02/09/13 第13回医療安全対策検討会議議事録              第13回 医療安全対策検討会議                        日時 平成14年9月13日(金)                           16:00〜                        場所 厚生労働省省議室9階 ○新木室長  傍聴の皆様にお知らせいたします。傍聴に当たりましては、すでにお配りしておりま す注意事項をお守りくださるようお願いいたします。それでは森座長、よろしくお願い いたします。 ○森座長  定刻になりましたので、始めたいと存じます。数えて第13回の「医療安全対策検討会 議」でございます。ご案内を差し上げましたところ、それぞれ大変お忙しい中、あるい は遠方からもお出掛けいただいて、どうもありがとうございました。お礼申し上げま す。  本日は私が承っております報告では、全部で17名の方がご出席くださっています。飯 塚委員、岩村委員、矢崎委員のお三方は、どうしても断われない用事ということでご欠 席であります。そのほかに若干遅れて見える方とか、早退したいとおっしゃる方もおら れますので、時間の許す限りよろしくお願いいたします。  最近、厚生労働省の中では、事務局にかなり人事異動があったように伺っておりま す。当然、この会議の事務局にも影響があろうかと思いますので、ご紹介願います。 ○新木室長  この8月に厚生労働省において人事異動がありました。事務局の一部が変更しており ますので、変更のあったものについてのみご紹介いたします。  公務のため若干遅れておりますが、医薬局長の宮島が異動いたしまして小島に代わっ ております。また、医政局総務課長大谷が異動し榮畑に代わっております。さらに、医 薬局を担当しております大臣官房審議官の医療保険医政担当の中村が異動し阿曽沼に、 医薬局安全対策課安全使用推進室長の伏見が異動し池田となっております。よろしくお 願いいたします。 ○森座長  本日の議事ですが、お手元に配られている資料の中に「議事」と書かれた所がありま す。これは検討部会の議事で、私どものほうの議事は、「医療安全推進総合対策を踏ま えた厚生労働省の取組」です。ご承知のように、ほぼ1年という時間をかけて、委員の 方々には大変熱心にご討議をいただき、また、事務局からもいろいろと助けてもらいま した。検討の結果を「医療安全推進総合対策」ということで取りまとめをいたしまし た。  その後、この取りまとめに対して一般からの評価、その他。私は伺ってはおりません が、もしできることであれば厚生労働省の事務局から、私どもがまとめた報告に対する 評価なり、あるいは、厚生労働省としてこれまで、この報告書を踏まえてどんな取組み をしてこられたか、そういうことをご報告願い、委員の方々にいろいろとご討議いただ くことが中心であります。その中でも、医療に係わる事故事例情報の取扱いという検討 部会もできていることですから、その件についてはやや詳しくご報告をいただきました り、あるいは、委員の方々の意見交換をお願いしたい、というのが本日の趣旨であると 私は理解しております。  それでは議事に入ります。最初に資料の確認をお願いいたします。 ○新木室長  それでは資料の確認をいたします。本日お手元にお配りしております、第13回医療安 全対策検討会議議事次第に資料の概要が載っております。これに基づき確認させていた だきます。  1枚の議事次第の後、資料1は、医療安全推進総合対策を踏まえた取組(概要)で す。資料2は、医療安全対策のための医療法施行規則の一部改正について。資料3は、 医療安全推進総合対策への取り組みの推進について(医薬局長通知)。資料4は、患者 の苦情や相談等に対応するための体制整備について。資料5は、医療安全対策関連予算 です。資料6は、ヒヤリ・ハット事例検討作業部会について。資料7は、医療に係る事 故事例情報の取扱いに関する検討部会について。また、参考資料として、別綴で医療安 全推進総合対策。さらに、日本医師会糸氏委員より、医療安全管理指針のモデルについ て、という緑色の小冊子です。 ○森座長  どうもありがとうございました。かなり大部の資料ですがお手元に行き渡っておりま すでしょうか。  それでは議事に従って、医療安全推進総合対策を踏まえた厚生労働省のこれまでの取 組み、ということでお話をいただきましょう。いまの資料説明の中でも大きなものが2 つに分かれていました。1つは全体についての取組み。それと、情報に関する部会報告 を含めてのいろいろなご相談です。まず、全体に関しての取組みをご説明ください。 ○新木室長  4月に取りまとめました医療安全推進総合対策に基づき、現在、厚生労働省として、 それを踏まえて対策を推進しているところです。その概要については資料1に、対策を 踏まえた今後の施策予定等をまとめております。  提言は大きく4つに分かれております。まず、医療機関における安全対策を図り、す べての病院、有床診療所に対して一定の安全管理体制の構築を制度化しております。こ れについては、8月30日に省令改正をしており、この施行を10月1日から行う、という ことで行っております。また、特定機能病院、臨床研修病院については、安全管理者、 安全管理部門、患者相談窓口の設置を制度化しております。これも来年、4月1日から 施行する予定です。  さらに、医薬品医療用具等に係る安全性向上として、ここに書いてありますように、 厚生労働科学研究費での対応。また、関係業界団体への指導を行っております。医療安 全に関する教育研修としては、国家試験のある職種について順次、出題基準に安全の問 題を取り組んでいきたいと思っております。さらに医師については、臨床研修等が平成 16年、歯科医師については平成18年から始まりますので、順次、その研修目標に組み込 んでいきたいと思っております。  3番目は、医療安全を推進するための環境整備等についてです。これについては医療 安全に有用な情報の提供ということで、後ほど説明いたしますが、ヒヤリ・ハット事例 情報の全国化を図りたいと思っており、現在作業部会において検討を行っているところ です。また、必要な予算を平成15年度概算要求として出しているところです。さらに、 先ほど座長からお話がありました事故事例情報の取扱いについては、専門の検討部会、 これも後ほど説明いたしますが、ここにおいて検討しているところです。都道府県等に おける患者の相談等に対応できる体制整備については、現在、平成15年度概算要求とし て要求しているところです。また、各種研究の計画的推進については、厚生労働科学研 究費で対応すべく概算要求をしているところです。以上、資料1に基づき概要を説明し ました。  資料2は、先ほど申し上げました医療機関における安全対策の制度化ということで省 令改正を行っております。この省令について、ここに記載されておりますが、ここの1 頁目に基づき概要を説明いたします。趣旨については、先生方におまとめいただきまし た報告書そのものですので割愛させていただき、2の改正の概要について説明します。  (1)は病院及び有床診療所にかかる部分です。これについてはア〜エまでの4項目に ついて医療法に基づく省令改正で対応しているところで、その省令改正は2頁以降に添 付しております。また、その解釈については通知を出しており、その通知についてもこ の資料2に添付しております。  (2)は、特定機能病院の安全管理の制度化です。特定機能病院については、専任の安 全管理者の配置と3項目の制度化を行っております。これについては2頁目以下の省令 改正部分にその内容を載せておりますが、その通知については、現在発出すべく準備中 で近日中に出す予定です。さらに、特定機能病院と並んでこの安全管理体制を強化する 対象として臨床研修病院があります。これについては医療法ではなく医師法に基づく臨 床研修病院の指定用件ということで、現在担当課で作業をしているところです。  次は改正概要の(2)です。以上述べました改正概要に基づき事務的な申請書類等の 改正を行っております。施行日は、(1)の部分は今年10月1日より、(2)の部分は平成15 年4月1日よりと考えております。  次は資料3です。これは医薬局から説明いたします。 ○関野補佐  医薬局安全対策課です。本来であれば、本日安全使用推進室長の池田が説明するとこ ろですが、公務のため海外出張しており、私、補佐をしております関野が代わりに説明 いたします。  資料3の中身に関しては、この4月にご提言いただきました「医療安全推進総合対策 」の中で、特に医薬品または医療用具の医療安全確保のためにいただきましたご提言の 内容を関係団体である所に、医薬局長名で通知をし、今後それぞれの関係団体において 取組みを促していく、ということを考えたものです。資料3の1頁は、我々医薬局から 都道府県に対し「指導通知」ということで発出したものです。2頁目は、我々のほうか ら関係団体に直接指導を促すためのお願いをしている通知で、タイトルは「医療安全推 進総合対策への取組みの推進について」です。具体的な内容は3頁目以降に示しており ます。まず3頁目に「基本的事項」ということで、ご提言いただきました内容のうち、 医薬品及び医療用具それぞれに共通する事項に関しそのすべてを、基本的には忠実に 個々の通知に記すことにより関係団体に周知を図ったというものです。  次の4頁目は、同じくご提言いただきました内容のうち、医薬品に関します事項をこ こに掲げており、大きな項目で3つあります。1.2.3.ということで、その中身に 関してご提言の内容を忠実に周知を図るという取組みをしてまいりました。5頁目は医 療用具に関する事項に関して、やはり関係団体に周知を図る意味で、そのすべてをここ に掲げることにより、その徹底を図るという取組みをしてきたところです。具体的に は、この通知を受けて関係団体との間でこの内容について、より具体的な協議をこれか ら進めていく予定にしております。また、改めて製品面からの安全対策に取り組んでま いりたいと考えております。 ○新木室長  続いて、資料4以下について説明いたします。先ほど説明した資料1の概要を横に置 いて、ご覧いただけると分かりやすいかと思います。いま医薬局から説明したのが主な 提言の医薬品医療用具等に係わる部分です。次の□の医療安全に関する教育研修につき ましては、先ほど説明しましたように順次、医師国家試験、医師の臨床研究等に組み込 む予定ですので、特にその詳細について資料を用意しておりませんが、現在担当課で検 討しているところです。  