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資料3−1

平成11年度社会保障給付費(概要)

平成13年12月
国立社会保障・人口問題研究所

社会保障給付費は75兆417億円

(1)平成11年度の社会保障給付費は75兆417億円であり、対前年度増加額は2兆9,007億円、伸び率は4.0%である。

(2)社会保障給付費の対国民所得比は19.60%となり、推計開始以来過去最高を記録した。これは引き続き社会保障給付費が増加している一方で、国民所得の対前年度伸び率が0.2%と低率だったことによる。

(3)国民1人当たりの社会保障給付費は59万2,300円で、対前年度伸び率は3.9%となっている。

社会保障給付費の推移

年度 社会保障給付費 国民所得 (1)/(2)
(1)
(億円)
対前年度
伸び率
(2)
(億円)
対前年度
伸び率
1980(昭和55) 247,736  12.7% 1,995,902    9.5% 12.41%
1985(   60) 356,798   6.1 2,602,784    6.8 13.71
1990(平成2) 472,203   5.2 3,509,873    9.0 13.45
1995(   7) 647,314   7.0 3,788,057    1.1 17.09
1996(   8) 675,475   4.4 3,886,361    2.6 17.38
1997(   9) 694,187   2.8 3,918,579    0.8 17.72
1998(   10) 721,411   3.9 3,820,384  △2.5 18.88
1999(   11) 750,417   4.0 3,829,620    0.2 19.60


部門別には「医療」35.2%「年金」53.2%「福祉その他」11.6%

(1)社会保障給付費を「医療」、「年金」、「福祉その他」に分類して部門別にみると、「医療」が26兆3,953億円で総額に占める割合は35.2%、「年金」が39兆9,112億円で総額に占める割合は53.2%、「福祉その他」が8兆7,352億円で11.6%である。構成割合は昨年とほとんど変化がなかった。注)「福祉その他」の0.1ポイント増加はまるめ上の差。

(2)「医療」の対前年度伸び率は3.9%である。平成10年度の0.4%、平成9年度の0.5%に比べて大きかった。

(3)「年金」の対前年度伸び率は3.9%であり、前年の5.5%より小さかった。この伸び率は、「年金」として独立の部門として集計を開始した昭和40年度以来最低の伸び率である。

(4)生活保護、児童手当、失業給付、社会福祉費等からなる「福祉その他」の対前年度伸び率は5.0%で、平成10年度の対前年度伸び率(8.0%)よりも小さい伸びであった。

部門別社会保障給付費

社会保障給付費 平成10年度 平成11年度 対前年度比
増加額 伸び率
  億円 億円 億円
721,411
(100.0)
750,417
(100.0)
29,007 4.0
医療 254,077
(35.2)
263,953
(35.2)
9,875 3.9
年金 384,105
(53.2)
399,112
(53.2)
15,007 3.9
福祉その他 83,228
(11.5)
87,352
(11.6)
4,124 5.0


機能別社会保障給付費

(1)9つの機能別分類において、最も大きいのは「高齢」であり、33兆6,477億円、総額に占める割合は44.8%である。

(2)機能別分類で2番目に大きいのは「保健医療」であり、26兆787億円、総額に占める割合は34.8%である。これら上位2機能分類「高齢」「保健医療」で、総額の79.6%を占める。

(3)上位2機能以外では大きい順に、「遺族」 5兆7,326億円で7.6%、「失業」 2兆8,037億円で2.7%、「家族」 2兆360億円で2.7%、「障害」 1兆8,465億円で2.5%、「生活保護その他」1兆6,741億円で2.2%、「労働災害」 1兆449億円で1.4%、「住宅」1,776億円で0.2%となっている。

(4)対前年度伸び率では「住宅」12.3%、「生活保護その他」7.5%と高いが、額としては小さく全体の伸びへの影響は小さい。一方、給付費全体の伸びに最も影響したのは「高齢」であった。

機能別社会保障給付費の推移

年度 社会保障費
  高齢 遺族 障害 労働災害 保健医療 家族 失業 住宅 生活保護
その他
  億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円
1994(平成6) 604,727 250,531 50,090 16,169 10,283 227,294 15,701 19,037 1,207 14,414
1995(   7) 647,314 273,933 52,637 16,944 10,498 238,719 16,616 21,952 1,275 14,741
1996(   8) 675,475 287,498 53,925 17,198 10,663 249,960 19,021 21,873 1,348 13,988
1997(   9) 694,187 303,317 53,907 17,464 10,744 250,864 18,672 22,881 1,498 14,839
1998(   10) 721,411 322,287 55,611 18,025 10,639 251,640 19,310 26,742 1,581 15,576
1999(   11) 750,417 336,477 57,326 18,465 10,449 260,787 20,360 28,037 1,776 16,741


