02/05/29 第５回社会保障審議会年金数理部会議事録



　　　　　　　　第５回　社会保障審議会　年金数理部会　議事録

時間　　：平成１４年５月２９日（水）１０：００～１２：１２
場所　　：厚生労働省専用22会議室
出席委員：堀部会長、都村部会長代理、近藤委員、田村委員、栗林委員、林委員
　　　　　山﨑委員、渡辺委員

開会
○畑首席年金数理官
　定刻になりましたので、ただいまより第５回社会保障審議会年金数理部会を開催させ
ていただきます。
　審議に入ります前に、本日の委員の出欠状況につきましてご報告申し上げます。
　本日は、宮島委員がご都合によりましてご欠席とのことでございます。ご出席いただ
きました委員の方が３分の１を超えておりますので、会議は成立していることをご報告
申し上げます。
　なお、本日は年金局長が所用のため、遅れて出席する予定でございます。それでは、
以後の進行につきましては、堀部会長にお願いいたします。

○堀部会長
　本日はお忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。
　本日の議題のうち、まず議題１．平成12年度財政状況につきまして、国家公務員共済
組合、地方公務員共済組合及び私立学校教職員共済の財政状況に関する説明を聴取する
ことにしております。
　本日は、財務省から藤田共済担当参事官、総務省から原福利課長、文部科学省から西
澤私学共済室長にご出席いただいております。どうもありがとうございます。
　それでは、早速、平成12年度財政状況についての議事に入りたいと思います。
　最初に、国家公務員共済組合の財政状況についてご報告を受けたいと思います。よろ
しくお願いします。

