02/01/31 第5回BSE問題に関する調査検討委員会議事録          第5回BSE問題に関する調査検討委員会議事録              平成14年1月31日(木)             三田共用会議所 第三特別会議室                  目    次 1 開  会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2 資料説明・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 3 質  疑・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18 4 次回の日程・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38 5 閉  会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38                  開   会 ○高橋委員長  ただいまから「第5回BSE問題に関する調査検討委員会」を開催したいと思いま す。  本日は砂田委員が所用で欠席されておられます。また和田委員は15分ぐらい遅れて出 席されるということでございます。  本日の会議は、予定では午後4時までとなっておりますが、状況によっては多少の延 長もあろうかと思います。ご協力のほど、お願いしたいと思います。本日も円滑な議事 の進行に努めさせていただきますので、よろしくお願いいたしたいと思います。  なお、本日も会議は公開とし、傍聴者の方には別室の傍聴室においてテレビモニター により傍聴していただくことにしております。あわせて会議資料も公表することとして おります。ただし、会議資料については、個人の権利、利益を害することがないよう、 役職名は公開とするが、個人の氏名については非公開とし、資料の中で空欄とさせてい ただいております。また、会議について公にすることにより、個人の権利、利益を害す る恐れがあると私が判断した場合には、委員会の了承を得た上で非公開とし、非公開の 間の議事の概要については会議終了後、事務局が記者会見で説明を行うこととしており ますので、よろしくお願いいたしたいと思います。  それでは議事に入りますので、報道関係の皆さま方は傍聴室の方へお移りいただきた いと思います。                 資 料 説 明 ○高橋委員長  本日は、ご案内してございますとおり、「農林水産省と厚生労働省との連携の検証に ついて」をご論議いただくことになっております。まずは事務局から資料を提出してい ただいておりますので、その説明をお願いし、その後、質疑の時間を設けたいと思いま す。  それでは説明をお願いします。 ○農林水産省武本企画評価課長  農林水産省官房企画評価課長の武本でございます。  お手元の資料について、ご確認をさせていただきたいと思いますが、資料一覧、その 下に個別の資料がございます。資料ナンバーが付してあるのが資料1から資料6までで ございまして、その下に参考配布という形で幾つかの資料がございます。今回もいろい ろ印刷の都合がございまして、番号を付しておりませんので、誠に申しわけございませ んけれども、この場で番号をおつけいただきたいと思います。  参考配布の一番上にございます「牛海綿状脳症(BSE)に関する行政対応に係る調 査結果票(農林水産省)」、これを参考配布1という形で整理をさせていただきたいと 思います。その下に「牛海綿状脳症(BSE)に関する行政対応に係る調査結果〔質問 9及び10に対する回答〕(農林水産省)」という資料ですが、これを参考配布の2とさ せていただきたいと思います。その下に「牛海綿状脳症(BSE)に関する行政対応に 係る調査結果票(厚生労働省)」、これを参考配布の3とさせていただきたいと思いま す。その下にございます「牛海綿状脳症(BSE)に関する行政対応に係る調査結果 〔質問13及び14に対する回答〕(厚生労働省)」につきましては参考配布の4とさせて いただきたいと思います。その下にございます「委員御指摘の資料項目とそれに対する 対応状況」、これを参考配布の5とさせていただきたいと思います。その下にございま す「雪印食品問題の経緯と今後の対応」につきまして、参考配布の6とさせていただき まして、その下にございます「平成13年2月16日の農林水産省と厚生労働省との定期懇 談会において、BSEに関して農林水産省から説明を行った資料」、これを参考配布の 7とさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  それでは、資料1から説明をさせていただきます。資料1をごらんいただきたいと思 います。  資料1は、本日のテーマでございます農林水産省と厚生労働省の役割分担に関する資 料でございます。表紙をめくっていただきますと、1ページに農林水産省及び厚生労働 省の役割分担の考え方ということで、1ページ目は中央省庁等改革前の役割分担を整理 させていただいております。そこの右側に旧農林水産省設置法と旧厚生省設置法が掲げ てございますけれども、それぞれの省は、そこに書いてございますような任務を担当し ていたわけでございます。それで公衆衛生といいましょうか、食の安全性にかかわる部 分というのは旧厚生省設置法第4条第1号の国民の保健、この中に含まれるという整理 がなされていたところでございます。  2ページをごらんいただきたいと思います。中央省庁等改革における考え方という部 分でございます。 (1)に行政改革会議における検討とございまして、平成8年から中央 省庁のあり方について検討がなされておりまして、平成9年12月3日に省庁再編を盛り 込んだ最終報告がなされたところでございます。その際の「新たな行政組織を構築する 上での基本的な考え方」が、そこの(1)から(3)に掲げられておりますような整理がなさ れております。特に(3)の「政策立案部門と実施部門との連携及び政策評価」といったよ うな新しい整理もなされたところであります。そういった基本的考え方を踏まえまし て、「省庁編成の原則」といたしまして(1)から(5)のような整理がなされておりまし た。「目的別省編成」、「大ぐくり編成」、「利益相反性への考慮」、「省間バラン ス」、「省間の相互調整」ということでございました。いわゆる縦割り行政の弊害と いったものに対応する方策の1つが大ぐくり編成であったわけでありますけれども、そ の事務が利益相反性をもっている場合にはそれを考慮していくというのが原則であった わけであります。  それを踏まえまして (2)でございますが、食品行政についての取り扱いであります。 行政改革会議における議論といたしましては、生産の立場と安全規制の立場は利益相反 の関係にあるということ。それから、その当時O− 157の問題が発生したわけでありま すけれども、その対応等からみて、医療を基盤とした対応の必要があるといった議論が なされまして、最終報告では食品衛生に関する行政は、その当時の省名でありますが労 働福祉省が担当する一方、農林水産省は「食品行政において労働福祉省との間の責任分 担を明確化するとともに緊密な連携を確保する」という整理がなされたわけでありま す。この限りにおいては、基本的に旧設置法の整理とかわるところはないわけでありま す。  3ページをごらんいただきたいと思います。 (3)は、そういった行政改革会議の最終 報告を踏まえまして、中央省庁等改革基本法が編成されたわけでありますけれども、左 側の下のなお書きのところでありますが、そこにございますように、行政改革会議の最 終報告通りに位置づけられたところでございます。  4ページをごらんいただきたいと思います。そういたしますと、もともと縦割り行政 の硬直性だとか、そういった問題があったわけでありますので、事務分担を変えないと いうことになると同じことが起こるのではないかということが心配されるわけでありま す。そういったものへの対応措置として、中央省庁再編においては政策調整というもの を制度的に位置づけております。4ページの1の行政改革会議における検討のところで ありますが、現行の各省庁の特定行政分野についての排他的所掌を前提にした分担管理 原則が、「所掌範囲内の政策の独占と縦割りの硬直性、省庁をまたがる政策課題への対 応力の欠如を招いている」といった批判がなされていたわけであります。「行政目的別 大ぐくり省編成により、各省がさらに巨大化し、相互の政策連携が現状に比しても不十 分になることへの懸念も存在」していたわけでありまして、そういった問題意識から、 最終報告で、各省間の調整システムについて、その下に○が2つありますけれども、そ ういった考え方が盛り込まれたわけであります。1つ目は、「従来原則として内閣官房 及び総理府外局にのみ存し、実態的には有効に機能していなかった各省間の調整システ ムにつきまして、内閣官房及び内閣府による総合調整のほか、省間相互の政策調整によ り、抜本的に機能強化を図る」ということ。それからもう1つは、「新たな省には担当 する行政目的の遂行に照らし、必要な分野について各府省との調整権を付与するほか、 所管外の事務・事業に関しても当該省の行政目的実現の観点から、互いに意見を述べ、 提案を行い得る仕組みを創設する」という整理がなされたわけであります。そういった 部分は右側の中央省庁等改革基本法の真ん中あたりにありますが、第28条、「府省間の 政策調整等」という形で法律上明確に位置づけられたわけであります。とりわけ第1号 でありますけれども、「府省はその任務の達成に必要な範囲において、他の府省が所掌 する政策について、提言、協議及び調整を行い得る仕組みとすること」ということです から、これで直接所掌に該当しない部分についても、自分の所掌の遂行上必要な範囲に おいて、積極的に提言なり協議なり調整が行えるということが位置づけられたわけであ ります。  以上のことを整理したものが次の5ページのフローの絵でございます。今次改革にお ける政策調整システム導入の意義というところでございまして、政策調整システムをな ぜ導入していくのかといったことが整理されているわけであります。  6ページをごらんいただきたいと思います。6ページは、その政策調整システムを具 体的にどのように運用していくのかということ、これにつきまして、平成12年5月30日 に閣議決定がなされております。右側のフローをみていただきますと、まず、自らの政 策に関し、他府省に意見照会をする場合、これが意見照会であります。もう1つは他府 省の政策に関し意見の提出の場合、これは意見提出になります。こういったことを行っ た場合に、相手府省からのリスポンスが当然あるわけでありますが、その結果、意見の 調整が図られない場合、相互協議を行うという形になります。その場合に、事務方では 折り合いがつかない場合が当然ございますので、大臣の間での調整という形を位置づけ ております。これで合意が形成されれば調整が終了いたしますし、調整不調という場合 には内閣官房・内閣府による総合調整の申し出を行って、内閣官房・内閣府による総合 調整を経て、最終的に決着を図るということが明確化されたわけであります。  7ページをごらんいただきたいと思います。7ページは、そのような政策調整の具体 的な対応といたしまして、平成11年4月27日の中央省庁等改革推進本部決定の中に食品 行政について定められている部分がございます。これは左側の文章で読みますと、食品 行政に係る農林水産省と厚生労働省との間の政策調整に関して、中央省庁等改革の推進 に関する方針においては、農林水産省が行う畜産振興等の観点からの施策と厚生労働省 が行う公衆衛生の観点からの施策の緊密な連携を確保し、中央省庁等改革基本法第28条 に基づく協議を円滑に行うため、国及び県段階のそれぞれに食肉・食鳥処理問題調整協 議会を創設し、と畜及び食鳥処理に関する事項について協議を行うということが整理さ れたところであります。  これを踏まえまして、8ページに厚生労働省・農林水産省共同の食肉・食鳥処理問題 調整協議会要綱というものが定められまして、この要綱に基づきまして、過去3回、協 議会が開催されております。この協議会の構成員は右側の欄の3にございますように、 厚生労働省からは食品保健部長、監視安全課長、担当課長補佐、農林水産省からは畜産 部長、食肉鶏卵課長、担当課長補佐ということで出席をして、と畜場等の取り扱いに関 する意見交換を行っていたところでございます。