02/06/19 第1回インターネット等による医療情報に関する検討会議事録         第1回インターネット等による医療情報に関する検討会 ○日時 平成14年6月19日(水)10:30〜12:00 ○場所 厚生労働省省議室 ○出席委員 五十嵐良雄 大山永昭 河北博文 菊池令子 木本陽三 坂本憲枝       櫻井秀也 塚本亨 中島みち 深井寧 福島龍郎 松山幸弘 三谷博明       向山孝史                              (五十音順、敬称略) ○議事内容 ○医政局総務課長  出席予定の先生方もおそろいですので、ただいまから「インターネット等による医療 情報に関する検討会」を開催させていただきます。私は厚生労働省医政局の総務課長の 大谷と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。  委員の先生方におかれましてはお忙しい中ご出席いただきまして、誠にありがとうご ざいます。本日は初めての会合でございますので、初めに医政局長の篠崎からご挨拶を 申し上げます。 ○医政局長  皆さまおはようございます。本日は第1回の「インターネット等による医療情報に関 する検討会」にお忙しい中ご参集いただきまして誠にありがとうございます。実施は4 月からですが、本年の3月末でございましたが、今までの医療に関する広告規制が大幅 に緩和をされました。これは昭和23年の医療法の制定以来の大幅な緩和だと思っており ます。厚生労働大臣を本部長といたします医療制度抜本改革の本部ができております が、「患者の視点に立った医療提供体制」ということからの措置の一環でございます。  今回広告規制が大幅に緩和されました中の1つに、医療機関がホームページアドレス を広告できるというものがあります。ホームページの中身につきましては、広告に当た らないということで、インターネットについては今のところは全くフリーな状況なので ございます。世はまさにインターネットの時代でございまして、私ごとになりますが、 10年ほど前に医療に関する情報化の担当課長をいたしておりまして、ここにおられる大 山先生等と医療の情報化に取り組んでおりました。当時はインターネットというものが こんなに普及するとは夢にも思っておりませんでした。今では私もインターネットをや るようになりました。この10年間で非常に情報化が進んできているわけでございます。 今後ますます進んでいくのではないかと思っております。  そういう意味で、このタイトルにありますように「インターネット等による医療情報 に関する検討会」、これは医療の情報化が今後どのように発展していくのだろうかとい う点も含めて、ご議論をいただければと思っているわけでございます。どうかよろしく ご協力のほどお願いいたします。 ○医政局総務課長  議事に入ります前に私から委員の皆様方をご紹介させていただきます。秩父中央病院 長の五十嵐良雄委員、東京工業大学教授の大山永昭委員、財団法人日本医療機能評価機 構理事の河北博文委員、日本看護協会常任理事の菊池令子委員、静岡県健康福祉部長の 木本陽三委員、消費生活アドバイザーの坂本憲枝委員、日本医師会常任理事の櫻井秀也 委員、日本歯科医師会常務理事の塚本亨委員、作家の中島みち委員、電通サドラー・ア ンド・ヘネシー株式会社代表取締役社長の深井寧委員、安田健康保険組合理事長の福島 龍郎委員、富士通総研経済研究所主席研究員の松山幸弘委員、日本インターネット医療 協議会事務局長の三谷博明委員、日本労働組合総連合会生活福祉局長の向山孝史委員で す。なお本日は足利赤十字病院名誉院長の奈良昌治委員及び日本経済新聞社論説委員の 渡辺俊介委員から、ご欠席の連絡をいただいております。  また、本日ご参加いただきました委員の方々に加えまして、次回以降新たな有識者の 参加もいただくということを考えておりますのでご承知おき賜りたいと思います。  続きまして事務局を紹介させていただきます。医政局長の篠崎、医政・保険担当審議 官の中村、医政局医事課長の中島、医政局歯科保健課長の瀧口、医政局看護課長の田 村、医政局総務課企画官の武田、医政局総務課課長補佐の伊澤です。どうぞよろしくお 願い申し上げます。  それでは本検討会について私から簡単にご説明を申し上げます。1枚紙で「インター ネット等による医療情報に関する検討会」というペーパーが用意されていると思います が、これに基づきご説明申し上げます。  この会の目的ですが、国民の医療に対する意識の変化などを踏まえ、患者に対する幅 広い情報提供を推進し、患者の選択を尊重した医療提供を通じて、医療機関相互の競争 が促進されることにより、医療の質の向上と効率化を図ることが重要となっている。  現在、インターネットの急速な普及などにより、情報の伝達手段が多様化し、医療機 関情報、診療情報等を発信する医療機関や第三者機関が増えてきている現状を踏まえ、 患者に対する医療情報の提供方策(提供主体、内容、方法等)について、幅広く検討す るというものです。  少し付言しますと昨年、政府全体の規制改革の中で医療に関する広告の規制の緩和、 あるいは撤廃というものが議論されました。広告規制については医療部会で昨年9月か ら半年間ご議論をいただきました。医療については性格上広告が規制がされていまし て、どのような事項でも医療機関が好きなように広告できるということにはなっており ません。これは患者の安全を図るためということで、広告できる事項については長年、 かなり限定的に取り扱ってきまして、規制を緩めることについては非常に速度が遅かっ たわけです。これについては、「患者の知る権利」といいますか、患者への情報提供が 阻害されているのではないかということで、「規制を改革せよ」という考え方が内閣全 体で示されて、広告規制の緩和について医療部会でご議論をいただきました。  ご議論の結果、医療の広告に関してはかなり規制が緩和されたわけですが、その議論 の過程で広告というものは、あくまで医療機関の側が不特定多数の人を相手に患者を誘 引する目的をもって行うものであり、患者が本当に知りたい情報は広告だけでは得られ ない。医療機関が広告として発する情報とは別に、患者の知りたい情報をどういう形で 提供していくのか、そのほうが本質的な議論であるといった指適がありまして、これが 今回の検討会を開催する1つの契機となったわけであります。  そこで「主な検討内容」と書いてありますが、いま申し上げたような認識を前提にし ています。  (1)患者(国民)に提供することが有効かつ望ましい医療情報について。  (2)情報提供の主体・方法についてということで、第三者による情報提供の在り方     、医療機関による情報提供の在り方、これは2つ切口があるであろうと。  (3)医療機関がホームページ等により提供する情報の信頼性、あるいは情報提供の     在り方について。  これについて少し付言しますと、これまでホームページは広告として取り扱ってきて いません。これは患者がその医療機関に知りたいということでアクセスする、それに対 して情報を提供しているわけですから、これを広告として扱うと、患者の知りたいもの も伝えることができなくなるということで、「ホームページは広告としては扱わない」 となっていますし、今回の緩和の中でホームページのアドレスを広告することもできる こととしたわけです。しかし、そうなるとホームページの中にどのようなことが書いて あってもいいのかということも一方で議論がありまして、ホームページ上での情報提供 についてもあるべき姿についての議論が残ったということです。  スケジュールですが、月1回程度のペースで開催させていただき、本年中を目途に意 見をお取りまとめいただきたいということですので、よろしくお願い申し上げます。以 上が事務局の側から申し上げます検討会の趣旨等です。  次に検討会の座長についてお諮りいたしたいと思います。座長には情報システムのご 専門であり、保健医療情報システム検討会の委員でもあります東京工業大学教授の大山 委員にお願いしたいと存じますが、いかがでしょうか。               (異議なしの声あり) ○医政局総務課長  委員の皆様方のご賛同を得ましたので、大山委員には座長席にご移動いただきまし て、以後の議事運営をお願いいたします。よろしくお願いします。 ○大山座長  座長を拝命いたしましたので、改めて簡単にご挨拶を申し上げたいと思います。先ほ ど局長からお話がございましたように、私は医療関係の情報化につきまして、もうかれ これ10年以上この分野に、さまざまな形で関与させていただいています。当時「医療 サービスの質の向上」「サービスの提供の高度化」「新たなニーズに対する対応」さら に「地域格差の是正」という4つの情報化における方針、基本的な考え方を示しまし た。その中で「新たなニーズに対する対応」、「医療サービスの質の向上」という点に ついて、本日の「インターネット等による医療情報に関する検討会」の開催、という形 になってきたのかなと感じております。  