02/04/24 薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会 平成14年4月24日議事録        薬事・食品衛生審議会 一般用医薬品部会 議事録 1.日時及び場所   平成14年4月24日(水) 10:00〜   医薬品医療機器審査センター第2会議室 2.出席委員(12名)五十音順   ○石 橋 康 正、 板 倉 ゆか子、 荻 原 幸 夫、◎木 下 眞 男、    中 島 秀 和、 西 島 英 利、 野 中   博、 松 木 則 夫、    望 月 眞 弓、 桃 井 真理子、 盛 田 捷 幸、 山 本 信 夫  (注) ◎部会長 ○部会長代理    他 参考人1名   欠席委員(4名)五十音順    小 嶋 茂 雄、 小宮山 貴 子、 首 藤 紘 一、 山 元   弘 3.行政機関出席者   鶴 田 康 則(大臣官房審議官)、    池 谷 壮 一(審査管理課長)、   豊 島   聰(医薬品医療機器審査センター長)  他 4.備  考   本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。 ○審査管理課長 それでは定刻になりましたので、ただいまから一般用医薬品部会を開 催させていただきます。現在のところ当部会委員数16名中11名の御出席をいただいて おります。後ほど石橋先生がいらっしゃって12名になる予定でございまして、定足数に 達しております。本日は委員の先生方には大変お忙しい中お集まりいただきまして、誠 にありがとうございます。審議品目の関係で専門委員としてお越しいただいている先生 がおられますので、御紹介させていただきます。議題1の眼科用薬の件で、帝京大学医 学部教授の久保田先生にお越しいただいております。お忙しいところ、誠にありがとう ございます。では鶴田審議官よりごあいさつさせていただきます。 ○審議官 医薬担当審議官の鶴田でございます。本日は御多忙の中御出席いただきまし て、どうもありがとうございます。委員の皆様方には日ごろより医薬安全行政について、 御理解と御協力を頂いておりますことにつきまして、この席をおかりして重ねてお礼を 申し上げたいと思います。  近年国民の健康に対する意識が高まってきておりまして、医薬品の有効性、安全性に ついては国民の関心が非常に高くなってきているわけでございます。同時に少子高齢化 や科学技術の進歩、医薬品などの国際流通の進展など、この行政を取り巻く環境も大き く変わりつつあります。こうした環境の変化に対応し、更なる医薬安全行政を的確に進 めるために、現在薬事法の一部改正の法律案を国会に提出しておりまして、連休明けか ら本格的に参議院で審議される運びとなっているわけでございます。  今回の改正は四点ございまして、一点目は医療機器に関する安全対策の抜本的な見直 しを行うこと。二点目はこの21世紀がバイオ・ゲノムの世紀になるだろうということか ら、これに対する安全対策の充実強化。また、市販後の安全対策を充実強化するととも に、承認許可制度の見直しも行っているわけでございます。この承認許可制度の見直し につきましては、欧米では既に販売承認制度に移行しておりまして、そういった意味で はその整合性を図るとともに、市販後安全対策を一層充実強化していきたいということ で、この制度への再構築を行いたいと考えているわけでございます。こうした薬事制度 の見直しの中で、一般用医薬品の位置付けや役割を明確にすることも必要でありますし、 国民の健康増進のために更に努力したいと考えております。  本日は新一般用医薬品等についての審議をしていただくという予定になっておりまし て、委員の皆様におかれましては薬事・食品衛生審議会における国民の厚い期待にこた えるべく、それぞれの専門分野における最新の科学的知見や皆様方の豊かな御経験を活 用していただきまして、厳正な御審議をお願いしたいと思います。これをもちまして私 のあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○審査管理課長 ありがとうございました。それでは委員の改選がございましたので、 御紹介させていただきます。本日都合により御出席されていませんが、大阪大学大学院 薬学研究科教授の山元先生、それから国立医薬品食品衛生研究所長の長尾先生が新たな 委員ということになります。それでは木下部会長、以後の議事進行をよろしくお願いい たします。 ○木下部会長  それでは本日の議題に入りたいと思います。まず事務局から配付資料の 確認をお願いいたします。 ○事務局 本日の資料といたしましては、事前に先生方に資料1〜19を送付させていた だいております。それから本日お手元の方に配付させていただきました資料としまして は、ホチキスで3枚ほど留めさせていただいておりますが、議事次第、座席表、それか らこの一般用医薬品部会の名簿でございます。  事前に送付させていただきました資料としましては、資料1のマイティア消炎目薬、 資料2のスコルバダッシュ、資料3のスコルバダッシュクリーム、資料4のアトラント エースクリーム、資料5のラミシックスクリーム、資料6のトークール、資料7のカコ ナールII、資料8の住友胃腸薬チェロ、資料9のハルンケア内服液、資料10のラマスト ンパウダー、資料11のプロアリシンEX「1.0%テープ」、資料12のSTジェル、資料 13のサラテクトDA、資料14のアースレッドF、資料15のゴキジェットDA、資料16 のバイゴンマスター、資料17のアース殺菌ファンNK30、資料18のアースノーマット NK30、資料19の一般用鼻炎用内服薬製造(輸入)承認基準について、以上でございます。 ○木下部会長 ありがとうございました。それでは審議事項から入りたいと思います。 議題1の「医薬品マイティア消炎目薬、マイティアPF、マイティアニフランの製造承 認の可否について」、まず事務局からどうぞ。 ○事務局 それでは審査センターの方から概要を御説明申し上げます。資料1でござい ます。最初にお断り申し上げますが、先生方のお手元に本日御審議いただく品目のサン プルを置かせていただきました。まだ仮のサンプルでございまして、一部はまだ医療用 のものしかないということで、みずむしの薬など医療用のものが配られているものもご ざいますけれども、御了承いただければと思います。  それでは資料1のマイティアについて御説明申し上げます。マイティア消炎目薬ほか 2品目につきましては、千寿製薬株式会社より申請のありました眼の炎症に使用するス イッチOTCの目薬でございまして、有効成分として非ステロイド性消炎鎮痛薬である プラノプロフェンを医療用の半分である0.05%含有するものでございます。プラノプロ フェンにつきましては、本邦では医療用として1981年に内服薬が承認されておりまし て、1988年にはプラノプロフェンを0.1%含有する点眼薬「ニフラン点眼液」が、「外 眼部及び前眼部の炎症性疾患の対症療法(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎、 前眼部ブドウ膜炎、術後炎症)」を効能・効果に承認されております。ニフラン点眼液の 再審査結果については1996年3月に公表されておりまして、効能・効果、用法・用量に 変更はございませんでした。  本品は濃度が医療用の半分という形にされておりますけれども、この点につきまして は今回のOTC製剤は外部炎症を適応としているのに対しまして、医療用はこの外部炎 症に加えまして、ブドウ膜炎等の前眼部炎症も適応症にしていること、また、急性結膜 炎モデルでの試験で、OTCの目薬に既に使用されておりますグリチルリチン酸2カリ ウム、アズレンスルホン酸ナトリウムとの比較において同等以上の抗炎症作用を示しま したことから、半分の濃度で開発が進められたものでございます。  まず規格及び安定性につきましては、当初本剤の安定性について若干問題があったと いうこともありまして、途中から□□□□□□□□□□□□□□□□□□を加える処方 変更を行い改善が図られております。なお、旧処方と今回の申請処方との生物学的同等 性につきましては、外眼部炎症モデルでの検討がなされ、同等性が示されております  毒性につきましては、旧処方での4週間反復点眼毒性試験と申請処方での短期頻回投 与による眼刺激性試験が実施されておりますが、問題は認められておりません。  薬理試験につきましては、医療用申請時の試験結果がまとめられております。  臨床試験といたしましては、新たに二重盲検比較試験と一般臨床試験が実施されてお ります。二重盲検比較試験におきましては、中等度以下の外眼部炎症性疾患の患者を対 象に塩化リゾチーム点眼液を対照薬として14日間投与で実施され、有効性につきまして は、有効以上で本品群65.5%(36/55)、対照群74.5%(41/55)、やや有効以上で見ますと、 それぞれ85.5%(47/55)、83.6%(46/55)で、やや有効以上で同等性が認められたところ でございます。概括重症度のスコア推移につきましては、両群とも経時的な改善効果が 認められ、特に3日目のスコアでは本剤群4.5、対照群6.2と、本剤群で有意な改善を 認めたところでございます。副作用につきましては、対照群で軽度の点眼時の疼痛が認 められたのみでございました。  一般臨床試験では比較試験において症例の少なかった角膜炎等の患者20例で実施さ れておりまして、角膜炎12例ではすべて著効でございました。副作用は接触性皮膚炎1 例が認められましたが、処置により3日で改善しております。  以上の結果から、本剤の効能・効果は「目の次の症状の緩和:なみだ目、目のかゆみ、 異物感(コロコロ・チクチクする感じ)、結膜充血、目やにの多いときの目のかすみ」と し、用法・用量は「1回1〜2滴、1日4回点眼する」と設定されました。  また、使用上の注意につきましても、一般用医薬品調査会及び専門協議の結果も踏ま えまして、3日間使用しても症状がよくならない場合は直ちに使用を中止し、医師、薬 剤師に相談することや、小児への使用に関する記載、副作用等についても記載の整備を 行ったところでございます。  以上の結果から、審査センターでは本品を承認して差し支えないと判断し、また本部 会において審議されることが適当と判断いたしました。なお、市販後少なくとも3年間 の安全性等に関する市販後調査を実施するとの条件を付すことが適当であると判断して おります。御審議のほどよろしくお願いいたします。 ── 石橋部会長代理着席 ── ○木下部会長 ありがとうございました。ただいまの内容につきまして、先生方から御 意見又は御質問ございますでしょうか。それでは久保田先生、ちょっと御説明いただけ れば有り難いのですが。 ○久保田専門委員 審査のときからも時々参加しておりましたが、特に問題になるのは 視力と関係のある疾患につけるのがまずいということで、目のかすみについて緑内障な どが入らないようにしたことなどです。ニフランは臨床でも使っていて余り副作用もな い薬なので、大丈夫ではないかということで納得しております。 ○木下部会長 そういうお話でございますが、先生方から何かございますか。どうぞ。 ○中島委員 先ほどの安定性試験のことでちょっとお聞きしたいのですが、資料の23ペ ージの安定性試験のところで、こういう状態で試験をしているわけですね。いわゆる外 箱、中のフィルム、それから直接の容器を全部包んだ状態、こういう形で安定試験をや っているわけですね。そうではないのですか。 ○木下部会長 今のはどうですか。 ○事務局 先生御指摘のとおりでございます。 ○中島委員 そうですね。そうすると、ここの中でのいろいろな水分の透過性などを見 ていると、いわゆる容器のポリエチレンテレフタレートの水蒸気透過性が大きいので、 もう一枚フィルムを付けるというような書き方がしてありますね。水蒸気の透過を抑制 するという意味で、更に安全にするということからですかね。そういう形ですと、直接 の容器の中に載せられて、直接の容器そのものでの水分の透過性はどの程度になってい るかというのはやっておられるのですか。 ○木下部会長 今の御質問に関して、いかがでしょうか。 ○事務局 それはちょっとやっていないと思いますが。 ○中島委員 そうですね。そうすると、この二重包装によって水蒸気の透過性が保たれ ているという状況で、一般の方がこれを購入した後箱を開けますね。その後、中のプラ スチックあるいはポリエチレンの…、これはセロファンのラミネートか何かちょっと材 質が分からないのですが、それを破ってしまった後で、そういう箱のままの状態でいわ ゆる家庭薬として常備薬に入れたり、いろいろなことをして保存をするわけでしょう。 一度使ったらできるだけ早く使ってくださいということは書いてありますが、一般に消 費者というのは救急箱に入れてそのままで置いているわけで、そのときにその中のフィ ルムはもう全然ないわけですね。そういう状況で3年間保存をされたとした場合果たし て…、一般の消費者の方がそこまで認識しなければならないと言われればそうなのです が、そこまでする人がいないのです。いわゆる使用期限を見て、これだったらいけるな という形でお使いになる。そのときに水蒸気の透過が多くて…、というのはこのデータ を見ていると□□□□□%ぐらいまで行っているところがありますよね。その透過が多 くなって刺激が強くなったり、あるいは消炎の濃度が濃くなる可能性が出てきますから、 その辺の予防策として一つフィルムを付けた場合には…、そのフィルムは全然なくなり ますから、直接の容器そのもので透過性があり、これらにしていただけたらと思うので す。このメーカーは前から二つを一緒にしてという実績があると書かれているので、そ の辺がちょっと気になるのですが、それはどのように解釈したらいいでしょうか。 ○木下部会長 今の件について、どうですか。 ○事務局 そこはこのものだけということでもございませんし、ちょっと申請者の方に どういう状況なのか確認させてもらいます。 ○中島委員 それを是非お願いしたことと、またこれはちょっと外れますが、一般のこ ういうような包装を試験するときに、いわゆる直接の容器のままで安定性を試験しない で、箱のままでやるというケースが医療用であっても何でもやはりあるのですか。 ○木下部会長 これまでのほかのデータでどうですか。何かそれなりのガイドラインは …。 ○事務局 これはガイドラインでは普通は…、ちょっと確認します。 ○中島委員 一つこれで考えてみると、そういうようなものでも物によっては中でメタ ルパック、ピロパックをしている場合がありますが、そこで水蒸気透過性あるいはガス 透過性や遮光などをやっておきながら、それを破ってPTPだけの散剤や錠剤という状 況で、果たして室温で保存して3年間有効であるということが保証できるのかというこ とが、こういう包装の仕方でやっているとほかの医薬品でも多少疑問に思うのです。そ れが医療用やその他のものでそういうことに共通してガイドラインがあってやっている のかどうか、その辺だけちょっと確認をお願いしておきたいと思います。 ○木下部会長 何か資料はありますか。 ○事務局 そこは今ちょっとガイドラインを確認しますので、後でお答え申し上げます。 ○木下部会長 今探しているようですから、ほかに何か問題点はございますか。どうぞ。 ○望月委員 適応の中の「目やにの多いときの目のかすみ」という点なのですが、全体 で見ると塩化リゾチームの点眼剤に比べてそう大きな差はないという結果になっており ますけれども、資料の50ページの「表ト-9-1」の方で例えば目やにのところを見ます と、これは一応3日目で効果がなかったら医師の元を受診することを促しているという 添付文書になっておりますが、3日目のところで見ますと半分ぐらいにしか効果がない ということ。それから7日目で見てもそれほど効果がなく、例数もかなり少ない形にな っています。さらにかすみ目の下から二つ目の「霧視」のところですが、非常に例数が 少なく、しかも30〜40%の間の有効率という形になっています。もしかしたら「羞明」 というのも患者さんはかすみ目にとるかもしれないと見ますと、上から二つ目の「羞明」 のところも同様に30〜40%しか効果が出ていません。例数が少なくこの程度の効果しか 確認されていないときに、「効能・効果」のところに「目やにの多いときの目のかすみ」 というのを入れた場合に、3日目ではほとんどの方が余り効果が得られないという形に なってしまうのではないかと思います。「効能・効果」としてそれを入れるかどうかに ついて、どういうふうにお考えなのかをお聞きしたいと思います。 ○木下部会長 今の御質問はどうでしょうか。それではその間にもう一つ何かございま したら、どうぞ。調べておいていただく間に御質問をしていただいて…。板倉先生、何 かありますか。 ○板倉委員 一応目薬全般ということでこの商品に限りませんが、割合目が悪いときに 使う薬ということで、例えば容器をパッとつかんだときに、誤使用される方というのが 私どもの場合情報としては結構多いのです。そういったところで、形のところで間違え ないような工夫はされているのでしょうけれども、例えばもう少しつかんだときの手触 りのような部分でこれは目薬であるとか何かそういう工夫をしていただけると、つかん だときにこれは目薬だということが確認できるのではないかと。特に目が悪いときにさ すということを考えると、見えなくてもちょっと持ったときの感じである程度判断がで きるというようなことがあれば、みずむし薬を目にさすというようなことはなくなるの ではないかということが一点あります。  それから先ほどの中島先生御指摘の部分ですが、こういうものというのは多分紙の方 は湿気を通しやすいので余り影響がないのだろうと思うのですけれども、例えば少なく とも開封するまでこのままの状態で置いておいた方がいいということであれば、取りあ えずはこの袋の外側のところに理由と保存方法についてきちんと書くというようなこと で、対処していただくということも考えていただければ有り難いと思います。 ○久保田専門委員 よろしいですか。今のお話でお願いなのですが、私どもではみずむ し薬を誤用して点眼して角膜障害が起こる症例がかなり多いのですが、やはりこの容器 と、それから目が悪い人に「目に入れないこと」というのは非常に小さいのです。お年 寄りなどは老眼鏡をかけなければ見えませんし、非常に危ないのです。今日拝見したラ ミシックスの方のように押さなければ出ないというのですと、こうやってさせないと思 うのですが、これだと本当に目薬と同じように出てきてしまうのです。容器と言いまし ても、薬の種類によって非常にたくさんの容器が臨床でもありますから、容器ではちょ っと無理だと思うのです。ですから、やはり目薬のように出ないということと、もっと 大きく書くということをお願いしたいと思うのですが。 ○木下部会長 どうぞ。 ○安全対策課長 安全対策課でございますけれども、今御指摘いただきました使用の安 全に関する部分の御指摘ですが、私どもも消費者の立場、患者の立場から見て大変重要 な問題であり、また医療全体の問題とも考えております。先般まとまりました医療の安 全検討会の報告に基づき、例えば表示の問題、容器の問題についても改めまして、具体 的な行動計画のような形で検討したいと思っております。象徴的に一般薬は確かに重要 なのですが、同じく医療用でも例えば注射用のバイアルでどうしても製造行程から凍結 乾燥で造らなければできないような製品があって、それを誤って注射してしまうとか幾 つか指摘がございまして、系統的に対応していきたいと、このように作業を進めている ところでございます。今日頂きました御意見も併せて検討の対象とさせていただきます。  それから取り急ぎでございますが、「目に入れないこと」については朱書きで大きく というようなことを現在指導しておりまして、従来とはそこの部分が違っているわけで ございますけれども、それはそれとして気を付けます。ありがとうございました。 ○木下部会長 点眼薬についてもそういう安全性の検討をこれから行うというお話です ね。どうぞ。 ○桃井委員 私は小児科で眼科は十分には分からないのですが、これは箱を見ますと当 然商業的には花粉症対応なのだろうと思うのですけれども、「花粉症」ということが一 番最初に出ているのです。この中を見ないと「3日くらい使用しても改善されない場合」、 「2週間を超えて使用する場合」という注意書きが分からないのですが、大体花粉症は 3日使用しても治りませんし、2週間以上は使います。そうすると、買ってもこれでは 駄目かということになるわけで、ほとんどの方はこれで花粉症に対応できないと思うの です。花粉症のこういう目薬が莫大な市場であることは十分承知しているのですが、中 を見ないと3日で駄目かということが分からないのは余り良心的ではないと思うので す。もちろん対面で薬剤師と相談するのですが、箱を見ますと花粉症によって云々とい うことですので、花粉症治療薬ではないということが一般の方に分かるようなことが必 要なのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 ○木下部会長 久保田先生、何かございますか。 ○久保田専門委員 これは花粉症の混合感染で結膜の炎症がひどいときにという意味で 書いてあるのです。ですから花粉症の薬ではないので、そういう意味ではこの表面に「花 粉症」と書いてあるのは、かゆみとかそういうものには余り良くないとは思います。た だ、花粉症の薬だけだと混合感染の炎症がなかなか取れないので、そういうときには2、 3日いいのではないかと思いますが。 ○木下部会長 取りあえず2、3日使うというだけで…。 ○久保田専門委員 ですから、花粉症の薬をつけていても目やにが非常に多かった場合 などに効果があるというふうには伺いますけれども、ただ、私も最初から「目のかすみ」 は非常に外したい項目なのです。視力障害でつけられると非常に危ないのですが、ただ コンタクトの角膜障害などは2、3日で治りますから、そういうものや目やになどでか すんでということでつけたいようなものだったので、「(目やにの多いときなど)」を括 弧内に付けて一応了承したのですけれども、「目のかすみ」というのは余り眼科として はつけるのは危ないなという感じはあるのです。 ○木下部会長 この箱書きはもう少し工夫した方がいいという御意見があるかと思いま すが、その点はどうなのでしょうか。何が見つかりましたか。 ○事務局 先ほどの「目やにの多いときの目のかすみ」のところですが、これは概要の 72ページの上から3、4行目にもありますように、この設定根拠は眼脂と霧視を両方併 せてということでして、確かに霧視の方は30数%で5例ぐらいしかないのですが、眼脂 の方は例数的には11例ぐらいではございますけれども、一応50%ぐらいという有効率 になっておりまして、それを併せてということで設定したところでございます。 ○木下部会長 今の御回答はいかがですか。 ○望月委員 私としてはやはりこのデータだけでは、「効能・効果」のところにこうい う記述は本当はできないだろうと判断せざるを得ないと思います。 ○木下部会長 メーカーの方に指導するような形で、どのような御要望がございますで しょうか。 ○望月委員 せっかく再審査が終わっておりますので、そのときの資料で結膜炎や角膜 炎などそういった疾患名での分析以外で、こういった形での分析の結果がもしおありに なるようでしたら、そのデータを示していただけたらその解釈はきちんとできるかなと 思います。 ○木下部会長 何かありますか。今ここに出ていない資料というのはまだあるかという ことです。 ○事務局 それではそこを確認してみまして、もう少し効能・効果で適当に説明がつく のであれば、先生方にまた資料をお送りさせていただきます。やはりどうしてもはっき りしないようであれば、そこはまた少し検討させていただきたいと思います。 ○木下部会長 そうですね。それは大事なことですから。ガイドラインのようなものは 見つかりましたか。 ○事務局 事務局から御説明させていただきます。目薬の容器の基準といたしまして、 「点眼剤用プラスチック容器の規格及び試験法について」というものが通知されてござ いまして、一般用、医療用を含めて、点眼薬のプラスチック容器に適用される基準でご ざいます。それによりますと、水蒸気透過性といたしまして、日本薬局方に定められて おります「プラスチック製医薬品容器試験法」に基づいて試験をした場合に、水分の減 量が0.20%以下という基準になっております。試験の条件は湿度65%、温度20℃で14 日間置いたときに0.20%以下の減量というのが基準でございます。この基準は一般的に プラスチック製の点眼剤の容器に適用されておりまして、一般にはこの基準で問題ない ということでございます。ですから本品につきましても、容器についてはこの基準を満 たすということになっておりますので、一般的には安定性にさほど問題はないだろうと。 ただ、申請者の方でより性能を高めるという意味で、水蒸気の透過性の低いプラスチッ クのフィルムをかぶせましたという説明でございます。以上でございます。 ○木下部会長 先生方、いかがでしょうか。 ○中島委員 それは例えばこれで行くとこういう状況でOKということですね。この外 の包装を取ってしまったときの実験データではないわけでしょう。これのデータが出て いるわけですね。これにあと外箱…、外箱は水蒸気透過性やその辺は全く関係ないけれ ども、これに包装をしていなかったらこれで実測されるわけですね。もう一つ、それで はなくいわゆる全部裸にしてしまった最後の容器が目薬の場合はこういう形である、あ るいは錠剤やカプセルなどでも最後はPTPとかそういうものになっている。そういう ものの試験のガイドラインとして、どういう形のものをやっているかということなので す。これを全部入れたものでやっているのか、あるいは100錠、500錠を入れたものを そのままでやっているのか。そうではなく、やはり基本的にはPTP包装の錠剤であれ ばそこの部分でどうであるかということでないと、そこまでばらしているわけですから、 それは医療用であれ一般用であれそこまで考えないといけない。特に一般用の場合、こ れを破ってしまってそのままの状態でたんすに入れられたりいろいろなことをするわけ でしょう。果たしてこれでどこまで行くのかということの試験が全然なされていなくて、 完全に包装された状態でなされているということ、その部分をちょっと疑問に思ってい るわけなのです。もしそれをやっておられなかったら、これだけを話しているとちょっ と具合が悪いので、また後ほどでも結構ですが…。 ○木下部会長 いや、大事なことですから…。どうぞ。 ○盛田委員 今の件なのですが、例えば今の点眼薬はここに使用期限が載っているわけ ですね。この使用期限は箱のままという意味でやはり正しいと思うのですが、ここにま た使用期限が載りますと多分消費者は開けてからもこの使用期限を目安に使う可能性が 高いわけですよね。それで実際には開封後は速やかに使用することという、その「速や か」という意味が一般的には分かりにくいわけですね。ただこれは消費者の保存方法に よって非常に格差がありますので、私も審議するときにいつも悩むのですが、例えば錠 剤の場合瓶を開封した後はどのくらいもつのかとか、先ほど言ったように開封した後P TPのままだったらどのくらいもつのかということなのです。消費者から見れば多分都 合が悪いから買うので、買った後使わないで1年も置いておくことは現実的に少ないの で、多分その日のうちに開封はすると思うのです。その後これが1か月もつのか1週間 なのかということが現実的に一番大事なのですが、ただこれは非常に回答が難しい部分 かなとは思っているのですけれども、今後いろいろ研究してやはりある程度の目安が消 費者に伝わらないと…。我々も聞かれたときに口頭で、薬の変化がない場合は2、3週 間のうちとか1か月とかという判断で、それもかなりアバウトなので自分自身もいつも 不安を持ちながらお伝えしているのです。やはり今後そういったことをやらないと、こ の有効期限自体が逆にマイナスに働く可能性があるのではないかと思って、今御指摘さ せていただきました。普段から本当にそういうふうに考えておりますので、よろしくお 願いしたいと思います。 ○木下部会長 どうぞ。 ○審査管理課長 今先生がおっしゃったとおりでありまして、こういうものは一応最終 包装形態でどのくらいもつかということで設定されていると。医療用であろうと一般用 であろうと、実際にいったん開封してしまって…、特に一般用ですと瓶を開けてしまっ たような風邪薬などが一体どのくらいもつのかというところについては、通常は買った ら短期間でお使いいただくということが原則になっているのですが、どうしてもたんす やお茶の入れ物などに入れられてしまうと。医療用も同じでありまして、そういうとこ ろは適正使用という観点からも指導しなければいけないのかなというところがあります ので、我々の方で少し検討させていただきます。 ○木下部会長 どうぞ。 ○事務局 製品自体の安定性試験につきましては、今課長から申し上げたように最終包 装形態ということですので、外側のプラスチックフィルムを付けた状態でやっておりま す。