います。ほかに何か御意見ございますか。小室 委員、ほかに何か追加されることはありますか。 ○小室委員  先ほどの意見案につきましては、先日事務局と私の方で相談いたしまして作りました 。さらに各安全技術調査会のメンバーに相談いたしまして、最終的にこういう案を作っ たということでございます。血液製剤の安全性につきましては、分画については4ペー ジにございますような結果、現在これらに対する対策はほぼ万全と考えていいと思いま すので、分画ではまず起こることはあり得ないと確信を持って言っていいと思います。  成分製剤につきましては、3ページにございますように、既に日赤さんの方で9月30 日付けで問診マニュアルの変更をされております。こういう形で対応することは現在取 り得る最良の方法であって、これ以外にはちょっと考えられないと。検査態勢をどうす るかということは、今後安全技術調査会その他で検討することになると思いますが、こ の対応がとられていれば感染後の経過、それから消退期間等を考えてまず一応の対応は とれているだろうと考えまして、この意見案を作成いたしました。以上でございます。 ○溝口部会長  どうもありがとうございました。清水委員、どうぞ。 ○清水委員  この件は大変結構だと思うのですが、そのまま日本に入ってきた暁にはどう対応する のかと。そこのところの検討はどのようにやっていくのかと、どこで検討するのかと、 その辺はどういうことになるのでしょうか。 ○溝口部会長  考えとしては運営委員会かなと思うのですが、血漿分画製剤については今小室先生が おっしゃったように大きな問題はないように思います。問題は輸血用血液製剤でありま すが、それは問診だけの変更でできるかどうかという問題で、やはり更に発展してNA Tを増やすかといった話になるのかと想像しているのですが、事務局はどういうふうに 考えていますか。 ○血液対策課長  危機管理的な対応は、運営委員会を機動的に働かせるというのがこの事業部会の対処 方針で、今はとにかく水際作戦ということに重点を置いております。国内で流行が起き てしまったときというのは、本当に私ども苦慮するところですけれども、アメリカがN AT検査を導入することを検討しておりますので、そういう検討の進捗状況等も見なが ら運営委員会で機動的に対応したく思います。 ○溝口部会長  清水委員、それでいいですか。どうぞ、大平委員。 ○大平委員  素人でちょっと分かりにくいのですが、もう既にアメリカではNAT検査ができる体 制になっているのでしょうか。 ○血液対策課長  まだ体制になっておりません。アメリカも次の蚊のシーズンには間に合うように導入 しようということで、検討が進められているところでございます。 ○溝口部会長  小室委員、どうぞ。 ○小室委員  資料のどこかにあったと思いますが、既に我々の研究所の倉根部長を中心にしてPC Rの準備態勢をスタートさせております。プライマーの合成そのものはそれほど難しい ものではないので、近々そう遠くない日にできるだろうと思っております。 ○溝口部会長  ほかに何か御意見ございますか。小室委員、一枚紙の「記」の1の「献血血液の安定 供給上の対応を整え実施することが適当である」というのはどういう意味ですか。 ○血液対策課長  意味合いですが、先ほどの一番分厚い資料の一番最後のページをもう一度御覧くださ い。日本人の1,000万人近くが毎年海外旅行をしておりますので、そのことを勘案します と献血者数に響く数でございます。一般的に夏休み、冬休みに海外旅行者が集中してお りますので、海外からの帰国者に一律3週間献血禁止期間を設定いたしますと、その3 週間というのは献血者数が少し落ちることが予想されます。今度はそれを抜きにしまし て、月別の献血状況はどうかと申しますと、夏の期間というのは比較的献血者にたくさ ん御協力いただいているのですが、ちょうど冬休みが明けた後のの1、2か月というの は非常に厳しい状況にあります。年間通しますと比較的安定的な輸血用血液製剤の供給 ができておりますが、1月、2月というのは地域によってはかなり逼迫した状態で献血 者確保がされている状況でございます。これが海外旅行のシーズン以降3週間ときれい にダブりますと、輸血用血液製剤が不足してしまうという事態が地域によっては起こり 得るということもありますので、その辺はもう少し安定供給の面で精査をして、工夫し ながら実施に向けて考えなければいけないという意味合いでこの文を挿入したものでご ざいます。 ○溝口部会長  分かりました。安全性技術調査会からのこういう対策案を、この部会でお認めいただ くかどうかということが今回の大きな議題の趣旨なのですが、今課長から話がありまし たように、1のところは今言った安定供給の問題に関係します。これは安全性よりもっ と大事かもしれませんが、よく日赤と相談した上でやるということであります。  それからもう一つ、血漿分画製剤の方は一応フラビでやっているから不活化除去され ているだろうというけれども、ウエストナイルウイルス自身でのバリデーションは今後 やる予定はあるのでしょうか。 ○小室委員  これについては、国内メーカーでやっているという話は聞いておりません。ただ、外 国メーカーの方では既にそれに若干手を着けているという話は聞いております。 ○溝口部会長  やはり今後その方向の検討が必要でしょうね。事務局、どうぞ。 ○事務局  CDCとFDAの方に職員を派遣いたしまして、聴取した結果では、ウエストナイル そのものを使った特異的な検査も、ウイルスバリデーションも予定はしているといった ことを申しておりましたので、引き続き情報収集の中でそういった情報も入手できれば と考えております。 ○溝口部会長  そういう方向で、継続的にこの部会に報告があるというふうに理解しております。以 上のようなことを踏まえまして、安全性技術調査会からの御提案である、ウエストナイ ルウイルス等の輸入感染症対策案についてお認めいただけますでしょうか。どうもあり がとうございました。それではお認めいただいたものとさせていただきます。  それではあと5、6と議題が残っておりますが、次に血液凝固第VIII因子製剤の供給 について現状報告を事務局からお願いいたします。 ○事務局  それでは血液凝固第VIII因子製剤の供給について、経過報告をさせていただきます。 お手元の資料Hを御覧いただきたいと思います。昨年3月に遺伝子組換え製剤の一部が 出荷停止となりまして、輸入されないという事態が起こりました。それ以降、この血液 事業部会においてその安定供給策というものを御審議していただいておりました。前回 御審議していただきましたのが今年の2月でして、それ以降の状況を御報告しないまま になっておりましたので、現状について簡単に御報告させていただきたいと思っており ます。  資料としましては、これまで血液事業部会で御議論いただいた後に、医薬局として関 係業者の方々に対して通知したものを2ページ以降に1-1〜1-8まで付けております。こ の内容がどうであったかと申し上げますと、一つは血液凝固因子製剤というものを最大 限増産してほしいという呼び掛けを各社に対して行っております。それから御存じのよ うに、成分献血を更に推進する必要があったということで、その推進をしてきていると いうことでございます。こういう状況の中で、今年2月に御審議いただいたときには、 バイエル薬品さんの商品のコージネイトが平成14年度は入荷される見込みになっており ました。その際には、これから本当に入荷されるかどうかというのを1年間掛けてきち んと検証をしていこうということで、その備蓄量を前月販売量の約6か月分をきちんと 持ちながら販売してくださいというお願いを当方からさせていただいた次第であります 。それから日本赤十字社さんを始め、他のメーカーの方々には引き続き増産をお願いし てきた経緯がございます。  現在の状況ですが、9月末現在では実績としては3.5か月分の在庫を有しているという ことでございます。これまでの備蓄量の推移というものを一番最後のページに表として 付けさせていただいておりますが、9月末現在で約3.5か月分の備蓄があるということで ございます。現状におきましては、このコージネイトの問題が起こる前の平均的在庫水 準というのが3か月であったということで、大体それ以上のものになってきているとい うこと。それから前回この血液事業部会で、望ましい在庫水準というのはどれくらいか という議論をしていただきましたが、そのときの御意見ではおおむね3か月くらいが少 なくとも必要ではないかという御意見がございました。それから先ほど申し上げました ように、バイエルさんの方では現在のところ前月出荷量の6か月分を確保しながら供給 を続けております。バイエル薬品さんの本年度の輸入状況でございますが、10月までに 約5,160万単位の製品を入荷しているということでございまして、今月11月にも770万単 位が入荷予定と聞いております。