02/10/29 第11回社会保障審議会年金部会議事録              第11回社会保障審議会年金部会                    議事録                平成14年10月29日 第11回 社会保障審議会 年金部会 議事録 日時  :平成14年10月29日(木) 10:00〜12:40 場所  :霞が関ビル 東海大学校友会館「阿蘇の間」 出席委員:宮島部会長、井手委員、今井委員、大澤委員、大山委員、翁委員、小島委員      近藤委員、杉山委員、堀委員、矢野委員、山口委員、山崎委員、渡辺委員 ○ 高橋総務課長  定刻になりましたので、ただいまより、第11回社会保障審議会年金部会を開会いたし ます。  議事に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。座席図と議事次第 のほか、次のとおりでございます。  資料1、第9回及び第10回年金部会における委員要求資料。  資料2、第11回年金部会委員提出資料、これは今日の提出資料でございます。  資料3−1、これは前回もお出ししておりますけれども、修正したものでございまし て、年金制度改正に係るこれまでの意見の整理(案)というものでございます。  資料3−2、これは前回と同じでございますが、年金制度改正に係るこれまでの意見 の整理(論点の構成)(案)。  また、参考資料として、第9回年金部会の議事録をお配りをいたしております。  委員の出欠の状況でございますが、本日は、神代部会長代理、岡本委員、若杉委員に おかれましては、ご都合により欠席とのことでございます。  それから、翁委員が若干遅れるということのご連絡をいただいております。大澤委員 もまだお見えになっていませんが、現在、ご出席いただいております委員の皆様方は定 員の三分の一を超えておりますので、会議は成立いたしておりますことをご報告申し上 げます。  それでは、以降の進行につきましては、部会長よろしくお願いいたします。 ○ 宮島部会長  本日は、大変お忙しいところをありがとうございます。  既に何度かご報告しておりますように、今回の部会は、これまで続けてきてまいりま した総論部分に関します議論、そして論点の整理を一段落つけたいということでござい ます。本日のおおよその議事をどのように行うかにつきまして、初めに私の方から申し 上げてご了解いただきたいと思います。  まず初めに、前回の部会におきまして、各委員より改めて資料の提出要求が事務局に 対してございましたので、それについて事務局の方から資料の説明を何点かにわたって していただきまして、それをめぐって若干の質疑をしたいと思います。  その後、本日の本来の議論でございます総括的な議論、論点の整理の一段落をつける ということでございますけれども、前回以降、ご意見の提出をいただいている方の場合 には、先ほどの論点の整理の中に既に修正あるいは新たな追加という形で入れ込んでご ざいますので、それについて特にご説明をいただくということはその場ではいたしませ ん。  ただ、前回、ご欠席の今井委員、大澤委員、大山委員、渡辺委員につきましては、総 括的な議論をできなかったため、別途お時間をとっていただきまして、総括的なプレゼ ンテーションをしていただきたいと思っております。  その後、若干休憩をとりまして、残された時間はこの論点整理案に沿った形で、前回 、ざっと見ていただきましたけれども、今回、特に修正点、追加点等を中心といたしま して、皆さんに見ていただいて、こういう形の議論の整理でよろしいかどうかというこ とを確認しながら、最後まで進めて、それで本日の部会は役割を果たしたというように 私は考えております。そのような議事をこれから進めさせていただきますが、よろしゅ うございますでしょうか。                (「はい」と声あり) ○ 宮島部会長  ありがとうございます。  それでは早速、前回及び前々回の部会において委員から要求がございました資料につ きまして、特にこの総論的な議論の整理に関わるものにつきまして、事務局で可能な限 り資料を用意いたしましたので、その説明をお願いしたいと思います。それでは、事務 局よろしくお願いいたします。 ○ 坂本数理課長  それでは、お手元の資料1の(1)、(2)につきましてご説明させていただきます。座ら せていただきまして、説明させていただきます。  1ページおめくりいただきまして、資料1の1ページでございますが、これは仮に目 標年度の年金積立金を支出合計の1年分とした場合の厚生年金の保険料率が幾らになる かという御質問でございました。これにつきましてご説明申し上げたいと思います。  これは前々回におきましては、目標年度を定めまして、その目標年度におきまして、 積立金を使い切るとした場合に、保険料がどのように推移するかということをお示した ものでございますけれども、今回はこの目標年度におきまして、年金積立金を支出合計 の1年分とするような計画を立てた場合に保険料率がどのように推移するかというもの を、平成11年の財政再計算の結果をもとにして計算したものでございます。  「1.試算の前提」の二つ目の「○」にございますように、この試算におきましては 、2040年度及び2060年度におきまして、それぞれ年金積立金が支出合計の1年分となる ような財政計画を立てた場合にどのように保険料率が推移するかということを試算した ものでございます。  なお、三つ目の「○」にございますように、目標年度以降は年金積立金が支出合計の 1年分の規模を維持するように保険料率を算出しております。  ご説明をさせていただくに当たりまして、3ページを見ていただきたいと思いますが 、グラフがございます。このグラフが結果を示しております。太線で示しました折れ線 グラフ、これが試算結果でございます。もう一方で、太い曲線で示されておりますグラ フ、これは賦課保険料率を示したものでございます。  結果でございますが、2015年に16.9%に保険料率を上げまして、そのまま据置きます と、2040年度に積立金の規模が支出分の1年分の大きさになります。積立金を使い切る といたしました場合の結果は16.1%でございましたので、それよりは0.8 %高い保険料 率を設定しなければならないということでございます。  この2040年度におきまして、さらに積立金の規模を1年分維持しようといたしますと 、ここで6.3 %のジャンプが必要になります。16.9%から6.3 %ジャンプいたしまして 、その後は、1年分の規模を維持するために保険料率を毎年変えていくということにな るわけでございます。大体賦課保険料よりも0.5 %ぐらい低いところで推移するという ことになるわけでございます。これは積立金から生じます運用収入によりまして、この 引下げが可能になるというものでございます。しかしながら、平成11年の財政再計算結 果に比べますと、高齢化のピーク時におきましては4%程度、また最終的には1%程度 高い保険料率が必要になるという結果でございます。  これが2040年度を目標年度といたしまして、年金積立金を支出合計の1年分とした場 合の結果でございます。  もう1ページおめくりいただきまして4ページでございます。  4ページの図におきましては、2060年度を目標年度といたしまして、年金積立金の規 模が支出合計の1年分となるように保険料計画をつくりますとどのように推移するかと いうのを試算いたしたものでございます。先ほどと同じように太い折れ線グラフが試算 結果、太い曲線が賦課保険料率を示しております。この場合、2060年度におきまして、 支出合計の1年分の規模の積立金を持つという目標を定めますと、2020年度以降は18.9 %の保険料率で推移するということでございます。これは積立金を使い切るといたしま した場合の18.5%よりも0.4 %高い料率になってございますが、一方で平成11年の財政 再計算結果と比べますと0.9 %低い保険料率になっているところでございます。  しかしながら、2060年度におきましては、積立金の規模を支出合計の1年の規模に保 とうといたしますと2.5 %のジャンプが必要になります。このジャンプしました後は賦 課保険料率よりも0.9 %から2分の1%程度低い保険料率で推移するということになる わけでございます。しかしながら、平成11年の財政再計算結果に比べましては1%程度 高い保険料率で推移するということになるところでございます。  以上が、試算結果のご報告でございます。  次に7ページでございます。  7ページと8ページにおきましては、厚生年金の基礎年金拠出金を保険料率換算する とどのような料率になっていたかということを試算するようにという御質問でございま した。これを試算いたしましたのがこの資料でございます。  まず結論に入ります前に、「基礎年金の財政の構造」というところを見ておきたいと 思います。7ページでございますが、基礎年金の財政構造におきましては、最初の「○ 」にございますように、基礎年金の財政は、毎年必要な費用が国民年金及び各被用者年 金制度からの拠出金によって賄われており、各制度の負担は、当該年度の国民年金の被 保険者数(保険料納付者に限る)と各被用者年金制度の2号被保険者数と3号被保険者 数の合計の比率により按分される仕組みとなっているわけでございます。  二つ目の「○」でございますが、過去、平成7年〜12年度の推移を見ますと、基礎年 金給付費の増加等により基礎年金拠出金単価が増えておりますが、拠出金按分率はほと んど変わっていないという結果が得られております。  三つ目の「○」でございますけれども、これは国民年金の検認率(保険料の納付率) が近年低下していることに伴い、基礎年金拠出金を負担する被保険者数も減少してきて いるわけでございますが、そのほかに、(1) 加入促進による未加入者の減少、未加入 者数は、平成7年に158 万人と推計されたところですが、平成10年には99万人と推計さ れているところでございます。(2) 国民年金の免除被保険者数の増、これには学生の 納付特例者を含むというものでございます。(3) 厚生年金の被保険者数の減少という 影響もありまして、結果といたしましては、各年金制度の拠出金の負担割合の変化は微 小となっているというものでございます。  具体的にはこの下の表でございますけれども、基礎年金給付費は主に高齢化により、 平成7年には11兆円でございましたものが、平成12年度には14.2兆円になっているとこ ろでございます。  一方で、拠出金按分率は、先ほど申し上げましたように、制度間で余り変わっていな いというところでございまして、国民年金はほぼ20%程度で推移、厚生年金は68%で推 移、共済年金は11%程度で推移していると、このような結果になっているところでござ います。  一方で、国民年金の検認率は、先ほど申し上げましたように、平成7年度の84.5%か ら、平成12年度の73.0%まで減少してきている。  国民年金の免除率あるいは学生の納付特例率を合わせた割合を見ますと、平成7年に は17.6%でしたものが、平成12年度には23.7%に増加しているということが見られるわ けでございます。  国民年金の被保険者数、いわゆる1号被保険者数でございますが、平成7年度の1,851 万人に比べまして、平成12年度には2,093 万人と約250 万人増加しているというところ でございます。  もう一方で、厚生年金の被保険者数(2号被保険者)とその被扶養配偶者数(3号被 保険者)を合わせましたものは、平成7年度に4,409 万人でございましたものが、平成 12年度には4,258 万人と減少しているというところでございます。  1ページおめくりいただきまして、8ページでございますが、ここで基礎年金拠出金 の保険料率換算の結果を示してございます。これを見るに当たりましてご注意していた だきたいことがございまして、これを三つの「○」にまとめてございます。  まず最初の「○」ですが、厚生年金におきましては、毎年の保険料収入に積立金から 得られる運用収入を合わせまして、1階部分に充当される拠出金と2階部分の給付に必 要な費用を賄っているということでございます。すなわち2つ目の「○」にございます ように、厚生年金の財政計画上は、1階部分と2階部分を合わせた給付全体を段階的に 引上げる予定の保険料と運用収入で賄うように組み立てられておりますために、保険料 あるいは運用収入のどの程度が1階部分となるか区別して示すことはできないわけでご ざいます。また、1階部分と2階部分の給付費の割合は年々変動するものでございまし て、1階部分の給付に充てられる部分を一定率で示すということもできないところでご ざいます。  しかしながら、あえて毎年の基礎年金拠出金を、その年の標準報酬月額累計で除して 保険料率換算にすると、以下のとおりとなるということでございまして、この右から二 つ目の(3)の列でございます。ここに厚生年金の基礎年金拠出金を厚生年金の標準報酬 月額の年度累計で除した値の保険料率換算、3分の1が国庫負担でございますので、こ の値の3分の2ということになるわけでございますが、その3分の2の値をここで料率 で示しているわけでございます。  この結果によりますと、平成7年度におきましては3.8 %でございましたものが、平 成12年度におきましては、4.9 %になっていると、このような推移を示しているところ でございます。  以上でございます。 ○ 宮島部会長  続いて、どうそ。 ○十菱社会保険庁企画課長  社会保険庁企画課長でございます。私からは、平成13年度の国民年金保険料の納付状 況と、それを踏まえました14年度後半の収納対策につきましてご説明申し上げます。ま ず10ページをお開きください。  10ページは「平成13年度の検認率の実績」というふうにあります。「検認率」という 言葉、これは一般的な用語ではなくて業界用語でございますが、市町村の収納事務とい うのは、かつて保険料の納付に見合います印紙を貼って、それを消し込むという作業を やっておりまして、そのときの用語が残っているということでございます。