資料4は環境整備の関係です。「患者の苦情や相談に対応するための体制整備につい て」をまとめております。これはご提言いただきました都道府県等に患者の相談等に対 応できる体制を整備する、ということを受けてのものであり、現在概算要求を行ってい るところです。この目的は、この□に書いてあるとおり、医療に関する患者の苦情や相 談等に迅速に対応し、医療機関への情報提供、連絡調整等を実施する体制の整備によ り、医療の安全と信頼を高めること、また、医療機関に患者の苦情等の情報提供をする ことを通じて、医療機関における患者サービスの向上を図ること、この2つを目的とし ております。  このための体制として、新たに構築する部分を相談体制として左側に載せておりま す。まず患者が受診中の医療機関、病院や診療所に相談することが基本だと考えており ます。このために窓口として特定機能病院等にその設置を制度化したところです。さら に、地域の医師会等で既に熱心に活動していただいておりますので、この活動との連携 が非常に重要と考えております。このような連携のもとで、都道府県、県庁及び二次医 療圏に医療安全相談センター、さらに、二次医療圏安全相談センターという2層の構造 で安全センターを設けたいと思っております。  すなわち、患者・家族の方は、まず二次医療圏安全相談センターのほうでさまざまな ご相談をする。その中で二次医療圏の医療安全相談センターは、医療機関と患者との間 に入り話し合いなどを行う、というようなことをイメージしております。さらに、そこ での困難な事例については、都道府県の医療安全相談センターで行う、というような仕 組みを考え、現在、予算要求をしているところです。  資料5は、現在要求しております平成15年度予算要求の概要で、いま申し上げました 資料4を含めて全てのものが入っております。平成15年度の予算要求は17億8,200万円 で。今年度の予算9億3,000万円に比べて大幅に伸びております。この伸びについて事前 に説明いたしますと、各省庁の概算要求が例年のシーリング、原則的に対前年度増どの 程度の要求をするというのが通常でしたが、本年は20%程度増額をし省全体にこれをい たしております。その中で、医療安全は省全体の伸びよりもかなり大幅に伸びておりま す。これは偏に、先生方におまとめいただきました報告書等を踏まえての重要性を鑑み た対応でございます。しかしながら、先ほど申し上げましたとおり、全体として膨らん でおりますので、これから年末に向けて、その減額査定が行われる予定で、したがっ て、平成15年度の17億という額についても相当の査定があると考えております。  このような前提のもとで予算の概要を説明いたしますと、まず医療安全総合対策の総 合的検討です。医療安全対策検討会議の費用については、本年度に引き続き、さらに検 討をお願いしたいと思っております。ヒューマンエラー部会については後ほど資料6で 説明しますが、来年度からヒヤリ・ハット事例の収集分析の全国的な展開ということで 必要な経費を要求しております。医薬局の部分、医薬品医療用具等対策部会についても 本年度と、基本的には同様に検討を行っていきたいと思っております。さらに、ヒヤリ ・ハット事例を収集しております医薬品機構の事業について同様に行っていきたいと 思っております。  2番目は、苦情や相談等に対応するための体制の整備です。これは先ほど申し上げま したような事業の運営に係る費用が3億5,000万円で、新規の要求となっております。 さらに、その事業を支援するための費用として、相談職員の研修、マニュアルの作成と いったものを含めた部分が800万円というふうに考えております。  3番目は、普及啓発事業の充実です。本年度に引き続き患者安全推進(PSA事業) を行っていきたいと思っております。なお、この患者安全推進については、本年度も11 月24日から1週間を「患者安全推進週間」と設定し、各種の事業を行っていきたいと 思っております。  教育研修についても本年度と同様に引き続き行っていきたいと思っております。この 秋には、地方厚生(支)局単位でのワークショップを行いたいと考えており、また、来 年も引き続き行う予定です。  5番は、調査研究の充実です。これについては報告書で「調査研究の必要性」を強く ご指摘いただきましたことを受け増額要求をしているところです。医療の質と医療安全 体制確保に関する研究、ということで拡充していきたいと思っております。その他、国 立病院等の費用が増額になっており、全体としてこのような費用になっているところで す。  資料6は、医療安全対策検討会議ヒヤリ・ハット事例検討作業部会です。報告書でヒ ヤリ・ハット事例は、現在試行的に特定機能病院及び国立病院・療養所、ナショナルセ ンター等で行っている事業ですが、これを全国的に、すなわち全ての病院、診療所を対 象に拡充して行っていくべきだ、というご指摘を受けております。そのあり方及び具体 的な集まった事例の検討を行うための部会として、本年7月18日に第1回の会議を開い ております。これはこの会議の下にあります「ヒューマンエラー部会」、及び「医薬品 医療用具等対策検討部会」、この両方の部会の共通の子供と申しますか、下に設けた検 討作業部会です。次の頁に委員名簿が載っておりますが、横浜市立大学の橋本迪生先生 に座長をお願いして行っております。検討事項は、資料6の1頁にありますように、収 集されたヒヤリ・ハット事例の分析収集。また、この事業の収集方法、さらに活用方法 等に関することを検討していきたいと思っております。概ね今後3カ月に1度、ヒヤリ ・ハット事例の収集の時期に合わせて開催し、その結果をここで取りまとめて公表す る。さらに、その結果をヒューマンエラー部会及び医薬品医療用具等部会に報告してい きたいと考えております。その体制の概要が3頁目に載っておりますが後ほどご覧いた だければと思います。なお、4頁目以降についてはこの事業の概要が、これは1度この 委員会でも、検討会議でも説明いたしましたので割愛させていただきますが、参考まで に載せているところです。  以上、これまでの対応について、非常に簡単ですが4月におまとめいただきました報 告書に沿って着実に進めたいというふうに考えており、その検討状況、進捗状況を説明 いたしました。 ○森座長  ありがとうございました。実際の取組みの状況について、かなり幅広く、詳しくご報 告いただきました。これについていろいろご意見、ご質問があろうかと存じますので、 これからしばらく自由なご質問、ご意見の開陳に任せたいと思います。  その前に組織上のことでお聞きします。いまここで開かれているのが医療安全対策の 親の検討会ですね。 ○新木室長  はい。 ○森座長  その下にというと失礼ですが、その中に部会が2つあって、1つはヒューマンエラー と、もう1つは医薬品・医療用具等ですね。 ○新木室長  はい。 ○森座長  それで、ヒューマンエラーの中にヒヤリ・ハットと情報があるのですか。 ○新木室長  ちょっと詳しく補足いたします。いま森座長が言われましたように2つの部会が昨年 より、「ヒューマンエラー部会」と「医薬品医療用具等の部会」が設置されていたとこ ろです。この7月18日に、ヒューマンエラー部会と医薬品医療用具等部会、この両方の 部会の子供の孫部会と申しますか「ヒヤリ・ハット検討作業部会」を設けたところで す。さらに、資料7でこれから説明いたしますが、7月29日に「医療に係る事故事例情 報の取扱いに関する検討部会」を、これはヒューマンエラー部会及び医薬品医療用具等 対策検討部会に続く3つ目の部会として設けたところです。  したがいまして、この検討会議の直接下に3つの部会、及び、ヒューマンエラー部会 と医薬品等部会の下に孫部会が1つというのが現在この検討会議の概要です。 ○森座長  そういうものが次々にできて、これは基本的にはいいことだと思いますが、若干委員 の方々はご存じないところがあるかもしれませんし、混乱を起こすかもしれませんの で、まず名称からいうと、いまのこの会議は検討会議ですね。 ○新木室長  はい。 ○森座長  ヒューマンと医薬品は、部会ですね。 ○新木室長  はい。 ○森座長  それから、ヒヤリ・ハットは作業部会ですね。 ○新木室長  はい。 ○森座長  情報は検討部会ですね。 ○新木室長  はい。 ○森座長  非常に名称がまちまちで、別に重い軽いを言うわけではありませんが混乱を起こしま すので、いま名前を付けたものはそれでいいと思いますが、次回にでも全体の組織図の ようなものを作っていただくといいかもしれません。 ○新木室長  この会議が終わりましたら、その組織図を作り先生方に郵送し、また次回には、それ を配付したいと思います。 ○森座長  いろいろな名称が使われておりますので、ちょっと理解が難しいと思いますので、そ の件もをお願いいたします。 ○新木室長  はい。 ○森座長  それでは、いまの事務局からのご報告について、ご質問、ご意見等がありましたらお 願いします。実は資料1を拝見いたしますと、大きな項目が4つあります。「医療機関 における安全対策」「医薬品医療用具等に係わる安全性向上」「医療安全に関する教育 研修」、最後に「医療安全を推進するための環境整備等」とあります。これを別々に論 じていただくにはちょっと時間不足ですので、どの項目でも結構ですから、ご自由にご 質問なり、ご意見をお願いしたいと思います。 ○糸氏委員  日本医師会の糸氏です。日本医師会では、この医療安全は非常に大事なことですの で、医療を担当する我々としての取組みとして、平成9年7月から日本医師会の中に 「医療安全対策委員会」というものを設置してまいりました。その後いろいろな提言、 医療におけるリスクマネジメントについての答申を受けたり、いろいろなことがありま して平成12年7月に日本医師会の中に、「患者の安全確保対策室」と、これは担当部会 長が室長になり、現在もずっと続いております。その後、「患者の安全に関するセミナ ー」を世界の、先進国からいろいろな方々を呼んで2回にわたってやっております。  また、平成13年2月から日本医師会独自で、「医療安全推進者の養成講座」を開講い たしました。平成13年度は1,000名以上の応募者がおりましたが、一応612名の方々に修 了書を渡しております。約1年の講座で、テキストブックも我々独自で作ってやってき たところです。これは医師、看護婦、その他の医療従事者、事務員といろいろな方々が 参画しておられます。平成14年度はさらに増えまして、723名の方々が現在受講されてお られます。