02/01/28 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会乳肉水産食品部会議事録      薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会乳肉水産食品部会議事録 厚生労働省医薬局食品保健部基準課 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会乳肉水産食品部会  1.日時:平成14年1月28日(月) 14:00〜16:00  2.場所:経済産業省 別館第944 会議室  3.議事    (1)乳及び乳製品の規格基準の改正について    (2)その他  4.出席委員:小川益男、熊谷進(部会長)、塩見一雄、品川邦汎、鈴木久乃、         伏谷伸宏、丸山務、山崎省二、山本茂貴     事務局:尾嵜食品保健部長、石井基準課長、滝本課長補佐、他2名 ○事務局  それでは、ちょうど定刻となりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会食品 衛生分科会乳肉水産食品部会を開催いたします。  本日は御多忙のところ、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日 は清水委員、三森委員が御欠席ということでございまして、11名の委員中9名の委員の 先生方が御出席いただいておりますので、当部会が成立いたしますことを御報告申し上 げます。  なお、尾嵜食品保健部長は業務の関係上、後程遅れて参ります。  それでは、開催に先立ちまして石井基準課長より一言ごあいさつを申し上げます。 ○石井基準課長  本日はお忙しい中を御参集いただきまして、誠にありがとうございます。本日の部会 は、過去2回議論をしていただきまして、特に脱脂粉乳の大きな事故を我々は経験した わけでありますが、再発を防止するという観点から、製造基準なりの設定を是非したい ということで御議論をいただいてまいりました。  また、その事件に端を発しました乳製品の種類別の分類の見直し、あるいは容器包装 の規制緩和についても併せて御審議いただくということになっております。2回の御議 論で大体固まってきたかなというふうな感触を私どもは持っておりますが、本日、でき るだけ御集約いただきますように御検討いただきますようお願いをいたしまして、あい さつといたします。よろしくお願いいたします。 ○事務局  それでは、座長の熊谷先生、よろしくお願いいたします。 ○熊谷部会長  今日はお忙しい中をお集まりいただきましてありがとうございます。それでは、早速 議事に入らせていただきますが、まず最初に資料の確認を事務局の方でお願いできます か。 ○事務局  それては、本日用意させていただきました資料の確認をさせていただきます。議事次 第、4枚つづりのものが1つございます。それから、資料でございますが、資料1とい たしまして、「乳及び乳製品等の規格基準の改正について(案)」という形になってい ます。これが部会の報告の案という形で本日用意させていただいたメインの資料でござ います。それから、資料No.2ということで、容器包装に係る専門家の意見ということで 、事務局の方であらかじめお二方の専門家の先生に御意見を伺ってまいりまして、それ をまとめたものを1枚用意させていただいております。それから、資料の3番目でござ いますが、これは諮問書ということで、動物用医薬品の関係で先般厚生労働大臣の方か ら審議会の会長の方に諮問させていただきましたので、その内容に関するものが1枚で ございます。  それから、品川委員の方で追加的に黄色ブドウ球菌の増殖に関する補完的な試験を行 っていただきましたので、それを参考資料という形でつけさせていただいております。 まだデータが途中の段階で完全なものになっていないということでありましたので、参 考資料という位置づけで部会の方に提出させていただいております。  本日、用意させていただきました資料は以上でございますが、参考のために前回及び 前々回の資料もコピーをしてお手元に用意させていただきました。  以上でございます。 ○熊谷部会長  どうもありがとうございました。資料についてはよろしいでしょうか。  それでは、早速議事次第に従いまして、今日は最初の議事が多分メインになろうかと 思いますけれども、乳及び乳製品の規格基準の改正についてということで、この議事か ら入らせていただきます。資料No.1を事務局の方で御説明いただけますでしょうか。 ○事務局  何分ボリューム的に多くなっておりますので、できますれば諮問事項ごとに御報告申 し上げて、御議論いただければと考えております。  最初に、諮問させていただきました1つ目の問題でございます、脱脂粉乳の製造基準 についてでございますけれども、部会報告書の中でこれに該当する部分を簡単に御説明 させていただきたいと思います。  まず、資料No.1「乳及び乳製品等の規格基準の改正について(案)」ということで、 乳肉水産食品部会の部会報告案という形になっております。「はじめに」というところ でございますが、先ほど課長のあいさつの中にもございましたように、平成12年6月に 発生いたしました雪印乳業(株)大阪工場が製造した低脂肪乳による食中毒事故に関す る記載がございます。この事故を受けまして、平成13年3月に開催されました食中毒部 会の方からも、同じような食中毒事例の再発を防止するために脱脂粉乳の衛生基準につ いて検討するようという提言がございました。  この雪印の食中毒事故のみならず、乳、乳製品をめぐるいろいろな問題等がございま して、例えばQ熱などの病原菌の耐熱性に関する新たな知見が出てきたり、あるいは製 造加工技術が多様化してきたということ、あるいは国際基準との整合性等々も踏まえま して、これを機に乳及び乳製品の規格基準の改正について主な検討事項ということで、 1の(1)、(2)、2、3という形で厚生労働大臣から薬事・食品衛生審議会長あて に諮問が平成13年4月に行われたということでございます。  それでは、1ページ目のII、脱脂粉乳の製造基準についてというところから説明させ ていただきます。平成12年6月に発生いたしました雪印乳業(株)大阪工場が製造した 低脂肪乳等による食中毒事故の原因でございますけれども、厚生省及び大阪市の合同専 門家会議による報告がとりまとめられました。1つは、原因物質は黄色ブドウ球菌の産 生するエンテロトキシンA型による食中毒であったということ、その原因になりました のは雪印乳業の大樹工場で製造された脱脂粉乳であったということ、それから、この脱 脂粉乳が製造されました平成12年3月31日に、この製造工程中に停電が発生いたしまし て、生乳または製造ライン中の乳に由来する黄色ブドウ球菌が増殖してエンテロトキシ ンA型を産生したというふうに考えられるということ、それから、エンテロトキシンを 産生したポイントでございますけれども、製造工程中のクリームの分離工程あるいは濃 縮工程のライン乳タンクで起こったものというふうに考えられるという報告がとりまと まっているわけでございます。  2ページ目に参りますけれども、脱脂粉乳の製造基準を御審議いただくに際しまして 、実態調査をすべきということでございましたので、昨年の夏に全国の脱脂粉乳を製造 しております39の施設に対しまして、アンケート調査を行いました。また、このうちの 2つの施設につきましては実際に委員の先生方にも現地の方に御足労をいただきまして 、現地調査を実施したということでございます。  そういった現地調査、あるいはアンケート調査の結果を取りまとめたものが(1)のと ころでございますけれども、多少のばらつきはあるわけでございますけれども、多くの 製造施設において、図に示しているような工程で脱脂粉乳が製造されていました。  大きく分けますと、受入れの工程、受け入れた生乳から脂肪分、すなわちクリームを 分離するという工程がございます。その後、殺菌、あるいは殺菌後に濃縮をするという 工程、その後乾燥するというような工程で行われていたということでございます。その ところどころから回収乳が戻されるというような工程も確認されました。  それから、(2)にございますが、クリーム分離工程時の部分と殺菌・濃縮工程におき まして、乳の品温がエンテロトキシン産生可能温度帯、10℃を超え48℃以下でございま すけれども、その温度帯に置かれていたということでございます。  1つ目のクリームの分離工程でございますが、この工程においてはライン乳は滞留す ることなく連続的に行われていたということでございます。それから、殺菌・濃縮工程 でございますが、余熱から濃縮まではほぼ連続的に最大30分以内に終了していたわけで ございますけれども、その後の濃縮乳の貯乳の工程におきまして品温が約20℃から50℃ で、基本的には入れながら出しているという状態でございますが、最大で30時間ぐらい 保管されているというようなケースも見受けられるということでございます。この部分 につきましては、余り高い温度で貯乳を行うと、いわゆるメラード反応という反応が起 こりまして、脱脂粉乳が黄色く、あるいは茶色っぽくなってしまう。余り低い温度で処 理をいたしますと、乳糖が析出をしてくるというようなことから、品質確保上、40℃前 後での貯乳工程が最も多い。逆に言えば、エンテロトキシンが一番産生をしやすい温度 帯で置かれるというような状況でございました。乾燥工程におきましては、加温から冷 却まで数分間で行われておりまして、滞留することなく終了していたということでござ います。  それから、(2)の記載内容でございますけれども、これは生乳中の黄色ブドウ球菌 の汚染ということでございまして、主に文献的に調査をし、あるいは品川先生の方から もデータを提供いただいたわけでございますけれども、工場に納入される原料の生乳の 約50%は黄色ブドウ球菌による汚染があったということでございます。レベル的には1 ミリリットル当たり10の1乗ないし10の3乗個の黄色ブドウ球菌による汚染があった。 中には10の4乗個のものも確認されたということでございます。毒素産生能力について も、エンテロトキシンA型を産生する菌株がその中にも含まれていたということでござ います。  3ページに参りますが、各農家段階で言いますと陰性のところも多々あったわけでご ざいますけれども、それがタンクローリーで運ばれてくるというような、幾つかの農家 のものが混合されるというような集乳をされますので、ローリー単位で見ると汚染率と いうのはかなり高くなるということでございます。従いまして、原料となる生乳は既に 毒素を産生することができる黄色ブドウ球菌に汚染されているということを前提として 、脱脂粉乳の製造基準を検討する必要があろうということを記載しております。  (3)ではエンテロトキシン産生及び発症量という形で書いております。雪印乳業の 食中毒事故の原因究明の際に試験室内で幾つかデータがとられております。初発菌数が1 0の5乗レベルでは3時間後にエンテロトキシンA型が検出されているという例もござ いましたが、初発菌数が10の2乗個レベルで大体6時間後にエンテロトキシンA型が検 出されているということでございます。これは前回及び前々回に提出させていただきま した資料の中に含まれております。後ほど品川先生の方から追加的なデータについても 御説明いただきたいと思いますけれども、追加の試験でも同様の結果が得られていると いうところでございます。  なお、通常、ヒトに対して黄色ブドウ球菌の食中毒症状を起こすエンテロトキシンは 大体100 ngぐらいかなということでございますけれども、先般の事故では計算上数十ng でも発症しているという計算になります。  以上のようなことを踏まえまして、衛生基準の基本方針ということで前回にこの部会 の方に内容を御説明したとおりでございますが、先ほど申し上げましたように、生乳段 階での黄色ブドウ球菌の汚染を前提とした対策が必要であるということ、それから、水 分が飛んでしまえば基本的には黄色ブドウ球菌の増殖がなくなるわけでございますので 、それまでの工程において製品の温度、それから温度帯における時間の管理が重要であ るというようなことでございます。それぞれ各工程における二次汚染を防止し、特に殺 菌後の乳の二次汚染防止を図る必要があるというようなことから、具体的にはそこに書 いてございます1から始まります5つの項目について留意する必要があるということで ございます。  いろいろ温度帯が上下するものですから、基本的に製造上必要不可欠な工程を除きま してエンテロトキシン産生可能温度帯を避けるということがまず基本になろうかと思い ます。その上で、製造上必要不可欠な工程といたしまして、クリームの分離の工程、殺 菌の工程がございますが、殺菌の工程に入るまででございますけれども、この段階にお きましては、先ほど申し上げましたように生乳の汚染が考えられるというようなことか ら、できるだけ速やかに処理をし、連続的に行う、滞留しないというようなことが条件 になろうかと思います。  