平成13年度 が市町村が行う納付義務の最終年度でございますので、最後の検認率ということでござ います。14年度以降は収納事務自体が国に移管されますので、もっと一般的な用語、例 えば「納付率」というような表現を用いたいというふうに思います。  検認率の定義が10ページの下段の方にございます。検認率というのは何かというと、 検認対象月数、これは当該年度に納付すべき保険料月数ということでございます。これ を分母にいたしまして、分子の方は実際に納付された月数ということで、それに100 を 掛けたパーセンテージでございますが、そういう理解でございますので、分母になって おります納付対象月数には免除でありますとか、あるいは学生納付特例でありますとか 、そういう本来、保険料の納付を要しないと制度上されている月数は除外されてござい ます。  それから、もう一つ、検認率というのは、当該年度(現年度)の納付率をあらわす指 標でございます。国民年金の保険料の収納に関しましては時効が2年間、この間、追い かけるということでございますので、最終的な納付率は実際の検認率よりも4%程度通 常は上回るということでございます。これを年次推移で見たグラフがあるわけでござい ますが、基礎年金が導入されまして、現行制度が固まりました61年度以降の数字を書い てございます。平成3年と平成4年に85.7%ということでピークをつけまして、それ以 降、一貫して下がっているということでございます。  これは幾つかの要因があるわけでございますが、一つは経済全般の調子が悪いという ことに伴う経済要因がございます。もう一つは、平成7年度からの手帳送付による強制 適用ということがございます。これは未加入者をなくそうということで、20歳に到達し た方で、国民年金の届出を行っていただいていない方に勧奨した上で職権適用しようと いうことを平成7年度から始めておりまして、こういうことによりまして、未加入者自 体というものは減っていったわけでございますが、こういうふうにして適用された手帳 送達者の納付率というものが残念ながら低いという現状の中で、平成7年度以降、検認 率の低下の幅が大きくなっている、こういう構造になってございます。  平成13年度の検認率でございますが、残念ながら70.9%ということで、前年度に比べ まして2.1 %低下しております。それから、第1号被保険者自体は増加しておりますの で、検認対象月数は伸びておりますけれども、検認実施の月数も残念ながら減少してい る、こういう状況でございます。  11ページをお開きください。11ページは、検認率を分析してみたものでございますが 、前半のグラフは年齢階級別検認率ということで、年齢層が低い方の検認率は低く、年 齢層が高い方の検認率は高いということになってございます。55〜59歳が一番高いグル ープでございますが、こういったいわば優良の納付者が60歳を迎えて加入者として卒業 される。それと同時に、検認率の低い20歳〜24歳という若い方が入ってくる、こういう 構造が検認率を押し下げている一つの大きな要因でございます。  それから、後半でございますが、これは手帳送付状況別検認率ということで、手帳送 付者に関しましては、手帳送付者であるということがわかるようになってございますけ れども、この手帳送付者の検認率(納付率)というものが28.9%ということで3割に満 たない現状にあるということが大きな問題となってございます。  それから、12ページでございます。12ページは検認率低下の要因を要因ごとに分析を してみようということでやや見にくい図になっておりますが、真ん中の図は、平成12年 度と平成13年度の比較を行った図でございます。三つのカテゴリーに大きく上から分か れるわけでございますが、一番上のグループは、平成12年度は納付対象であったけれど も、平成13年度は納付対象から外れた方の動き、真ん中の継続検認対象者というグルー プは、12年度も13年度も納付の対象になった方の動き。一番下の方でございますが、平 成12年度には納付の対象者ではなかったけれども、平成13年度には納付の対象者になっ た方はどうであるかということで大きく三つに分けてございます。  そうしますと、一番上のグループ、平成13年度は納付対象から外れた方でございます が、これが60歳到達などの資格喪失によって外れた場合、これは74%というそれなりの 納付率でございます。免除等によって外れた方、これはいわば所得が低いボーダーライ ンの層ということでございますが、ここは25%ということで著しく低くなってございま す。  それから、真ん中の継続的な納付者というものは比較的安定しておりまして、73.4% から73.7%と若干の増ということでございます。  それから、一番下のグループ、12年度が免除等であったけれども、13年度に新たに納 付対象者になったケースでございますが、12年度の申請免除者で13年度の納付対象者、 ここが一番低くて22.4%。  それから、12年度は学生納付特例であったけれども、13年度に第1号被保険者になっ た方ということで、これは48.4%。  それから、新たな取得者でございますが、自ら届け出た方のグループは69.9%でござ いますけれども、手帳送付ということで適用された方は26.4%ということでございまし て、数字的には平成12年度の申請免除者と手帳送付による新規の取得者、これが低下の 要因になっているものと考えられます。  13ページは、今申し上げました内容をいわば納付対象者のカテゴリー別の影響度とい うことで分解をしたものでございます。グラフと表とございますが、真ん中の表でご覧 いただきますと、2.1 %のマイナスの大きな影響を与えているグループは、真ん中あた りの新規検認対象者計というところに前年度申請免除者というものがございます。この グループが1.3 %のマイナス要因。それから、下の方でございますが、新規取得者計の 中の20歳到達者、このグループが△0.4 %、それはほとんどが手帳送付者の分であると いうことがうかがえるわけでございます。  続きまして14ページでございます。都道府県別の検認率を見たわけでございますが、 平成13年度の数字でご覧をいただきたいと思いますが、やはり大都市部というものが納 付率は低いということで、東京都の場合はちなみに61.8%、大阪府の場合は56.7%。そ れから、やや特異な数値を示しておりますのが最後の沖縄県でございますが、沖縄県は 国民年金が復帰後の加入というようなこともございまして、特例的な歴史的背景があっ て、検認率が以前から低いということで50.8%となってございます。  逆に検認率が高い県というのは、日本海側に多いということがうかがえまして、新潟 県の88.4%、秋田県の87.8%、山陰の島根は86.3%、この辺が検認率の高い地域でござ います。  このような13年度の納付状況というものを踏まえまして、平成14年度の後半の収納対 策をどのように実施していくかということで、16ページをお開きいただきたいと思いま す。  本年度に入りまして、4月から収納対策が社会保険庁の方に市町村から移管をされま して、それに向けまして収納対策のいわばパッケージという施策を全国的に展開してご ざいます。それは既に当部会においても説明したとおりの内容でございますが、平成14 年度後半においては、限られた体制の中で行う収納対策の実効を上げるために、収納対 策を講じる重点的なターゲットというものを明確にしようということで、先日、全国の 社会保険事務所長会議等でも指示を行ったところでございます。  どういったターゲットに対して重点を置くかということですが、二つのグループを考 えております。一つは、2.の(1)でございますが、昨年度、学生納付特例者で未納 となっている方とか、あるいは新規資格取得者のうち手帳送付者で未納となっている者 、こういったグループというのは、いわゆる年齢層が若くて制度への関心や理解が不足 しているということでございます。こういった方たちを掘り起こして理解を求め収納に つなげていくということでなければ、国民年金の将来の発展というものはないわけでご ざいますので、大変難しいカテゴリーでありますけれども、ここを大切にしたいという ことでございます。こういった方々には、もちろん(4)、(5)のような個別収納対策も実 施するわけでございますけれども、(1)、(2)、(3)に書きましたようないわゆる広報の 展開というようなことで理解を求めてまいりたい、こういうふうに思っております。  それから(2)は二つ目のカテゴリーでございますが、継続検認対象者の中で、前年 度は納めてもらったけれども、今年度は未納になっているという方、昨年度は申請免除 であったけれども、今年度は未納になっている方、あるいは新しく資格取得を自ら届け 出ていただいたのに保険料は納めていただいてない方、こういった方々は保険料の納付 とか制度に対する意識や理解は比較的高いというふうに考えられますので、こちらの方 は実質的に納付に結びつくような個別収納対策といいますか、ここに重点をおきたいと いうことで、電話による納付督励とかそれを踏まえた職員、国民年金推進員の戸別訪問 によりまして納付督励をし、ご理解を求める、こういうような努力を重ねたいと思って おります。  17ページは、これは平成14年度からの収納対策につきまして、詳細に書いたものでご ざいますが、省略いたします。  それから、18ページでございますが、11月6日からは「いい老後(いいろうご)」と いう語呂合わせでございますが、1週間年金週間として設定いたしまして広報活動を集 中的に実施をしております。  今年度でございますが、「国民年金保険料の納付」ということが最重要のテーマでご ざいますので、特に納付率の低い20歳代前半から30歳代前半層を対象にしまして納付の 重要性を訴えたい。「ひとりの勝手は、みんなの迷惑」ということで、優香さんを起用 した広報を実施したいというふうに考えております。この会場の入口のところに参考ま でにポスターを掲げてございますが、こういったような展開を行いたいと思っておりま す。  いずれにいたしましても、平成13年度の納付状況は大変厳しい状況であるというふう に受けとめておりますので、社会保険庁の組織の全力を挙げまして、平成14年度の後半 の収納対策に取り組みたいと思っております。  以上でございます。 ○ 宮島部会長  ありがとうございました。いずれも、これは総括的な議論に関わる点でございますが 、ただいまの3点の資料の説明につきまして、今、もしここで少し質疑しておくことが あれば、若干お時間をとりたいと思いますが、いかがでございましょうか。  最初のはたしか小島委員からの資料提供要望だったと思いますが、一応こういうこと でよろしゅうございますでしょうか。 ○ 小島委員  はい。 ○ 宮島部会長  2番目はたしか矢野委員からであったと思いますが。 ○ 矢野委員  資料7ページについてちょっとお伺いしたいのですが、国民年金の被保険者数という ことで、右から2番目のコラムに総数が書かれているのですが、年度別で未加入者、未 納者、免除者等の数字について、内訳がどうなっているのかということを示していただ きたいと思います。  それから、検認率というのは、どうも素人にはわかりにくいお話なんですが、今、申 し上げた未加入者、未納者、免除者と検認率との関係がどうなっているのか、そこら辺 の意味がよくわかりかねるので、その点の説明も併せてお願いしたいと思います。 ○ 宮島部会長  今、直ちにこの場でお答えできるところがちょっとあるような気がします。定義にか かることですので、企画課長の方から。 ○ 十菱社会保険庁企画課長  後半の方のご質問でございますが、ちょっと説明が足りなかったのかなというふうに も思いますが、10ページに検認率とはなんぞやということが書いてございます。検認率 、簡単に申し上げますと、納付すべき方が当該年度に納付すべき保険料の月数というも のを分母にいたしまして、実際に当該年度に納付された保険料の月数を分子にするとい う数字でございまして、ご質問の観点から申し上げますと、免除とかあるいは学生納付 特例といったようなものは、これは制度的に保険料の納付をしなくてよいというふうに されておるわけでございますので、検認率という考え方には入ってこないということで ございます。 もう一つの未加入者でございますが、未加入者の場合は、要するに制度においてまだつ かまえられていない者ということでございますので、検認率の中には入ってこないわけ でございます。  それから、未納者がどういうふうになるかということでございますが、未納者という のは、いわば実態的には分子の方の納付されなかった月数ということで整理されるわけ でございます。これが一般的に月数というのがわかりにくいというご指摘はあるわけで ございますけれども、ただ国民年金の保険料は月単位で納めるわけでございますし、年 度途中での出入りもある。それから全部納めてはいないけれども、一部何カ月分か納め る方もあるということで、納付のパーセンテージを示すには、人には着目できないとい うことがございまして、この月数ということで、分母、分子を考えるというのが検認率 の考え方でございます。 ○ 高橋総務課長  補足をさせていただきますが、矢野委員のご質問は、7ページに即しての説明だと思 いますけれども、もう一回、7ページに戻ります。一見してわかりにくい概念ですが、 大体の感じで言いますと、まず国民年金に誰が入るのですかというところからご理解い ただきたいのですが、サラリーマン(2号被保険者)か、あるいは被扶養の配偶者の方 、この方々は2号、3号になりますので、それ以外の20〜59歳の日本にいる方、これが 1号にまずなるべき人間です。ところが実際には入っていらっしゃらない方がいるわけ です。私ども所在を把握できない、こういう方がいっぱいいらっしゃいますが、そうい う方は未加入です。  