そういうことで、医療の現場において誰かが牽引役になって医療安全をやっ ていこう、ということで現在実施しているところです。  さらに、世界医師会においても、この医療の安全ということを今年5月に提起いたし ました。我々の提案している「患者の安全に関する世界医師会宣言案」といったものを 世界医師会、今度の10月のワシントンの総会で、おそらく付託されることが決定してい るところです。そこで今回の取組み、森座長からお話がありましたように大きく分けて 4つの取組みがありますが、この中の「医療機関における安全対策」といった問題につ いては、我々は一応、病院、診療所においては現在やっている所のモデルといったもの を紹介いたしまして、大体これを各々の医療機関独自で、これを見習ってといいます か、大体こういう骨格で作ってほしい、ということを全国の医療機関にお願いしたとこ ろです。これはこの8月に作りまして、『日本医師会雑誌』にも掲載いたしておりま す。  そういうことで、今度の医療機関における安全対策を義務化といいますか、ある程度 法制度の上で、我々も協力してやっていこうということで、我々自主的にこういうもの を作っております。また、ご批判があればお受けしたいと思いますが、一応、こういう モデルを我々の雑誌で全国の16万の医療機関に周知徹底させるべく現在努めているとこ ろです。そういうところが日本医師会としての取組みであるということを、ちょっとご 紹介させていただきました。 ○森座長  ありがとうございました。先ほどは厚生労働省のほうから官としての取組みのご紹介 がありましたが、官のみならず、民の代表として医師会でも、このようにやっていると いう、その一端をご紹介いただいたかと思います。  ほかにはいかがでしょうか。さらなるコメントでも、あるいは、ご質問でも結構で す。 ○黒田委員  日本の安全関係のいろいろな仕事のいちばん弱いところは、安全をやっていれば必ず 役に立つという発想で始まってずっと走るのですが、医学関係で大変問題になっていま す「イベント・ベース・オブ・メディスン」という、今までやっていることが果たして 医療の安全にどのぐらい効果として出てきているのかという評価をするシステムはある のでしょうか。研究費を見ますと、平成12年ぐらいから医療の質の問題に関するいろい ろな研究が出ておりますし、国立の保健医療科学院も発足しております。我々がいま やっていることというのは、いろいろ多方面にわたってアクションを起こしているので すが、それは果たして、いまの状態をどのぐらいインプルーブし、何が役に立って、何 が役に立ってないのかということがきっと出てくると思うのです。それの評価システム が同時に動かないと役に立っているのかどうか分からない。それはいまどう動いている のでしょうか。 ○森座長  安全ということ自体を数字で表すことは大変難しいことかと思います。いまの言葉を ちょっと広げさせていただいて、必ずしも安全のみならず、安心とか、場合によっては 患者の満足度とか、何か評価というのは、私は残念ながら存じ上げないのですが、どな たかお答えいただくことはできませんでしょうか。 ○新木室長  黒田委員のご指摘は、この検討会議、11回目、12回目でもご指摘をいただき、大変重 要な問題というふうに考えております。そのため各種研究等を行い、制度化したものの 定着状況、及びその活用方法等について調査研究しているところですが、先生が言われ ますように、非常に大変難しい問題ですので、定量的な評価は苦慮しているところで す。現在、例えば医療事故の取扱いについては、その部会を設ける等、順次検討を進め ているところです。安全問題の評価方法、特に政策評価は非常に重要だと思いますの で、何かいいアイディア等がありましたらと。この検討会議は、そもそも引き続き森座 長に開催をお願いしておりますのは、我々の対策状況、こういう場所でいろいろご吟味 いただくといいますか、アドバイスを含めていただくことも目的ですので、その辺を含 め、ご意見をいただければ有難いと思っております。 ○森座長  たしか以前、この会議でこの話題がちょっと出ましたね。議事録を送ってくだされば 出てくると思います。そのときに私が申したことは、数字なり何なりで評価するために は現状がどの程度の安全度か、どの程度の危険度かという、現状の表し方がないと評価 はなかなか難しいかもしれませんね、ということを申した覚えがあります。いまの黒田 委員のご提案、あるいは、ご質問に、どなたかお答えいただけませんでしょうか。将来 の問題として残しましょうか。 ○三宅委員  データとしていちばん取りやすいのは、この資料3に医薬品とか医療用具のことでい ろいろ書かれております。こういった類の事故というのは、明らかに改善されれば、こ うなった、という結果はかなり取れると思います。先ほどの説明で、これから具体的な 対策をとるのだというお話ですが、これを読んだ限りでは非常に具体性に乏しいという 気がします。ですから、誰がどういうふうに具体的に取り組んで、どういうふうに改善 するのかということをきちんと出して、それ以後、前にあったような事故がどの程度 減ったのか、というデータがきちんと、出やすい分野であろうと思うのです。まず、そ の辺のところをやっていただくのが大事だと思います。  病院のシステムの問題とかということについては、かなりのスパンで考えないと出て こないと思います。こういった類のものは、ある程度短期間にデータが取れるという気 がします。 ○森座長  いま言われたことも、やはり根底には現状の分析なり、現状の表示といいますか、示 し方が必要になりますね。 ○三宅委員  それは、もうかなり具体的に出ていると思います。 ○堺委員  いまの黒田委員、三宅委員のご発言に関連いたしますが、医療安全というのは、医療 機関の経営の一環だ、というのが私個人的な持論です。これからいろいろ安全対策が整 備されてまいりますと、これが実現するのは、やはりそれぞれの組織での経営の問題で あろうと思っております。経営というと、すぐお金、ということを考える向きもあろう かと思います。お金はそのうちの一部でして、やはり教育とか、あるいは人の評価とか いろいろな面があります。現在すでに、例えば厚生労働省でも、おそらく国立病院でそ ういうデータを収集していると思います。例えば医療機関でも、ある程度の規模、ある いは経営形態の似た所で、経営上どういう工夫をしたらどうなった、というような情報 を交換するほうが自分の所だけで考えているよりも、さらに効果的な体制ができるので はないかと思います。将来、そういうものも課題としてお考えいただければと思いま す。 ○森座長  ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。私から小さなことですが質問 いたします。資料1の医薬品・医療用具等に係わる安全性向上のいちばん上に、「厚生 労働科学研究費の13年度から」とあります。実際に総合対策を踏まえた取組みというの は、13年度はちょっと早すぎると思いますが、これはどういうことなのでしょうか。 ○関野補佐  医薬局からお答えいたします。医療安全推進総合対策を取りまとめるに当たり昨年度 からいろいろご議論をいただいていたところです。その間にも我々のほうは、先生方ご 承知のとおり、ヒヤリ・ハットといいましょうか、インシデントの事例を集めておりま す。その中で医薬品の名称とか、あるいは外観、類似性の問題をいろいろご指摘いただ いたこともあります。その辺りを客観的に、あるいは定量的に評価できる方法は何かな いだろうかと。総合対策をご議論いただいている最中に浮かび上がってきた問題点に関 しては、なるべく早急に着手しようという中で13年度から、研究という中で取組みを始 めたところです。  定量的かつ客観的な評価手法を単年度、あるいは数カ月でできるものではないと思い ますが、引き続き、具体的により実用化できるようなものに仕上げていくことを考えて おります。とりあえず、そういったご指摘があったことを踏まえて着手したもの、とい うことでご理解いただければと思います。 ○森座長  内容を伺えば分かりますが、少なくとも、この文面に関する限りは、14年4月に発表 された対策を踏まえた取組みで「13年度から」というと、ちょっと矛盾があるかもしれ ませんが、まあ、分かりました。ほかにはいかがでしょうか。 ○長谷川委員  国立保健医療科学院の長谷川です。資料4について2点ご質問いたします。「苦情の 相談や対応」という大変画期的な素晴らしい案だというふうに存じます。最初の質問 は、相談体制で県レベルと二次医療圏単位と。そうしますと県レベルとして60ぐらい、 二次医療圏は340ぐらいとなります。具体的には「保健所」、あるいは「県、市」とな っておりますので行政機関の中に窓口を置くというイメージなのか、それとも民間団体 で、NPOですか、そういったもので運営していくと考えておられるのでしょうか。運 営主体について質問いたします。  第2点は、折角こういう条が定まりますとヒヤリ・ハット同様に、中には医療安全に 係わるような情報もあろうかと存じます。この中からヒヤリ・ハットも含め、間違いも あるということで情報をどこかで収集し分析することも考えておられるのかどうか、そ の辺ちょっと教えてください。 ○新木室長  いま長谷川委員がご指摘された相談体制については、医療安全相談センターについて は県庁の中に、また、二次医療圏等は保健所等の中にと、行政機関の中に設けることを 考えております。その具体的な運営については、各地域地域の実情があろうかと思いま すので、できるだけフレキシブルに地域の実情を踏まえて運営できるような仕組みとい うのは、当然考えなければいけないと思っております。  そこで集まった情報は、目的の所の2番目の○に書いてあるとおり、この情報を長谷 川委員ご指摘のとおり収集して、それを何らかの形で医療機関の現場に返す、フィード バックすることが非常に重要であるというご指摘がありましたので、その部分について は、何か事例集のようなものを作って、お返ししていく、というようなことをしていき たいと思っております。 ○長谷川委員  ということは、情報をプールして分析される、ということを考えておられるわけです か。 ○新木室長  はい。 ○森座長  ほかにはいかがでしょうか。 ○糸氏委員  相談体制は、いま日本医師会では都道府県にそれぞれ県レベルで1カ所、郡市区医師 会にそれぞれ身近な所でということで、各郡市区医師会に相談窓口を作っております。 