ご存じの方もおられるかもしれませんが、私自身実は政府のIT戦略の関係、現在は 知的財産のほうをやらせていただいています。総務省でいまちょうどインターネットの 基盤関係、ITウィスクスを含めて、さまざまな形で検討に関与させていただいていま すが、これらのことを全て医療に一体いつ、しっかりとお返しできるかなと実は思って いました。そこへ今日こういうお話がありまして、医療の新しい大きな変化という形で も積極的にご協力させていただきたいと思っています。なにしろ皆様方のお力をお借り いたしまして、この検討会を有意義なものにしたいと思っておりますので、なにとぞよ ろしくお願い申し上げます。  若くして亡くなられてしまいましたが寺松健政局長の時、1994年の時ですが、情報化 に関して「高度情報通信社会推進本部」が設立されまして、私そこへ推挙いただきまし た。その時に言われた言葉がいまでも頭に残っているのですが、「医療を含めて情報化 による日本の将来を君はよく考えてしっかりやれ」と言っていただきました。それをず うっと今まで思ってやってきたつもりなのですが、まだまだ不十分なところもございま すが、なんとかこういう新しい医療における情報提供の新たな姿を作り上げることにつ いて努力をしたいと思っています。なにとぞご協力をよろしくお願い申し上げます。ど うもありがとうございます。  議事に入らせていただきます前に、当検討会の進め方について確認をしたいと思いま す。当検討会についてはまず公開で行う、議事録についても事務局でまとめたものを各 委員にお目通しをいただいた後で、厚生労働省のホームページで公開するというふうに したいと思いますが、この点につきましてはご了解いただけますでしょうか。                  (了解) ○大山座長  ありがとうございます。それではこの点についてまず了解を得た上で議事に入ってい きたいと思います。まず事務局より提出されています資料について説明をお願いいたし ます。 ○伊澤補佐  「インターネット等による医療情報に関する検討会」第1回資料に沿って説明いたし ます。  1頁、我が国の医療提供体制の現状については、さまざまな課題があると言われてお りますが、左にあるような課題があると厚生労働省としてまとめております。このよう な課題に対し、「今後の医療を考える視点」として、「情報開示と患者の選択」という ことで、患者の立場を尊重することにより「医療提供体制の質の向上と効率化を図る」 ことが重要な課題になっております。医療の質の向上と効率化を図るためには、まず情 報開示が重要な課題になっているのではないかと、このように私どもは考えておりま す。  2頁、厚生労働省が昨年9月25日に医療制度改革の中で試案を出しております。この 中で、下線を引いておりますが、「患者が医療に関する客観的な情報を活用して医療機 関を選択していくことが重要ではないか」と提示しております。患者による医療機関の 選択により、医療機関側は医療の質の向上や患者に対するサービスの向上をしっかりし ていただく。患者による選択を通じて医療の重点化・効率化、また同時に質の向上が進 んでいくのではないかという考え方を提示しております。  3頁、具体的にどういう施策を行っていくかをまとめたものです。その中で、先程来 説明しておりますが、「広告規制の更なる緩和」を提示しました。これについて昨年医 療部会でご議論をいただき、本年4月からかなり大幅な規制緩和を実行したところで す。その広告規制の緩和については4頁にまとめてありますので必要に応じご参照いた だければと思います。  5頁、いま申し上げた広告規制の緩和も含めて、医療における情報提供について、か なり医療部会でご議論をいただきました。社会保障審議会医療部会が平成14年3月28日 に「医療提供体制に関する意見」をまとめましたが、この中でも下線を引いてあります ように、情報提供の手段としては広告だけではなく、広報や院内で情報を掲示すると か、あるいは公的機関、これは第三者的な立場に立つわけですが、第三者による情報提 供など、さまざまな手段があります。またその手段それぞれに特性がありますので、そ れぞれの特性を踏まえて、それぞれの手段が有効に活用されるように環境整備や内容の 充実を今後図っていくべきではないか、という提言をいただいております。  2つ目の下線ですが、そういった情報を提供していく上では、その確実性や信頼性を どうやって確保していくか。また、現在さまざまな情報、例えば今回の議論の中心です が、ホームページなどいろいろな所で、かなり患者さんが得られる状況になってきてい ますが、それがどこにあるのか分かりにくい。上手に利用できる方は良いのですが、散 在している情報では使いにくいですからこれをデータベース化して行く。あるいはイン ターネットを使えない方もおられますから、そういった情報が地域住民にとって身近な ところでどうやって得られるようにしていくか、こういう視点が重要であるといった指 摘をいただいております。  6頁、医療部会の報告書にありましたように、「医療に関する情報提供」としては広 告だけではなく広報や公的機関による情報提供といったものもあります。これらの考え 方を簡単にまとめたものですが、「広告」に関しては、患者側の意図に係わらず、どち らかというと医療機関側の意図で提供される要素が高いのではないかという特徴があり ます。  「広報」になると、患者誘引といった意図ではなく、医療機関が自身の運営状況や、 どのように地域に関わっていくかということを目的として周知を図るようなものなの で、この点が広告とは違うのではないかと整理をしています。厚生労働省としても広報 については広告のような規制がない、ということを明確にしております。  「公的情報」ですが、こちらの特徴は、客観的な立場で、医療機関の選択に資するよ うな情報を提供するというものです。公的、第三者的な立場で見ておりますので、比較 的情報の信頼度は高いのではないかと考えられます。  「公的な情報の在り方」としては、例えば社会福祉・医療事業団という特殊法人があ りますが、昨年10月から医療機関名、所在地、診療科名などについて情報提供が始めら れているところです。今後これをどう充実していくかということが課題になっていま す。  7頁、これは厚生労働省が行った調査で、平成11年の「受領行動調査」です。平成11 年10月の3日間において、全国の一般の病院を利用した患者を対象として行った調査に なります。これは現に病院にかかられている患者を対象にしたものですが、「病院を選 ぶ際に医療情報を参考にしたものがある」という方が約3割ぐらいおり、その3割の内 訳は8頁にあります。  8頁、外来・入院を問わず、家族、友人・知人から聞いたという方が大体7割前後と いうデータになっております。  9頁、平成14年2月に健康保険組合の一部の方々が集まられた「保険者機能を推進す る会」が行った調査で、健康保険組合の被保険者を対象にしたアンケート調査です。 「医療機関を選ぶ際に知りたい情報をどこから入手しますか」という問に対して複数回 答を得たものです。これもやはり友人・知人や、家族が多くなっておりますが、かかり つけ医から情報を入手するという方も32%おりますし、今回ご議論をいただきます「医 療機関(HP)など」と回答した方が、24.3%であるという数字が注目されます。  10頁、同じく「保険者機能を推進する会」がアンケート調査をしたものです。「医療 機関を選ぶ際に、どのような情報を知りたいですか。どうしても知りたい情報を全て選 んでください」という問に対しての複数回答です。所在地、診療日・診療時間といった 基本的な情報からスタートをして、様々な情報を知りたいという現状が見て取れます。  11頁、同じく「保険者機能を推進する会」の調べです。「医療機関を選ぶ際に知りた い情報をどのような機関が提供することが望ましいですか。最も望ましいものを1つだ け選んでください」という問に対する回答です。これは1つだけ選択しての回答です。 この中では中立的な情報提供機関が約4割近くになっています。健康保険組合が15%、 医療機関(HP)が13.7%、かかりつけ医が12.2%という結果になっています。このよ うに中立的情報提供機関という回答が最も多くなっております。  12頁、これまでご説明したことを踏まえ、医療部会でもご指摘いただいております が、患者の選択に資する情報を提供するために、どのような環境整備を推進していった ら良いかということをまとめております。基本は、信頼できる情報を得るための環境整 備を進めていくということで、前の頁にある回答なども踏まえますと、まずは公的な情 報提供の推進を図っていく必要があるのではないかと思っていおります。この中で、先 ほど広告、広報、公的情報提供のところでもご説明しましたが、社会福祉・医療事業団 が福祉保健医療情報システム、WAMNETと呼んでおりますが、基本的な情報の提供 を始めたところです。  