それから、加熱殺菌後の濃縮乳につきましては、基本的には殺菌済、殺菌後であると いうことから、黄色ブドウ球菌の菌体そのものが死滅しているというようなことから、 更なる二次汚染を避けることが重要であるということでございます。特に濃縮乳が40℃ 前後で数時間滞留する可能性があるというようなことから、仮に二次汚染があってもエ ンテロトキシンが産生しないようエンテロトキシン産生可能温度帯で乳を滞留させない ことが重要になってこようかと思います。やむを得ずエンテロトキシン産生可能温度帯 で乳を滞留する場合には、時間の管理を行うことによってこれを防止しようという考え 方でございます。具体的には、先ほど幾つかの実験がございましたけれども、10の2乗 レベルでの汚染があってもエンテロトキシンを産生しないよう、6時間以上滞留させな いことというようなことになろうかと思います。  同じような内容で、(5)脱脂粉乳の衛生基準ということで、先ほど申し上げました ような基本方針を踏まえて繰り返しここに書いてございます。製造上必要不可欠な工程 を除いて、10℃から48℃以下を避けるようなことが必要だということと、分離工程につ いては連続して行うこと、それからクリーム分離後の貯乳でございますが、一部の施設 で10℃以上で置かれているということがございましたので、この部分についても当然10 ℃以下で貯乳を行うということ。  加熱殺菌につきましては、牛乳の例により加熱殺菌をするということ。それから、加 熱殺菌後の濃縮乳が10℃を超え48℃以下、すなわち黄色ブドウ球菌が増殖をし、かつエ ンテロトキシンを産生する温度帯で滞留する場合には、基本的には1つは外部からの細 菌汚染がないように閉鎖系で管理を行うこと。外部からの二次汚染がなければ、加熱殺 菌後でございますのでエンテロトキシンが出てくる可能性はないということが考えられ ますので、基本的には閉鎖系で行う。ただ、実際上、外部からの細菌汚染、二次汚染が 完全にないというような状況は非常に難しいかと思いますので、そのような場合にあっ ては6時間以上滞留することがないように管理をするというようなことが条件として義 務づけられるのかということでございます。  それから、前回の議論の中でも、特にそういう製造工程以外に回収乳の問題が非常に 重要であるという御指摘を踏まえまして、回収乳を使用し脱脂粉乳の製造に用いる場合 には、回収した後、直ちに冷却をし、10℃以下で管理をすることということも、この製 造基準の中に盛り込んではいかがかということでございます。  その他につきましては、関係者を指導することということでございまして、製造基準 というものを設定することと併せまして、広く関係者を指導する内容といたしまして、 搾乳後の生乳は速やかに10℃以下に冷却をしなさいということ、あるいは受け入れる側 でも10℃以下のものを受け入れるよう努めるというようなこと、それから製品の保管の 問題がございます。一度乾燥状態になっても、後で水分を吸湿して微生物が増殖する可 能性があるのではないかというようなことがございましたので、そういうことのないよ うに管理するということ。それから、今回、脱脂粉乳につきまして製造実態等々いろい ろ調べた上で製造基準を提案させていただいておりますけれども、それ以外の同じよう なつくり方をされるであろうと思われるような乳製品についても、こういった衛生基準 及び指導内容に準じて指導しなさいというようなこと。それから、消費者の方々に対し ても、家庭において湿気を帯びることのないように保管・使用するよう啓発するような こと。こういったことを盛り込んで全体の対策ということで立てていきたいということ でございます。  脱脂粉乳に係る部分は以上でございます。 ○熊谷部会長  どうもありがとうございました。先ほど事務局の方から御説明があったんですけれど も、たしか前回は各施設の製造工程フロー図というのを整理していただきまして、10月3 0日の食品部会の議事次第の中に資料として入っているんですが、その脱脂粉乳の製造 工程の中でどういう点に問題があるかということについて御議論いただいて、最終的に いま一つよくわからないのは、濃縮が終わって、濃縮した乳を乾燥する前のプロセスで 貯乳という段階がある工程をとっている工場が多かったんですけれども、その部分でか なり食中毒菌が増えやすい温度条件に比較的長時間置かれるということで、仮に二次汚 染が途中でされたとすると、そこで黄色ブドウ球菌が毒素を産生してしまいかねないと いう部分が最もリスクが気になる部分として御議論いただいたわけですけれども、それ ではその条件をどういうふうに設定したらいいかという部分でデータがもうちょっと必 要なのではないかということになったんだと思います。  それで、改めて今日参考資料としてお配りいただいています毒素産生試験の実験を品 川先生のところで行っていただいたんですが、これについてまず簡単に御説明いただけ ますでしょうか。 ○品川委員  では、説明させていただきます。参考資料ですけれども、このデータはまだ十分に全 部できているわけではなくて、不備なところがありますが、一応中間報告ということで 示してほしいということでここに提出しました。  今回の目的は、部会長が言われましたように、貯乳のところの濃縮乳での毒素産生に ついて、実際に今回実験を行ったのは48%濃縮乳ということで、一般的には35%から50 %ぐらいの範囲のものが濃縮乳に入るということですが、今回用いたのは48%です。そ して、ここに書いていますように、正確には48.4%乳、乳糖23.5%という濃縮乳を用い て、30%というのはこの濃縮乳から計算上で30%乳、そして普通の牛乳よりは少し濃い んですけれども、10%というのも48.4%から計算上で蒸留水で希釈して、10%と30%と4 8%を用いて実験を行いました。  そして、菌の接種は黄色ブドウ球菌エンテロトキシンA、これは食中毒由来株で、こ の菌株の毒素産生は0.8 から1.6 マイクログラム/ml、これは一番いい条件で毒素産生 性を調べていますので、これは普通食中毒の起こす一般的な菌株の毒素産生量にあたり ます。この菌株を用いて、培養温度は30℃、35℃、40℃、45℃、このデータには示して いませんけれども、後から50℃培養というのものも段階を追って、2時間おきに菌数と 産生毒素量を見てまいりました。  接種菌量としては10の2乗個と10の4乗個で、先ほどから説明がありますように、実 際には濃縮乳というのはその前に殺菌されており、基本的にはそこで黄色ブドウ球菌は 全部死ぬはずです。もし菌が入るとしたら二次汚染の問題であり、10の4乗の汚染とい うのは非常に高濃度でちょっと考えられないぐらいなので、もしあったとしても10の2 乗以下ぐらいであろう。実験的には10の2乗と10の4乗個接種して経時的に調べました 。  ある程度毒素が産生されますと、毒素抽出をしないでも直接、今回はミニバイダスと いう機械を用いて、この機械はこの前の研究班のところで雪印事故が起こったときに乳 中のブドウ球菌のエンテロトキシン検出ということでコラボレイトスタディーをやった ときに、この方法が一番測定しやすいだろうということでこの機械を用いて行いました 。  毒素量が少ない場合には乳を濃縮して、そして毒素を抽出して測定し、1ml中の毒素 産生量を示しました。このミニバイダス(この他の毒素を検出するキット)というのは 、御存知のように、どれもみんな毒素定性機器であって、定量的に毒素を検出するとい うことは不可能です。そうしますと、定性をする機械を用いて定量するためには、スタ ンダードの直線を引いて、そしてそれに照らし合わせて毒素を算出するという形で求め なければなりません。毒素量が増えてまいりますと、乳10%でも30%、48%も直接機械 にかければ毒素は検出できるという状況になります。  そういう条件の中で35℃、40℃、45℃培養ということで、配布資料には間違って40℃ のものが2枚入っているかもしれませんけれども、35℃と40℃、45℃です。50℃は示し ていません。基本的には35℃とか40℃というのは毒素産生する条件としては好適条件で ある。今回一つ問題になっているのは45℃培養の成績のところをもう少し詳しく、とい うことは45℃培養での菌数と毒素産生は、一番最後のところの表ですが、それを見てい ただければよろしいかと思います。  今回用いた実験方法というのは、10の2乗なり、10の4乗の菌を接種したとき一番毒 素産生がいい条件というのは、それぞれ10%、30%、48%乳を毒素産生のための振とう 培養を行っているんです。タンクでの条件とは少し違っていますが、振とう培養をして 本当に毒素をどれぐらい産生することの条件をつかむために、120/分程度の往復振と う培養で経時的に調べていっています。  菌を接種したのは、ここに示しますように、30%と10%乳は基本的には同じ量を接種 し、10%のところにNTと書いていますけれども、30%乳と大体同じ接種で、もう少し 正確に言いますと、500ml の坂口コルベンに150 mlの試料を入れて、菌を接種して振盪 培養したというやり方を行っています。  50%乳とここに書いているんですけれども、48%乳と直していただければ良いですが 、50%乳と説明していましたけれども、正確には先ほど言いましたように48.4%乳です 。これに菌を接種して行ったものですが、48%乳というのは振とうしているうちにどん どん固まってまいります。振とうしても乳はもう振とうされなくなり、また、低温に保 存しますと、10℃以下で一晩置きますと固まるというような条件で、48%乳というのは 実際には非常に難しい毒素産生実験です。だから、48%の試料は最初菌を接種するとき には1ミリリットル中の菌数を、何とかピペットで測ることができますが、培養の終わ りぐらいになると固まってしまい、1グラム中の菌数を示しました。重量がそこで変わ ってきますけれども、そういう形でやりました。  そうしますと、10の4乗接種のところでは4時間では毒素産生を始めます。これは濃 縮しないと直接毒素検出はできないけれども、毒素産生を濃縮して調べれば、菌数的に は10の4乗接種では10の6乗ぐらい菌数が増殖し、毒素産生は10%乳で0.32ng/ml、30 %乳で0.24 ng/mlという量です。10の2乗接種はこれより遅れてまいりまして、6時 間培養後に大体そのぐらいに毒素産生してきます。この時間で毒素がやっと検出できる かなという量です。10の4乗では6時間培養では産生します。ここに示した48%乳のと ころがマイナスというのは、もう一度追試を行わなければいけないところであります。 大体10の7乗個になって、10の4乗個接種では6時間で大体10の7乗個、毒素量として は2.3 から2.5 ng/ml ぐらいの毒素産生します。10の2乗接種では、6時間ではまだ 乳を濃縮し毒素抽出を行わないと毒素は検出されません。8時間後には産生するという ような状況にであります。  あと、50℃培養のところでは、データを示していませんが、10の2乗、10の4乗接種 のところでは、10の2乗では時間がたつと菌が死滅し、4乗でも菌数が減少してしまい ます。菌数は増えない、むしろ時間がたってくれば菌が死滅してくると思われます。こ の点はもう一度きちんと実験を行い、ここでそれぞれNTと記載したところは、またデ ータの整合性がとれないところは詰めていき、データを示さなければいけないかなと思 っています。  大体その辺で説明を終わらせていただきます。 ○熊谷部会長  どうもありがとうございました。これから御意見、御質問等をいただきたいんですけ れども、その前に1つだけ確認させていただきたいんですが、黄色ブドウ球菌毒素の測 定方法というのは、前回御紹介いただきました雪印食中毒事件の原因調査の最終報告の 中にありました黄色ブドウ球菌添加試験の成績を手元に用意していただきましたけれど も、その方法とは違って感度は高くなっているわけですね。前回のは10月30日の議事次 第の中の56ページからの雪印食中毒事件に係る厚生省・大阪市原因究明合同専門家会議 ですけれども。 ○品川委員  これは北海道衛研も含めて岩手大学もやりましたけれども、毒素検出キットは日本製 だったら逆受身ラテックス凝集反応法で、これは毒素を半定量的に検出できます。あと ミニバイダス、ライダ−キットもありますが、北海道衛研の成績ではライダ−とミニバ イダスを用いて毒素検出を行ったと思いますが?2つの方法で行ったと思いますけれど も、良く覚えていません。岩手大学では、最初に示した検出方法としては、ラテックス 凝集反応とミニバイダスを用いて行ったもので、先ほどちょっと言いましたが、コラボ レイトスタディーの中ではミニバイダスが一番出るということで、学会にも出してもら ったし、今回やったのはその方法で毒素を測った。 ○熊谷部会長  そうすると、今回は50mlを使ったという点がこの食中毒の調査の場合とは違うんです ね。感度はそれだけ上がった。 ○品川委員  濃縮すれば当然感度は上がってまいります。 ○熊谷部会長  わかりました。