したがって、今度こういう体制ができますと、両者が相俟って、より機能を高めていく ことが非常に有効かと思います。我々もすでに、年間どのぐらいの情報が、どの程度相 談として上がってきているかという情報はつかんでおります。そして、それについての 討論もやっておりますので、お互いに情報交換をしながら、現在すでに動いている相談 体制は、全国津々浦々に網の目のように張っておりますので、それが国レベルでやるこ れと連携を深めて、もっと国民のためにプラスになるような機能にしてほしい、という のが我々の希望です。 ○森座長  そういうことは当然なさるでしょう。 ○井上委員  相談体制のことでお伺いします。「地域医師会等」と「等」で呼び込まれているの は、どの辺までになっているのか。消費生活センターがありますけれど、全く所管の違 う行政が入っている所もありますし、医師会とか、薬剤師会とか、歯科医師会の相談窓 口ですと結構連携できるのですが、全く所轄の違う所とは、どういう関係を想定されて いるのか。折角ある情報がみんな共有できるような形のものなのか、例えばデータベー スを作って、そこにみんな情報を寄せてしまうとか、そういったことができればと前向 きに考えていたのです。ただ医療関係者の所に寄ってくるものだけだと、ちょっと性質 も違いますし、消費生活センターだと内容が少し違っているときもありますので、そう いうのも含めると、どうなるのかなと思いますので。 ○新木室長  井上委員のご指摘の点は大変重要な点だと思います。その地域にどのような相談体制 があるかというのは、これは地域地域でバラエティーに富んだところだと思います。さ らに、この連携は比較的柔らかといいますか、ソフトなネットワークという感じです。 この辺りについては、地域の実情を反映して地域地域で運営できるように、こうでなけ ればいけない、というような堅い規制で、これ以外は連携してはいけないというような 性格のものではないと考えています。 ○森座長  いつかこれに類したものの紹介なりご披露があったとき、相談される内容は全くまち まちだ、という話がありましたですね。 ○新木室長  はい。 ○森座長  この地域に、何々病の専門医はどういう方がいるかにはじまって、お医者さんにお礼 するのはどのぐらいがいいかとか本当にいろいろな質問がたくさん来る、と言っておら れましたですね。ただ、質問された方の満足度は、90%ぐらいの人が満足した、という 答えが返っているというので、ある意味で驚きましたが、実際に開設されたら内容はま ちまちでしょうね。 ○岡谷委員  相談のことでお伺いします。日本看護協会でも相談を受け付けていて全国からいろい ろな患者の苦情等がきます。例えば特定の医療機関で受診をしたらこういう不本意なめ にあったとか、そういうような苦情や相談が来たときに、日本看護協会としては、それ を受けてもそれをどういうふうにフィードバックしていくのか、例えば個人名を出すの か、匿名のままでやっていくのか、あるいは医療機関に、協会はNPOですからそうい う指導とか、そういった権限はないわけですが、苦情や相談を受けたとき、森座長が言 われたように、相談の内容とか苦情の内容によってはどういうふうにそれを具体的に改 善していく方策はとれるのかについては、ただ情報を収集して情報を共有するというだ けでは、本当にそれで大丈夫なのかという感じがいたします。その辺は、例えば匿名性 とかいろいろな事情があると思いますが、そういうことはこの体制整備の中では具体的 に検討されて何か案が出るのでしょうか。あるいは、マニュアルのようなものが出てく るのでしょうか。 ○新木室長  相談のやり方とか具体的な運用は大変重要な問題だと我々も思っております。以前こ の検討会議で、東京都から担当の課長に来ていただきましてご説明した中で、トラブル といいますか、それについて医療機関と患者家族の方の間に入って円滑な意志疎通を図 ることが非常に重要、というようなお話もありました。そういうようなことを含めて、 いくつかの所でいま先進的に病院、医療機関、行政、さらに医師会等、先進的に取り組 んでいただいている所がありますので、その部分についてご協力をいただいて、厚生労 働科学研究の一環として、マニュアルといいますか、どういうふうに取り組んで、どう いう点に注意すべきかということを作成しているところです。この研究班については堺 委員に取りまとめをお願いし、また各いろいろな医療機関、医師会からもご推薦をいた だき、全体で10弱の方にお入りいただいてマニュアルを作成しております。できれば早 めに、年度内にそれが出せるようにと堺委員にお願いしているという状況です。 ○堺委員  補足させていただきますと、いまのような趣旨で調査を行っております。行政、各種 医療団体、医療機関、患者さんの団体などの民間団体とかいろいろな立場の方、10個の 施設あるいは団体にその実態をお伺いし、どのような体制で、どのようなご相談がある か、ということをまとめております。それで現在調査は終了し、いままとめに入ってお りますので、遅くとも年内にはご報告ができると思っております。 ○森座長  これは、例えば調停のようなことまでお考えではないですね。 ○堺委員  あくまでも実態の調査です。先ほど座長が言われましたように、極めて多種多様なご 相談があります。当然予想できるところですが、窓口が設置されております機関によっ て、かなりご相談の内容は異なっております。ということは、ここから先は私見になり ますが、窓口もある程度、やはり多彩なものが必要なのかな、というのが私が受けた印 象です。 ○森座長  先ほどのご質問にもありましたように、質問なり、あるいは苦情を受けて、特に何も 積極的なことができないと、これは仮にすればですが、窓口を設けてくれたけど、話を 聞くだけで何もしてくれなかったということで、かえって期待外れのようなことにもな りかねませんので、その辺をきちんとしておかれたほうがいいかもしれませんね。 ○長谷川委員  それに関連してですが、2週間前にニュージーランドとオーストラリアに調査をしに 行ってまいりました。また3月にはイギリスにも行ってまいりました。要するに2段階 のような形になっており、患者リプレゼンティブとオンブズマンとかという形で苦情と か相談とかを持ち込む気軽な部分と、それとコミッショナー、審議会みたいなものが あって、一応行政の一部ではあるけれども、比較的独立したグループで、実は捜査権と か調査権を持っています。だから、事故に関しては現場に行っていろいろ調べたりし て、最後に一定の決断をする。例えば、もう一遍相談窓口に差し返して、そこで相談に 乗ってくれと。あるいは、場合によっては法廷に行くとか、そのまま調停に行くという ような、一定の権限を持ったシステムがあるようです。ニュージーランドの場合は、そ の辺は上手に役割分担がされていて、相談窓口は医療界の方が中心になってやっていま すが、法定外の、コミッショナーという言葉を使っていましたが、そこには法律家とか 医療関係者等が委員会を作っているようでした。  イギリスも類似の組織があるというふうに理解しておりますが、3月に行ったとき詳 しい機能は聞きませんでしたが、一応同じ名前のシステムで2段階方式のようになって いるようです。 ○森座長  英米の社会と日本の社会はいろいろ違うから、そっくりそのままお手本にはできない かもしれませんが、そういうお話も参考にしていただいて、ある程度メドのついたもの にしてからオープンなさったほうがいいかもしれませんね。 ○梅田委員  私の方は歯科医師会で、冒頭糸氏副会長からお話がありましたとおり、これはもう10 数年前ですが「歯の110番」というのがありました。これは苦情専門に受けていたので すが、「歯の110番」もいつまでも続けるわけにもまいりませんので、いま出ましたよ うな「相談の窓口」と、センターではありませんが窓口を作り、そこにいろいろな相談 が集まってくると。その相談でも、いま座長が言われましたように、解決できないこと は、これは都道府県の歯科医師会ですが、顧問弁護士がおりますので、顧問弁護士に相 談するというようなことにしまして、できるだけ解決をしようというようにしておりま す。  ただ、医師会のように郡市区まではこういった組織はいっておりませんが、郡市区の 中では、その歯科医師会に直に相談をすると、それが都道府県に上がってくるという形 をとっております。  私がお願いしたいのは、いまどの委員も言われましたが、国のやる相談センターと、 それから各郡市区にあります、あるいは都道府県にあります窓口との整合を図っていた だきたい。それでないと、国のやり方と、各歯科医師会の相談窓口とのギャップがある ようなことがあると困るなと。それだけです。 ○森座長  棲み分けのようなことをするのも、ひとつの方法かもしれませんね。 ○全田委員  資料3の医薬品、あるいは医療機器等に関する、いわゆる類似性に関する問題です。 具体的に申し上げますと、資料3の4頁の上から2行目です。ほかの委員会でも問題に なりましたルックスライク、ルックスサウンズアライクということです。私は病院薬剤 師会員の全田ですが、現実問題従来に比較しますと、いわゆるサウンズアライクといい ますか、似た名前を極力なくそうという方向の傾向は見れるのですが、実は一昨年アメ リカのFDA(米国食品医薬品庁)が、すでに開発の過程でネーミングについてはライ センスといいますか、特許ををもう取ってしまっているということになると、発売する 時点で類似のものがあったとしてもなかなか買いにくい。ですから、今回はこういう対 策が出まして、いわゆる類似性を極力なくして、医療ミスをなくしていこうということ が謳われているのですが、このネーミング、あるいはルックスライクといいますか、包 装などは変えやすいと思うのですが、例えばネーミング等について開発の段階でどこま で強制力というか、指導力を持って具体的に進められているか。抽象的で申し訳ないの ですが、いかがでしょうか。 ○森座長  あるいは、医薬品の業界の中でどれほど自主的にお始めになっているか、ということ もあるかもしれません。 ○関野補佐  医薬局よりお答えいたします。本件に関しては、古くて新しい問題というとらえ方も できるのかもしれませんが、この検討会議で改めまして、この4月にご提言いただいた ことを踏まえて、これをひとつのきっかけにいたしまして、今回業界に対する指導とい う形で、この資料にお示ししたような形でアクションをとらせていただきました。  