このまま推移いたしますと、12月末においては在庫量 を約6.2か月分持ち続ける形になるということでございますから、これらの状況を勘案い たしますと、当初ございました緊急事態は徐々に解消されつつあるというのが現状だと 考えております。以上、簡単ではございますが、御報告とさせていただきます。 ○溝口部会長  どうもありがとうございました。この会では大変大きな問題であったわけであります が、お陰様で備蓄が4.1か月ということで少しほっとしております。これにつきましては 、多くの製造業者の方々に、特に日赤には大変御努力いただきまして、大変感謝いたし ております。やはり先ほど大平委員から御指摘がありましたように、リコンビナントを 含めたこういう血液製剤の備蓄が今後必要になると痛感させられた事件でありました。 皆様方の御協力、どうもありがとうございました。最後の議題になりますが…、どうぞ 花井委員。 ○花井委員  最後の供給トータルで大体6.2か月分を12月くらいということですが、コージネイトの KG0とKG1の比率は…、新しく入ってくる部分は全部FSと理解したらよろしいで すか。コージネイトFS以前のものも、在庫に加算されているのでしょうか。そうだと すると、古いコージネイトはいわゆる有効期限の問題もありまして、年末に6.2あるから といってすぐ期限が切れるものも一概に合計されてしまうことになるのですが、その辺 はいかがでしょうか。 ○事務局  有効期限が到来するものについてはカウントから外しておりまして、新しいFSも含 めて在庫量を考えております。 ○溝口部会長  よろしいですか。 ○花井委員  分かりました。 ○溝口部会長  三星委員、どうぞ。 ○三星委員  この問題は13年の春から我々もいろいろと大騒ぎしたわけでございますが、当時は献 血由来の血液凝固第VIII因子ですが、3割くらいになってしまっていたわけですね。そ れでこういう問題が起きて、大騒ぎをしながらも日赤千歳の工場に仕掛品や製品在庫が あり、何とか緊急をしのいだということですが、これが一通り終わったというか、バイ エルの供給もだんだん増えてきたという段階で、国の方ではどう考えているのでしょう か。やはり相変わらず献血における凝固第VIII因子が3割ということでは、また何かあ ったときに困ってしまうので、我々の希望としてはやはり半分は献血由来のもので確保 するような形にしていただきたいのです。そうしませんと何が起きても危ないし、血友 病患者さんについてはエイズの問題もこれで含めて2回目ですから、二度あることは三 度あるなどでまた何か起きたときにはえらいことになりますので、是非ともその辺のと ころを御勘案願っていただきたいと思います。とにかく厚生労働大臣にまで渋谷に出て いただいて、大騒ぎして集めて何とか需要にも達しているわけですし、ましてや献血し ていただいた血液が製品になるまでは1年掛かるわけですから、その辺も御考慮願って 、しかるべき適切な方法をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○溝口部会長  よろしいですか。事務局、何か御発言ございますか。 ○血液対策課長  遺伝子組換え製剤は、安定供給を考える上で重要な一因子ではございます。ただ、献 血由来製剤を使うか遺伝子組換え製剤を使うかという選択については、一義的には医療 機関及び医療機関と患者との間で決められるものであって、国が政策誘導として決めて いくものではないという考え方がございます。ですから、これは動向を見極めながら安 定供給を考えるということを国はしなければいけないと思っておりますので、これを政 策的に5割、7割、3割と、医師及び医師と患者が選択する問題のところまで立ち入っ て政策を決める考え方は現時点ではございません。 ○溝口部会長  よろしいですか。大平委員、何かございますか。 ○大平委員  大変難しい問題を振られてしまうわけですが、私の一存で話すことではないと思いま す。今課長さんが言われたように、やはりそこは患者と医療者との間の信頼関係の下、 適切な情報を基に決定していくのだろうと思います。本当に何かあったときには、また 血漿由来の製剤で造らなくてはいけないというときにそれができないような事態になっ てしまうことは、やはり患者としては大変困るわけですね。