これは先ほど来説明しております政策 調整を行うケースとして、この食肉・食鳥処理問題調整に限っているという意味ではな く、むしろその時点において必要性があったという観点から整理をされたものでござい ますので、当然、両省間において政策調整が必要なものが出てきた場合には、そのケー スに応じて、この中央省庁等改革基本法第28条に基づいて政策調整を実施していくとい うことが可能になっているということであります。  その次のページからは閣議決定文章の政策調整システムの運用指針の全文でございま す。これは説明を省略させていただきまして、最後の14ページには、これは第1回目に 提出をいたしました生産から消費までの流れということで、牛及び食肉の流れと、それ ぞれの段階に対応する衛生に関する行政からの対応を整理したものでございます。  以上が、いわば法律制度上の役割分担の話でございまして、次に資料2に入りたいと 思います。法律上の役割分担のほかに事実上といいましょうか、実際上の意見交換等の 場が幾つか、農林水産省、厚生労働省の間には設置されております。まず農林水産省と 厚生労働省が連携して取り組んでいる課題、会議等ということでございまして、1番目 が農林水産省と厚生労働省との定期懇談会というものを開いております。これは (1)の 3行目にありますけれども、平成元年から年1回程度のペースで開催をいたしておりま す。今年は平成14年1月に第16回を開催したところでございます。懇談会では、 (2)に ございますように、食品安全に関する予算でありますとか、と畜場の衛生管理、残留農 薬・動物用医薬品等に関する規制、遺伝子組みかえ食品に関する対応、O− 157対策等 食品安全に関わる事件・事故など食品の安全性全般について両省から説明を行いまし て、情報交換を行っているというものでございます。この資料の7ページ、8ページあ たりが最近、去年、今年の開催状況と両省からの説明事項を整理したものでございま す。  ちなみに第15回、7ページにございますが、13年2月16日の会議におきましては、農 林水産省から、下から4つ目になりますけれども、海綿状脳症(BSE)の侵入防止措 置の実施状況ということで、本日提出した資料でいいますと、参考配布の7にあたる資 料、これを提出して説明をしたところでございます。  申しわけございませんが、また資料2の1ページに戻っていただきたいと思います。  2番目が食生活指針推進連絡会議というものでございまして、これは平成12年3月に 「食生活指針の推進について」という閣議決定がなされました。この資料そのものは、 その当時の文部省、厚生省、農林水産省の共同のものでございまして、その普及・定着 を図る観点から局長レベルでの連絡会議を設置しているところでございます。  3番目がコーデックス連絡協議会でございます。 (1)にコーデックス委員会の趣旨が 書いてございますけれども、 (2)にありますように、コーデックス委員会については農 林水産省と厚生労働省が常に協議・連携して対処しているところであります。平成12年 3月に両省が中心となりましてコーデックス連絡協議会を設置し、コーデックス委員会 の活動状況を消費者をはじめとする関係者に対して情報提供を行うとともに、消費者、 産業界等から幅広く意見聴取を行って、両省はそれら意見を考慮してコーデックスに対 応しているところでございます。  2ページをごらんいただきたいと思います。2ページは、BSE問題に関する両省間 の情報交換・連携等についてでございます。ここの部分は、これまでの委員会におきま して個別にそれぞれ説明をしていたものを、連携という切り口で再編集したものでござ います。1はWHOの専門家会合の勧告時ということで、 (1)が農林水産省関係という ことで96年の4月8日に研究者等による「海綿状脳症に関する検討会」が開催されたわ けでありますが、この会議には当時の厚生省生活衛生局乳肉衛生課の担当官が出席をさ れておられます。   (2)は厚生省の関係でございまして、同年4月11日に「食品衛生調査会常任委員会・ 乳肉水産食品部会」が開催されたわけでありますけれども、この会議には、農林水産省 からは当時の畜産局流通飼料課、衛生課、食品流通局食品油脂課及び技術会議事務局企 画調整課の担当官が出席をしているところでございます。  2番目がEUのBSEステータス評価に関する対応時でございまして、 (1)はEUの BSEステータス評価の始まった時点での関係でございます。 (1)の真ん中あたりに 「このため」とございますけれども、「農林水産省が厚生省からの資料提供も受けて、 我が国の基本的考え方及び我が国のTSEに関する状況を説明した資料を作成し、提出 した」ということでございます。   (2)は2000年から2001年にかけてのことでありますけれども、前段がドラフトレポー トの関係で、その概要について農林水産省畜産部衛生課長より厚生労働省監視安全課に 対して説明を行った旨、記述しておりますし、その後、EUのステータス評価の取り下 げの関係で農林水産省の衛生課から監視安全課に対しての説明なり、あるいは正式の公 電案についての協議を、外務省を通じて厚生労働省、農林水産省で行ったという旨、記 述されております。  3ページ目が2001年8月以降(我が国におけるBSE発生以降)の連携について書い てございます。これは前回の委員会でご説明申し上げた部分を、その連携に関係する部 分について取り出したものでございますが、とりわけ (7)でございます。10月18日、農 林水産省は牛海綿状脳症(BSE)検査対応マニュアルを策定し、その中でBSE防疫 に関する農林水産省と厚生労働省の連絡・通報体制を整備したとなっております。ここ でまことに申しわけございません。訂正をさせていただきたいのですが、 (6)に参考7 と書いてございますけれども、この参考7を落としてください。そして、 (7)の参考8 を参考7にしていただければと思います。この部分は、この資料の35ページ以降に出て おりまして、両省の連絡・通報体制のフローチャートということでございます。35ペー ジが、BSEが疑われる牛の届出について、農林水産省、厚生労働省との関係を明確に 位置づけたものでございます。36ページがサーベイランス体制等について、37ページが と畜検査(解体後検査)について両省間の連携、あるいは関係について明確に位置づけ たといいましょうか、示したものでございます。そういう形の整理が行われたというこ とでございます。  続きまして資料3に入らせていただきます。資料3は牛海綿状脳症(BSE)に関す る行政対応に係る調査結果ということで、先般ご説明申し上げました、関係する職員へ の調査の結果でございます。調査票の写しそのものは、先ほど申し上げました参考配布 の、農林水産省の関係でいえば1、厚生労働省の関係でいえば3がそれに該当いたしま すし、そのうちの記述を求めるところが、それぞれ両省ありましたものですから、その 分について抜粋したものが参考配布の2と4という形で整理しております。  資料3をごらんいただきたいのですが、ページをめくっていただきますと目次があり ます。さらにめくっていただきまして1ページ目でございますが、1ページ目には全体 の回答状況を記しております。対象者97人のうち返事のあった方が86人ということで、 回収率89%でございます。対象者の内訳は局長・部長・審議官クラスが14人、課長・室 長が15人、上記以外52人。それから当時の役職がよくわからない、調査票の1ページ目 が送られなかった方が5人いらっしゃいます。合わせて86人という形になっておりま す。  2ページ目以降、質問の1からの結果をまとめておりますが、本日のテーマである両 省間の連携ということの関係では、質問5が関係してまいりますので、40ページをごら んいただきたいと思います。40ページは、「これまでの質問について、在職期間中、厚 生労働省との連携を図っていたか否か」という質問であります。全体のベースでは 「図っていた」という認識をもっている方が27%、「図っていなかった」という認識を おもちの方が33%、「その他」という方が21%、「無回答」が19%ということになって おります。それを各クラス別でみたものが(1)から(3)という形になっているところであ ります。この資料の場合、注意をしていただきたいのは、あくまでもその方の認識、考 えを聞いているものですから、対応ぶりが同じであっても、その方が積極的に図ったと 思っている場合はYESに丸をしますし、やったけれども、それは十分ではないという 思いの方は、例えばその他に回ったりという形になりますので、この数字が同じレベル の中身になっているかどうかというのは、実は個票まで当たらないと、厳密に言えばわ からない部分があります。その一例として、参考配布の1の調査票の本体をごらんいた だきたいと思います。  牛海綿状脳症(BSE)に関する行政対応に関する調査結果の調査票の農林水産省の 分であります。その 365ページをごらんいただきたいと思います。この 365ページの下 の方に問5がございます。厚生労働省との連携を図っていたか否かという質問に対し て、この方は「図った」というところに丸をしています。その図った内容を下で聞いて いるのですが、記入欄には「厚生労働省の担当官に農水省内の動きを電話連絡」という ことで、この方は連携を図ったというところに丸をされております。それに対しまし て、例えば 387ページをごらんいただきたいと思います。 387ページの上段の右側に問 5がございます。在職期間中、厚生労働省と連携を図ったか否かという質問に対して、 この方は「その他」に丸をしております。その理由を聞きますと、「相互の対応策の調 整という段階までは行っていなかったが、BSEに関する情報交換は行っていたはず」 となっています。ですから、その方の認識によって答えぶりは変わってくるということ がわかります。その後になお書きがついています。「『飼料の安全性の確保及び品質の 改善に関する法律』上、厚生大臣は、公衆衛生の見地から、農林水産大臣に対して、肉 骨粉等の反芻動物への給与禁止等の措置(同法に基づく基準の設定)を要請することが できたが、在職期間中はその要請はなかったと認識」ということを、この方は書かれて おります。  この飼料安全法という法律には、こういう条文があるのですけれども、この点につい ては後ほど吉岡課長からもご説明があるのですが、参考配布の4の厚生労働省の資料の 「質問13及び14の回答」の4ページをごらんいただきたいと思います。4ページのNo.12 という方の回答の13の (2)であります。この方の認識は、「今から考えれば、96年以 降、農水省が反すう動物の由来の飼料を反すう動物に給与しないよう行政指導するに留 めていた時に、厚生省は国内産牛肉の安全性確保の観点から飼料の規格基準を見直すよ う意見を申し入れるべきだったかもしれないと思う。また、農林水産省も厚生省の意見 を求めるべきであったと思う。法的には、厚生大臣が飼料の規格基準について意見を述 べる権限が明記されているにもかかわらず、飼料の規格について、日ごろから意見を述 べ、また取り入れる関係にはなっていなかったと思う。今後は、飼料についても公衆衛 生の観点から意見を述べやすいような関係づくりが必要と考える」ということでござい まして、それぞれ担当者の方々はそういうツールがあるということはご認識のようであ りますけれども、実際問題として、うまく連携が図れなかったということが書かれてい るわけであります。  それから連携の関係で、ついでといっては何ですが、参考配布の2の「牛海綿状脳症 (BSE)に関する行政対応に係る調査結果〔質問9及び10に対する回答〕」、こちら の説明に入らせていただきたいと思います。ここの部分は、選択肢というのではなく て、それぞれ書き込んでいただくわけであります。問9というのは、発生してしまった けれどもそのことをどう思いますかということと、今後、それをどのように教訓として 生かせばいいですかという問いでありますし、質問の10というのは、とにかく何でもい いから書いてくださいというものであります。幾つかご紹介をしていきますと、1ペー ジ目のNo.1の方です。この方は9の (2)に書いてございますけれども、「食品安全行政 について、農水省と厚生労働省の連携を強化する必要があると考えています(人事交流 を含む)」というようなことが書いてあります。1番下のNo.5の方でありますけれど も、9の (2)の3行目です。「特に本件のように厚生労働省との連携が強く求められる 問題については、両者の連携を常時継続的に維持し、監視できるシステムの構築が重要 である」。