13頁、具体的なイメージ図があります。インターネットにアクセスすれば、このよう な形で情報が国民の方にご覧いただける状況になっています。施設名、郵便番号、所在 地、電話番号、診療科名といった基本情報が掲載されております。  14頁、「公的機関からの情報提供」という例では、都道府県といった行政の果たす役 割も大きく、木本委員の静岡県では、アンケート調査を医療機関に対して実施して回答 を得られたもののうち、がん対策の分野を中心に、医療機関ごとの年間症例数を一覧表 にして、医療計画の中で県民の方に対して提供をしております。  15頁、これは地域医師会が行われている取組みの例です。大阪市にある旭区医師会が 「病院ガイドブック」というマップを作られているわけですが、かかりつけ医の方がど こにおられるか、地域における医療機関の情報等をマップの形で分かりやすく国民に対 して提供する取組みをされています。  16頁、財団法人日本医療機能評価機構が現在「病院機能評価」を実施しております。 病院機能評価事業、機能評価事業を通じて病院の機能の改善支援の事業を行っておりま す。具体的には評価調査者、サーベイヤーと申しておりますが、サーベイヤーが病院を 訪問して病院機能を評価します。評価結果を委員会等で検討をし、評価基準を満たして いれば認定証を発行するという取組みをしております。この認定については、現在その 内容も含めて広告できる状況になっております。  17頁、医療機能評価の最近の動きですが、こういった医療機能評価を病院に積極的に 受けていただき機能を明確にしていただく、あるいはそういった機能を国民に対して情 報発信していただくことが重要ではないかと考えておりまして、厚生労働省においても 今後5年間程度で2,000病院程度まで受審病院を増やしていきたいという目標を掲げてお ります。広告規制についても本年4月から、評価結果の内容についても広告可能という 形になっております。また、医療機能評価機構では、評価の結果について、医療機能評 価機構から情報提供を行うことを検討中と聞いております。資料の説明は以上になりま す。 ○大山座長  ありがとうございました。ただいまの事務局の説明についてご質問等がございました らお願いしたいと思います、いかがでございますか。私が分からなかったのは17頁で、 文章の取り方ですが、「同機構より情報提供を行うことを検討中」というのは、評価結 果を医療機能評価機構から情報提供をするのですよね。どこに対して提供するのかとい うことと、その後の「情報提供を求めない医療機関については」というのは、医療機関 が、どこか外へ出すことを求めないという意味ですよね。確認なのですが。 ○伊澤補佐  説明が言葉たらずで大変失礼いたしました。まず「どこに対して」という点ですが、 私どもが聞いておりますのは、医療機能評価機構のホームページに結果を掲載して、ご 覧になりたい方なら誰でもアクセスすれば見られる形での情報提供を考えているという ものです。  括弧書きの中ですが、医療機関側が任意で受審した評価結果を医療機能評価機構がま とめて提供するということですので、医療機能評価機構による外部への情報提供を求め ない医療機関についてはその医療機関の掲載はしない方向だと聞いております。 ○医政局総務課長  河北委員がお見えなので、補足があればお願いいたしたいと思います。 ○大山座長  確認のためお願いします。 ○河北委員  いまのご説明のとおりです。従来よりこの機構の評価の受審は強制ではなくて任意で すから、まず契約があります。認定病院の報告書の内容に関しては、受審病院に帰属を するということで、評価機構としては認定病院の名称、住所、電話番号等を公表はして きましたが、報告書の内容に関しては一切触れなかったという経緯があります。  それを、やはり社会の流れを考えて、認定病院が独自で報告書の内容を、これは一 部、あるいは全部ホームページ等に掲載をし始めていますので、第三者機関としての評 価機構が、これはコピーライトの件もあるのですが、自主的にホームページ等に掲載し ようということで、契約の内容の中に覚書きを今後入れて認定病院の同意を得た上で、 機構のホームページに報告書の内容を掲載していくことをいま検討中です。今月の末に 理事会で承認をいただけば今年の9月1日からホームページに掲載するように準備を進 めていきます。 ○大山座長  ありがとうございました。皆様方からご質問等がありましたらどうぞ。 ○塚本委員  資料の9頁を先ほどご説明いただきましたが、これは健保組合の中での調査という部 分で、本日すぐお答は難しいかとは思うのですが、特に「医療機関(HP)など」とい う24.3ポイントの棒グラフが出ています。このアンケートにお答いただいた方の年齢、 階層別のような内訳。すべからくホームページの対象となる方が、それだけのクライア ントの方がお持ちになっているかどうかも分かりませんで、今日でなくてよろしいので すが、アンケートの中の年齢階層別にどのようなお答があったのかご説明があれば、参 考にしたいと思います。以上お願いいたします。 ○伊澤補佐  調べてみたいと思います。 ○大山座長  お調べいただくということなので、結果が出次第またお話いただけるかと思います。 ほかはいかがでしょうか。最近面白いのですが、インターネットの世界を見ています と、わりと高齢の方たちもお使いになる方が増えているのですね。高齢者の人は難しい のではないかというお話がずいぶんあったのですが、実際はそうではなくて結構お使い の方が最近増えているというのを聞いて私もホッとしたのです。いかがでしょうか。  今日は1回目ということもありますので、いま事務局側からの本検討会の目的、考え 方のような現状認識を深めるという意味での説明がありましたが、医療情報に関するこ の検討会の目的に関してフリートーキングということにさせていただきたいと思いま す。したがいまして、この後は関連することは何でも結構ですし、皆様方が普段いろい ろお考えになられていることをお互いに理解することが、この検討会を先に進めるため の大事なステップになるだろうと思いますので、ご自由にご発言をお願いしたいと思い ますが、いかがでしょうか。 ○松山委員  事務局に教えていただきたいことがあります。この検討会の主な検討内容ということ で3つ挙げられていて、1番目に「患者に提供することが有効かつ望ましい医療情報に ついて」。2番目が「情報提供の主体、方法について」。それから「医療機関がホーム ページ等により提供する情報の信頼性」と書いてあるのですが、この検討会でこの3つ の項目を検討するに当たっての、何か方法論みたいなもののイメージがあるのかどうか を教えていただきたいのです。  私の印象では例えばアメリカと比べた場合、日本でインターネットを通じて医療情報 の提供が相当遅れている最大の理由は、そもそもインターネットに載せるための評価情 報がないからではないかという気がするのです。そうすると、いま既にある情報をどう して載せるかを考えることと、本来消費者や患者が欲しがっている情報であるが、まだ きちんと公表できるレベルのものが出来ておらず、それをどうやって作るかということ まで考えることとを区別して議論する必要があると思います。この検討を進める上での 何か方法論的な、例えばこの検討会とは別枠で調査をするといったことが、何か決まっ ているかどうかを教えていただきたいと思います。 ○医政局総務課長  その方法論も含めてご意見を承りたいという気持もあるのですが、事務局の腹案とし ては、まず当面できる範囲で、いまある情報、いまあるメディア、いまある形の中でど こまでできるかを、まず急ぎたいというのが1つあります。それだけではもちろん将来 に向けて不十分ですから、こういう情報があればもっと、ここまで行けるというものも あれば、それについての展望をまたお示しいただいて、それは別の機会に詳細を委ねる ということで如何でしょうか。例えば「情報の内容の評価」などの問題はここで決める わけにはいきませんから、別の検討の方法をまた考えなければいけませんが、それは次 のテーマとして方向性を示すということで、いま当面できるものと、将来に向けてある べき姿と2つご議論をいただければ有難いのです。もう目の前で起こっていることに対 して、対処すべき所は固めたいという気持ちはあります。 ○大山座長  よろしいですか。 ○松山委員  はい、分かりました。 ○福島委員  いまの松山委員のご質問に似たようなものですが、本年度中を目途に意見を取りまと めたいということがありますが、例えば具体的にどの程度の内容のものを、どういう形 までまとめたいということなのか、何か出来上がりの姿が多少でも分かれば教えていた だきたいと思います。 ○医政局総務課長  最初の1枚紙に基づいて申し上げますと、(1)(2)(3)の順番になると思うの ですが、やはり何をまず提供するべきかについて、現下でできるもの、将来目標、これ は整理をお願いしたいというのがあります。  2つ目はより具体的にどういう方法でやるかということですが、できるものは来年度 の予算要求にも掲げて15年度からやりたいものも実はお諮りしたい。若干の腹案もある わけですが、まだ事務局でも未成熟ですのでこういう場でいろいろ補足の意見を承れ ば、なおいい施策になるのではないかと思います。  医療機関でいま行っておられる情報提供の在り方についても、例えばこういうやり方 がいいのではないかとか、私どもは別にホームページの規制をしようと思っているわけ ではありませんが、その信頼性を高めるについて、いろいろな方法が医療以外の世界で もあるわけですからそういう知恵をいただければ、それが考え方の整理になるのではな いか、とこういう形で考えています。 ○大山座長  よろしいですか。 ○福島委員  はい。 ○大山座長  ほかにいかがでしょうか。 ○三谷委員  6頁に「医療に関する情報提供」とありまして、ここに広告、広報、公的情報提供と 分類されているわけですが、広報の中にインターネットが入っているわけです。日本イ ンターネット医療協議会で1999年にやった調査があるのですが、310施設の医療機関にア ンケートを取りまして、ホームページを公開した動機を伺ってみたのです。その時、い ちばん大きかった目的は「病院機能等を紹介することによって、新規患者が受診しやす いようにする」という項目がありまして、これに対する回答が67%でいちばん大きかっ たということで、「病院機能等を紹介することにより、新規患者が受診しやすいように する」というのは、ちょっと回りもった言い方ですが、これは即ち広告に当たるような ニュアンスもあるわけです。  広報で「患者誘引の意図がない点で広告と異なる」とあるのですが、患者誘引の意図 がある場合は、では広告なのかというのがある。またインターネットは広告に当たらな いということですが、不特定多数に情報提供をした場合は広告に当たるのではないか、 という見解も出始めていると思うのです。この分類の中で広報の中にインターネットを 入れているのですが、ケースによってはインターネットも広告になり得るのではないか というところに疑問を感じたわけです。 ○医政局総務課長  これは事務局といいますか個人の発言になるかもしれませんが、実はこのインター ネット、特にホームページの扱いは非常に悩ましいところがあります。これを広告と決 めつけてしまうと、広告規制の対象になって患者が知りたい情報がインターネットで得 られなくなるということで、そういうことは望ましくないというのが前提にあるわけで す。  一方で、ではホームページであればなんでも許されるかということについては、内容 によっては一般的な判断で、これは広告に当たるというものもあるかもしれません。実 はこのインターネットがどちらに入るかというのは、確かにケースバイケースであろう かと思います。むしろ、その中でこれはまさに広告そのものではないかという部分がご 議論の中で明らかになれば、そういうものについてはこういうやり方が望ましいという 整理もできるのではないかということで、中程の欄にインターネットを入れています が、例えばバナー広告とか患者が意図しなくても飛び込んでくるようになっている情報 であれば、これはやはり広報というよりは広告に近付きますから、その変の考え方も是 非お聞かせいただければ、このグレーゾーンが整理できるのではないかと考えていま す。 ○三谷委員  初めてということなので用語の使い方なのですが、ホームページといま言っています ね。これは日本人にはホームページで馴染み深いのですが、海外ではホームページと言 わないでウェブサイトと言っているのです。この辺、ずうっとホームページと言うのか あるいはウェブサイトみたいな表現になるのかということです。なんとなく日本の場合 はホームページでずうっときているのですが、海外ではあまりホームページとは言わな い。むしろトップページという部分がホームページということがあって、国際的な整合 性を考えるとこのままホームページでずうっと議論していいのか、あるいはウェブサイ トという用語が必要なのか。用語の定義を初めにする必要があるのではないかと思いま す。 ○大山座長  いまのご意見ですが、確かに海外ではウェブサイトと言っているのが多いのと、それ からインターネットというのはもともと情報提供の新しいメディアの1つで、手段のは ずなのですが、最近イメージとインターネットの本来の意味というのが違ってきて、言 葉が拡大解釈されつつあるかなと。特に先ほどのポップアップのものというのは、画面 を見ようとして違う所に飛ばされたり勝手に出てくるのがありますから、これは一種の 広告ではないかという考え方があると思うのです。更にいまブルートゥースみたいに、 どこかそばに行くと勝手に配信されてくるものも出てくるでしょうから、それはまさし く広告ではないかという言い方もあるかもしれません。この辺はまだはっきりしないと ころです。  総務課長からいまお話がありましたように、「インターネットは広告だ」と言ってし まうと、折角こうしてやれる状況にしているのを、後戻りする方向になりかねないとい うこともありますので、その辺は少し整理をしていく必要があるのは、ご指摘のとおり であるかと思います。ホームページという言葉の使い方ですが、いま厚生労働省の中で はホームページという言葉を使っているのですよね。こういうのを聞かれても困ってし まいますよね。たぶんほかの省庁もホームページって使っているような気がするので す。 ○医政局総務課長  例えばこの4月の「広告規制の緩和」の際にも一般的な表現として、「ホームページ のアドレス」という表現は使っているわけです。正式に検討をする際には用語を整理し 直す、それは可能だと思いますし、今後の方向としてご指摘を賜れば将来に向けて直し ていくのは吝かではありません。 ○大山座長  そう言えばその言葉の指摘はほかでもあまり言われてないですね。ホームページって 平気で使っていますね。 ○松山委員  間違っていたら恐縮なのですが、この前辞書で調べたらホームページというのはウェ ブサイトの1ページ目のことを言うのであって、インターネットを通じて情報提供をす るトータルのイメージを言うのであれば、ウェブサイトのほうが正しいということなの です。ただ、国民の間ではホームページのほうが馴染みやすい、ウェブサイトというの はご高齢の方には難しいかも分からない。もしホームページという言葉を使うのであれ ば報告書の中に注書きを入れるかどうかを、きちんとしておかないといけないと思いま す。海外の人と話す時はホームページと言ったらたぶん通じないと思います。 ○塚本委員  資料の中でも既にホームページと使われていて、本委員会は、医療部会等々の検討結 果を踏まえて動いているのが現状であるということ。もう1点は、国民的なコンセンサ スという部分では、やはりホームページというのが歩いているので、折角立ち上がった 当委員会ですので、報告書のとりまとめの中で時代に整合したような部分は、是非この 委員会の終盤のほうでおまとめいただければと。ウェブサイトという言葉は私自身は 知っていましたが、「その中の第1ページ目」ということまでは知らなかったものです から、そういうふうにお進めいただけると有難いと思っています。 ○大山座長  ウェブサイトにとっての最初のページでホームページなのですかね。いかがでしょう か、いま貴重なご意見をいただきましたが、内容について確認はもちろんいたします が、報告書の中ではホームページという言葉を使うのであれば、どういう意味かという のを別に書いて、当然ホームページと使っている中にウェブサイトの全体を含むことも この場合あり得るかと思うので、それは報告書の体裁、中身を見ないと分からないこと がありますが、そのような形で報告書を出すときには注意をするということで、まずそ れを考慮してこの検討会ではホームページとウェブサイトについては、特段大きな違い を意識することなく、まずはいまここにあるようにホームページという言葉を使わせて いただくということでお許しいただけますでしょうか。そのように事務局側でもご配慮 をいただきますようお願い申し上げます。ほかはいかがですか。 ○向山委員  今日の参考資料にも載っていますが、3月28日に社会保障審議会の医療部会で検討さ れたとりまとめの意見書です。この部分の意見の中に各個別項目として、かなり医療情 報のことについても検討課題として項目が掲げられていますが、本検討会でやる検討内 容については、(1)から(3)ということで検討をしていくということなのですが、 医療部会での個別検討課題とこちらとの関連の部分については、もう少し医療部会が広 い範囲を網羅しているような感じがあるのですが、その辺の関係はもっと広げていく可 能性はあるのでしょうか。