(資料6)国民負担率(租税負担、社会保障負担)の推移
1970年度からの国民負担率の推移をみると全体で14%増加しているが、その増加の大半は社会保障負担(+10.1%)であり、景気の動向等に左右されず一貫して増加してきた。税負担とりわけ国税の負担率は景気の動向等による増減はあるが、1970年度とほとんど変わらない水準である。 |
国民負担率の国際比較
我が国の国民負担率(=国民所得に対する租税負担と社会保障負担の割合)は、主要先進諸国と比べ低い水準にある。 |
[国民負担率=租税負担率+社会保障負担率]
[潜在的な国民負担率=国民負担率+財政赤字対国民所得比]
(注) | 1. | 日本は2002年度(平成14年度)見込み。諸外国は暦年実績。 |
2. | 財政赤字の国民所得比は、日本及びアメリカについては一般政府から社会保障基金を除いたベース、その他の国は一般政府ベースである。 |
社会保険料負担の国際比較
社会保険料負担について国際比較すると、我が国はアメリカやイギリスと同じ水準であり、ドイツやフランスと比べると低い現状にある。 |
【社会保険料率の国際比較(勤労者)】
保険料率 | うち本人負担 | うち事業主負担 | 内訳 | |
日本 (99.4) 注1 |
22.16% | 10.89% | 11.27% | 医療保険(政管健保)7.43%(標準報酬月額分8.5%、ボーナス分0.8%)、年金保険(厚生年金)13.58%(標準報酬月額分17.35%、ボーナス分1%)、雇用保険1.15% |
フランス (98.1) 注2 |
41.58% | 9.61% | 31.97% | 疾病保険13.55%、年金保険16.35%、寡婦保険0.1%、家族給付5.4%、失業保険6.18% |
ドイツ (98) |
42.2% | 20.95% | 21.25% | 年金保険20.3%、疾病保険(平均)13.6%、介護保険1.5%、災害保険0.3%(平均)、失業保険6.5% |
スウェーデン (98) |
35.53% | 6.95% | 28.58% | 年金保険20.38%、医療保険(傷病手当、両親手当等)7.93%、労災保険1.38%、失業保険5.42%、その他0.42% |
イギリス (97.4) 注3 |
最大20% | 最大10% 注5 |
最大10% 注6 |
国民保険(退職者年金、休職者給付、労働不能給付等) |
アメリカ (99) 注4 |
15.3% | 7.65% | 7.65% | 老齢・遺族・障害年金(OASDI)12.4%、メディケア2.9% |
資料:厚生省資料(平成11年版厚生白書に掲載されたものを引用)
(注) | 1. | このほか業務災害補償があるが、保険料率は事業の種類により異なっている。 |
2. | このほか、労働災害・業務病補償部門の事業主負担保険料率があるが、企業により異なっている(平均4.0%)。また、失業保険の保険料率は所得により異なる。その他に、本人負担として、保険料負担以外に疾病保険、家族給付に充当される一種の目的税である一般社会拠出金(収入の7.5%)がある。 | |
3. | 医療については公的医療保険がなく、大部分国庫負担で賄われている。 | |
4. | このほか、州が主管する「社会保険」として、「失業保険」と「労災補償保険」があるが、保険料率は州により異なっている。 | |
5. | 所得により保険料率が異なる。表中の数値は週給64ポンドを超える部分にかかる保険料率。 | |
6. | 所得により保険料率が異なる。表中の数値は週給210ポンド以上の場合の保険料率。 | |
7. | 基本的に保険料率は総報酬ベース。日本の場合には、医療保険(政管健保)及び年金保険(厚生年金)の保険料率について、ボーナスを含めた総報酬ベースに換算した数値を用いている。なお、( )の中は標準報酬ケース。 |
アメリカは公的医療保険制度がないため、公的社会保険料だけで比較すると事業主負担は低いが、事業主が負担している私的年金、医療保険の負担を加えると、我が国よりアメリカの事業主負担の方が高い。 |
【社会保障費用及び租税等の事業主負担の国民所得費の日米比較】
資料及び注 | 1) | 社会保険料はILO基準による国立社会保障・人口問題研究所調べ |
2) | 租税はOECD,Revenue Statisticsによる。 | |
3) | アメリカの私的年金・私的医療保険の企業負担については、EBRI(Employee Benefit Research Institute),Data Book on Employee Benefit third edition による。 | |
4) | 日本の税制適格年金については1996年度の推計値 |