次のページですが、「当面考えられる案としては、畜産・食品衛生行政を監 視し、必要な助言、提言ができる第三者機関(例えば常設の第三者委員会)を設立し、 そのもとに農水省・厚労省合同の協議機構(例えば両省局長を共同議長とする常設協議 会)を設置して連携を強化することが一案であると考える」。No.6の方では、9の (2) ですけれども、「広い意味でリスク管理が不十分だったということであろうが、その一 因は『リスク分析』と『リスク管理』が十分分離されていなかったことではないかと思 う。リスク管理の前提として、第三者的で科学的見地に立った厳格なリスク評価・リス ク分析体制をとる必要があるのではないか」といったご意見。それからNo.8の方の場 合、3ページの一番上ですが、「両省間や都道府県等の関係機関との連携強化のために 情報の共有・迅速な伝達、具体的な手順を明確にしたマニュアルの徹底、透明性の確保 などが重要と考えます」というようなご意見でございました。  それから6ページのNo.17、これは課長・室長クラスの方になりますけれども、大分長 く書いていますが、10の方であります。真ん中よりちょっと上あたり、「もともと」と いうところから始まるところです。「もともと衛生課国際防疫班は文字通り一班一班長 二係長程度の小さな班で、家畜伝染病予防法に基づく輸入検疫等を行うため、対外的に は」ということで(1)〜(8)と、ずっといろいろ書かれておられまして、多岐多量の業務 にわたるというようなことが書かれております。下から8行目になるのですけれども、 「海外の情報を踏まえて戦略を練り、侵入防止に万全を期すことが本来期待されている であろうと思いますが、これまでの実情は緊急事態への対応とその後の法改正等を含む 後始末の対応に終始せざるを得ない『参謀と最前線が同一部隊』でした。衛生課が危機 管理の部署であることを考えると、こういう部署には情報の収集分析・業務への反映の 提言、業務の評価・見直し提言を行う組織を並行的に設ける必要があろうかと考えま す」と。それから7ページ、第1行目ですけれども、最後の方で、「これまで(1)衛生措 置を不合理な非関税措置とみなす雰囲気があること、(2)輸入解禁を二国間友好の観点か らも処理すべきとの意見があること(輸出国政府は輸出国の政治情勢をも踏まえて対日 対応もしていること)、(3)輸入手続の簡素化の取り組み要請があること(輸入手続の電 子化等で所要時間を短縮)等、我々を取り巻く環境はかくのごとしであり、今後、農産 物の安全についての正しい理解を求めていくことも重要であると考えます」いうことで あります。最後のパラグラフの4行目あたりから、「今後、農政を推進していく上で、 情報公開の中にあって常識の感覚をも忘れないことに加え、新規施策の策定、開始、推 進中に原課・局とは違う第三者の視点も持ちながら、加えて危機管理においても現場、 前線の業務に巻き込まれない形での新規施策の事前評価、既存施策の評価・提言ができ る組織づくりをしていく必要があると考えます」ということを書いています。  8ページをごらんいただきますと、No.20の方でありますが、9の (2)のところに、今 回のBSEの発生などを踏まえればということだと思いますが、「科学的に十分に解明 されていなくても、予防原則に基づく対応が重要」ということで、「常に最新の情報を 入手し、政策に反映させる体制の必要性」、「このような情報の集積を必要とするよう な人的配置が必要」であるといったようなことをお書きになってございます。  それから管理職以外のその他の方々でいいますと、16ページ、No.41の方です。9の (2)でありますけれども、「今回の件は『コスト削減』と『食の安全』の2つの要素のう ち、前者が重視されたことから生じてしまったのだろうと思う。しかも対外関係が絡む と我が国の場合は『自由貿易派』が出てきて輸入制限的な措置はとりにくくなる。思う に『生産性向上』に強いバイアスのかかった当時の畜産行政に『使用禁止』を決断せよ と望むのは無理な面がある。とすれば、畜産行政に誰が禁止を勧告できたのか」といっ たことで、1行おきまして、「簡単な答えは存在しないが、各省から独立した『食品安 全性評価委員会』を設置するとか、組織のあり方にまで踏み込んだ検討が必要であると 思う。この場合、厚生労働省の食品関係部局と農林水産省の統合のような措置も検討す べきではないか」といったようなことをいっておられまして、10のパラグラフの下3行 です。「私見であるが、システム、組織のあり方にまで踏み込まなければ、再び同じよ うな事件が繰り返される可能性がある。委員会の先生方におかれては、その点にまで及 んだご検討をお願いしたい」ということを書いています。  それから25ページのNo.63の方でありますが、9の (2)のところです。「現行の体制で は少ない人数で多くの家畜疾病(BSEのような新疾病も含む)について、全世界を相 手に全ての家畜・畜産物の品目を対象に輸入実務に関する問題から国際交渉まで対応し ており、疾病に関する技術的な検討や国際的な情報の収集・分析を常時行える体制には ないと思う。このため、輸出入に関する事務を担当せず、常時国際情報を収集分析し、 行政の企画・立案に対して技術的にサポートするシンクタンクのような組織を(できれ ば衛生課の外に)設置することが良いと思う。また、事前対応型のシステムを構築する ためには、獣医官を諸外国に駐在させ情報を収集するなど、組織・人員を大幅に拡大 し、あらゆる家畜衛生に関する出来事に対して分析・評価し、対処方針の構築ができる 体制をつくる必要があると思う。そのためには、食品衛生と家畜衛生を一元化して対応 するのもよいと思う」ということであります。  あと、お読みいただければと思いますけれども、以上のような、それぞれのクラスの 方々のご意見をご紹介したところであります。  それから、資料3の2は吉岡課長からご説明していただくこととしまして、資料4で ございます。資料4は「現時点までのBSEに係る各国の対応」ということで、これま で本委員会に、時系列的にどういうことを講じてきたかということを何度か説明をさせ ていただきましたが、現時点において日本のとっている措置というのが諸外国と比較 し、どういう状況にあるのかということをまとめた資料でございます。ですから、これ は現時点において各国がとっている措置とお考えいただければと思います。国境措置と 国内措置に分けております。国境措置について、生きた牛の輸入については、我が国は BSE発生国からの輸入を停止しております。それに対しまして、EU、米国、豪州 は、そこに掲げられているような形になっています。米国、豪州は「禁止」という言葉 をとっているのに対して我が国が「停止」という言葉をとっていますので、何か弱い感 じに受け取られるかもしれませんが、この点は脚注に言葉を整理しております。諸外国 のものについては、原典が“ban”という英語を使っておりますので、その訳語で 「禁止」と整理しています。我が国の場合には、家畜伝染病予防法に基づきまして、生 きた牛及び肉骨粉等について輸入検疫証明書の交付を停止しておりますので、そのこと から「停止」という整理をしております。なお、OIE等への通報は“prohibi tion”という英語を使っておりまして、これも禁止の意味で使っておりますので、 実質上は禁止と同等のものと考えております。  それから肉骨粉等の輸入については、そこに書いてございますような整理になりま す。  国内措置につきまして、肉骨粉等の牛への給与につきましても、我が国も法令で禁止 をしているところでございます。  それからレンダリングについてであります。我が国の場合は、サーベイランスの対象 牛以外の死亡牛は、直接またはレンダリング処理後に焼却され、飼料原料としても出回 ることはない形にしております。EUは、ほ乳動物の畜産副産物は以下の基準に従って 処理されなければならないということで (1)から (4)のような形での対応をしていると ころでございます。米国、豪州は特段の規制がかかっておりません。  特定危険部位の除去に関してでありますけれども、我が国は、SRMはと畜場ですべ て除去し、これをすべて焼却処理をしているところであります。EU、英国もほぼ同様 の対応をしているところでありますが、米国、豪州は、SRMについての規制はござい ません。  それからと畜場でのBSE検査につきまして、我が国は全頭検査を行っておりまし て、これがEUを超える水準になっているといわれているものでございます。  サーベイランスの実施につきましては、現時点ではそこに書いてございますように (1)と (2)の牛、これはすべてになりますけれども、 (3)に該当するもの、24カ月齢以上 の死亡牛のうち年間 4,500頭というサーベイランスにとりかかっているところでありま す。EUが、統計学的検証のために暫定的に1年間に限り24カ月齢以上の死廃牛の全頭 をサーベイランス対象とするという状況でございますので、我が国におきましても、日 本の欄のサーベイランスの実施のところですが、24カ月齢以上の死亡牛についての全頭 検査の導入を目途として、検査体制の強化を図ることとし、当面の課題として、検査シ ステムのあり方、予算及び人員を含めた体制づくりを検討しているところでございま す。  それから資料5をごらんいただきたいと思います。資料5及び資料5の2、両方とも ですが、「第4回BSE問題に関する調査検討委員会における委員御指摘に関する資 料」ということでございます。このうちの1番目の「BSEが発生する以前に我が国に おいて、BSEの発生を想定した対応マニュアル(contingency plan)の作成につい て」、1ページに整理させていただいておりますけれども、これにつきましては別途、 畜産部の方から後ほど補足説明をさせていただきたいと思います。  資料6でございます。資料6は第1回から第4回までの当委員会における委員の皆様 方の主なご発言を項目別に整理をしたものでございます。説明は省略いたしますけれど も、今後の議論に供していただくべく、準備をさせていただいたものでございます。  それから参考配布の関係でございますが、参考配布の5番目、「委員ご指摘の資料項 目とそれに対する対応状況」でございます。これは、第1回委員会から第4回まで、委 員の皆様方から資料要求等のございました事項とそれに対する私どもの対応で、どの回 のどの資料で対応したかというものを整理したものでございますので、今後、さらに議 論を深めていく際にご参考にしていただければと思う次第でございます。  参考配布の6でございますが、「雪印食品問題の経緯と今後の対応」につきまして、 これは後ほど畜産部の方から説明をさせていただきます。  私からの説明は以上でございます。 ○高橋委員長  ありがとうございました。それでは続きまして厚生労働省。 ○厚生労働省吉岡企画課長  食品保健部企画課長の吉岡でございます。  ただいま農水省の方から説明されましたことに関しまして、厚生労働省関係の資料を 若干補足をして説明させていただきます。  まず過去の行政対応に関します調査結果、これは農水省の方と同様に厚生労働省の場 合、資料3の2でございますけれども、質問をたてました上でアンケートという形で任 意の記入をしていただいております。資料3の2の1枚めくっていただいたところに質 問事項がございます。これの1ページ、総括のところでございますけれども、回答状況 です。厚生労働省の場合には、1996年以降の担当者、全体で局長・部長級3名、課長級 2名、それ以外の補佐・専門官クラス等9名、計14名を対象に調査をいたしまして、14 名すべてから回答を頂いております。中身につきましては、これはサンプル数が非常に 少ないので、こういう統計処理になじむかどうかわかりませんが、農水省と同じように 回答を整理させていただいております。  それから、先ほども触れていただきました部分がございますけれども、参考配布の3 をあけていただきますと、先ほどの農水省と同じように整理をしております。今回の回 答いただきました中身につきまして、字は細かいですけれども、全部コピーをとらせて いただいております。  その次の参考配布の4でございますけれども、これは先ほど農水省から説明のござい ました、農水省でいいますと問の9、10に相当する質問、記述式の質問を、厚生労働省 の場合にもしております。厚生労働省の場合には質問の13及び14として、質問の内容が 書いてございます。ページをあけていただきますと、これも局長・部長級、課長級、あ るいはその他の補佐・専門官クラスの別に、それぞれ回答いただきました中身を整理を しております。