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居宅介護支援の報酬単位の見直し案

現行の単位
要支援 650 単位
要介護1・2 720 単位
要介護3・4・5 840 単位
現行の単位設定の基礎
現行の単位設定の基礎の図

† 在宅介護支援センター運営費補助金の単価を参考に、人件費のほか利用者・関係機関への訪問旅費、通信連絡費等を勘案して算出した。

指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準
第2条第2項 (常勤の介護支援専門員の)員数の標準は、利用者の数が50又はその端数を増すごとに1とする。
通知
 増員に係る介護支援専門員は非常勤としてもよい。
 居宅介護支援事業が、指定居宅サービス等の実態を知悉する者により併せて行われることが、より効果的であると考えられるため、他の業務と兼務してもよい。


見直し案
〔体系見直し案〕
介護支援専門員のケアマネジメントに要する時間と要介護度という利用者属性との関係はあまり強くないという実態を踏まえ、利用者の要介護度に応じた包括単位を廃止。
居宅介護支援
 
  ○○単位

〔報酬見直しを考える視点〕
 介護保険の理念である自立生活を支援する介護サービス提供ができるよう、居宅介護支援の質の向上を図る観点から、介護報酬をどう考えるか。

 ■  課題分析(アセスメントの実施)、居宅の訪問、サービス担当者会議等によるサービス担当者の意見聴取などの運営基準に規定された事項が十分に履行されていない現状を踏まえ、適正な居宅介護支援が行われるよう、介護報酬をどう考えるか。

 ■  多種類のサービスを組み合わせたケアプランを重点的に評価することをどう考えるか。

 ■  自立支援の観点から居宅介護支援が行われる体制をどのように整備していくか。

  ・  単位設定のモデルとなる介護支援専門員1人当たりの利用者数をどう考えるか。

  ・  介護支援専門員の勤務形態(常勤・非常勤、専従・兼務)をどう考えるか。

良質な居宅介護支援を効率的に提供する観点から、利用者数、介護支援専門員数、その他職員数などが一定の規模を有する事業所を前提として考えるべきではないか。

 地域区分に応じた単価を設定することについてどう考えるか。


指定居宅介護支援の具体的取扱方針(指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準第13条)
指定居宅介護支援の方針は、次に掲げるところによる。

1.  介護支援専門員が居宅サービス計画を作成
2.  利用者に情報を提供し、利用者自身がサービスを選択
3.  利用者が自立した日常生活を営むことができるように支援する上で解決すべき課題を把握
4.  課題把握に当たっては、利用者の居宅を訪問し、面接を実施
5.  課題に基づき、サービスの目標や達成時期等を盛り込んだ居宅サービス計画の原案を作成
6.  サービス担当者会議等により、居宅サービス計画の原案について、担当者から専門的意見を聴取
7.  利用者に対し、居宅サービス計画を説明し、同意取り付け
8.  居宅サービス計画の実施状況等を把握・評価し、必要に応じて変更等
9.  介護保険施設への紹介その他の便宜の提供
10.  介護保険施設からの退院・退所時の連携
11.  主治医の意見聴取
12.  主治医の指示・意見の尊重
13.  短期入所生活介護・短期入所療養介護を居宅サービス計画へ位置付ける際の利用日数の留意
14.  認定審査会意見等の居宅サービス計画への反映
15.  参酌標準を基礎とし、計画的な居宅サービス利用に配慮
16.  介護給付以外のサービスの利用も含めた総合的な居宅サービス計画の作成


居宅介護支援業務の状況
(財)長寿社会開発センター「居宅介護支援事業及び介護支援専門員業務の実態に関する調査」 (調査時期 平成13年7〜8月)

(1) 利用者宅への1人1月当たり訪問回数
0回 1回 2回以上
15.3% 40.6% 44.1%

(2) 利用者の1人1月当たり来所回数
0回 1回 2回以上
71.7% 14.4% 13.9%

(3) 利用者との1人1月当たり電話回数
0回 1回 2回 3回以上
30.1% 22.2% 20.6% 27.1%

(4) サービス担当者会議の開催状況 (複数回答)
定例日
月1回以上
定例日
月1回未満
随時 開催なし
21.2% 6.1% 52.4% 23.4%

(5) サービス担当者会議で検討する事例 (複数回答)
全事例 5.5%
新規・変更事例の全て 13.7%
新規・変更事例の一部 37.7%
要介護認定更新事例(全てもしくは一部) 7.7%
必要のある事例 73.9%


居宅介護支援業務の状況(つづき)

(6) 事業所の全利用者に占める7月中にケアプランを変更した利用者割合(平均)  11.3%
 ケアプランの変更とは、次月以降のケアプランにも継続して反映される変更をいい、利用者の希望や都合により当月中に限ってサービス量を増減した一時的な変更を含まない。