ただ先ほど申し上げたように、容器の性能としての水蒸気透過性というのが別途規 格化されておりまして、それについては別途その試験をやっておりますので、当然最低 限の規格はクリアするようになっております。ですから、プラスチックのフィルムを外 しましてもきちんと密栓をしておけば、この点眼用のプラスチック容器としての性能を 満たすということでございますので、すぐに蒸発してなくなるとかいうことはないと思 います。 ○中島委員 かなり前にいわゆるOTCの点眼薬で、この箱のままの状態で2年ぐらい 置くと3分の1ぐらい水蒸気が飛んだというような容器があったのです。それは過去の データを見ていただいたら分かるのですが、そういうメーカーがあったわけです。当然 それから先はプラスチックの改良とかいろいろ新しいものが出ていますから、今はその 辺はなくなっていますけれども、そういうことが起こらないようにするために水分透過 性の低いいろいろな容器が使われていることは承知しているのですが、このデータから 行くと二つを併せてこうだという容認がしてあるので、むしろこの上の紙は、店頭です とこの箱を開けていたずらして破って中に何か物を入れてふたをするというようなこと をやられる場合には、こういうことでやったらそういうふうにならないわけですから、 そういう意味でやっているのだったら分かりますが、水蒸気透過の一部をこれによって 補っているということであれば、そうではない形の方が結果としてはいいのではないか なという気がするわけです。ですから、先ほど盛田先生がおっしゃったように、PTP の錠剤でもいろいろなところでおかしいなという部分が出てくるのです。いわゆるメタ ルパックをしてある、なぜそのメタルパックをしているのだと、その中に100錠、200 錠、500錠と入っているけれども、それを破ってしまうとそれによって水蒸気の透過や 紫外線の透過、あるいはガスの透過というものを防いでいるのならば、その中のPTP は一体どういうことの整理がどこまでなされるのかということが分からないような包装 があるのです。そのような場合に、500錠なら500錠そのままで試験をしているという ことであれば、破ってしまえばその試験結果というのは全く意味がないので、やはり最 終的にはPTPの最後のところでどうであるかということ。そのために紫外線を透過す るものには遮光をするとか、いろいろなことで補っているということであれば分かるの です。そういうガイドラインがあったらいいなと思ったのですが、結局はそういう二重 包装、三重包装をしている場合はないというわけですね。 ○審査管理課長 要するに製造行程中とか販売するところまではあるわけですけれど も、いったん渡ってしまうとそこから先の保存状態が千差万別だということがありまし て、それ以降の基準を作るというのは非常に難しいと。ただ、場合によってはそういう 水分などの問題で、安定性が悪いということが分かっているものについては、添付文書 にそういうことを記載させて、これは開けたら早く使わなければいけないとか、そうい うことをきちんと書かせるというふうにさせております。 ○木下部会長 今日は非常に重要な点を指摘していただいたわけでございますけれど も、その御指摘の中にはこの薬だけで論じられないという性格もございまして、今日の 本剤に関する検討としてはちょっと問題が大きいかという感じもいたしますので、そう いうことはもちろん今課長がおっしゃったように、今後前向きに進んでいっていただき たいと思うのですが。ただ、先ほどもちょっと桃井委員から御指摘がございましたが、 「花粉症」というのを一番最初に書いていいかどうかということですね。これはちょっ とこの薬に関して気になる点なのですが。 ○審査管理課長 その点につきましては、この包装の表示の部分で「花粉症」というの が出てくるのですけれども、一般薬というのは診断を医師がやるわけではないので、一 般の人たちが見て分かるようにということで症状を書いて、その症状をどう緩和するか ということでこの「効能・効果」が書かれております。こちらの方にあるのはその作用 機序の説明ということで書かれているのですけれども、不適切ということであれば、こ ちらの方で企業の方をちょっと指導したいと思っています。 ○木下部会長 どうぞ。 ○板倉委員 表示の部分のところで、消費者への情報ということで欲しいのは…、先ほ どお話を聞きますと併用があり得るということなのですが、それについての判断という のは添付文書のところでは読めないのです。  それともう一つは、医療用医薬品をスイッチOTCにしたという部分が目立つのです が、こういうことが書いてあると消費者の場合濃度が下げられているということではな く、お医者さんにもらっている薬と同じだからこれを代わりに使いましょうというとこ ろが出てきまして、その場合にやはり濃度の違いとかそういったものが表示等から全然 分からないと、効果も違うとかいろいろな問題があるのだろうと思いますが、情報とし て不十分のような気がするのです。ですから、そこの部分をきちんとしていただきたい ということがあります。  それから保存方法のところなのですが、「涼しい所」というような表示がありますけ れども、消費者は冷たいから気持ちがいいということもありまして冷蔵庫に入れてしま うということをよくやるのです。これを冷蔵庫に入れたらいけないのかいいのかという ことが読み取れないと。それからどちらかというと、逆に最近こういった目薬なども例 えば海へサーフィンなどに行く人が全部袋にそのまま放り込んでいって、海岸のかんか ん照りの車内に置いておいて使うなどということがあり得るような状況になってきてい ます。ですから、車内などを含めてそういう非常に高温なところに放置されるというこ ともあり得るというところで、逆にやってはいけないというような形での表示というの もあるべきなのではないかと思うのですが。 ○木下部会長 いろいろな点の御指摘がございましたので、今の温度の問題なども含め てメーカーの方に十分御指導いただきたいと思います。それから最後に残りました花粉 症については、もう一回考え直していただけないかというのが我々の意見ではないかと 思います。それでよろしゅうございますか。どうぞ。 ○審査管理課長 今部会長御指摘の点につきましては、申請者を指導したいと思います。 ○木下部会長 まだ不十分な検討でございますけれども、一応そのような形でこの議題 を終わりたいと思いますが、よろしゅうございますか。  それでは次の議題にまいりたいと思います。事務局から御説明をお願いいたします。 ── 久保田専門委員退席 ── ○事務局 それでは次は議題2と3は有効成分が一緒でございますので、一緒に御説明 させていただきます。 ○木下部会長 これは石橋先生が関与された医薬品でございますので、一時退室してい ただきます。 ── 石橋部会長代理退室 ── ○事務局 それでは概要を御説明させていただきます。スコルバダッシュ及びスコルバ ダッシュクリームほか11品目は、それぞれ前田薬品工業株式会社、科研製薬株式会社、 久光製薬株式会社より申請のありましたみずむし・たむし用薬のスイッチOTCでござ います。本品目は有効成分として塩酸ブテナフィンを医療用と同じ1%含有する外用剤 でありますが、スコルバダッシュは医療用にないスプレー剤の申請であり、スコルバダ ッシュクリーム他11品目は医療用と同一製剤のクリーム剤又は液剤でございます。塩酸 ブテナフィンは本邦では医療用の液剤及びクリーム剤が平成4年に、白癬(足部白癬、股 部白癬、体部白癬)、癜風を効能・効果に承認されました。また再審査結果は平成12年 12月に公表され、効能・効果、用法・用量に変更はございませんでした。  申請資料等について御説明申し上げます。まず規格及び安定性につきましては、スプ レー剤について新たに試験を実施しまして、適切な規格が設定されたところでございま す。クリーム剤、液剤につきましては医療用申請時の結果がまとめられております。  毒性につきましては、スプレー剤についてラット単回経皮投与毒性試験、ウサギ皮膚 一次刺激性試験、ウサギ皮膚累積刺激性試験、ヒトパッチテストが実施され、エタノー ルに起因すると考えられる軽度の刺激性等が認められておりますが、大きな問題は認め られませんでした。クリーム剤、液剤については医療用申請時の試験結果がまとめられ ております。  薬理につきましても、医療用申請時の試験結果がまとめられております。  臨床試験といたしましては、スプレー剤については新たにみずむしに対応する足部白 癬、いんきんたむしに対応する股部白癬、ぜにたむしに対応する体部白癬を対象に一般 臨床試験が実施されております。有効性につきましては、Full Analysis Setの有効以 上で、足部白癬では76.3%(71/93)、股部白癬では85.0%(17/20)、体部白癬では81.4 %(35/43)であり、副作用は163例中皮膚刺激感7件、掻痒感4件、皮膚炎2件等であり ました。  クリーム剤、液剤については、医療用申請時の臨床試験結果及び再審査時の使用成績 調査結果がまとめられております。クリーム剤につきましては、有効性について承認時 までの試験結果では、有効以上で足部白癬で81.8%(270/330)、股部白癬で89.4% (93/104)、体部白癬で86.1%(124/144)でありまして、使用成績調査では足部白癬で81.7 %(3528/4320)、股部白癬で94.4%(405/429)、体部白癬で95.7%(538/562)でございま した。液剤につきましても、承認時までの試験結果では足部白癬で78.9%(60/76)、股 部白癬で81.8%(18/22)、体部白癬で8O.0%(12/15)でありまして、使用成績調査では足 部白癬で79.2%(676/854)、股部白癬で90.5%(19/21)、体部白癬で85.7%(30/35)でご ざいました。副作用は申請時までの試験、使用成績調査とも局所作用であり、重篤なも のは認められませんでした。  以上の結果から、本剤の効能・効果は一般用みずむし・たむし用薬製造(輸入)承認基 準で認められているのと同じ「みずむし、いんきんたむし及びぜにたむし」とし、用法 ・用量はスプレー剤については「1日1回、適量を患部に噴射塗布する」、クリーム剤 及び液剤につきましては「1日1回、適量を患部に塗布する」と設定されました。  また使用上の注意につきましても、専門協議の結果を踏まえまして小児への使用に関 する記載等についての記載の整備を行いました。  以上の結果から、審査センターでは本品を承認して差し支えないと判断し、また本部 会において審議されることが適当と判断いたしました。なお、市販後少なくとも3年間 の安全性等に関する市販後調査を実施するとの条件を付すことが適当であると判断して おります。御審議のほどよろしくお願いいたします。 ── 説明途中、安全対策課長退室 ── ○木下部会長 ありがとうございました。議題2、3につきましていかがでしょうか。 どうぞ。 ○野中委員 薬効に関しては特に問題ないのは十分承知していますけれども、実は医療 の現場で一番難しいのは、例えばみずむしであるかたむしであるかという診断が一番難 しいわけです。石橋先生に後でお聞きしたいと思っておりますけれども、その診断がつ いたものに対してこれだけの効果があるということは当然の話だと思うのですが、OT Cですから、いわゆる使用する人たちがみずむしであるかたむしであるかということを 診断できる可能性は、実は専門医がやるよりは低いわけですね。そうすると、例えば逆 な方法で使う場合もありますから、それに対して先ほど言われた効果というものがどれ だけ当てはまるかということは、実は私は大いに疑問な部分があるのです。自分の小さ な経験ですが、やはりいろいろな現場ではみずむしなのか湿疹なのかという判断に迷っ て、的確に薬を使える人というのは医家でも必ずしもそんなに多いとは限らない。です から、OTCというのはそういう部分で使われるという認識の中で、医療機関で行った 効果というものをそのまま当てはめるということは私は適切ではないのだろうと思いま す。その効果というのは、素人が薬剤師さんと相談してこれを使った場合の効果という ものとは実は全く違うということ、そこがOTCの限界だろうと思います。それについ ては先ほどの議論も同じなのですが、3日間とか短期間で使うということの中で、それ をどう考えるかということの視点がいつもの場合よりスイッチOTCの場合は大切だと 思うのです。特にこの辺に関しては私はそれを危惧しますので、医療機関などでのデー タだけではそれは言えないのではないかと思います。その辺をどうお考えになっている か、御答弁願います。 ○木下部会長 石橋先生がたまたまいらっしゃらないのですが、何かありますか。 ○審査管理課長 これの添付文書は小さくて見にくくなっていて、私などは眼鏡を外さ ないと見えないのですが、例えばこのダッシュのところにも一つ書いてありますように、 湿疹かみずむし、ぜにたむしかはっきり分からないような場合には、医師、薬剤師に御 相談くださいというのが一つございます。先生御指摘のように、あらかじめ医師にかか っていて「これはみずむしです」とはっきり言われたような方たちはお分かりいただけ ると思うのですけれども、その状況が分からないときには相談していただいて、多分薬 剤師の方も相談されても駄目な場合には「医師の診察を受けてください」と話すだろう ということがございますので、一応これはそこのところも意識した使用上の注意の書き 方にさせていただいております。 ○木下部会長 野中先生、いかがですか。 ○野中委員 それは答弁としてはある程度分かりますけれども、実際に買う人の行動パ ターンを見たときに、実は使用することが不適切な場合もあるのでということをどれだ け買う人に説明できるかどうかが一番問題なのです。逆に言えば、やはりOTCという のは見せに行きたくない人が買うわけですから、すべてとは言いませんけれども、大半 の人はそうやって医療機関にかかりたくないとか、何とか自分だけで済ませられないか とか、そういう部分の人です。そういう人に対して添付文書やその表現をどうやって工 夫するかということが…、例えば駄目だったら医療機関に行きなさいというのは、それ が適切かどうかというと私はちょっと違うと思いますし、それはもう少し違う表現が本 来あるべきだろうと思います。これは先ほどと同じですが、OTCに対してどうやって そのものを…、いわゆる消費者が自分でそれをいいなと思ったときに、それは専門家が 見れば違っているかどうかということを、どうやって分かりやすく説明するかというこ とが私はやはり求められていると思います。ですから、消費者の安全を守るために是非 その辺の表現を検討いただくことが大事だろうと思っています。 ○木下部会長 一般薬というのは、多くの場合このような薬というふうに症状を書いて あって、こういう場合は皮膚科でもいろいろとあると思うのですが、実際にこの薬につ きましても診断名が出てから使うということになっていますよね。そこのところの問題 ですね。 ○審査管理課長 小さくて分かりにくいのですが、まずお使いになる前にこういう方は 医師、薬剤師に御相談くださいということで、やはりそこのところは御相談いただきな がらやっていく部分もあると…。「添付文書(案)」の1ページからありますけれども、 「使用上の注意」の「相談すること」のところに、先ほど先生から御指摘のあったよう に(8)の「『湿疹』か『みずむし、いんきんたむし、ぜにたむし』かがはっきしりない 人」ということで、まず医師、薬剤師に相談してからお使いくださいということで記載 がなされております。 ○木下部会長 これは別に文書が付くわけですか。これが何かの箱に入って…。 ○審査管理課長 これは最終包装で売られておりますので、これはこのままです。ここ に小さな字ですけれども…。 ○木下部会長 これは小さい字ですね。どうぞ。 ○山本委員 そうしますと、この資料に付いている「添付文書(案)」というその添付文 書はどこに付くのですか。これが添付文書なのでしょうか。 ○木下部会長 これは添付文書ではないですね。 ○山本委員 添付印刷…。となると、先ほどおっしゃったように、確かに資料の方に入 っているのは大きな字で私も読めるのですが、これですと天眼鏡がないと極めて読みに くい。実は野中先生の御指摘にもございましたように、以前の医療用のものと全く同じ 濃度でございますので、多分起こり得るのはガスターのときと同じような状況が発生す るだろうと思います。確かに診断をするのは私どもは全く素人でできませんので、そう いった意味ではメーカーの方から販売をするとすればどういう販売の仕方をするのか、 薬剤師に対してどういった説明のツールを付けていただけるのか、あるいはどういうと ころで判断をするのかということを明確に資料なり又はパンフレットなり、そういった 道具が必要と思います。しかも医療用医薬品として使用されているというのは消費者に とっては非常に耳当たりがいい言葉ですから、ついつい惑わされてしまいますので、そ ういった意味では確かに箱の外側に書いてありますけれども、箱を開けないと添付文書 は見られませんので、使用前に見ろということには疑問が生じますし、トラブルの最大 の問題になるような気がするのですが、その辺りについて何か工夫をしていただくわけ にはいかないでしょうか。お願いいたします。 ○木下部会長 そうですね。販売する側を対象としてメーカーの方でなるべく問題点が 浮かばないようなレクチャーをしていくとか、そういうことが条件として必要ではない でしょうか。いかがでしょうか。 ○審査管理課長 今部会長が御指摘のとおりでございますので、これを製造している製 造メーカーの方から薬局等にパンフレット等をお渡しするように十分指導したいと思っ ております。 ○木下部会長 どうぞ。 ○野中委員 前にもありましたが、スイッチOTCというものに対する販売姿勢という のは、やはり対面販売が必ず必要だという認識を持っていただければいいわけです。で すから、例えば対面販売できないようなところにそれを卸すということは、先ほど御質 問したようなことが当然出るわけですから、少なくとも対面販売をしてよく聞いていた だいて売るという…。ところが、現実に売られているところではそうではないというの が私の認識なものですから、そこで幾ら御答弁いただいてもそれが直っていかなければ やはり問題だということだと思います。ですからその辺の姿勢をやはり…、OTCの協 会がそのものに対して自己選択できるのがいいのだということだけでは、私はこの話は 永久にいつも同じことの繰り返しだろうと思いますので、どうかその辺をよろしくお願 いしたいと思います。 ○木下部会長 これは添付文書としてはやむを得ないのですか。どうでしょうか。何と かしようと…。 ○山本委員 外箱がないわけですから、添付文書はやはりこういう格好しかないのだろ うと思うのです。ただ、いかにもたくさんのことが書いてあって、どこから読んだらい いのかなという意味では、確かに「してはいけないこと」と「相談すること」が括弧で くくられておりますけれども、まずそこを読むような工夫とか何かがもう少しできない ものかなと、そういう気はいたします。確かに我々は日々扱っておりますから問題点が 把握されておりますので、当然どこから読むか分かるのですが、果たして一般の方々に きちんと読んでいただけるかということになると、表面の「スコルバダッシュ」という 大きい字を小さくしても、注意を大きくできないものかという感じはいたしました。 ○木下部会長 それではその販売する方に対する御指導として、この細かい字に代わる こともしていただくと。 ○審査管理課長 今ちょっと安全対策課長とも相談したのですが、一般論としてほかの ものにも共通する事項でございますので、安全対策課と審査管理課で相談して対応を考 えたいと思っております。あともう一つは、やはり実際販売する方にかなりいろいろ御 説明しながら販売していただくということが必要だろうと思っておりますので、関係す る薬剤師会等ともよく話合いをしたいと思っております。 ○木下部会長 御意見ございますか。どうぞ。 ○板倉委員 これはスプレー式のものということで全般論なのですけれども、これは「mL 表示」になっているのですね。その場合にガスがかなりのmLを占めていまして、しかも この容器の容量自体が50mLとは限らないわけで、例えばこれをどのくらい使ったか消費 者が分からないわけですね。以前から言っているのが、一つはガスの重量というのは例 えば私たちが試売テストで調べようと思っても、ある一定の温度の圧力の場合の容量で あって、非常にいい加減であると。ですから、これは50mLの容量かもしれませんが、大 体どのくらいの重さであるのかということが分かるようになっていないと、例えば実際 に正しい量が入っているかどうかとか、半分使ったとか、そういうことも含めて消費者 は見分けがつかないのです。ですから、やはりそこら辺のところをきちんとしていただ かなければいけないのではないかという気がします。  それからこの場合には、分離しやすいということで何か基剤を入れているようなので すが、それについて表示していないのはどういう理由なのか、教えていただければと思 っております。 ○木下部会長 その点についてはどうですか。ほかの薬で試したことはあるのですが、 始めの方と終わりの方では濃度は明らかに違うのですね。買ったばかりのときと半分く らい使ったときではガス等の濃度が違いますから。そこら辺について、一般論として何 か…。 ○事務局 これは基本的に基剤の問題というよりも、この基剤自体が医薬品の表示の対 象の成分ではないものですから、表示をされていないということだと…。 ○木下部会長 ガスの質量などは今までは余り検討されていないですね。 ○事務局 表示でございますか。 ○木下部会長 これはどのくらいガスが使ってあるとか…。 ○審査管理課長 この場合ガスの種類だけは、「LPガス」ということで表示されてお ります。あとはエーテルであったりしますが、字が小さくて見えにくいのですけれども、 どんなガスを使っているかということは書かれていますし、あとは高圧ガス取締法があ りまして、そちらの方の基準で爆発とかそういうものがないようにという規制が別途あ りまして、それもこれはクリアしているということでございます。 ○木下部会長 ただ、そのガスの重さが分からないのですね。 ○事務局 ガスの質量は50mLの製品の場合は原液が15mLで噴射剤が35mLでございま す。これはピンクのところに「承認申請書(写)」がございますが、4ページの真ん中の ところに「製造方法」というところがございまして、そこのところに製品ごとの原液と 噴射剤の容量が書いてございます。  それから、先ほど先生から御指摘のあった基剤云々というところは2ページにござい ますけれども、基剤としてはアルコールを使っているということでございます。 ○板倉委員 質問をさせていただいたのは、一つはその基剤自体に例えばアレルギーな どが発生しないということが確認されていなければ、皮膚科の方からお問い合わせ等が あったときにお答えいただけるのかどうかとかそういう部分で、なるべくなら表示され ていた方が望ましいであろうということがありました。  それからガスについては、35mLというのはある温度のときの圧の状況であって、この 容器に入れれば常温で耐圧のところまで増えているわけですよね。そうすると、容器い っぱいに広がっているわけですから、この状態ではもう50mLではないかもしれないわけ ですよね。ですから、そのガス自体が一体どういう温度でどういう圧のときに35mLにな っているのかというところがはっきりしませんと、実際に50mLというのはどういう観点 で50mLになっているのか…。100mLの容器に入れれば100mLになるというような話がご ざいますよね。 ○審議官 板倉先生、ほかのこういった類似のものは書いてあるのですか。 ○板倉委員 いいえ、書いていないです。医薬品も含めて一般的にスプレーの場合にほ とんどそういう表示がないのです。消費者の方としては重さが中に入っている内容量と してグラムで表示されていれば、最初に重量を量っておいて、例えばこれをまた買い足 すときに、3分の1ぐらいに減っているから次を買いましょうということが分かるので す。しかし、こういったものというのはどのくらいなくなっているのかが全然見えなく て、しかもこれはほとんど容器の重さであって、中身の量はせいぜい15gとかそのくら いですね。そうすると、どのぐらい減っているのかというのが分からないわけです。で すから、実際に使うときに例えば重さとかがある程度分かっていても、この容器の量が 分かっていなければ引き算ができないので、中身の量ではなく中身の重量として表示が あれば今だと家で簡単に重さが量れますから、最初に総重量が分かっていれば引き算を すれば3分の1くらい使ったのだからまだまだ使えるなとか、切れてから買いに行くと いう方ばかりではなくて少し買い置きしておきたいというときに、3分の1減ったから もうそろそろ買えるときに買っておこうということができると思うのです。チューブの ものですと、例えば半分減ったとかそういうことが分かるのですが、これについてはス プレーをして出なくなって初めてなくなったということが確認できるだけであって、今 のこのままであれば確認ができないのです。そういうところで非常に使いづらいという か、継続的に使わなければいけないものについては、やはりもう少し分かりやすい表示 をしていただかないと、特にスプレーの場合には、50mLの定義自体もガスの圧とかそう いうものも分かりませんし、一見消費者はこの中に50mL入っていると思っていて、よく 見ると15mLが「第一石油類」とかと書いてあるのです。ですから、このサイズや薬剤の 量との関係で、どちらが得なのかということも含めて判断ができないような状況になる というのが問題ではないかと思っております。 ○木下部会長 ただ、その状況によってガスの中の医薬品の濃度というのは非常に違い ますね。最初はこのとおりなのです。均等に両方が減ってくるわけではありませんから、 最後の方はガスだけずっと出たりして、それは過去にデータがあります。これは一般的 な意味でこういうものをどういうふうに…、本来はそれほど濃度が違ってはいけないの でしょうけれども、実際にはそうなのです。出すたびに濃度が違うのです。それは今後 の問題として十分…。 ○審議官 これに限らず主に一般的な話ですが、そこはどうなのですか。医薬品に限ら ず例えば雑品も含めてそういう表示をすべきだとかいう、そちらの方が何となく一般的 な話…。 ○板倉委員 ですから先ほどスプレー類は全般的にということで、特に医薬品の場合に 安全性ですとかそういう部分もありますし、それからこういったものというのは毎日つ けないと意味がなくて、切らしたから次のを買う前でやらないでおくというと、みずむ し薬などの場合かえってぶり返すというようなことがありますよね。ですから、そうい うところで早め早めに手が打てるように、消費者が減っている量をある程度見極められ るようになっているのが望ましいのではないかという立場から、特にこれについてお話 をしたということです。 ○審議官 一般薬ですから、買うチャンスはどこにでもあるような感じがしますが…。 ○木下部会長 どうぞ。 ○審査管理課長 実はたまたまこの手のものを使ったことがあるのですが、実際に振っ てみて音がしているときには残っていまして、液がなくなるとガスだけになるのです。 こうやって振ると音がしますが、これがなくなったときはガスだけになっていると。そ れである程度振ってみたときの重さでどのくらい減っているなというのを直感力で見て いると。そういうところを消費者の知恵である程度は御理解いただいているのかなとは 思っていたのですが。なかなか難しい問題です。 ○木下部会長 しかし医薬品は健康に関することですから、一般のものとは違うと。こ れは長い目で…。 ○審査管理課長 もう一つ、例えば喘息の薬のように非常に定量設定の必要なものは定 量噴射のような装置を付けていますが、こういうOTCですとある程度一般的な使い方 をしても大丈夫ということでありますので、そういった定量設定などまでは求めないと いうことであります。 ○事務局 一応「資料概要」の26ページに一応噴射回数ごとにどのくらいの量が噴射さ れているかというところがありまして、先生がおっしゃるとおり最後の方になりますと ちょとぶれてまいりますが、大体同じくらいの量が出るような形の設計には一応されて おります。 ○木下部会長 噴射量ですね。 ○事務局 はい。普通は使っているときはずっと安定で、最後切れるくらいになるとち ょっと半分になったりしておりますが。 ○木下部会長 いろいろ問題点を考え出すと、非常に難しい問題も含まれておりますけ れども…。どうぞ。 ○西島委員 以前承認をした薬の中で、薬剤師がいない薬局には卸さないという指導を しますということで認めた薬があったと思うのですが、その後そういう指導というのは いかがですか。たしか当時は、薬剤師がいない薬局がこれだけありますというのが大き く報道された経緯がありまして、そのときに薬剤師がいないところには卸さないという 条件が付いたと思うのですが、その後はいかがですか。今日のこの薬は正しくその辺り だと思うのですが。 ○木下部会長 一番のものはガスターですか。