そうしましたら、その点も含めまして、先ほど事務局から御紹介いた だきました、特に衛生基準の基本方針、それから衛生基準、そういったところで御質問 、御意見をいただければと思います。 ○丸山委員  2つ質問させていただきたいんですが、4ページの衛生基準のアからカまでのところ ですが、アのところで「必要不可欠な工程を除き」という部分で、こういうふうに書き ますと、事故が起きたことを踏まえて、クリーム分離のところと余熱前の貯乳、こうい うところが具体的に上がるわけですが、ほかのところもメーカーとしてここも必要不可 欠だ、必要不可欠だというふうになるような解釈というものは心配ないんだろうかとい うことが1つです。こういう表現というか、考え方でいいのかなというのが、これをざ っと読んだときに非常に心配になった点です。  もう1点は、カのところの回収乳のところにわざわざ括弧して作業開始時と終了時と いうふうに、これも限定するんですか。というのは、工程図にありますように、回収乳 のところというのは幾つもあるんですね。それの作業開始時と終了時というふうに、そ のポイントだけをわざわざ括弧の中で規定したというのは何か理由があるんでしょうか 。製造工程中どんどんラインが動いている間にも実際は回収乳というのはあるわけです よね。それはどうなるのかなと思うんですが、その2点をお願いします。 ○事務局  このまま基準になるということよりも、基本的な考え方としてお示しをして、きっち りと抜けのないように省令上は書きたいと考えていますけれども、基本的には脱脂粉乳 という製品をつくる上で必要不可欠な工程、黄色ブドウ球菌が増殖する温度帯に置かな ければいけない必要不可欠な工程としてはクリームの分離の工程と殺菌後の貯乳の工程 しかないというふうに基本的には考えています。ただ、殺菌前の余熱の工程、瞬間的に 上がる部分はございますけれども、我々は実態調査も行いましたし、それからアンケー ト調査で工程を確認をいたしましたけれども、それ以外には必要な工程というのはない というふうに理解をしていますので、それ以外の工程については10℃以下、もしくは正 確には48℃以上という形になるかと思いますけれども、黄色ブドウ球菌が増えないよう な温度帯で置かなければいけないということを基本に考えております。  回収乳のところにつきましても、それは必要不可欠な工程ということではなくて、例 えば濃縮乳を貯乳している段階のものから回収してくるとした場合には、当然回収した 段階で10℃以下に冷却をしなければいけないという基準も盛り込みたいと思っています ので、ここに回収乳の説明書きを書いていますけれども、何も作業開始時あるいは終了 時だけではなくて、そこに「等」という書き方をしておりますけれども、こういった作 業中であってもどんどん回収の方に回ってくる部分がございますので、回収に回った途 端にすぐに冷却をして10℃以下で置かなければいけないというようなことも基準の中に 盛り込まなければいけないなというふうに考えております。そこは漏れのないようにし たいと考えております。 ○熊谷部会長  あとはよろしいですか。品川先生。 ○品川委員  今の丸山先生の質問にかかるんですけれども、回収乳の作業開始時ということは、作 業が終わったら直ちにではなくて、回収乳というのは放っておいて、極端に言うと一晩 たって回収する、万一そういうものが入ってきてこれを使うというのは、開始時という のは合わないのではと思いますが。作業終了時にきちんとそれはやって使うということ になるのではと思いますが。 ○事務局  ラインが動きだした最初のところはどうしても品質が安定しないというようなことも 聞いていまして、そこから順調に流れだすまでの間は回収に回る、あるいは作業をスト ップして、そのパイプの中のものがまた回収に回るということをお聞きして、作業時も そういうことがあるようなことを聞いております。 ○品川委員  そうですか。見たときには、やはり作業が終わったときものが、多くはそれが回収の ところに回っていましたが。 ○事務局  基本的にはそれが大きいと思います。 ○品川委員  だから、作業が終わったときにやって、それが一晩たって次にスタートするときにそ こに入るというのは、開始時になるのでは、この表現はおかしいと思ったけれども。 ○熊谷部会長  脱脂粉乳のときの工程を忘れたんですけれども、牛乳のときには殺菌機を通すときに 最初に安定するまで水で行きますよね。その後、乳を流し始めるのか、最後には水に置 き換えていくという部分があって、その境目のところはたしか回収するんですよね。水 とミルクの境目です。 ○品川委員  終わったときですね。 ○熊谷部会長  開始のときもそのようだったように記憶しているんです、ちょっとあやしいんですけ れども。 ○品川委員  開始時には水と、次亜塩素酸ナトリウムが入ったものは通していなかったかですかね 。 ○事務局  ですから、水が通っていますから、それを今度は生乳で押していくわけですよね。そ うすると、どうしても境目ができますから、100 %生乳になるまでの間というのはもう 一度戻すというようなことが考えられます。それは作業終了時もそうです。 ○品川委員  だから、開始時というのはそういうことになるわけですね。 ○熊谷部会長  回収乳の後の括弧書きというのは特に何か意味があるんですか。 ○事務局  回収乳だけと考えても結構だと思います。 ○熊谷部会長  特にどこの回収乳ということを。 ○事務局  限定するつもりはございません。先ほどの基本的な考え方に従って対応していきたい と考えています。 ○熊谷部会長  ほかにございますか。 ○鈴木委員  この衛生基準に入れるべきことであるかどうかわからないんですが、このような形の 製造工程をやる担当者のいわゆる衛生教育といったようなものをきちっとやれという話 は、こういうところに入れるべきものではないんですか。 ○熊谷部会長  衛生管理をするためには、それのみならず非常に膨大な部分が非常に大事でして、そ れは今までは基準の中には含めていないんですね。一般衛生管理も含めた管理基準とい うことになりますと、非常に膨大なものになってしまうんですけれども。 ○事務局  直接のお答えになるかどうかわからないんですけれども、11ページ目を開けていただ きますと、「おわりに」ということで若干先生の御指摘の内容も踏まえましたような記 載をしております。「おわりに」ということでございますが、「今回、脱脂粉乳の衛生 基準策定のため検討を行ったが、食品の衛生管理は一義的には営業者の取組によってこ そ成功するものであり、企業自らがその必要性を認識して、自主的に衛生管理を実施す ることにより、消費者に対してより安全な食品を提供できるということは言うまでもな い」ということと、それから、今回脱脂粉乳製造基準の設定をするということで御検討 いただいていますけれども、それに加えまして、「自主的な衛生管理推進のために、衛 生基準のみならず、高度な衛生管理を推進するため、HACCPシステムを用いた総合 衛生管理製造過程の承認についても検討するべきである」、具体的には今回製造基準を 定めました脱脂粉乳については、HACCPの対象品目にしてより一層の衛生管理の向 上に努めていくようなシステムをつくっていきたいということでございます。 ○鈴木委員  視察に伺ったときにそういうことを感じたものですから。きちっとした温度と時間と いったようなもののリスクの認識が果して現場の中にあったんだろうかと。 ○品川委員  もう1点だけよろしいですか。基準のオのところに「二次汚染を避ける」と書いてあ るんですね。これは当たり前のことで、二次汚染を避けるにはどうすればよいかという ことが、製造基準ならもう少しその点を明確にする必要があるのではないかという気も します。ここでは二次汚染を避けるという言い方で良いのでしょうか。一番問題なのは 濃縮乳のところは二次汚染の問題なので、一次汚染のものはもう殺菌されているはずで あり、二次汚染があるからこのように注意しなければいけないとすると、二次汚染のと ころをもう少し的確に表現すべき必要があるのではないかという気がしました。 ○丸山委員  私も全く同じそこのところでもう一つお伺いしようと思ったのは、こういうのはもう 当然であって、これはわざわざ要らないと思います。  もう一つ、それに続いて「6時間以上」、これはどこの根拠からこの6時間というの が割り出されたんですか。 ○事務局  先般の雪印の原因究明委員会のときのデータ、それから今回品川先生のところで行っ ていただいたデータを基本的に考慮をしております。  それから、二次汚染を避けるというのは当然の話なんですが、6時間という規定を置 いたのは、二次汚染があっても大丈夫なようにということで、余りそこを強調すると、 二次汚染前提と申しますか、そこは問題ないというふうに曲解をされると困ると思いま して、あえて「二次汚染を避けると共に」という文言を部会報告の中で入れたわけです 。 ○丸山委員  6時間と結構連動しているんですね。わかりました。 ○伏谷委員  今の点について品川先生にお尋ねしたいんですが、黄色ブドウ球菌が産生するエンテ ロトキシンの量なんですが、菌株によってどのくらいの幅があるものなんですか。それ によって多分この辺も変わってくるのではないかと思うんですけれども。 ○品川委員  エンテロトキシンAというのは食中毒を起こす。食中毒菌株では大体このぐらいエン テロトキシンAというのは食中毒を起こす。食中毒を起こすというのは一応菌株の中で も高い方に属する。もっともっと自然界にいるエンテロトキシンAの産生の株というの はもっと低い。数百ngとか数十ngぐらいしか産生しないものもある。勿論、エンテロト キシンAの標準株というか、毒素を生成するためのつくった菌株の中に、エンテロトキ シンでも二十数μgとかを産生する菌株も現実にはあるけれども、自然界にはこれだけ 高いものはないだろうなということで、一応今回用いたのは食中毒株だから相当高い部 類に属すると考えていただいて結構だと思います。 ○熊谷部会長  塩見先生、どうぞ。 ○塩見委員  6時間ということに対して、品川先生のデータだと言われたわけですけれども、品川 先生の方のデータのどこを基準にすればよろしいわけですか。 ○事務局  初発菌数が10の2乗で、温度帯は40℃とか45℃とか、そのあたりが最も増えておりま すので、一番最悪の条件のところで線を引いております。 ○塩見委員  パーセントの方はどこを基準に考えればいいわけですか。 ○事務局  いずれのところも、例えば45℃で見ますと、10%、30%、それから48%のところでエ ンテロトキシンの産生が確認をされておりますので、これらすべてのところです。基本 的には一番類似のところは48%のところかなという感じではおります。 ○塩見委員  そうしますと、48%を6時間ということは産生されているということになるわけです ね。このデータからいくと、4時間は出ていないだろうと。それで6時間以上という数 字が出てくるのでよろしいのかどうか。 ○品川委員  先ほどちょっと申しましたように、この条件というのは実際の製造面を考えて実験を 行っているわけではなくて、乳保存に対し非常に厳しい条件の中で行っている。毒素産 生にとっては一番いい条件で、振とう培養もしており、二次汚染のような菌ではなくて 、一番活性化した元気のいい菌を接種して、保存条件の一番最悪の場合にこれぐらい毒 素を出すということであり、当然自然界での二次汚染というのは毒素産生も、増殖し始 めるのもこれよりはやはり劣ってくるだろうと考えられます。だから、これは今一つの 目安として、一番いい条件の中でこのぐらい産生することを示したものです。それを基 準にするのか、これからどの程度割り引くのかということであり、一応今回言われてい るのは10の2乗で、先ほどから議論されていますように、濃縮乳の中には10の2乗とい うのは、二次汚染を考えたときに10の2乗個/mlをタンクに汚染させようとすると、こ れも相当の量の汚染がしないと10の2乗にはならない。二次汚染はもっと少ない量と考 えられます。 ○熊谷部会長  ほかにございますか。30%、50%というのは最終的に口に入るときには10%に戻して 我々は飲むというか、どういうことですか。 ○品川委員  そうですね。普通の無脂乳固形分のところにいくと現実には9%ぐらいですか。普通 の牛乳よりはちょっと濃いぐらいで、普通は8・何%か9%ぐらいです。 ○熊谷部会長  そうしますと、例えば30%で0.93ng/mlというのは、実際に牛乳として飲むというよ うな形で飲む場合には0.3 ng/mlぐらいを飲むということですか。 ○品川委員  牛乳の場合ですか。 ○熊谷部会長  牛乳として飲む場合には、30%で0.9 ng/mlの場合には10%の場合には0.3 ng/mlを 飲むことになるわけですね。そうすると、100 ml飲むと30ng。200 mlを飲むと60ngとい うことで。  先ほどの数十ngで食中毒を起こすというのは、その数十というのは結構開きがありま すけれども、上の方、100 に近い数十なんですか。 ○品川委員  それは雪印事件のときにまとめられて、いろいろなところから毒素をどのくらい牛乳 から産生したかという量を見ると、数十ngぐらいであり、その数字が一般的に言われて いるように回収率を計算して求めたものとそうでないものがあり、そういうことがきち んと出されていない。毒素は数十ngぐらいありましたというのは雪印事件録のまとめの 中に入っている。それらを参考にこれが数十ngと言われている数字だと思います。 ○熊谷部会長  数十というのは20。 ○品川委員  そうですね。低いのはもう少しありました。十幾ngぐらいからで、多いものでは大阪 府行ったもので80から90ngです。とにかく相当少なかったんですね。  実際に食中毒との関連というのが、どの程度飲んだかというのがきっちりしない。飲 み残しを調べたらこれぐらい毒素がありましたというけれども、実際にそれがどのくら い飲まれたかというのが出ていないから、トータル量で実際に食中毒はどのくらいでの 毒素量で起こったのかというのはわからないが、ここで言われている100 ngぐらいとい うのは、外国の論文に書かれていたもので、それを基に考えて進められている。 ○熊谷部会長  そうしますと、この実験結果からいくと、6時間で飲む量によっては発症するかもし れない。だけど、振とう培養で非常に効率よく産生する形にしているという実験条件下 での数字であるということですね。  それから、二次汚染ということで10の4乗までは考えなくていいだろう。10の2乗を 考えた場合にそういうことで、二次汚染の場合に更に低いということも勿論あり得ると いうことで、要するに主として振とう培養ということを考慮に入れると6時間未満とい うことであればよろしいでしょうと。 ○品川委員  それについて私に全部責任をと言われると非常に難しいですが、そういう条件設定で 行いましたということで、御判断をしていただければと思います。 ○熊谷部会長  ここにあるデータで御判断いただいて、6時間未満ということでよろしければそうい うふうな設定にさせていただくということになります。  お考えいただく間に、先ほどの二次汚染を避けるというのでもうちょっと具体的なと いうのは、これは二次汚染を避ける手段というのは今までもいろいろな食品でいろいろ なことが言われていまして、要するにそれに尽きるわけですか。 ○品川委員  基本的にはクローズドでやれるのが一番いいわけですよね。だけど、今回の雪印事件 ではフィルターを交換しなければいけなかったとか、どうしてもオープンにして外部か ら何かをしなければなければいけないとか、そこでの二次汚染が考えられるというのが 雪印の事件のときの検討結果だったと思いましたが、そのような作業のときに二次汚染 を起こす。クローズドのパイプラインでずっと行っている間は二次汚染は基本的にはな いだろうと考えられるが、二次汚染がどういう形で発生し、どういう作業が行われてい るかということは私も十分把握してませんけれども。 ○小川委員  それはこの間視察した限りでは、フィルターとかパイプのつなぎめ、要するにそこを 開けられるか開けられないか、それによってクローズドかどうかになるわけですから、 問題はそこだけだと思いますね。ですから、一般とはちょっと違って、特殊な二次汚染 の姿を考えておかなければいけないのではないか。 ○熊谷部会長  そうすると、そういう部品を交換するというのは調理器具でも非常にあるわけですけ れども、機械のメンテナンスにおける二次汚染の防止ということですか。 ○小川委員  メンテナンスと言っていいかどうかわかりませんがね。 ○事務局  基本的にはそういった機械のメンテナンスだとか、その作業をするときに十分洗浄、 消毒をしてそれを交換してくださいというようなことになろうかと思います。タンクも 空気穴がありますから、その空気穴を通じて外部から浮遊している細菌が入ることは考 えられますから、完全に密封系というのはなかなか考えにくいのかなというふうに考え ています。そういう部品の交換だとか、あらゆる二次汚染の防止の手立は立てていただ きますけれども、それで完全とは言えないわけですから、6時間という規定を設けて管 理をしていただきましょうと。その両方で万全ではないかなと考えております。 ○熊谷部会長  そういうことをここの文章の中に入れるかどうか、そういう話になるかと思います。 ○事務局  ですから、製造基準で明確に規定をする部分と、あるいは一般衛生管理だとか、衛生 指導だとか、自主管理の中で対応していただく部分と、なかなか規定で書けない部分も たくさんあろうかと思いますから、それは通知の中で考え方を示しながら、指導なり、 あるいは自主管理をしていただくというような形になろうかと思います。 ○小川委員  ですから、これは基本的な考え方を示しているのであって、これは条文ではないんだ 、条文は専門家にお願いするんだというさっきの御説明だったと思うんですね。だから 、基本的な考え方は私はこれでいいのではないかと思います。 ○熊谷部会長  そうすると、品川先生、二次汚染の部分はこのままの記載でよろしいですか。 ○品川委員  このままでいきますと、二次汚染があった場合では6時間、閉鎖系であったら6時間 でなくてもいいということになりますが、先ほど言ったように、閉鎖系というのは厳密 に言うならばあり得ないと考えられるが。 ○事務局  考えるとすると、クリーンルームをつくっていただいて、空気穴は除菌フィルターを つけていただいて、流れている間は絶対にオープンにしないというようなことをやれば 可能かもしれません。 ○品川委員  衛生管理のところではそれを書く必要がありますが、そういう形で細かく二次汚染と いうのものをこういう基準の中に書くというのはどうでしょうか。それだったら48℃以 上で行うようにということ、6時間以内で行うということで十分ではないかな思われま すが。 ○事務局  二次汚染も衛生管理としては重要ですから、6時間さえ守っていればどんな措置をし てもいいということでは決してありませんよということでございます。 ○熊谷部会長  温度は48℃以下の範囲ですとこうですので、48℃を超える条件であればよろしい、48. 2℃とか48.3℃では8時間であっても50時間であってもいいんだということですね。 ○事務局  そういうことになります。 ○熊谷部会長  逆に、50℃だと菌数は減っていくということでございますから、そこは特に時間の制 限をすることはないだろうという考え方ですね。この6時間についてはもし御異議があ りませんでしたら、6時間という時間を設定することとさせていただきます。  ほかに、この衛生基準、その前の基本方針の部分について御意見はございますか。 ○小川委員  (6)のその他ですけれども、アとして「搾乳後の生乳は速やかに10℃以下に冷却す ること」とありますが、これは工場がやるんですか。農家がやるんですか。 ○事務局  農家単位のことも念頭に置いております。 ○小川委員  イの方も工場と農家が両方やるということですか。 ○事務局  イの方は主に工場が納入をする際に温度管理がきっちり行われたものを納入しなさい ということでございます。 ○小川委員  上は「冷却すること」で、下は「努めること」と緩くなっていますけれども、これは 何か意味があるんですか。 ○事務局  特段、意味はございません。 ○熊谷部会長  これは文章的には「受け入れなければならない」かもしれないですね。 ○事務局  そうですね。そもそも内容が指導することでございますから、改めて「努めること」 は書かずに、「受け入れること」というふうにしておけばいいかと思います。 ○品川委員  生乳の保管というのは今まで全然なかったですかね。 ○事務局  ないです。ただ、同じような形では指導は従来からしております。 ○熊谷部会長  今回は生乳を受け入れてからの貯乳段階は問題ないんですね。 ○事務局  それ以降はもう工程の中に入ってしまいますから、基本的に10℃以下というのが、こ れは製造基準で厳しく義務づけられます。 ○品川委員  これについてはほとんどのところで行っており、乳が劣化するから、実際には行われ ていますけどね。 ○熊谷部会長  そうしますと、これはこれでお認めいただいてよろしいでしょうか。前回かなり議論 いただいたので、こんなにすんなりいくのはちょっと予想していなかったんですが、そ れではこういう基本方針、それから衛生基準、その他を含めましてお認めいただいたと いうことにさせていただきます。 ○丸山委員  スムースに進み過ぎたとか言っておられますので、関連したことですが、品川先生に 1つお伺いしたいんですが、この基準とかそういうところは関係ないんですが、ブドウ 球菌で、最初から相当汚れているということが出ておりますね。これはヒト由来、環境 由来、動物由来というふうに考えたときに、これだけの汚染だといろいろなところから だと思うんですけれども、今、分子疫学というのは非常に進んでいるんですけれども、 由来はどうだというようなことがわかっているんですか。例えばエンテロトキシンAが 一番中毒にかかわりますよね。そうすると、我々の今までの古い考え方だと、Aという のはヒト由来が多いと言っていたんですが、分子疫学的に見たときのデータというのが わかっているんでしょうか。 ○品川委員  普通、牛由来とか生乳由来の中にはC型産生株が多いんですけれども、A型産生株と いうのは、それに比べたら少ない。では、CとかB型は食中毒にならないかといったら 、決してそうではなうのですが、A型を対象にしていますけれども、汚染率としてはA 型自体はそんなに多くないです。  先生の御質問のどこからの由来か、というのが分子疫学的にわかるかどうかについて は、黄色ブドウ球菌の場合、ヒト由来、動物由来というのは一応言われていますが、動 物由来自体これは乳房炎、ヒトでいったら乳腺炎を起こす病原菌の一つでありますが、 これについては潜在的に存在といいますか、環境中に多く存在し、そこにヒトも当然搾 乳などの作業にかかわっており、的確にこれらの菌がどこからいうのはなかなか難しい です。 ○丸山委員  サルモネラなんかの事故が起きたときにすぐ調査できますよね。そういうようにはな かなかできないんですか。 ○品川委員  なかなかそこのところにはいかないですね。分けたって、クリアカットに成績は出な いです。 ○丸山委員  ありがとうございました。 ○小川委員  この前配布された資料のデータですと、論文もありますけれども、生乳(乳房乳)の 中にもともとかなりエンテロトキシンがありますよね。それと違う形のものがプラスさ れた場合の効果というのはわかっているんですか。 ○品川委員  生乳中のエンテロトキシン量については、その成績はないと思いますけれども。エン テロトキシンを産生する菌としては存在するけれども、生乳自体にフリーの菌体外毒素 があるという報告はないと思いますが。 ○小川委員  その報告はこの前の資料にありましたよね。菌ではなくて毒素です。その報告がある でしょう。仙台の人かだれかが報告していましたよね。 ○品川委員  仙台の特殊免疫研で出した成績で、これは毒素そのものではなくて菌ではなかったで すか。 ○小川委員  菌ではなくてエンテロトキシンです。 ○熊谷部会長  この間配付いただいたのは先生のお手元に、今日ここに置いてありましたけれども、1 0月30日の46ページからです。 ○小川委員  これではないです。 ○品川委員  遺伝子を調べたら非常に多いというのは、仙台の免疫研で出したデータを日本獣医師 会雑誌に発表ものがありますけれども、そのデータも菌の毒素産生性で、それは毒素で はなかったと思います。 ○小川委員  具体的な量を定量していたように思います。 ○品川委員  1つペーパーがありますが、エンテロトキシンが全部の菌株で、黄色ブドウ球菌だけ ではなくて、コアグラーゼネガティブのブドウ球菌でもエンテロトキシンを産生すると いうのを日本獣医師会雑誌に発表しており、全ての菌ではないですが、非常に高率に毒 素産生菌が存在しているいるというので混乱を招いていますが、そのレポートはありま す。小川先生が話されているのはそれではないかと思うんですけれども。 ○小川委員  日本獣医師会雑誌の小峯さん、この方とは、雑誌が出たとき、これが本当だと大変だ と思って電話で話したんですが、やはりSEA、B、C、D及びE等毒素性ショックの 原因毒素の産生能を測定して、その結果とあります。 ○品川委員  非常に高率に産生菌がいるというデータを示したものですね。 ○熊谷部会長  生乳の取扱いが悪ければ毒素を産生してもおかしくはないでしょう。 ○品川委員  そうですね。一般に存在する黄色ブドウ球菌がエンテロトキシンを産生するというこ とになっても、普通の生乳のタンク中には大体10個/mlから1,000 個未満、多いものでは 1,000 個/mlを超えるものは少なく、その段階では毒素というのはほとんど産生しない のではないかなと。 ○熊谷部会長  ですから、管理がよろしければ。 ○品川委員  管理がよければ勿論そうです。管理が悪ければ、当然そこで増えて毒素は産生してい きます。 ○小川委員  どの資料なのかよくわからなくて済みませんけれども、品川先生と言われている方と 同じ人ですよね。 ○品川委員  今ついてきた資料とはまた違う資料かもしれません。私は直接小峯さんと電話で話し ましたが。 ○熊谷部会長  そういうところで毒素が含まれていると、それに加算されるということですか。 ○小川委員  そういうことですね。これは加熱では当然壊れないでしょうから。 ○熊谷部会長  生乳というか、受入れ以前の段階で管理が悪いという場合に、二次汚染どころの騒ぎ ではなくて、受け入れた生乳がもう失格ということなんですよね。 ○小川委員  これは丸山先生と同様に、時間が余ったようなので質問してみました。 ○熊谷部会長  そうしましたら、製造工程につきましてはこれでお認めいただいたということで、次 に進ませていただきます。  次は乳等の殺菌基準についてですね。これも事務局の方から簡単に御説明いただけま すか。 ○事務局  それでは、資料1の4ページ目になります。III乳等の殺菌基準についてということ でございます。現行の乳等省令の規定におきましては、牛乳等につきましては「摂氏62 度から65度までの間で30分間加熱殺菌するか、又はこれと同等以上の殺菌効果を有する 方法で加熱殺菌すること」という規定がございます。それから、食品一般の製造、加工 及び調理基準におきましても、「生乳または生山羊乳を使用して食品を製造する場合は 、その食品の製造工程中において、生乳または生山羊乳を62度で30分間加熱殺菌するか 、またはこれと同等以上の殺菌効果を有する方法で加熱殺菌しなければならない」とい うことで、これは一応乳等の加熱殺菌基準の現行の規定でございます。  結核菌を指標といたしまして、その耐熱性に関するデータからそもそも設定をされて いるものでございますけれども、平成10年度から開始されました厚生科学研究補助金の 研究事業の中におきまして、生乳中のQ熱病原体の汚染実態、あるいはそれの死滅温度 に関する研究が実施されまして新たな知見が得られたということから、この加熱殺菌基 準について見直しをお願いしているというところでございます。  問題になっておりますのはQ熱という病気でございます。(1)に書いてございます が、感染症新法におきまして四類感染症という位置づけをされておりまして、届出が義 務づけられております。病原体はリケッチアのCoxiella burnetii ということでござい まして、ヒトへの感染は塵埃中の病原体の吸引でありますとか、非殺菌乳などが主な感 染源とされているというようなことでございまして、インフルエンザに似たような症状 を伴っているということでございます。我が国では昭和63年にカナダから帰国した医学 研究者が初めて発病したというのが最初の確認事例ということでございまして、(2) にございますように、四類感染症で届出がされておりますけれども、平成11年、12年、1 3年ということで10名から40名程度の届出数ということになっております。これらはい ずれも散発事例ということでございまして、食品が原因というような事例は今のところ 確認はされておりませんが、ヨーロッパあるいはアメリカ等では未殺菌乳、あるいはそ れらを使用した乳製品が原因ではないかというふうに疫学的に推測をされる事例につい て報告されているということでございます。  5ページ目、(3)Q熱病原体の死滅温度ということでございますけれども、これも 前回、あるいは前々回に山本先生の研究結果について御報告を申し上げたとおりでござ いますが、65℃30分ではCoxiella burnetii は完全に死滅をするけれども、62℃30分で は死滅をしない。あるいは63℃30分では加熱のやり方で一部生残するものが確認をされ ております。  そのやり方でございますが、63℃に達するまでに20分以上時間をかけたものであれば 完全に死滅が確認をされているわけですけれども、それより短い時間、15分程度の加熱 の仕方だと、中には生き残るものも見られたということでございます。  6ページに参りますが、(4)の国際的な状況といたしまして、コーデックスで乳の 衛生的取扱規範が議論されております。乳のパスチュライゼーションの定義といたしま して、Q熱あるいは結核菌を10の5乗のファクターで減じるということを指標といたし まして、そのパスチュライゼーションの規定といたしまして、バッチ式において63℃30 分の加熱殺菌法というような定義が今検討されているということでございます。既にア メリカにおきましては、このQ熱を指標といたしましてバッチ方式で華氏145 度、摂氏 にいたしますと62.8℃で30分の殺菌基準を採用しているということでございます。また 、EUにおきましては、乳の殺菌方法の定義として華氏161 度15秒というような定義が 見られております。  (5)乳の殺菌基準ということで、このような科学的な知見、あるいは国際的な整合 性の観点から、現行の62℃30分の規定を、そこにございますように、「バッチ方式によ り摂氏63度で30分間加熱殺菌するか、又はこれと同等以上の殺菌効果を有する方法で加 熱殺菌すること」というふうに基本的に見直したいと考えています。このバッチ方式の 具体的な昇温とか時間につきましては、省令の中で具体的に盛り込む、あるいは通知の 中でバッチ方式というのはこういう加熱方式ですよということをうたう、いずれかの方 式をとりたいと思っておりますけれども、そういうふうに具体的に加熱殺菌基準につい て改正を試みたいということでございます。  6ページ目の(6)でございます。これは具体的な諮問の中には含まれていなかった んですが、第1回目のこの部会におきましてQ熱の関係での殺菌の基準の御議論をいた だいた際に、生の乳を使うような乳製品、特にナチュラルチーズなどでQ熱の病原体が 確認されるというようなこともあるし、あるいはQ熱だけではなくて、リステリアの問 題もあるというようなことから、そういったものについても検討が必要ではないかとい う御意見を一部の先生からお示しをいただきました。  現在、チーズにつきましては乳等省令上、特に生乳の加熱殺菌については何も規定を されておりません。今回の諮問の中で加熱殺菌基準を見直す、特にQ熱に着目して見直 すといった場合に、では生の乳を使ったチーズは大丈夫なのかということが当然問題提 起をされるということでございまして、今回これは初めてこの部会にお示しをするわけ でございますけれども、ナチュラルチーズの製造基準といたしまして、生の加熱殺菌し ていない乳を使用してナチュラルチーズを製造する場合は、その製造工程中において、 これを先ほどの加熱殺菌基準の63℃で30分間加熱するか、またはこれと同等以上の殺菌 効果を有する方法で加熱殺菌しなければいけない。要は、ナチュラルチーズの原料乳は 加熱殺菌をした原料乳を使ってくださいということを今回乳等省令の中で製造基準とい う形で盛り込めないかなという提案でございます。  ただ、御案内のとおり、ヨーロッパ等の地域におきましては古くから伝統的に未殺菌 乳を使用したチーズが生産され、消費されております。そういったチーズもヨーロッパ でも流通しているし、一部、量的には非常に少ないというふうに聞いておりますけれど も、我が国へも輸入をされているというようなことも聞いておりまして、そういったも のについては個別にQ熱、あるいはリステリアの問題がないような形で処理をされてい れば、特に健康危害上は問題ないわけでございまして、そういったものはHACCPの 総合衛生管理製造過程の承認制度、こういったものを導入することによって、そういっ たものの製造流通を個別に衛生管理状況について確認すべきということもこの中に併せ て、一般的な加熱殺菌基準をつくるのと併せて、生の乳でチーズを製造・流通するよう なものについてはそういった対応策で対応できればどうかということで、今回お示しを したということでございます。  以上でございます。 ○熊谷部会長  どうもありがとうございました。ただいまの事務局の御説明で御質問等はございます か。丸山先生。 ○丸山委員  そうしますと、日本でつくられるナチュラルチーズは未殺菌乳は使えないということ ですね。外国から入ってくるものについては全部そういうことは言えないんだから、つ くられている工場の衛生管理をどういうふうに見るかはわからないんですが、HACC Pの基準がクリアされていればそういうものは輸入できますよということになるんです か。 ○事務局  これは別に国内、輸入という分け隔てなく、基本的には衛生上の観点から加熱殺菌と いうのは必要だろう。しかしながら、それ以外の方法で管理をするというような場合に は個別に中身をチェックさせていただいて、それは国内であろうが、外国であろうが同 じシステムでやっていただきましょうというのが趣旨でございます。 ○鈴木委員  ヨーロッパではチーズなどはかなり家内工業的につくられているはずでありまして、 ヨーロッパでこういったHACCP的なものを取り入れて指導しようという動きはある んですか。 ○事務局  内容はHACCP的なものかどうかということは別にいたしまして、コーデックスの 中におきましても、未殺菌乳を使って乳製品をつくる場合の衛生的なガイドラインと申 しますか、そういった衛生管理要領みたいなものを議論されておりますので、国によっ ては当然生の乳を使うようなところについては個別具体的に衛生部局の方で必要な指導 というのは行われているのではないかなというふうに考えております。それがHACC Pという手法を用いて行われているかどうかというのは、そこまでは確認しておりませ んけれども。 ○丸山委員  ついでですけれども、十何年前に輸入チーズから出たときに、当時の厚生省は工場を 指定して、この工場、あるいはこのメーカーというんでしょうか、そういうものだった らいいよという基準をつくった、あるいはそういう決まりを何かつくったと思うんです が、それは今でも生きているんですか。 ○事務局  フランスなんかと問題になって、輸入されてくるチーズからリステリアが出る、ある いは外国でそういうのが起こっているというようなことがございまして、それは日本と フランスとの間で、フランス政府がどういうようなことを確認します、例えば連続的な 製品検査の結果だとか、そのほか一般的な衛生管理要領を義務づけて、それに基づいて 管理させて、その結果ネガティブなものが政府として確認できましたというようなもの について証明書をつけて日本に輸出し、我が方はそれを受け入れるというような形でや ったということはございます。これは今も続いていると思います。 ○熊谷部会長  品川先生。 ○品川委員  牛乳の殺菌なんですけれども、バッチ法というのを一項入れるわけですね。現在はバ ッチで行っているのではないですか。バッチで行ってはいないんですか。 ○事務局  62℃30分という規定だけですから、従来の加熱方式だとバッチでやるというのが一般 的なんですが、それ以上の規定をしておりませんから、例えばプレートですぐ63℃に上 げて30分間保持をするというようなことも省令上は可能ですし、それから山本先生の方 で研究をされた内容で検出されているというのはまさにそういう加熱をしていたものか ら検出をされているということでございます。 ○山本委員  実際調べてみますと、割と簡易な方法でできるということで、そういうプレート式を 使っているところが多いんですね。それで、バッチ式の場合には時間的な問題もかかる のか、冷却にまた回すときに時間がかかるというような問題があると思いますので、そ れを避けてどんどんプレート式に変わっているというところはあったんです。 ○品川委員  プレートはその温度を30分かけてゆっくり上げているという意味ですか。普通、保持 式というのはある程度の温度に保持しないとそれだけの温度にならないのでは。 ○山本委員  ですから、プレートといいますか、バッチで温度をかけてゆっくり上げていくのでは なくて、プレートみたいなものを先に通して温度を一気に上げるんです。その後、その タンクの中で保持しているから、プレートバッチみたいな、そういう変な形になるんで す。ですから、温度の上昇記録を見ますと、すごく直線的に一瞬のうちに温度が上がり まして、殺菌温度に到達する。もう一つは、スパイラルチューブといいますか、長いチ ューブの中をゆっくり通っていくというようなことで、その温度はその瞬間に63℃に到 達するという方式もあるようです。 ○品川委員  温度の上げ方にはいろいろあっても、63℃30分というのがきちんと守られればこれは いいわけですよね。だめなわけですか。 ○山本委員  63℃30分しか温度がかからない場合には生残する可能性が出てくるんです。 ○熊谷部会長  ですから、今までの表現からいくと63℃30分という表現はできないんです。その表現 を使うとすると、アバウトですけれども、64℃30分ぐらいかなと。 ○品川委員  その63℃に上げる上げ方の条件が非常に重要になってくる。