先ほど触れられた部分もございますけれども、本日の委員会の両省の連 携という関係で申し上げますと、例えば1ページ目、局長・部長級の回答者の方から、 No.2の13の (2)にありますように、1つは「正確な情報を共有し、両省で一体的に対策 を検討する必要があろう」というご意見も出ておりますし、1枚飛ばしていただきまし て3ページ以降、これは補佐・専門官クラスの回答の中にも両省の連携にかかわるご意 見等、当時の経験を踏まえたご意見を頂いております。例えばNo.6の13の (2)にござい ますように「農場から食卓まで、一貫してコントロールする必要性」についても言及が ございます。厚生労働省としても、食の安全を確保する立場で積極的な連携が必要であ るというご意見でありますとか、No.7の方で、「家畜飼料の問題は、食品の安全性確保 上、非常に重要」であるということで、単に農林水産省との連携という以上の問題であ るという認識もございます。その他、連携にかかわる同様のご意見、例えばNo.8の13の (2)にもご指摘がございます。次の4ページの上から2つ目の14番での回答、それから 先ほどご紹介のありましたNo.12の13の (2)等、何人かの方から連携についても反省点と して触れられた回答を寄せられております。  もう1点、資料5の2をお開けいただきたいと思います。英文の資料を挟ませていた だいておりますが、前回ご指摘もございましたけれども、イギリスにおけますvCJD に関するデータ等があれば提供していただきたいとのことでした。関係局にも探してい ただきましたが、前回も口頭で申し上げましたように、イギリスにおけますvCJD サーベイランスの2000年版のレポートが入手できました。英文のままで恐縮でございま すけれども、今日提出をさせていただいております。これはイギリスにおけます国立の CJDサーベイランス対策室が作成した資料でございます。一番最後から2枚目あたり にこの英文の資料の最初のサマリーのところだけ仮訳という形で、準備できました範囲 内で日本語の資料をつけさせていただいております。今日はこの関係の担当者がおりま せんので、必要がありましたら、次回ご質問いただければ、この内容等についてお答え できる点もあろうかと思います。  57ページ、これも関連でお聞きいただいたと思いますけれども、「変異型クロイツ フェルト・ヤコブ病サーベイランス(案)」とございますが、現状のサーベイランス体 制についての資料を本日提出をさせていただいております。  私からは以上でございます。 ○高橋委員長  ありがとうございました。  続きまして、先ほど補足説明があるということでございましたが、資料5の1ページ に関連して生産局の担当者からお願いします。 ○農林水産省伊地知衛生課長  衛生課長でございます。資料5につきましてご説明をいたします。  まず1ページ、1番目でございますが、BSEが発生する以前に我が国において、発 生を想定した対応マニュアル(contingency plan)のようなものがあったのかどうかと いうことでございます。BSEにつきましては、平成8年に政令によりまして家畜伝染 病予防法の対象疾病として異常牛の届出とか蔓延防止措置等を行うこととしたところで ありますが、本病を特定して想定したコンティンジェンシープランのような広範なマ ニュアルは作成はしておりませんでした。ただ、届出とか蔓延防止とかのところも何も なかったということではございませんで、平成8年に定めたときには、もう少し詳細に 申し上げますと、基本方針、それから診断、発見、通報の調査の対応、使用状況の調 査、それと周辺地域の調査、殺処分死体の焼却について、それから消毒のやり方、隔 離、移動制限についてのあり方等につきまして、マニュアルというようなものを作成い たしまして、通知をしているところでございます。ただ、コンティンジェンシープラン のような広範にわたるようなものではなかったという意味でございます。このため、B SE検査発生時の防疫の対応、厚生労働省と農林省の役割分担、連携の強化部分を拡充 したマニュアルを平成13年10月18日付で作成して通知をしたところでございます。  それから2番目が動物衛生研究所で確定診断をしたにもかかわらず、英国のOIEリ ファレンスラボラトリーに検体を送付し、判断を求めた理由についてということでござ いますが、千葉県の初発の事例につきましては、我が国でBSEが初めて発生したとい うこと、それと海外でも初発生事例については確認のためにOIEのリファレンスラボ ラトリーに送付して最終確認を行っている例が多いことなどから、第5回の牛海綿状脳 症技術検討会の助言を踏まえて、念のために材料を英国にある国際獣疫事務局リファレ ンスラボラトリーに送付して最終的な確認を行ったものであります。なお、初発例にお きましては、我が国の診断技術がOIEリファレンスラボラトリーにより改めて確認さ れたことから、2例目以降は動物衛生研究所において診断を行うこととしております。 あとは議事録等をつけてございます。 ○高橋委員長  ありがとうございました。  続きまして参考配布6について、畜産部の担当者から説明いただきたいと思います。 ○農林水産省小林食肉鶏卵課課長補佐   食肉鶏卵課でございます。参考配布で「雪印食品問題の経緯と今後の対応」という4 枚ほどの紙を用意させていただいております。  まずもって、この隔離牛肉の焼却の事業でありますけれども、本来、牛肉の信頼を確 保するという目的で始めた事業がこういう結果になりまして、誠に委員の皆様、また国 民の皆様に申しわけないと思っております。いろいろ新聞報道ありますけれども、それ を簡単に我が方の立場でまとめさせていただいております。  まずこの問題、1月23日の朝刊にこういう事件があるというような記事が出ました。 11時30分から雪印食品の記者会見で13.8トン、本来国産の検査前の牛肉を隔離するとい うもののうち、豪州産の牛肉が入っているという発表がございました。農林水産省とし まして、そのような報道、それからこの発表を受けまして、早速近畿農政局を現地に派 遣いたしまして、現地確認をしたということであります。また農林水産省本省の方の動 きでありますけれども、15時30分ごろ、大臣自ら記者会見を行い、またBSEのこの対 策を悪用したということで遺憾の意を表明しております。そのポイントですけれども、 事実関係を正確につかむということ、それからこの問題についての責任関係を明確にし て、厳正に対処するということ、それからこのような事故が起きないということに省を 挙げて取り組むということを、我々事務方に指示したという旨の報告が、大臣の会見で ございました。  次のページでありますけれども、雪印食品の関係で7カ所の営業倉庫に隔離牛肉があ りましたけれども、1月24日及び25日にかけて現地調査をしております。また再発の防 止対策として、6団体が隔離牛肉の保管をしているわけですが、そこに直接総点検をす るように、大臣から訓示がございました。また 259カ所、全体の隔離牛肉の営業倉庫が あるわけでございますけれども、39カ所のサンプル検査を予定していたわけですが、こ の事件をきっかけといたしまして、全倉庫に検査対象を広げるということに強化いたし ました。   (3)になりますが、25日、食肉の流通全般への影響が大きいということをかんがみま して、生産局長から雪印食品の吉田社長に対して5点ほど、求めさせていただいており ます。1つは、社会全体の企業モラルに果たす自覚ということをもって、しっかりした 事実確認をしてもらいたいということ。それから雪印食品そのものの牛肉については、 補助金に頼らないで処分していただきたいということ。それから再発防止を目的とし て、行動規範、社内での徹底をお願いしたいということ。4番目でございますけれど も、雪印食品の中核的な事業ではございますが、このような状況にかんがみまして、牛 肉関係の営業の自粛を当面お願いしたいということ。5番目でございますけれども、責 任者を明確にした後、厳格な処分というものをやっていただくようにお願いしていると ころであります。  当方といたしましても、下に書いてございますけれども、今、兵庫県警が調査に入っ ておりまして、これとあわせまして、告発の準備手続を進めているところでございま す。  3ページでございますが、この件に関しまして、いろいろな報道がございましたけれ ども、この事業の目的は、18日からBSEの検査が始まるということで、それ以前のも のを市場から隔離することとし、12月にはそれを焼却するということを決めました。17 日以前にと畜解体された国産牛肉を対象にしているわけであります。大体13ぐらいか、 それ以上の部分肉に分化されたものを対象としております。この証拠書類でいろいろ報 道がありましたけれども、在庫の品目、または数量を確定するための営業倉庫の在庫証 明が通常出されております。それを証拠書類として事業団に提出するということが事業 の仕組みになっております。当初、議論されたのに、と畜証明が途中の段階でなくなっ てしまったという報道がございましたけれども、この事業の実務的な検討の中では、と 畜証明が、いわゆる事業の要領の策定前で検討されたことは事実でありますけれども、 と畜証明そのものは既に流れている部分肉には発行できないという現実があること、そ れから普通は在庫証明自身は適切に発行されるものであって、それが改ざんされるとい うことは、倉庫業者と荷主の両者が共謀しない限り、普通はあり得ないことということ で、在庫証明というものを通常の証拠書類として担保したということであります。  なお、4ページ目には、この保管対策、それから12月から焼却処分の事業ということ で変わりましたけれども、その事業のスキームが書かれております。事業団からは、保 管の経費、それから肉の対価、焼却経費というものが、一定の、先ほどの証拠書類のも とに支出されると、こういう予定になってございます。  以上でございます。                  質   疑 ○高橋委員長  ありがとうございました。  それでは、ただいまの説明を踏まえて、ご意見、ご質問をご発言いただきたいと思い ます。なお、発言される場合には、手前のマイクの緑のスイッチボタンを押して、マイ クを近づけてご発言いただきたいと思います。それから発言が終わりましたらスイッチ を切っていただきたいと思います。時間の許す限り、自由なご意見をいただきたいと思 います。 ○山内委員長代理  4点あるのですが、最初の2点は、前回、私が質問したことに対する回答で、今ご説 明いただいた点、それに関することです。対応マニュアルを作っていなかったというこ とはわかりました。ただ、アクティブサーベイランスを始めた場合に、当然、陽性にな ることもあると、そういう前提でありますので、その際のマニュアルというものはやは りあってほしかったなという感想です。  第2点目ですが、OIEリファレンスラボラトリーに検体を送付して判断を求めた、 これは疑似患畜としてということになっております。今のご説明にもありましたが、技 術検討委員会の助言を踏まえてというようになっておりますが、私、この議事録をずっ と見ますと、技術検討委員会は特に助言したというように読み取れないのです。この中 で専門委員の意見は、皆さん、「これはやはり確定診断できている」という発言だと思 うのです。疑似ということに関しては異論が出ています。ですから、どこで疑似という ことになったのか、やはりご説明をいただきたいと思います。  3点目は、これに若干関連するのですが、疑似というのと患畜というのと、これは家 畜伝染病予防法の問題でもあるのですが、家畜伝染病予防法では、疑似だと補償が5分 の4で患畜だと3分の1といったように、たしか決まっていたと思うのです。BSEの 場合には恐らく検査をすれば全部殺処分されるわけですから、疑似も患畜も最終的には 同じだと思うのですが、問題は、現在アクティブサーベイランスが実施されています。 そうしますと、アクティブサーベイランスをやって、これは牛を殺すわけですが、そこ でBSEにかかっていると判断された場合とBSEでないと判断された場合とで対応が 違うのか。これをお聞きするのは、英国の場合ですと、1988年にやはり同じようなサー ベイランスを始めて、そこでBSEと判断された牛に対する補償は半分、50%、そして 病気でないとなったものはほぼ市価に相当する額が補償されていたと、そういう実態も あって、実際にはこれがかなり混乱を招いたと思うのです。日本の場合にはどのように なっているのか、その点をお聞きしたいと思います。  最後に、厚生労働省との連携についてですが、平成9年にO− 157がきっかけで両省 の制度上の連携を図るといったようなことが行われたというのは今日初めて知ったので すが、その後でたしか家畜伝染病予防法が改正されたわけです。