今はかなり改善されたというお話は承っ ておりますが、何かありますか。どうぞ。 ○審査管理課長 確かにガスターを始め類似の胃腸薬でそういうことがありまして、並 べておくのではなくて必ず対面販売ということで、話を聞きながら、あとはパンフレッ トを配りながらということでやっていただいております。確かに当初先生御指摘のよう なことがありましたが、最近はかなり改善されたというふうに聞いております。 ○荻原委員 ちょっとよろしいでしょうか。今日はいろいろな問題が出たので私の方か らもちょっと一言。例えば今のこの噴射剤の「スコルバダッシュ」というものでも、有 効成分に関して言えば塩酸ブテナフィンという一つの有機化合物があって、それを溶か していろいろやるわけですね。剤型は違っても結局薬としては同じなわけで、それに対 して「スコルバダッシュ」、「ハイベチック」、「ラマストン」、「ブテロック」、「ブ テナロック」と五つの商品名があるわけですね。申請している会社がこの場合には科研 製薬と久光製薬の二つなのですが、同じ会社ですら同じものについてこういういろいろ な名前を付けて出すというのは、先ほどちょっとおっしゃったように、やはりきちんと した指示がないと何となく薬剤師等の…。実は今日はほかにも4種類出てくるのですが、 それも「アトラント」、「ベンハー」、「ソルジャー」など最低でも3種類のいろいろ な…。こういう名前というのもちょっとそろそろ何か考えないと、消費者は同じものを 使っているのに…。 ○木下部会長 私も前に同じことを指摘したことがあるのですが、やはりこの法律はメ ーカーの既得権利なのですね。そうでしょう。 ○審査管理課長 というよりは、やはり商品ですからいろいろな流通系統があって、販 売名というのはやはりそういうところで流通経路ごとに変えてみたりするという経営上 の戦略もあったりして、なかなかOTCの場合には難しいものがございます。例えば配 置薬ですと、配置薬の会社ごとに名前が違っていまして、私が記憶しているのですと1 物140何名称というのがあったことがあります。 ○荻原委員 こういうものは私は仕方がないと思っていたのですね。要するに今日出て いる八味地黄丸の内服液についての申請のときに、「ハルンケア」、「本草カンポリア」、 「ビットワン」と、八味地黄丸なのに何でこのような名前を付けなければいけないのか と、私は専門協議のときに大分文句を言ったことがあるのです。確かに商品とはいえ何 か考えますね。 ○木下部会長 おっしゃるとおりですね。消費者がある意味ではだまされているのです。 折があったら部会でも是非検討してください。 ○審査管理課長 「成分・用量」欄に八味地黄丸は八味地黄丸という処方のものが書い てあります。ただ、先生から御指摘のとおり、販売名はいろいろな名前が使われること になります。 ○木下部会長 いろいろな御意見がございましたけれども…、どうぞ。 ○望月委員 すみません、一点だけ手短に。用法の問題なのですが、「添付文書(案)」 の中の「してはいけないこと」のところで「1.次の人は使用しないこと」というのがあ りまして、「本剤によるアレルギー症状を起こしたことがある人」という書き方になっ ております。今回後の方で類似薬がたくさん出てきますが、ほかは「過敏症状(発疹・発 赤・かゆみ・浮腫等)」という書き方になっておりまして、この用語は「過敏症状(発疹 ・発赤・かゆみ・浮腫等)」という言葉に統一していただいた方がよろしいのではないか と思うのです。もしこれが将来e-添付文書のような形でインターネットで検索するよう な形になったときのことを考えて、患者さん向けの添付文書であっても、今のうちに統 一できる用語というのは統一していただいた方がよろしいのではないかと思います。 ○事務局 そこは統一させていただきます。 ○木下部会長 ではよろしくお願いいたします。どうぞ。 ○板倉委員 同様に「落屑」というのですか、今度審議するほかのものも含めてこれも いろいろな表示になっておりますので、せっかくですのでそれも含めて統一していただ ければと思います。 ○木下部会長 どうですか。 ○事務局 分かりました。 ○木下部会長 まだ不十分な検討だと思いますが、肝心なことは先生方に御発言いただ いたのではないかと思うので、この議題に関しましては御了承いただいたということで よろしいでしょうか。それでは次の議題をお願いいたします。 ○事務局 それでは議題4に進ませていただきます。アトラントエースクリームほか8 品目について御説明いたします。アトラントエースクリームほか8品目はエスエス製薬 株式会社より申請のあったみずむし・たむし用薬のスイッチOTCでございます。アト ラントエースクリームほか8品目は、塩酸ネチコナゾールを1%含有する製剤でありま して、クリーム剤、軟膏剤、液剤の3種類がございます。塩酸ネチコナゾールを1%含 有する製剤は、医療用としてクリーム剤と液剤が平成5年、軟膏剤が平成10年に効能・ 効果を白癬、皮膚カンジダ症、癜風としてそれぞれ承認されております。今回申請のあ った品目は医療用製剤と全く同一製剤でございます。医療用製剤は平成12年12月に再 審査結果が通知されておりまして、効能・効果、用法・用量について変更はないとされ ております。  申請資料等の概略について御説明いたしますが、規格、試験方法、安定性につきまし ては医療用申請時の試験結果がまとめられております。一つ異なった点は、有害溶媒と してクロロホルム、ジクロロメタンが使用されておりましたので、これを使わない試験 方法に改めるよう指導しまして、適切に変更が行われております。  毒性、薬理につきましても、医療用申請時の試験結果がまとめられておりまして、特 段の問題点はないものと考えております。  臨床試験につきましても、医療用申請時の試験結果がまとめられておりますが、これ に加えて医療用の承認後の再審査期間中の使用成績調査結果もまとめられている形にな っております。  医療用の承認申請に用いた主な臨床試験については、既にスイッチOTC化されてい るビホナゾールクリームとの二重盲検比較臨床試験結果がございます。有効性につきま しては、総合効果としまして有効以上という形で見ますと、足白癬では本品目でありま す塩酸ネチコナゾールで77.1%、ビホナゾールで64.4%、体部白癬で見ますと塩酸ネチ コナゾールで78.5%、ビホナゾールで72.7%、股部白癬で見ますと塩酸ネチコナゾール で89.6%、ビホナゾールで78.3%というように、塩酸ネチコナゾールが同等又はより優 れた効果を示したという結果が得られております。塩酸ネチコナゾールのクリーム剤と 液剤と軟膏剤での一般臨床試験結果を見ますと、クリーム剤で85.9%、液剤で86.2%、 軟膏剤で89.3%のように、3剤とも同様な有効性を示すという結果も得られております。 この結果は、市販後に実施いたしました使用成績調査でも同様な有効性を示す結果が得 られているところであります。  安全性につきましては、ビホナゾールとの比較試験でも塩酸ネチコナゾールが1.8%、 ビホナゾールが2.9%の結果があるなど、一般臨床試験、市販後の使用成績調査で得ら れた情報を見ましても、既に一般用医薬品として市販されている製剤と発現頻度、種類 とも同様の傾向が見られております。  以上の結果から、効能・効果と用法・用量につきましては、効能・効果は一般用のみ ずむし・たむし用薬製造(輸入)基準で認められているのと同じ「みずむし、いんきんた むし、ぜにたむし」としまして、用法・用量は「患部を清潔にして1日1回、適量を患 部に塗布する」と徹底されました。使用上の注意につきましては、スイッチOTC化さ れることを踏まえまして、医療用添付文書の記載や一般用で市販されているみずむし・ たむし用薬の記載を踏まえまして、消費者に分かりやすい形の言葉で記載するような整 備がされております。  審査センターは提出された審査内容について、本品を承認して差し支えないと判断し まして、また本部会において審議されることが適当と判断いたしました。なお、市販後 少なくとも3年間の安全性等に関する市販後調査を実施することを条件に付すことが適 当と考えております。御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○木下部会長 ありがとうございました。御意見、御質問をどうぞ。 ○野中委員 先ほどと同じですが、例えばOTCで使われた人が使用を間違って、医療 機関にかかった人がどのくらいの頻度でいるかどうかというデータはあるのですか。 ○事務局 そういうデータはないかと思います。 ○野中委員 そのデータを調べなければ、実際にはその安全性が保たれているなどとい うことは…。先ほど言ったように診断がきちんと決まっている人に対してどうであった のかということだったら分かりますけれども、診断がそうではないというのがOTCの 使い方であって、そのことによってわざわざ医療機関に行って治療しなければならなか った人がどれぐらいの頻度でいるかどうかという認識を持たなければ、従来の一般用医 薬品と比べて安全性が同等ですなどということは実際は言えないはずだと思うのです。 ですから私はそんなことは無理だと思います。  ですから私は先ほどから何回も言っていますけれども、先ほど西島委員が言われまし たように、実は薬剤師さんと対面販売ができますかどうですかということをしますと言 ったのです。今改善されていますなどという答えは、実は全く約束違反ですよ。そのこ とに対してどうやって保障していくのかどうか。ここの審議会が通ったら後は知りませ んと言っているのと同じことです。薬剤師さんのいない薬局とか、どういうところで対 面しているかどうかは私は知りません。先ほどの西島委員の質問に対する答えは、昔よ りも改善されていますということだけですよ。私はそれはちょっとおかしいだろうと思 いますし、実際にそうやって今述べられたことに対する安全性が従来のものと変わりま せんというのだったら、従来のものに対して使われた人がたくさん…、間違って使われ た結果によって医療機関に行った方がどれぐらいの頻度でいますかというデータが全く 少ないというデータがあるのだったら、私はそれで了承します。  しかし実際のところ現場ではそうではないのです。それをどう保障するかということ で、対面販売がどれだけ拡張されていますかということを、何回も質問しているわけで すから、是非その辺に関しては改善されていますということがどうだと。ですから東京 都では対面販売がされているかどうかということを抜き打ち調査したら、実際のところ は対面販売されていないということが分かったので、そういうことが東京都で行われて いるわけですよね。その辺に対しての認識をどう持たれているかということを、私はす ぐにはできないと思いますけれども、そういうものに対する姿勢がOTCに対する姿勢 なのです。それを是非改善するような努力をしていただきたいと思いますし、その件に ついてお答えいただきたい。 ○木下部会長 どうですか。 ○安全対策課長 安全対策課ですけれども、先ほど西島先生のお話でも例がありました H2ブロッカーの件について、経験しているところをお話し申し上げたいと思います。 H2ブロッカーについては症状を治めるという点では非常に鋭い部分があるということ で、薬剤師がきちんと服薬指導をして使うということで、当初より販売がされておりま す。その裏腹で例えば悪性腫瘍の症状、痛みがカバーされてしまって、非常に予後不良 の状況になるのを防ぐというような意味もあったわけです。それで3年間そういった努 力をしていただいたわけですが、その間例えば症例報告になったものについては、Annals of Internal Medicineに報告のありました1例、これは自分で複数の薬局に行って4か 月ほど求めたと。それで家族が大丈夫なのですか、お医者さんへ行ったらどうですかと 注意を促していったところ、果たせるかな、その辺縁部にがん化した潰瘍があったとい うことで報告がなされております。幸いそれで済んでいるわけでございますけれども。  それから対面販売の効果は、例えば3日以上続けたらその使用をやめることとか、あ るいはとにかく2週間以上は継続して使うなというようなことは書いてあるわけでござ いますけれども、それを承認時に付けられた条件で調査いたしましてどうだったかとい いますと、約6〜8%はその条件を踏み出しているものがあると。引き続き努力が必要 であるということでやっておりまして、その意味では審査管理課長が申し上げたとおり 改善はなされております。完全にゼロになるかといいますと、これはまだ今の我々のシ ステムですと、患者さんが自分で意識して複数の薬局へ行った場合、そこまでやれるか どうかという問題がありますので、ゼロにはなかなか難しいと思いますけれども、関係 者一同努力をしてそれなりに低く保たれているということは言えるのではないかと考え ております。なお、引き続き努力したいと思います。 ○西島委員 先ほど私が申し上げましたけれども、たしか当時薬剤師がいないところに は卸さないという話になったと思うのです。ですから改善されたという話ではなくて、 薬剤師がいるかいないかというところで、いないところへ卸さなければその部分は100 %近く改善されるはずですよね。その辺りの指導がきちんとなされているかどうかとい うことなのです。 ○山本委員 私どもの問題でもありますので、多少実態の方をお話ししておきます。原 則的に薬局ないし一般販売業の場合に薬剤師が存在しないという状況が通常想定できな いわけでありまして、特に薬局の場合には薬剤師が不在という格好になりますと通常の 業務すら履行できませんので、その部分につきましては薬剤師会として薬剤師が存在し ない状況を作ってはならないという指導については厳しく出しています。それと同時に、 一般販売業の中の一部にはやはり常勤として薬剤師が存在しないケースがままあります ので、そこにつきましてはパートの形でもよろしいわけですので、きちんと薬剤師が配 置されているときにそうした品物を売るようにという指導も十分しております。先生方 御指摘のように、問題が出ましたときには一時山積みといって山のように積み上げてと いうケースもまま見られましたけれども、最近ではいわゆる量販店と言われております 多くのOTC専門の販売業におきましても、きちんとカウンターの奥にしまって十分な 相談をするという形です。しかもそれぞれの販売員が薬剤師という名札を付けるという ことを、特に都内の場合は大変厳しく指導されておりまして、名札を付けていなかった り薬剤師が不在だったりすると、直ちに店を閉めろというぐらい強硬な指導もございま すので、日本薬剤師会としても各都道府県に対してそれをきちんと実行するようにとい うことで指導をしております。