議題１．平成12年度財政状況について（国家公務員共済組合）
○藤田共済担当参事官
　財務省でございます。よろしくお願いいたします。
　それでは、資料１、これが平成12年度の国家公務員共済組合の財政状況でございます
ので、これに沿いましてご説明を申し上げます。きょうは、国家公務員共済組合連合会
からも担当者に来ていただいておりますので、ご質問によりましてはそちらの方からお
答えさせていただくこともあるかと思いますけれども、よろしくお願いいたします。
　まず、１ページ目から始まるわけですけれども、まず12年度の特殊事情を最初に申し
上げておきたいと思います。国家公務員共済組合では、平成12年度に旧地方事務官－－
社会保険関係の事務官あるいは職業安定関係の事務官、地方事務官を地方公務員共済適
用から国共済適用から移管しております。そういう特殊要因がございまして、組合員
数、それから受給権者数ともに影響を受けていますし、それからこの移管に伴いまし
て、積立金も移換しておりますので、そういった面で数字に影響が出ております。ちな
みに、後でまたご説明申し上げますが、移管されました組合員数は約１万9,000 人、受
給権者数は１万1,000 人、移換されました積立金は1,436 億円ということになっており
ます。先ほど申し上げましたように、平成11年度の実績値と平成12年度の実績値の間、
あるいは12年度の実績値と12年度の財政再計算による推計値との間でこのことによりま
すギャップがありますので、また後ほどご説明したいと思います。
　それでは、１ページ目でございますけれども、国共済の収支状況について、直近５年
間の推移を記載しております。平成12年度のところをごらんいただきますと、まず収入
の方ですけれども、２番目の保険料収入、１兆206 億円となっておりまして、11年度に
比較しまして249 億円、2.5 ％の増となっております。国庫負担、公経済負担は1,315 
億円、対前年度96億円の増でございます。追加費用は5,612 億円、対前年度比で△195 
億円、率にいたしますと3.4 ％の減少ということでございます。
　運用収入でございますけれども2,499 億円、マイナス168 億円でございます。これに
つきましては、一番下の積立金運用利回りのところをごらんいただきますと、平成12年
度が3.01％、平成11年度3.27％ということで、この運用利回りの差が出ておるのではな
いかと思います。
　それから、基礎年金交付金が2,083 億円でございます。それから、冒頭申しましたよ
うに、地方事務官の移管に伴いまして積立金を移換していますので、旧地方事務官移換
金という項目を立てまして、1,436 億円を掲載しております。その他、17億円となって
おりまして、収入総額で２兆3,168 億円、対年度比で1,295 億円の増、5.9 ％の増と
なっております。
　支出でございますけれども、給付費が１兆6,800 億円、対年度比で193 億円、1.2 ％
の増でございます。基礎年金拠出金は3,535 億円プラス246 億円でございます。高齢化
に伴いまして、基礎年金給付が増加していることなどによるものと考えられます。
　それから、年金保険者拠出金、これは平成９年のＪＲ、ＪＴ、ＮＴＴの厚生年金への
統合に伴います財政支援事業の関連でございます。25億円を計上しております。その他
が46億円ということで、支出総額２兆406 億円、対前年度比386 億円、1.9 ％の増と
なっております。したがいまして、収支残2,762 億円、年度末の積立金が８兆5,951 億
円となっております。
　２ページの図は、今ご説明申し上げたものを図示したものでございますので、省略さ
せていただきとう存じます。
　次に、給付状況でございますけれども、３ページから６ページまでですが、受給権者
数、年金総額、退年受給権者平均年金額、平均加入期間について５年間の数字をお示し
したものでございます。
　まず、平成12年度末の国共済の受給権者数ですけれども、右から２番目の欄を見てい
ただきますと、退年相当が59万2,000 人、それから通退相当が３万9,000 人、障害年金
が１万2,000 人、遺族年金21万8,000 人、合計86万2,000 人となっておりまして、対前
年との比較で２万6,000 人の増、3.1 ％の増というふうになっております。このうち、
冒頭申し上げましたけれども、地方事務官が移管したことによる増加が１万1,000 人で
ございます。それから、年金の総額でございますけれども、２番目の欄ですが、退年相
当が１兆3,947 億円、ほかごらんのとおりでございまして、合計で年金の額ですと１兆
7,557 億円、226 億円の増でございます。
　４ページですけれども、上の表は退職給付につきまして、減額支給、増額支給別に区
分した表ですけれども、共済年金には増額年金がありませんものですから、上の欄だけ
になっております。減額支給となっている方が13万6,000 人、年金総額2,729 億円と
なっております。それから、下の方の表ですけれども、退年相当の平均年金月額、平均
加入期間をお示ししたものですけれども、12年度末、男女計で19万6,201 円、前年度と
比較しますと、3,060 円のマイナスとなっております。
　この平均年金月額には老齢基礎年金を含めずに計算しておりますので、基礎年金を含
めて計算した額は、上から４番目になろうかと思いますけれども21万9,605 円、対前年
比457 円の減になっております。平均加入期間は413 カ月、約34年５カ月となっており
ます。
　それから、通退相当でごらんいただきますと、一番下から２番目の数字ですけれど
も、老齢基礎年金を含めました平均年金月額７万1,286 円、対前年で1,919 円のマイナ
スでございます。平均加入期間は126 カ月、約10年６カ月でございます。
　５ページにまいります。これは男性、女性別に先ほどの表を分けたものです。説明は
省略させていただきます。
　６ページ目、これは組合員期間が20年以上の新規裁定の方についてあらわしたもので
ございます。男女合計で見ていただきますと、平成12年度のところは13年３月末のとこ
ろですけれども21万4,527 円、それから平均加入期間は430 カ月となっています。それ
を男女別に分けたのがその下の２段でございます。
　７ページ目でございますけれども、これは退年相当の受給権者数の年齢構成を男女
別、それから合計で見たものでございます。男子を見ていただきますと、一番多いのが
65歳以上70歳未満でございまして、ここに26.3％の方がおられる。次に、70歳から75歳
のところに25.3％、その次に60歳から65歳という年齢構成になっております。女子の方
を見ていただきますと、一番多いのが70歳から75歳のところでございまして、ここに
28％強の方がおられます。その後、65歳から70歳、60歳から65歳という年齢構成になっ
ておりまして、平均年齢、一番下の欄ですが、ごらんいただきますと男子が70.7歳、女
子が71.1歳、合計で70.8歳となっております。
　８ページから12ページまで、これは組合員の状況について掲載しておりますけれど
も、まず組合員の平均年齢、標準報酬の平均につきましては、統計調査の方法の欄に書
いてございますが、動態統計調査ということで２割抽出の方法によっております。その
他の表も同じでございます。
　まず、13年３月末の組合員数を見ていただきますと、一番上のところですけれども、
111 万9,000 人、対前年で１万3,000 人の増ということになっております。これは、冒
頭申し上げましたけれども、地方事務官で移管された方が１万9,000 人いらっしゃいま
して、その影響があると考えられます。男性、女性の別は下に書いてあるとおりでござ
いまして、８割以上が男子組合員となっております。組合員の平均年齢は39.4歳、対前
年で0.1 歳上昇しております。男女別では、そこにごらんいただけますように、男性40.
0歳、女性36.9歳となっております。
　３番目に標準報酬の平均でございますけれども、合計で41万569 円となっておりまし
て、対前年で8,354 円の増、2.1 ％の増というふうになっております。男女別にごらん
いただきますと、男性が42万2,000 円強、女性が35万3,000 円強となっておりまして
、それぞれ額が8,500 円程度あるいは8,200 円程度増えているということでございます
。標準報酬総額の年度間の累計は、一番下の数字ですが、５兆4,319 億円、対前年度と
比較しますと1,465 億円、2.8 ％の増となっております。
　９ページ目でございますけれども、組合員を年齢階級別、加入期間別のクロス表で見
たものでございます。10ページ目、11ページ目はそれを男性、女性、それぞれであらわ
した表でございます。男女合計、この９ページの表でごらんいただきますと、一番右端
の合計の割合欄をごらんいただきますと、25歳から55歳のところに10％台前半くらいで
ほぼ一様に分布しているということが読みとれるかと思います。
　10ページの男性の表をごらんいただくと、ますますその傾向がよくわかるわけですけ
れども、大体13％から14％くらいで25歳から55歳まで均等に分布しているということで
ございます。
　11ページの女子は、若干、様相が異なっておりまして、一番多いのが25歳から30歳の
ところで、24.4％で約４分の１を占めております。それから、女子で特徴的なのは、20
歳から40歳までごらんいただきますと、ここのところを合計しますと61.8％ということ
で、６割強を占めているという格好になっております。
　恐縮ですが、10ページに戻っていただきまして、横に見ていただきますと加入期間別
ですが、35年までのところに、これも５年ごとの階級で見ているわけですけれども、男
子はほぼ一様に分布しているということが見てとれるかと思います。11ページの女子で
ごらんいただけますと、５年未満あるいは10年未満のところに集中しておりまして、こ
の２つの加入期間で40％以上を占めております。それから、男女とも対角線のところに
組合員数が集中しているということで、就職してからずっと勤続しているということが
見てとれるのではないかと思います。
　12ページですが、標準報酬月額による分布をごらんいただきます。男子でごらんいた
だきますと、最高の62万円のところに11.8％、１割強が張りついているということでご
ざいます。その次が50万円のところに8.1 ％ということになっていまして、50万円から
標準報酬月額が下がるに従い、だんだん減っているというような分布状況になっており
ます。一方、女子をごらんいただきますと、一番多いのは41万円のところに8.1 ％です
が、男子よりも低いところにピークがあるということでございます。
　次に、13ページにまいります。積立金の運用状況でございます。年金資産の構成をお
示ししたものでございます。資産は簿価ベースで評価することになっていますので、参
考ということで時価ベースを掲載させていただいております。右の構成割合は、簿価
ベースで計算したものです。平成12年度末の資産、８兆5,951 億円の資産構成は、表を
ごらんいただければおわかりいただけると思いますけれども、流動資産が2,240 億円、
固定資産が８兆3,725 億円となっています。
　固定資産の内訳をさらに見ていただきますと、預託金が４兆1,000 億円強、それから
有価証券等に２兆5,800 億円くらいを運用しておりますけれども、その内訳を見ていた
だきますと、金銭信託が１兆2,273 億、有価証券、構成はそこに書いてあるとおりでご
ざいますが、に１兆3,394 億円、そのほか不動産が3,909 億円、貸付金１兆2,758 億円
という状況になっております。構成割合で見ていただくと、ごらんのとおり、預託金が
一番多いわけでございます。以下、有価証券15.6％、貸付金が14.8％という状況になっ
ております。
　時価と簿価を比べているところをごらんいただきますと、金銭信託のところが12年度
は含み損が876 億円出ております。ほかのところは含み益が出ておりまして、時価ベー
スをのせているものだけ取り上げて、含み損益を計算しますと、1,000 億の含み益があ
るということでございます。
　それから、14ページ以降の表は実績と将来見通しとの比較を示した表でございます。
実績値は一番冒頭にご説明申し上げましたものと同じでございます。保険料を比較しま
すと、実績１兆206 億円に対しまして将来見通し9,964 億円となっております。地方事
務官の移管で約150 億円くらいの影響があると思われます。
次に、運用収益が実績2,499 億円に対しまして、見通しでは3,285 億円、この差は運用
利回りの差だと考えられます。特記事項にも書いていますけれども、その他の実績額8,
380 億円の中には移換金の1,436 億円を含んでいますが、それが乖離の要因であると思
われます。
支出の方をごらんいただきますと、給付費の実績が１兆6,800 億円、将来見通し１兆7,
005 億円となっておりますが、主に年金改定率の違いが乖離の要因になっているのでは
ないかと思います。
　若干、ここで補足いたしますと、地方事務官の国共済移管、これがなかりせばという
ことで当方で試算してみますと、地方事務官の国共済移管なかりせば、保険料収入が
ちょうど約１兆円くらい、それから基礎年金交付金が約2,000 億円くらい、運用収益は
ほぼ同じでございまして、その他が7,000 億円弱となりまして、収入の合計は２兆1,500
 億円程度ではなかったかと考えられます。したがいまして、少し申しましたけれども、
地方事務官の国共済移管の影響は保険料収入で150 億円程度、その他のところで、約1,
400 億円程度と推計されます。
　さらに、この地方事務官の影響を除去した推計値と将来見通しとの比較をいたします
と、保険料で将来見通しと比べプラス約100 億円、運用収益－－これは移管が原因では
ありませんが、運用利回りの差でマイナス800 億円、その他で約150 億円のプラスとい
うふうに考えられます。支出側で見ますと、地方事務官の移管なかりせば、給付費は約
１兆6,600 億円程度で、支出の合計はしたがって2兆100 億円程度と推計されます。した
がって支出の側では約200 億円程度が地方事務官移管の影響ではないかと推計されま
す。地方事務官の影響を除去した支出と将来見通しとを比べますと、給付費で約400 億
円程度少なくなっていると考えられます。
　それから、15ページ目ですが、組合員数と受給者数についての表でございまして、12
年度の組合員数は111 万9,000 人でしたが、将来見通しは112 万2,000 人でございま
す。地方事務官が入ってまいりましたので、結果としてほぼ同じくらいになっておりま
す。受給者につきましては、実績値が83万7,000 人、将来見通しは85万2,000 人でござ
いますが、将来見通しと比べて１万人程度実績が少ない結果となっておりますけれど
も、これは横の欄をごらんいただきますと、通老相当というところが乖離が大きくて、
多分、短い期間しかいなかった方は年金を請求するのが遅れていると、そんな影響でこ
こで差が出ているのではないかと思われます。
　２番目、３番目の表ですけれども、新規加入者数の実績が３万5,000 人、脱退者数の
実績が５万2,000 人となっております。将来見通しにおいては、両方とも５万2,000 人
でございます。
　なお、新規裁定者数は、実績で２万8,000 人、失権者数が２万2,000 人でございまし
たけれども、将来見通しでこのような数を出力して把握するということになっていませ
んので、空欄にさせていただいております。
　16ページ以降でございますけれども、財政指標につきまして、実績と財政再計算結果
についての比較を示したものでございます。11年度の財政再計算につきましては、組合
員数は厚生年金被保険者数と同様の傾向で組合員数が推移する、ただし、厚生年金被保
険者数が増加する間は一定で推移するという前提、それから基礎年金の国庫負担は３分
の１という前提での推計値でございます。
　まず、年金扶養比率でございますけれども、実績は上の表ですけれども、1.89となっ
ていまして、昨年よりも0.02減少しております。追加費用を考慮いたしました補正した
年金扶養比率は２番目の欄ですけれども、2.73ということで、0.10の減少となっており
ます。
　カッコ内は、受給者数を用いて算出した年金扶養比率を掲げておりまして、それぞれ
1.94、2.80となっています。再計算では、受給者数でこの年金扶養比率を算出していま
すので、こちらと比較することが妥当ではないかと考えております。11年の財政再計算
結果、12年度のところを見ていただきますと1.97、それから補正した年金扶養比率2.81
ということで、乖離がそれぞれ0.03、0.01となっております。ちなみに、これを地方事
務官の影響を除去しまして、12年度の年金扶養比率を推計してみますと、1.94のところ
が1.93になります。ご参考までに申し上げます。
　17ページは総合費用率でございます。12年度の実績ですけれども、20.89 ということ
で、対前年度比で0.57の上昇でございます。12年度の財政再計算の方で見ていただきま
すと22.03 ですから、実績との間には1.14の差があるということでございます。ちなみ
にこの20.89 ですけれども、地方事務官の影響を除去して推計いたしますと20.94 くら
いになるのではないかと思われます。この値と将来推計による22.03 との乖離の要因は
スライドによるもの等というふうに考えられます。
　18ページは独自給付費用率ですけれども、実績が16.56 でございました。対前年度で
0.39の上昇です。11年財政再計算の結果は17.62 でございます。地方事務官の影響を除
去したものをご参考までに申し上げますと、16.56 のところが16.60 と推計しておりま
すけれども、この値と将来推計による値との乖離の要因は、12年度は給付のスライド改
定をしなかったという影響が大きいのではないかと思います。
　19ページの収支比率でございますけれども、上の表の欄にありますように、実績が89.
34 、対前年比で4.26の増です。実績は88.15 、地方事務官の影響を除去しました推計値
は89.42 ですが、これと将来推計値との差は、運用利回りの差ではないかというふうに
考えられます。
　最後ですが、積立比率でございます。実績は上の表にございますように7.33、対前年
度で0.24の減少でございます。11年の財政再計算結果では7.11になっております。ここ
でも地方事務官の影響を除去した推計をしますと、7.33のところが7.43くらいだろうと
思われます。この値と将来推計の7.11の差は、12年度にスライド改定を行わなかった影
響が出ているのではないかと思われます。
　最後、時間の関係で駆け足になりましたけれども、説明は以上でございます。

○堀部会長
　ありがとうございました。それでは、ご質問等がありましたら、よろしくお願いいた
します。

○都村部会長代理
　国立大学の教職員の数はかなりの数にのぼると思うのですけれども、国立大学の独立
法人化によって社会保険の被保険者としてはどういう扱いになるのでしょうか。

○藤田共済担当参事官
　正確な数は、文部科学省の共済組合の中に入っておりまして、どれだけが国立大学か
という正確な数字は出していないのですけれども、まず現状、独立行政法人は平成13年
から新しく創設されたわけですが、この中にも公務員型と非公務員型があるわけでござ
います。既に創設された独立行政法人のうち、例えば、旧通産省の貿易保険は非公務員
型ですが、今の国共済法では公務員型・非公務員型問わず国家公務員共済適用となって
おります。
　国立大学の方も、名前は独立行政法人なのか、別の名前をつけられるのかまだわかり
ませんけれども、これも国から分かれて、基本的には本来国でやるべきことを国ではな
くて別の法人でやるという、そういういわば公共的な性格のある仕事をやっていくとい
うことで、引き続き国共済適用になるのではないかと考えております。
　それから、３月26日に、文部科学省の国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討
会議が報告書を出されておりますけれども、その中でも人事制度というところで書いて
あるんですが、身分は非公務員型を採用するんだけれども、職員の処遇について十分配
慮が必要で、医療保険、年金、公務員宿舎については法人化後もすべての職員を対象
に、引き続き国家公務員と同様の扱いとすることに加え云々ということが必要であると
いうような報告にもなっております。