しかしながら、家畜伝 染病予防法の中にはO− 157は入っていないのです。その理由は、O− 157は牛には病 気を起こさないということで、そうしますと、制度上の役割分担をやるといいながら、 法律上は全然連携ができていないのではないか。現在の家畜伝染病予防法自体が、もと もとできたときから現時点に至るまで、公衆衛生の視点というものを入れないでやって いるのが、やはり基本的な大きな欠陥につながっているのではないかと思います。 ○高橋委員長  4つのご発言がございましたが、2番目以降がご質問ですので、ご回答いただきたい と思います。最初は、これは資料5の2ページの真ん中にあります「技術検討会での助 言を踏まえて」となっているけれども、議事録を読む限り、そのような発言はなかった と理解されるようですが、いかがでしょうか。 ○農林水産省伊地知衛生課長  会合自体には私自身、出ていなかったのですけれども、私自身も議事録を読んでおり ます。ただ、そこで確定でもいいという形での結論にはなっておりませんで、これをみ ますと、委員の先生方にもやはりいろいろなご意見もあったように読み取れるのではな いかと思います。それで、「疑陽性なのでコンファームに出すことではどうか」とか、 「この結果を確定診断とするか、あるいは送るか」とか意見があり、それと「初発の場 合はほかの国ではどういうことになっているのか」に対しては、「初発例では複数国に 意見を聞く傾向がある」ということで、必ずしも「これで確定した方がいい」と皆さん が一致したという形でなくて、「それであれば、やはり疑似にしておいて、確認のため に送った方がいいのではないか」ということになったのではないかと思います。  それで、疑似患畜と患畜の防疫上の対応がほぼ同じことになりますので、疑似患畜と したら対応が遅れるということではございませんので、念のために疑似患畜としておい て確認をしたということになっているというように理解しております。 ○山内委員長代理  今の点について、確かに対応はいいのですけれども、きょうの回答の2ページの2で 「なお、初発例において、我が国の診断技術がOIEリファレンスラボラトリーによ り、改めて確認された」とあります。これは、私はやはり研究者に対しては大変失礼な 言い方だと思うのです。間違いなく確定できていたのです。ただ、念のために送ったと いうのは、日本で確定をした上で再確認をする、念のためだと。それならいいのですけ れども、OIEで検討してもらって、日本の検査技術、診断技術は大丈夫ですというの は、これはもう本当に失礼な表現だと思います。 ○高橋委員長  関連して、この技術検討会に出席されておられたと思いますが、小野寺委員から。 ○小野寺委員  技術検討委員会の方では、疑陽性という言葉を用いるか、用いないかということは話 がありました。そのときに、動物衛生研究所の方から、疑陽性という言葉ではなくて、 要するに陰性は陰性、陽性は陽性とはっきりいっているということがあったものですか ら、そういうことからいって疑似という言葉は使わない、出ていないと思います。 ○高橋委員長  あと2つの問題の質問について回答をお願いします。 ○農林水産省伊地知衛生課長  アクティブ検査をやった場合のマニュアルという形で準備しておくべきであったとい うご意見については、アクティブサーベイランスというのが必ずしも十分でなかったと いうことはございますので、それはおっしゃられるとおりだと思います。ただ、先ほど 申し上げましたけれども、法定伝染病にするときに、家畜防疫上のマニュアルというの は作成をさせていただいているということでご理解願いたいと思います。  それと殺処分手当でございますけれども、言われましたように、患畜の場合は3分の 1、疑似患畜の場合は5分の4という形になっておりまして、患畜になったことによっ て経済的な価値が落ちているということで3分の1とさせていただいている。疑似患畜 の場合はまだ患畜と確定されていないのでということで5分の4というようになってお ります。 ○山内委員長代理  今、監視体制を強化してアクティブサーベイランスを24カ月齢以上の牛について行っ ていますね。そこで、もしも病気であると診断された場合と、そうではなかったという 場合と同じなのですか、違うのですか。 ○農林水産省伊地知衛生課長  と畜場で出たものとは別にサーベイランスの件でございますね。サーベイランスの場 合には、症状があるようなもの、ないものも含めて、今サーベイランスを強化するとい う形でやらせていただいております。それで、アクティブサーベイランスで結果が陽性 と出れば、これは陽性でございますので患畜になります。その患畜と関連して、その追 跡調査をしまして、出荷農家、そこでOIE基準によります出生動機、給餌動機等の観 点から疑似患畜を確定して、それが疑似患畜となるということでございます。サーベイ ランスの結果、陽性でなかったものは、それは患畜ではございません。 ○高橋委員長  今の点でもう一度確認したいのですが、資料5の2ページの2です。OIEから「改 めて確認されたこと」というような記述があるのですが、文書か何かがあって確認され たわけですか。 ○農林水産省伊地知衛生課長  文書で出たということではなくて、陽性であったからということになります。 ○高橋委員長  いや、我が国の診断技術が改めて確認されたということについてですが。 ○農林水産省伊地知衛生課長  これは、陽性であろうけれども念のために検査をしましょうということで送ったわけ です。その結果もあちらで陽性であったということで、同じ結果が出たのでということ になります。言われるように、研究者の技術をあまり信頼しなかったのではないかとい われることかと思いますけれども、そういう意味では表現がおかしいと言われればそれ はそうかもしれませんので、表現上の誤りは直したいと思います。 ○山内委員長代理  私が申し上げているのは2つあるのですけれども、研究者の技術を信頼しなかったと いうこと、それから先ほど小野寺委員が発言されたように、技術検討委員会は別に疑陽 性とか疑似といったような結論を出していない。それがなぜ疑似として取り扱われたの か。これは、一般国民が日本の検査技術を疑ったという事実、それから一部の人には陰 性であってほしいというはかない希望を抱かせて、かなり社会混乱を招いたと思うので す。ですから、技術検討委員会の助言といわれたのですが、助言していないというの が、たしか委員長の発言だったと私は理解したのですが。 ○小野寺委員  陽性であろうとは思っていたけれども、一応よその国、例えば7月の段階にスウェー デンに行ったときに、スウェーデンは今、清浄国ですけれども、あそこでもへい死牛1 万頭、あとはと畜場から1万頭、合計2万頭検査しているのです。向こうはウエスタン ブロッティングとエライザですか、最初はエライザで次はウエスタンブロッティングだ と思いますが、そこで、一応、エライザで陽性が出るものに関して、免疫組織化学的検 査と病理組織学的検査はイギリスに送っているということを聞いていたものですから、 それと同じ理解をしたわけです。 ○山内委員長代理  ということは、結局、疑似とも何とも言わず、ただイギリスに送って検査をすること 自身は助言をしたのだということです。ですから、疑似という表現に関してはかなり ひっかかる。というか、疑似としたこと自身が社会的に大きな影響を及ぼしているの で、私はお聞きしたわけなのです。小野寺先生の話では、委員の発言でそういう疑似と いう助言はしていないというように理解しました。 ○高橋委員長  やや、この2ページの表現が適切でないということで、後で事務局と若干の文章の修 正について相談したいと思います。  さて、時間もございませんので、次の話題に移りたいと思います。どなたでも結構で す。 ○日和佐委員  今日の課題であります厚生労働省と農林水産省の連携に移して意見を言いたいのです が、資料の2で配布されています、それぞれ厚生労働省、農林水産省の双方からの説明 を行う会議を年に1回持っているわけですね。ここに議題が出ています。この運営なの ですが、単にこの状況で推察いたしますと、それぞれがこの議題に関して説明をして、 それで終わりという運営ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 ○農林水産省戸谷消費生活課長  総合食料局の消費生活課長でございます。  今、お話のあったのは、農林水産省と厚生労働省の定期懇談会のことでございます ね。これは資料2にございますように、具体的に両省の食品の安全性等の施策について の情報交換等を行う場ということで定期的に開催をしておりますので、時間的にはそれ ぞれの取り組み施策の内容を紹介し合うというのが多くを占めております。もちろん、 その過程でその内容についての意見交換等もされてはいるわけでございますけれども、 基本的にまず情報交換するというのが目的の中心でございます。 ○日和佐委員  中央省庁の行政改革のところで、資料1の2ページなのですけれども、こういう目的 で省庁再編を行ったということの中に、利益が相反する関係にある場合には別々の所管 にした方がいいということがあって、 (2)に、それぞれがそれぞれの責任分担を果たし ながら緊密な連携を一方では確保していくべきであるということで、この厚生労働省と 農林水産省の関係というのは新たに発足したと、私たちは思っていたわけなのですが、 現実に行われております連絡調整会議は年に1回で、なおかつ議題がこんなにたくさん あって、それぞれが説明をしただけでありまして、これは緊密な連携とはいいがたいわ けです。  それから先ほどのアンケートのところどころに出ていましたように、もっと積極的 に、例えば飼料安全法に関しても、厚生労働省から意見を言うことができるという仕組 みがあったのだから、それを活用すべきであったというご意見もありました。そうい う、本当の意味での緊密な連携がもっと図られていくべきであったと私は思っておりま す。そこが今回の問題、もう一々細かく申し上げませんけれども、連携がされていなく て、厚生労働省は厚生労働省、農林水産省は農林水産省ということで、非常に縦割り行 政で相互に関知しないという態度をとられたがために対策が遅れたという事実があるわ けです。そこが非常に大きな問題だと思っております。  それから、これは本筋とはちょっと関係がないのですが、一言だけ申し上げておきた いのです。資料2のコーデックス連絡協議会の記述でございまして、ここはメンバーと して私も加わっておりますものですから、1ページの一番下に「意見聴取を行い、両省 はそれら意見を考慮してコーデックスに対応している」と明確に書いてございます。実 はこの連絡協議会の実態は、コーデックスの各部会で行われたことの説明が主でありま して、説明を伺うということで、これから行われる部会について、消費者、それから関 係産業界の意見を申し上げるという時間は、これはちょっと配慮されて、近年ではごく ごく少し設けられておりますけれども、メインには説明を聞く会でございますので、こ ういう記述をされると非常にいい連絡協議会が開催されているということで誤解をされ ると思いますので、一言付け加えました。 ○農林水産省幸田国際規格調整室長  農林水産省の国際規格調整室長でございます。  ただいまコーデックスの連絡協議会の関係でご指摘がございましたが、日和佐先生が おっしゃられるとおり、かなり説明の方に時間を割いているということに関しまして は、我々としても心していきたいと思っています。ただ1点、申し上げておきたいの は、例えば15ページ、第3回、去年の3月に行っておりますところでは、2の (2)に今 後の活動状況についてご説明して意見交換をしていただくとか、あるいは3で、トピッ ク的にバイテクのお話、あるいは遺伝子組み換えの表示ガイドラインの検討状況につい て意見交換をしていただくとか、あるいは16ページでございますが、昨年の10月に行い ました第4回におきましても、同様に今後の活動について、あるいはバイオテクノロ ジーの特別部会、あるいはトレーサビリティについてということで、徐々にというか、 意見交換についても積極的に時間をとってまいりたいと考えております。 ○小野寺委員  よろしいですか。資料1の8ページなのですけれども、ここに食肉・食鳥処理問題協 議会要綱とあって、そこの下に構成員と書いてあります。