02/04/08 社会保障審議会第7回介護給付費分科会議事録         社会保障審議会 第7回介護給付費分科会議事録 1 日時及び場所    平成14年4月8日(月) 14時から17時    厚生労働省 省議室 2 出席委員    西尾、井形、青柳、喜多、木下、木村、見坊、笹森、下村、田中(滋)、田中(雅)、    中村、橋本、堀江、山口、山崎、山本の各委員    新井、三宅、向山の各参考人    岡、京極、澄田、樋口、村上、矢野の各委員は欠席 3 議題  (1)事業者団体ヒアリング(第1回)  (2)その他  (参考)要介護認定一次判定ソフト改訂の進捗状況について ○ 社団法人シルバーサービス振興会・久留、日本在宅サービス事業者協会(以下、 「在宅協」という。)・寺田、社会福祉法人全国社会福祉協議会地域福祉推進委員会 (以下、「全社協」という。)・佐藤、全国農業協同組合中央会(以下、「農協」とい う。)・今尾、日本生活協同組合連合会(以下、「生協」という。)・品川、NPO法人市 民互助団体全国協議会(以下、「市民協」という。)・田中の各意見陳述人より、意見 陳述。 (青柳委員)  シルバーサービス振興会の補足資料の7ページについて、意見陳述の中では、「管理 職、事務職、営業職等に対する給与手当」を人件費に含めていたが、それを管理コスト に入れれば、「その他・一般管理費」と「広告宣伝費」を合わせて管理コストは35%に 達するが、この読み取り方でよいか。管理コスト35%、人件費コスト65%というのは、 現行報酬設定時に勘案していた比率と比べて、齟齬があるのかどうか。 (久留意見陳述人(シルバーサービス振興会))  意見陳述では、「管理職、事務職、営業職等に対する給与手当」を人件費コストに含 めて、人件費コスト76.2%と申し上げたが、そこをどう判断するかということによると 思う。 (青柳委員)  質の改善についての説明の中で、事故発生が多いとの発言があったが、具体的に介護 サービス提供中の事故発生がどのくらいあるのか、調査があれば見せていただきたい。 (久留意見陳述人(シルバーサービス振興会))  現在、事故の実態把握事業を行っているところであり、調査結果がまとまり次第、報 告させていただきたい。 (青柳委員)  身体介護100%又は身体介護と家事援助の割合が2:1であれば黒字で、1:1であれ ば赤字とのことであるが、身体介護の割合を高めるため別の事業者に家事援助をやって もらうような事業者側の理屈が利用者に対してまかり通るのか。また、在宅協の収支実 態の資料について、直接一般管理費と間接一般管理費の内容を示してほしい。 (寺田意見陳述人(在宅協))  現状では、身体介護100%又は身体介護と家事援助の割合を2:1にするために、身体 介護に特化するようなことはしていない。あくまでも参考事例である。 (吉田随行人(在宅協))  直接一般管理費は間接の事務員や営業等の費用であり、間接一般管理費は光熱水費、 車両維持費、賃借料等を含めている。 (橋本委員)  ホームヘルプサービスは非常に専門性が高いにもかかわらず、社会的評価が低く、報 酬も低いとの意見であるが、報酬を高くすればいい人材が集まるというわけではない。 ホームヘルプサービスの難しさは、一人一人の生活を把握する知識と求められている サービスを適切に提供する技術を要することにあるが、そのような専門性を高めるため の研修について、どう考えるか。また、高い報酬を要望する裏付けとして、事業者内部 での研修は具体的にどのように行っているのか。 (寺田意見陳述人(在宅協))  ホームヘルパー、サービス提供責任者、ケアマネジャーに共通して、これまではどち らかというと資格要件に偏重しすぎであり、今後は、学問的系統的に専門知識を習得し た上で一定の実務経験を研修に織り込んでいくことが効果的である。一番重要なのは資 格ではなく一定の経験であり、机上の学習で得た知識だけでは総合的な能力は身につか ない。在宅介護は施設介護に比べて利用者の状況や家庭環境が様々で非常に難しいの で、定期的な集合研修ではなくOJTが必要である。私どものところでは、サービス提供責 任者であっても定期的に個別の利用者を訪問させて、利用者中心のケアができているか 把握するようにしている。 (佐藤意見陳述人(全社協))  ニーズの個別化への対応については、これまでは標準化・マニュアル化が非常に遅れ ていたが、近年急速に変化しており、全社協でも標準化に関する委員会をつくって、標 準化されたマニュアルを基にサービス提供責任者等が個別ケースの教育を行えるような 環境づくりを進めている。