ただ、それ以前にも、あるいは現状も含めてですが、先生がおっしゃったように、再 発が進むにつれていろいろな状況が固まってきてしまい、その時点ではなかなか変えに くい、ということは関係企業も、我々も認識しておりまして、できるだけその開発の上 流の段階で既存の製品にどういう名前が付けられているかとか、既存の製品がどういう 容器に入っているかとか、そういった情報をなるべく多く収集し、名前を決める段階、 あるいは名前に関するライセンスを取る段階におきまして、なるべく早めの対応をする ような心掛けを促してまいりたいと思います。 ○全田委員  是非、それをかなり強い力で、力と言うとどうもいけませんが、指導力を発揮してい ただきたいと思います。それから確かに最近のヒートシードにしても、何にしても裏が ある名前もありますから、字の読める方ならいいのですが、高齢化の社会になっており ますので必ずしもそうとは限らない。医療現場にいる人間にとっては大変に頭の痛いと ころなのです。そういう意味で、是非この件も、決して製薬企業ばかりではないので、 審査の先生方、行政等も含めましてお願いしたいと思います。以上です。 ○森座長  ありがとうございました。いま事務局からご報告がありましたが、前半についてはこ ういう取り組みをしてくださっているということ。確か報告をまとめた際にも、いちば ん大事なことはこの報告そのものではなくて、それがどれぐらい実行されるかというこ とが大事なのだというご指摘が方々からありましたが、そのご指摘を受けてきちんと、 あるいは着々と実行していくということでよろしくお願いいたします。  その中で非常に大事なこととして、医療事故情報をどのように扱っていくべきかとい う問題が浮かび上がっております。これは当然法律の専門家なども招いて一緒に考えな ければならない問題だということです。「医療に係る事故事例情報の取扱いに関する検 討部会」というものを作ってくださっております。そこでこの検討状況について、事務 局から、あるいは部会長をしておられる堺先生からまずご報告をいただいて、それから 残っている時間は、委員の方々のご自由なご討論に任せたいと思いますが、よろしいで すか。 ○新木室長  それでは資料7に基づいて、事務局より説明いたします。「医療に係る事故事例情報 の取扱いに関する検討部会」についてですが、この第1回目を7月29日に開催し、検討 を開始したところで、第2回目は9月26日に予定されています。  1頁目をご覧ください。開催の目的は、「医療安全対策のさらなる推進を図るため、 医療に係る事故事例情報の取扱いに関する検討を行うこと」を目的として、この部会を 設置いたしました。  検討事項はここに書いてあるとおり、どのように医療事故情報を取り扱うかを検討し ているところで、今後、年度内をめどに意見を取りまとめていただきたいと思っており ます。  2頁目に、その検討部会でお願いしている先生方の名前を「委員名簿」として載せて おります。全員で15名の先生にお願いして、部会長を堺先生にお願いしているところで す。  3頁目以下に具体的な検討の内容について、これは第1回目の検討会の資料として事 務的に取りまとめたものを今回お出ししております。これまで医療に係る事故事例情報 をどのように取り扱うかについてはさまざまなご議論がありまして、検討の報告書、4 月の報告書につきましては、引き続き検討を行うことが適当であるというご指摘をいた だいたところです。  また、それ以降も国会の場等で、さまざまなご議論が行われまして、それらを踏まえ て取りまとめをいたしました。  まず、「医療事故情報の取扱いの現状」としては、医療機関内におきましては、先ほ ど申し上げたとおり、この10月からは、医療事故情報が院長の所に集まるような仕組み というのを設けたところです。行政における取扱いとしては、体系的にそれを把握する というようなことになっておりませんで、医療機関から報告された事例があれば、それ を保健所等を通じて我々の所にも来るというようなことで、それを適宜活用していると いうのが現状です。  3頁目の(3)のいちばん下に、学会等、各種団体が会員の協力を得て、医療事故情 報を集め、それを予防対策等、会員のために用いているというのが現状ではないかと 思っております。このような現状につきまして、4頁目ですが、これからどのように取 り扱うかについて、さまざまな指摘がございまして、それが若干錯綜しているところも ありますので、単純化して概要をまとめております。そしてその目的の中にこれをやる べきだ、それを慎重にすべきだ、というようなご意見も多様な方向ですので、それを黒 いポツでいろいろまとめております。  まず医療機関における指摘については、3つあると思っております。1つは、院内で の報告をきちんとすべきである。ただ、それを集めても活用していくことが難しいとい うような現状を含めまして、医療事故情報を院内での活用ということについてのご指摘 が1番目です。  2番目としては、その教訓をもとに院内で活用していく、その体制をもっと整えるべ きだ。しかしながら、それを十分活用するようなことというのは、なかなか難しい点も あるということが(2)です。さらに(3)として、医療事故の説明、透明性の確保として、 患者、家族の方には十分な説明を行うべきである、というようなご指摘が強くあったと ころと思っております。一方、行政に対する指摘としては、大きく2つに分かれると思 います。1つは医療事故をどういう目的で集めて、どのように活用していくか。それは 4頁目の(2)の(1)から(4)で4つの目的があるかと思います。さらにそのような目的 を達成する上で、環境整備としていくつかの点が指摘されております。それを5頁目の (5)のアイウエということで、4つにまとめております。簡単にご説明いたします。  4頁目の(2)の(1)です。第一に医療事故の実態を把握すべきであるということで、 医療事故情報の活用についてご指摘がございます。現在、日本でどのぐらいの医療事故 があるかということについて体系的な数字はございませんので、そういうものを把握し ていくということです。これにつきましては、義務付けの問題から、そうした場合の不 利益の問題、さらに調査研究等を行うというようなご指摘があったところだと思ってお ります。  2番目として、「医療事故の原因究明」です。これは個別の医療事故の内容で、一体 どんなことが起こったのかということについて、患者・家族に具体的に示すようなこと が必要ではないかという指摘がございました。しかしながら、それにつきましては、法 的な責任、一方的な不利益等の問題も併せて考慮すべきであるというご指摘だったと思 います。  さらに現在司法制度改革等が検討されている中で、この問題を検討されておりますの で、そういうことの動向を重視すべきではないかというご指摘もございました。  3番目として、「医療事故を活用した改善事例」ですが、同じような事故を2度、3 度と繰り返さないために、それを教訓として活用していくべきであると。しかしなが ら、その場合にはやはり先ほど来申し上げましたように、提供者の不利益をどのように 防止していくか、その辺の考慮が必要だというご指摘もございました。さらに4番目と して、医療機関従事者に対する再教育とか、適切な行政処分というようなことの必要性 も指摘されたところです。しかしながら、これにつきましてはその処分となる根拠をど のように考えていくのか、詰めていくのか、この辺の困難さも指摘されているところで す。以上のような4つのことが、医療事故情報を活用する上で、さまざま言われている ことの集約だと思います。それに併せまして、そういうことを行っていく上で、大切な 環境整備として、まず5頁目の最初にある「第三者機関」ということで言われておりま す。これは誰が第三者かという議論も、この検討会議でもございましたが、少なくとも 当事者を離れた人が行うことが必要であるというようなご意見があります。ただ、これ を行うためには予算や組織など、膨大なものが予想される中で、本当にどういうふうに 作ったらいいのかということもご指摘されまして、困難さも指摘されているところで す。  さらに、医療事故情報の情報公開は、国立自治体病院等は、行政情報として情報公開 条令というもので公開が義務付けられることになりますが、こういうものからの制約、 逆に、透明性の確保から言いますと、積極的に公開すべきであるという、両方のご意見 があるところだと思います。  また、情報提供の保護については、これは提供したことに対して不利益が生じないよ うに講じるべきである、というような意見がある一方、それを行うことによって逆に患 者、家族に不利益が生じるのではないか、というようなご指摘もあるところです。最後 に、医療事故の範囲の確定ですが、何を事故として取り扱うのか。医療が本来人体に侵 しゅう的な行為であるということを考えた場合に、何が事故であるかを確定すること。 さらにその境界というような問題を考えると、事故の定義、範囲の確定というのは難し いのかなというご指摘でございました。  (3)の「その他の事項」としては、保険会社の情報や医薬品医療用具の改善に瑕疵 するような情報、というようなご指摘もありました。  なお、いちばん下に「注」として、紛争処理被害救済の話もご指摘がありましたが、 これは4月に取りまとめていただいた報告書でも、この問題というのは安全対策の問題 という観点から、この検討会の範囲とは少し違うのではないかということで、今回も二 重線を引いて若干区別して記載しているところです。このような問題点を事務局でまと めまして、第1回目の検討会議を7月29日に行ったところです。以上です。 ○森座長  ありがとうございました。いまの資料の2頁目には、委員のお名前が一覧になってい ますが、ここにご出席の方のお名前もちらほら見えるようです。堺先生が座長を務めて くださって、先生からどうぞ追加的にご説明願えますか。 ○堺委員  前回行われました第1回の検討部会で、私が部会長にご推挙いただきまして、微力で はございますが務めさせていただいております。  第1回の部会の内容は、いずれ第2回以降、議事録の形でもご報告いたしますが、本 日、概略をご報告しようと思っております。  冒頭で、事務局の新木室長が報告されたような事故情報の取扱いの現状、あるいはこ れまで指摘されている主な事故、その環境整備ということについてのご報告がございま して、まずこれを踏まえて委員の方々からのご発言を頂戴いたしました。非常に多岐に わたるご意見を頂戴しました。