(7) 事業所の全利用者に占める7月中にケアプランを変更した利用者割合階級別の事業所割合
0% 0%超3%未満 3-5% 5-10% 10-20% 20-30% 30%以上
24.2% 7.9% 8.9% 18.6% 22.6% 9.0% 7.3%
 ケアプランの変更とは、次月以降のケアプランにも継続して反映される変更をいい、利用者の希望や都合により当月中に限ってサービス量を増減した一時的な変更を含まない。

(8) 利用者1人1か月当たりの労働投入時間
業務内容 訪問 来所 電話 サービス
担当者会議
ケアプラン作成 事業所内での
報告等†
報酬請求等の
業務‡
その他 合計
業務時間 44.5分 6.1分 17.7分 1.0分 28.7分 13.7分 22.7分 27.5分 161.8分
比率 27.5% 3.8% 10.9% 0.6% 17.7% 8.5% 14.0% 17.0% 100.0%
 居宅介護支援事業所内での報告・連絡・相談・検討、併設事業所のサービス担当者との相談・検討など
 給付管理票の作成、居宅介護支援費の請求書の作成、関係機関との連携・会議など

(9) 要介護度別1月当たりケアマネジャー労働投入時間
要支援 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
132.0分 152.2分 176.3分 170.1分 180.5分 179.1分


居宅介護支援業務の状況(つづき)

(10) ケアプランに組み入れられているサービス種類数別の利用者割合
  1種類 2種類 3種類 4種類 5種類以上 無回答 合計
要支援 76.8 16.2 3.1 0.1 0.0 3.8 100.0
要介護1 55.5 31.0 9.1 2.0 0.4 2.0 100.0
要介護2 42.0 33.7 16.4 3.7 1.4 2.8 100.0
要介護3 32.4 35.8 17.9 7.1 3.7 3.0 100.0
要介護4 21.9 29.4 23.9 13.5 8.7 2.6 100.0
要介護5 18.1 18.4 26.2 23.0 12.8 1.4 100.0
合計 49.0 26.9 12.4 5.0 2.5 4.3 100.0
サービス種類数: 訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、福祉用具貸与の10種類のサービスのうち、ケアプランに組み込まれているサービス種類数

(11) 当該利用者のケアプランに組み込まれているサービスパターン別の利用者割合
  I 訪問系サービスのみ利用 II 通所系サー
ビスのみ利用問
III 短期入所サ
ービスのみ利用
IV 福祉用具貸
与のみ利用
V その他 無回答 合計
1種類 2種類 3種類以上 小計
要支援 37.4 2.7 0.0 40.1 42.2 0.2 3.0 10.7 3.8 100.0
要介護1 25.4 3.4 0.6 29.5 38.3 0.5 2.9 26.9 2.0 100.0
要介護2 18.5 7.2 0.6 26.2 33.7 1.6 2.4 33.3 2.8 100.0
要介護3 16.2 7.8 1.4 25.3 27.4 2.4 4.1 37.8 3.0 100.0
要介護4 13.9 10.0 2.6 26.5 19.0 2.3 2.3 47.4 2.6 100.0
要介護5 13.1 17.4 11.0 41.5 11.7 0.7 1.8 42.9 1.4 100.0
合計 23.6 6.0 1.5 31.1 32.9 1.0 2.9 28.0 4.3 100.0
サービス種類数は、訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリのうち利用しているサービス種類数
サービスパターンは以下のように分類した
(1)訪問系サービス:訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリ
(2)通所系サービス:通所介護、通所リハビリ
(3)短期入所サービス:短期入所生活介護、短期入所療養介護
I 訪問系サービスのみ利用:(1)のいずれかを利用し、(2)(3)は利用していない
II 通所系サービスのみ利用:(2)のいずれかを利用し、(1)(3)は利用していない
III 短期入所サービスのみ利用:(3)のいずれかを利用し、(1)(2)は利用していない
IV 福祉用具貸与のみ利用:福祉用具貸与のみ利用
V その他:I〜IV以外
なお、I〜Vは、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与を利用している場合も含む


データ

1.介護支援専門員1人当たりの利用者数に関連するデータ (平成14年 介護事業経営実態調査)

(1) 介護支援専門員常勤換算1人当たり利用者数階級別ケアマネジャー数
(1) 介護支援専門員常勤換算1人当たり利用者数階級別ケアマネジャー数の図

(2) 介護支援専門員常勤換算1人当たり利用者数
(2) 介護支援専門員常勤換算1人当たり利用者数の図

介護支援専門員1人当たりの利用者数は、どのような勤務形態(常勤・非常勤、専従・兼務)においてもばらついている。

(3) 介護支援専門員1人当たりの利用者数: 勤務形態別
勤務形態 構成割合 兼務率† 介護支援専門員1人(実数)
当たり利用者数
介護支援専門員1人(常勤換算数)
当たり利用者数
常勤専従 49.1% 49.6人 52.0人
常勤兼務 40.5% 48.8% 29.9人 61.4人
非常勤専従 5.4% 27.3人 49.0人
非常勤兼務 5.0% 33.7% 12.9人 67.5人
介護支援専門員として勤務した時間÷総労働時間(3月中)として計算した。