○都村部会長代理
　国家公務員共済組合で引き続き組合員となるとしますと、国立大学の約６割が統合を
検討しています。統合とか合併をすると、組織としては強くなるかもしれないけれど
も、教員は独立法人職員となるわけですから、リストラとかもあり得るわけで、国家公
務員共済組合の組合数に、将来的には合併とかが、影響するのではないかと思われるの
ですけれども、その辺は将来推計のときにはどうですか。

○藤田共済担当参事官
　ここはまだ法律自体も文部科学省の方で検討の緒についたばかりですし、そこのとこ
ろを考慮に入れて推計というのはまだやっておりません。現に国立大学だけではなく
て、いろいろな独立行政法人が13年度にできましたけれども、独立行政法人というのは
例えば５年間の中期的な計画を立てて、１年ごとに実績を評価していって、それで仕事
のやり方等をどうするかという仕組みを取り入れたということですので、国立大学だけ
ではなくて、独立行政法人にも同じような問題があるのではないかと思っております
が、試算という意味では行っていません。

○堀部会長
　ありがとうございました。田村委員。

○田村委員
　少し教えていただきたいのですけれども、平成12年の特殊要因としては地方事務官の
移管の問題がございますね。移管の影響を除去した財政指標も紹介していただいたので
すけれども、全体的に財政状態は悪くなっていると思うのです。
　そこで、少し気になりますのは、1,436 億円の移換金があるのですけれども、これは
どういう根拠で算定されているのかということです。これはかなり影響が大きいのでは
ないかと思うのですけれども、何か根拠があるのですか。

○藤田共済担当参事官
　この移換金ですけれども、そもそも移管されました地方事務官の方はそれぞれの地方
公務員共済に属していたわけですけれども、その時代からこれは国の職員だということ
で、その方々にかかる掛金それから負担金は別経理で管理していたということでござい
ます。したがって、各共済組合でその方々のものだとして管理していた積立金と、地方
公務員共済組合連合会に積み立てた額のうち、これは地方事務官の分だというふうに、
これも区分経理してありますので、それぞれをを合算して計算して移換した、これを計
算しますと1,400 億円何がしかだったということでございます。

○堀部会長
　近藤委員。

○近藤委員
　それはそれで考え方としていいのかもしれませんけれども、今まで掛けてきた保険料
率が地方公務員と国家公務員では確か成熟度が違うから１割くらい違いますね、18.5と
16．幾つですから。その差をそのまま持ち込んだら、従来、国家公務員共済の方での積
立金とのバランスというか、不公平感というか、そういうのが出てくるのではないで
しょうか。
　要するに、安い料率で積んできたのをそのまま持ってきたわけでしょう。その部分を
本来なら、何かで償却しないとバランスというのはとれないのかなと考えます。如何で
すか。

○藤田共済担当参事官
　はい。

○堀部会長
　地方事務官というのは私はあまりよく知らないのですが、地方事務官はずっと地方に
いて地方事務官であったんですか。それとも、地方の職員と地方事務官を行ったり来た
りすることはないんですか。行ったり来たりする場合にはどうなるのですか。

○藤田共済担当参事官
　先生がおっしゃっているのは、例えば我々国家公務員が県の職員に出向するときのこ
とだといたしますと、これはたいていの場合が短期間出向したら帰ってくるとかいうこ
とですので、そのときにいちいちその当該者にかかる積立金を当該地方公務員共済組合
に移換して、また戻ってくるときに国共済に持ってくるというようなことは今やってお
りません。ただ、今回は、これは地方分権推進一括法で、機関委任事務をやめるのだと
いうことで、これはもう国家公務員にしてしまうということで制度的にやりましたの
で、積立金をちゃんと持ってきたということでございます。従来、人事異動でやってい
ることに関していえば、そこは一回一回お金の移動はしていないということです。

○堀部会長
　例えば、国から地方に出向で行った場合、２年間、納めた保険料は地方共済に納め
て、国に帰って、国家公務員で退職した場合は国家公務員共済が全部年金の費用負担を
するという形ですね。
　それから、地方事務官の移管というのは、12年４月１日に一斉に行われたのですか。
移換金も基本的には12年４月に行われたという理解でよろしいんでしょうか。

○藤田共済担当参事官
　身分が切り替わったのは４月１日でございます。移換金は２回に分けておりまして、
443 億円を８月末日に、それから残りの993 億円を10月末日に受領しているということ
でございます。

○堀部会長
　ほかにいかがでしょうか。山﨑委員

○山﨑委員
　一つ、数字だけの問題なんですが、地方事務官の移管で、ご説明は１万9,000 人と言
われましたが、この資料では１万8,000 人になっていますが、どちらですか。

○廣瀬共済計理官
　正確に申しますと、地方事務官で４月に移管された人間の数が１万8,818 名でござい
ます。なので、通常、四捨五入で1,000 人単位で申せば1.9 万人となりますが、資料を
書くときに切り捨てて書いてしまいましたので、1,000 人のずれが出てまいっていると
ころでございます。申しわけありません。

○山﨑委員
　もう一つ、積立金の運用状況ですが、前年度に比較しまして預託金が非常に増加して
います。12年度の積立金の増加額は約2,700 億円ですが、預託金の増加額は約3,400 億
円となっています。また、有価証券は約2,500 億円減少していますので、積立金の増加
額と有価証券の減少分のほとんどが預託金に運用されていることになります。他制度で
は、預託金をだんだん減らしているのですが、国共済ではなぜ預託金がこうも増加して
いるんですか。

○藤田共済担当参事官
　前年との対比をちょっと申し上げますと、11年度末は預託金が３兆7,855 億円だった
ところが今回ここに書いてございますように、４兆1,263 億円でプラス約3,400 億円、
おっしゃるとおりです。
　それから、減っている方を見ますと、証券投資信託が665 億円になっていますけれど
も、11年度末では2,936 億円でございました。2,271 億円の減になっております。その
ほか、国内債券でも1,500 億円弱減っておりまして、この要因は、結局、その時点の金
利、例えば、証券投資信託、これはＭＭＦで毎月満期が来るわけですけれども、平均利
回りが0.24％だった。ところが、7年以上の預託金は1.6 ％だったということで、満期が
来た分を預託金で再運用したという要因が大きかったのではないかと思われます。

○山﨑委員
　要するに、義務的にやったわけではなくて、自発的に金利の差で預託金が増えたとい
うことですか。

○藤田共済担当参事官
　おっしゃるとおりです。

○堀部会長
　あとはいかがでしょうか。近藤委員。

○近藤委員
　総合費用率のところで、地方事務官の修正をした結果で20.94 で、財政再計算のとき
に22.03 なんですけれども、これ、原因がスライドというんですが、これでそんなに差
が出てくるのか。ほかに何か要因があるのか、それとも過大な推計だったのか、前のと
きに計算がちょっと甘かったのか。

○藤田共済担当参事官
　もう一つの要因としては、標準報酬総額が実績の方が大きくなっていまして、これは
12年度に標準報酬額の上下限改定が行われていまして、従前、59万円というのが最高
だったのが62万円に12年度から上がっていまして、上限に張りついている人が多いもの
ですから、その影響が出ているのではないかと思われます。

○近藤委員
　13年度の数字が出てくるとわかると思いますが。

○堀部会長
　よろしいでしょうか。
　それでは、時間もまいりましたので、国家公務員共済組合の財政状況についての報告
聴取を終了いたします。どうもありがとうございました。