構成割合

年度 社会保障費
  高齢 遺族 障害 労働災害 保健医療 家族 失業 住宅 生活保護
その他
 
1994(平成6) 100.0 41.4 8.3 2.7 1.7 37.6 2.6 3.1 0.2 2.4
1995(   7) 100.0 42.3 8.1 2.6 1.6 36.9 2.6 3.4 0.2 2.3
1996(   8) 100.0 42.6 8.0 2.5 1.6 37.0 2.8 3.2 0.2 2.1
1997(   9) 100.0 43.7 7.8 2.5 1.5 36.1 2.7 3.3 0.2 2.1
1998(   10) 100.0 44.7 7.7 2.5 1.5 34.9 2.7 3.7 0.2 2.2
1999(   11) 100.0 44.8 7.6 2.5 1.4 34.8 2.7 3.7 0.2 2.2


対前年度伸び率

年度 社会保障費
  高齢 遺族 障害 労働災害 保健医療 家族 失業 住宅 生活保護
その他
 
1995(   7) 7.0 9.3 5.1 4.8 2.1 5.0 5.8 15.3 5.7 2.3
1996(   8) 4.4 5.0 2.4 1.5 1.6 4.7 14.5 △0.4 5.7 △5.1
1997(   9) 2.8 5.5 △0.0 1.5 0.8 0.4 △1.8 4.6 11.1 6.1
1998(   10) 3.9 6.3 3.2 3.2 △1.0 0.3 3.4 16.9 5.5 5.0
1999(   11) 4.0 4.4 3.1 2.4 △1.8 3.6 5.4 4.8 12.3 7.5


高齢者関係給付費

 年金保険給付費、老人保健(医療分)給付費、老人福祉サービス給付費及び高年齢雇用継続給付費を合わせた高齢者関係給付費は、平成11年度には50兆3,559億円となり、社会保障給付費に対する割合は67.1%である。

高齢者関係給付費

  平成10年度 平成11年度 対前年度伸び率
社会保障給付費 億円
721,411
(100.0)
億円
750,417
(100.0)

4.0
  億円 億円
年金保険給付費 362,379 378,061 4.3
老人保健(医療分)給付費 101,092 109,443 8.3
老人福祉サービス給付費 13,797 15,101 9.4
高年齢雇用継続給付費 773 954 23.3
478,041
(66.3)
503,559
(67.1)
5.3
  万人 万人
60歳以上人口 2,822 2,882 2.1
65歳以上人口 2,051 2,119 3.3
70歳以上人口 1,365 1,423 4.2
75歳以上人口 814 850 4.5

(注)

1.(  )内は社会保障給付費に占める割合である。

2.老人福祉サービス給付費は、施設福祉サービス関係給付費及び在宅福祉サービス関係給付費からなる。

3.高年齢雇用継続給付費は、60歳から65歳までの継続雇用、再就職の促進を図る観点から、60歳時点に比して賃金額が15%以上低下した状態で雇用を継続する高年齢者に対し、60歳以後の賃金額の25%相当額を65歳に達するまでの間支給するものである。


社会保障財源

(1)収入総額は96兆9,265億円である。
 注)収入総額には、社会保障給付費の財源に加えて、管理費および給付以外の支出の財源も含まれる。

(2)大項目では「社会保険料」が54兆5,285億円で、収入総額の56.3%を占める。次に「税」が24兆6,610億円で、収入総額の25.4%を占める。

(3)収入総額は対前年度比較で8.64%上昇したが、社会保険料収入が推計開始以来初めて対前年度比較で0.8%減少した。

(4)平成10年度に下落した資産収入は、平成11年度では厚生年金基金に係る資産収入の増加によって大きな伸びを示している。

項目別社会保障財源の推移

年度 合計
  社会保険料 他の収入
資産収入 その他
  億円 億円 億円 億円 億円
1994(平成6) 795,704 474,922 194,766 93,630 32,386
1995(   7) 851,245 512,221 207,901 98,118 33,005
1996(   8) 870,814 527,090 213,304 96,296 34,124
1997(   9) 900,677 548,151 217,533 103,825 31,168
1998(   10) 892,188 549,737 219,882 89,653 32,915
1999(   11) 969,265 545,285 246,610 142,707 34,663


構成割合

年度 合計
  社会保険料 他の収入
資産収入 その他
 
1994(平成6) 100.0 59.7 24.5 11.8 4.1
1995(   7) 100.0 60.2 24.4 11.5 3.9
1996(   8) 100.0 60.5 24.5 11.1 3.9
1997(   9) 100.0 60.9 24.2 11.5 3.5
1998(   10) 100.0 61.6 24.6 10.0 3.7
1999(   11) 100.0 56.3 25.4 14.7 3.6


対前年度伸び率

年度 合計
  社会保険料 他の収入
資産収入 その他
 
1995(   7) 7.0 7.9 6.7 4.8 1.9
1996(   8) 2.3 2.9 2.6 △1.9 3.4
1997(   9) 3.4 4.0 2.0 7.8 △8.7
1998(   10) △0.9 0.3 1.1 △13.6 5.6
1999(   11) 8.6 △0.8 12.2 59.2 5.3


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