この3つに限定してやっていくのかどうなのでしょうか。 ○医政局総務課長  結論として私どもとしては、直ちに政策に活かしていくことのできるものをいただき たい、という気持ちはもちろんありますが、その検討の前提として周辺というかその もっと広い部分があるということであれば、スタートのところでそういったことについ てご議論を賜ることはもちろんよろしいのではないかと思います。 ○大山座長  よろしいですか。ありがとうございます。 ○河北委員  ご説明いただいた資料の6頁目ですが、ここに広告と広報と公的情報提供というもの が書かれていて、先ほどのいくつかのご意見を伺っていて、アクセスするものが広報に 近いというようなご意見があったようですが、広告と広報というのは基本的には違うと 私は認識をしています。  広告については医療法上規制を受けていますが、広報は規制を受けないと私は考えて いて、規制改革委員会とか、総合規制改革会議でも、広告についてもネガティブリスト 化をするという方向付けが言われていると認識をしているのです。広報というのは以 前、電通の関係者に話を伺ってインターネット、パンフレット等だけではなくて、例え ば地域社会の中でいろいろな人たちと話をする、例えば役所、消防署、町内会の人たち です。あるいはボランティアの人たちを引き受けたり、見学を引き受けるということが パブリックリレーションズである。それが広報活動であると私は認識をしているわけで す。  その中にインターネットが、ウェブサイトでも、ホームページでもいいのですが、含 まれるということであれば、この委員会では原則自由、ただしやっていけないところを 最小限決めておいて、そこに網を掛けておく。例えば客観的に評価を必要とするような 情報についてみれば、まず治療成績であるとか、その病院の診療に関わるいろいろなこ とに関しては、第三者評価を得るということに網を掛けるのであって、ほかのものは原 則自由にするという議論にするのか、それとも最初からポジティブリスト化をして、原 則禁止、それでやっていい事だけ並べていくことにするのかというのは、基本的なとこ ろだろうと思うのです。折角今までインターネットは広告ではないという認識をされて いるわけですから、私は原則自由であるとの立場です。ただし、第三者評価を得て出す べき情報等をここで網を掛けておくことが必要であるのではないか。是非そういう方向 のご議論にしていただきたいと思います。 ○大山座長  ありがとうございます。貴重なご意見を承ったと思いますが、いまのことについて何 かほかの委員の先生方からご意見等がございますか。 ○櫻井委員  広告と広報については事務局が言われたように大変難しい部分があります。本来はど ういう内容が世の中に出るかということが問題なのだろうけれども、現実にはここの例 で書いてあるように、どういうものを使うかということで分類している部分があるわけ です。そこに矛盾があるので、本来であれば駅の看板に書いてあっても広報のものもあ るし広告のものもあるだろう。当然インターネットでも広告の部分と広報の部分がある のだろうけれども、そこは分けられないものだから、今は、例えばこの例に書いてある ように折り込みチラシは広告で、パンフレットは広報だとなっている。これはパンフ レットを折り込んだら広告になるということですよね。そういうことになっていると思 うのです。何か手段とか使うもので分けているので、まさに事務局が言われたとおり難 しいところで、そうせざるを得ないというところがあるのだろうと思います。  いま河北委員が広報についてはネガティブリストと言われましたが、私はここのイン ターネットについては、アメリカでも「ポルノが家庭に入るのもやむを得ず」という裁 判結果が出たぐらいに、ネガティブリストさえ不可能ではないかなと思っているので す。全く自由な世界で、それをアクセスして読む。先ほどの話ではアクセスしないのに きてしまうものがあるということだけれども、そこに載っているものは見たい人がどう 判断するか、判断をし損なったら本人がいけないという世界になっているのではないか なという気がしているのです。私はインターネットは、なんでも自由な世界で良いので はないかと思っています。 ○河北委員  いまのご意見はそのとおりで、インターネット等にそれぞれの立場で情報を流すのは 全く自由だと思います。ただし、その流された情報に関して、この枠の情報に関しては 第三者的立場の者から別の情報提供はされている、というものを作っていく必要がある のだろうと思います。例えば財団法人日本医療機能評価機構が、それぞれ認定病院の報 告書の内容をこれから掲載をしていくつもりでいますが、それぞれの医療機関もその取 り扱いは自由ですが、もし、そこに疑問等がある場合には是非、財団法人日本医療機能 評価機構のウェブサイトで確認していただきたい。このように、同時に第三者から情報 が提供される必要があるのだろうと思います。  ちなみにいま私は東京都病院協会の会長ですが、東京都病院協会で「医療のアウトカ ム評価」を行い始めていて、そちらの診療実績に関してもこれから分析をしていき、そ の情報提供もしていきたいと思っています。それも個別の医療機関が出すものと、東京 都病院協会という立場が良いかどうかは別にしても、第三者的立場で分析したものと比 較ができるような情報提供の別の場があってもいいのではないかと思います。 ○深井委員  「広告と広報」ということになりますと、非常に議論が複雑になるのですが、確かに 言われるようにパンフレットが広報なのかというと、内容によってかなり疑問な部分が あるのですが、少なくとも自らの意思でアクセスして情報を得るという部分については 広告ではない、という解釈が正しいのではないかと思うのです。  相手がホームページでなくて、例えばある所が相談のための電話を留守番電話という のかトーキーのように案内した場合、それとインターネットでホームページで案内する のと同じだと思うのです。そうしますと、生活者が自らの意思でアクセスするのは少な くとも広告ではないと私は思います。 ○大山座長  そういう整理をしていこうということで、今まで議論が進んでいるのだと思うのです が、医療機関のこういうお話については、もともと日本の医療機関は国民の高い信頼感 を得ているので違うかとは思うのですが、一般的に電子商取引の世界では異なります。 皆さんはインターネットで何か買物をされたことがありますか。クレジットカードでも 支払いの方法、注文した物が正しく来るかについて普通は心配になるのです。それはお 店に対する信頼感がまだないからで、その信頼感を高めるために、例えばモールを作っ て、そのモールのメンバーはある一定の条件をクリアしなければならない、という事を やって、商取引のほうは進んできた例があります。  それは逆に言うと、インターネットの中で店を開いてたたんで逃げるのが、ものの10 分もかからない、コンピューターの線を抜いてしまえばもう店はなくなるのでそういう 逃げ方ができるからいろいろな問題がある。それをなんとか国民の信頼感を得るために やっているわけですが、今回のインターネットを使ったさまざまな広報、あるいは公的 情報の提供についても、いま折角ある国民の高い信頼感に応えるような形で、更にそれ を高めるような形にもっていく必要があるのかなと。そういう意味で今日こういう検討 会で皆さんのさまざまなご意見をいただいているのかなと思うのです。ずいぶん違うと 思うのですが。どうぞ。 ○深井委員  広告と広報というふうにしますと、これは非常に広報の概念の部分があるので、分類 として「情報提供」とか「情報開示」というニュアンスの言葉にしたほうがいいのかな という気がするのです。 ○医政局総務課長  深井委員の言われたように、まさにそういうのが論理的な整理だと思うのです。6頁 の資料でも、いちばん上は「医療に関する情報提供」と括っていますが、医療の世界で 広告というのが法律上極めて規制されている前提に立って、あえて分類して議論をした ほうが後で混乱がなくていいかなということで整理いたしました。医療は法律に広告を 特掲しているだけに、線を引きながら、その境界が非常に難しいのですが、確認してい くほうがよろしいような気がするのですが、いかがでしょうか。 ○松山委員  この検討会では、広告と広報の違いの議論をする必要が私はないと思うのです。重要 なことは主な検討内容の(1)にある、「国民が欲する医療情報とは何か」と、「それ をどう提供するのがいちばんいいか」であり、これらを我々が明示することができれば いいわけですから、広告と広報の違いというのは、あとにくる問題かなと思います。  そのときに重要なのは河北委員が言われたように、評価情報についてはできるだけ客 観性のあるものでなければいけないので、第三者機関でうまくそれが担保されるような 仕組みのもとにその情報が出てくるということがなければ多分、国民は信用しないと思 うのです。