未加入の方は、今、7ページに書いてある1号の被保険者に入っておりません、そも そも、この外です。これは全く行政として把握できない方ですから、その外にいます。 その方は推計の数字しかございません。  では1号として把握された被保険者の中で、検認率というのはどういうふうにいくの かといいますと、第1号被保険者の中から、まず免除の方、学生納付特例に該当する方 は、保険料を納める義務はありませんので、第1号被保険者の中の一部から、まず保険 料を納める人間としては除外されていくわけです。したがいまして、保険料を納めるべ き人間は、逆に言いますと、例えば平成12年度で言いますと、2,093万人×23.7%の残 りということになりますが、2,093 万人のうちの76.3%が保険料を納める人間だと。  実際に2,093 万人のうちの76.3%のうち、どれぐらいの人が納めたかというのが検認 率であります。したがいまして、2,093 万人×(1−23.7%)ということになりますけ れども、76.3%×検認率73%、これが実際に納めた方ということで、未納というのはど こなんだということになりますと、未納というのは、73%の裏側の27%の方が未納にな っていると、そういうことでございます。ただ、検認率は月数でとられていますので、 イコール人数ではないんですけど、大体はほぼ人数と変わらないです。 ○ 宮島部会長  何か、まだございますか。 ○ 坂本数理課長  国民年金被保険者数のうちの未納者数、免除者数、未加入者数がどうなっているかと いうことでございますが、未加入者数は、今、総務課長からご説明申し上げましたよう に、毎年把握できているものではございません。特別の調査をやりまして、把握した年 度があるというところでございます。  それから、免除者でございますが、免除者につきましては人数が把握できております ので、これを申し上げますと、平成7年度におきましては、法定免除、申請免除あわせ まして、303 万4,000 人、平成12年度におきましては、369 万8,000 人という数字にな ってございます。未納者につきましては、先ほどの説明からございますように、人数換 算というのが難しゅうございますので、ここでは把握していないところでございます。 ○ 宮島部会長  矢野委員、何かございますか。 ○ 矢野委員  もう一回、確認しますが、検認率の分母、分子ともに、未加入者は別といたしまして 、免除者と学生納付特例該当者は入っていない、こういうことですね。 ○ 坂本数理課長  はい。 ○ 矢野委員  それで考えればよろしいということですね。そうすると、国民年金の被保険者数を分 母として、何割が保険料を払っているかということになると、70%よりずっと低いとい うことですね。76.3%の73%ということですか。そう考えてよろしいわけですね。そう すると、暗算で56%、本来払うべき人の60%弱になりますか、五十数%が払っていると 。つまり四十数%の人は払っていないと、こういうふうに考えていいわけですか。マク ロ的にきちんと理解しておきたいので。 ○坂本数理課長  矢野委員がおっしゃいますように、被保険者全体から見たという場合には、そのよう になるわけでございます。ただ、免除者というのは、保険料を納める義務がないという ところでございます。  それから、先ほど免除者数のところで、もう一つ、学生納付特例の数を言うのを忘れ ました、恐れ入ります。平成12年度から学生納付特例が始まっておりまして、平成12年 度におきましては、134 万8,000 人存在するというところでございます。 ○ 宮島部会長  本来という言葉をどう見るか、もともとの母集団として大きいところと、法律で免除 を認められている人も含めるかどうか、その辺、考え方といいますか、見方に少し違い があるかもしれません。 ○ 大澤委員  同じ資料の7ページのところなので関連してお伺いしたいのですが、厚生年金の被保 険者数というのもだんだん減ってきているというのがこれで見ると非常にはっきりして いるのですけれども、2号と3号が込みになっているので、2号、3号の対比みたいな ものがわかると便利だなというふうに思ったこと。  それから、7、8ページの資料は、1号で払っていない人がいることが、2号にどう いう影響を与えているかというような問題意識もあろうかと思います。ところで過去の 改革の中では、例えば3号が全員1号になった場合に、つまり1号と同じ定額保険料を 払った場合に2号の保険料率がどれだけ軽減できるのかという計算もなさっていたと思 うので、そのような資料をいただければ、我々の議論に資するのではないかと思います 。  そして、2号と3号が減ってきているということは、これは単に不況で失業者が増え ているというだけでなくて、雇用者の中での第2号被保険者の比率もこの10年で5%ポ イントぐらい下がっているわけですので、これは男女ともに5%ポイント10年で下がっ ていると思いますけれども、雇用者でありながら2号になっていない人はどこにいるの かということが関心が持たれるところです。 ○ 宮島部会長  今、ご意見の部分と資料についてのご質問の部分が改めてございましたけれども、何 か。 ○ 坂本数理課長  厚生年金の2号と3号の内訳ですが、平成7年度につきましては、4,409 万人のうち 3,370 万人が2号でございます。残りが3号、1,039 万人ということになります。  それから、平成12年度におきましては、2号が3,270 万人ということでございます。 3号は残りの987 万人ということになります。これからしますと、2号の減少率が△3 %、3号の減少率が△5%ぐらい、このような状況になっております。  3号を1号に換算した場合にどうなるかということにつきましては、ちょっとお時間 をいただきたいと思います。 ○ 矢野委員  先ほどのご説明についての追加の質問ですが、二つありまして、未加入者について推 定値でもいいのですが、わかっている範囲で話していただきたいということが一つ、も う一つは、未納者について数字がわからないという話でしたが、これから督促をいろい ろなさっていくのに、数字がわからないでできるのかという疑問を持つわけなんですが 、正確な数字は難しいかもしれませんけれども、大体どれぐらいのボリュームなのかと いうことについて、推定値になるかもしれませんが、お話していただきたいと思います 。 ○十菱社会保険庁企画課長  まず未加入者でございますが、これは実態調査で3年に1回推計をするということで ございまして、直近のものは平成10年の「公的年金加入状況等調査」ということで、若 干古い数字ですが、第1号の未加入者99万人という数字がございます。  未納者は、未納者というものをどう定義するかにもよるわけでございますが、実態調 査を行うときにこれも把握しておりまして、2年間保険料の納付がない方という定義で 未納者を把握するということをやっております。こちらの方は、平成11年の国民年金被 保険者実態調査が最新のものでございまして、これによります未納者は265 万人、こう いう数字が出ております。 ○ 宮島部会長  解釈は別にいたしまして、数字のことで何かありますか。渡辺委員。 ○ 渡辺委員  7ページの表で、拠出金按分率のご説明をいただきましたけれども、これを見ると、 国民年金の検認率が下がっているにも関わらず、拠出金按分率はほとんど変わってなく 、1ポイント程度下がっていますね。厚生年金は先ほどお話があったように、被保険者 数が減っていることもあって按分率は変わらないと。むしろ共済年金が1ポイント増え ている。  これをどう解釈すればいいかというと、一つは検認率は下がっているけれども、その 理由は、先ほどお話あったように、いわゆる職権適用が増えたから下がった。つまり実 質上の納付者の数はそれほど減ってないと解釈すべきなのか。あるいは厚生年金の被保 険者は相当減っていますが、これはいわばリストラ等が中心の原因とするならば、それ によって国民年金の被保険者が増えたというふうに解釈すべきなのか。あるいは共済年 金の按分率がわずかながら増えているということは、国家公務員、地方公務員、私学共 済だと思うのですが、この部分で言いますと、非常に俗な言い方をすると、共済年金が 一番その分では損をしているといいますか、割を食っているというか、そのような解釈 が成り立つと思うのですが、それについていかがですか。 ○ 坂本数理課長  今、渡辺委員がおっしゃいました要因すべてが複合的に影響しておると考えるところ でございますが、一番大きい原因は、未適用だった人を加入促進により、適用した結果 、未加入が増えていると。それで実質的には余り変わっていないというところが一つの 大きな要因ではないかと考えられるところでございます。  それから、共済年金の方にしわよせがいっているのではないかということですが、実 際、小数点以下を計算いたしますと、11.5ということになって、前年は11.4だったので ございますが、11.5ということで、四捨五入の関係で12になったと、その程度でござい ます。したがいまして、余り大きな変動はないということは言えようかと思います。 ○ 宮島部会長  ありがとうございました。まだ、もう少しご意見あると思いますが、後ほどの議論で 若干していただくこともよろしいかと思います。  最後、これは私もお願いしたい点でございますけれども、分析が大変よくできている ので、あとは実行あるのみという感じでございます。 ○ 大山委員  5ページ、6ページに厚生年金の財政見通しが載っているのですが、この中の支出合 計、2000年度は国庫負担が3分の1ですから金額が違うと思うんですが、先ほどから出 ている資料で言いますと、8ページの厚生年金基礎年金拠出金9.1 兆円とありますね。 3分の1と2分の1では違いますから、2000年度について、支出合計の中に9.1 兆円前 後含まれると考えていいですね。 ○ 坂本数理課長  はい。 ○ 大山委員  そうすると、2020年とか2025年といった場合に、全額国庫負担になった場合にどうな るか。支出合計の中には、厚生年金の基礎年金拠出金が当然2060年でも入っているわけ でしょう。その割合といいますか推計、どういう計算をしているのか、お願いしたいの ですけれども。 ○ 坂本数理課長  支出合計のうちの基礎年金拠出金が幾らであるかということにつきまして数字をご紹 介させていただきますと、2000年度は支出合計28.1兆円のうち9.5 兆円が基礎年金拠出 金と見込んでおったところでございます。2025年につきましては、恐れ入ります、 ちょっとお時間いただけますでしょうか。 ○ 杉山委員  質問ですけれども、手帳送付による強制適用というときの手続は、手帳をその人に送 っただけなのか、それとも手帳を渡したときにちょっとした説明があったのか、教えて いただけませんか。 ○渡邊社会保険庁年金保険課長  未納者の方に何度か訪問をしたりして勧奨するわけですけれども、その結果、なおか つ届出が出てこないものに対して、直接手帳を送付し加入に結びつけるという方法をと っております。 ○ 宮島部会長  それでは、大山委員の質問は、後ほど、今日中に間に合えば、ざっとした数字は示し ていただくことにいたしまして、資料の説明と質疑につきましては、ここで区切りをつ けさせていただきます。この後、論点整理案に沿って総括的なご議論をお願いするわけ でございますが、まず初めに事務局から、前回以降提出された意見を含めて、その後、 変更点についてご説明をいただきます。今、数値がわかりますか。 ○ 坂本数理課長  恐れ入ります。大山委員、御質問の件でございますが、2025年度におきましては、支 出合計が71.2兆円に対し基礎年金拠出金が26.1兆円というウエイトでございます。よろ しゅうございますでしょうか。 ○ 宮島部会長  それでは、総務課長、お願いいたします。 ○ 高橋総務課長  資料3−1でございます。これは前回、検討項目と論点、委員の方々の意見の大まか なところは大体ご説明しておりますが、今日は前回やったものについて、その後、委員 の方々からペーパーでご意見をいただいて修正を加えたもの、前回の議事でご発言によ って追加あるいは修正のあったもの、これをアンダーラインで加えております。すべて につきまして、私の方からいちいちご趣旨を説明するのも何ですので、主だった点だけ かいつまんでご説明申し上げます。  まず2ページでございますが、これは年金制度改革の基本的な視点をどう考えるかと いう論点ですが、2ページの下の方に、新たに括弧を起こしまして【成熟した社会にお ける公的年金の役割を再考する必要がある】と、、これは若杉委員のご意見でございま すが、今日ご出席ではございません。中身を申し上げますと、かつての産業のあり方と は変わっているから、少し年金制度のあり方を見直すべきというようなご趣旨だと理解 をいたしております。  それから、次の3ページでございますが、これは順番を入れ替えております。前回の 堀委員のご意見に従いまして、社会保険方式と税方式の方を先に立てて、賦課、積立の 話は後に持ってきておりますが、【社会保険方式を維持すべきとする意見】というとこ ろで、堀委員は、単に社会保険料か税かという財源論ではなくて、方式のやり方、社会 保険システムか社会扶助のようなものなのかということで、そういった格好で整理をす るべきというご意見をいただいております。  それから、一番下でございますが、【基礎年金は税方式によるべきとする意見】につ きまして、岡本、矢野委員、大山、山口、小島委員からご意見をいただいております。  最初の岡本、矢野委員は、基礎年金についてはすべての高齢者の基礎的な生活費の保 障を行うものとして賦課方式の財政方式が適当であり、次の改正では、国庫負担2分の 1に引上げ、その後に全国民が広く薄く負担する間接税によるべき。  それから、大山、山口、小島委員のご意見は、すべての住民を対象とした普遍主義の 原則からということでご意見が修正されております。  