平成12年度財政状況について（地方公務員共済組合）
○堀部会長
　続きまして、地方公務員共済組合の財政状況について報告をお願いしたいと思いま
す。

○原福利課長
　福利課長の原です。きょうは、地方公務員共済組合連合会の担当者も同席しておりま
す。質問によりましては、そちらの方から答えさせていただきたいと思います。
　ただいま国共済の方の説明にもありましたように、平成12年度につきましては、地方
事務官が地共済適用から国共済適用に移管しておるということでございまして、組合
員、受給者、受給権者ともにその影響を受けているということでございます。
　また、先ほど話がございましたように、積立金の移換も行っております。先ほどご質
問の中で、地方事務官というのはもともとずっと同じ職員かどうかということでござい
ますが、ずっと同じです。地方事務官は地方事務官で採用し、ずっとそれでやってきて
おります。地共済適用ということであるのですが、国費が地方事務官の場合、入ってい
るものですから、分けて経理をしておりまして、そういうことがあって、移換金を計算
するに当たっても数字が出てくるということでございます。
　平成12年度の財政状況でございますが、その概要につきまして資料に沿ってご説明申
し上げます。
　まず、１ページ目、収支の状況は過去５年間の推移を記載したものでございます。平
成12年度について申し上げます。まず、収入の方でございますが、保険料が２兆9,882 
億円、前年に比べ336 億円、1.1 ％の減ということになっております。それから、公的
負担ですが、3,346 億円で前年度に比べ303 億、10％の増加ということであります。追
加費用は１兆4,756 億円で前年度に比べ515 億円、3.4 ％の減少です。それから、利息
及び配当金ですが、9,246 億円で前年度に比べ2,772 億円、23.1％と大きく減少してお
ります。これは、下の方に出ております積立金運用利回りですが、平成12年度の運用利
回りが2.61％でして、11年度3.57％と比べて0.96ポイント運用利回りが下がったためで
あります。
　元へ戻っていただきまして、基礎年金交付金ですが、4,796 億円で前年度に比べ160 
億円、3.2 ％の減少であります。その他が140 億円で合計収入総額が６兆2,166 億円と
なっております。前年度に比べまして3,468 億円、5.3 ％の減少であります。
　次に支出の方ですが、給付費が４兆1,430 億円で、253 億円、0.6 ％の増でありま
す。基礎年金拠出金は9,703 億円、558 億円、6.1 ％の増であります。それから、制度
間調整拠出金はもう終わっております。年金保険者の拠出金で235 億円、前年と一緒で
あります。その他が1,638 億円になっておりますが、これは特記事項に書いてございま
すように、地方事務官にかかる移管金1,436 億円がその他の中に含まれておるというこ
とであります。合計で、支出総額が５兆3,006 億円、2,359 億円、4.7 ％の増というこ
とであります。それから、積立金の状況でございますが、年度末積立金が平成12年度が
36兆1,507 億円ということで、前年度に比べまして9,161 億円増えております。
　それから、２ページ目が地方公務員共済組合の収支状況の概略図であります。説明は
省略させていただきます。
　次に、３ページ以下の給付状況についてご説明いたします。
　平成12年度末の地共済の受給権者数は、３ページ目の表の右から２番目の一番上のと
ころにございますように、退年相当で139 万4,000 人、通退相当で10万4,000 人、障害
年金の関係が３万2,000 人、遺族年金が45万4,000 人、あわせまして198 万4,000 人と
いうことになっておりまして、前年度に比べて４万3,000 人、2.2 ％の増加でありま
す。
　また、年金総額は２番目の欄になりますけれども、退年相当の給付で３兆5,244 億
円、以下ごらんのようになっておりまして、合計で４兆3,257 億円ということでござい
まして、前年度に比べて356 億円、0.8 ％の増加であります。
　４ページでございますが、４ページの上の表は、退職給付につきまして、減額、増額
別支給別にあらわしたものであります。共済年金は、増額支給がありませんので、すべ
て空欄であります。平成12年度の減額となっております受給者が７万3,000 人でして、
その年金総額は退年相当の給付で1,502 億円であります。
　同じ４ページの下の表でありますが、退職年金平均年金月額は21万629 円でありまし
て、対前年比2,986 円、1.4 ％の減ということになっております。基礎年金も含めて平
均年金月額を計算いたしますと、今の表の上から４番目のところでございますが、23万
4,931 円となっておりまして、673 円、0.29％の対前年との比較では減ということに
なっております。退職年金の平均加入年期間は410 月であります。
　５ページは今ご説明いたしました男女計の平均年金月額、平均加入期間につきまし
て、男女別にあらわしたものであります。
　それから、６ページの一番上の加入期間20年以上にかかります新規裁定の退職年金平
均年金月額ですが、22万4,541 円ということであります。それから、平均加入期間は上
から４つ目でございますが、424 月ということであります。
　それから、７ページは退年相当の受給者数を年齢階級別にあらわしたものでありま
す。男女とも70～74歳の階級が一番多くなっております。合計で構成比が25.2％、つい
で65歳から69歳で合計で24.7％、その次が60から64歳という順番になっております。男
女合計で申し上げますと、この３階級で71.2％を占めております。それから、下の欄の
平均年齢でございますが、男性が71歳、女性が70.7歳、合計で70.9歳であります。
　８ページ以下が組合員の状況でございますが、まず組合員の平均年齢につきまして
は、統計調査の方法にございますように、20分の１の抽出調査ということになっており
ます。それ以外は全数調査を行っております。
　まず、組合員数ですが、平成12年度末で323 万9,000 人でして、11年度に比べまして
４万9,000 人の減、1.5 ％の減少ということになっております。男性と女性の組合員数
の比率はおおむね男性２に対して女性１ということでございますが、少子化に伴います
公立学校の教職員の減少あるいは地方事務官分の減少などによりまして、男性で３万7,
000 人に減っております。女性で１万2,000 人減少しておるという状況であります。
　それから、平均年齢でございますが、全体では42.3歳、男性が43.2歳、女性が40.9歳
ということでして、全体で42.3歳、0.1 歳上昇しているという状況であります。平均給
料月額は、36万6,453 円でございます。公務員の場合には、男女の間で給料の格差がご
ざいませんので、女性の平均も男性の平均もそれほど違いがないという状況になってお
ります。
　それから、給料総額でございますが、14兆1,141 億円、前年度に比べまして1,028 億
円、0.7 ％の減となっております。標準報酬ベースに換算しますと、つまり1.25倍いた
しますと17兆6,426 億円ということになります。
９ページでございますが、これが年齢階級別、加入期間別のクロス表であらわしました
組合員数であります。
　続く10、11ページは男女別の区分でございます。９ページの右側の合計のところでご
ざいますが、40歳から45歳で49万5,000 人、45歳から50歳で54万6,000 人、50歳から55
歳で54万人ということになっておりまして、この40歳から55歳の間で、全体として構成
割合、15.3、16.9、16.7を足しますと49％、約半分を占めておるという状況になってお
ります。
　一方、若年者層で見てみますと、20歳から30歳までの、要するに20歳台でございます
が、そこは全体で13.8％ということでございますし、30～40歳の間、つまり30歳台では
25.2％というような状況になっております。
　９ページの表頭の加入期間別で見てみますと、15年から30年の期間が多くなっており
まして、全体でその期間で45％という構成比になっております。その中でも特に組合員
期間25年から30年の構成割合16.2％が多くなっております。
　10ページ、11ページ、男女別でもほぼ同様の傾向が見られるということであります。
女性の場合、男性に比べまして20歳台の割合が若干高くなっておるということがござい
ます。
　次に、12ページですが、これは給料月額の分布であります。地方公務員共済組合の場
合には、本俸制で計算している関係もございまして、基本給１万円単位の数字で示して
おります。どこの階級別に属するかというと、男性の場合は49万6,000 円以上が最も多
くなっておりまして、7.2 ％の分布ということでございます。女性の場合で見てみます
と、42万円以上、43万円未満の5.5 ％が最も多くなっておるという状況であります。
　次に、積立金の状況でございますが、13ページであります。まず、年金資産構成であ
ります。12年度におきます積立金の総額は先ほど見ていただきましたように36兆1,507 
億円ということになっておりまして、9,161 億円増加しておるということであります。
その構成でございますが、流動資産、固定資産ということでございますけれども、その
中で有価証券等の占める割合が多くなっております。有価証券等は全体で見ますと76.
5％の構成比になっております。その内訳として、金銭信託が27.8％、有価証券で44.8％
ということになっております。今申し上げたのは簿価ベースでございます。時価ベース
につきましては、なかなか現時点で地共済全体の姿をお示しすることはできませんが、
前回の数理部会でも申し上げましたように、平成13年度決算に関して実態調査を行いま
して、遅くとも平成14年度の決算におきましては、この地共済全体での時価ベースの資
産評価、債権、株式の国内・国外区分が行えるように検討してまいりたいと考えており
ます。
　次に、14ページ以下が財政再計算におけます将来見通しとの比較ということでありま
す。まず、14ページ、収支状況の比較でありますが、収入、保険料につきまして平成12
年度の実績が２兆9,882 億円、それに対しまして将来見通しが３兆1,851 億円でありま
す。この原因といたしましては、組合員の減少あるいは給与改定率の差というものが乖
離の原因であろうかと考えております。それから、運用収益が将来見通しに比べて大幅
に実績が落ちておるということでございます。以上のことから、収入総額、収入の計で
ございますが、実績で５兆7,370 億円、将来見通しが６兆4,194 億円ということで、7,
000 億程度の乖離があるということでございます。
　次に、支出の方ですが、給付費について実績が３兆6,634 億円で、将来見通しが３兆
8,752 億円ということでございます。これは年金改定率の差がその乖離の原因であろう
と考えております。
　基礎年金拠出金は、実績が9,703 億円、将来見通しが9,380 億円でございます。その
他で乖離が大きい原因は、地方事務官の移管に伴いまして、移換金の支出が出ておると
いうことであります。合計で実績４兆8,212 億円に対して、将来見通しが４兆8,367 億
円というところでございます。
　次に、組合員数と受給権者数の比較ということでございます。15ページであります。
まず、組合員数でございますが、将来見通しが332 万6,000 人のところ、実績が323 万
9,000 人であります。それから、受給者数ですが、将来見通しが194 万1,000 人のとこ
ろ、実績が191 万3,000 人ということになっております。被保険者数、組合員数が将来
見通しに対して実績が落ちておりまして、新規採用の抑制とか、あるいは地方事務官が
国家公務員共済に移管された影響があるのではなかろうかというふうに考えておりま
す。
　それから、新規加入者及び脱退者数のところでございますけれども、将来見通しにつ
きましては、新規加入者、脱退者は一定ということでやっておりますが、実績は新規加
入者が６万7,000 人、一方で脱退者の実績が10万7,000 人ということになっておりま
す。それから、新規裁定者のところで、将来見通し18万4,000 人のところ、実績が16万
6,000 人、失権者数は将来見通し11万2,000 人のところ、実績が12万人ということであ
ります。
　それから、次に16ページ以下が財政指標の比較であります。まず、年金扶養比率でご
ざいますが、実績が2.32のところ、財政再計算の結果は2.43ということになっておりま
す。ちなみに、これは地方事務官が抜けた後もそのまま生で出しておりまして、財政再
計算は当然地方事務官も込みで出しておるわけでございますので、その影響を除外して
考えますと、これは推定でございますが、実績の方は、これは変わらないで年金扶養比
率は2.38のままであります。ただ、補正した年金扶養比率でございますが、この（3.
50）のところが（3.48）ということになってまいります。影響を除外するとここが変
わってくるということであります。
　それから、次が総合費用率でございますが、財政再計算が15.9のところが12年度の実
績は16.1になっております。これも同じように、地方事務官の影響を除きますと、実績
は16.1のところが、16.3ということになってまいります。それから、次が18ページ、独
自給費費用率のところでございますが、ほぼ財政再計算と同じ実績になっておりまし
て、12.5ということであります。これも同じように、地方事務官の影響を排除いたしま
すと、12.5のところが12.6ということで、財政再計算の結果と同じということになって
まいります。
　それから、次が収支比率の状況でございますが、財政再計算結果が65.5のところが、
実績は72.8ということであります。これも地方事務官の影響を排除いたしますと、収支
比率はさらに上がりまして、73.0ということになっております。この要因といたしまし
ては、 (9)(10)にありますように、保険料収入と運用収入、特に運用収入が5,000 億円
近く財政再計算と比べて落ちているということが大きな影響になって、この収支比率に
大きな差が出ているのではなかろうかと考えております。
　次が20ページでございますが、これが積立金比率であります。財政再計算結果11.6の
ところ、実績は12.4ということであります。なお、同じように、地方事務官の影響を排
除いたしますと、ここが12.3ということになってまいります。最後の方、若干端折りま
したが、以上が地共済の財政状況でございます。よろしくお願いいたします。