ですから、そこをどういう ふうに調整を図って、そしてまた技術を保管していくかとか、そういうことをやはり同 時に考えていかないといけないのだろうと考えています。私は血漿由来の製剤を現在使 っておりますが、遺伝子組換え製剤ではなくて、血漿を使え使えというような感じで私 が言う立場ではないので、そこのところはちょっと御配慮いただきたいと思います。 ○溝口部会長  どうも無理に振って申し訳ありません。白幡委員、どうぞ。 ○白幡委員  その点で、先ほど言いましたように、血栓止血学会の御専門の先生方にいろいろ御意 見を伺ったときに、大変難しい問題なのでしょうが、日赤の製造体制というかそれを維 持してもらうという意味。あるいは国際貢献、グローバル化という中で、クロスエイト Mが一つの例でしょうが、輸出ができるような体制というのは、何とかしてもらえない のだろうかと、かなり多くの委員が希望しておられましたので、伝えさせていただきま す。 ○溝口部会長  田中委員、どうぞ。 ○田中委員  今の何かあったときのための供給量の確保の話ですが、先ほどのたたき台にも血漿分 画製剤の方でも適正在庫の確保というのが8ページに出てきます。経営や経済の感じか らすると、二つのことを同時に8ページの文章なども言っていて、先ほど出てきた需給 バランスが毎月ある程度変動しますと、それに備えた適性在庫を備えなさいというのは 、これは製造者の責任であると思うのですが、リスクマネジメントとして不測な事態の ために更にというのは、適正在庫のコンセプトではないのですね。血液関係の製剤の特 殊な性質上、普通の財務で言う適正在庫ではなくて、リスクマネジメント上不測の事態 に備えて更に、適正ではないのですよね。適正以上の量…、これはある意味国家が管理 する話だと思うのです。毎月、毎月の変動に備えて、あり得る変動の中で足りなくなっ てしまうことがないように、一番上限のところで持ちなさいと。これはメーカーの責任 だと思います。この文章は二つのことが混じってしまっているのですね。今お話が出た ことも全く同様でありまして、患者さん、メーカーの責任というあり得る変動の中の話 と、不測の事態のためにある程度国家が指針を示すというのは別のことなので、私はご っちゃにしてはならないと思います。 ○溝口部会長  分かりました。たたき台の方、よろしくお願いいたします。それでは最後の議題に移 らせていただきます。生物由来製品臨時部会の設置、及び今後の予定について事務局か ら御報告をお願いします。 ○事務局  議題6について事務局から御説明いたします。一番最後の資料Iでございます。「生 物由来製品臨時部会の設置について」ということでございますが、薬事法及び採血及び 供血あつせん業取締法の一部を改正する法律が本年7月に公布されておりますが、この うち生物由来製品に係る部分、これは血液製剤も含まれるものでございますが、これら につきましては、先ほど御審議いただきましたように平成15年7月から施行させていた だきます。この資料Iの3に書いてございますが、その施行準備の関係で生物由来製品 の指定という問題、またその他指定したものに関する薬事法第42条1項の規定に基づく 基準の審議に関してやっていく必要がございます。その関係で、薬事・食品衛生審議会 の中に生物由来製品臨時部会というものを設置いたしまして、平成14年9月〜平成15年 3月までの予定で、こういった問題についての審議をするということにさせていただい ております。  引き続きまして、2ページにこの部会の委員の構成について書かせていただいており ます。基本的に生物医薬品の御専門の方、ウイルス、感染症等に関する御専門の方、ま た臨床における専門の方から構成されております。申し忘れましたが、この臨時部会の 部会長は池田康夫先生でございます。  3ページの今後の審議と論点というところです。基本的にこの臨時部会におきまして は、「1.審議事項」と書いてございますが、生物由来製品・特定生物由来製品について 科学的な感染リスクの評価という観点から指定を行うという部分が一点目。二点目とし ては、生物由来原料の基準作成ということを行います。三点目は、生物由来製品に係る 、これは先ほどトレーサビリティやトラッキングという議論が出てまいりましたが、製 造記録又はその医療機関における使用記録といった記録の保管という問題、特に保管期 間を何年に設定するといった観点での御議論を頂くということになっております。