こちらにいらっしゃる黒田委員からは、冒頭で非常に広 範囲な問題点を整理してご指摘いただいてありがたく思っております。  各委員からいろいろご意見を頂戴しまして、第1回ですので、すべての委員の方々か らお1人ずつ、その時点でのお考えというようなものも拝聴させていただきました。そ うしますと、やはり多くの委員の方がご指摘になられたものが浮かび上がってまいりま した。第1に医療事故の対象、範囲が現時点でははっきりしていないということは、多 くの方々がご指摘になられました。これはこの検討部会で主要な検討項目になると考え ております。  それから、いろいろなお立場の方々がいらっしゃいますので、それぞれの立場の方々 が、それぞれの立場からのいわゆる技術論を述べ合ってしまうと、これはおそらくまと まらないのではないかと。やはり患者さんの立場から事故を減少するにはどうしたらい いか、ということを優先すべきであろうし、この検討部会の趣旨である医療安全対策の さらなる推進を図るためということを中心にしたい、というご意見がいくつもございま した。  いわゆる事故を報告し、どのような形になるかは、課題ですが、今後公表していくと いうことになりますと、報告者にどのような処遇を行うかとか、いろいろ議論されまし て、事故ですので、いわゆる免責というものは成り立たないだろうというご指摘があり ました反面、匿名制というようなことは可能ではないかというご指摘もございました。  これから情報を収集し、それを活用していくにはどうしたらいいかということを考え るには、やはり具体的な議論を踏まえて、実現可能な案を使わなければならないだろう という、大変貴重なご意見もございました。以上、要約いたしますと、医療事故の定 義、収集、活用、この中には説明といったものも入ると思います。それから、おそらく それに伴った法的な側面、行政的な側面といったようなものもこれから論議をしていか なければならないと思っております。  第2回以降には、何回かいろいろな立場の方々のご意見を拝聴していきたいと思って おります。それと平行して、いまいくつか申したようなことについて、内部で手分けを して検討し、今年度中には報告書を作成したいと考えております。以上です。 ○森座長  どうもありがとうございました。それでは委員の方々は、どうぞご意見をお述べに なってください。 ○桜井委員  いまご報告を伺った範囲での私の印象ですが、情報の収集という点がすべてかどう か、私の誤解かもしれませんが、パッシブな収集に周知しているような印象を私は受け ました。  私が職務している範囲で、例えばアメリカ辺りのリスクマネージャーのいろいろなイ ンシデント、アクシデントの3つのやり方があって、1つは現場からの自発的な報告、 2番目はこういうことがあったら必ず報告してくださいというようなリストを作って、 それで報告させるというようなこと。3番目は現場にサイドビジットといいますか、む しろ積極的に情報を収集する、という3方式があるということを伺っております。  日本の国情や文化とか、いろいろ問題がありますので、アメリカ式のやり方が必ずし も我が国に適用しているかどうかはわかりませんが、何かアクティブと言うと変です が、そういう情報の収集のあり方もあっていいのではないかという気がいたしました。 ○堺委員  ではお答えいたします。ご議論の過程では、そのようなご指摘もございまして、現在 すでにそういう情報が集まっている機関というものがいくつか公的、あるいは民間でも ございます。そういう情報を収集できるか、というようなご指摘もございました。ある いは各医療機関に何らかの情報提供の義務を課すべきではないかというご指摘もござい ました。  桜井委員がおっしゃいましたように、我が国の実状と無制限に妥協するというもので はないと思いますが、さりとて、現実にそういうものが運用できるということも大事で ございますので、その辺のすり合わせをどのようにしたらいちばん無理なく最大の効果 が得られるか、ということをこれから委員の方々と検討していきたいと思っておりま す。 ○山崎委員  いまのことに関係があるかどうかわかりませんが、大変難しい問題を慎重に検討され たということを感じております。ただ、若干、戸惑いといいますか、そういうことを感 じるのは、例えば医療事故の説明、透明性を確保しようというようなことが根底の考え 方にあるかと思いますが、それに対する十分な体制を構築するということは困難ではな いかという裏がございます。  そういうようなことをするための環境整備というものが必要なのですが、ここでも例 えば第三者というのが誰かということは置いておきましても、第三者への開示範囲とい うものは制限すべきではないかという議論と、積極的に公開すべきではないか。次のウ のところでも、もしかするとリスクの高い医療を避ける風潮が広がる恐れがあるのでは ないかということと、患者等に不利を及す恐れがあるのではないか、というように耐え ず裏表と言っていいのかわかりませんが、そういう危惧がつきまとっている感じがある のです。それは永遠に平行線なのか、あるいは検討部会の中の先生方の中に、それをど こかで突破し解決する、というようなご意見があるのかどうか、その辺はいかがでしょ うか。 ○堺委員  これは私の受けた印象ですが、委員の方々はいわゆる強行論はあまりおっしゃいませ んでした。やはり現実に機能するものを作らなければいけないと。当初から完璧を求め ますと、結局、理想はそうであっても現実に動かないだろう。それよりは、まずできる ところから始めても、それだけでも何もやらないよりははるかな進歩であろうというふ うなご意見もございました。  こういうふうに申し上げますと、何か現実と妥協することばかり考えているのではな いか、というご指摘もあろうかと思いますが、いま山崎委員がおっしゃいましたよう に、並行線が交わるか、交わらないか、見極めがなかなか難しいところがございます。 おそらくこの作業は、今年度の報告書と言っておいて、部会長の私がこういうことを言 うのは無責任かもしれませんが、今年度の終わりまでにすべての問題に完璧な答えが出 せるか、というお尋ねをもし頂戴しますと、それに対して「大丈夫です、任せてくださ い」とまでは言えないのではないか。しかし、こういう検討はおそらく我が国でも初め ての試みではないかと思います。こういう試みがスタートになりまして、私は社会的な 合意というのが、こういう問題ではとても大事だと思っておりますので、こういう活動 が契機になって、社会的な合意が医療安全のさらなる推進ということを軸にして常制さ れればと思っております。 ○中村委員  実は、4病院団体の連絡協議会で、医療提供者の立場からということで意見が出され ております。これは医療事故情報の取扱いに関する検討部会に、意見陳述として出され る内容だと思いますが、本席でもご議論しておいたほうがいいのではないかと思います ので、その事項につきまして述べさせていただきます。  まず、我々医療機関が、第一線でいかに医療の安全に真剣に向き合っているか、これ を是非理解していただきたいということです。医療事故の大部分がヒューマンエラーで す。システム等々もありますが、そういうことでよくよく考えてみますと、我が国では マンパワー等も随分不足しているのではないか。そういう面でのご理解も大事ではない かと思います。  医療機関にすべての医療事故の報告を義務づける。それは大事ではありますが、一方 では、報告者に法的な責任が来る可能性がある。このことは、一方ではその報告が円満 に行われなくなる。あるいは報告者が非常な不利益を被ることになる。そういうところ は十分に検討されてしかるべきではないだろうか。  我々が最も心配いたすのは、あまりにもこの分野で不利益を被るようになりますと、 デフェンスメディスンと言いましょうか、患者さんにとっていちばんいい治療というよ りも、自分たちにとってより安全な所に陥る可能性も十分にあり得る。医学部の学生等 の進路、入局等においても、現在すでにそれが見られているのではないかということも ございます。  第三者機関等の検討がなされているようですが、できるだけ早くそれを我々の現場で も活かしていただけるような形に早急に取り組んでいただきたいと思います。  それからいろいろ医療の安全のためには、ハードにしろ、ソフトにしろ、すべきこと がまだ随分あるのではないかということで、十分に今後取り上げていただきたいと思っ ております。この10月1日からということで準備しておりますが、大体現場では混乱も なく、粛々と準備が行われているという現状です。以上です。 ○三宅委員  その報告制度についてですが、この前の会議でも少し触れたのですが、大事なことは 報告制度が定着することだと思うのです。それで情報がきちんと集まって、改善が行わ れるということだと思うのです。ですから、院内で行われる報告制度が定着するため に、やはり報告者が不利益を被らないような何らかの措置が必要だろうと思うのです。  もうひとつ大事なことは、あくまでもそれは実質的なシステムですが、やはりアメリ カでも言われているようなセンチネルイベントといいましょうか、重大事故については 私はある程度強制的というか、義務化というか、必ず報告しなさいと。そういう重要な 事故というものは、おそらくいろいろな大事な情報が含まれていると思うのです。です から、そういうものはいま話題に出ているような第三者機関というところで、公正な検 討がされて、それが各医療機関にフィードバックされると。そういうふうな仕組みが必 要なのではないかと私は思っているのですが。ですから、実質的なものと、ある程度強 制といった言葉は強いですが、必ず報告しなさいというふうな文言が2つ必要なのでは ないかという気がしております。 ○児玉委員  論点は大きく分けて2つあると思います。ひとつは、どんな情報が必要かということ と、もう1つは何の目的で情報を集めるか。これは相互に目的と手段が関連しているわ けです。まず目的のほうから申し上げると、何のために情報を求めるかということにつ いて、情報を出してきたその当人を処罰したり、制裁を加えたりするために、「さあ、 情報を出しなさい」というと、これはなかなか実際には機能しにくいのではないか。い ま現状で医療事故防止のための有益な情報を集めるためには、場合によっては例えば ディー・アイデンティフィケーション、匿名化のような手続きを経て、制裁とはっきり 一線を画した予防のための情報収集ということが必要になるのではないかと思っており ます。  情報はどんな情報をということについて、これは大きく分けると2つの種類の情報が あると思います。