○堀部会長
　どうもありがとうございます。では、ただいまのご報告に対して質問等がありました
ら、よろしくお願いいたします。

○都村部会長代理
　平成12年度の積立金の運用利回りが2.61％ということでございますけれども、同じ12
年度の国家公務員共済とか、私学共済に比べましても、かなり低いわけですね。それか
ら、１ページの表の過去５年間の推移を見ましても、平成12年度はかなり落ち込んでい
るわけですけれども、これは何か理由があるわけでございますか。

○原福利課長
　この５年間の傾向といたしまして、やはり地方公務員共済組合の場合には、共済組合
がそれぞれ分かれていて、それぞれで自主的、独立した資金運用をしているということ
がございます。平成12年度末で申し上げますと、85の組合に分かれて資金運用している
というのが運用利回りが低く出る理由の一つかなというふうに思っております。
　それともう一つは、余裕金が資金運用部への預託というのがシェアが、例えば国共済
と比べると低くなっておりまして、これは義務運用と呼ばれている部分でございますけ
れども、結果としてそういうふうなものに12年度は運用した方がより利回りが稼げたと
いうことがあろうかと思います。また、そういうシェアが低いということがございま
す。
　逆に、11年度がやや高くなっておるというのは、自主運用の部分が地共済の場合、多
いところがある、それが逆に高く出ている。このときには、どうも特定金銭信託とか指
定単とかいう、株式の状況がいいときでございまして、より高く出ている、そういう傾
向があるのではなかろうかと思います。

○堀部会長
　よろしいでしょうか。田村委員。

○田村委員
　地方事務官移管後の財政指標の紹介があったのですが、全部、補正後の方が悪くなっ
ているのですね。先ほどの国家公務員共済の方も悪くなっているのですね。両方とも悪
くなっているのは理解できないのですが、どちらかが違っているのではないかという感
じがするのですが、どうなのでしょうか。

○原福利課長
　かなり大胆に実は推計しておりまして、例えば組合員数をどう見たかといいますと、
正確には地方事務官の分は１万8,818 人のところをややアバウトに１万8,000 人で計算
していますし、受給者数についても１万1,000 人という形で推計しております。
　それから、支出額については給付費を200 億円加算したという形でやっておるという
ことで、保険料についても150 億円加算したと。これは若干、みなしでやっているとこ
ろがあって、もう少し厳密に計算しなければ本当はいけないでしょうけれども、どうし
ても推計という部分が入ってしまうものですから、ご了承いただきたいと思っていま
す。

○堀部会長
　渡辺委員。

○渡辺委員
　運用利回りの関係で、逆の言い方をしますと、国家公務員と違って地方公務員の場
合、預託金が少なくて、その分利回りが低かったという解釈なんですが、逆の言い方を
すると、同じ12年度、厚生年金基金などを見るとマイナスになっているわけですね、い
わゆる有価証券運用。
　だから、変な言い方になるけれども、プラス2.6 というのは低いといえば低いんだけ
れども、厚年基金は同年度とるとマイナス10％前後いっているわけですね。どういう運
用をしているのかという、これは素朴の疑問というか、そういう感じもするわけです
が、もし何かあれば。

○原福利課長
　今、手元に資料があれば一番いいんですが、36兆円のうち……。

○渡辺委員
　もし大ざっぱな傾向がわかればでいいですけれども、そう簡単に数字が出てくる話で
はないと思うから。

○原福利課長
　私の記憶で申し上げますと、特定金銭信託はやはり悪くなっています。対前年運用利
回りでいうとマイナス10％くらいだったかと思います。ただ、その割合が５兆とか６兆
くらいだったかと思いまして、ほかのところでそれなりに稼いでいる分があって、トー
タルで2.61という利回りになっておると。ちょっと手元にそれがないものですから。

○渡辺委員
　また後でも結構です。

○堀部会長
　今のお答えと違うようなデータとか、あるいはさらに詳しいデータがありましたら、
後で事務局の方にお渡しいただきたい。林委員どうぞ。

○林委員
　林でございますけれども、13ページの利回りでございますけれども、有価証券、株と
か、時価利回りでマイナスだったという記憶でございまして、これ、簿価利回りなんで
しょう。

○原福利課長
　これは簿価です。

○林委員
　そうすると、マイナスになる……。ならない？

○原福利課長
　簿価ではならないです。

○堀部会長
　近藤委員、お願いします。

○近藤委員
　14年度からちゃんと出していただくということですが、11年度のをお聞きしたとき
に、12、３兆持っている、連合会の分だけれども、今でも出せますよということだった
んですが、それだけでもいいですから、11年、12年、13年も、合わせて連合会分を見せ
ていただければと思います。結構大きな、ウエイトを占めているのですね。３割以上と
か。

○原福利課長
　そうですね。

○近藤委員
　それを追加して出しておいてください。

○原福利課長
　手元に資料があるので、口頭で若干申し上げますと、連合会ですが、時価ベースでは
運用利回りは、トータルですが、マイナス2.43％になっております。総額では約13兆
円、簿価ベースで正確に申し上げますと12兆9,974 億円ということでございます。資料
がございますので、後ほど事務局の方に。

○近藤委員
　それから、これは足算、引算でよくわからないので、後で精査しておいてほしいので
すが、15ページの被保険者数が平成11年と12年の実績の差が４万9,000 人、新規加入者
と裁定と例の地方事務官１万8,000 人、これを調整してもこの数字にならないんだけれ
ども、何か理由があるのかなと思うので、それを調べておいてください。
　それから、もう一つ、注のところで、65歳到達に伴い特別支給の退職共済年金から本
来支給の退職共済年金に切り替わった人数が含まれているという失権者と新規裁定者で
すが、これは分けてやることは簡単ですか。だったら、これはカッコで新規裁定とある
と、本来ならこれは外して考えておかないと、失権者数が大きくなるか、小さくなるか
というのは、料率面等に影響してくるので、こういう形になっているとわからないの
で、それを外した形のものをできたら見せていただければと思いますが、いかがです
か。出ますか。

○若本連合会年金業務部長
　制度的には特別支給の年金は65歳で失権いたしまして、新しく本来支給の退職共済年
金が発生するということになっております。したがって、制度的には失権になり、65歳
で新しい年金が発生するという仕掛けになっているのですが、ただ統計上、なかなかそ
このところが明確に区分するのが非常に難しい状況でございまして、先生がおっしゃら
れるような統計が今直ちに集計できるかというのは困難ではないかと考えております。

○近藤委員
　すぐにできなくてもいいんですけれども、実績をやる場合には外して計算しないと、
ちょっと推計との比較が狂ってくるのかなという気がするので、そこは事務局とよく相
談してみてください。

○堀部会長
　同じ問題は厚生年金にもあるわけですね。それはどうしているんですか。
　厚生年金は、そもそも数字がなかったんですね。

○坂本数理課長
　厚生年金は人口全体の枠の中から割り出しておりますので、その部分については再計
算上、数字が取り出せないということで、数字を出させていただいておりません。

○堀部会長
　要するに、この数字は65歳時点で特別支給の年金が失権して、新しい年金を裁定す
る、それが含まれているということですね。

○若本連合会年金業務部長
　下の方の財政再計算の数字でございますが、実は、システム的に両方とも同時にカウ
ントするというようなシステムを組んでいるものですから、区分ができなくて、トータ
ル数字があがっているということでございます。
　決算数字の方は大丈夫でございます。

○堀部会長
　決算数字は65歳時の失権、裁定を除いた数字ということですか。

○若本連合会年金業務部長
　これは両方とも入れております。

○堀部会長
　それもあまり実態をよくあらわしていないですね。年金の名前とか、仕組みがちょっ
と違うんですが、新規裁定というのは一般的には年金を受給しはじめることを意味しま
す。失権というのは年金全体を失うという感じなので、65歳で失権になっていますが、
実態がわかるような形の方が本来望ましいのではないでしょうか。どうですか。

○原福利課長
　実績では分けることができますので、これを分けて出して……。ただ、財政再計算と
の比較ということになりますと、財政再計算が一緒に入っているものですから、あえて
出しておいたということです。

○堀部会長
　この問題は後でまた検討しましょう。
　ほかにいかがでしょうか。

○田村委員
　８ページに表がございまして、給料総額を標準報酬ベースに換算しておりますけれど
も、これは単に1.25倍しただけですね。実態がどうなっているかは必ずしもわからない
わけです。それは把握できないですか。横並びで比べるときに、どうしても標準報酬
ベースで比べたいなという感じがしますので、できれば実際にどうなっているかという
ことが知りたいというわけなのですけれど。

○堀部会長
　給与統計みたいなものがあれば出るはず……。

○原福利課長
　給与実態調査を総務省公務員部でやっているんですが、その中にあったかどうか、今
定かではないので、出せれば出したいと思います。

○堀部会長
　ただ、そもそもがこういう標準報酬にしなかったというのは、各地方共済でバラバラ
だからということがあって、それで統計もないのかなという感じも受けるんですが、そ
うではないんですか。

○原福利課長
　手当て率が地方団体ごと、あるいは職種ごとにかなり違いがあったものですから、あ
るいはいろいろな手当てが入っておったものですから、それを全部とらまえてやるとか
えって不公平になるのではなかろうかということで、本俸を基本に置いてやったとい
う、これは昭和60年の改正のときなんですけれども、そういう経緯がございます。
　今、給与実態調査というのを総務省でやっておりまして、その中でそれぞれ団体ごと
あるいは職種ごとに、手当て率がどうなっているかというふうな調査もやっております
ので、そこにもし数字が全部とってあればお示しできると思います。それは戻って調べ
たいと思います。