厚生省は食品保健部長、監視 安全課長、担当課長補佐、農水省は畜産部長、食肉鶏卵課長、担当課長補佐とあって、 その下に協議の内容に応じて上記以外の関係者を構成員に加えることができると書いて あるのですけれども、これに関して、例えば、こういう問題だから、病気の関係の衛生 課長とか、農水省で動衛研が関係しているのだったら、技術会議の担当者とか、そうい う人が加わるということがあったのでしょうか。 ○高橋委員長  いかがでしょうか、これは食肉・食鳥処理問題調整協議会に衛生課長、あるいはその 他の課長が出席したことがあったかどうかということでありますが。 ○厚生労働省尾嵜食品保健部長  この食肉・食鳥処理問題の調整協議会、たしか私の記憶では、昨年やった際には、 おっしゃったような衛生課も含めて、ほかの課の方――衛生課長がいたかどうかは今は わかりませんが――、ほかの課も出ていらっしゃったように私自身は記憶しておりま す。いずれにしても、そのときの出席者は確認ができますので、必要であれば次回でも お出しできると思います。 ○小野寺委員  もう1つよろしいですか。資料2の2ページの (2)、これは1996年の問題ですけれど も、4月11日の厚生省の食品衛生調査会常任委員会で、その3行下に「技術会議事務局 企画調整課担当官がオブザーバーとして出席した」と書いてある。僕もこの会議に出て いたので、確かに技術会議の顔なじみの人がいたなと思ったのですけれども、その後、 今年になってから厚生省の会議がいろいろあったと思うのですが、BSEが出た後です が、技術会議の人が出ていたのか、そこもぜひお調べいただきたい。 ○高橋委員長  この点についてご説明いただけますか。では、これもあわせて後ほど資料を提供して いただければと思います。  さて、ほかの議題について、アンケートはずっと読んでみないとわかりませんけれど も、説明を聞いた限りにおいては、かなり回収率も高かったし、積極的な将来ビジョン への意見なども書いていただいているようでございますが、こういう問題も含めて何か ご質問がありましたらお願いします。  なければ、私から基本的な資料1に基づいて、例えば2ページ、3ページあたりに農 林水産省と厚生労働省の機能分担、役割分担が出ておりますが、そのときの用語で食品 行政と食品衛生行政というくだりがございます。恐らく食品行政は大ぐくりで、その中 に食品衛生行政が含まれると思うのですが、その辺の定義はどのようなものであったの か、あるいはその中で食品安全という、食品安全行政というのがあるのかどうかわかり ませんけれども、食品安全行政というような文言がこの省庁再編に関連して定義づけら れていたのかどうか、この点についてお伺いしたい。 ○厚生労働省尾嵜食品保健部長  今の委員長のお話についてはもう一度確認をしなければいけませんけれども、私の理 解から申し上げますと、食品行政という話は全体の話で、その中に食品衛生行政という ものが当然入ってくるだろうと思います。食品衛生行政という場合に専ら中心になりま すのは、私どもの厚生労働省、旧厚生省がずっと担当してきているわけでありまして、 食品衛生法という、まさしく食品衛生という名に合致した法律に基づいた行政を中心に やっているということであります。そういう意味では、どちらかといいますと、衛生と いう観点から、人に対する危害、健康危害があるのかどうかという観点からの食の安全 を中心に行政を行ってきているというのが、過去の流れでございます。  農水省の場合にも食の安全ということについては担当されているわけでありますが、 それについては、例えば、家畜を飼っていらっしゃるときに、家伝法に基づいて家畜伝 染病の蔓延を農場の段階で発見する、予防する、あるいは発見した場合に対応をとるな どといった観点から対応をなさっている。ですから、安全という観点からは、私どもだ けではなく、農水省は農水省の観点からの食の安全対策をやっていらっしゃると、そう いうことだろうと私どもは理解しているわけです。  また一方で、近年、食に関して、いろいろ内容が、多種多様なものが出てきている、 あるいは流通形態も変わってきております。そういう中で、危害という観点でなく、例 えば、保健機能食品といういわゆる栄養補助的な食品など、逆に健康増進といった観点 から、あるいは補助的な栄養の摂取という観点からの食品行政というものも一方で出て きており、必ずしも危害関係だけで食品行政と食品衛生行政というものをやっているわ けではない。そのように流れがだんだん変わってきて、その対象も広がってきていると いうのが現実ではないかと思います。それは農水省においても同じような状況ではない かと思っております。 ○高橋委員長  たしか、この資料1の4ページは、それぞれの省庁の任務達成に必要な範囲において 他の省庁に対して発言することができるということで、相互にオーバーラップしていこ う、相互にチェックし合おうというようなことが、この相互調整の精神だったと思うの ですが、今回の事態をみますと、お互いに身を引きながら相手の動きを観察していたと いうような感じを受けないわけにはいかないのです。その点は、ここの各省庁間の政策 調整システムの理念に絡めて今回の事態をどのように解釈されるのか、どなたかご発言 いただけないでしょうか。 ○厚生労働省吉岡企画課長  こういう形の法律的な政策調整の枠組みの下で、今、委員長がご指摘のような、それ ぞれの所掌を超えて、意見を言うという仕組みが本当に生かされていたかどうかにつき ましては、今日お出ししたような資料、当時の担当者の反省、振り返りも含めて評価い ただくことだと思います。総括的に担当レベルで申し上げるのはなかなか難しい問題で ございますので、まさにそういう点を客観的にご評価いただく必要もあるのではないか と思っております。 ○高橋委員長  このような精神論だけでは実際の調整はできないということが、今までの経験の中か ら出てくるのではないのかというようにも思うのですが、これは今後、どのように詰め ていくのかということが大きな1つの課題になるだろうと思います。 ○日和佐委員  省庁間の連携ということについて、消費者側からいつも非常に不便だと思っているこ とを申し上げたいと思います。例えば表示制度で使われている文言が、JAS法と、そ れから食品衛生法では、内容は全く同じですけれども言い方が違うというのがありま す。それで表示がされているわけで、消費者にとっては、全く同じ意味合いのものが違 う言い方で表示されるというのは非常に困ることなわけです。  先ほどのコーデックスのことに関しましても、やはり事後の報告ではなくて――運営 は今後事前の運営に移行していきたいというお話がありましたけれども――事前に私た ちの意見が聞かれて、それが何らかの形でコーデックスの部会に反映できるような仕組 みが必要といいますか、それを望んでいるわけです。先ほどの連絡協議会は事後の報告 がメインですけれども、そのことで、ぜひ、私たちの意見が反映できるような仕組み、 いわゆる国内コーデックス委員会を作れというのはコーデックスからの意見でもあるわ けです。そういう要望を申し上げましたら、ここで農水省を持ち上げるのはとても気が 引けるのですけれども、現実は、その要望を農水省で取り上げてくださいまして、まさ にボランタリーで、部会が行われる前に意見交換をするという場を作ってくれました。 ところが、正直申し上げますと、私たち消費者にとって関心があるテーマというのは厚 生労働省が担当しているテーマなのです。当然、コーデックスでも農水省と厚生労働省 とが担当しているテーマはそれぞれの役所の管轄によって分かれています。ですから、 どちらかというと、私たちが関心があるのは食品の方で、厚生労働省の担当のテーマの 方が多いのですけれども、残念ながら、それは農水省がボランタリーにやってくれてお りますので、厚生労働省からのご出席だとか資料提供等はちょっと難しい、なかなかス ムーズにはいかないということで、半分不満を持ちながら、というわけですから、消費 者の立場に立って申し上げても、必要なところはもっと緊密な連携があってしかるべき で、なおもう1つは、利害関係が相反するからということで分かれたわけですから、そ のことをきちんと認識していただいて、チェック機能、ものを言ってほしかったです。 その両方ともがされていなかったというのが現実ではないかと思います。 ○高橋委員長  関連することでございますが、昨年の12月ですか、衆参両国会において食品衛生法の 改正の請願が採択されたということで、その内容、あるいはそれへの取り組み、特にそ れの取り組みにおいて厚生労働省が直接の管轄でしょうが、農水省との連携がどのよう な状況であるのか、次回でも結構ですから、資料をいただければと思います。それから さらに10年ほど前に食品安全法という法律をつくるような、これはどこまで行ったの か、よく確かめておりませんが、ムーブメントがあったと思います。弁護士が中心に なって進められたということでございますが、それについて厚生労働省、あるいは農林 水産省がどのように承知していたのかというようなことについても資料を提供していた だきたいと思います。 ○和田委員  資料2で、農林水産省と厚生労働省は平成元年からですか、定期的に情報交換を行う 場として会合をもっているというお話がありました。ほかの省庁でもあることなのです けれども、私たちはいつも、この問題――特に食べ物の関係で――、農水省へ持ってい こうか、厚生省へ持っていこうかというのがわからないで、電話をかけてみると、1つ の省の中でたらい回しにされたり、それは厚生省の方へと言われたりということで、両 方が引いてしまってストンと落ちてしまうことがあったのと、それから逆に両方で取り 合って、消費者としたらちょっと当惑してしまったというような経験をしております。 そういうときに両方の省庁へ行きますと、これは平成元年より前であっても、いろいろ な定期的な連絡会議、意見の交流ということは十分にやっていますからと言われたので す。それで、拝見しますと平成元年からこういう、きちんと文章にはなっているのです けれども、やはり先ほどからお話が出ていますように、この文章に書いてあることを積 極的にやっていこうと思うのか、そこからちょっと引いたところにいるのかということ で全然違ってくると思うのです。もちろん、こういう文章になったものがあるというの は非常に大事だと思います、これに基づいてやるわけですから。ただ、これができる前 のことを考えてみても、やはり本当に積極的に食品の安全ということを考えてやろうと いう気があって、そこのところへ踏み出すのか、あるいはその手前のところで立ち止 まってしまうのか、そこの次第だということを感じております。  それで、先ほどのアンケートの方はまだ拝見する時間はありませんけれども、ご紹介 いただいた範囲のことを伺っておりましても、このようにすればよかったのではないか とか、今後、こういうことが必要になってくるのではないかとか、それから実際には人 数や何かが足りなくて、そこまで考えてもできる状態ではなかったと、もっと別な立場 の機関のようなものを作ることがこれから必要ではないかとか、非常に積極的なアン ケートが寄せられているのではないかと思います。ですから、先ほどからお話が出てい ますように、より積極的に、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。  それともう1つは、そういう日常的なやり方と全く別な組織というのが必要なのでは ないかという感じもありますので、その辺をこれから考えていく必要があると思いま す。本当に、平成元年より前のことですけれども、両方の省庁で1つの事柄について手 をつけられまして、消費者としては当惑をして、厚生省と農水省と、それから何とか仲 介の労をとってほしいというので当時の経済企画庁の国民生活局へ行ったのですが、国 民生活局でもお手上げで、まあ、見ていましょうといわれて、どうしようもなかったと いう経験もあります。ぜひその辺のところは、何のために行政改革なり再編成があった のかということを十分に考えて、やたらに図体が大きくなるのがいいことではないわけ で、本当に実のある改革というものにしていただきたいと思っております。これは感想 です。  それともう1点、雪印の資料が配られましたので、ちょっと伺いたいたいと思いま す。10月17日以前の肉が、いろいろなところにあると思うのですが、国内産のものと外 国産のものというのは、一切目視によっても何によっても区別はつかないのでしょう か、その辺のところを伺いたいと思います。 ○高橋委員長  いかがでしょう。 ○農林水産省小林食肉鶏卵課課長補佐  ご指摘の検査前牛肉1万 3,000トン弱は、250余りの倉庫に隔離されて管理されてお ります。