それ と関連事項でございますけれども、生物由来製品、血液製剤を含むものでございますが 、どういう形での表示をしていくかという部分についても、こちらの部会の方に御意見 を伺うという形にしております。  以上、ここに大きく論点を四つ書いてございますが、このうち(1)〜(3)については 感染症等の専門的な知見に基づき、かなり膨大な量の調査というものを必要といたしま すので、これらについてはこの臨時部会の下に作業小委員会を設置いたしまして、そち らの方で審議を開始させていただいているという状況でございます。これらの事項につ きましては、生物由来製品臨時部会の方から当血液事業部会の方に内容を御紹介させて いただき、最終的な中身とする前の段階でこちらの部会での御意見も伺いながら進めさ せていただきたいと考えておりますので、また今後ともよろしくお願いしたいと思って おります。こちらの臨時部会の次回の予定ですが、ある程度小委員会での整理ができた ところで、今年の12月中には一度開催させていただきたいと思っております。また、そ の上でこちらの血液事業部会の日程と合わせて内容等を御紹介させていただきたいと思 いますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。 ○溝口部会長  どうもありがとうございました。これは設置時期が限定されていますけれども、例え ば血液関係の生物製剤の場合はここでやるのですか。 ○事務局  もともとこの臨時部会での所掌というのが、医薬品ですと血液製剤、医療用具とかな り多岐にわたってございます。その関係で、現在ございます薬事・食品衛生審議会の中 の医薬品第一部会、第二部会や医療機器の部会、そういうところからかなり混成チーム 的に臨時につくらせていただいた部会でございまして、この臨時の期限が切れた後は、 今度新たに承認する製品ごとにその所属の部会の方で指定の御審議をいただくと。血液 製剤であれば、医薬品第二部会の方で御指定をいただくという形になります。 ○溝口部会長  分かりました。何か御質問ございますか。花井委員、どうぞ。 ○花井委員  こういう科学的なところをザッとやっていくことは非常に結構でございますが、先ほ ど決まる前にこちらの方に御報告いただけるとおっしゃっていたのですが、まずこれは 非公開でやっているのですよね。非公開でやらなくてもいい部分を非公開でやっている ということについて、ちょっと疑問を提示しておくこと。  また、先ほどのWTO通報に関しては、省令については通報の対象になるということ なので、第四十二条の基準も含めてここでやるとすれば、報告されたときにはもう手遅 れということになるような…。タイムスケジュール的には、もしここで報告して、では ここでどうのとやっていてWTOに間に合うのでしょうか。 ○溝口部会長  事務局、いかがですか。 ○事務局  この臨時部会でございますが、指定に当たりましては製品の製造方法や企業の知的財 産権にかかわる情報もかなり扱ってございますので、現在のところは非公開で実施させ ていただいているところでございます。  またスケジュールでございますが、今日ここでお示しさせていただいたものは予定と いうことで出させていただいていますので、当然審議において時間が掛かった部分につ いては後ろの方にずれ込むということもあり得るかと思っております。 ○花井委員  是非この機会に申し上げておきたいのですが、もちろん企業の知的財産を守るという ことは重要なのでそれについては否定はしないのですが、もしそういう主張があれば、 企業の方からここは知的財産だから非公開にしてくださいというものを正式にもらって 非公開とすると。そうしなければ必ずしも非公開にしなくてもいい、例えば一般的な基 準作りのところまで全部非公開になってしまいますので、こういう審議会がだんだん多 くなっていく中ですので、できればその点はなるべく公開できるような形になるように 事務局の方も運営していただけたらと思います。以上です。 ○溝口部会長  よろしいですか。それではこれで本日の議事は終わりたいと思います。御協力ありが とうございました。次回は1月24日の午後1〜3時に開催する予定でございます。本日 は本当にどうもありがとうございました。次回もどうぞよろしくお願い申し上げます。                                    ( 了 )  連絡先: 医薬食品局  血液対策課 課長補佐 中山(内線2905)