5ページでございますが、何点かございますが、これはご意見の明確化ということで 修正がなされております。6ページも同様でございます。  7ページでございますけれども、これは今日提出の資料とも関係するポイントでござ いますが、7ページの真ん中あたりでございますが、岡本委員から、委員意見の欄の真 ん中あたりにあります【厚生年金保険料の基礎年金に対する部分と報酬比例部分を分離 すべき、もしくは負担の内訳を明確化すべき】というご意見をいただいています。中身 は記載のとおりでございます。岡本委員のご意見は、論点そのものとして、論点の欄に 「年金給付の構造(所得比例、所得再分配)についてどう考えるか」と書いてございま すが、それに加えて、この部分にちょうど該当するかと考えておりますが、「現行制度 の基礎年金拠出金についてどう考えるか」という論点を加えるべきとのことです。それ についての数字は先ほどお示ししたとおりでございます。  それから、山崎委員から追加でございまして、今、申し上げた下に、基礎年金拠出金 について、これは被用者制度間の話ですが、応能負担とすべきとする意見、8ページ、 9ページ、若杉委員、この辺はご趣旨の明確化ということで修正しております。  11ページでございますが、ここは保険料負担のあり方ということで、最終保険料の水 準と到達時期、最終保険料の引上げの仕方ということにつきまして、杉山委員から2点 ほど追加をいただいております。これは前回も出ておりますが、若干明確化をしてとい うことでございます。  13ページ、既裁定年金についての取扱いですが、近藤委員から追加でございますけれ ども、最初の【既裁定年金についても適正化を検討すべきとする意見】の最後の意見、 平均余命の延びに応じて既裁定年金を減額するのはできるのではないか。  15ページでございますが、基礎年金の国庫負担の話でございますが、意見整理の2番 目のところで、【国庫負担水準については国庫負担の意義や財源の議論をした上で検討 】ということで、これは翁委員からですが、国庫負担の意義、財源の議論と切り離して の水準引上げの議論はなかなか難しいのではないかというご意見。  16ページでございますが、似たような話になりますが、大山、山口、小島委員から、 ご意見が追加されておりまして、基礎年金の財源は税方式とし、2分の1までは一般財 源、3分の1は目的間接税、残り6分の1は事業主の責務を引き続き果たすべきとの観 点から、事業主から社会保障税による徴収を行ってはどうか、それから、堀委員から、 国庫負担引上げについては、税目の明示についてある程度議論をしないと、あとは赤字 国債でいいではないか、というような議論に流れてしまうのではないかというようなご 意見をいただいております。  17ページの遺族年金・障害年金、18ページ、19ページ短時間労働者、この辺は趣旨の 明確化なり、若干の修正ということで、ご意見をいただいております。21ページもそう です。23ページもそのような感じでございます。これは再掲でございます。  それから最後の25ページ、先ほど議論がありました国民年金の保険料徴収にからめて の問題ですが、追加でございまして、保険料の時効についてどうするか。【保険料の時 効の延長を検討するべき】とのご意見は前回2点いただいておりますので、ここで加え ております。  それから、杉山委員からは、【年金についてのアドバイスを通じて保険料納付を促進 していく】というような、徴収面ではなくて教育面に少し配慮をせよというようなご意 見の追加があったところでございます。  以上でございます。 ○ 宮島部会長  ありがとうございました。無論、これは皆さんからいただいた意見を整理してとりま とめたわけでございまして、一字一句そのままになっているかどうか、私は確認してお りません。もし必要があれば、後ほど少しご意見をいただきたいと思いますが、全体に ついて少し議論いただく前に、前回、ご出席の委員の方からは論点をまとめるに当たっ ての総括的なご意見を一応伺っておりますので、本日は時間が押しておりますから、簡 潔にということでお願いしたいと思いますけれども、前回欠席された委員から、今井委 員、大澤委員、大山委員、渡辺委員の順で、5分程度で大変申し訳ございませんが、総 括的に少しご議論いただければと思います。まず、今井委員からお願いいたします。 ○ 今井委員  今日の資料の7ページのように、1号が全体に増えているということがはっきりした わけですので、やはりこれからは、財源の厳しさはわかるんですけれども、2号、3号 といった人と1号とを比べた場合、格差を感じている者としましては、全体に1号に共 通した格差の少なくなる方向での政策という方向でいっていただきたいということを実 感しました。  あと、最重要課題ということで、男女共同参画社会基本法というものが立ち上がって いるわけですから、そういう意味で年金も方向性をはっきり見据えたものにしていただ きたいなと思いました。以上です。 ○ 宮島部会長  ありがとうございました。大澤委員、お願いいたします。 ○ 大澤委員  資料3−1に関連してなんですけれども、まず、この資料は間違ってはいないと、大 変正確にかつ誠実につくられていると思います。もちろん我々が出した意見を要約して いただいていますので、その要約の仕方について細部には、ちょっとこういうつもりで なかったということもあるかもしれませんけれども、大変誠実に正確にまとめられてい ると思います。  それで、私自身大変ご苦労いただいたというふうに思っていたんですけれども、先週 ぐらいでしたか、労働組合の活動家の方で比較的社会保障の問題に関心を持っている方 に、この前回の資料を少し説明して、部会はこんなふうになっていると私自身説明しま したら、結局よくわからないと。それから、最後になって、「今の年金部会は改革する 気があるんですか」というふうに言われてしまって、この方は社会保障の問題に比較的 関心があって、勉強もなさっている方の反応ですら、そうだったわけでして、この資料 3−1が一般の方の前に出ていったときに、一体何の議論をしているのかわからないと いうふうになりかねない。  その理由の一つは、資料のつくり方からして仕方がないんですけれども、かなり大き な抜本的な問題と、それから比較的小さなこと、それから前回の改革で積み残しになっ ていることとか、法律には盛り込まれているのに実施されていないこととか、そういう 小さいことがかなり並列の形になっている。もちろん目次もまとめていただいています から、大きい中でのそれぞれの論点なんだと、注意深く読めばわかるんですけれども、 しかし、なかなかそこまで読んでくださる人は少ないので、この部会の議論を克明に追 っかけて、それぞれの委員が提出したペーパーもよく読んでいただいている方には、今 回の部会は大きな思い切った改革に向けて一生懸命議論しているというご理解があると は思いますけれども、それをより広い方々に理解していただく上で、この資料3−1の 作りでいいのかどうかというと、それはかなり疑問に思われるということです。  今回はこういうふうにしておいても、今後、一般の方、国民に広く議論を呼びかけて いくときの資料なり、たたき台の出し方はかなり工夫が必要なのではないかというふう に感じた次第です。  他方で、今朝の新聞等にも、経済産業省は独自案を出して、保険料率は20%に固定し 、給付額は12%カットする、積立金を取り崩して2年分だけ残すようにするというよう な、こういったものがどんどん報道されまして、よその省は、そういう思い切ったもの を出しているのに、厚労省の年金部会は一体何の議論しているのか。あれこれ意見が分 岐しているということを並列した結果として落ち着きどころというのは、前回や前々回 と同じように微修正にとどめようというようなことになりはしないかというふうに、そ ういう雰囲気といいますか、見方がもし定着していってしまうとすれば、我々非常に熱 心に議論しておりますので残念なことではないのかという気がいたしました。  最初のところを読めば、基本的な視点として、将来にわたって不信感や不安感を払拭 するような思い切った改革が必要だということは大勢を占めていると思います。総論は そうでも、各論のところで、例えば中長期的にという限定をつけられている委員はいら っしゃいますから、そういう方はもしかすると現状維持というふうに区分できるのかも しれないのですけれども、大勢は、将来にわたって不安感や不信感を払拭するために思 い切った改革が必要であるというような気がします。大きなメッセージとしてそういう まとめはできないのかどうかという気もしております。ただ、現時点でそれが時期とし て適切かどうかについては、さらに慎重な判断を必要とするかなというようなところで ございます。 ○ 宮島部会長  ありがとうございました。それでは、大山委員。 ○ 大山委員  年金制度について考える場合に、最初のころ申し上げましたけれども、公助・共助・ 自助ということで考えていくべきだと思っております。社会保障制度としての年金につ いては、とりわけ今の時点では公助と共助の部分についてどうするかを議論するべきだ と。いわゆる私的年金の問題もかなり挙がっておりますけれども、この間、年金制度が 改定されるたびに、かなり以前には労働組合が個人年金、いわゆる団体年金を活用して そういう自助努力をするということはありましたし、それから、現在の時点では企業年 金が大幅に変わるという中で労使ともにその自助における制度をどうするかということ を現在具体化をしている最中でありますので、これは単に1年でできるとか2年ででき るということではありませんので、そういう点ではここの議論は、公助と共助の部分に ついてしっかり議論していくべきではないかと思います。  その上で、公助という関係でいった場合には基礎年金をどうするかという問題があり ます。国民年金の空洞化の問題についてはいろいろな資料が出ているわけでありますが 、厚生年金についても組合員からも聞いておりますし、それから、大変苦しい中でも社 会保険の関係についてきちんとやっている経営者からも様々な話を聞いておりますが、 本来、厚生年金加入でなければならない事業所について必ずしもそうではない雰囲気が あると。厚生年金に加入していなければ、事業主負担が減少するというようなことがち またで言われているというようなこともありまして、そういう点から見た場合には、私 は二つの点が必要ではないかと思っております。  一つは、雇われる者について、基本的に厚生年金なら厚生年金という制度にきちんと 入ること。これからますます雇用形態が多様化すると言われているわけでありますし、 それから、必ずしも最初からスタートする企業が一定の規模を持っているわけではあり ませんので、そういう点では短時間労働者の問題や五人未満の個人事業主、そういう点 について、いわゆる雇われている者については均等に扱うという制度をいかにこの中で つくり上げていくかというのが重要だと思っています。  もう一点は、そういう事態が起こっている中で、基礎年金の問題について、公助とい う観点からきちんと税金で行うという方向で議論をしていく必要があるのではないかと 思っています。  それから、給付と負担の関係でいきますと、当然、私たちは実際に受給している高齢 者の皆さんに、今の年金の財政状況についていろいろ説明をして理解を得るためには、 それは現役世代が社会保険において負担をしている保険料がこれからきつくなっていく ということのバランスをきちんととっていただきたいと言うことが、説得をするために は非常に重要ではないかと考えています。そういう意味では、一般的に給付の切下げで はなくて、きちんと可処分所得同志の比較で、受給者の理解を得るような議論をしてい くべきではないか。  それから、同時にあくまでも負担と給付の関係では、現役世代と受給者、いわゆる高 齢者の関係になりますけれども、同時にもしそれだけでは非常に不十分だ、なかなか制 度的にやっていけないということになれば、同世代のお互いの分かち合い、いわゆる受 給者、高齢者同士の分かち合いということで考えていくべきではないかと思います。そ うなれば、当然税金を総合課税に変えることとするか。主たる収入がなくなった時点で 、今の年金制度の仕組みは、現役時代における収入にかなり左右される分がありますか ら、その辺を所得再配分によって調整をする。ある意味で言えば、これからの給付の関 係については、現役世代と受給者という問題もありますが、さらにそれでは制度が維持 できないということであれば、いわゆる同世代における関係について理解を求めるため にはどうしたらいいのかという議論が必要だろうと思っております。  最後になりますが、先ほども大澤委員からお話がありましたように、全般的なことに つきましては、この資料でまとめられておりますので、ここは年金制度について議論を しているわけですが、若い世代の就職率の問題とか、そういう問題を踏まえた場合には 、将来的に年金制度がどうなるのだろうかという問題がありますので、その辺からも、 できれば、厚生労働省あるいは国全体の施策に対して、この年金部会から要望等を発す ることができればいいのではないかと思っております。以上です。 ○ 宮島部会長  ありがとうございました。それでは渡辺委員、お願いいたします。 ○ 渡辺委員  私は初会合、第1回目の年金部会で申し上げたのですが、今度の2004年財政再計算に 向けてテーマがたくさんあると申し上げました。大きなテーマから小さいテーマ、各論 に至るまで。そういった意味では、今度の私たちの果たすべき役割は、大きなことも当 然でありますし、ある意味では非常に細かいことまですべてについて、およそ年金に関 することは言及すべきであると初会合でも申し上げました。  そういった観点からいきますと、今回のこのまとめ、確かに非常によくまとまりすぎ ている部分はないわけではないのですが、まず論点項目といいましょうか、論点の構成 も、私はこれでいいのではないだろうか。