今までは、殺菌温度とい うのは、ある面では何度何分という形で言っていたのですが、上げ方が問題であり、そ の微妙なところをバッチ法でなければだめだということであり、ほかの方法での上げ方 というのは微生物に対してはよくわかりませんが、だめであるということですよね。 ○小川委員  それはほかの上げ方でいいんだと思うんですよ。ただ、これは63℃30分でやるんだっ たらバッチ式で緩やかに上げなければだめですよということだけしか言っていない。だ から、トータルの熱量から言えば、案外63℃35分で十分なのかもしれませんしね。だか ら、アメリカもバッチ方式で62.8℃ということで、バッチ方式という形容詞が必要にな るということですよね。 ○鈴木委員  63℃までの昇温速度いうのは直線的でいいんですか。 ○山本委員  20分というのをやる前に、15分かけて63℃まで到達させてみますと、それでは生残し ました。それで20分かけてみますと完全に死滅しましたので。 ○鈴木委員  比較的それは直線的に15分でいけばいいんですか。 ○山本委員  直線的に15分で63℃というふうな上げ方をしました。 ○品川委員  バッチ法といったときには、バッチ釜の容量との問題が出てくるような気がしますが 。どのぐらいの容量をバッチ法で上げていくのか、そういう点もまた入ってくるような 気がしますが。私は良く理解できないです。 ○山本委員  バッチ式でも少ない容量であれば時間が早く上がってきますよね。 ○品川委員  そうですよね。だから、温度の上げ方だけではなくて、その容量と時間により温度の ことであるとの問題がかかってくるような気がします。では、バッチ法とはどういうも のであるかという定義付けが必要になってくるのではないかと思います。どのくらいの 大きさでということが出てこない。 ○鈴木委員  そのときにいわゆる緩やかな速度で上げた場合に、違った意味で乳の品質の変化は起 こらないんですか。 ○山本委員  品質に関しての検討はしていないんです。 ○熊谷部会長  これは63℃という数字を残したいということがあっての話だと思います。つまり、一 気に65℃30分と言えば我々としては非常に楽な話なんですけれども、ただそれが現実は どうかということになりますと、63℃30分で、昇温のコンディションで63℃30分以上の 条件を加えていただこうと。このバッチ方式ということについては昇温条件等を別に説 明させていただくという仕方ですね。 ○品川委員  温度を上げる方法ですね。 ○小川委員  バッチ式の温度のあげ方はそれぞれ異なるでしょうから、本当は何度で何分というよ うに決めるのがいいと思いまよ。バッチ式でと言っても、条件はみんな違うでしょうし 、またバッチの容量や機械の種類など、いろいろな問題が出てくると思うんですね。例 えばプレートヒーター方式で上げた場合には、35分という基準をつくれば満たされるか もしれない。ところが「同等以上」ということで、各社が自分のものをつくれという基 準だと、実際問題として、自分で菌を入れて測定ることはできないから、量や機種など 他の条件を考えないで、皆さんこれを使うことになってしまうんだろうと思うんですね 。そこに若干問題がないとは言えないと思います。 ○品川委員  その条件がどういう形のものにするか。上げるときの温度にしても、殺菌する量との 関係が出てくると思われますが。 ○熊谷部会長  ただ、温度と時間が決まっていれば、容量との兼ね合いにおいて後は自分で考えなさ いということだと思います。 ○山本委員  説明は非常に難しいんですが、63℃に固執しているところもあるんです。というのは 、64℃以上に上げますと、世界で初めてこれを言うことになるんですね。非関税障壁に なりかねない。63℃で30分、もしくはそれと同等ということを言う場合に、安全性を確 保しようとすると、何らかの温度の上昇の方法について言及しなければいけない。それ には何分かけてやりなさいということを言うと通常いいんでしょうけれども、先生がお っしゃるようなボリュームによってその到達温度が恐らく違ってくるだろう。  そうすると、通常使うバッチ式のタンクというのはそんなに小さいタンクを使ってい ないんですね。そこから判断して、通常使うバッチ式のタンクで温度を上昇させた場合 がいいだろうということなんですが、例外的に、例えば牧場に附属した小さな乳プラン トの施設で10Lぐらいのものを上げたときに、それを乳として扱ったらどうなのかとい うことは恐らく出てくる可能性があります。ですから、通知にするのか、何かもう少し 詳しくバッチ式というものの定義を述べる必要はあると考えています。 ○品川委員  今までのイメージでは、バッチ法というのは基本的には容量に対して、一定温度でと いう形式と思っていましたから、今回のその容量というのはではどのぐらいのものか。 一般的にというのが、その辺が難しいですけれども。わかりました。 ○熊谷部会長  これについてはこういう表現振りでよろしいですか。あとチーズの部分も、ヨーロッ パ産のチーズにつきましてよろしいでしょうか。 ○丸山委員  これは勿論パブリックコメントを出すわけですか。 ○小川委員  私はヨーロッパの生チーズが食べられなくなるのは非常に残念なんだけれども、それ は貿易の障壁にならないんですか。 ○事務局  当然障壁になります。ですから、衛生上の基準として必要ないということであればや りませんけれども、これまでの御議論を踏まえて、やはりそこのところは何らかの手当 を打っておくべきかなというふうに事務局の方で判断をいたしまして、提案をさせてい ただいているわけでございます。  なお、生のチーズが食べられなくなるという話ですが、実際は日本国内で製造されて いるものはすべて殺菌をされた牛乳をスタートにしております。それから、輸入されて くるものも、正確な統計は持ち合わせておりませんけれども、加熱殺菌されたものを輸 入しなさいというふうに我々も指導しておりますし、業界団体でもそういう指導が行わ れていますので、今流通されているものは殺菌した乳をスタートにしているものがほと んどだというふうに思います。ただ、一部では生の全然殺菌をしていないというような ものも流通しているという実態はあります。 ○熊谷部会長  日本の国民が果してナチュラルチーズを、最初から生のものですが、多少腹を壊して もいいから食べたいという意向がもしかするとあるかもしれないという部分が、多分先 生方が気になる部分なのではないかと思うんですけれども、直ちにこれはもうこれで行 きますか。 ○事務局  施行時期だとか、そういったものはこれからいろいろなコメントを基にしながら判断 をしていきたいと考えています。一律にやめるというのはなかなかこれは乱暴な話でご ざいますから、一方で救済措置としてHACCPの申請の措置の手立を設けますので、 基準を導入するにしても、それがうまく移行するような形でやっていかなければいけな いのかなというふうに考えています。WTO通報で恐らくヨーロッパあたりからいろい ろな声が出てくると思います。それは国内でもそういうおいしいチーズを食べたいとい うような声も一方では出てこようかと思いますが、そういったものを少し見てみたいな というふうには考えています。 ○品川委員  現状は割合としてどのぐらい国内に入ってきているんですか。 ○事務局  先ほど申し上げましたように、ほとんどは殺菌をした乳を原料にしたナチュラルチー ズだというふうに我々は理解しています。正確な数字はありません。 ○伏谷委員  例えばフランスのA.O.C.なんてという高級なナチュラルチーズがありますね。ああい うのはやってあるんですかね。 ○事務局  大手が輸入しているようなものは殺菌乳を使っているというふうに我々は聞いており ますけれども、一部小さなところと申しますか、流通しているようなところは、まさに 日本の豆腐と同じような感覚で、非常に小さな規模のところがフランスにあります。そ ういったものを例えばマーケット買いをして輸入してくるといった場合は未殺菌乳も当 然考えられると思います。 ○熊谷部会長  これは相手国のみならず、我が国の国民の意向も踏まえながら進めていただくという ことでよろしいですね。それで御異論がなければ、次の議題に移らせていただきます。 乳等の種類別分類についてですね。これをお願いします。 ○事務局  それでは、7ページ目からでございます。IV 乳等の種類別分類等についてというこ とでございます。  前回、前々回御説明をしてまいりましたけれども、乳等省令の種類別分類について見 直しを行う必要があるということで、定義といたしましてはいろいろございます。(1 )の問題点のところに書いておりますが、「現行の牛乳の定義といたしまして、直接飲 用に供する目的で販売する牛の乳をいう」という定義がされております。直接消費者の 方々が飲むということを目的に販売されるもののみ牛乳というふうに言っておりまして 、そういったものではなくて、例えば製菓用の原料になるようなものでありますとか、 あるいは加工用の原料にされるようなものについては特段定義がございません。定義が ないということは規格もかからないし、基準もかからないという形になろうかと思いま す。  一方で、脂肪の標準化と申しますか、若干脂肪をならすと申しますか、そういうよう な工程が入って成分を調整した乳についても種類別「牛乳」という形で取り扱っている という現況にございます。  一方で、コーデックスの方でございますが、ミルクの定義が既に国際的な定義という ことでなされておりまして、この定義を直訳をいたしますとそこの括弧書きに書いてあ りますように、「1回以上の搾乳で得られた搾乳動物の正常な乳腺分泌物であって、そ れへの添加又はそれからの抽出のいずれもせずに、飲用乳として消費又はさらなる加工 処理を目的にしているものをいう」という定義になっております。したがいまして、先 ほど脂肪の標準化で一部成分を調整したというようなものはミルクという用語は使えな いし、それから、加工原料用のものについては逆にミルクというような形に含まれると いうようなことがございまして、このコーデックで定めているミルクとの現行の乳等省 令上の差異が若干あるということでございます。  それから、イといたしまして、近年、膜処理等の新しい技術が乳の処理にも応用され ております。これまで、例えば濃縮乳ですが、ちょっとこくがある乳につきましては加 工乳という形で、バターだとか脱脂粉乳あるいは水を組み合わせて濃縮、ちょっと脂肪 の高めの加工乳がありますけれども、そういったものだとどうしても還元臭があるとい うようなことから、膜処理で水分だけをとるというような工程を使いますと、牛乳本来 の香りがそのまま保持されたような形でこくがあるものができるというようなことから 、こういった技術が近年用いられてきております。これらのものについては、今は特段 乳等省令上で明確な定義づけがないというのも1つの問題としてあるわけでございます 。  それから、ウでございますけれども、平成12年の雪印の食中毒の後、いろいろな問題 点が提起されまして、その中で、実はそれまで牛乳と思って飲んでいたものが加工乳で あったり、乳飲料であったというようなことが問題視されたことがございました。本来 牛乳というのは生乳を100 %使ったものが牛乳で、それ以外のものは牛乳とうたわせな い方がいいのではないかというようなことがいろいろな方面からも意見としてあったわ けでございます。  そういった各方面からの意見に基づきまして、農林水産省の方で飲用牛乳の表示のあ り方に関する検討会というのが開かれまして、その報告書の中で乳等省令上の種類別の 定義を一部名称変更をすべきではないかというのが結論づけられております。具体的に は、種類別「部分脱脂乳」あるいは「脱脂乳」については、「部分脱脂牛乳」あるいは 「無脂肪牛乳」に見直す。この点は先ほど申し上げましたように、生乳を100 %使って いるもののみ「牛乳」という言葉を使わせる。それ以外のものは「加工乳」であります とか、「乳飲料」とか、乳という言葉はそちらの方に基本的に使う。牛乳というのは生 乳100 %のもの、あるいはそこから出発したものに限定をして使わせるべきであろうと いうことで、こういうような提言内容になっているものでございます。  部分脱脂牛乳については、栄養改善法の基準を満たすものについては「部分脱脂牛乳 」ではなくて「低脂肪牛乳」、これは広く一般に用語として定着しているというような こともあって、そういった文言の使用についても検討する必要があるということが報告 をされているわけでございます。  それから、エでございますが、これは全然違う観点がございますけれども、チーズに つきまして、現行の乳等省令上の定義がコーデックスのそれまでのチーズの定義をその まま引っ張ってまいりました。実はこの定義の一部がコーデックス委員会で昨年見直し をされまして、具体的にはたんぱく質の凝固という文言を明示をすべきだということで 、定義の変更がございましたので、それとの整合性を図るということでございます。  具体的には、改正の要点といたしまして次の8ページ目に書いてございますが、牛乳 は、成分調整を行っていないものとし、直接飲用に供する目的に限らず、販売の用に供 する牛の乳をいい、製菓用等、加工原料用にされるものについても牛乳の規格基準を適 用するということでございます。