それは定量的な数値で表せる、ベンチマークとしてこれを基準にして 数値の変動をかけていけるような定量的な情報と、それから定量的な情報ではないが事 例として集積している情報と、このアネクドータルな事例の情報と実は両方必要なので はないかという感じがいたします。  ちょうど医療に境を接する福祉介護の分野で、介護保険導入前後から、非常にリスク マネジメントの意識が高まってきまして、平成12年度に厚生省から助成もいただいて、 全国社会福祉協議会が全国アンケート調査を行いました。例えば転倒事故とか誤嚥事故 とか、何が事故で何が事故でないかとか、そういう議論をする以前に、二度と繰り返し たくないこと、あるいは防止したいと思っていることをできるだけ取り込んでいこう と。転倒、転落が起こったり、感染症が起こったり、誤嚥事故が起こったり、そういう 事故が起こったときに、どうも事故か事故でないかという議論をしますと、だんだん法 的責任があるとか、ないとかという話とオーバーラップしていってしまって、当然のこ とですが、グレーゾーンの切り分けの問題に迷い込んでいってしまう。ただ、その辺で ある意味、福祉介護の世界のほうは、比較的事故のパターンが単純なものが多いという ものがありまして、その中で数百頁にわたって数千例の事故事例を集めた事故報告がで きております。現在、その事故事例集を踏まえて、どういう防止対策を立てるかという 検討が全社協などを中心にして行われているわけです。  例えば、事例の意味はどういうところがあるかというと、いまこうやって議論してい ても医療事故についての共通イメージがなかなか湧いてこない中、お互い同じ医療事故 という言葉で、違う中身を語っているかもしれない。例えば福祉介護の世界で、飲み込 みのときに誤って飲み込んで喉に詰まらせるという誤嚥事故がたくさんある。我々は何 となく直感的に高齢者の誤嚥というと、餅を喉に詰まらせるという、お正月の報道にイ メージが引っ張られているわけですが、ほんの数十例集めてみれば、むしろ餅が危ない ということは施設はよく知っていて、その事故はむしろ少ない。しかし危ないのはパン だと。お粥はやわらかいのからかたいのまで、バリエーションがはっきりしているの で、この患者さんにはどの程度の固さかというのがはっきりできるが、パンというのは 痴呆の老人にとっては凶器と同じだと。例えばそういうことは数十例事例を見るだけで わかってくるわけです。そういう意味では、アネクドータルな事例をいま収集すべき で、医療事故に関しても同じような法的な責任とか、処罰とかと切り離した事例の収集 というのが私はまず先行して行われるべきではないかと思っております。 ○川村委員  私も事実が大事だと思っています。この事故事例の情報についていちばんシリアスな 立場に置かれるのは、メスを持つ医師ではないかと思うのです。外科医が合併症、ある いは医療事故をどこで切り分けるかということでいつも議論になりますが、先ほどの医 療の歴史はトライアンドエラーの中で発展してきたわけですから、特にメスを持つ外科 にとっては非常に厳しい問題になるのではないかと思います。そういう意味では今後の 医療の発展と併せて考えなければならない問題ですから、どういう情報でもいいのです が、その当事者の氏名とか、患者さんであれば患者さんの背景要因は必要ですが、事実 を積極的に提供して、教育なり改善に結びつけていくという形に持っていくのが、将来 も含めた良い方策ではないかと思います。  一市民として言えば、どの病院のどの医師が、あるいは誰が事故を起こしたかという ことを知って、医療機関の選択に結び付けたいと思っておられると思いますが、やはり 医療というのはリスクのある生体に、特に外科などは麻酔という非生理的な状況の中 で、非常に不確実性の中であえてリスキーな手段を用いる行為ですから、一般の事故と 同じようにしますと、先ほどの将来の医療の発展のためには却って問題が生じるのでは ないかと思います。 ○辻本委員  最近、私どもの電話相談が頓に不安感ということが高まってきています。これまで大 体平均40分ぐらいで済んでいた相談例が、最近は1時間を超えると。そのご相談がほと んどこれは事故に違いないと思い込んでしまっておられて、それをお話していただくの に随分時間がかかっています。なぜここまで国民が、患者が不信感だけを高めているの だろうと本当に残念だなあという状況が展開されています。  そういう意味からも、私たち患者がいま本当に成熟の道ということが期待され、試さ れようとしている時期にある中で、現実、こういうことが起きているのだということを 情報としてきちんと提示されること。その中で、患者が不確実性限界性ということの医 療のマイナス部分をある程度引き受けて、成熟する道をたどれるとしたら、やはりそれ は情報しかない。その情報を知って、その中で自分がどう選択していくか、そういう能 力を身に付けていかなければいけないか。たぶんこれはものすごく時間がかかると思い ますが、先ほども議論にありました相談活用という第三者的な支援を得ながら、やはり 患者や私たちもその道はたどらざるを得ないわけですから、そういう意味で隠すでもな い、庇うでもない現実ということをやはり明らかにしていただくことが、いま一番大切 だなと思っておりますので、部会のほうでもその辺りでこれから発言をさせていただき たいと思っております。 ○望月委員  本日遅れてまいりましたことから、ちょっとお話の中身が十分つかめておりませんの で、ここでの発言は控えさせていただきたいと思います。 ○森座長  いま皆様方のご意見を伺って、やはり情報を提供する側にしても、あるいは情報を集 める側にしても、過去に対してどうこうということよりも、どちらかというと将来に向 かってというほうに重点を置くべきだということは共通しておられるのかもしれませ ん。そうすると、情報を提供する人たちも若干の罰は覚悟の上で、将来医療がよくなっ ていくために自分も寄与するのだというような気持を持っていただければありがたいで しょうし、罰にしてもいまの日本では完全な免責ということは難しいと思いますが、何 か効果はあるけれども、あまり深刻でない罰というのがあればいちばんいいのでしょ う。  おかしい話をいたしますが、いまから40年以上前のことでしょうか、本郷3丁目に有 名な交通巡査がおりまして、「ヒゲのお巡りさん」というあだ名が付いていて、立派な ヒゲをはやして実に厳格な人で、交通違反などを見つけるとものすごく叱ったのです。 本当に大の男がビリビリするぐらい叱った。ただ、免許を取り上げるとか何とかという 実害が残るようなことはしなかったというのです。それで、当時本郷界隈で非常に有名 な話になりまして、多くの人から慕われて、そういう厳格さと、しかし深刻な意味では 本人に害を及ぼさないというようなことが両立して、それが実は交通事故を減らすのに いちばん役立ったという話が大昔にありました。法律の方にでも工夫していただいて、 そういう実行はあるけれども、深刻さにおいてほどほどの罰があればいいなということ を素人は考えます。それと同時に、社会に対しても真面目な医師とか、真面目な医療機 関に対しては、やはり多少許すという気持も持っていただければと思います。私は患者 さんを診ることはありませんが、一応医師免許は持っておりますのでこんなことを言う のはおこがましいけれども、やはり社会に対しても真面目な医師、真面目な医療機関に 対しては、多少許すという気持もお持ちいただくことが必要かと思います。まだ予定し た時間は少し残っておりますので、どんなことでもどうぞご発言してください。 ○桜井委員  全般を通じてでよろしいですか。ひとつ申し上げたいのですが、こういう安全管理と かリスク管理とか、継続性とか統合性とか、いろいろなキーワードで大事なことがある と思うのです。その中でひとつ国際性といいますか、国際的なリンケージというか、そ ういうものも必要なのではないかと私は思うのです。医療というのは、万民すべて受け るものですから、「ヘルスケア・テクノロジーアセスメント」というのがございまし て、これは国際的なひとつの機関があるのですが、たしか27カ国がそこに参加してい て、ヘルスケアに関するテクノロジーアセスメントを議論しようという機関がありま す。残念ながら我が国は入っていないのです。そういったような国の名前で軽重を付け たら申し訳ないかもしれませんが、例えば、こんな国がと思うような国が入っているの に、日本が入っていないというのもいささか不自然だという気がいたしますので、やは りこういうリスクマネージメントとか、もう少し先を読んだテクノロジーアセスメント とか、そういうことに関する国際的なつながりというか、国際的な参加ということも少 しお考えいただいたほうがいいのではないかという気がいたしました。 ○中村委員  先ほどの医療安全推進総合対策に戻ってよろしいですか。医療安全の教育研修で、卒 前教育の事故防止教育で、国家試験の出題というのは非常に即効性がある対策だと思い ます。いま臨床は各部門の中でも6部門ぐらいが医療事故と非常に関連がある部門とし て存在しますが、その出題基準の次期改訂時措置というのは、大体いつごろを目指して ということでしょうか。 ○医事課長  医師国家試験については、4年に1度改訂することになっております。時期について は明年検討して、平成16年に施行だったかと思います。そこは確認いたしますが、4年 に1度の改訂ということですので、次の改訂に合わせてということで検討しておりま す。 ○新木室長  その他の職種につきましても、順次改訂のスケジュールで最も早い時期に入れられる ように、ということで関係者と調整しているところです。 ○看護課長  保健師、助産師、看護師の国家試験につきましては、今年度に改訂部会をすでに立ち 上げておりますので、いま現在この総合対策の報告書もお示しさせていただきながら、 中に入れていただくように検討しているところでございます。これは今年度でまとめ上 げますので、来年、国家試験を作成する際には、活用させていただく予定にしておりま す。 ○森座長  例えばどんな種類の問題があり得るのでしょうか。先進論的なものなのか、実際のや や技術的なことなのか。 ○医事課長  こういう観点からの取り組みについては、まだ具体的な議論には入っておりませんの で、両方あり得るかとは思いますが。 ○森座長  他にご質問なり、ご意見はいかがですか。どんなことでも結構だと思いますが。これ から事故事例情報に関する部会は近く開かれると伺いましたが、どのぐらいの頻度で進 めていくのでしょうか。 ○堺委員  第2回は9月26日に予定しております。検討部会そのものは、大体1カ月に1回程度 と考えております。おそらくいくつかのテーマについては、それと平行してのワーキン ググループ的なものも必要であろうと考えております。 ○森座長  ひとつのメドは今年度いっぱいで、一応の節目はつけるのでしょうか。 ○堺委員  今年度末をもって、報告書でこちらへのご報告ということを目指しておりますし、ま た逐次ご報告いたしますので、この親会議でいろいろ承りましたご意見も、その中で反 映させていければと思います。 ○森座長  委員の中には、両方を兼ねておられる方もおられますが、それにしてもいわゆる親会 議との間の連絡を密にしていただくといいかもしれません。 ○三宅委員  私からは総論的なことになりますが、先ほど医薬品・医療用具についてのことで発言 いたしましたが、全田先生から確かFDAのようなを話がありましたが、この日本にお いて医薬品・医療用具がかかわる事故というのは、かなりあるというふうに思っている のです。こういうものをやはり国として全体にそういう安全性を保全するといいましょ うか、担保していくような組織が必要なのではないかという気がするのです。非常に失 礼なのですが、今までの医薬局のいろいろなお話を聞いていると、私は対応が非常に悪 いというか、遅いような気がします。例えば、名称の問題や類似性の問題とか、明らか に多くの事故があったものについても、何ひとつ具体的な改善策はとっていないので す。ですから、やはりそういうものが国として許認可権を持っている行政として、きち んとまとめて管理する体制が私は必要ではないかという気がしているのですが、いかが でしょうか。 ○森座長  国の機関なればこそ、強力にできることもあろうし、軽々しく動けないというような ところもおありなのでしょう。薬業界のほうでの自主的な動きといったようなことは、 薬剤医師の世界でも話題になられますか。 ○山崎委員  薬業界のことを私は詳細に存じ上げているわけではないのですが、いま三宅先生が おっしゃった、何ら対策がされていないというのはちょっと違うかなと。対策は、例え ば財計の問題とか、構成ということに関しては、かなり対応策は業界のほうでも自主的 なガイドラインを作っているというようなことです。これに関しては、お隣に安全対策 課長がおられますが、行政としても指導がされているのではないかと、薬に関しては私 は認識しております。医療器具に関しては全くわかりませんので発言することはできま せん。 ○安全対策課長  まず、三宅先生のご指摘ですが、例えば医薬品名でいくつか類似しているものという ご指摘も重ねていただいているところです。2年前から新薬などについては、新たな ルールを定めて、産業界の協力も得ながら間違えにくいような構造的な命名法をお願い しております。問題はすでに市場にあるようなもので、ある医薬品が、例えばAがBに 似ているということで直しますと、今度はCにその名称が似てくると、それから日本語 の特色として、医薬品の場合文字が多くて、かつ「ン」で終わるようなものが多く、相 当セレクションの幅が狭まるとか、いくつか技術的になかなか難しい問題もございま す。そういったことから、本日参考資料ということで、医療安全推進総合対策という中 で、2頁目にいくつか医薬品にかかわる部分を書いてございますが、例えばより化学的 な手法を取り入れまして、医薬品の名称等についてできるだけ全体としても破綻のない ような改善を体系的に進めていかなければならないだろう、ということで産業界の協力 も得ながら拍車をかけているという状況にございます。  医療用具も同様で、これも何回か出ていると思いますが、中心静脈栄養のラインに頚 管の上管に流すチューブがつながらないようにするシステムを作るとか、あるいは注射 剤と外用剤で容器が似ているものについては、ポリエチレン等工夫して行うとか、ここ には非常に積み上がっているところがございます。  いずれにしても、物に関することでして、種類も多く地味な作業になっております。 重ねてそのご指摘とか、叱咤をいただきながら、是非間違えにくい環境づくりに向けて 努力していきたいと思っております。 ○桜井委員  物の安全について2つばかり申し上げたいと思います。ひとつは、個別の承認で、こ の薬は大丈夫だとか、この医療器具は大丈夫だとか、従来は個別の承認だったのです が、例えば医療器具のほうですと、ここの気管チューブとコネクターの接合の問題で事 故が起こったということもございます。これは、それぞれはいいのですが、組み合わせ てつなげるとどうもうまくないというようなことで、おそらく薬の名前の問題も横断 的、あるいは全体を俯瞰した形で物を考える立場が、さらに必要になってきた時期では ないかと思います。  もう1つは、特に医療用具に関してですが、情報の大切さというか、添付文書、マ ニュアル、取扱い説明書とかいろいろございますが、これが非常にある意味では旧態依 然として文字で書かれた厚いものをポンと渡されるということで、果たしてそれでいい のかと。やはりその辺の改善が、いまやITの時代ですから、いくらでも改善しようと 思えばできるはずなのです。その辺の検討をしようということで、これは今月の末から 研究会のようなものが始まる予定になっております。 ○三宅委員  いまの桜井先生のお話ともつながりますが、つい先日私どもの病院で持続注入器につ いて、私どもはできるだけ1つのメーカーに揃えようとしているのですが、従来あった 3つの製品を比較したら全部セットの仕方が違うのです。  この前のこの会議で確か北里のMEの方からご説明があったと思いますが、例えば車 を運転するのにトヨタであろうと、日産であろうと、ホンダであろうと運転するのは同 じ方法で運転しているわけです。ですから、基本的な操作の基準を決めて標準化するこ とは最も大事なことだと思います。  先ほども言いましたように、行政として標準化したものをきちんと指導していくとい うことは、あるいは業界を指導して統一していくということがやはり最も大事なことで はないかという気がするのです。それがバラバラにやられているから設定のミスが起き やすい、ということはあると思います。ですから、私が申し上げているのはむしろそう いうことが必要なのではないでしょうか。ですから、単品ではなくて全体として、この 製品については少なくともここはきちんと守らなければいけない、ということを決める 必要がある、指導する必要があるということを私は申し上げたいのです。 ○梅田委員  いま三宅先生のおっしゃったとおりですが、私ども歯科というのは、薬よりも医療用 具の承認を全部受けているわけです。たまにこういった問題がございまして、それはい ま安全対策課長からお話がありましたが、日本歯科商工協会という、これを統一してい る社団法人がございます。そこからすぐ私どものほうに連絡がありますので、これにつ いてはどうかということで安全対策課のほうに聞きます。とにかくこれは非常に助手が 誤って行ったようなことで、私などはこれは必要ないのではないか、回収する必要はな いのではないかと言いましても、全部回収させると。そういうことで、これは行政も気 の毒だなと思いますが、そういう事故がまた起こると困るということで、安全につきま してはその時には承認を受けておりましても、操作の上で間違ったと、あるいはスイッ チを下のほうに付けているためにこういう問題が起こった、というようなことにつきま しては、やはり解消させるように努めております。  ですから、いまISOでは基準としてある程度世界で定めたそういった標準の機構に 日本のJIS規格も合わせていこうとやっておりますので、その点は承認のときにもう 少しいろいろとお尋ねいただければいいのかなとも思っております。 ○井上委員  基本的には、製薬メーカー等に関しては行政指導がよくされていると思います。以前 と違いまして、ここ2年ぐらいの間に行政指導の内容、例えば大手メーカーだけではな くて、後発医薬品とかのジェネリック品に対しての指導まで最近よくやられておられま す。ただ、基本的に製薬メーカー等の業界団体で、例えば自動車業界ですと自社品で事 故が起こりますと、やはりリコールとか製品回収ということになるのですが、医療事故 が類似名称で起こったからといって製薬メーカーは製品回収することはなかなかされな いです。患者さんが、例えば処方した医師、調剤した薬剤師を訴えるのと同時に、類似 名称で事故が起こったということで、製薬メーカーを訴える。アメリカなどでは同時に 数件で訴えますので、そういうふうな訴え方をすると、製薬メーカーというのは、一遍 にそういう類似名称から徹退する方向を考えると思うのです。  ですから、これ以上厚生行政がどうかということではなくて、やはり業界のモラルと か、そういった業界全体の方向性がどういう方向にあるのか、医療安全対策にどう取り 組んでいくのかという気運の情勢ということが大切なのかなと思います。業界団体の自 主性がどこまであるのかということが、真に国民から問われるところまできているので はないかという気がしております。 ○森座長  ありがとうございました。いろいろと有益なご意見を承りましたが、残念ながら時間 がまいりましたので、本日はここまでにしておきたいと思います。 ○医薬局長  8月30日付けで医薬局長に就任しました小島でございます。本日は、同じ時期に薬事 審議会がございまして、そちらのほうに出席しておりました関係で遅れて申し訳ありま せんでした。どうぞ、今後ともよろしくお願いいたします。 ○森座長  どうもありがとうございました。それでは事務局から今後の日程なども含めて、連絡 事項をお願いいたします。 ○新木室長  先ほどもお話がございましたとおり、医療に係る事故事例情報の取扱いの検討状況に つきましては、適宜ご報告させていただきたいと思います。そのようなことも踏まえま して、次回の日程につきましては、12月上旬、もしくは中旬をメドに日程を調整中です ので、決まりましたら委員の先生方にご連絡を差し上げたいと思います。以上です。 ○森座長  それでは、これで閉会させていただきます。本日は、お忙しい中のご出席、誠にあり がとうございました。次回もよろしくお願いいたします。                       (照会先)                       医政局総務課医療安全推進室指導係長                       電話 03-5253-1111(内線2579)