１．基本的認識

　○　在宅サービスの重視

在宅へシフトさせるインセンティブの評価が必要である。

　○　人員配置基準の定数増

介護老人保健施設、介護療養型医療施設での人員配置基準の定数増とその評価が必要である。

　○　医療保険との整合性

施設サービス費に包括される医療行為の範囲を見直す。

２．具体的事項

　〔訪問看護〕

• 　支給限度額の問題や頻回の訪問看護が必要と考えられる被保険者のため、厚生労働大臣が定める疾病等を見直す。
• 　グループホームへの訪問看護の算定を可能にする。
• 　在宅のニーズに対応するため、３０分未満の巡回型の訪問看護を評価する。
• 　各種加算の算定要件の見直し、医療保険との交通費の扱いの整合性を図る。
• 　入院・入所中に医療機器を使用している利用者が在宅へスムースに移行できるよう退院・退所患者に対する退院・退所前、退院・退所日の訪問看護を算定できるよう見直す。

　〔通所リハビリテーション、通所介護〕

• 　基本のサービス部分は同一で、通所介護は集団療法、通所リハビリテーションは個別療法を中心とし、ＰＴ、ＯＴ、ＳＴ等の配置により加算で評価する。
• 　通所リハビリテーションの専門性の確立とその評価を求める。

　〔居宅療養管理指導〕

• 現行での算定要件を、より実態に即した形で算定が可能となるよう、回数、評価方法等を見直す。例えば、１）　訪問診療日ごとの複数回の算定を可能にし、月の初回算定時を手厚く評価する。２） サービス担当者会議の内容あるいは、指定居宅介護支援事業者等に対する情報提供について利用者若しくはその家族に対して結果報告を行った場合も算定可能にする。

　〔痴呆対応型共同生活介護〕

• 　対応充実のためには夜勤体制が必要であり、整備可能な報酬とする。
• 　グループホームへの訪問看護の算定を可能にする。（再掲）

　〔在宅サービスにおける各種加算〕

• 　休日・祝日加算の新設並びに送迎加算の見直しが必要である。

　〔リハビリテーション〕

• 　介護予防、在宅支援としてのリハビリテーションの効果的運用、維持期リハビリテーションの実施継続、要介護度や状態等に応じたリハビリテーションの充実を図り、評価する。

　〔居宅介護支援〕

• 　ケアプランの質を評価する報酬体系を検討する。
• 　居宅介護支援費の引き上げを検討する、その一方法として、居宅介護支援業務から給付管理業務を分離し、事業者で担当することとし、現行報酬を事業者業務分、介護支援専門員業務分に分離しそれぞれを適正に評価する。

　〔介護老人保健施設〕

• 　夜間・休日等も含めた体制の整備を可能にする人員配置基準の定数増（看護・介護職員配置　２.５：１、２：１の新設）とその評価が必要である。
• 　疾病等により専門的医療が必要な場合（施設内での対応、他の医療機関受診）自・他施設に係る請求上の適正な評価が必要である。
• 緊急時治療管理の算定日数を拡大する。
• 感染防止対策並びに安全対策の整備促進とその評価が必要である。

　〔介護療養型医療施設〕

• 　労働基準法を遵守し、良質なサービス提供と看護・介護夜勤体制を維持するためには現行の６：１、３：１の看護・介護職員配置比率は最低限必要な配置数と考え、その継続を求める。
• 　療養型介護療養施設サービス費における要介護度別の報酬差（４，５は引き上げ、１，２は引き下げる）の拡大を図る。　
• 　感染防止対策並びに安全対策の整備促進とその評価が必要である。
• 　退院時処方における薬剤料の別途算定を可能にする。
• 　入院中の患者の他医療機関受診の場合、自・他施設に係る請求上の適正な評価が必要である。

　〔制度運用に関して〕

• 　在宅復帰を促進し、自立支援を評価した報酬にすべきである。
• 　訪問看護ステーションの指定基準における人員配置基準である常勤換算2.5人の規制を緩和する。
• 　基準該当など現行の要件等を緩和し、訪問看護事業所を開設しやすくするよう見直す。
• 　在宅の受け皿としての施設整備の促進（ケア付住宅、生活支援ハウス、グループホーム、ケアハウスの併設）を図る。
• 　グループホーム等での日常における痴呆ケア、身体疾患への対応のため、看護職員の配置が必要である。
• 　ショートステイと施設サービスを同じ考え方で運用（施設サービスの中でショートステイを運用）する。
• 在宅サービスと施設サービスの給付内容の整理及び在宅サービス受給者（要介護４以上）と施設サービス受給者の利用者負担額の整合を図るとともに在宅サービス受給者の利用者負担率の軽減を図る。
• それぞれの施設の課題を明らかにし、介護保険３施設のあり方を整理した上で、報酬体系を議論すべきである。