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医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令
(平成9年厚生省令第28号)の概要
1 変遷
医薬品の開発の最終段階においては、ヒトを対象とした臨床試験(治験)による薬物の臨床的な評価が必要不可欠であり、ここで収集された資料等に基づき医薬品の製造又は輸入のための承認申請が行われる。この治験の実施に当たっては、被験者の人権と安全について十分な配慮がなされることを前提として、治験の科学的な質と成績の信頼性が確保されていることが必須である。
このような観点から策定された基準が「医薬品の臨床試験の実施の基準(GCP)」であり、我が国においては、平成元年に薬務局長通知による行政指導として最初のGCP(以下「旧GCP」という。)が定められた。その後、治験のより一層の適正な実施、国際的な水準での質的な向上を図るため、日・米・EU三極医薬品規制調和国際会議(ICH)において合意された国際基準であるICH-GCPに準拠し、GCP改正を検討し、同時に、平成8年6月の薬事法改正によりGCPの根拠規定を整備した。この改正により、治験を依頼する治験依頼者(製薬企業)のみならず、治験を実施する医療機関及び治験を担当する者に対して、その遵守を義務付けることとなった。
GCPの基準の内容については、平成9年3月に「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成9年3月厚生省令第28号)」(以下「新GCP」という。)により定められ、平成10年4月から全面施行されている。
2 内容
(1)旧GCPから新GCPで変更となった主な点について
- (1)被験者となるべき者に対する治験に関する文書による説明と同意の取得
- (2)治験総括医師制度の廃止
- (3)治験依頼者の責任範囲の拡大と強化
- ア 業務手順書、治験実施計画書、治験薬概要書等の作成義務
イ モニタリング・監査等の治験管理の実施
ウ 治験総括報告書の作成
- (4)治験審査委員会の機能の充実
- ア.外部委員、非専門家委員の参加の義務付け
イ.審査機能、責務の明確化
- (5)治験責任医師の責任と業務の明確化
- (6)医療機関における治験事務局の強化
(2)本基準の主な構成は、1)治験の依頼に関する基準、2)治験の管理に関する基準及び3)治験を行う基準 となっている。
1)治験の依頼に関する基準(第4条から第15条まで)
- (1)治験の依頼及び管理に係る業務に関する手順書の作成
(2)医療機関等の選定
(3)治験実施計画書の作成
(4)治験薬概要書の作成
(5)被験者への参加の同意を得るため用いる説明文書の作成依頼
(6)実施医療機関の長への文書の事前提出
(7)治験薬の事前交付の禁止
(8)治験の依頼及び管理に係る業務の委託
(9)治験の契約
(10)被験者に対する補償措置
(11)治験国内管理人の選任
2)治験の管理に関する基準(第16条から第26条まで)
- (1)治験薬の管理
(2)治験薬の交付
(3)多施設共同治験に係る事項
(4)効果安全性評価委員会の設置
(5)副作用情報等の収集、検討及び提供
(6)モニタリングに関する手順書の作成及びモニタリングの実施
(7)モニターの責務
(8)監査に関する計画書及び業務に関する手順書の作成並びに監査の実施
(9)治験の中止等
(10)総括報告書の作成
(11)治験に関する記録の保存等
3)治験を行う基準(第27条から第55条まで)
- (1)治験審査委員会、(2)実施医療機関、(3)治験責任医師及び(4)被験者の同意の4項目から構成
- (1)治験審査委員会
- ア 治験審査委員会の設置
イ 治験審査委員会の構成等
ウ 治験審査委員会の会議
エ 治験審査委員会の審査
オ 継続審査等の取扱い
カ 治験審査委員会の責務
キ 治験審査委員会の意見の取扱い
ク 治験審査委員会に係る記録の保存
- (2)実施医療機関
- ア 実施医療機関の要件
イ 治験に係る業務手順書の作成及び適切かつ円滑な実施
ウ 治験依頼者によるモニタリング及び監査並びに治験審査委員会及び規制当局による調査への協力
エ 治験事務局の設置
オ 治験薬の管理に係る手順書の交付とその適切な実施
カ 治験の中止等
キ 治験に関する記録の保存
- (3)治験責任医師
- ア 治験責任医師の要件
イ 治験分担医師及び治験協力者への説明と情報の提供
ウ 被験者の選定
エ 被験者に対する責務
オ 治験実施計画書からの逸脱
カ 症例報告書の作成及び修正等
キ 治験中の副作用報告
ク 治験の中止等
- (4)被験者の同意
- ア 文書による説明と同意の取得
イ 説明文書の交付
ウ 同意文書等への署名等
エ 同意文書の写しの交付
オ 被験者の意思に影響を与える情報が得られた場合の取扱い
カ 緊急状況下における救命的治験
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