各委員のいろんな意見が出ていましてて、も ちろん個人的には各意見に対しては意見がございますが、まとめとしてはよろしいので はないかと思います。  ただ、そういった中で、私は論点項目のうち7番目、つまり公的年金と私的年金の役 割、この論点整理で言いますと23ページでございます。これは私自身もまだ意見を出し てなくて、余り生意気なことは言えないのですが、ここがちょっと足りないのではない かという気がいたします。  私自身も意見をまとめている最中でございますけれども、特に企業年金につきまして は、今、急がれているのはまさに各論てございまして、新しい仕組み、つまり確定拠出 あるいは今年4月からの確定給付企業年金というのが始まったわけですが、今、民間企 業は非常にここで苦しんでおります。例えばこの中で一つ、24ページの最初ですが、岡 本、矢野両委員からの具体的な提案がございますが、今、まさにこういったことが急が れておりますし、さらに言うならば、厚生年金の代行返上が認めれたわけでありますが 、代行返上の将来分はすぐにでも認められているわけですが、過去分についての代行返 上のルールというのを決めなければいけない。これによって民間企業に対して非常に大 きく影響するといった問題もあります。私はこの年金部会というのは当然企業年金につ いてもかなり具体的に踏み込んだ意見提出をすべきだと考えておりますので、もし許さ れるならば、私自身もまた改めてここに意見を出したいので、この部分がもうちょっと 充実してほしいと思います。  さらにもう一点だけ言いますと、さらにほかの検討項目がないかと考えてみた場合に は、公的年金の一元化の問題がございます。一元化につきましては、とりあえず2004年 まで残された課題は、国家公務員と地方公務員共済の財政単位の一元化というテーマが 約束されているというか、やらなければいけない項目が挙がっていますが、これについ ては別途検討委員会があるわけでございますので、これについてはここで当面議論する 必要はないのかなと思います。  そういった意味から言いますと、項目として、私はおよそすべて揃っているのかなと 。ただ、企業年金についてもう少し意見を提出すべきかなと。以上でございます。 ○ 宮島部会長  ありがとうございました。それでは、ここで若干休憩をとりまして、25分から再開し たいと思います。それで、1時間ほど、最後の論点整理について、それぞれ順を追って 、またご意見を伺うことにいたします。それでは、25分に再開いたします。                   (休憩)                   (再開) ○ 宮島部会長  議事を再開いたしますので、ご着席のほどお願いいたします。  それでは、あと1時間ほど時間ございますが、この1時間の議論で、決着をつけると いうようなことは無論考えておりません。この論点の整理案として、こういう形でよろ しいのかどうかということと、もしその論点整理の際、どうも趣旨がはっきりしない、 あるいははっきり言えば、もう少し議論をしなければいけないところがあるのではない か、そういう点がございましたら、皆様方のご意見を順次伺っていきたいと思います。  なお、先ほどの資料説明の際の議論、その後の四人の方の意見陳述、これからの議論 を含めまして、この論点の整理案に、さらにそれを今後入れ込むべきこと、若干修正を 施すことにつきましては、私と神代部会長代理にとりあえずお任せいただきたいと思っ ておりますが、よろしゅうございますでしょうか。  それでは早速、順を追ってまいりますが、改革の視点、若杉委員のやや前提的な話が 加わりましたが、何かここについて、特にご意見なり、ご議論を必要とするという点が ございますでしょうか。 ○ 矢野委員  国民的な議論を呼び起こすという意味で、わかりやすいメッセージが必要だと思うん ですね。そういう意味で、私自身の意見として、あるいはほかの方のご意見の中にもい ろいろと出てきている点ではありますが、制度改革の軸足をどこに置くかということを はっきり言う必要があると思うんですね。これはもちろん制度を持続させるためにどう するかという前提でありますが、負担に軸足を置いた改革ということを強くメッセージ として発信して、それをもとに議論を巻き起こすことが必要ではないかと思いますので 、ほかの委員の方々のご意見も伺いたいと思います。 ○ 宮島部会長  何かご意見ございますでしょうか。 ○ 渡辺委員  今のご意見も確かにわかるのでありますが、私自身は負担に軸足を置くというのはや や反対でございます。といいますのは、前回、つまり1999年年金財政再計算のときに、 当時の指標としては、負担面からの制約ということを余り強調しすぎて、「五つの選択 肢」というのを国民に示したわけですが、いずれもまず負担面を前面に出し、その後に 給付はこうなるといったような選択肢、私はあれは、ある意味では国民の年金に対する 信頼といったものをやや損ねたという印象を持っておりますので、もちろん負担のあり 方は最重要課題の一つでありますが、負担と給付をセットにして出す必要があるのでは ないだろうか。そうしないと、また私自身としては、同じことの繰り返しになってしま うのではないか、負担が決して重要でないという意味ではございません、軸足を余り置 きすぎると、4年前、5年前といいましょうか、前回の財政再計算の轍を踏むのではな いかと思っています。 ○ 宮島部会長  ほかにございますでしょうか。これは先ほど大澤委員のご質問に少し関わることでご ざいますけれども、これはまず総括的な論点の整理でございます。そして、この皆様方 のご意見の中で、おのずとその方向性なり、それが向くところというものは読み取れる ということは私は必要であると思いますが、この段階において、年金部会として一つの 明確なメッセージを送るということになりますと、これはそれぞれの委員の方々の基本 的な了承といいますか、それをとりながら進める必要がある。それは私はまだ時期尚早 と考えております。もう少し議論が進む中で、もう少し具体的な制度設計などを含む中 で、その点は具体的に見えてくる部分が恐らくあるのだろうと思います。しかし、私は 皆様方の意見がどのようなものであり、どのような論点が指摘されているかということ を、できるだけ今の段階では網羅しておきたい。  そして、確かに大澤委員が言われるように、中身の読み方は難しいのかもしれません し、私が見ていると、マスコミの方は、我々が考えていることとは大分違ったことを絞 り込んで発表されるようなことがあって、そうかなと自分でも思う時がありますけれど も、その読み方はいろいろあると思います。確かにこれまでの議論を丹念にフォローし てみませんと、どこで今度新しいものが出てきたか、これはなかなかすぐにはわかりに くいかと思いますが、私は今回議論を整理する中で、それなりに今までの議論とはやは り違っているもの、考え方なりはかなり出てきていると思います。恐らく委員の方々は できるだけ明確な形でメッセージを送るということをお考えであることは私も重々それ は承知しておりますけれども、この段階はとにかく論点をきちんと整理しておきたい。 年金部会として十分審議を尽くし、ご意見をいただき、そしてこの段階でメッセージを 送るためにどこかを大幅に切り捨てるというようなことは今の段階ではまだしない。そ ういうレベルであると私は理解しておりますので、全体のあり方についてはご了承いた だきたいと思っております。  それでは、次の「2.公的年金制度の基本的な考え方、体系」の中の、特に制度、財 政方式、体系というところに関わる点でございます。ここはこれまでいただいた中でも 最も論点的にも豊富であり、また基本的な考え方という点で、委員の間で異なった見解 が示された分野でもございます。ここにつきましては、本日の資料の説明の際に、積立 金の水準のあり方について若干議論をしていただきました。また、基礎年金部分と厚生 年金の所得比例部分、この間の財源的な関係はどうなっているかということも新たな論 点に沿いましてご説明をいただいた点でございます。小島委員。 ○ 小島委員  今の公的年金の基本的な考え方・体系のところですけれども、論点整理の方は4ペー ジになります。ここで強調したいのは、前回のところでも発言をしましたけれども、国 民皆年金制度という意味合い、そこをどう理解をするかということです。私たちはあく までも皆年金制度を維持するべき、それを実質化すべきだという意味で、こういう意見 を述べております。今の国民年金、特に第1号被保険者が定額保険料方式があるために 、未加入、未納あるいは免除というような形で実質的に第1号対象者で保険料を負担し ているのは6割程度です。納付をしている人がだんだん少なくなっているという現実を 見た場合に、これが皆年金として維持されているのか、そこの本質の意味合いを強調す べきでないかという意見です。そういう視点で、将来的には税方式を目指すこと以外に 皆年金を実質的に維持することはできないという趣旨であります。 ○ 宮島部会長  ありがとうございました。今の小島委員の意見、これまでも何度かここでいろんな形 では表明されているようでございますが、今の小島委員のご意見に対して何かご意見が あれば伺っておきたいと思います。これは論点整理の段階でございますので、もともと 考えが違うという人は無論あることは承知でございますけれども、今、「皆年金」とい うことが、特に取り上げられておりますので、何かこれについてご意見ございますでし ょうか。  それでは、こういう論点はもう少し具体的な議論に入る中で、改めてまた取り上げて いきたいと思います。  あと、いかがでしょうか。 ○ 堀委員  いま議論しているのは8ページぐらいまでということでしょうか。 ○ 宮島部会長  9ページの3.の前までということでしております。 ○ 堀委員  2点ありまして、1点目は意見です。5ページの左側の欄に、「公的年金の一部に積 立要素を入れることについてどう考えるか」と書いてありますが、その内容は確定給付 と確定拠出のことです。題と内容が違いますので、例えば確定拠出の要素を入れること についてどう考えるか、こういう論点になるのかなという感じがします。この点につい て後でお考えをお聞きしたい。  2点目は質問です。7ページの真ん中辺に、厚生年金保険料について、1階部分と2 階部分の内訳を明確にすることについて書かれています。このことは今日出された資料 で大体明確になったと思うのですが、これは情報公開という意味で明らかにするという ことだけで足りるのでしょうか。もっと政策的なインプリケーションがあるのでしょう か。  これを見ますと、基礎年金分の厚生年金保険料は4、5%ということですが、税方式 にすればその分負担が軽くなると、そういうことなのでしょうか。ただ、前から私が言 っているのですが、税方式にすれば保険料率は下がるけれども、国民の負担はマクロで は変わらない。単に税負担に振り替わるだけで、負担をつけ回しすることではないかと 思うのです。  それと、未納者と未加入者の負担を保険料納付者が肩代わりすることになるため、そ の分保険料率は高くなることは確かです。しかし、基礎年金の保険料はそれを現実に納 付している人が負担するのでなければ、誰が負担するというのでしょうか。保険料を納 付しない人の分については、誰かが負担しなければいけないと思うのですが、それにつ いてどういうふうにお考えなのか、その点をお聞きしたいと思います。 ○ 宮島部会長  どなたにお聞きしたいですか。 ○ 堀委員  これはここに書いてある矢野さんあるいは岡本さんですが。 ○ 宮島部会長  大変申し訳ありませんが、矢野委員、上に書いてあることもありますので、解説をし ていただいた方がよろしいかと思いますけど。 ○ 矢野委員  もちろん情報公開という意味もありますが、基礎年金と2階の部分とは性格的にも違 うので、保険料も給付も、全体を足せば一緒なんでしょうけれども、分けて明確に管理 していくことがいいのではないだろうか。放っておくと、基礎年金部分の比率がどんど ん高くなっていくというようなことでいいのだろうかということであります。将来的に は、私どもは1階の部分は全部税方式にと言っておりますので、おのずから分離される わけでありますけれども、その途中経過、全部が実現されるまでの間は、きちんと管理 を別にしてやっていくということが年金の運営のためにもいいのではないか、こう考え ているわけです。  岡本委員の意見は、私が代弁するわけにもいかないのですが、基礎年金の拠出金制度 のあり方ということを論じているわけでありまして、1号の中でもきちんとまじめに払 っている人たちに負担がかかってきているという現実がありますし、多くは資料にもあ りましたとおり、被用者年金の方に負担がかかってきているわけでありまして、これが 本当の公平な負担の形なんだろうかということはきちんと議論しておく必要がある、こ ういう考え方ではないかと私は思います。 ○ 堀委員  ご承知のように、厚生年金は応能負担で徴収して、基礎年金と2階部分の厚生年金を 支給するという仕組みです。基礎年金は国民年金として支給されますけれど、厚生年金 の保険料で基礎年金と厚生年金の両方を一体として賄う仕組みになっています。  それと、先ほど数理課長から説明がありましたように、厚生年金の保険料と積立金の 運用収入で基礎年金と厚生年金の費用を賄うわけですが、その運用収入が基礎年金と厚 生年金にどういうふうに配分されるかはわからない。全体として一体として賄う、そう いう財政構造だと思います。厚生年金保険料の基礎年金部分を明示するのは、情報公開 としては意味があると思いますが、それがどういう政策につながるのでしょうか。  2点目ですが、基礎年金は全国民が負担をする仕組みです。負担の仕方は、一人当た り同じ額を平等に負担をする、そういう考え方です。未納者・未加入がいれば、その分 保険料が高くなることは確かです。しかし、将来は未納・未加入期間の基礎年金は支給 されませんので、そのときには負担は下がります。そういったことも考える必要がある のではないかと思います。 ○ 宮島部会長  堀委員から5ページのところですか、積立の話と確定拠出ですか、ここのところ、論 点を中身に沿って見直してほしいということがございました。もう一つは、矢野委員と の間で議論がございましたけれども、特に基礎年金部分と報酬比例部分を財源的に分離 するという、こういう形で一応試算をしてみる場合に、情報公開的な意味と、もう一つ は、矢野委員の場合は将来の税方式化への途中の姿というような位置づけになっている とは思います。先ほどご説明のありましたように、運用収入とか積立金の扱いをどうす るか、問題は残ってくるということは無論あると思いますし、それから、もともと基本 的にも賦課方式に限りなく近い形の国民年金と修正積立方式なり修正賦課方式と言われ ている厚生年金を制度としてつないだときにどういう問題が起こるか、これはなかなか 単純にはいかない面もございますけれども、今、お二人の間で幾つかの論点が出てまい りましたので、ここを特に書き換えるということはいたしませんが、そういうことで、 これは残しておいて、次の議論にできればつなぎたいというように考えております。  ほかに9ページの上から数行目までのところで何かございますでしょうか。山崎委員 。 ○ 山崎委員  先ほどからの議論なんですが、1階部分と2階部分を分離するということにつきまし ては、老人保健の拠出金でも不透明だという議論があります。そういう反省があったか らなのか、介護保険については医療保険料と介護保険納付金の部分、一応我々個々にわ かるような形にはなっているわけですね。ですから国民的な合意を得る上で、今日の資 料にもありますが、17.35 %の保険料のうち4.9 %は基礎年金に充てられていますとい うふうな説明をきちんとされる、あるいは給与の明細でそのことがわかるような仕組み にするということはあり得るのかなという気がします。それが一つ。  それから、保険料を納めていない人がこれだけいるという話の中で、しばしば免除者 の方までも含めておっしゃるのですが、これは免除という制度を設けなければない問題 なんですね。つまり医療保険の世界では保険料が負担できない人は生活保護に回すわけ です。年金では生活保護も含めて低所得者について、年金保険の中に抱えているわけで す。抱えたことによって今のようなご指摘があるわけで、どちらがいいかというと、私 は年金保険の扱いの方がいいと思っております。したがって、明らかに負担能力がない 、その方たちにも年金の世界に入っていただく。しかし、免除という扱いをするわけで すから、免除者が保険料を納めていないということを議論する感覚は私にはわからない ということでございます。  むしろ問題になるのは、免除を受けたことによって、基礎年金満額にならないという ことを問題にするのであれば、そちらを論点にした方がいいと思っております。 ○ 宮島部会長  それはやや論点としても具体的に追加してほしいということですか。 ○ 山崎委員  追加する必要はございません。 ○ 宮島部会長  わかりました。ほかに、翁委員。 ○ 翁委員  論点の追加ということではなくて、5ページのところで、公的年金の一部に積立要素 を入れることについてどう考えるかというところについてのご指摘があったんですが、 私の問題意識としては、ここで書いてあることは、後ろの方の給付水準との話もござい ますし、さっき渡辺委員がご発言された私的年金との役割分担をどうするかということ にも関わってくる部分です。公的年金の内側にそういったものをつくるのか、それとも 既存の確定拠出を広げていくような形で、そういった制度をつくっていくのかというよ うなことでは、恐らく様々な論点が密接に関連することだと思うので、今後の議論のと きに、是非、そういったいろいろな論点をうまく有機的につなげるような形でお願いし ます。どうしても項目ごとに整理すると分断されてしまいますので、確定拠出とか積立 要素を入れるということについて、今の制度設計からどういうふうに発展させていくか というような議論ができればというふうに思っています。 ○ 宮島部会長  わかりました。これは恐らくほかにもそういうところがございまして、どうしても論 点が箇所によって少し分断されていて、併せて見る必要があるというようなことで、そ の必要性をある点で、気をつけながら少しまとめましたけれども、まだ、こういう点が ありますので、それは議論する際に、関連するところはどこかということを明確にして おきたいと思います。ありがとうございました。大澤委員どうぞ。 ○ 大澤委員  これは事によったら論点の追加をお願いすることになっているのかもしれないのです けれども、6ページから7ページにかけて、自営業者グループの所得把握の問題点を指 摘する意見がございます。ここで今まで意見を出していないのがいけないのですけれど も、ただ、所得捕捉が困難、ほとんど不可能というのが自明のようになっているのは少 しまずいのではないか。と申しますのは、ご承知のように、国民健康保険という制度が ありまして、これは自営業の方、無業の方でも所得だけでは、ご承知のように応能割と 応益割というふうに保険料を国保税という形で賦課しておりまして、応能割というとこ ろには普通の収入だけではなくて資産から上がるようなものまで含めて、能力を把握し た上で国保税を課しているという制度か現にある中で、自営業の人の所得把握はできな いのが自明のような意見だけというのはちょっとまずいのではないかというのが第1点 でございます。  第2点は、これは整合性ということで、矢野委員に対するご質問になりますけれども 、新たに出されたご意見で、19ページ目の真ん中で、ちょっと飛んでしまうのですが、 実は1ページ目のご意見との整合性ということですのでお許しいただきたいのですけれ ども、矢野委員は、適用拡大について、パート労働者等を多数雇用する企業のことで、 「負担に対する反対意見が強いことに留意する必要がある」とおっしゃっております。  ところで1ページ目に要約されております矢野委員のご意見では、「既受給者も含め て国民全体で痛みを分かち合うことが不可欠である」というふうにお出しになっており まして、19ページでおっしゃっていることは、ご自身のご意見というよりは、そういう 意見が強いということでのご紹介だとは思いますが、ここは1ページと19ページに飛ん でしまって大変恐縮なんですけれども、ちょっと疑問に思った次第ですので、その点を 申し上げさせていただきました。 ○ 宮島部会長  後の部分で、矢野委員からございますでしょうか。 ○ 矢野委員  ほかのところでも言っているんですけれども、支え手の拡大の問題は、定性的な議論 だけではなくて、年金財政全体に与える影響について定量的な議論が必要だというのが 大前提です。ここにパート労働の問題について触れましたが、これは業種によっても大 分違うと思うんですが、現実にそういう意見が出ているということを、やはり年金部会 の方によく承知していただいて、確かに支え手が増えることによって収入は増えるかも しれませんが、将来の支出がどうなっていくのかということを総合的に考えながら、答 えを見いだしていく必要があるということであります。  年金改革の基本的な視点と、適用拡大という問題の間に、私自身は齟齬はないと思っ ているんですが、ただ、少しいろんなデータをもとにして議論する必要がある。いろい ろ背後には賛否両論があるということを認識していただきたいという意味で書きました 。 ○ 堀委員  今の大澤委員のご意見についてですが、ここで自営業者の所得把握と言っているのは 、サラリーマングループと自営業者グループを一元化した場合の問題です。現在のシス テムでは定額部分がありますから、高所得者から低所得に所得再分配がなされるわけで すね。所得把握が正確でないと、一元化した場合サラリーマンから自営業者に不公平な 所得移転がなされることになります。  大澤委員の例は自営業者グループの中の問題だと思います。所得把握に問題があるこ となどにより、現在では健保と国保に分かれています。自営業者と被用者の制度の一元 化が問題にならなければ、今のような形でいいと思います。後の給付体系のところで、 スウェーデン並みに所得比例年金だけの1階建ての年金と最低保障年金をつくるという 案があるのですが、そういうふうにした場合も所得把握は問題になると思います。とい うのは、所得を少なく申告した者の保険料は低くなって、年金額も低くなります。年金 額が低いということに着目して最低保障年金を支給すると、これはまた非常に不公平な 所得再分配が行われることになります。したがって、私は所得把握の問題というのは非 常に重要な問題だと思います。 ○ 宮島部会長  多分これは実態が具体的にどうかということが必ずしもはっきりしない面がある。言 ってみれば源泉徴収か申告型の納付かという、納付手続、徴収手続の違いが非常に大き いということが恐らく言われていることだと思いますね。ですから、もしこの議論をす ると、もっと実態を踏まえた数字で議論しなければいけないと思いますけど、恐らくこ れは徴収方法とかそういうことを念頭に置いたものだと私は理解しております。  それでは若干その先にも議論が含まれておりますが、次の9ページ、前に戻っていた だいても結構ですし、またからめていただいても結構ですので、9ページの3.のとこ ろから、今度は「給付と負担」に関するものが出てまいります。先ほども少しご議論が ございましたけれども、恐らくここの中で議論されるべきものであるかと思いますが、 給付の水準に関する意見。それから、先ほど翁委員が少しお話になりましたような9ペ ージから10ページにかけてあったようなものも任意加入と組み合わせるものもここに入 ってきております。  (2)の方は保険料の問題でして、非常に理念的なものから、当面どう考えるかという 問題も確かに混ざっておりますけれども、保険料凍結解除、上限の話、保険料の引上げ 方の問題、11ページの(3)にまいりますと、社会経済の変動に対する安定化装置的なも のについての議論がここに入ってきております。  13ページの(4)では、既裁定年金に踏み込むことと、それについての議論がございま す。  以上、中身は幾つか分かれますが、これについて、改めて少しご議論があれば伺って おきたいと思いますが、いかがでございましょうか。特に今回新しい論点として加えら れたものは余り多くはありませんが、どうぞ、何かご意見があれば。給付水準など、こ のような整理の仕方でよろしゅうございますでしょうか。(2)、保険料負担のあり方、 10ページでございますが、11ページ(3)、想定を超えた社会経済の変動に対する対応の 仕方ということであります。これはいずれこういうことを議論する場合には、少し具体 的な制度の設計等は当然考えなければいけませんので、その際にはもう少し詰めた議論 をしなければいけないものはございますけれども、現在のところはこういう論点の整理 ということになっております。  もちろん中身についてはいろいろご意見があることは承知しておりますが、論点の整 理の仕方としては、こういうような形で整理をさせていただくということでよろしけれ ば、次にまいりまして、13ページの4.国庫負担の引上げ及び安定財源の確保にかかわ る点でございます。これにつきましては、13ページの下の方から、特に社会保険方式に おける国庫負担の意義ということがまずあります。これはやや一般論的なものでござい ますが、その次が基礎年金の国庫負担の水準についてどう考えるかということで、先ほ ど15ページのところで、翁委員の追加の部分がここには入ってきておりまして、先ほど の説明があったとおりでございます。  それから、15ページの半ばからは財源の問題になってきております。ここはかなり具 体的な点まで踏み込んだ意見が16ページにかけて整理されておりますので、ご覧いただ きたいと思います。  それから、16ページの半ばからは、これまでは主として給付財源の確保の話ですが、 今度は年金収入に対する課税の話がここでまとまって取り上げられておりまして、次の ページ、17ページの半ばからは、仮に年金課税を強化する場合の増収をどう取り扱うか 、これがひと固まりのものでございます。ですからここは国庫負担の引上げ、財源確保 という意味と、もう一つは、年金収入に対する課税というもう一つの論点が実はここの 中に書かれています。場合によっては、この括り方の全体のタイトルがいいのかどうか は少し考えなければいけないかと思っておりますが、とりあえず今の範囲で、この論点 整理の仕方につきましてご議論ございますでしょうか。 ○ 堀委員  16ページの上の方に新たな追加意見が出ているのですが、これについても考え方をお 聞きしたい。この案は、税方式にする場合の財源を具体的に提案されています。サラリ ーマンは保険料を負担しないが、事業主については特別の税を課すというものです。こ の特別の税は、現在、事業主が負担をしている分だと思います。もともと社会保険の保 険料は、基本的にサラリーマンの医療保障とか老後保障のためのものですね。サラリー マンの保険料は、自ら病気や老後に備えて拠出をするものです。それに対して事業主が 応分の協力をするのが事業主負担分の保険料だと思います。事業主に対する特別の税に は、従来は負担していたからという理由以上に、何か理論的根拠があるのかどうかをお 聞きしたい。これが1点目です。  2点目は、特別の税の年金費用に占める割合は6分の1ということなのですが、その 根拠を教えていただきたいということです。 ○ 宮島部会長  これは、どうしましょうか、大山委員、山口委員、小島委員、どなたでも結構でござ いますが、どなたか。 ○ 小島委員  後半の方の6分の1の件については、堀委員がご指摘のように、基礎年金の拠出をし ている第2号と第3号分で全体の70%ぐらいになります。その半分は一般財源ですの で、3分の1分を第2号が負担しているということになります。その半分は事業主負担 が入っていますので、引き続きその分については事業主負担として考えています。  