私の事業所では、定例的に非常勤のヘルパーを集めて事例検 討等の研修を行ったり、サービス提供責任者が定期的に現場を訪れてケアの内容を確認 するなどの取組みも行っている。 (田中(雅)委員)  個別化されたニーズに対応するホームヘルプサービスの専門性を習得するには、経験 だけでなく基礎教育が重要と思うが、介護福祉士の資格を取った若い学生がホームヘル プサービスに就職しない現状については、どう考えるか。また、その理由はどこにある のか。 (久留意見陳述人(シルバーサービス振興会))  若い方々の就労意欲は非常に高いが、一生勤められる職種としての報酬を出してほし いという声を聞く。介護という専門性が高い分野に対して、労働の評価をきちんとして 報酬を支払うべきであるが、経営的に苦しい状況では難しい面もある。 (寺田意見陳述人(在宅協))  新卒者はサービス提供責任者として雇用しても、経験不足のため、独り立ちするのに 2年から3年の実務経験が必要。私どももISOを取得し、業務の標準化・マニュアル化を 進めているが、個別の利用者が必要とするケアを提供するには一定の経験がどうしても 必要。30代の中途採用の場合は、6か月から10か月の実務経験を要する。 (佐藤意見陳述人(全社協))  費用的な問題が大きい。また、常勤ヘルパーには多くの非常勤ヘルパーの指導援助を 期待するため、新卒者をそのポストにそのまま据えることはできないのが現状。 (今尾意見陳述人(農協))  全体的な経営の観点からは非常勤ヘルパーが多いが、福祉専門大学に対する奨学金制 度や研修によって、介護福祉士、サービス提供責任者等のリーダー的専門職を養成し、 新卒でも採用を進めていきたいと考えている。 (品川意見陳述人(生協))  生協の在宅介護の現場は、若い人たちの働く場にはほとんどなれていない。報酬等の 関係もあって施設に就職されることが多く、暮らしの助け合いなどのボランティア活動 の経験を生かして報酬をもらいながらやってもいいという方が担い手になっているのが 現状。 (田中意見陳述人(市民協))  介護報酬を上げてもらうしか方法がない。 (山口委員)  居宅介護支援の報酬引き上げの要望について、単なる引き上げの要望か、様々なサー ビスを組み合わせたケアプランの作成やケアカンファレンスの実施などの場合に報酬を 上げるべき、というような理由が他にあるのか、教えていただきたい。 (寺田意見陳述人(在宅協))  単なる報酬の引き上げはまずいと思う。給付管理業務について専任の事務員を設定し て、ケアプランづくりの時間を確保できるようにするなどのシステム改善と質の向上を 図ることが重要。 (品川意見陳述人(生協))  単価の一律の引き上げではなく、ケアマネジャーの本来の仕事に集中できる仕掛けを もっと整えることも大切。 (山口委員)  福祉用具や住宅改修の対象の拡大について、具体的にはどのような機器類を考えてい るのか。 (久留意見陳述人(シルバーサービス振興会))  個別具体的には第2回ヒアリングで福祉用具関係団体から発言があるかと思うが、例 えば、段差解消機などの給付を要望する声が大きい。 (山崎委員)  質の保証について具体的にどのようなプログラムを行っているか、事例を紹介してい ただきたい。訪問介護に係る苦情は何が一番多いか。ケアマネジャーの業務では何が一 番の課題で、どう整理すべきか。訪問介護の報酬引き上げの要望について、ヘルパーを 常勤化するためか、それとも非常勤でもマンパワーが必要ということか。 (久留意見陳述人(シルバーサービス振興会))  シルバーサービス振興会では、シルバーマークによって事業者の質の確保に取り組ん でいる。訪問介護サービスの質の向上については、看護婦の配置を義務づけている。ケ アマネジャーの業務については、業務の繁雑さを改善して本来の業務を遂行できるよう な環境を整えるべき。民間事業者の使命の一つは事業の効率化を図りながらサービスの 質を上げていくことであり、それでもどうしても改善できない部分についての配慮を要 望している。 (寺田意見陳述人(在宅協))  質の保証については、ISOの取得による標準化や定期研修、マニュアルの配布などを 行っている。半年に1回のCS調査では、苦情は1%以下で、95%弱が満足又は普通と いう状況。報酬の引き上げだけでなく、制度のシンプル化や、質の低下の心配がない場 合には規制緩和を進めて、無駄な費用を省き、保険料増や財政支出を抑えていくべき。 (佐藤意見陳述人(全社協))  質の保証については、標準化、苦情対応のマニュアル化、第三者委員の設置を各社協 に働きかける等の取組みを行っている。訪問介護のサービス内容について、これはでき ないというところでの苦情と、ヘルパーの指名に関しての苦情などがある。ケアマネ ジャーの業務については、専任化できないことが問題であり、事務関連の業務を切り分 けることなどは事業所の工夫で何とかなるが、基本的に他のサービスにも従事するとい うこと自体が問題かと思う。報酬の引き上げにより、当然専任化を進める。 (桜井随行人(農協))  質の保証については、各種の研修会で苦情対応マニュアル等をつくっている。 (品川意見陳述人(生協))  質の保証については、チームケアによる情報の共有化の促進や、サービス提供責任者 の質の向上のための交流会などを行っていく。全て常勤化とは考えておらず、非常勤を 組み合わせることが必要であるが、それでも現行の報酬体系では大変不十分であるのが 実態。 (渡邊随行人(生協))  訪問介護の苦情については、特に家事援助について掃除の仕方が利用者の思った通り にならない、ヘルパーと気が合わないので交替してほしい等の苦情が多い。ケアマネ ジャーの課題については、約3か月間の入院期間中に調整を行ってもサービス利用がな いと介護報酬が出ないこと、相談に関する加算、新規加算、退院時加算等を設けてほし いことなどがある。 (田中意見陳述人(市民協))  質の保証については、各事業所単位のヘルパー研修と、県別のサービス提供責任者研 修を行っている。訪問介護の苦情については、ヘルパーの指名を断っていることと、主 に家事援助の個別の内容の苦情が多い。ケアマネジャーについては、年収600万円の元看 護婦に対して300万円以上はなかなか出せない状況の中では、誰かが辞めたら後任の補充 に困る。報酬の引き上げにより、常勤の中核メンバーを確保して質の担保を強化した い。 (山崎委員)  訪問介護の質についてはサービス提供責任者がキーパーソンということであるから、 配置基準の緩和については議論を要すると思う。また、身体介護等のヘルパーの負担が 重いケアに対する加算などの要望があったが、これは加算を考えるということでなく、 ケアプランの約半分が単品で在宅におけるチームケアがまだ機能していないというとこ ろから発生していることだと思う。 (井形委員)  訪問介護の移動時間に関する要望があったが、郵便や宅配便のような遠距離でも追加 料金をとらないようにする努力をしているかどうか。 現在のところ支給限度額をフルに利用しているわけではなく、利用者1割負担があるた めに安い方のサービスを選択するという利用者の視点と連動して、報酬増の要望を考え てほしい。  本来ケアマネジャー間の競争があるべきだが、数は揃ったものの単品のケアプランが 約5割であり、ケアマネジャーの給与を全般的に上げるよりも、優秀なケアマネジャー の処遇を改善することによって、全般的に前向きに努力できる体制をつくることが必 要。 人材養成はあまり役に立たないとの意見があったが、現在の体制が5年〜10年続くわけ ではないので、立派な後継者を養成するには、学校だけでなく企業でも将来を担う人材 を養成していくのが望ましいのではないか。 (山本委員)  ヘルパーの利用時間帯には片寄りがあると思われるが、訪問介護の利用希望が同一時 間に集中して、ヘルパーの体制が間に合わないことがあるかどうか。また、そうした場 合に、要支援者及び要介護者の希望と利用者の立場に立って介護することが大事という 事業者との関係で、どう対応しているのか。 (久留意見陳述人(シルバーサービス振興会))  訪問時間の指定要望は非常に多く、特に訪問入浴介護は時間が集中するが、懇切丁寧 に事情を説明して時間の調整を行うということを、恐らくどの事業者もやっている。た だし、なかなか十分に対応できない部分もあり、苦情が出ることもある。 (喜多委員) 値上げの大合唱だけでなく、事業努力によりコストを吸収するという意見もあり少し安 心したが、現在の保険料の状況からすると介護報酬を値上げする枠は市町村にはない。 やはり、事業努力をしていただきたい。  シルバーサービス振興会の資料中の、質の向上のインセンティブが機能するような介 護報酬について、具体論があれば教えていただきたい。 在宅協の資料中のキャンセル料について、取れないのか、取っていないのか。 (久留意見陳述人(シルバーサービス振興会))  限られた保険財源の中で良質な事業者を利用者のために誘導するには、利用者に選択 された事業者をきちんと評価する方法や、指定基準以上の一定水準のサービス提供に対 する加算の仕組みなどが考えられるが、利用者がきちんと良い事業者を選択できるよう な環境整備についても、保険者による情報提供や事業者のチェック等を考えていただき たい。 (寺田意見陳述人(在宅協))  キャンセル料については、利用者を増やして継続性を高めたいという配慮から、取っ ていない。制度がもう少し普及・定着していけば、利用者の理解も深まって取れるよう になるかもしれない。 (田中(滋)委員)  訪問介護の報酬を一本化する場合、保険料を上げにくい経済情勢下では、身体介護の 報酬は下がることになるが、身体介護の専門性の確保の観点から、報酬が下がることを 踏まえているのか。また、家事援助の利用者負担は上がることになるが、専門性が高い のだから利用者負担も上がって当然であるとの主張なのか。 (佐藤意見陳述人(全社協))  身体介護特化加算を提案しているので、基本部分の生活介護型の単価は、現行の身体 介護よりもある程度下がることを前提としている。家事援助の利用料が上がることもや むを得ない。現行の身体介護と家事援助の2.5倍の格差はやはり具合が悪いということが 前提。 (品川意見陳述人(生協))  訪問介護の報酬の一本化については考え方がまとまっていないが、訪問介護だけでな く施設サービスも含めた介護保険全体の財源の中で、どういう体系があり得るかという 検討が必要。家事援助の利用者負担が上がらざるを得ないことについては、低所得者対 策は介護保険制度とは別の様々な支援制度として検討されるべき。 (木村委員)  訪問介護について、携帯電話のメール機能を使ってサービスの報告等を行っている事 業者は採算が合うようになっていると思うが、普及率はどれくらいか。また、導入によ る効率性・生産性の向上等の成果について、どう考えるか。モバイルを活用して計画的 に移動時間等の管理を行うのが前提であり、企業や団体の努力による更なる効率的な経 営が必要ではないか。給付管理ソフト等も開発されていると聞くが、全国団体であれば サーバーを導入するコストも問題にはならないと思うので、すぐにやられた方がいいの ではないか。 (佐藤意見陳述人(全社協))  そのような事務処理システムを使っているということについて、特に全国的な状況は 把握していない。私の事業所では、サービス提供責任者が地域ごとにできるだけ近いと ころで調整する工夫によって、移動コストは5年前の約4分の1まで下がっており、そ れぞれの事業所で工夫している状況である。 (笹森委員)  痴呆性高齢者の見守りはかなりの専門性が必要であり、現在は身体介護に入っている が、訪問介護を2類型にするという意見の場合、どちらの方に入れるのか。 (寺田意見陳述人(在宅協))  介護行為は生活の中で一連のものであり一本化するのが一番いいが、現行のシステム を踏まえると二本化も仕方ないという考えであり、その場合には痴呆性高齢者の見守り は身体介護に入れるべき。 (佐藤意見陳述人(全社協))  痴呆性高齢者の見守りは非常に技術が要求される部分ではあるが、時間も長くなるた め身体介護特化加算で見ると負担が高くなり限度額の問題も出てくるので、基本形であ る生活介護型で対応すべき。 (品川意見陳述人(生協))  見守りは専門性の高い仕事ではある。身体介護に含まれる見守りも家事援助の範囲の 見守りもある。 ○ 参考資料に沿って、要介護認定一次判定ソフト改訂の進捗状況について、外口課長 より説明。 (中村委員)  運動機能が低下していない痴呆性高齢者の一次判定が低く出ていた問題は、個別的に 一次・二次判定でスムーズに反映できるのか。逆に、直接生活介助や間接生活介助の基 準時間が今までより低く出て、痴呆症状がない又は軽い高齢者の要介護度が低く出るこ とはないか。  ケアマネジメントリーダー養成研修について、ケアマネジャーの資格がない方も推薦 されていると聞くが、養成研修の内容や今後の位置づけ等の資料を提出していただきた い。 (外口老人保健課長)  運動機能が低下していない痴呆性高齢者の認定については、今回の改訂版ではコン ピューター判定の段階でチェックマークを入れて、変更漏れがないように、できるだけ 公平にすることを目指しているが、実際には6月のモデル事業で検証することになる。 痴呆症状が軽い高齢者については、参考資料の2ページに示したように、実測ケア時間 と推計ケア時間がともに低い部分においてもかなりの相関を示しているので、理論的に は上手くいくと考えられるが、これもモデル事業で検証したい。 (木倉振興課長)  ケアマネジメントリーダーの研修事業については、現在、各都道府県で研修の作業を 進めているところであるが、基本的には各地域でケアマネジャーのリーダーとして活躍 されている方に更に力をつけていただいて、医療・保健・福祉サービスや公的事業との 連携等を図っていただく事業であるので、必ずしもケアマネジャーの資格を持っていな くても、既に地域でケアマネジャーの指導的立場にある方や様々なサービスの調整を実 施している方にも参加していただきたい旨お願いしている。 (青柳委員)  現行の認定ソフトは基本部分をブラックボックスにしたままモデル事業を行って失敗 したので、今回のモデル事業においてはポジティブな検証作業をやっていただきたい。 データ的には実測ケア時間と推計ケア時間の相関が非常に上手くとれているが、境界の ファジーな部分はどうしても残るので、実際に二次判定の場で客観的な判断ができるよ うに準備が必要。 (井形委員)  現行の中間評価項目は全国のモデル事業のデータを基につくられているが、改訂版の 中間評価項目は新しいデータを使うのか。 (外口老人保健課長)  中間評価項目を使う手法は、今回も用いている。 (堀江委員)  運動機能の低下していない痴呆性高齢者の認定については、これまで各保険者におい て主治医意見書や認定審査会等の運営上工夫してきたが、今回の改訂後も、認定審査会 の相当程度の裁量は確保されるべき。  モデル事業は、一次、二次でどれくらいの数値を使うのか。 (外口老人保健課長)  今回の改訂後も、最終的にはやはり二次判定における主治医意見書や特記事項の役割 が重要。運動機能の低下していない痴呆性高齢者についてもチェックマークが入るだけ で、要介護度をいくつ上げるかといった判断は従来通り審査会の議論で決まることにな るので、画一的になるといった弊害はないと思う。  モデル事業の客体数は、一次では少なくとも1万件、二次では全市町村で行うことと している。 (山崎委員)  在宅の要介護時間が反映されていないという問題については、追加6項目がそれらを 勘案したものという理解でよいか。また、モデル事業の対象は、既に要介護認定を受け ている方になるのか。 (外口老人保健課長)  在宅の認定については、参考資料の5ページに示されているように、要介護4、5で はかなりのオーバーラップ部分があるが、一応正確に判定できることが検証されている と思う。追加6項目は全体の精度を上げる観点から入れ替えを行っており、結果として 在宅調査にも役に立っている。一次モデル事業については、現在の通常の要介護認定に 6項目を追加して調査することによって行い、審査会ごとに意見を聞いていくことにし ている。 (山口委員)  以前のモデル事業では、最終的に全市町村で調査した時に、二次判定変更率が1桁に 下がったが、今回の一次モデル事業の対象市町村はどのように抽出するのか。無差別抽 出か、都道府県の推薦か、厚生労働省が選ぶのか。 (外口老人保健課長)  かなりの負担をかけることになるので、大小様々な規模の市町村が入るようにしなが ら、関心の高い自治体を中心に選ばせていただく。 (橋本委員)  認定審査会における二次判定で調整することは今後も必要であるが、一次判定でいか に妥当な成果を出すかが大切であり、二次判定を重視し過ぎるのは問題と思う。 (外口老人保健課長)  一次判定と二次判定のどちらに偏り過ぎても問題であるが、二次判定変更率の都道府 県、市町村、合議体ごとのばらつきが拡大しないように、コンピューターを活用して基 盤部分を揃えながら、最後は人間が決めるべき。 (堀江委員)  これまでは、主に痴呆性高齢者についての一次判定ソフトの不十分性を二次判定にお ける創意工夫により補ってきたのであり、一次判定ソフトがきちんと完成できればそれ に越したことはない。 (木下委員)  現在原則6か月の認定有効期間を変更することは考えているか。また、要介護認定と 要支援認定の取扱いが別々になっていることは、今後も続くのか。 (外口老人保健課長)  認定有効期間については、更新認定で症状が安定している方は12か月に延長するケー スが増えてきているので、今後、様々なご意見を踏まえつつ検討してまいりたい。要支 援認定と要介護認定の取扱いについては、今回は変更しないと思う。 (外口老人保健課長)  第8回は、4月22日(月)の14時からで、議題は、事業者団体ヒアリングの第2回そ の他を予定している。 (西尾分科会長)  本日はこれをもって閉会とする。 照会先 老健局 老人保健課 企画法令係 TEL 03(5253)1111(内3948 3949)