その辺は逆に我々で、この情報に関しては次のような仕組みが必要というこ とを言うべきかと思います。  それから、別件ですが、いまの医療に関する情報提供の図を見たときに、このイメー ジとしては、情報提供する人は医療機関と公的機関という分類になっていると思います が、実際には製薬企業、保険会社、インターネット薬局などが、相当な医療情報を出す わけです。特にインターネット薬局に関してはアメリカでは刑事事件として相当に問題 になっています。そこまで範囲に入れるのかどうかを確認したいのですが。 ○医政局総務課長  この6頁の資料は医療部会で検討するときに使用した整理にすぎません。今回の1枚 紙でもありますが、第三者による情報提供はどういう主体がいいかということであれ ば、これは何も公的に限ることはなく、もちろん健保組合もありますし、いろいろ出版 の世界もありますし、いろんな幅の中でどういう方にはどういうメディアがいいかとい う、幅広いご意見を賜ればありがたいと思っています。 ○大山座長  先ほどのお話ではありませんが、国民が本当に望んでいる、有効かつ望ましい医療情 報と検討内容に書いてありますが、それを第三者によって情報提供されるとすれば、提 供される情報の信頼性については、当然のことながら高くなければ意味をなさないわけ であり、その提供の仕方、それからどういうものを提供すればいいのか、これが1つ。  そこから、今度は各医療機関に広報の形でのインターネットを使うことをうまくでき るようにいま考えられていますので。エンフォースメントを働かせてどうこうという話 ではないのですけど、当然、国民から見れば第三者によって提供されている情報と、当 該の医療機関が出しているものと見比べることは何らかの形でリンクをはれるような形 は、するほうがよろしいのではないかと。どちらがより、信頼性が高いかというのも、 それぞれの状況があるかと思います。内容によってはもちろん、いろいろ違いがありま すし、時間的な差も出てくるでしょうから。  こういう新しいメディア、あるいは世の中の流れを使っての国民に対しての医療情報 の提供の仕方というのが今回の検討会の趣旨だと思います。 ○坂本委員  いま伺ってまして、患者の視点に立った医療情報の提供ということがここの大きな目 的だということです。結局、私がいままで見聞きしてきた中では、たくさんの情報はあ るのですが、その情報が果たして信頼できるのか、その辺について患者のほうが見る視 点のようなものがないのです。  私はコムル東京という市民団体の一員でもあるのですが、先日、救急医療について、 いろんな情報、どういう情報があるか調べてみました。「救急医療」「東京都」という ふうに出すと、6,200ぐらいの情報が入ってきます。各県、埼玉県、神奈川県、千葉県で やっても3,500〜3600。そこからどんどん狭めていって最低100ぐらいの中で救急医療に ついて調べるのですが、何を調べたらいいのか、どこを見たらいいのか、この情報は調 べられるのかなど、その辺の見方のような。  インターネットが広告の規制の対象外ということですが、もちろん第三者機関、いわ ゆるきちんとした情報をどこかが、確実にここを見ればあるというのは本当に1つの方 法だと思うのですが、インターネットによる情報提供はどんどん好きにやっていただい て、それはそれで病院の1つの情報提供であり、こちらとしてはそれを受け取るという ことに繋がると思うのです。たくさんありすぎる中で、何を見たらいいのかという部分 まで踏み込んだ審議をしてほしいと思います。 ○櫻井委員  いまのご発言はまさに医療を受けられる方のものであり、むしろ私のほうは提供する 側なので、そこの問題は重要なところだと思います。この委員会の直接の主題と離れて しまうかもしれませんが最近考えていることがあります。  国民、患者さんに提供することが有効かつ望ましい医療情報、逆に患者さんから言え ば欲しい医療情報というときに、提供される医療というのを国民側から考えるといろい ろな分類があるのだけれど、私が考えているのは、言葉がいいかどうかは知りませんけ れど、常日頃の、あるいは恒常的、日常的、連続的というような言葉でイメージしてほ しいのですが、そういう医療と、非恒常的、非日常的、単発的、突発的というような医 療、前者は普通、普遍的、後者は専門的医療と言ってもよい。2つにはっきり分けられ るわけではないけれど、2種類あるのではないかという気がしてなりません。  いま、坂本委員がおっしゃった救急というのは2つに分ければ、突発的、臨時的とい うことですし、専門的というのは例えば、1人の人が一生のうちで心臓の手術を受ける という確率は、ほとんどゼロに近いのです、でもなくはないのです。先ほど言った日常 的、恒常的という意味で、それを我々は「かかりつけ医」の役割という言い方で言って いるのですが普段の生活の管理とか、疾病で言えば高血圧など恒常的、日常的にあるも のについて、医療の提供を受ける場合と、突発的、臨時的という医療の2通りあるよう な気がします。  そこを分けないで一緒にしてしまうと間違うのではないかという気がしているので す。我々としては日常的、恒常的なものを「かかりつけ医」という形で処理しておいて もらえれば、いざというときは、とにかくかかりつけの先生のところへ「いまこういう ことが起きているけどどうしたらいいか」と言えば、その先生が「どこがいいよ」と指 示してくれるというほうがスムースではないかと考えています。これは意見ですので議 論してもらわなくてもいいのですが、何かそこを2つに分けて考えないと間違うのでは ないかという気がしています。 ○中島委員  今日、皆様のご意見を承っておりまして、非常に感慨無量なところがあります。と申 しますのは、広告、広報そして第三者機関による担保、そういう問題が入り混じりなが らも全部出てきて、それらが患者側の便宜のための当然の問題として語られている。こ れらはまさに日本医療機能評価機構のこの5年間の歩みの中で、私どもが患者側のメン バーとして、苦闘し、 −もちろん河北先生も一生懸命やってくださいましたけれども − 一歩一歩、のろい歩みでやっと現状まで進めてきたものだからです。感慨無量とい うのは「大変ありがたいことに、ともかくここまではきたな」ということなのです。  ただ、医療機能評価機構の中で、私どもが、いろいろ、申し上げていますのは、広告 はできるようになった。だけど患者として本当にほしいのは広告よりもひとつひとつの 医療情報に関する客観的事実、問題点、それから認定の結果が欲しいということで、と もかく認定の結果も広告として出せるというところまでは来たのです。  ですがその先にあるものは、この資料でも平成18年までに2,000病院を終えるというお 話ですが、そうすると9,266の病院の中で平成18年、2,000!患者側としては気が遠くな るような思いなのです。やはり広告でも広報でもどのようなことになるのか、この問題 というのは非常にこれから悩ましい、いま私も答えが出ない問題なのです。少なくとも 患者の側がインターネットに望むことと言えば、認定されたとき、どういう点が評価さ れたのかと、それから認定されない病院というのは一体どういうことなのだということ を知りたいということです。  これはいつも医師の方々と意見が対立するところですからここで言うのも何ですけれ ども、結局そこに至るわけです。先ほどから高齢者のインターネット利用も随分、進ん できたというお話に私が思わず吹き出したのは、私自身はインターネットにもまごまご するし、高齢者で障害もある。そういう三重苦のデジタルデバイドを受けている側とし てこの委員会にお呼びいただいたと思って、初めは場違いかと思いましたけれども、や はりその立場から申し上げるということがとても大事だということを、いままさに実感 しています。そういう立場から言うと、情報開示の方法、そして広告する側より患者が 知りたいこと、第三者機関による担保の方法について、なおもう一歩進められたらいい なということです。本当に今日はまだ感想程度ですが。 ○大山座長  ありがとうございます。菊池委員、どうぞ。 ○菊池委員  患者さんのほうは医療機関を選択する上で、非常にいろいろな情報を求めており、日 本看護協会の会員なども直接にいろいろ相談を受けるわけです。具体的な情報を知りた がっているけれども、それを入手する手段がないために身近な人に聞くと、先ほどの資 料にも出ていましたがそういう情報を、今後もっときちんと提供していく必要があると 思うのです。その際に、先ほどから話が出ているように病院の評価に関するようなこと は、やはり第三者評価機関が評価したものを出したほうが、患者としても信頼できるの ではないかということがあるのですけれど、それとは別に、運営状況やもっと違うこと でも患者さんとしては知りたいことがあるのではないか。例えば看護の体制などはどう なっているかということも、いまでも出せることになっているのですが、それほどきち んと出されていないと思うのです。