また、今年の初めにガスターの大包装が発売された折に も、再度研修会を開いた後に品物を供給するという形で、薬剤師がきちんとその販売の 目的、あるいは使い方、指導の方法について確認をした上で品物を販売するように、卸 から納入するようにという指導をしておりますので、その辺りにつきましても是非行政 の方からもお力添えを願いたいのです。薬剤師会としても十分な指導をしているつもり でございますので、御理解いただけたらと思います。 ○審議官 それから先生、一つはスイッチOTC化されたこの薬剤を多分薬剤師会の雑 誌などで紹介すると思うのです。そのたびにやはりそこに文章化して対面販売の徹底の 周知をきちんとやっていただければ、またそのたびに対面販売というのがきちんとされ ていくのではないかと思うのですが。 ○山本委員 その辺りも十分に受けまして、私どもとしては対面販売の問題を宣伝をし ています。ただ薬剤師会の影響の届かない部分で、スイッチOTCが売られているケー スが行政上一部ありまして、その辺りについては私どもの力が及びませんので、むしろ 行政的に何かそういった手段がとれるのであれば、その処分をしていただきたいという 気がいたしております。また意識的にたくさんのお店を回る患者につきましては、じか にあれをくれ、これをくれという形が非常に多うございますので、そういった場合には 事前に飲んでいるかいないかというようなことを、根掘り葉掘りといっては変ですけれ ども、十分に確認した上で販売するようにということも併せて指導してございます。審 議官も御指摘のように、今後そういった指導、あるいは宣伝、周知する場合には、対面 販売ということを忘れずに記載するように努力いたします。 ○木下部会長 一般的にスイッチOTCにつきましては、市販後調査をやるということ にはなっていないのでしょうか。なっていますね。ですから今日議題に上った点眼薬か ら始まりまして、こちらの皮膚科の薬も含めて、そういう点について今日いろいろ出ま した御指摘を下敷きにして、十分な計画を立てるようにメーカーの方に御指導していた だければと思います。多少ともないよりはいいと。何かございますか。どうぞ。 ○板倉委員 添付文書のことなのですけれども、先ほど審議がありましたものとか、物 によっていろいろなのですが、みずむし薬の場合症状がなくなってからもしばらくはつ けないといけないということについて、添付文書等で示されていないものがあります。 ですからそこら辺の「しばらく」というのがどのくらいなのかというのは、使う方にと っては分からないのです。「しばらく」というのは非常にアバウトな表現ですので、も う少し目安量ということもあれですし、それから使い方としても、やはり症状がなくな ったからといってすぐにやめてはいけないということが分かるような添付文書を考えて いただきたいというのが一点。  それから先ほど指摘すべきだったのですが、余り多かったのであれなのですが、直ち に使用を中止して相談しなければいけない部分のところで、(2)として「2週間ぐらい 使用しても症状が良くならない場合や本剤の使用により症状が悪化した場合」というよ うな表示がされているのです。しかし、これは順番として逆だと思うのです。本剤の使 用により症状が悪化した場合はすぐに行ってもらわなければいけないわけで、先に「2 週間ぐらい」というのが来てしまいますと、やはりそちらの方が目についてしまって、 後ろの部分が沈むのです。ですから、やはりそこら辺の表示の仕方については、重要度 に合わせてきちんと目立つように表示をしていただければと思います。 ── 西島委員退席 ── ○木下部会長 その「しばらく」ということについて、何かデータはありますか。メー カーで言っているようなこと、治験のときに何かそういうことを…。 ○事務局 そういうデータはないかと思います。 ○木下部会長 これは医薬品の医用薬としてはどうなっているのですか。 ○安全対策課長 記載要領ですか。そこまでは決まっていないと思います。 ○木下部会長 それを一応検討して、いろいろな製剤が今日出ましたからもしできれば 整合性を持たせて、ある程度共通なことを記載しておく必要があると思います。それか ら記載の順番といいますか、重要点を含めてなるべく各製剤がばらばらでない方がいい のではないかという気がいたしますけれども、その辺を検討してみてください。 ○事務局 承知しました。 ○望月委員 使用期限の表記について気を付けていただきたいと思う点を申し上げたい と思います。最近消費者は食品でも賞味期限とか、そういったものにかなり留意するよ うになってきているのですが、今回出されているものも「保管及び取扱い上の注意」に、 必ず使用期限の中で使うということが指示されていますが、使用期限がなかなか見やす い形になっていないものもあります。特にこのチューブ製剤というのはどうしてもこう いう表現になるのかもしれないのですが、チューブの端に打刻した形で表現されていま す。これは歯磨きなどもそうなのですが、実際にチューブを使う場合に折り込んでいっ てしまうので、最終的にこの期限は見えなくなった状態で使っているケースというのは 結構あるのではないかと思います。最後まで使用期限が見れる位置に明示していただく ことが必要ではないかと思います。 ○木下部会長 そういう点もひとつ指導していただいて、これだけに限らずいろいろな 薬品でそういう基本的な考えをだんだん浸透させていく必要があるのではないかと思い ます。 ○桃井委員 こういう疾患は特に再燃というのが非常に大きな問題だろうと思うので す。ガスターなどは特にそうですけれども、先ほどの使用を中止する場合、あるいは医 者にコンサルトする場合ですが、大体しばらく使って改善をして中止をして、治ってま た出たということを繰り返すことによって悪化する、そういう問題があります。消費者 が市販薬とともにアリ地獄に陥ってしまうと思います。それが販売戦略であるかもしれ ませんけれども、消費者にとってはかなり問題だろうと思うのです。ですからこういう 再燃性の疾患の場合には、再燃の場合は使用せずに受診することをきちんとどこかに入 れておいていただきたいというふうに思います。 ○木下部会長 どうですか、具体的な形でメーカーにそういう指摘について十分検討し て。何か御意見は。 ○安全対策課長 ただいまの桃井先生の御指摘ですけれども、例えばガスターなどの場 合はそもそも胃潰瘍のような診断の必要なものは対象としておりませんで、胃のもたれ とか胸やけです。対面販売で例えば昨日飲み過ぎであるとか、そういったようなことが あって胃が拡張してその後痛いというときに、これが痛みを助け治療期間を短くすると いうような確認の下に使うと。したがって、3日間服用して症状が改善されないときは もうやめるといったようなことで、全体として適正な使用、安全で有効な使用に限られ るような規制がなされているというように考えております。 ○桃井委員 それはガスターに関しても医学的な誤りであって、最近小児でもピロリの 感染で再燃を繰り返す胃の症状の後、その市販薬を飲んでいてその後出血をするという のもたびたび見られるようになってきましたので、消費者はそこまでは理解できない、 あるいは判断できないというふうに思います。 ○安全対策課長 十分重く受け止めます。 ○木下部会長 この議題についていかがでしょうか。これも前の問題と共通な点がある と思うのですけれども、これも含めてメーカーに対する指導を十分していただくと。一 応可としてよろしゅうございましょうか。それでは次の議題をお願いします。 ○事務局 続きましては議題5でございまして、これも同様のみずむし・たむし用薬と いうことになります。まず、ラミシックスクリームほか8品目ということで御説明させ ていただきます。この品目は日本チバガイギー株式会社より申請のあったみずむし・た むし用薬のスイッチOTCでございます。ラミシックスクリームほか8品目は、塩酸テ ルビナフィンを1%含有する製剤でございまして、クリーム剤と液剤、噴霧液、スプレ ーでございますが、この3種類がございます。塩酸テルビナフィンを1%含有する製剤 は、医療用といたしましてクリーム剤が平成5年、液剤が平成9年、効能・効果は白癬、 皮膚カンジダ症、癜風としてそれぞれ承認されておりまして、今回申請のあったクリー ム剤、液剤はこれら医療用製剤と同一製剤でございます。噴霧液につきましては、消費 者の利便性を高めることができるということでありまして、今回のスイッチOTC化を 機に追加されたということになっております。医療用製剤につきましては、平成12年 12月に再審査結果が出ておりまして、効能・効果、用法・用量は変更する必要はないと いうことで結果が出ております。  申請資料等の概略ですが、これにつきましても規格及び試験方法、安定性につきまし ては、クリーム剤と液剤は□□□□□□□試験結果がまとめられておりまして、□□□ □□□□□□□□□□□□□が使用されておりましたので、これを使わない使用法に改 めるという形にされております。噴霧液につきましては、基本的には□□□□□□□□ 内容物ということでありまして、規格及び試験方法や安定性について検討が行われてお りますが、□□□□□規格及び試験方法が設定され、安定性についても通常の保存条件 下で3年間安定であるということが示されております。  毒性、薬理につきましては医療用申請時の試験結果がまとめられました。毒性につい て一つ申し上げますと、塩酸テルビナフィンは今までのと少々違いますところは、我が 国及び諸外国では経口剤としても承認されているものであり、経口剤の服用によって外 国においては重篤な肝障害が報告されているというようなことがありまして、経皮であ っても何らかのそういった情報を検討する必要はないかということを考えましたけれど も、一応経皮吸収性ですとか、あるいは誤飲の防止策とか、あるいは世界各国において 既に一般用として経皮剤として広く販売されておりますが、その副作用発現状況などを 踏まえますと特に問題はないというふうに考えられますけれども、さらに万全を期すた めに市販後調査において調査検討を行うということとされておりますので、それを了解 したということにしております。  臨床試験については、医療用申請時の試験結果がまとめられております。これに加え て市販後の使用成績調査結果がまとめられているという形になっております。医療用の 承認申請では、これも先ほどと同様でございまして、ビホナゾールクリーム等の二重盲 検比較試験がございます。足白癬、体部白癬、股部白癬と、それぞれで70%以上の有効 性を示す形となっておりまして、いずれもビホナゾールクリームと同様の有効性を示し ているという結果が得られております。更に一般臨床試験や使用成績調査でも、同様の 有効性を示す結果が得られております。安全性につきましても、ビホナゾールとの比較 試験で副作用発現症例率は、塩酸テルビナフィンは1.8%、ビホナゾールは2.9%という 結果が得られておりまして、その後市販後の使用成績調査などを見ましても、副作用発 現頻度や種類なども同様の結果が得られているということが言えると思います。  以上の結果から、効能・効果と用法・用量につきましては、効能・効果を一般用みず むし用薬の製造輸入基準で認められている記載を参考としまして、「みずむし、ぜにた むし、いんきんたむし」としました。用法・用量につきましては、1日1回適量を患部 に塗布すると。噴霧液の場合は1日1回適量を患部に噴霧するという形で設定されてお ります。使用上の注意につきましても、医療用の添付文書や既に一般用で市販されてい るみずむし・たむし用薬の記載を踏まえて整備がされているということでございます。  審査センターは提出された申請内容について、本品を承認して差し支えないと判断し まして、また本部会において審議されることが適当と判断いたしました。これにつきま しても、市販後少なくとも3年間の安全性等に関する市販後調査を実施するという条件 を付すことが適当と判断しております。これにつきましても、御審議のほどよろしくお 願いいたします。 ○木下部会長 ありがとうございました。今朝ほどから今までの薬で重要な指摘があり ましたけれども、この薬に対しても今までの御指摘はすべてよくメーカーに指導してい ただきたいと思います。特に本剤に関して何か御意見がございましたら、どうぞ御発言 いただきたいと思います。何かございますか。それでは共通な指示事項はこれにつきま しても生きているということを御配慮いただいて、御指導いただきたいと思います。よ ろしゅうございますでしょうか。では次をお願いします。 ○事務局 御説明申し上げます。議題6のトークール等について御説明いたします。こ れもみずむし・たむし用薬のスイッチOTCで、これが最後になります。本申請品目で あるトークールほか5品目は、杏林製薬株式会社から申請のありましたみずむし・たむ し用薬のスイッチOTCであります。本剤に配合されております有効成分である塩酸ア モロルフィンは、エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社でフェニルプロピルモルホリン誘導体 の探索研究により見いだされた抗真菌薬であり、幅広い抗真菌スペクトルと強い抗真菌 作用を有しております。塩酸アモロルフィンは、我が国では杏林製薬株式会社が医療用 医薬品として開発し、「ペキロンクリーム」の販売名で平成5年10月1日に承認され、 白癬、皮膚カンジダ症、癜風の治療に用いられてきました。本剤は医療用ペロキンクリ ームと同一の製剤で、一般用医薬品としては新規となります。なお、剤型及び効能・効 果は平成10年5月15日医薬発第447号に示されましたみずむし・たむし用薬製造(輸入) 承認基準に合致しております。  本剤の安全性につきましては、国内では医療用としての治験期間中から現在まで重篤 な副作用は報告されておりません。副作用発現率は承認時まで1.69%、1,362例中23例、 使用成績調査で1.70%、合計で1.70%であり、既承認品目であるビホナゾールとの比較 試験でも副作用発現率に差はなく、一般用医薬品としての安全性は十分確保できるとさ れております。有効性の点では、一般用医薬品と同用量の0.5%であり、承認時まであ るいは使用成績調査による有効率等より有効性は担保されております。また、使用成績 調査における長期使用例で、安全性評価対象例3,110例中91日以上使用された症例は 303例、構成比率は9.74%ですが、それで副作用発現症例はなかったことより、OTC として使われた場合の安全性を推測できるとされております。  