介護支援専門員常勤換算1人当たりの平均利用者数は、勤務形態(常勤・非常勤、専従・兼務)によってあまり変わらない。また、それぞれの勤務形態内においても、大きくばらついている。

(4) 利用者1人当たりケアマネジメント時間(月間): 勤務形態別
勤務形態 1時間以内 2時間以内 3時間以内 4時間以内 5時間以内 5時間超 利用者1人当たり
時間(平均)
ケアマネジメント
時間
総労働時間
常勤専従 0.6% 5.9% 33.9% 34.2% 13.0% 12.4% 3.15時間 156.1時間 164.8時間
常勤兼務 3.5% 22.3% 34.2% 18.3% 10.1% 11.7% 2.67時間 79.9時間 163.7時間
非常勤専従 5.5% 11.0% 21.9% 28.8% 8.2% 24.7% 3.27時間 89.2時間 95.2時間
非常勤兼務 9.0% 37.3% 20.9% 14.9% 3.0% 14.9% 2.38時間 30.9時間 91.5時間

利用者1人当たりのケアマネジメント時間は、介護支援専門員の勤務形態によってあまり変わらないが、常勤・非常勤ともに専従の場合にやや長い。


2.事業所の状況を示すデータ (平成14年 介護事業経営実態調査)

(1) 介護支援専門員1人(常勤換算)当たり利用者数階級別ケアプラン1件当たり費用
  40人以下 41-50人 51-60人 61-80人 81-100人 100人超
ケアプラン1件当たり費用 11,766円 9,594円 8,564円 8,563円 7,825円 6,706円
事業収支率(補助金を含まない) -60.4% -30.3% -20.0% -20.4% -11.9% 1.9%
介護支援専門員1人(常勤換算)当たり利用者数 33.3人 45.2人 54.6人 67.4人 87.7人 143.1人
1事業所当たり実利用者数 56.6人 82.4人 102.2人 111.4人 140.7人 127.0人
1事業所当たり介護支援専門員 2.1人 2.3人 2.5人 2.3人 2.8人 2.5人
1事業所当たり介護支援専門員数
(常勤換算)
1.7人 1.8人 1.9人 1.7人 1.6人 0.9人
1事業所当たりその他職員数(常勤換算) 0.5人 0.7人 0.7人 0.9人 1.2人 1.5人

  (参考) 1事業所当たりの介護支援専門員1人(常勤換算)当たり利用者数別事業所数の構成割合(平成13年介護サービス施設・事業所調査)
 
利用者数 40人以下 41-50人 51-60人 61-80人 81-100人 100人超 平均 上位80%の平均 平成12年調査
構成割合 47.0% 19.6% 13.0% 11.6% 4.5% 4.3% 43.7人 50.1人 平均 40.5人

介護支援専門員1人(常勤換算)当たりの利用者数が多いほど、ケアプラン1件当たり費用は低くなり、その結果、事業収支もよくなる。

(2) 1事業所当たり利用者数階級別ケアプラン1件当たり費用
  20人以下 21-40人 41-60人 61-80人 81-100人 101〜150人 151〜200人 200人超 平均
ケアプラン1件当たり費用 12,955円 11,202円 10,511円 8,999円 7,984円 9,148円 7,628円 7,606円 8,627円
事業収支率(補助金を含まない) -70.9% -50.4% -45.9% -23.3% -8.6% -26.0% -8.2% -9.0% -20.2%
介護支援専門員1人(常勤換算)当たり利用者数 31.8人 39.8人 49.6人 54.8人 55.8人 58.3人 62.3人 70.9人 59.3人
1事業所当たり実利用者数 15.3人 31.5人 49.6人 69.6人 89.7人 121.6人 170.5人 282.8人 99.8人
1事業所当たり介護支援専門員 1.1人 1.2人 1.4人 1.9人 2.3人 2.9人 3.6人 5.5人 2.4人
1事業所当たり介護支援専門員数
(常勤換算)
0.5人 0.8人 1.0人 1.3人 1.6人 2.1人 2.7人 4.0人 1.7人
1事業所当たりその他職員数(常勤換算) 0.2人 0.6人 0.6人 0.6人 0.7人 1.0人 1.3人 1.6人 0.8人

  (参考) 1事業所当たり利用者数別事業所数の構成割合(平成13年介護サービス施設・事業所調査)
 
利用者数 20人以下 21-40人 41-60人 61-80人 81-100人 101〜150人 151〜200人 200人超 平均 上位80%の平均
構成割合 15.9% 17.1% 18.1% 12.7% 10.4% 14.7% 6.2% 5.0% 77.1人 92.4人
実利用者合計に占める割合 2.1% 6.8% 11.7% 11.5% 12.2% 23.3% 13.8% 18.6% 平成12年調査
平均 68.7人
 

1事業所当たりの利用者数(ケアプラン数)が多いほど、ケアプラン1件当たり費用は低くなり、その結果、事業収支もよくなる。


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