そのような、すでに出せる情報をもう少しわかりや すい形で提供するということも大事なのではないかと思います。例えば先ほどの例の中 に看護2対1、A加算と出ていましたが、その表現では多分、患者さんはよくわからな いのではないかと。もう少し患者がそれがどういう意味を持つ数字、データなのかわか るような説明というようなものが情報提供するときには必要なのではないかと思いま す。  いろいろな情報があるのだけれど、実際に自分の頭の中で整理がつかないという情況 があるかと思いますが、それについては提供する情報を整理するということ、あるいは サイトを整理するということもあるかと思いますが、実際に相談する相手「人」という 存在も必要になるのではないかと思います。それはこの検討会で検討することではない かもしれませんが、患者が医療機関を選択するときには、相談する人の存在というのも 重要になるかと思います。  また、必要な情報をインターネットを見れない人のために、ちょっと違う紙媒体、広 報紙、そういうもので出して見られるような体制を作っておくことも、当面は必要なの ではないかと思います。以上です。 ○大山座長  木本委員どうぞ。 ○木本委員  地方行政の立場で私は医療行政に携わっていますが、私自身は医療情報というのを3 つに区分して対応しています。1つは診療機関、あるいは医師を選ぶために必要な情 報。それからもう1つは、治療を受けている患者が一連の診療や看護を受ける経過の個 人的な診療情報といいますか看護情報。それともう1つ、行政の立場から見ますと医療 全体の信頼感を醸成させるというか、安心情報、そのように区分けして対応していま す。  1つ目の、今日のご説明をお聞きしていて、多分この会は特に患者が診療機関を選ぶ ための情報をどうするのか、というところが主眼と思いましたが、そういう面では病院 機能評価、あるいは私どもの場合でも、先ほど資料の中でご紹介いただいた三次医療の 機能データなど、ささやかではありますが取り組んでいるわけです。この診療機関を選 ぶための情報については、やはりいまの大きな流れの中からいきますと、例えばイン ターネットというツールにこだわりがありましたが、何にしても情報を押さえるという 流れはとるべきではないのではないかと。むしろその情報に勝る信頼性の高い情報を、 どのように提供していくかということで考えていかないと、なかなか国民の理解は得に くいのではないかと感じています。したがって、インターネットに個々の診療機関が載 せてくる情報を、これは広告だから駄目、これは広報だからいいという分類で制限する よりも、むしろここではそれと対比する形で、どのような第三者が信頼できる情報を提 供するシステムを作れるか。また先ほどの坂本委員のお話でも、私どもがインターネッ トにアクセスすると湯水のごとく情報が出てきます。そういう中で常に第三者の機関の ところにたどり着ける、リンクできるようなシステムを作っておくことが大事ではない かという感想を持っています。 ○大山座長  ありがとうございました。五十嵐委員どうぞ。 ○五十嵐委員  病院団体の代表ということで出させていただいていますが、私が属するのは精神科病 院協会ですので、やや特殊な領域なのかもしれませんが、まだまだ現状を見ています と、例えばインターネットのホームページを持っているという病院が1,200病院のうち 300病院ちょっとぐらいで、現状では非常に遅れている。メールアドレスを持っていると ころも500ぐらい。ですから大体、半分以下の病院しかそういったツールを使っていな い。この現状をどのようにしていくかというのも、もう1つ考えていただきたいところ で、内容もさることながら、そういう病院の数も是非、増やしていく方策もこの検討会 で考えていただくことだというふうに考える次第です。 ○大山座長  ありがとうございました。三谷委員、どうぞ。 ○三谷委員  今回、医療機関関係の方がご参加かもしれないのですが、医療情報という中で医療機 関に関する情報という話の議論が多いような気がします。今回の検討会の名前にしても 「インターネット等による医療情報」とあるのですが、医療情報の中で実際に利用者が いちばん利用するのは何かと言うと、病気に関する情報、薬に関する情報ということで す。医療機関に関する情報もあるのですが、むしろそういう医学情報のほうがニーズが 高いとなると、その医学情報をどのようにしていくかということがここで議論されるか と思っていましたが、ちょっとまだその辺のところの感じではなく、医療情報というの が医学情報まで含んでいる、病気に関する情報を含んでいるという、これを英語で言う とヘルスケア・インフォメーションですけれども、どちらかと言うと医療情報という と、医学情報というニュアンスなのです。ですので、その辺で医療情報がどこまで含む のかというのを、医学情報まで含んでくるのかというところをちょっと伺っておきたい のですが。 ○医政局総務課長  医学の情報となりますと、実はEBMなど別の検討会で、どういうふうに患者さんが アクセスできるかも含めて検討している場があります。この場はどちらかというと医療 機関なり、患者が医療にかかるときの必要な情報という意味でご検討いただければあり がたいと思います。 ○松山委員  いまのお話ですが、問題解決の仕方としてはウェブサイトの設計の問題にもなるかと 思います。というのはアメリカの医療機関もしくは地域医療ネットワークのホームペー ジというかウェブサイトを見ますと、一般的な知識、つまり普通の消費者が理解できる ようなレベルの情報の部分と、さらにそれを深めていきたい人のためのリンクなど、 ちゃんとわけて設計してあり、要は消費者のレベルに合うように作ってあるのですね。 そういうことができれば一般的な医学情報まで全部、提供できるのではないかと思いま す。  それから別件ですけれども、私は患者の立場に立ったら要は自分、もしくは自分の家 族が診察していただくお医者さんの個人評価が知りたいのです。3月にアメリカへ行っ たときに驚いたのは一人ひとりの先生の成績表というのがちゃんと出てくるのです。か なり専門医別に患者のレベル補正までしたあとのデータに基づいてベンチマーク評価と いう成績表があって1人の先生で大体20頁ぐらいの報告書があります。そういうものを 作るということは日本では当分考えられないのですが、本当に患者が求めるとすれば、 医療機関のチーム医療の体制、及び主治医の能力評価だと思うのです。 ○大山座長  おっしゃるとおりです。それでは深井委員どうぞ。 ○深井委員  実はいまのお話に関連して、私どもの社員は、がんだったら、血液がんにも3種類 あって、この血液がんだったらこの先生がいいよというのを教えてくれるのですが、結 局、患者のニーズを考えるとそういうところに尽きるような気がします。つまり情報が たくさんあるのではなく、その情報が選ばれているということと、それから信頼性があ るということ。  そうするとどこまで患者のニーズに対応して、情報を提供できるのか。それでないと 下手するとNTTの電話帳が『ぴあ』に負けてしまうという状況と、同じものが出てき てしまう。ただ、それを公的機関がやるからには当然、限界がありますが、そこのコン テンツとしての魅力と、信頼性はあると思うのですが、ニーズにどう対応していくかと いうことがホームページといいますか情報提供が成功するかしないかの鍵を握るような 気がします。結局へたをすると、電話帳にはお店は全部、載っているけど『文芸春秋』 の「うまいものガイド」のほうが信頼できるという感じになってしまうと。 ○大山座長  ちょっとお待ちください。お手が挙がってますので中島委員を先に。 ○中島委員  いまのお話に関連して、思い出したことがありまして。大山座長が今日冒頭で言われ た10年近く前の寺松局長さんのころ、病院機能評価に関する検討会で、問題になりま したのがソフトを認定の項目の中に入れるのか入れないのかということでした。例えば この医師の技術は優れていて、この病院の死亡率はすごく低い、この人の成功例は何 パーセントだ、等々の項目、これは患者にとっては1番知りたいことだが、これは入れ ないということでした。  それに対して、当時は私も非常に納得したのですが、有名な医師の中には死にそうな 人は引き受けない、うまくやれば直る可能性のある症例だけを引き受けていって業績を 上げているということが医学界では常識的にあるわけです。そうすると死から逃れられ ない人を引き受けている、本当に患者の側にとって大切な病院というのは、かなり死亡 率が高かったりするわけです。ですからそういう項目を入れたらもうきりがないという 問題があって、なるほどということはありました。  