本申請品目は平成11年10月29日に申請され、添付資料として規格安定性試験が新た に行われているほかは、毒性、薬理、吸排、臨床等については医療用医薬品申請時の資 料が使われておりまして、新たな試験等は行われておりません。専門協議においても御 意見を頂いておりまして、それらを踏まえ審査センターでは、□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□の変更を求めましたところ、変更する旨の回答を得 ております。また、安全性に関しましてはラット及びイヌの慢性毒性試験におきまして、 高用量群で白内障又は水晶体の混濁を認めていることについて、副作用の報告等がない か確認するよう求めましたところ、現在まで国内での副作用の報告はなく、外国では5 %ネイルラッカーで重篤な副作用、白内障が1件ありましたが、これも加齢による自然 発症かアモロルフィンによるか不明であったと、以上により本剤によって白内障が副作 用と認められることはほとんどないと考える旨の回答がありました。更に使用上の注意 につきまして、症状が悪化した場合についても使用は中止して医師か薬剤師に相談する 旨の整備等を行いました。  以上のような検討を行いました結果、審査センターは提出された申請内容について、 本品を承認して差し支えないと判断し、また本部会において審議されることが適当であ ると判断いたしました。なお、市販後少なくとも3年間の安全性等に関する市販後調査 を実施するよう条件を付すことが適当であると判断しております。以上です。御審議の ほどよろしくお願いいたします。 ○木下部会長 ありがとうございました。これにつきましても先ほどの議題について申 し上げましたとおりだと思います。共通の指摘点があると思いますので、是非その点は ゆるがせにしないでメーカーの方に指導していただきたいと思います。ほかに本例に関 して何かございましたらどうぞ。 ○野中委員 今部会長が言われたことで十分だと思いますけれども、一つは添付文書を 見ますと、実は細かいことですが「Wブロック」という言葉が出ているのです。「Wブ ロック」という言葉は消費者にとって必要なのか、必要でないのかということがあると 思いますので、余り分からないようなことを書いてもしようがないだろうと思いますの で、その辺に関しては御一考いただければと思います。あとは部会長が今言われたこと を是非よろしくお願いいたします。 ○木下部会長 その点はいかがでしょうか。なるべく共通のターゲットを持った薬品で すので、説明は整合性を持たせた方が消費者の方には分かりやすいのではないかと思い ますので、その点もよろしくお願いいたします。はい、どうぞ。 ○松木委員 結局一般用医薬品をどういうふうにとらえるかということも関連している のですけれども、今日いろいろみずむしの薬が出てきて、何でこんなに似たようなもの がたくさんあるのだろうかというところなのです。最後の品目が対象薬を一番たくさん 使っているわけです。ですから姿勢としては、新しく出てくるものは従来品よりは優れ ているというデータを求めていく方が、トータルの量を減らすことができるし、指導も 楽だと思いますし、個々のメーカーごとに容器が違ってくるとか、添付文書が違うとか、 そういうような問題もある程度はクリアできてくるのではないかと思うのです。ですか らただ単に効果があるというのですべて認めるということよりは、従来品よりは更にい い点があるというような、医療用医薬品で求められているようなところも、こういう一 般用医薬品に少し考えていった方がいいのではないかというような感じがしました。 ○木下部会長 大変貴重な御指摘だと思いますけれども、医薬品につきましても同じ弊 害といいますか、傾向は歴史的にありますね。そこら辺は基本的にどうなのでしょうか。 審議官、何かお考えはございますか。 ○審議官 特にはありませんが、やはり医療用の場合は何らかの有効性、安全性、有用 性も含めてプラスがないと、承認されません。スイッチOTCを含め一般用医薬品につ いては、特に安全性の方の観点を見て、それから一般消費者が安全に使えるかどうかと いうことを頭に置いてやってきておりまして、そういった意味では今言ったような有効 性だけでなく、安全性の方にちょっと視点を置いた上でやってきているのが今までのや り方でございます。 ○桃井委員 繰り返しになるかもしれませんが、この概要の13ページでしょうか、ドイ ツの同一医薬品に関する「使用説明書」を拝見しますと大変良心的な記載方法で、「治 療期間は通常、2週間以下又は6週間以上になることはありません」と明記されている のです。これは消費者にとって大変良心的な記載であって、その他も具体的な記載があ ります。日本の場合は治ってもしばらく使ってくださいとか、先ほど申し上げたように そういう再燃に関する記載もないとか、その辺がドイツの記載に比べて非常に具体性に 欠けていて、消費者にとって良心的ではないというふうに強く感じます。 ○木下部会長 指摘事項としてその点も加えていただいて、メーカーについてここで全 部の添付文書が大体似ているものですから、これだけについてそういうことは言えない と思うのですけれども、こういうことを十分参考にして、今後また少し頭を考え直す方 に持っていくというふうな指摘をしていただけたらと思います。歴史的な背景、日本の 民族特有の背景があって薬もここまで来たのだと思うので、なかなか一朝一夕には行き にくいかと思うのですが。 ○安全対策課長 添付文書全体なのでございますけれども、先ほどちょっと御紹介いた しました医薬品情報提供の在り方懇談会という、昨年行われました厚生労働省全体の会 合で様々な指摘がなされておりまして、医療用医薬品の分野ですけれども、どうやって 重要な情報を優先順位をきちんと付けて医療従事者にお話しする、最終的には患者さん の利益に結び付けるかということで議論を行っております。順番からどうしても医療用 医薬品が今のところ最初になっているような関係がございますけれども、もちろん一般 用医薬品も逆に言えば患者さんから見れば最も身近にあるものですので、その部分は少 し我々も心構えを変えて対応したいと、今日の御指摘を真剣に受け止めたいと思います。 ありがとうございました。 ○木下部会長 それでは以上で審議事項は済みまして、以上の旨を分科会に御報告申し 上げたいと思います。それでは報告事項をお願いします。 ○事務局 それでは報告事項を簡単に御説明申し上げます。まず資料7のカコナールII ほか5品目でございます。これは葛根湯エキスの液剤の製剤でございますが、従来1日 3回の製剤を2回にしたというものでございまして、今回の申請に当たりまして、風邪 の初期症状の患者さんを対象に一般臨床試験を行いまして、有効性、安全性を確認して 申請されたものでございます。  次が資料8の住友胃腸薬チェロほか3品目でございます。これは既にOTC薬に使用 されているゲファルナートにアズレンスルホン酸ナトリウム及びL-グルタミンを配合 した胃薬でございます。今回の申請に当たりまして、急性胃炎等の患者さんを対象に一 般臨床試験を行って、有効性、安全性を確認して申請されたものでございます。  続きまして資料9のハルンケア内服液ほか2品目でございます。これは八味地黄丸を 基本としたエキスを含有する液剤でございます。今回の申請に当たりまして、軽い尿漏 れ、頻尿及び残尿感等の泌尿器系の症状を有する患者さんを対象に一般臨床試験を行い まして、有効性、安全性を確認し申請されたものでございます。  資料10のラマストンパウダーでございます。これは既にOTC薬に使用されておりま すシクロピロクスオラミンを含有するみずむし用薬でございますけれども、従来はクリ ーム、液剤で1日2〜3回の用法・用量だったものを、パウダー剤という形にして1日 1回の用法・用量にしたものでございます。今回の申請に当たりまして、足部白癬等の 患者さんを対象に一般臨床試験を行い、有効性、安全性を確認し申請されたものでござ います。  資料11のプロアリシンEX「1.0%テープ」ほかでございます。これは膏体中にイン ドメタシンを1.0%含有するテープ剤でございます。1%の濃度のOTCはこれまで液 剤、クリーム剤、ゲル剤が承認されております。それで今回はそのテープ剤ということ でございますが、このテープ剤につきましては既に医療用では承認がございまして、今 回その際の臨床試験のデータを添付されて申請されたものでございます。以上がまずO TCの関係でございます。  続きまして殺虫剤等の関係の資料を御説明申し上げます。資料12がSTジェルでござ います。これはゴキブリ駆除用の殺虫剤でございますが、これも従来品目と同様に、マ イクロカプセル化したフェニトロチオンを5%含有するものでございます。ただし、従 来は誤食防止容器に入れておりましたけれども、その場合どうしても狭いところでは使 えないということで、今回壁の透き間等狭いところで直接使用できるように改良された 製剤という形で申請されたものでございます。  資料13のサラテクトDAほか2品目でございます。これは忌避剤でいろいろよく使わ れておりますディートを含有するものでございます。今回のものにつきましても既承認 のものと噴射量自体は同じでございますが、新たにツツガムシの忌避を効能に持ったも のでございます。なお、このDA、DB、DCの違いは、アロエエキス等の添加剤の違 いによりまして三つの品目が出ております。  次は資料14のアースレッドFでございます。これはd・d-T-シフェノトリンとメト キサジアゾンの組合せのものでございますが、これにつきましては全量噴射式のエアゾ ールが既に承認されておりますけれども、今回は水と石灰で反応させて発熱作用を使っ て揮散させるというタイプのものでございます。  資料15、ゴキジェットDAほか3品目でございます。これも既に殺虫剤の有効成分と して使用されているイミプロトリンとメトキサジアゾンを組み合わせたゴキブリ等への 殺虫剤として申請されたものでございます。これはDAとDC、DBとDDと濃度が2 種類のものがございますけれども、これは単位時間当たりの噴射量が違っておりまして、 実際に噴射されるときは有効成分量は全く同じになるように設定されてございます。  続きまして資料16、17、18でございます。この三つは併せて御説明申し上げますが、 資料16がバイゴンマスター/アース殺虫ゲル、資料17がアース殺虫ファンNK30ほか 4品目、資料18がアースノーマットNK30ほか6品目でございます。これはいずれも 既承認の有効成分でありますトランスフルトリンを使用した蚊を駆除するための製剤で ございます。有効成分の揮散方法がそれぞれ、資料16でございますとゲル状の製剤を熱 プレートで揮散させると、資料17の場合ですと紙製ハニカム等にファンで強制的に風を 送り揮散させるもの、資料18につきましては有効成分を含む溶液を加熱によって揮散さ せると。そういう揮散させる方法が違うことによって、違う品目という形で申請された ものでございます。以上でございます。 ── 説明途中、石橋委員入室 ── ○木下部会長 ありがとうございました。ただいままでの報告事項につきまして何か御 意見、御質問がございましたら、どうぞ。 ○板倉委員 幾つかありますが、一つは資料8の胃腸薬のところで「飲み過ぎ」という ような表示がされていますけれども、これは確認なのですが、特にこの成分で例えばア ルコールが胃の中に存在しているということで問題になる成分はないということでよろ しいのでしょうか。割合飲み過ぎというとまだ結構アルコールがあるので、そういった 影響についてきちんと確保されているかどうかが心配です。全部質問した方がよろしい でしょうか。 ○木下部会長 いえ、一つ一つ。では今の点はどうでしょう。何か事務局でデータがあ りますでしょうか。 ○事務局 これは今回ゲファルナートという成分にアズレンスルホン酸ナトリウムとL -グルタミンを配合したわけでございますけれども、今先生がおっしゃるようなアルコー ルのという話は、そういうような問題があるという報告はないと思うのですが、確認は してみますけれども私どもが今聞いている限りではそういう話はないと思います。 ○木下部会長 確認してみてください。次をどうぞ。 ○板倉委員 資料9の場合に、添付文書が全部載っていないのであれなのですが、生薬 成分が使われているということで、添加物の表示はどうなっておりますでしょうか。 ○木下部会長 事務局、いかがですか。 ○事務局 一応添加物といたしましてはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、安息香酸 塩、パラペン、香料ということで表示がされております。 ○木下部会長 どうぞ。 ○板倉委員 それから取扱い上の注意のところで、「開栓後は保存しないでください」 ということが書いてありますが、これはどういう意味なのかというのがちょっと分かり にくいので、例えば品質が変わるのでというようなことでもよろしいのですけれども、 理由を付けて書いていただいた方がいいのではないかと思います。 ○事務局 これは1本飲みきりの製剤なのです。 ○木下部会長 途中でやめてはいけない、1回しか使えないと。 ○事務局 そういう意味で念のためこう書いたということでございます。 ○板倉委員 開けて閉じて置いておくということを消費者はやりますので、お願いした ということです。 ○木下部会長 それでは1回ごとにきちんと捨てるようにと、容器に書いてあるわけで すか。 ○事務局 はい。 ○板倉委員 資料11のインドメタシンのテープ剤なのですけれども、この商品をほかの 鎮痛剤と併用される場合についてどう考えたらいいかということが、添付文書なり何な りで読み取れるものなのでしょうか。それについて教えていただきたいと思います。 ○木下部会長 併用した場合に安全かどうか、これは血中濃度はどのくらい上がるので すか。 ○事務局 ちょっと今確認しますが、これはテープ剤で外用剤でございますので、普通 の経口剤から比べますとずっと…。 ○木下部会長 それはそうだけれども、どのくらい…。 ○審議官 テープ剤というのは結構上がるのではないですか。 ○木下部会長 経皮というのは案外ピークが早いのですよね。 ○審議官 そうですよね、これはテープなのだから…。 ○木下部会長 添付文書に併用はいいとかいけないとか書いてあるのでしょうか。 ○事務局 それは今のところ書いてございません。他の薬剤を使用して云々というのは 書いてございません。 ○木下部会長 これはどうなのでしょうか。つけたり飲んだりはったりする人はいるわ けですし。 ○板倉委員 アスピリンを飲んで効かないからこれを付けるとか…。 ○審議官 これは胃がやられないですね。ちょっとそれは調べたらどうですか。 ○木下部会長 調べておいてください。次は何か。 ○板倉委員 資料12なのですけれども、これは「訓練を受けた害虫駆除専門業者以外は 使用しないでください」という使用上の注意があるのですが、一般人が購入したりとか 扱うことがないようにするための配慮ということで、多分販売の部分のところで何かル ートを決めていらっしゃると思うのですが、それについて御説明いただきたい。特に有 機燐系のはこの間の犬の毒えさの問題もありまして、消費者の悪用も含めてですけれど も、そういうことがなるべくないような形での管理をしていただきたいということがご ざいますので、お願いいたします。 ○事務局 どういうものか手元にありませんが、そこは先生、使用上の注意にあります とおりこれは専門業者しか使わないということになっておりますので、しっかりもう一 回メーカーの方に確認をさせていただきます。 ○木下部会長 それをしっかりやっていただきたい。それからどうですか。 ○板倉委員 資料13なのですけれども、ディートということで以前から使われているの ですが、消費者団体の方の中には神経毒性ということで非常に気にされている方がおい でになります。そこら辺についてきちんと安全性等についての情報等をお持ちであれば、 逆に言うと情報提供なり何なりしていただかないと、この商品についての不安感が非常 に大きいように思いますので、それをお願いできればと思っています。  それともう一つ、この商品についてはお子さんが使うこともありますけれども、お子 さんの割に非常に表面積等も広いところに塗るということもありますので、そこら辺の ところでどの程度安全性が確保されているのかということについて、是非情報を頂けれ ばと思います。  また、これを使う場合にやはり今シックハウスとかの関係もありまして、かなり通気 や換気というようなことも配慮されたところで使わないと、これは水性かもしれません しちょっと分からないのですけれども、噴霧ということがありますので、そこら辺のと ころで商品がどんなものなのかがちょっと見えないので、例えばそういういわゆる有機 物の空気中の濃度みたいな部分のところで、問題がなければよろしいのですけれども、 あるようであればちょっと配慮していただければと思います。 ○事務局 そこは確認させていただいて、また。 ○木下部会長 是非確認してください。板倉先生、次をどうぞ。 ○板倉委員 資料14のアースレッドについてなのですけれども、一応こういったものに ついて、安全性の面でこの使用上の注意だけでは表示のところが不十分…。例えばこれ は加熱はしても問題は全く…、例えば「缶は水に浸すとすぐに熱くなるので、直接手を 触れないでください」ということが書いてあるのですけれども、そういうことさえしな ければ問題がないのかどうか。例えば慌てて飛び出したときにひっくり返して焦げると か、そういったことは全く心配ないのかどうかとか、ちょっと気になる部分がありまし て、お尋ねできればと思いました。 ○木下部会長 どうですか。 ○事務局 分かりました。多分こういうタイプのものは昔からあると思いますので、昔 そういう事例がなかったのかも踏まえて、もしも何か書くべきことがあれば対応したい と思います。 ○木下部会長 どうぞ。 ○板倉委員 一般的に蚊の商品全般になのですけれども、消費者の方がこれはいつまで …、例えば年を越して次のときにも使えるのかどうかですとか、いつぐらいまでこうい う有効性が保たれるかについて情報が少ない部分があります。それと医薬品や医薬部外 品、雑品部分のところで、どういう違いがあってここに上がってきているのかというの が私は知識がなく分かりませんので、御説明いただければと思います。 ○木下部会長 どうでしょうか。 ○事務局 基本的に医薬品は、この薬事法の中で一応対象にしていますのは、殺虫剤の うち伝染病等の予防に用いる衛生害虫の駆除に用いるものです。一般用医薬品と部外品 との明確なここからここというのは、基本的に作用が緩和なものを一応部外品というこ とで従来から対応しておりまして、それでいろいろ前例等や用法・用量等も勘案しなが ら部外品、OTCという形で規制をしているところでございます。 ○審査管理課長 入っている成分と用法・用量、例えば1缶をバッと出してしまうよう なものについては医薬品の方で使いますけれども、そういうちびちび出すような方は入 っている成分によっては部外品にもなったり、強い成分であれば医薬品にするというふ うに、個々に作用が緩和かどうかということ、それから使い方、成分で判断させていた だいております。 ○木下部会長 どうぞ、板倉先生。 ○板倉委員 消費者の方からすると、医薬品はやはり気を付けて使わなければいけない けれども、そうでないものはそんなに心配しなくてもいいというようなところで、非常 にそこの濃度のところの区分が厳しいというのでしょうか、結局使う量によっても大き く響いてくるような部分がありますので、安全性がきちんと保たれるということについ て、何か考えていかなければいけないことがあるのではないかと思います。今ここの場 ですぐに御返事頂ける話ではないと思いますけれども、できればお願いしたいと思いま す。以上です。 ○木下部会長 一番最初に板倉先生から御質問のあった、先ほどの資料は見つかりまし たか。 ○事務局 ちょっとまだ見つかりません、後で…。 ○木下部会長 そうですか。そのほかに…、どうぞ、荻原先生。 ── 安全対策課長退室 ── ○荻原委員 一言だけ申し上げます。漢方製剤のことなのですけれども、専門委員会で も議論して、このごろやはり1日3回投与を、コンプライアンスのことを考えて2回に しようという流れがあります。それで失礼ですけれども、はっきり言って余り漢方につ いての知識のない一般の西洋医の方がお使いになる場には、できるだけマイルドにする ために1日3回で空腹時というのを守ってほしいと、実は私はずっと思っておりました。 ところがこれが出てきたときに、中国の現状や何かをいろいろ調べてみました。そうす ると、やはり共稼ぎで全員出てきてしまうと。コンプライアンスのことを考えると、彼 らは多くの場合煎剤、煮出し汁を使います。ですからやはり朝と夕方、出てくるときと 帰ってきてからの2回が完璧な主流であるということが分かりました。そういうことで やはり日本でも2回投与ということを真剣に考えなければいけないということで、いろ いろ検討しました。  特にこのカコナールの場合には葛根湯エキスですから、□□□□□□□□□、□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□ □□□□□□□ということを、この審査の過程で指示しました。そうしたら□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□ □□□□□□□というデータが出てきたので、そういう意味ではいいでしょうというこ とで、たしかここに出てきたと思うのです。私は漢方の方なので、そういう意味で今後 漢方製剤の場合にはコンプライアンスを考えると、くどいようですけれども2回になる 流れがある程度あります。そういうときにはやはりきちんとした基準を作って、その安 全性をきちんと確保するように必ず義務付けていきたいと思っておりますし、お願いし たいと思います。 ○木下部会長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。 ○事務局 よろしいですか。先ほどのインドメタシンの貼付剤の件でございますが、医 療用の添付文書によりますと貼付剤、経皮投与の場合、尿中の総排泄量は投与総量の1 %以下ということで非常に低くなっております。それから血中濃度の最高値で比べます と、内服の場合ですと980ng/mLまで上がるのですけれども、この貼付剤の場合ですと 14.9ng/mLということで、1%強でございましてこれも非常に少なくなっております。 ちなみに医療用の場合、内服と坐剤ですと、併用注意ということでアスピリンが挙げら れておりますけれども、貼付剤には医療用でもそのような注意はございません。 ── 安全対策課長入室 ── ○木下部会長 よろしいですか。それでは報告事項はこれで資料18までは終わっている わけですね。最後になりますけれども、一般用鼻炎用内服薬製造(輸入)承認基準につき まして事務局から御説明してください。 ○事務局 現在一般用医薬品につきましては、製造承認基準というものが14の薬効群に ついて設定されております。これらにつきましては都道府県知事の方に承認が委託され ているものでございますけれども、この14の薬効群のうち今回は鼻炎用内服薬と鎮咳去 痰薬の承認基準につきまして、一部改正をしたいということでございます。  一点は、塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA)がこの二つの承認基準の成分とし て入っておりましたが、これを削除するということでございます。背景としましては1994 〜1999年にかけましてアメリカで大規模な疫学調査がございまして、米国ではこのPP Aが食欲抑制剤として使用されていたわけですけれども、その結果出血性脳卒中の高い リスクが示唆されております。こういった背景を受けまして、アメリカの方では自主的 な販売中止が要請されたということがございます。一方、日本ではその当時使用上の注 意の改訂ということで、心臓病の人ですとか脳出血を起こしたことがある人は使用しな いようにという旨を記載するということで対応をとっております。  今般このPPAを削除して、代わりに鼻充血除去剤としましてプソイドエフェドリン を新たにこの承認基準の中に入れたいということでございます。プソイドエフェドリン につきましてはアメリカ、ヨーロッパ等でかなり使われている成分でございまして、今 回その基準に入れるに当たりましては、アメリカのOTCの再評価の結果、あるいは各 外国の状況を検討しました。外国でもOTCとしてこのプソイドエフェドリンは広く使 われております。あるいは日本でも少し昔になるのですけれども、医療用医薬品として このプソイドエフェドリンが使用されていました。こういったことから結論としまして、 1日180mgまでということで鼻炎用内服薬の承認基準に入れたいというものでございま す。以上でございます。 ○木下部会長 ありがとうございました。ただいまの御説明はいかがですか。どうぞ。 ○野中委員 私は昔鼻アレルギーがすごかったものですから、このダイソフロール復効 錠というのを使った経験がありますので、確かに効果は非常に多いのです。ただ私もそ れを手に入れていた経過において、実はメーカーさんと話していてシェリングからもら っていたわけですけれども、それが最後にもらえなくなった原因としては、覚醒剤譲渡 証というのを書いてくださいと言われて、それで販売は中止しますということだったの です。ですから、その辺のことをきちんとやっていただければ問題はないだろうと思い ますけれども、ただ人によってはこのものをたくさん服用するとか、そういうケースが 一般用医薬品には常にありますので、その辺のことを遵守できるという体制を是非作っ ていただいて、前のお話とかかわりますけれども、是非その辺はよく注意を徹底してい ただくことをよろしくお願いしたいと思います。効果としては自分も使用経験がありま すので、非常に効果があるものだろうと思っていますので、よろしくお願いいたします。 ○木下部会長 その点どうですか。 ○審査管理課長 先生が御指摘のとおり、ダイソフロール復効錠は二層錠になっており まして、割ると中の方にある球が覚醒剤原料の濃度を超えてしまったということで、扱 いが面倒くさいというのでやめてしまったという経緯がございます。ある一定濃度以下 だと覚醒剤原料から外されてございますので、当然一般薬で造るときはその濃度以下に して造るということになると思います。いずれにしろ適正に使うように、これは指導を しっかりさせた上で使わせていただくというふうに思っております。 ○木下部会長 野中先生、よろしいですか。これで議題はすべて終わりました。ほかに 何か事務局からありますか。ごく簡明にお願いしたいと思います。 ○事務局 一点だけ御報告させていただきます。今日も随分話題になったのですけれど も、前回のこの一般用医薬品部会において薬局での対面販売ということにつきまして、 リアップの市販後調査の結果について御報告させていただきました。そのときに、薬局 等においてきちんと対面販売が行われていることを、この場合ですと大正製薬株式会社 の方がしっかりと徹底させるよう指導しているということだったのですけれども、では 具体的にどのように指導しているのか、徹底しているのかということについてきちんと 報告をするようにというお話がございまして、その件について簡単に御説明いたします。  大正製薬の方からはこれまでにやったということについて、一応5点ほど報告を受け ております。1点目につきましては、このリアップを販売しているすべての薬局、薬店 が全国で約3万4,000か所あるというふうに聞いておりますけれども、こちらの方に販 売時の使用注意喚起事項を書いたものを封書で送付したと。2点目としまして、在庫製 品の表示の追加のためにシールをはるわけなのですけれども、薬局、薬店にそれをはる ようにということでお願いをしているということです。3点目としましては、大正製薬 の中の営業の社員に対しての研修ということで、薬局、薬店を訪問時には対面販売をし てくださいということをきちんと説明をするように十分指示をしているということでご ざいます。それから4点目としまして、販売店を対象としたリアップの学術セミナーと いうものを何回かやっており、その中でこういった徹底を図っているということでござ います。5点目としまして、これは一番最近なのですが、2001年11月に更にもう一度 各取扱店舗に、取扱いについては必ず対面販売で行うように注意してくださいという連 絡を送っているということで、具体的にはこの5点を中心としてやっているという報告 を受けております。ただ、今日もいろいろお話がございましたので、この点につきまし ては引き続きこちらの方としても注意をするように考えていきたいと思っております。 以上でございます。 ○木下部会長 問題が起きる前に、最初からやってもらえるようにしていきたいです。 よろしゅうございますか。私の不手際で大変遅くなりましたけれども、すべての審議が 終わりました。次回につきましてはまた調整の上、事務局から御連絡が行くと思います。 どうも先生方、ありがとうございました。 (了) 連絡先: 医薬食品局 審査管理課 課長補佐 佐藤(内線2734) - 47 -