今、事業団、それから我が方のスタッフもそれぞれ入って、ものをチェックし ているということですが、目視によって相当程度わかるというものもございます。典型 的なのがカットの仕方、それとラッピングのマーク。ただ、それをはがして、また変え るとか、そういうことをやられると、ものの形状の特徴で判断するということになって まいります。我が方の目視を中心とした検査の中では、疑わしいものについては、さら にその出入りの伝票にさかのぼってチェックをするということになっています。ご指摘 のように、本当に目視を中心にして 100%、国産か輸入かを見分けることができるかと いうのは、そこまではいきませんけれども、相当程度は分別できるということの前提で 、この作業を進めているということでございます。 ○和田委員  新しい制度によりまして、相当に表示というものが拡充し、充実されてくるように なって、私どもは大いに期待しているのです。お米も対象の中に入りました。ただし、 工業製品や化学製品と違って、食品の場合には分析をしたときに、結果が必ずしも出て くるわけではないというのは、以前から食べ物の表示と中身が合ってるのかどうかとい うことを考えるときには、非常に大きな問題だったわけです。ただ、それなら食べ物の 分析をしても出てこないという場合に、どうやって表示を担保していくのかというとき に、まさに今お話がありましたような伝票であるとか送り状であるとか出荷伝票である とか、そういうものをきちんとしておいて、分析がどこまでできるかというものに加え て、そういうもので担保していくということです。それで食べ物の表示というのは、私 たちは一生懸命表示の基準を作ったり、規約を作ったりということで、作ることに協力 したり、作るようにという運動をしてきたのです。ところが今度の雪印の問題によっ て、輸入の牛肉と国産の云々というだけではなくて、食べ物の表示ということ事態が非 常に疑われてしまって、町中の大勢の方たちの言葉が出てきていますけれども、何を信 用して買っていいのかわからなくなってしまった。これは肉だけではないと思います。 せっかくJAS制度を拡充してきたのですから、表示されているものがあてになるの だ、表示と中身というのは合っているのだということの信用を回復しないと、表示の意 味というのが本当になくなってしまうと思います。この問題というのは決して肉だけの 問題ではなく、非常に広がりをもつだろうと思いますので、その辺十分に、私たちも何 とかと思ってはおりますけれども、今後の対応というものをお考えいただきたいとお願 いしておきたいと思います。 ○高橋委員長  この雪印食品問題についてはまだいろいろあろうかと思いますが、いずれにしまして も、行政に対する不信感が、牛肉問題から表示問題まで広がったということは否めない 事実だろうと思います。  さて、元に戻りまして、前回やったことをもう一度確認しながら2つの省の連携を確 認していきたいと思います。  いろいろ資料をいただいておりますが、どうもこんなにやっていますよということし か書いていない。やったけれども、こんなミスがあったという失敗談が全然書いていな いのが、私はやや不満でございます。そこで、まず昨年の8月6日に第1号が出てから の数カ月にわたって、これは厚生労働省管轄だったのか、農林水産省管轄だったのか、 そしてその管轄者が他方にどのような連携をしたのか、これを1つ1つ確認していきた いのです。まず8月6日に千葉でと場に運ばれたわけですが、それは敗血症――資料は 前回の資料ですので、今、私の記憶をたどりながらしゃべっているのですが――、敗血 症と診断されたわけですね。この敗血症と診断したのは、これは農水省系列で診断した わけですね(「いえ、厚生労働省です」の声あり)。  厚生労働省で診断したと。そしてサーベイランスは、これは農水省系列のサーベイラ ンスのネットに入ったわけですね(「そうです」の声あり)。  そのサーベイランスで千葉の家畜保健衛生所ですか、そこで顕微鏡で検査したら、こ れは大変だということで、動物衛生研究所、これは農水省の管轄ですね、そこへ送って 検査して、陰性であったり陽性であったりしたわけですが、その間、ですから千葉で確 認したのが8月24日、それから動物衛生研究所で確認できたのが9月10日だというよう に聞いておりますが、その間にどのような形で経過を厚生労働省に報告をされていたの か、まずそこのところを確認したいのですが。 ○農林水産省伊地知衛生課長  まず第1に、顕微鏡で空胞を確認をしたのは家畜保健衛生所で、それで動物衛生研究 所へ送付するという形になっておりますので、ここからの流れは家畜保健衛生所と畜産 局と動物衛生研究所の流れでやりとりをやっていたわけでございます。 ○高橋委員長  要するに農水省の系列の中でやっていたわけですね。それで、どの段階で、どういう 形で厚生労働省にその情報を伝えたのでしょうか。 ○農林水産省伊地知衛生課長  その時点では、まだ診断が確定していなかったので、厚生労働省にはどういう状況で あるという報告はなかったと聞いております。 ○高橋委員長  なかった。いつの段階で厚生労働省に報告されたのでしょう。 ○農林水産省伊地知衛生課長  診断が確定をしたときに、これはBSEであるということが確定したときには、県の 中での畜産部と衛生部の中での連絡が行っておりますし、県の衛生部から厚生労働省に も行っておりますし、我が方からも厚生省の方へ電話連絡をしております。 ○厚生労働省尾嵜食品保健部長  私ども、受けた方からいった方が間違いないと思いますので。  農林水産省の方から、第1頭目のBSE罹患の疑いがあるという牛の発表を9月10日 になさったわけでございますけれども、私どもがそういうものがあったということを本 省レベルで農林水産省の方からお聞きしたのは、たしか6時にプレスリリースを農林水 産省がなさるという、その数時間前でございます。数時間前に私どもは承知をしたとい うことでございまして、県レベルの方も、私どもに県レベルの衛生サイドから問い合わ せがまいりましたけれども、それも私どもが知ったのとそう違わない時期に、千葉県の 衛生サイドは畜産サイドからの情報を聞いていたように記憶しております。多分これ は、これまでのこの検討委員会で詳しい資料をお出しておりますので、ご確認をいただ ければと思いますが、今、資料なしに私の記憶で申し上げておりますけれども、本省レ ベルは申し上げたような状況でございます。 ○高橋委員長  要するに9月10日、記者に発表する数時間前に厚生労働省に本省レベルで連絡があっ たというお話ですね。  さて、現在は2頭目、3頭目は厚生労働省で最終的に何委員会でしたか、委員会で確 認しているわけですよね。1頭目はどこで確認したのでしょう。 ○厚生労働省尾嵜食品保健部長  先ほど来ご説明のありました農水省の方の技術検討委員会でございます。 ○高橋委員長  技術検討委員会は農水省の方ですね。農水省の委員会で確認して…… ○厚生労働省尾嵜食品保健部長  イギリスに送られたと。 ○高橋委員長  そのときは厚生労働省は? ○厚生労働省尾嵜食品保健部長  私どもは、そういう情報は聞いておりました。担当者も、技術検討委員会の方にオブ ザーバーとして出席をして、聞いていたということです。その後、同日、私どもの厚生 労働省の方の研究班の会議、ほぼ同じメンバーの先生方でございますが、そういう先生 方に引き続き私どもの方においでいただいて、ご意見をお聞きしたということを同時で やっているはずでございます。 ○高橋委員長  そこでも、必ずしも連携が密であったとは言えない事態だったと思います。  さて、もう1つは、その敗血症として診断された牛の頭部以外のものが焼却をされず に肉骨粉になったわけですが、この敗血症で診断されたと体は、これの管理は厚生省の 管理ですか、それとも農水省の管理になるのですか。 ○厚生労働省尾嵜食品保健部長  厚生労働省の管理でございます。と畜場での処分にかかわります管理というのは厚生 労働省の所管になります。その外へ出ての処理についてはまた別でございます。 ○高橋委員長  そのときには、厚生労働省としては、その敗血症の牛のと体ということで、BSEで あるというような疑いはなかったわけですね。 ○厚生労働省尾嵜食品保健部長  繰り返しで恐縮でございますが、8月6日にと畜場にまいりました。それ以前に8月 5日、前日でありますけれども、家畜共済の獣医師がまずごらんになりまして、そのと きには起立不能ということでもう廃棄をすべきだということで、と畜場に回しなさいと いう指示がございました。診断書も起立不能ということで出ております。それで、翌日 にと畜場にまいりまして、と畜場の方の獣医師が生体検査を、生きている姿を見、それ から解体をいたしまして、その所見をみて、敗血症というように診断したと、そこまで はおっしゃるとおりでございます。ですからどちらの獣医師もBSEを疑わなかったと いうのは事実という認識でございます。その後、これまでもご議論ございましたよう に、農水省のサーベイランスと私どものサーベイランスと両方動いておりました。時期 は4月、5月で若干ずれておりますが。そのときに、と畜場の獣医師はBSEの疑いを 持たなかったということで、私どものサーベイランスで帯広畜産大学に送るというよう なことは考えなかったというわけでございます。ですから全部廃棄をして、レンダリン グの方に回るということで、肉はもう食用には回さないというような処分を決めたとい うことでございます。その際に、農水省のサーベイランスの方で動いていた家畜保健衛 生所の方から、広くサーベイランスの検体を集めているということで、その牛の脳につ いて、延髄について、検体にしたいからということで、頭部を家畜保健衛生所の方がお 持ち帰りになった。そのときに、どちらもといっては失礼でありますが、例えばと畜場 の方の獣医師も、それでは結果が出るまで、はっきりするまで、うちの方は保管してお きましょうということを向こうに連絡をしているわけではありませんし、ですから結果 を教えてくださいというお話になっていたということはないようであります。逆に、向 こうの家畜保健衛生所の方も、それではうちが検査でいただくから、その結果が出るま で置いておいてくださいと、向こうもそのようなことをおっしゃったこともないと、こ こはまさしく、お互い疑っていなかったというのが事実だと思っております。BSEと いうものが頭になかったということであります。それでお持ち帰りになって、それ以 降、先ほどご説明がございましたように、農水省の方の所管の家畜保健衛生所と動衛研 の方での検査が行われたということであります。 ○高橋委員長  そうしますと、9月10日に発表したときに、その家畜は焼却処分にしたのかというよ うな記者の質問に対して「そうだ」というように答えた、これは農水省の担当者が答え ているわけですね。だけれども、考えてみますと、それは厚生労働省の管轄の話だった わけでしょう。とすれば、厚生省に問い合わせるなり何なりということが当然必要だっ たのだろうと思うのですが、その連携もなかったわけですね。 ○厚生労働省尾嵜食品保健部長  そのときは、私の方で申し上げますと、間違っていれば、農水省の方でご訂正いただ ければと思いますが、プレスリリースをなさった際に、ペーパーはもちろん私どもも見 ているわけでございますが、そこには焼却をしたというような記述ではないわけでござ います。正確なことを申し上げますと、廃棄ということでございまして、それでご質問 があったときに、当時の担当の部長がそのような回答をなさったということでありま す。その後、しばらくしまして、これについてはレンダリングの方に行ったのではない かという情報が私どもの方に入り、県からそういう情報があるというのを私どもが聞い たわけで、それで我が方から農水省の方に、もう少し調査しないと、どうも焼却処分と いう形ではないという情報がある、調査してほしいというご連絡をしたというようなこ とが事実関係でございまして、そのときに私どもの方から、どの時点で言えたかという ところは、私どもとしては、一応情報としては伝えたつもりでございますけれども、最 初の時点で、処分は私どもの方の話だからといわれれば、確かに所管としての、と畜場 の方で全部焼却処分をしたかどうかの所管は厚生労働省というのは間違いのないことで ございますが、ご質問の相手が、私どもにされたものではございませんものですから、 その記者会見の席でされた話として、そういうことになったという理解でございます。 ○高橋委員長  もう一度確認したいのですが、レンダリングの監督官庁は厚生労働省ですね。 ○厚生労働省尾嵜食品保健部長  それも正確にといいますか、はっきりご理解をいただいた方がいいと思うのですけれ ども、レンダリングの化製場法というのがございますが、化製場法の法律を所管してい るのは厚生労働省でございます。この法律の内容は何かといいますと、化製場の立地に 関しまして、公衆衛生上の問題がないように、特に悪臭、においの問題とか、それから 化製場の、衛生的な観点からの設備構造基準などを定めているものでございます。それ は、厚生労働省の所管でございます。その中でレンダリングをされて作られるものが、 いわゆる肉骨粉なりの飼料があるということでございまして、ではその飼料の中身につ いてはどこがといいますと、これは農林水産省のご所管であるということでありまし て、立地のための法律としては私どもが所管している、そこのところはどのようなご指 摘を受けるかわかりませんけれども、そういう理解をしております。化製場法の法律そ のものを所管しているのは私どもだというのは間違いないことでございます。 ○高橋委員長  今の関連で何か。 ○山内委員長代理  確かに、2つの省庁で異なる基準でサーベイランスがあのとき行われていた。農水省 の方は、本来は行動異常、神経異常という基準でのサーベイランスだったのが、サンプ ルが集まらないということで、立てない牛まで広げてしまった。そこで厚生労働省とは 別のスタンダードが入ってきて、厚生労働省の方ではそのスタンダードは使っていない ものですから捨ててしまった。結局、両者がそれぞれ異なることをやっていて、それで 私は前回ですか、緊急プランがあったかどうかとお聞きしたのはまさにその点で、その ような状況でやっていたら、何かが起きたときに両者間の連携がとれなくなってしまう のではないか。そのプランがなかったことが、今回のそういう行き違いにつながってし まったのだろうというように改めて感じた次第です。 ○加倉井委員  2つの省が連携するということは、そもそも非常に難しいことで、我々、お役所と長 い間付き合っておりますが、省の中でさえ、なかなか連携ができないのに、ましてや省 を隔てて別のところとやるというのは非常に大変なことだというのはもう基本的なこと だと思うのです。ただ、今回の場合は、平常、どうするかという話ではなくて、緊急時 が起こったときに、どう、それに対応するかという、ちょっと違うレベルの話が入って いると思うのです。普通に定期懇談会をやったかどうかなどという話ではないのです。 大変なことが起こったときに何ができるかということになると、そういう定期懇談会を 超えて、臨時に機動的に何ができるかということであって、これはシステムがどうある ということも大事ですが、同時にそれを飛び越える、そういうリーダーの感受性とか、 そういうものが必要だと思うのです。それがなかった、あまりなかったと言い換えま しょうか、そういうことだと思うのです。  実は、阪神淡路大震災のときに、狂犬病問題というのがあったのです。つまり、人を 救助する犬をみんなが連れてきたわけです。しかしこれ、ルールでいうと1カ月だか、 係留するということがあったのです。これはやらなかったのだけれども、やっていた ら、世界中の笑いものになっていましたね。だけれども、これは私の知っている某最高 幹部が、思い切って、いや、入れろと。もちろん予防注射はやっている犬ですよ。狂犬 病の予防注射はやっている犬ですけれども、係留を1カ月などと言わないで、たちどこ ろに入れろと言ったのは、それは最高判断なのです。そういうものがなければいけない のだけれども、今回はどうもそれがなかったというのが1つありますね。  それから、せっかく発言した機会についでに申し上げますと、食品の安全については 生産者の側と食品安全のチェックの側でいうと、実は政治家の応援ぶりが違うのです。 生産者というのはいろいろな政治家が応援するのだけれども、食品の安全というと消費 者でして、消費者の方の後押しをする政治家というのは意外にいないのです。これ、口 ではいろいろなことをいいますけれども、意外にいないのです。ですから、私どもの見 ていた限り、どうも厚生労働省、昔の厚生省は、遠慮しながら言っていたということが あると思います。これからはこれを契機にして、食品の安全については、消費者という か国民全部が味方になるのだから、もっと強くきちんとおっしゃった方がいいと、そう いうことを、これをきっかけにやっていただきたいと思います。 ○高橋委員長  藤田委員お願いします。 ○藤田委員  両省の連携につきましては、今、緊急の方の話が既に出ましたので、その通りだと思 うので、それはそのままとしまして、違う視点から、恒常的にどう対応できるのかとい うことを考えてみたらと思います。いろいろな反省点等は今日の資料に、後で読んでみ ないとわからないのですが、アンケート等にたくさん出ておりまして、もっと連携が改 善できた面もあるのかもしれないというようなことがございます。全体的にみますと、 これまでの経験を踏まえて、今後の両省の連携というのはさらに強化をしないといかん というのはどうも必須だと感じるわけでございます。  その連携の場なのですけれども、そういう場を設置するということで、既存の連絡会 議というようなことで事足りるか。多分、恒常的な連絡の場、あるいは組織というので すか、そういうものが必要になってくるのではないだろうかと思います。これそのもの の具体的な論議というのは今後の委員会で議題として取り上げられるのかもしれませ ん。先ほど、日和佐委員がおっしゃいましたように、過去の報告ではなくて、今後の対 応、施策というようなことが論議できる場か、組織かというものが必要になってくるの ではないだろうかと思います。そういうことにウエイトを置きながら対応していくとい うことですが、これと関連いたしまして、両方の省庁なり、そういう組織の中、場の中 に、関連情報、外国の情報も含めまして収集し、分析し、それを流布するといいます か、こういう行政の施策とタイアップできるような人材、あるいはユニットというのが どうしても必要になってくるのではないだろうかと思います。外国にもそういう例がご ざいまして、うまく起動しているというようなことがございます。今回の例でいきます と、両省に、これは適切かどうかわかりませんが、BSEの場合ですと、どちらかとい うと農林水産省、CJDといえば厚生労働省というようになるのかもしれませんが、専 門的な人材がいて、あまりいろいろなことに左右されないで、それを追求していくとい う、研究者である必要はないわけですけれども、そういう場面が必要で、その場合、B SEのみならず、そのほかの人獣共通伝染病とか、あるいは農薬等を含んだ畜産物の安 全性ということまで論議される必要性が出るのかもしれません。いずれにしましても技 術と、それから科学というものと行政施策への連携というような、どうしても何か組織 が、――あるいは人材かもしれませんけれども――、必要になってくるのではないか。 それが行政対応に生かされていくべきではないだろうかと感じます。 ○高橋委員長  最後に岩渕委員。 ○岩渕委員  今日いただいた資料1の4ページ目のところをごらんいただきたいのです。左も右も 両方に書いてあるのですが、右の方でいいますと28条の1です。「提言、協議及び調整 を行い得る仕組みとすること」となっており、「〜できる」という表現なのです。これ は、法制局の問題かもしれませんけれども、こう書いておけば裁量の幅が広がるという こともあるのでしょう。我々民間の社会でも、人のしている仕事にけちをつけるという のはなかなか難しいことなのです。ですから、どうしたって遠慮する、誰だってそうで す。言って、トラブルになったら、おかしくなりますから、もちろんそのとおりです。 だけれども、通常の役所間の、我々がよく見聞きする縄張り争い、権限争いだったら、 それはいつまでばかをやっているのだといって見ていられますけれども、事はやはり人 命とか健康にかかわる問題ですので、遠慮とか、そういったようなことが命取りになる わけです。そういった場合には、文言の問題でもあるのですが、例えば「提言、協議及 び調整を行い得る」ではなくて、「調整をしなければならない」というような義務化す る表現の仕方というのは当然あってしかるべきだと思うのです。そうしないと、どうし ても遠慮してしまうのではないかと思います。ここの文言は中央省庁等改革基本法です から、両省間の権限を超えたような話になります。けれども、そのほかのさまざまな関 係法令がありますが、そういったようなところは、今後、検討の余地が私はあるのでは ないかと思います。あるいは、そちらの法律はもっときちんと書いてあるのかもしれま せんけれども、どうも全般的にこの手の、「〜できる」という法律用語が多いものです から、そのあたりのところ、ものによっては見直す余地があるのではないかと申し上げ ておきたいと思います。  それから、去年、3頭目が出てから4頭目の感染牛が出ていないのです。出ていない 中で捨て牛が出てきたり、出荷調整が行われたり、さまざまな報道が出てきているので すけれども、本来、全頭検査をやっている意味というのは、それはアクティブサーベイ ランスといいますか、出るのを前提に危険をチェックするためにやっているわけですか ら、検査に出てきていないというのは、これはやはり本末転倒ではないかと思われるの で、前にも言ったかもしれませんが、そういうことこそ行政指導できちんと出すように すべきであろうと思います。  それと、例えば買い上げた牛の検査というのはきちんとやるのかどうか、これは確認 ですけれども、当然やるのでしょうが、やって、もし出た場合には、きちんと公表して いただきたいと思いますし、そのあたりのところをちゃんとやっていただきたいとお願 い申し上げておきます。 ○山内委員長代理  今の発言に関連してですが、全頭検査をやり出して、確かにまだ全頭検査では2頭し か見つかってこない。しかしながら、現実には汚染した肉骨粉を食べた牛、要するに病 原体にさらされた可能性のある牛というのはいて不思議ではない。実際にこういう検査 を始めて、例えばドイツはもう既に百何十頭も見つかっておりますし、イタリアでも二 十数頭ですか、見つかっている。ですから、こういう検査をやれば、BSEの牛が見つ かっても、それは不思議ではないと思います。ただ、そういう牛は全頭検査によって食 卓には回らないという、この体制は確実にできている。そういう意味での食卓の安全性 が現在は確保できているというように理解すべきなのですが、どうも世間ではそうでは なくて、BSEの牛までいなくなったというように理解しているような感じも時々ある のです。ですから、今度、仮に4頭目が出たら、また安全宣言は嘘だったではないかと いうような話にまでなりかねない。ですから、その辺をもっとはっきりと、安全はどう いう内容のものであるかということを国民にちゃんと理解するように、両方の省庁も含 めて努力していただきたいと思います。 ○高橋委員長  ただいまの発言、非常に重要な発言だと思います。ドイツの例では、たしかおととし の11月でしたか、1頭出まして、去年、2001年に 100頭ぐらい出た。ですから、2年目 に 100頭出たということは非常に大きいことなのですが、そういった例を考えれば、我 が国においても二けたぐらい出ても、私は不思議ではない。1頭出れば大騒ぎするので はなくて、かなりまだまだ出るよ。しかし、出たとしても、これだけの体制ができてい ますよというようなことを大いに自信をもって対処していただきたいというように、私 も思う次第でございます。  さて、大分時間がオーバーしました。参考配布5というのがございます。これは、今 までの第1回から第4回までの委員からの資料請求のリストでございます。それで、 ぱっと見たのですが、1つ以外、全部お答えいただいているということになっておりま すが、なおこれを見た上で、こういう質問事項がまだ残っているはずだというものがご ざいましたら、事務局に提起していただければと思います。  まだご発言されたい方もおられると思いますが、時間がまいりましたので、これで第 5回の委員会を終わりたいと思います。                 次 回 の 日 程 ○高橋委員長  次回の委員会の日程は2月13日水曜日、午後2時から農林水産省の会議室において開 催することにしたいと思います。各委員の皆様、それにご対応いただきたく、よろしく お願いします。                  閉   会 長時間にわたりまして、ありがとうございました。本日の会議は、これをもちまして閉 会といたしたいと思います。どうもありがとうございました。 ――了―― (照会先:食品保健部企画課 内線2445.2450)