今流通している牛乳はほとんど成分無調整という文言 が容器に入っておりますけれども、そういったものが大半であるというふうにも聞いて おりますが、それを尊重いたしまして種類別もそのように定義をするということでござ います。  それから、脱脂乳につきましては、先ほどの農林水産省の方の報告書にございました ように、これは名称の変更だけでございますけれども、「無脂肪牛乳」に改めるという ことでございます。  それから、ウといたしまして、部分脱脂乳につきましては「低脂肪牛乳」というふう に改めるということでございます。したがいまして、現在の部分脱脂乳の乳脂肪分の規 定が0.5 %以上3.0 %未満というふうになっております。低脂肪牛乳、脂肪が少ないと いうことを表示をする、あるいはそれをうたうとなった場合には、栄養改善法の方で乳 脂肪分が1.5 %以下でなければいけないという規格がございますので、それに合わせま して0.5 %以上1.5 %以下というのを低脂肪牛乳の規格にしたいということでございま す。したがいまして、従来部分脱脂乳の中に含まれておりました理論上1.5 %以上のよ うなものでありますとか、あるいはそのほか膜処理をして特定の成分を抜いたもの、生 乳100 %をスタートして、そこから特定の成分、水分だとかミネラルを抜いたものにつ いては「成分調整牛乳」という受け皿を用意いたしまして定義づけようということでご ざいます。エ、オがその部分でございます。  それから、カでございます。従来そういった膜処理をした乳については加工乳という 範疇に便宜上入れておりましたので、そこから抜いて新たなジャンルをつくるというこ とでございます。  ナチュラルチーズにつきましては、たんぱく質の凝固作用という形で定義を変えたい ということでございます。  (3)に、これらを踏まえまして、特に下線部分のような形で改正をしてはいかがか ということでございます。  (4)については、先ほどの低脂肪乳の規格はこういうものが考えられます、あるい は成分調整牛乳についてはこういうような規格が考えられますということで定義をして おります。  以上でございます。 ○熊谷部会長  どうもありがとうございました。御意見、あるいは御質問はございますか。 ○山本委員  問題点のウのところですけれども、部分脱脂乳を低脂肪牛乳と、牛乳ということをつ けるということですが、ほかの山羊乳、めん羊乳はどうされるんですか。こういう調整 をしないで販売されているんでしょうか。 ○事務局  詳しい実態は承知していませんが、山羊乳から脂肪分をとって部分脱脂にしたものと か、脱脂にしたものは、実態がそもそもなさそうな気もいたします。もしあれば、同じ 並びになると思います。 ○鈴木委員  コーデックスでミルクとは云々という形で、ミルクイコール牛乳というふうに置き換 えたときに、コーデックスで言うミルクと、成分調整牛乳という「牛乳」がつくのでよ ろしいんですか。  それから、最近牛乳のいろいろな商品が落ち込んでいる現状があるという中で、カル シウム添加、鉄添加、何とかかんとかというようないろいろな形の牛乳がたくさんスー パーに並んでおりますが、それは成分調整牛乳に属するんですか。 ○事務局  まず、コーデックスの方ですけれども、ミルクの基本的な定義はこういったように、 何も引かない、何も足さないということでございます。ただ、調整をしたということが 牛乳という文言についている場合はミルクという言葉を使っていいですよという条文が 後の方にございまして、これは1回目か2回目の部会資料のコーデックスのガイドライ ンに出しているんです。ですから、そこのところはコーデックスの定義と矛盾すること はございません。  それから、今回の整理の中で、いろいろな種類のものが出てきている中で、生乳を100 %使っているかどうか、原料の出発点として生乳を使っているかどうかということを メルクマールにして、100 %使っているそのままのものは裸の牛乳ですし、そこから引 いただけのものについては、これは100 %由来でございますから、ただ成分を調整して いるわけですから、それは成分調整牛乳というジャンルにしよう。それから、後から乳 成分を組み立ててでき上がったものは、これは従来ありますように、 バターとか脱脂 粉乳、それらを水で戻したようなものについては加工乳です。これはもともとは生乳で すけれども、一たんそういった粉のような形に置き換えたものを再度組み合わせたもの ですから、従来どおり、これには「牛乳」という言葉を使わないというように整理をし てはいかがかということでございます。 あと、乳由来以外の第3の成分を加えたようなものについては乳飲料という形で、こ れも「牛乳」という言葉は使わないというようなことによって、何も足さない、何も引 かないというまるっきりのものと、引いただけのもの、それから乳成分を加えて再度組 み合わせたもの、それから乳以外のものも加えたものというような、大きく分けて4つ の分類分けにしてはいかがかということでございます。 ○鈴木委員  生乳にプラスしたものというのはないんですか。例えば鉄のようなもの。 ○事務局  プラスしたものが鉄のようなもので、それが乳以外のものであれば乳飲料というジャ ンルです。 ○小川委員  ちょっと教えてもらいたいんですが、改正の要点のアですけれども、今度は「直接飲 用に供する目的に限らず、販売の用に供する牛の乳をいい」とありますね。「製菓用等 、加工原料用にされるものについても牛乳の規格基準を適用する」となっていますが、 この原料に例えば無脂肪牛乳の様なものを使ってはいけないということになるんですか 。してもいいんですか。ここのところがちょっとわかりにくい。 ○事務局  無脂肪牛乳はそもそもそういったものも含めて規定をしておりますので、無脂肪牛乳 をほかの原料にする場合には、従来どおり規格ないしは基準はかかります。ところが、 牛乳については直接消費者の方が飲むものだけを牛乳というふうに定義をしておりまし て、そういった以外の加工用にされるものというのは実は乳等省令上明確な種類別の定 義づけがされていないということがございましたので、それをこの際そういったものも 牛乳の中に含めて使えるようにする、あるいは逆に言えは、そういったものに規格基準 を適用するようにするということでございます。 ○小川委員  牛乳の規格基準を満たしていないものを一たん無脂肪牛乳にすることはできるんです か。 ○事務局  脂肪を抜いて無脂肪牛乳の規格に合うものをつくって、それを原料、加工用に回すこ とは可能です。 ○小川委員  そうすると、牛乳の規格を満たしていないものは無脂肪牛乳に一たんすれば製菓用等 に使えるということになるんですか。ちょっと屁理屈を言うようで申し訳ないんですが 。 ○事務局  そうです。使えます。 ○小川委員  ちょっと変な気がしますね。 ○品川委員  この製菓用、加工用原料のところについては牛乳だけを決めるのであって、要するに 成分組成を記載するときですね。製菓用とか加工用原料にこういうものを用いましたと いうときには、牛乳そのものの名前をつけるものと、無脂肪牛乳を添加したというもの も全部入るんですか。 ○事務局  8ページの種類別分類で改正後のものを書いていますけれども、例えば低脂肪牛乳だ と無脂肪牛乳は従来からこういうような定義でございまして、これは直接飲むものだけ ではなくて、加工用のものも元々含まれているわけです。牛乳だけが直接飲用に供する ものという定義になっていましたから、それは直接飲用だけではなくて、加工用のもの もその範囲に含めるような形に今回したいということでございます。 ○品川委員  今までの牛乳は製菓用と加工原料の中にはどういう形で書かれていたんですか。 ○事務局  何も書かれていません。 ○品川委員  ほかのものは書かれていたんですか。 ○事務局  ほかの例えば部分脱脂乳とか、それは書かれています。 ○品川委員  牛乳は何も書かれていないんですか。 ○事務局  はい。定義はこういう定義だったということから、そういうものは特段種類別の中で 位置づけをされていなかったということでございます。 ○熊谷部会長  よろしいでしょうか。恐らく安全性の部分ではほとんど問題がない。それでは、お認 めいただいたということで、次に進ませていただきます。  乳等の容器包装の基準について、事務局の方からまず御説明をいただきたいと思いま す。 ○事務局  前回、この容器のところで現行の乳等省令上の規格基準でありますとか、食品の規格 基準、それからこれまで例外承認として認めたもののデータについて御説明を申し上げ たところでございます。ただ、容器というような話になってくると、必ずしも乳肉水産 食品部会の先生方は御専門でないというようなこともございましたので、容器の専門家 の先生方の意見を聞いてくれということがございましたので、事務局の方でお二人の専 門家の先生に具体的な規格基準について御意見を伺っております。これは資料2といた しまして1枚紙としてつけております。お二方はいずれも容器包装部会の委員の先生で ございますけれども、1人は国立医薬品食品衛生研究所の河村先生でございます。もう 1人は星薬科大学の中澤教授でございます。  お二人とも共通しておりましたのは、乳等の容器につきましては、ほかの一般の食品 と比べて内容物が乳脂肪を含んでいて脂肪分が高い、しかもそれがエマルジョンな状態 になっているというようなことから、溶出性については一般の食品よりも留意が必要だ と。溶出性が高いということが予想される。従来の乳等省令上の器具容器包装の規格基 準も一般の食品の告示の規格基準に比べて、例えば蒸発残留物等々については告示の2 分の1というような形で厳し目の基準になっておりますので、その点は従来どおり同じ ような考え方で踏襲をすべきではないかということでございます。乳幼児の主たる食品 だというような理由のほかに、物質の特性として、食品の特性としてもそういうことが あるので留意した方がいいということでございます。  河村先生の方からは、蒸発残留物について同じような考え方で告示の2分の1にした 方がいいのではないのかというようなお話です。それから、材質試験の重金属について は、ほかの材質と同様に基準化をした方がいいというようなことでございます。重金属 またはカドミウム、鉛のいずれかを基準化した方がいいということです。それから、ポ リプロピレンにつきましては2群の方で今回基準化を試みておりますが、これについて は材質試験のn−ヘキサン抽出物、あるいはキシレン可溶物、これは既に乳等省令の中 でポリエチレンについて基準を設けておりますけれども、これと同様に基準化をした方 がいいということでございます。  それから、中澤先生の方も同様に、乳、特に牛乳については脂肪分が高いというよう なことから、溶出性については注意が必要であるというようなことでございます。1群 のものについては、今回、直接内容物に接触するようなものについての規定はございま せんけれども、2層目、3層目のものから溶出してくる可能性があるので、そこについ ては基準を設けた方がいいということです。それから、2群のポリプロピレン、あるい はPETにつきましては、基本的に既存の基準の項目で問題ないということでございま すけれども、n−ヘキサン抽出物、あるいはキシレン可溶物について、どんなものが溶 出してくるかは確認する必要があるということでございます。  先生方の御意見を踏まえました対応案が案という形ですが、ここだと少しわかりにく うございますので、報告書の一番最後のページに横の表をつけております。ここで若干 御説明をさせていただきたいと思います。  上下に見ますと、上から材質試験、これは合成樹脂そのものの材質に関する試験とい う項目でございます。真ん中の段が溶出試験、これは容器にした場合に内容物を詰めて 、その内容物にどういったものが溶出してくるかということを確認するための試験項目 でございます。それから、強度試験というのは、容器にした場合に破裂がどうだとか、 封かん強度がどうだとか、ピンホールがどうだ、突き刺した場合の強度がどうだという ような内容でございます。  縦に見ていただきますと、それぞれの試験項目が列挙されておりまして、規格基準( 案)と申しますのは今回乳等省令で規格化をしようという案でございます。それから、 真ん中の段に乳等省令というものがございますけれども、これは現行の乳等省令上のそ れぞれの規格ということでございます。一番右の端にありますのは食品等の規格基準と いうことで、これは乳等以外の一般の清涼飲料水等の容器の規格基準ということでござ います。  まず、規格基準(案)のところで、1群、2群というふうに分けております。1群と 申しますのは、下の1)に書いてございますように、牛乳だとか、特別牛乳、殺菌山羊 乳、脱脂乳、加工乳、クリーム、こういったものを入れる容器包装のジャンルです。2 群と申しますのは、乳製品でございまして、はっ酵乳とか、乳酸菌飲料、乳飲料で、ど ちらかと言いますと嗜好品に近いようなジャンルのものということで御理解いただけれ ばと思います。  