○堀部会長
　数字が出るのだったら、後でよろしくお願いいたします。
　時間もそろそろまいりましたので、よろしいでしょうか。
　それでは、地方公務員共済の組合の聴取を終えます。どうもありがとうございまし
た。

平成12年度財政状況について（私立学校教職員共済制度）
○堀部会長
　最後ですが、私立学校教職員共済の財政状況についてご報告をお願いしたいと思いま
す。よろしくお願いいたします。

○西澤私学共済室長
　文部科学省の私学共済室長の西澤と申します。よろしくお願いいたします。
　私立学校教職員共済についてご説明申し上げます。資料は３でございます。
　まず、１ページ目からでございますが、収入総額は前年度に比べまして92億円、2.3
 ％減少いたしまして、3,959 億円となっております。主な収入源は掛金と運用収入でご
ざいまして、掛金は2,351 億円、運用収入は875 億円となっております。運用収入は、
前年度に比べまして139 億円、13.7％と大きく減少いたしておりますが、これは低金利
の影響によりまして、運用利回りが前年度に比べ0.60 ％低下して、2.99％となったこと
によります。一方、支出総額は年金者数の増加等の影響を受けまして、前年度に比べま
して176 億円、6.0 ％増加いたしまして、3,107 億円となっております。支出の主なも
のは、年金の給付費でございまして、1,942 億円、基礎年金拠出金で1,103 億円となっ
ております。この結果、収支残は前年度に比べまして268 億円、23.9％減少いたしまし
て852 億円となっております。平成12年度末の積立金は、平成11年度末の積立金２兆9,
270 億円に平成12年度の収支残852 億円が加算されまして３兆123 億円となっておりま
す。
　２ページは、この１ページの数値を図式化したもので説明は省略させていただきま
す。
　次に３ページ以降でございますが、３ページは受給権者数と年金総額等について記載
しております。平成12年度末の受給権者数は、合計で前年度と比較して１万1,100 人、
5.2 ％増加して、22万3,800 人となっております。また、平成12年度末の年金総額は合
計で前年度末と比較いたしまして105 億円、4.5 ％増加いたしまして2,432 億円となっ
ております。
　次に４ページでございますが、上段の表の増額支給及び通算退職年金相当の減額支給
のところは、支給の規定がないために数値が入ってございません。下段の表をごらんい
ただくと、私学共済から支給される加入者期間20年以上の退職年金の平均年金月額は、
前年度と比較しまして2,525 円、1.3 ％減少しまして19万2,790 円となっております。
また、基礎年金を含めた平均年金額は429 円、0.2 ％減少しまして22万1,343 円となっ
ております。なお、平均加入期間は366 カ月、30年６カ月となっております。
　５ページは、４ページの下段の結果を男女別に分けたものであります。男性の退職年
金の平均年金月額は前年度と比較いたしまして2,859 円、1.3 ％減少しまして、21万6,
157 円、平均加入期間は378 カ月、31年６カ月となっております。女性の退職年金の平
均年金月額は前年度と比較しまして2,400 円、1.5 ％減少しまして、15万8,247 円、平
均加入期間は347 カ月、28年11カ月となっております。
　６ページは新規裁定者にかかる分でございまして、加入期間20年以上の新規裁定の退
職年金の平均年金月額は24円、0.01％増加しまして19万1,422 円、平均加入期間は384 
カ月、32年となっております。男性の新規裁定の退職年金の平均年金月額は、前年度と
比較しまして548 円、0.3 ％増加しまして21万4,246 円、平均加入期間は394 カ月、32
年10カ月となっております。女性の新規裁定の退職年金の平均年金月額は前年度と比較
しまして1,833 円、1.2 ％減少しまして15万329 円、平均加入期間は366 カ月、30年６
カ月となっております。
　７ページは、退職年金受給権者の年齢構成であります。平均年齢は、男性で69.0歳、
女性で70.3歳となっております。
　次に、加入者状況についてご説明します。８ページは加入者数や加入者の平均年齢等
を記載しております。加入者数は増加を続けており、前年の平成11年度末と比較しまし
て、平成12年度末では1,900 人増の40万5,800 人となっております。男性で300 人増の
19万1,900 人、女性で1,600 人増の21万3,900 人となっております。ご参考までに加入
者数の増減を学校種別ごとに申し上げますと、加入者数が増加している学校種は大学で
2,839 人、幼稚園で657 人、専修学校で456 人、中学校で166 人となっており、逆に減
少している学校種は短期大学で1,624 人、高等学校で347 人、各種学校で236 人、小学
校で８人となっております。また、平成13年度末におきましては、平成12年度末に比べ
さらに全体で2,400 人増加している状況であります。
　加入者の平均年齢は、前年度より0.1 歳上昇しまして39.6歳となっております。男性
で0.2 歳上昇して45.1歳、女性で0.2 歳上昇して34.7歳となっております。また、標準
給与は5,517 円、1.5 ％増加しまして36万6,349 円となっております。標準給与総額も
278 億円、1.6 ％増加しまして１兆7,777 億円となっております。
　次に、９ページの加入者数の分布では、一番高い割合が25歳台の16.4％であります
が、以降55歳台まで10％前後で推移し、60歳台でも6.7 ％を占めております。また、加
入期間の分布は加入期間５年未満の割合が一番多く34.5％で、加入期間が長くなるほど
割合が順次低くなっております。
　10ページの男性の加入者数の分布では、30歳未満の若年層が低く、その他の年齢層で
ほぼ均等に分布しております。
　次に、11ページの女性の加入者数の分布では、若年層が占める割合が高くなってお
り、また加入期間の分布でも、加入期間10年未満のもので約３分の２を占めておりま
す。
　12ページでございますが、12ページの標準給与の分布では、男性の23.9％が上限の62
万円となっており、男性の標準給与月額の平均は45万3,972 円となっております。女性
の場合は、20万円台を中心にほぼ平均的に分布する結果となっておりまして、女性の標
準給与月額の平均は28万7,732 円となっております。
　次に、積立金の運用状況についてご説明します。13ページでございますが、13ページ
は積立金の運用状況を示しております。平成12年度末の積立金は、３兆123 億円でござ
いますが、積立金の約74％を有価証券と金銭信託で運用している状況であります。資産
の構成割合について、前年の平成11年度末と比較して、金銭信託が3.7 ％、有価証券信
託が1.2 ％増加しましたが、国内債券が2.9 ％、生命保険等が1.1 ％減少しておりま
す。時価評価した金額も記載いたしましたが、金銭信託は簿価ベースで9,320 億円に対
し、時価ベースでは9,241 億円となっており、約79億円の含み損となっております。こ
れは金銭信託の中で運用している国内株式の価格が下落したためであります。その他の
運用商品では時価が簿価を上回る結果となっております。
　次に、財政再計算における将来見通しとの比較についてご説明申し上げます。14ペー
ジは収支状況の比較であります。将来見通しと実績が乖離した主な項目は掛金収入と運
用収入であります。掛金収入は将来見通しでは2,537 億円となっておりましたが、実績
では都道府県補助金収入を含め2,429 億円となっております。実績が将来見通しを下
回った要因といたしましては、将来見通しでは賃金上昇率を2.5 ％と見込んでおります
が、実際には平成12年度の標準給与の対前年度伸び率が1.5 ％しかなかったように、賃
金が将来見通しほど上昇しなかったためであります。また、運用収入も将来見通しでは
1,175 億円となっておりますが、実績では875 億円であり、これも将来見通しでは4.0
 ％で見込んでいた運用利回りが実際には2.99％となったためであります。
　15ページの加入者数及び受給者数の比較につきましては、加入者数は将来見通しでは
平成13年度末までは一定としておりましたが、実際には加入者数は増加しており、その
分が将来見通しと実績の差としてあらわれてきております。また、受給者数では、年金
待期者、すなわち私学共済の年金受給権がありながら年金を請求していない者などがお
り、それが将来見通しと実績の差となっております。
　16ページの年金扶養比率は、平成12年度の実績で5.98となっておりますが、カッコ書
きで表示してある退職年金受給者数で見た場合には、7.01となっております。将来見通
しと実績の差は将来見通しより実績の方が加入者数が多くなっているためであります。
　17ページの総合費用率は、平成12年度の実績で13.8％となっておりまして、将来見通
しにおける平成12年度の13.4％より高くなっております。これは賃金上昇率を将来見通
しでは2.5 ％としておりましたが、実際の賃金上昇率は平成11年度で0.9 ％、平成12年
度で1.5 ％であったため、標準給与総額も将来見通しでは１兆8,560 億円と見込んでお
りましたが、実際には１兆7,777 億円にしかなっていないことが将来見通しと実績の差
となってあらわれたためであります。
　18ページの独自給付費用率につきましても、平成12年度の実績で9.7 ％となっており
まして、将来見通しと実績の差があらわれましたが、これも総合費用率の場合と同様
に、標準給与総額の見通しと実績の差によるものであります。
　19ページでございますが、19ページの収支比率は平成12年度の実績で74.3％となって
おります。ここでは、運用収入が将来見通しほど多くなかったことが最たる要因となっ
ておりまして、将来見通しと実績との差としてあらわれております。
　20ページの積立比率につきましては、平成12年度で11.9となっております。以上でご
説明を終了いたします。

○堀部会長
　どうもありがとうございました。今のご説明に対して質問等がありますれば、よろし
くお願いいたします。

○渡辺委員
　２つ質問があるんだけれども、１つは、４ページ、５ページの年金額で新規裁定の20
年以上の方が全体の平均よりも男女とも金額が低いですね。一般的な年金制度、さっき
国家公務員、地方公務員共済もその逆になっていて、つまり新規裁定の方が高いのが出
ているんですが、私学共済の場合には逆に低くなっている。全体の平均の方が高いとい
う、この理由について教えてください。
　もう１点、先ほど被保険者の中で増えているのは大学と幼稚園、専門学校、中学校、
減っているのが短大、高校、各種学校、小学校と。これはバラバラという感じがします
ね。幼稚園は増えたけれども、小学校は減っていて、高校も減っていて今度は中学が増
えているとかね。一般的に考えると、少子化傾向で幼稚園の教職員の数が少なくなって
もおかしくないという見方もできるのですが、この辺の理由と、さらについでもう１点
いえば、将来的に全体的に少子化傾向の問題が言われているから、特に私学の場合は非
常に経営も厳しくなると職員の数も少なくなるのではないかと見られていますが、その
辺についてもし見通しもわかれば教えてください。以上です。