6分の1というのは、国民年金の拠出者全体の人数と、第2号の拠出比率で言うと、 厳密にはもうちょっと数字は違うんですが、大まかに6分の1としてあります。  1点目の質問は、2分の1までは一般財源、残りを目的税、すなわち消費税を想定し た場合、基礎年金に関わるところの保険料分はなくなるが、事業主分だけ負担を求める のはどういう意味があるかという質問だと思います。そこは、現在労使で折半負担をし ており、引き続き労働者を雇っているという観点で、その分については、2階の報酬比 例分と併せて考えるべきであり、ここについては引き続き企業負担を求めていくと考え ております。税方式になって、新たな事業主負担を求めるということではなくて、従来 、負担していた分を将来的にも負担を求めていくという考え方で整理をしたところであ ります。 ○ 宮島部会長  私が意見を言うのはどうかと思いますが、「社会保障税」という言葉を使っていらっ しゃいますけれども、アメリカの事業主の社会保障税というのはまさに事業主負担と全 く同じですね。これはそういう理解でよろしいわけですか。これは税と限らないという ことですね。 ○ 小島委員  はい。事業主負担についての社会保障税という言葉を使っていますけれども、いわば 現在負担している社会保険料の事業主負担という意味合いです。言葉が適切かどうかと いうことはありますが、社会保険料負担に相当する分という意味合いです。基礎年金分 について、保険料相当分を拠出してないのに社会保険料という名前が妥当かどうかとい うことがありましたのて、「社会保障税」という表現にしました。これはあくまでも仮 の名称です。 ○ 矢野委員  私もよくわからないのでお伺いしますが、「社会保障税」という名前が適当かどうか 別としまして、それを賦課する事業主の意味なんですが、これは厚生年金適用の事業主 のみなのか、あるいは、私立学校、国、地方自治体を含むのか。当然基礎年金の負担で ありますから、それも含まなければおかしいと思うんですが、それについての整理をし ていただきたいということです。  次に、「社会保障税」といった場合に、課税の賦課対象は何か、一体何を対象にして 賦課するのか、法人税として考えているのか、あるいは近ごろいろいろ議論があります けれども、賃金等を対象にした外形標準課税なのか、これはなかなか難しい議論が生ま れてくる問題だと思うんですね。これだけ雇用の悪いときに、賃金を賦課対象にするよ うな課税をしたらマイナスだという議論もありますし、そういったことを伺いたい。  また、社会保障税と言っておられる点については以上のような疑問を持つわけですけ れども、それ以外の3分の1は間接目的税とするとしてありますが、これは何を賦課対 象にするのか、消費税であるのか、その辺についても伺いたいと思います。中身につい てはいろいろわからない点もあるし、おかしいではないかという主張もしたいとは思う のですけれども、その前提にある全額税方式といっておる点については、中身は違いま すけれども、私どもも同じ考えなので、これは大いに敬意を表したいと思うんですね。  実はほかの先生方にも是非ご理解賜りたいと思うんですけれども、保険料を拠出して いる労使の委員が、基礎年金について税方式を主張しているということについては是非 重く受けとめていただきたいということをお願いしたいと思います。 ○ 宮島部会長  もし、今の段階で簡潔にお答えいただける点があれば。 ○ 小島委員  三つほどご質問がありますけれども、第1点目の税方式にした場合の事業主負担につ いて、これは今でいう第2号を対象にしておりますので、厚生年金と共済グループも含 めた第2号を対象とした事業主負担分という考えです。  二つ目は、何に事業主負担を求めていくか、賦課ベースの問題ですけれども、社会保 険料という意味合いですので、賃金を賦課対象ベースにするというのが基本的な考えだ ろうと思っております。将来的な課題でありますが、ご指摘がありましたように、外形 標準的なことも将来的には検討してもいいかと思っておりますが、今、念頭に置いてい るのは賃金ということです。  三つ目の点は、3分の1の目的間接税、これはいわば消費税を念頭に置いております 。現行の消費税5%にプラスして年金目的税を上乗せするという考え方です。 ○ 宮島部会長  論点は論点ということで、これ以上細かい書き込みはまだ避けたいとは思っておりま すので、まだとれないとは思っておりますので。 ○ 矢野委員  14ページの下の方に、私と岡本さんの連名での発言が書かれておりますが、前回もご 説明しましたように、「次回改正で国庫負担の水準を2分の1に引上げ」と書いてあり ますのは「消費税を活用して」ということを入れておいていただきたいと思うんです。 4ページやその他のところには書かれているのですが、ここだけは、財源が一般財源で あるのか何であるのかわからないような表現になっていますので、くどいと言えばくど いのですけれども、主張の意味を正確に反映していただくために、「次回改正で消費税 を活用して国庫負担の水準を2分の1に引上げ」と、こういうふうに改めていただきた いと思います。表現の問題でございます。 ○ 宮島部会長  はい、わかりました。これは岡本委員とはよろしゅうございますね。 ○ 矢野委員  大丈夫です。意見をお聞きしています。 ○ 宮島部会長  そういう形で明確にしていただくということで修正させていただきます。  それでは、最後17ページの「5.支え手を増やす方策」というところから、ここは就 労形態を含めたライフスタイルの多様化に対応する年金制度のあり方、18ページは短時 間労働者、これは一部議論が先にまいりましたが、短時間労働者に対するもの、在職老 齢年金の仕組み、それから次世代育成支援も含む20ページ、21ページ、6.女性と年金  まで一緒に含ませていただきますが、ライフスタイルの多様化に関するもの、第3号 被保険者に関するものと、一応ここまででございますが、これの中で、22ページのとこ ろは、本文の方で幾つか考え方を触れていると同時に枠外の備考欄でまだこういう論点 が考えられる。要するにこれは女性と年金の報告書から、できるだけ論点としては包括 的に拾うということをしたわけでありますけれども、このままですと、今までは割と大 きく考え方が二つ、三つぐらいのものから、ここはたくさんのものが並列してしまいま すので、ここの点について、もう少し整理をしていただければと私は思っておりますが 、いかがでございましょうか。  確かにできるだけ議論して残しておきたいということはあると思いますけれども、も し必要だというのであれば、この枠外に書いたものを本文の中の論点につけ加えてくる ということを一つは考えますし、もう一つは、本文と枠外の備考欄のところを含めて、 少しこの案は問題が多いとか、このまま今後検討する際に少しとらえておいておいた方 がいいのではないかというようなご意見があれば伺っておきたいと思いますが、いかが でございましょうか。 ○ 井手委員  ここのところが散文的といいますか、いろんな意見か混ざったような感じになってお りますが、3号について、特にこの部会でテーマを決めて議論をしたというよりは、追 加的に資料を出していただいて、それに対して各委員が、女性と年金検討会に出たVI案 についてのそれぞれの意見をお出しになったもので、出た意見だけを本文に書いてあっ て、出なかった意見を備考欄に書いてあるためにちょっと混乱が起きているのではない かという気がいたしますので、ほかのテーマのように、こういう意見もあると時間をか けてこの中では論議しなかった結果がここに出ているのかなという気もいたしますので 、そういう意味では枠外にあるものも、このような意見が検討会で出されたが、それに ついてはこのような意見が出たというふうに全体がわかるようにまとめていただいた方 が理解しやすいのかなという気がいたしました。それから、再掲という形で書いていた だいておりますけれども、前回、第3号被保険者制度ですとか、女性と年金全体が、支 え手を増やす部分と次世代支援というところと大いに関係がありますので、そこのとこ ろを(注)のような形で、次世代支援関連とか、支え手を増やす関連というような形で 、注書きといいますか、注意喚起をしていただくと、ほかとの関係がわかりやすいかな という気がいたします。 ○ 宮島部会長  私も今そこのところの処理のことをどうしようか、備考に書いてあるのはやや異例で ありますし、これをやったらほかでもいろいろ出てくる可能性もあるので少し整理して おきたい。今、井手委員のご意見は本文の中に枠外にあるものもまとめるということで したが、ただし、これは従来の経緯がありまして、女性と年金の報告書で挙げられた論 点について、その中で必ずしも本部会では議論されなかった面はここに挙げてあるとい うことなんですね。ですからこれを本文の方に、このような点が女性と年金報告書にお いて提起されたというような形でやるならばいいと思いますが、ただ、年金部会の議論 の整理としてはやや異例な感じがするものですから、あえてここに女性と年金報告書で 提起された方の考え方も入れて、もしここでできるならば整理をしたい。ただし、それ が難しいならば、当面本文の方に入れるのもやむを得ないかという気がしておりますけ れども。  逆に言うと、ここで読む限りにおいては、今井委員、大澤委員、井手委員、あともち ろん山崎委員、特にここで言及されて、論点として述べられたものが入っているという ことでありますので、この右側の欄外の扱いについて、もう少しご意見を伺いたいと思 いますが、いかがでしょうか。 ○ 山崎委員  私自身もここだけ欄外に(注)書きのようなものがありまして、落ち着きが悪いなと 思っているんですが、女性と年金の検討会の報告書は非常にきれいに整理されておりま して、したがって、私自身はあの報告書の整理というものを、この年金部会として承認 するという手続をとって、中に入れていただいてもいいのではないかというふうに思い ます。 ○ 宮島部会長  ほかに何かご意見ございますでしょうか。もちろん女性と年金の検討会と年金部会で は委員が違っていますから、同じ議論をしてきたというわけでは必ずしもありません。 ただ、議論を進めていく中で、初めに申し上げましたように、検討会の議論を尊重する という建前から論点としては、最後の方に一回まとめて取り上げましたけれども、それ について集中的な、改めて一から審議をするということはしなかった点がございます。 今、山崎委員のお話のように、女性と年金の報告書で六つほど案があったと思いますけ れども、それを年金部会が今後各論を議論していく際の出発点とするということでご了 解を得られるならば、もう少し簡略化した形で6案を、こういう形で論点として整理し 、今後の議論の出発点として、取り上げるというのは一つの考え方である。  私は、今日できれば少し委員の方々から、欄外について、これは載せなくていいとか 、これだけはこっちに入れるとか、そういうご意見があれば、そういう形で整理できれ ばとは思っておりましたけれども、堀委員。 ○ 堀委員  女性と年金の問題は非常に多岐にわたる論点があって、またその解決案も多岐にわた っていますので、一つの欄にまとめるのは難しいと思います。私は、このペーパーの整 理の考え方は、部会で出た意見を載せるというものだと考えています。そうだとすると 、そういう形で整理した方がすっきりしていると思います。 ○ 宮島部会長  ということは、要するに、欄外のままに、意見がないとしたら、これは落とすという ことですね。 ○ 堀委員  はい。 ○ 宮島部会長  私も年金部会としては、全体を通じて議論を一回してきたわけですので、年金部会と して、それぞれの意見について議論を十分つくしてないけれど、ただ、議論としては、 これはぜひともエントリーさせておいてほしいという希望があれば書くのかと思います 、先ほどの井手委員のご意見はそう受けとめればそうなのかもしれませんが、山崎委員 の意見はどちらかというと、女性と年金の報告書をここで了承するような形でというこ とでありましたけれども、できれば、年金部会として議論した中で取り上げた論点であ るというふうに限定した方がよろしいのではないのでしょうか。我々の年金部会の下に つくった検討会の報告書では必ずしもございませんので。  ですから、これについてはエントリーにサポーターがいるかいないかという問題に具 体的になってまいりますけど、いかがでございましょうか。中身は余り議論しなくても いいと思いますが、ともかくこれは論点の整理の中に、こういう形でエントリーをして おくということであれば。例えば欄外の一番上のところの、従来どおり第2号被保険者 の負担能力に応じて求めるという方法についてどう考えるかという論点整理。それから 、これはどちらかというと、受益者の観点に立って求める考え方、その下、特に育児・ 介護期間中の取扱いということですけれども、これを独立して取り上げる、あるいは中 の論点にこれらを一緒に織り込みながらということも考えられます。もし、この三つを 捨てるのは困るというのであれば、ほかにもこのような考え方があるというようなこと を少し一括してまとめてしまうという手はあると思います。  どうぞ、山口委員。 ○ 山口委員  この三つの部分を捨てるということではなくて、やはり前回の改正のときから、今度 2004年に向けてのその中間で一番重要というか、なかなか結論が出なかったことを議論 をした女性と年金の部分ですから、どう今のこの審議会が受けとめるのかということが 非常に注目されておりますし、そういう中で、井手委員を中心として意見を反映させた 部分がありますので、それを受けとめていると、今後の議論の中でもきちんと整理をし ていくということが確認をされれば、ここに実際出された意見だけでも私はいいと思い ますが、やはり前提としては、捨てるというか、ここのところでは外しても、今後の議 論の中では受けとめ方として、また再議論をするということがあるというものであれば 、変にここだけ枠外がある必要はないというふうに思います。 ○ 宮島部会長  山口委員としては、この三つを何らかの表現の仕方なり、精粗、書き方あるかもしれ ないけど、本文の方に入れてほしいということでございますか。 ○ 山口委員  はい。 ○ 翁委員  この三つの「○」というのは、全部6類型というか、どう選択するかというときの視 点なんですね。その意味では、こういった視点で検討していくということが今後期待さ れていますので、そういう書きぶりでこの本文に入れていただいて、3号の問題を引き 続きこの部会でも議論していくという、そういう書きぶりにしていただくのがいいので はないかと思います。 ○ 宮島部会長  わかりました。それでは、一応この部会の委員のご意見として、この欄外に三つ書い てあります視点、考え方については、余り冗長にならないようにまとめまして、私はこ れを分けるよりも、これこれこういうような考え方があるというような形で、できれば 一つぐらいに入れ込んだ形で少し簡潔な文章にまとめて、本文の方に残すということを 考えておきたいと思いますが、その処理でよろしゅうございますでしょうか。                (「はい」と声あり) ○ 宮島部会長  ありがとうございました。  時間がかなり押してしまいましたが、最後、23ページから7.先ほど少しございまし た公的年金と私的年金の役割分担の話、国民年金保険料の徴収の話、他の社会保障制度 等の改革の話がございました。何かここについて、先ほど企業年金でありますとか、そ ういう私的年金に対する記述が少し足りないのではないかということがございまして、 これは特に今厚生年金基金の問題等、企業年金が問題なっておりますが、これは先ほど ご意見がありましたので、論点として、中身は余り書き込みませんが、それを一点加え たいと思っております。ほかに。 ○ 杉山委員  すいません、ちょっと言おうと思ってタイミングを逸してしまったんですけれども、 申し訳ありません。ちょっと立ち戻ってしまうんですけれども、21ページの【少子化対 策は必要だが年金制度の外で行うべきとする意見】というふうにお出しになられた方に ご質問なんですけれども、私、1998年に内閣の方の少子化への対応を考える有識者会議 の委員をさせていただいたこともありまして、この4年間ずっとこの少子化の問題を、 子育て支援・親への支援という視点から考えてまいりました。98年には、働き方を見直 しましょうということを委員のみなさんと、すごく考えまして、男は仕事、女は家庭と いうような性別役割分業の視点ではなくて、男女共同参画の視点で見ていきましょうと いうような提言も出しました。  その後も様々な議論が様々なところで行われているわけなんですが、4年たった今で も少子化が一向に改善されていないこの現状の中で、年金は年金であって、制度として 違うのだから、目的以外のところで流用するべきではないといった場合、そのお考えは とてもよくわかります。でも、ではどうするのかという部分をぜひとも、反対されてい る方々にお伺いできないか。少子化は若い世代、当事者の親の問題ではなく社会基盤整 備で考えるべきという考え方は、もちろん社会的合意は得られていると思います。それ に、やるべきこともわかっています。しかし、少子化の問題は深刻になるばかりです。 そういう状態の中で、若い世帯の方たちを見ていると本当に元気がないんですね。いろ いろな意味であきらめちゃっているというのか。若い世代が国民年金を払っていないと いうような状況をどう受けとめるかという問題につながってくると思うんですけれども 、そのあたり、もしこういうふうにすると、別に年金を使う必要がないのではないかと いうのがあれば教えていただければと思います。 ○ 宮島部会長  これは21ページの真ん中ぐらいのところ、「〜年金制度の外で行うべきとする意見」 というところで何人かの方が発言されてますが、どなたか杉山委員の質問にお答えして いただく方いらっしゃいますでしょうか。今のご趣旨は財源の問題ですか。それともこ この中では保育サービスとかそういうものが重要だと。つまり手段としての問題と財源 の問題、どちらを今おっしゃったのか。 ○ 杉山委員  財源の部分でも検討してもいいのではないかと思うんですが、そういった場合に目的 と違うと受けとられてしまいますか。 ○ 宮島部会長  年金制度の枠内かどうかということですね、今、ここで議論なっていることは。 ○ 杉山委員  ええ。 ○ 宮島部会長  今の杉山委員のご意見は、要するに少子化対策というのは確かに随分言われてきて、 それなりにいろいろやっているはずなんだけれども、効果もはっきりしないし、十分な 施策がとられていると言い難い。そういう中で年金制度の枠内という新たな視点で行わ ないとすれば、単なる従来の今まで毎回挙がっていた延長線上にあるのかという、恐ら くそのような懸念をお持ちになったことだというふうに私は理解しております。それは それとしてご意見として伺っておきたいと思いますが、堀委員何かありますか。 ○ 堀委員  私も言うチャンスを逸しまして、前に戻るのですが、19ページの真ん中辺に、矢野委 員から出された新しい意見についてです。パートに厚生年金を適用するのは反対意見が 強いということなのですが、負担に対しては誰でも反対します。このような意見を盛り 込まれるなら、私の意見も追加してほしいと思います。  本来負担能力がある人は負担をするべきだと、私は思ってます。したがって、パート であっても負担能力があるなら負担すべきです。本来負担能力がありながら負担してな いとすれば、それは問題です。それから、事業主についても、パートであれ何であれ、 自分のところの従業員であるわけですから、従業員の医療保障とか年金保障について、 今まで負担してなかったのがむしろおかしいと思います。したがって、本来負担すべき であったものを負担するようにするのだと、そういうふうにとらえるべきではないかと 私は思います。 ○ 宮島部会長  これは、先ほど矢野委員からそういう意見があるというご紹介でございまして、堀委 員の意見は、先ほどの範囲ですか、それをもっと拡大する、そういうご意見。つまり現 在の制度からどう移るかという話なのか、本質論なのか、今、お聞きしてよくわからな かったのですが。 ○ 堀委員  新たに負担が増えるというとらえ方も一つのとらえ方です。しかしながら、本来、負 担能力があるのに負担してなかったり、従業員を雇っていて雇用費用として負担すべき ものを負担してなかったりするのであれば、それを本来の姿に戻って負担する、そうい うとらえ方があるのではないか。そういう趣旨を書いていただければと思います。 ○ 宮島部会長  それはたしか短時間労働者に厚生年金を適用する。そこに書かれていることではない のでしょうか。 ○ 堀委員  どこでしょうか。 ○ 宮島部会長  18ページのところで、「所得のある者は保険料拠出するのが原則であり、非正規就労 者への厚生年金の適用を拡大する」、この辺です。今のような趣旨を、矢野委員のご意 見の後に、場合によっては、その前半部分に当たりますか、この原則論の話をつけ加え るということになりますでしょうか。 ○ 堀委員  これは本人だけの負担の問題ですね。事業主の負担といった問題は抜けています。 ○ 宮島部会長  今の話は、ここは本人の話で、先ほどの矢野委員の話は事業主の負担と、パート本人 の同意が得られないというのは本人のことも考えているんですね。  これは順番を場合によっては考えまして、その上の定量的な議論という、先ほど矢野 委員と同じ意見がございましたので、今の最初の「厚生年金適用を進めるべき意見」と いう原則論のところに少し近づくような、できるだけ趣旨が伝わるような形にしたいと 思いますが、それでどうでしょうか。今、文章を考えるわけにいかないものですから、 第3号被保険者の問題、原則論の話がやや間に入っていますので。 ○ 堀委員  それはお任せします。 ○ 宮島部会長  多少そういう形で処理をさせていただきたいと思います。  申し訳ございません、時間のことがあるのですが、翁委員。 ○ 翁委員  一つだけ質問なのですが、年金の運用について、特殊法人等整理合理化計画でリスク 資産の運用をどうするかということについて一定の結論を得ることが求められています よね。これというのは、この年金部会の議論とはどういうふうに関連てしているのか。 と申しますのも、例えば積立金の運用収入の確実性の問題とか、それからマクロ経済的 なインパクトとか、それは企業にとっても国債管理政策にとってもそうなんですけれど も、非常に制度設計にも関連してくる問題なので、どういう関係で、関連を持って議論 していけばいいかということなんですが。 ○ 吉武年金局長  今、翁委員がおっしゃるとおりでございまして、例えばこれから先、財政再計算がだ んだん詰まっていきますと、例えば財政再計算の前提となる数値をどう考えるかという ことになります。  社会保障審議会の年金資金運用分科会では従来から自主運用についての資産構成割合 を中心として運用を行うに当たっての基本的な考え方をご議論いただいておりますが、 実は既に、今年の秋に入りましてから年金積立金の運用の在り方について議論を始めて いただいております。明日の年金資金運用分科会でさらに議論を行っていただくことに しておりますが、まずはじめに、特殊法人改革の中の議論にありましたように、要する にリスク性資産を公的年金の運用の中でどう考えるかという基本論を議論していただい ているところであります。  あと、なかなかこれは確定値にはなりにくいと思いますが、今後、年金資金運用分科 会には、各方面のポートフォリオのご専門の方もちろんそうですけれども、広く経済・ 金融について詳しい方が入っていただいておりますので、外部の方のご意見もお聞きし ながら、財政再計算の長期的な指標といいますか、これをどういうふうに考えていった らいいかというようなことを検討させていただきます。  そのご議論をまた一度この部会でご説明申し上げるという形になってくるのではない かというふうに思っております。 ○ 宮島部会長  23ページのところで、大きな論点としては入ってきておりますが、もしなお不十分で 、ここを少し今のような観点でもう少し敷衍する必要があれば、翁委員のご意見をお伺 いして論点としてつけ加えるなり、少し考えます。  申し訳ありません、不手際がございまして、時間が大分押してしまいましたが、あと 、23〜25ページにつきまして、論点整理の方向としてはこういう方向でよろしゅうござ いますでしょうか。途中で何度もお話しましたように、総論についての議論、論点の整 理とそれをめぐる基本的な議論は今日で一段落つけたいということでございます。これ までいただきました意見をなるべく我々としては筋が通るように取り上げるということ でございますし、本日の議論もまた踏まえまして若干修正を行いたいと思いますので、 その点は、私と神代先生、事務局の方にお任せいただきたいと思っております。  一応論点整理につきましては、これで一段落でございますが、今後一体どのような形 でこの審議を進めていくのかということにつきましては、年金局長から少しご紹介がて らお話しいただければと思います。 ○ 吉武年金局長  9月の部会の際にも一度申し上げましたが、平成16年の年金制度の改正に向けまして 、非常に大変な課題でございますので、私どもできるだけ広範な国民的な議論を進めて いただく必要があるだろうということを考えております。  それで、いわゆる総論的な議論につきましては、ことしの1月以来、部会でご議論を していただき、ほぼ論点については、全体として相当深くご議論していただいたのでは ないかと思っております。従前にもちょっと申し上げましたけれども、経済財政諮問会 議の方からも、厚生労働省として年金制度改革について、総論的な部分が中心になりま すけれども、方向性あるいは論点を示してほしいということが、私どもの厚生労働大臣 の方にも要請が来ておりまして、できましたら11月中を目途に、あるいは大臣は今国会 では遅くとも年内にというふうに申し上げておりますけれども、改正の基本的な方向性 と論点を、これから厚生労働省といたしましては作業をいたしまして、いずれかの時期 に公表をということで考えていきたいというふうに思っております。  ただ、これはもちろん16年に至る過程の一つでございますので、ここですべての改革 についてのことが決まるという問題ではもちんございませんで、さらに議論を進めてい ただくということになるのではないかと思っております。  それから、いろんな項目がございますけれども、項目によりましては、幾つかの考え 方をまた提示させていただきながらご議論をしていただくということになってくるだろ うと思っております。その案がまとまりました段階で、また、この部会に私どもの方か らご説明しご報告を申し上げたいと思っております。 ○ 宮島部会長  ただいま局長から、今後の段取りについてご説明がありましたように、これまでのこ の部会におきます総論的な議論及び論点整理を踏まえて厚生労働省としての今後の対応 の仕方をお考えいただくということになると思います。そういう考え方がある程度形を なしてまいりましたら、また、部会におきまして議論を再開いたしまして、より具体的 な問題についての議論をそれから深めていくと、こういう手続になるというように考え ております。  それでは、次回開催の件など含めて、何か事務局の方からご説明があれば。 ○ 高橋総務課長  次回の開催につきましては、日程を調整させていただきまして、改めてご連絡申し上 げたいと思います。それから、今、部会長からお話がありましたように、総論的な議論 は今日で一段落ということになりますが、今後の進め方につきまして、部会長、部会長 代理とご相談を申し上げていきたいと思います。  どうもありがとうございました。 ○ 宮島部会長  どうも大変ご苦労さまでございました。 厚生労働省年金局総務課企画係 代)03-5253-1111(内線3316)