しかし、だんだん時代が変わってきて考えますと、死亡率は高いけれどもそれにはこ ういう状況がある、末期になった人の終末期治療もきちんとやっているなどのことを、 きちんと付け加えていくと、患者としてはそれが理解できる段階まで今きかかっている のではないかと、これはかなり楽観的な感じかもしれませんが患者というのはそこまで わかるように、この何年というのは大変な勢いで終末期医療についても、治らないもの は治らないということにどうやって納得するかということについても、理解が進み成熟 してきていると思います。そういうことになりますと、そういうものもいま言われたよ うに発表できるような時代が患者にとって望ましく、確かに言われるとおりだという気 はします。  それからもう1つ、先ほど菊池委員も言われたとても大事なことで、インターネット にデジタルデバイドされている側に対して、インターネットに載っているものを、全部 でしたら大変なのですけれども、例えば健康保健組合や国保の窓口、地域の医療機関等 から何かの形で紙から読むことができる資料にアクセスできるような形に、インター ネット情報と同時におこなっていただけるといいのではないかと思います。 ○大山座長  櫻井委員どうぞ。 ○櫻井委員  いまの松山委員の言ったことやいろいろなことが先ほど私が申し上げたことに関連し ているような気がしてしようがないのは、確かに専門の心臓の手術というときには手術 件数がどう、技術がとうという話が出てきますけれど、先ほど言いました恒常的な我々 が言っている「かかりつけ医」というのはむしろ人間関係の問題だと思っています。  わかりやすく言うと親友を選ぶのと同じだと。だから、どんな経歴だとか関係がな い。もちろん親友を選ぶのに「私は何とか大学を出た奴しか親友にしない」という人は それはもう特殊な人ですから構わないのですけれど、親友というのは付き合ってみない とわからないのです。情報ではないのです。インターネットを広げていくら情報を出し ていったって関係ない。そういうもので親友を選びたいという人はしようがないのです けど、少なくとも恒常的なかかりつけ医である親友を選ぶのは、かかってみるしかない なというのが私の基本的な考えです。確かに専門性が必要なもの、先ほど私がわけた非 日常性のものについての問題は別にあると思います。  そこでまた問題があるのは、先ほど言われたように血液がんの医者はどこがいいかと いう問題。血液がん、つまり白血病になる可能性はほとんどの人は一生かかってもゼロ なのです。それをいちいち、そうなったときにということはとても無理な話なので、 「かかりつけ医に相談しなさい」ということです。私は普通の開業医ですが白血病の人 が来ればどこどこの何先生というのを少なくても3人ぐらい、自分が信頼できる白血病 を診てくれる先生を知っていますから、その人を地域性や何かを考えて紹介します。そ のほうがずっといいと私は考えているわけです。  それから河北委員に聞きたいのですが、医療機能評価機構も先ほど中島委員が言われ たように全部が終わるのは気が遠くなる程先の話だと言いましたけど、機構は良い悪い という選ぶ基準をしているのではなく、医療機関が機能評価を受けることによって改善 努力をしてほしいと我々は思っています。ところが、病院を選ぶ基準だと思っているの だとしたら、気が遠くなる程先だと言われたけれど、逆に全部評価を受けてしまったら もう選びようがないのです。  「アリババと50人の盗賊」の話があって、バツがついているところへ盗賊が入るはず だったのが、アリババは全部バツをつけたという話が昔ありましたね。つまり全部に印 がついたら区別がつかなくなるわけです。松山先生の言っている意味は恐らく5つ星を つけて星の数で分けろという話ですが、医療の場合はなかなか難しいのです。どういう 基準で星をつけるか。すでに商業誌でそういうのをやっているのがあるのですが、非常 に大問題で、国民に私は被害を与えていると思っています。そこのところまで議論をし ろというと、この委員会がまた、まとまらなくなってしまいそうだから難しいなと思っ ていたのですが。 ○大山座長  さまざまなお話が出ていますが多分、患者あるいは一般国民の人が欲しがる情報の中 にいくつかの種類があって、ここでは少なくとも客観的な事実を、国民のニーズにした がってどう出していくかということにまず主眼があると。その仕掛けを作りあげるには まず、これが第一歩になるのでその後さらに、さまざまな情報が増えるかどうかという ことについては、別の検討という形になっていくのではないかと思うのです。  少なくとも、何しろ情報を提供していく、それも信頼性の高い、信頼していただくこ とのできるものをどう出していくか。それは客観的な事実という言い方をまずはしてい るわけで、それ以外にも評価の結果というのもあるのかもしれません。これについて は、まだ今後のこの検討会でも議論をいただくとした上で、情報提供を推進していくと いうことについては皆さん方にご賛成いただけるのではないかと思うので、まずそこが 今日のフリーディスカッションいただいたところの1つのコンセンサスかという気がい たします。  ただ、どう出していくか、どこまで出すかについては別の議論になりますので、また 皆さん方に、事務局にご意見がありましたらメールや紙等でいただくのでもよろしいで すね。 ○福島委員  今後の進め方の問題ですが、いまの論議でいろいろ出てきたお話を聞いていてもなか なか大変だろうと思いますが、先ほど今年度中に1つの方向性を出すということなもの ですから、例えば患者のニーズをどういうふうな形で、アンケートなり、あるいは調査 機関を使って調査するのか。医療機関の情報をどういう形で取るのか、あるいはいちば ん難しいその辺の評価の問題をどこまで類型化して出せるのか、そういういろいろな準 備がありますけれど、何かこの検討会の下にというか、横にというか専門の機関なり、 あるいは外部の機構を使うのか、その辺はいまの準備段階でわかっていることはありま すか。 ○医政局総務課長  特段、この検討会のさらに作業のための会のようなものは考えていませんが、ご要請 に応えるような情報を、事務局としても収集してできるだけ努力したいと思います。 ○大山座長  申しわけございませんが、12時の予定ですので。まだご意見等があるかと思います が、先ほど申し上げましたようにメールあるいはファクス等でお出しいただければと思 います。時間の関係もありますので今日はこれで終わりにいたしますが、次回の進め方 につきましては、いまの福島委員からのお話もありますので、事務局から説明をお願い したいと思います。 ○医政局総務課長  今回の議論を踏まえまして、いくつか準備をしたいと考えていますが、現時点まで考 えていました次回の検討内容については、医療機能評価機構における、情報提供の取組 状況について河北委員からお伺いをしたい。静岡県における、情報提供の取組状況につ いては木本委員から、また社会福祉・医療事業団でWAMNETということですでに着 手している取組状況をオブザーバー参加の社会福祉・医療事業団からも、お伺いすると いうことを予定しております。その他については検討させていただきます。 ○櫻井委員  私は東京都医師会の会員なのですけれど、東京都で「ひまわり」という情報があっ て、これは私のところへ東京都にある診療所ということで来た星の数ですが、これだけ の紙に、情報を書いて送れというのがきているのです。これを書くのは大変だなと思っ ていますが、東京都と医師会が相談した上でですが、これだけの情報が東京都のウェブ サイトに載るのです。これも何かの機会に東京都の人に説明してもらってもいいような 気がします。資料として出させてもらったらいいと思ったのですが。 ○医政局総務課長  以前に櫻井委員からその話を伺っておりまして、東京都とも内々、話をしているので すが、まだ次回に間に合うようではないのでタイミングを見させていただきたいと思い ます。 ○大山座長  紙でアンケートを書いて、今度ウェブに載せるとしたら大変ですね。 ○櫻井委員  広告規制の緩和があったものですから、前は4頁ぐらいの紙に書き込めばよかったの ですけど、今度はすごい量です。何十頁あるでしょうか。これを見てびっくりしている ところなんです。 ○塚本委員  いま櫻井委員が言われたことに私もずっと関与していたのですが、開原先生が座長 で、平成4年頃から立ち上がったものと記憶しております。残念ながら検討する会が一 応昨年、発展解消ということですが、東京都保健医療公社で管理されておりますので、 資料としては是非、活用いただければと思っています。 ○大山座長  今後の日程について、次に事務局から連絡をお願いします。 ○医政局総務課長  次回は事前に委員の先生方のご都合を伺いまして、7月3日(水曜日)午後3時から 5時までお願いしたいと思います。場所は経済産業省の別館944号室を予定していますの で、ご出席をお願い申し上げます。 ○大山座長  最後に何かございますか。  それでは本日はこれで閉会したいと思います。大変にお忙しいところ、長時間にわた りありがとうございました。 照会先 医政局総務課 伊澤(内2516)