○堂前共済事業団数理統計室長
　最初のお答えをいたします。先ほど、地共済さんのところでもちょっと話題になって
おりましたけれども、新規裁定、この中に65歳になりますと、特別支給の退職共済年金
を失権させて、本来支給の退職共済年金を裁定すると。それの場合、基礎年金を外すも
のですから、どうしても新規裁定の方が小さくなっているというような状況があらわれ
ているのだと思いますけれども、詳細の数字を今持ち合わせておりませんので。

○渡辺委員
　基礎年金を外すというのはどういうことですか。

○堂前共済事業団数理統計室長
　例えば200 万円の年金を64歳までもらっていましたある年金者の基礎年金が、いわゆ
る１階部分のところが例えば70万円でした、80万円でしたということになりますと、65
歳でその70万円なりが私学共済から給付しないで社会保険庁からの給付になりまして、
私学共済の給付は130 万円に減ると。今、年額で申し上げましたが、そういう方のウエ
イトの問題が相当絡んでいるのではないかと思いますが、新規裁定者の方はその状況を
つかんでおりませんで、年度末者の方を申し上げますと、退年相当で基礎年金が外れる
者がどうしても多くなりますと、一人当たり年金額が減っていくということで、先ほど
の４ページの男女合計の最上段の場合、これは基礎年金が外れていくので、もちろん生
年度別の給付率の減は影響していると思いますけれども、要は65歳になると外れる割合
が増えてくる者が多くなるということで、これをちょっと申し上げますと退年相当の方
で11年３月末ですと37.6％が基礎年金が外れた者だと。12年３月ですと41.4％が外れる
者だと。13年３月ですと44.7％が外れる者だということで、徐々に基礎年金の該当の
方、実際には昭和61年４月時点で60歳

○渡辺委員
　ちょっと待ってください。ということは、新規裁定の中に今おっしゃった65歳でいっ
たん失権した特別支給の退職未満の者であった方がこの該当になるわけですが、そうい
う該当の方が年を追うごとに増えてくると。老齢を受けていた場合は、基礎年金を外す
ということは報酬比例部分でしか計算していないということですか。

○堂前共済事業団数理統計室長
　そうです。

○堀部会長
　その問題はこの後で議論することになっているんですが、老齢年金相当というのは３
つの種類がある。特別支給の老齢厚生年金と基礎年金が外れた老齢厚生年金と、昭和61
年改正前の旧法分の３つが混在していて、これは問題があるということが議論になって
おります。その問題をどう解決するかということで、後で事務局ペーパーがあります。

○渡辺委員
　はい。では、後段の部分の加入者の問題をお願いします。

○西澤私学共済室長
　例えば小学校が８人しか減っておりませんので、たまたまそうだったということだと
思いますけれども、大きな変動は大学で2,839 人増える、短大では1,624 人減っている
ということがあると思います。委員ご指摘のとおり、少子化の中で私学経営というのは
なかなか難しいものになってきているというのはそのとおりだと思います。短大で減っ
て、大学で増えているというのは、短大をやめて４大に転換していくという、これも一
つの経営戦略だと思うんですが、そういう傾向がありまして、それが短大で減って大学
で増えているという大きな要素だと思います。
　ただ、子どもの数が減るということが直ちに学校への進学者数が減るかというと、進
学率がどうかという問題もあるわけでありまして、進学率は若干ずつではありますけれ
ども、伸びてはおります。しかも、短大・大学あわせて今50％くらいの比率になってお
りまして、子どもの数が減る、直ちに学生数が減るというふうには、もちろん長期的に
はそういう傾向があるわけですが、短期的に見て直ちにそうなるかというと必ずしもそ
うではないと思います。
　いずれにしましても、短大が大きく減って大学が増えているという一番大きな要因
は、短大から４大への切り換えであると考えております。
　将来的なことでございますが、ご指摘のとおり、私学共済の将来の加入者数がどうな
るかということは、この前の閣議決定で指摘されました将来的な私学共済の位置づけに
当たりましては、私学共済制度の将来の加入者がどうなるかということが非常に重要な
ことであるということは言うまでもないことであります。このため、子どもの数が減少
しているにもかかわらず、しかし依然、全体としては加入者数は増えておるわけであり
まして、それはどういった要因なのか、あるいは私立学校を取り巻く環境の変化とか、
今後の学生数の動向とか、あるいは学校法人の経営動向等の分析をしてみようというこ
とになりまして、外部のシンクタンクに委託しまして今調査をしているところでありま
す。
　こういった調査結果を次期財政再計算時における掛金率の検討等にも反映させていき
たいと思います。

○渡辺委員
　その調査結果はいつごろ出るんですか。

○西澤私学共済室長
　一応、年度末を考えております。

○渡辺委員
　はい。

○堀部会長
　では、ほかにいかがでしょうか。近藤委員、お願いします。

○近藤委員
　先程の地共済もちょっと気になったんですが、19ページの収支比率が賃金上昇、物価
上昇率はいいんですけれども、運用率利回りが2.99％ということでこの結果で74.3とい
う非常に悪い形に出てきているんですけれども、例えばなんですけれども、賃金上昇率
と物価上昇率とか利回りが財政再計算のときの推計のこの数字と一緒だったら大体どん
な数字になるのかという仮定の計算をやっていませんか。状況が変わるとバラバラ変
わって、良くなったか、悪くなったか、前のときの推計のその他の給付費だとか、基礎
年金、その他の数値が、一体これが正しかったのかどうかわからないんですね。出来れ
ば、何かメジャーをつくらないと、これだけでこうなってしまいますよというのではわ
からないので。

○堂前共済事業団数理統計室長
　ここの部分では、種々のものがそれぞれ異なっておりますので、これの中で右から３
番目にございます(10)の運用収入が一番影響を与えているので、将来見通しの1,175 億
円が実績の875 億円並みだということになりますと、将来見通しの方が72.9になるとい
う、そちらをやってみましたけれども、逆の方をやっておりません。
　いずれにせよ、ここは非常に大きくなってございますけれども、ただ、これは例の制
度改正のところで平成12年度の定額単価等の引き上げによりまして、分子の支出が増加
したという、その要因があるかと思います。

○近藤委員
　次のときでもいいんですけれども、事務局の方でちょっと動かしてみて、どう違って
いるか、今みたいな推計の逆の方向もあるのかもしれませんので、何か考えるようによ
ろしくお願いします。

○畑首席年金数理官
　ただいまのご指摘の点につきましては、私もこの数字を見て、私学共済それから地共
済はかなり再計算の見通しよりも収支比率が動いておりますので、先ほど近藤委員はメ
ジャーとおっしゃいましたけれども、どういう観点から見ると一番いいのかということ
を少し研究なり、検討をさせていただきたいと思います。

○堀部会長
　確かに、掛金収入と運用収入を比べると、かなり運用収入の割が大きいのですね。こ
こによって相当影響を受けるような感じがします。
　あとはいかがでございましょうか。

○都村部会長代理
　2002年４月から65歳以上、70歳未満の在職老齢年金が適用されて、保険料が徴収され
ていますね。それで、私学の場合はかつて70歳定年であったのが65歳に切り換えてきて
いるところも近年増えてはいるのですけれども、まだ依然として70歳定年という大学が
多いと思われます。加入者数がどのくらい増加するかという推計はされているのでしょ
うか。コーホートで推計しているのでしょうか。

○堂前共済事業団数理統計室長
　65歳みなし退職が70歳みなし退職になる場合に将来見通し上でどの程度見込んでいる
かというと、１万8,000 人ばかり見込んでおります。ただ、最近の傾向を見ますと、や
やそれが減るかなと。１万8,000 人まで70歳みなし退職をやるのに増加しないかなと。
ちょっと減るとは思いますけれども、細かくいいますと１万8,334 人を見込んでござい
ます。

○都村部会長代理
　先ほどの渡辺委員の加入者の将来数にもかかわるのですけれども、去年の入試で私大
の３割が定員割れをしたということですね。そういう場合に学部を閉鎖するとか、募集
を停止するとかいうところも出てきているということで、やはり私大をめぐる環境は厳
しくなっています。今までは保険料率も他の共済に比べて非常に低かったわけですけれ
ども、大学教員もリストラされる時代になってきたと思うのです。そうしますと、将来
の組合員数に変動のある可能性があるので、かなり大きな組合員数の変動があればそれ
が将来の保険料率にも影響するのではないかと思います。私大の志願者数の状況はかな
り注意する必要があるのではないかと思います。

○堀部会長
　それは前回も都村委員から発言があったかと思います。よろしいでしょうか。
　それでは、時間もまいっておりますので、私立学校教職員共済のご報告を終わりにし
たいと思います。どうもありがとうございました。

議題２．その他
○堀部会長
　それでは、前回の部会で厚生年金保険、国民年金の財政状況について報告を受けた際
に、委員からご指摘のあった点に関して事務局から報告する事項がありますので、よろ
しくお願いいたします。

○坂本数理課長
　資料４でございます。前回の部会で栗林委員から要請のありました、物価スライドを
平成12年度に凍結したわけでございますが、もしマイナス物価スライドを実施していた
らどれくらい給付費が減ったかというご質問だったわけでございますが、それに関しま
しての資料をつくらせていただきました。
　平成12年度は決算数字をもとに推計いたしたものでございます。それから、13年度、
14年度は予算数値でございますが、それぞれの物価スライドを凍結した場合に、単年度
に与える影響がどれくらいあるかということを試算したものでございます。
　12年度は0.3 ％の下落ということで、単年度の影響としましては800 億円、国庫負担
への影響は100 億円、13年度は2,700 億円、国庫負担への影響額は500 億円、14年度は
4,800 億円、このような結果となっております。以上でございます。