まず、2群のはっ酵乳だとか乳飲料の容器の基準でございますが、まず二重の四角の 中に示しております2群のPET、一番右のところでございますけれども、これの基準 の案でございます。PETにつきましては、既に乳等省令の中で調製粉乳に一部PET の規格を設けております。基本的には乳等省令で定めている調製粉乳のPETの規格を そのまま2群の方の容器包装の段に持ってきております。材質試験といたしましては、 カドミウム、鉛、それから溶出試験といたしましては重金属、過マンガン酸カリウム消 費量、それから蒸発残留物、アンチモン、ゲルマニウムというような項目でございまし て、それぞれ現行の調製粉乳のPETの規格そのものを持ってきているということでご ざいます。  したがいまして、一般の方の個別規格のPETというのが一番右から2番目の段にご ざいますけれども、例えば溶出試験の中でも過マンガン酸カリ消費量でありますとか、 蒸発残留物、あるいはアンチモン、ゲルマニウム、これは触媒として用いられるもので ございますけれども、これらについては一般の告示よりも厳し目の規格になっていると いうことでございます。  それから、2群のポリプロピレン、PPと書いているところでございます。これは材 質的にはポリエチレンと同じようなジャンルに属する合成樹脂でございまして、項目的 には既に乳等省令で定めておりますポリエチレンに記載をされている項目をこちらの方 にも持ってきているということでございます。材質試験で言いますと、n−ヘキサンと キシレンは後ほど御説明いたしますけれども、ヒ素、重金属、それから溶出試験で重金 属、過マンガン酸カリ消費量、あるいは蒸発残留物、こういったものについて現行のポ リエチレンで規定をされております規格値、このものを準用しております。それから、 n−ヘキサン抽出物、あるいはキシレン可溶物、これについては現行のポリエチレンで 定めております規格値よりも高めの規格値を設定をしております。  このポリプロピレンの材質の特に乳等の容器で用いる場合の特徴と申しますか、特質 なんですが、ポリプロピレンは非常に優れた合成樹脂なんですが、その材質上、プロピ レンの純粋なホモポリマーですと冷蔵流通時の衝撃性に問題がある。要は、チルド流通 したときに壊れやすい、すぐ破裂してしまうというような性質がどうもあるようでござ いまして、純粋なポリプロピレンのホモではなくて、その間にエチレンを混ぜて衝撃性 を高めると申しますか、材質的には少し柔らかいような性質を付与したような形でこの ポリプロピレンを、特に乳等の容器についてはそういった材質を使わなければ実際上流 通できないというようなことがございます。そういったエチレンを混合いたします。プ ロピレンのエチレンブロック共重合体というふうに呼んでいるようでございますけれど も、そのエチレンを含ませることによって、エチレンの含有量の多い部分がこのn−ヘ キサン抽出物、あるいはキシレン可溶物というような形で溶出をしてくるというような 性質がございます。したがって、ここにポリエチレンであったような2.6 %、あるいは1 1.3%というような規格だと、実際上使いものにならない規格になってしまうというよ うなことから、この部分については高めの設定をしております。このポリプロピレンの n−ヘキサン抽出物、あるいはキシレン可溶物についてはFDAの規格値をそのまま持 ってきているということでございます。  それから、1群の方でございますけれども、今回ナイロンとポリプロピレンの材質の 規定をいたしますが、このものについては内面に接触する部分ではなくて、食品に直接 接触しない中間層、あるいは外層に使用する場合の規格値ということでございます。た だ、直接接触するわけではありませんから何も規格がなくてもよいということではなく て、そこで使うものであってもという御指摘がございましたので、この部分については 一般の食品の告示で使っているようなナイロン、あるいはポリプロピレンの規格値をそ のまま持ってくる。ただ、溶出しやすいということがございましたが、この部分につい ては直接接触する部分ではないので、その規格値でよかろうということでございまして 、それぞれのお二人の専門家の先生方にも御相談をしながら、今回規格基準の案という 形で提案させていただいたわけでございます。  以上でございます。 ○熊谷部会長  どうもありがとうございました。それでは、これにつきまして御質問、御意見をいた だけますか。これは容器包装の特性評価に基づいてこういう基準が、つまり今までの乳 等省令、それから食品等の規格基準というのが、この数値が定められているという理解 でよろしいんですか。 ○石井基準課長  いずれの食品等の規格基準について、歴史的にいろいろありますけれども、基本的に はそのときどきの安全性の程度を見て、また海外の基準値とかそういうものも参考にし て、一度につくっているわけではありませんけれども、そういった安全性を念頭に置い た形で今はこのような基準値ができている。それに乳等省令の場合には、入るものが乳 製品ということでありますので、これもそのときどきの状況の中で規定されているとい うものであります。 ○熊谷部会長  どうもありがとうございました。ほかにございますか。 ○伏谷委員  これは実際に実測したデータというのはあるんですか。 ○事務局  例外承認の分につきましては前回の資料の中にそのもののデータを出しております。 いずれも今回お示しをした基準内ということでございます。 ○熊谷部会長  1群と2群の分け方というのは、ちょっと聞き漏らしたかもしれないんですが、これ はどういう分け方ですか。 ○事務局  2群ははっ酵乳だとか乳飲料ということで、乳製品の中でどちらかと言うと嗜好品に 近いタイプなのかなという理解をしています。1群の方は牛乳だとか、クリームみたい なものも入っています。これはもう脂肪分の固まりですから、そういった配慮はされて いるのかなというふうに思いますけれども、そういった形で、2群はこうやって規格を 比べると使える材質も多いですし、より自由度が多いのかなというふうな感じではあり ます。 ○熊谷部会長  PPで1群と2群と違いがあるのはどういうわけでございますか。 ○事務局  今回お示しをした1群のPPというのは、これはあくまで内容物に接触しない部分の PPという規格でございます。2群の方は内容物に接触する部分ということで、この両 方は単純には比較できないのかなというふうに考えております。直接接触する部分では ありませんけれども、一般の告示の方で定められているような要件は最低限満たす必要 があろうということで、こちらの方からの項目、あるいは基準値を持ってきているとい うことでございます。 ○熊谷部会長  御質問、御意見はありませんでしょうか。もし、これでよろしければ、これで進めて いただくということでよろしいでしょうか。  では、御異議がありませんようですので、これでお進めいただきたいと思います。事 務局の方で、ほかにその他としてございますか。 ○事務局  その前に、今後の進め方でございますけれども、本日御審議をいただきました部会の 報告案につきましては、今後在京大使館に対します説明会、WTO通報、それから国内 の御意見を求めますパブリックコメント等々を予定しております。  今回御審議いただきました内容は非常に多岐にわたっておりまして、様々な意見が寄 せられるのではないかなというふうに予測はしておりますけれども、寄せられました意 見を基に再度部会を開催する必要があるか否かにつきましては部会長の方と御相談させ ていただければなというふうに考えております。 ○熊谷部会長  今後の進め方ということで御説明いただいたわけですけれども、ナチュラルチーズに つきましてはやはり一括して示して、それで意見を聴取するという形を予定されていま すか。 ○事務局  この部会報告案に盛り込んだ形で国内外の意見を聞いてみたいなというふうに考えて おります。 ○熊谷部会長  私が少し危惧しているのは、ナチュラルチーズにどういう危険があるんだということ が一般にはそういう知識はないのではないかなというふうに思うわけです。ですので、 本当からすれば、そういうところの情報が国民に渡っているとよろしいのかなと思いま すけれども、渡らない方がむしろよろしいのかもしれませんし、ちょっとよくわからな い部分もありますけれども、一気に今ここでお示しいただいたような形で意見を聴取す るということで、その中にはそういうこともあるだろうという考え方でお進めいただい ても勿論構わないとは思いますけれども、ちょっと危惧されるのはそういう点があると いうことです。 ○事務局  ナチュラルチーズを原因とする食中毒というのは、これまでに我が国では報告をされ ていないわけでございますけれども、諸外国の例を見ても集団発生例があるというよう なこと、それから今回Q熱の関係で御審議をいただきましたけれども、一方では加熱殺 菌基準を義務づけるのに、一方ではそういった欠落している部分もあるということから 、何かあってから対応するという形ではなくて、危険性と申しますか、可能性が少しで も予知できる部分についてはあらかじめ何らかの対応をとるというのも必要なことかな というふうに考えています。賛成、反対両方の意見があろうかと思いますけれども、そ れこそリスクコミュニケーションをしながら施策を進めていくのが適当かなというふう に考えています。 ○石井基準課長  ちょっとつけ加えさせていただきますと、今回の場合は確かに唐突という感があるわ けであります。ただ、この点については決してすべてこれでなければだめだということ を提示するものではなくて、実際にはHACCPの基準をつくり、HACCPの対象に して、それで一定の管理の下で製造している部分については例外的に認める、そういう 方式でも提案したいと思っています。では、その方式の方にどのようにうまく経過的に いくか、いわゆる流通できない時期というものがどうやったら一番短くて済むかという ようなこともまたあるわけでありまして、したがって経過措置をどのくらいとるかとか 、あるいはこちらの選択もあるよというようなものも含めてお示しをして議論をしてみ たいと思っておりますので、全く突然だめになるよということを提案しているつもりは ありませんので、その辺はいろいろな意見を聞いてみたいというふうに考えています。 ○熊谷部会長  どうもありがとうございます。ほかに全体として御意見はございますか。もしござい ませんようでしたら、ほかに事務局の方では何かありますか。 ○事務局  あと1点、報告事項でございます。資料No.3という形でコピーをつけさせていただい ておりますけれども、昨年の11月13日に厚生労働大臣の方から薬事・食品衛生審議会の 会長の方に諮問をさせていただいております。畜水産食品中に残留する動物用医薬品の 基準設定についてということで、今回19品目ほど基準設定について審議会の意見を求め ているところでございます。これらにつきましては順次調査会の方で個別具体的に残留 基準値について今後御審議をいただくというような形になろうかと思います。  以上、御報告でございます。 ○熊谷部会長  どうもありがとうございました。それでは、最後に食品保健部長の方からごあいさつ をいただけますでしょうか。 ○尾嵜食品保健部長  尾嵜でございます。遅れてまいりまして申し訳ございません。本日は長時間御審議を いだたきましてありがとうございました。また、今回、乳及び乳製品等の基準の改正に つきましては昨年の7月から御検討をお願いしたわけでございますけれども、3回にわ たり、またその間にも部会の先生方には貴重なデータをお出しいただくということもご ざいまして、本当に御熱心に御検討いただきましてありがとうございました。感謝を申 し上げる次第でございます。  部会長から最後にお話がございましたが、事務方から御説明申し上げましたように、 今後所要の手続を踏まえた上で、部会の方にお諮りするかどうかということにつきまし ては、部会長の方に御相談を申し上げて整理をいたしたいというふうに考えております 。いずれにしても、事柄が食中毒事件に端を発した中での検討の内容ということでござ いまして、国民の関心も強いところでございます。できるだけ私どもも、先ほど部会長 からお話がございましたように、必要な情報は流しながら、それに対するいろいろな御 意見をいただいた上で最終的な整理をしたいというふうに考えておりますので、引き続 き御指導をいただきますように重ねてお願いを申し上げまして、簡単でございますが、 御礼のごあいさつに代えさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。 ○熊谷部会長  それではこれで閉会させていただきます。どうもありがとうございました。                                    (閉会) 照会先 :医薬局食品保健部基準課 滝本・鶴身 電話  :5253−1111(内線2444・2488) ファックス:3501−4868