○堀部会長
　ありがとうございました。この説明でよろしいでしょうか。

○栗林委員
　ありがとうございます。

○堀部会長
　以上で、平成12年度の財政状況についての報告聴取がすべて終わりました。
　次に、平成13年度以降の報告事項に関しまして、前回までの部会で幾つかの検討事項
が出されております。各委員からいただいたご意見を踏まえて、事務局で検討及び調整
の上、考え方を報告することとしていました。これにつきまして、事務局から報告をお
願いいたします。

○　畑首席年金数理官
　お手元の資料５についてご説明をさせていただきます。
　ただいま部会長からもございましたように、前回までのこの部会におきまして、各制
度から報告を求める事項に関しましてさまざまな検討事項につきましてご意見をちょう
だいいたしております。その対応につきまして考え方を整理させていただいたものでご
ざいます。
　１番目でございますが、先ほどもちょっとご議論がございましたけれども、平均年金
額の表示といいますか、問題でございます。（１）のところでございますけれども、今
回の報告でも老齢あるいは退職年金の老齢相当、退年相当の平均年月額につきましては
<1>で特別支給の老齢厚生あるいは退職共済年金がございます。それから、<2>はいわゆ
る本来支給と申しておりますが、65歳から支給されるものでございますけれども、老齢
厚生年金あるいは退職共済年金、それから<3>で昭和61年３月以前の旧法の老齢退職年
金、こういったものの平均値になってございます。これは、それぞれ給付体系につきま
しての考え方が異なっておりまして、そういった３種類の年金が混在しております。非
常にわかりにくいということがございます。それらを何かクリアに表示できないのかと
いうご指摘でございます。
　（２）でございますけれども、さらに平成13年度からは特別支給の老齢厚生年金ある
いは退職共済年金につきましては、定額部分につきまして徐々に支給開始年齢が段階的
に引き上げられていくと、だんだん年金額が60歳前半で年次を過ぎるごとに薄くなって
いくという問題でございます。そういったことに対応した姿をどうやってクリアにする
のかという問題でございます。これらの対応につきましては、考え方でございますけれ
ども、右の方でございますが、こういった３種類の年金に分離して明示する、それから
特に60歳台前半の特別支給分につきましては、各歳別に明示する方向で13年度報告から
対応していただけるという方向で、関係各省とも調整させていただきましてご了解をい
ただいているところでございます。
　それから、少なくとも先ほど私が申し上げました特別支給の老齢厚生あるいは退職共
済年金あるいは<2>の本来支給の老齢厚生年金あるいは退職共済年金につきましては、報
酬比例部分とそれから定額部分といったような、ややブレークダウンした給付区分別に
も明示するといった方向で調整をさせていただきました。
　それから、２番目の総報酬関係のデータにつきましては、平成15年度から総報酬制に
移行するわけでございますが、そういったことに対応する必要があるというご指摘でご
ざいます。この考え方につきましては、15年度分から総報酬の総額でございますとか、
被保険者一人当たりの総報酬額につきまして、報告を受けるということで調整させてい
ただいております。なお、標準報酬総額につきましても、従来どおり引き続き報告を受
けるということでございます。
　それから、３番目、職域部分を除いた財政指標でございます。これは共済年金につき
ましては、昭和60年改正に伴いまして３階部分が設けられたわけでございますが、厚生
年金と比較するためにそういった３階の職域部分を除いた財政指標を作成する必要があ
るというご指摘でございます。この点につきましては、保険料収入でございますとか、
あるいは積立金でございますとか、こういったものは法律上も１階部分、２階部分、３
階部分に特段明定して分けているわけではございません。したがって、これを分離する
ことは非常に難しいわけでございますので、収支比率とか積立比率というのはそういっ
た職域部分を除いて作成するというのはなかなか難しい、困難であろうかと思います
が、総合費用率でございますとか、独自給付費用率につきましては、これは基本的に給
付の部分をどうやって仕分けするかという問題でございますので、この点については平
成13年度報告から関係各省とも対応していただけると、このようなご回答をいただいて
おりますので、そのような方向で進めさせていただきたいと思います。具体的には、職
域部分を除きました、そういった給付費を推計する統一的な方法といたしまして、現
在、旧三公社共済組合の統合に伴いまして支援措置がございます。その際に用いられて
おります厚生年金相当給付費の算定方法がございますので、これを活用することとさせ
ていただきたいと考えております。
　それから、４番でございますけれども、再計算における将来見通しとの比較で、
（１）は、一つは再計算の初期値設定年度。例えば、厚生年金で申し上げますと11年再
計算では詳細なデータを基礎データとするために、11年再計算は８年度末を初期値設定
年度といたしております。そして、将来見通しの数値は12年度から公表いたしておりま
すが、そういった間における設定方法でございますと、いずれにしても推計なりをして
いるわけでございますけれども、そういった状況をクリアにできないかという問題、そ
れから（２）では脱退率や失権率などの基礎率につきまして、先ほども少しご議論がご
ざいましたけれども、将来見通しの作成に使った数字と実績との比較方法を何か工夫す
る必要があるのではないかというご指摘がございました。
　それに対しては、５番目の年金扶養比率につきまして現在老齢年金の受給者を何人の
被保険者で支えるかという、そういった観点からの年金扶養比率をつくっているわけで
ございますけれども、それをさらに遺族年金とか、障害年金をも考慮する指標について
も検討する必要があるのではないかというご指摘もございました。この４と５につきま
しては、次回の財政検証のあり方の審議、このご審議は当初第１回目でお決めいただき
ましたように、秋以降ということになりますけれども、それにかかわる検討事項でござ
いますので、なお今後引き続き、私ども事務局で検討させていただきまして、その結果
がまとまればまたお諮りしたいと思っております。以上でございます。

○堀部会長
　今まで委員からご意見がありましたことについての事務局の検討結果であります。ま
だ検討中というものもありますけれども、これについて何かご意見がありましたらよろ
しくお願いいたします。

○田村委員
　大体、私はこれで結構だと思うのですけれども、これまでヒアリングしてきた結果、
少し気になったところがありますので、その点も含めて考えていただきたい点がありま
す。それは何かというと、きょう聞いた、例えば国共済では新規裁定と失権の見通しが
出ていないのですね。ほかの制度は全部出ているということで、同じベースで比べると
いうことが必要になってまいりますので、ぜひほかの制度と同じようなデータを揃える
ようにしていただきたいということが１点ですね。
　そういう意味では、積立金の問題もそうなので、時価ベースで出ているところと出な
いところがありますので、なるだけ早めにそういうものを揃えるようにしていただきた
いということですね。その２点だけお願いしたいと思います。

○堀部会長
　はい、渡辺委員。

○渡辺委員
　細かいことで、さっきの平均月額のところでこの分け方でいいと思うんですが、細か
いといったのは経過的加算があるでしょう。これはどっちにカウントするんでしょう
か。

○畑首席年金数理官
　ただいまのご指摘の経過的加算の部分につきましては、 <2>の本来支給の老齢厚生年
金あるいは退職共済年金でございますが、この部分が今渡辺委員がおっしゃいましたよ
うに、引き続き支給され、最終的にはなくなる性格のものでございますけれども、この
部分につきましては対応についての考え方の「また」以降のところで、報酬比例部分の
ほかに「定額」と書いてございますが、この「定額」のところに経過的加算も表示する
というような形で、また表現等は少し工夫をあるいはさせていただきたいと思います
が、概念的にはこの部分に入れるということで考えております。
　いずれにしましても、定額部分という形で明確にあるのは60歳台前半層の特別支給の
部分でございますけれども、65歳以降につきましては、報酬比例のほかにそういった部
分がございますので、それを少し区分してお示しできるようにということで、関係各省
とは調整させていただいたということでございます。

○堀部会長
　先ほどの田村委員のお考えに対しては何かありますか。

○畑首席年金数理官
　田村委員の関係のものにつきましては、これはまた関係各省とも調整なり相談をさせ
ていただきたいと思いますが、基本的にはまず将来推計の部分につきましては、そう
いった推計結果を取り出すためのいわば結果表をシステムの中に織り込んでつくらない
といけないという問題がありますので、既に公表されている11年再計算結果につきまし
ては、改めてそれができるかどうかというのは、技術的にまださらに追加の作業になり
ますので、一つの考え方としては次の再計算に向けて、そういうことを準備していただ
くという考え方もあろうかと思います。いずれにいたしましても、その辺をどの程度、
いつの時点で可能か、今後関係各省とも相談なり、調整をさせていただいて、また結果
がまとまればご報告させていただきたいと考えております。

○堀部会長
　ほかにいかがでしょうか。

○田村委員
　追加で。それから、もう一つ、積立金の運用の問題で、先ほど時価の問題を申し上げ
ましたけれども、実は利回りがさっきから問題になりましたね。時価ベースなのか、簿
価ベースなのかということ、それはどちらにするか、両方書くかですね。そうしないと
議論がかみ合わない可能性がありますので、その辺、調整していただきたいなという感
じがします。

○畑首席年金数理官
　答弁漏れで申しわけありませんでしたが、その点につきましてもどのようなことが可
能なのか。先ほど、特に、総務省の方からは地共済について13年度はいろいろ実態を調
べられて、14年度から対応するようなお話もございましたので、若干、その辺時間がか
かる部分もあるかもしれませんけれども、どこまで可能なのか、なお調整させていただ
きたいと思います。

○堀部会長
　よろしいでしょうか。
　それでは、時間も過ぎておりますので、きょうの検討はこれくらいにしたいと思いま
す。次回の日程等について、事務局からよろしくお願いします。

○畑首席年金数理官
　次回は、第６回になりますけれども、具体的な日程につきましては事務局の方からま
た各委員のご都合をお伺いいたしまして、日程を調整させていただきたいと思います。
その後、正式な開催のご案内をお送り申し上げますので、どうぞよろしくお願い申し上
げます。以上でございます。

閉会
○堀部会長
　それでは、これで終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－了－


（照会先）
　厚生労働省年金局総務課首席年金数理官室
　（代）03-5253-1111（内線3382）