02/11/22 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会表示部会         薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会表示部会                     日時 平成13年11月22日(木)                        14:00〜16:00                     場所 三田共用会議所 3F A〜E会議室 出席者:首藤部会長、五十嵐委員、小沢委員、熊谷委員、合志委員、寺尾委員、     豊田委員、村上委員、山崎委員、和田委員     食品保健部長、企画課長、新開発食品保健対策室長、検疫所業務管理室長、     食品国際企画調整官 ○事務局  定刻となりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会表示部会 を開催いたします。本日はご多忙のところをご参集いただきまして厚く御礼申し上げま す。本日は垣添委員、黒川委員、田中委員が欠席との連絡を事前に受けていますが、部 会員総数13名のうち10名出席で、過半数に達しておりますので、本日の部会が成立いた しますことをご報告を申し上げます。  まず開催に当たりまして、食品保健部長からご挨拶を申し上げます。 ○食品保健部長  部会長を初め委員の先生方には、お忙しいところをお集まりいただきましてありがと うございます。食品の関係につきましては、表示というのは非常に消費者にとりまして 重要な情報を与えるということで、食品の安全性の関係もございますが、あるいは消費 者が食品を選択をするという観点からも重要な意義を持っているわけでございます。そ ういったことで、この表示につきましては法律上いろいろ規制を掛けているところでご ざいます。  また、今日ご審議を願います内容と関係いたしますが、今年の4月から遺伝子組換え 食品ならびにアレルギー食品に関しましては表示を義務付けるということで、アレルギ ー食品に関しましては1年間猶予期間を置きまして、来年の4月から法的に義務化をす るという形になっているわけです。先行してできるだけ表示をするようにということで 、お願いをいたしておりますが、いずれにしましても、どちらとも制度として4月から 動いておりますが、まあまあ順調に進んでおるのではないかなと考えているところでご ざいます。  この組換え食品につきましては、安全性審査を義務付けることと併せましてこの表示 の義務付けをやっているわけですが、今日、ばれいしょを用いました加工食品に対する 表示対象品目の見直しということで、ご審議をお願いしているわけです。ばれいしょそ の物につきましては、加工食品でないものにつきましては表示の義務は掛けているわけ ですが、加工食品については検査技術上の問題がありまして、検出の問題があるという ことで、加工食品については表示の義務付けを掛けていなかったわけですが、研究の結 果、そういった検出方法が出てまいりまして、農林水産省でもそういったばれいしょに 遺伝子組換えのばれいしょを用いた加工食品についての表示義務を課すということでご 検討をされているところです。私どももそれに合わせまして、同様の表示義務を課すと いうことで考えているわけです。この審議会、部会でご検討をいただきたいと考えてい るわけです。  食品に関しましては、遺伝子組換え食品は最近新聞の話題に登ることはありませんが 、一時、日本では未承認と申しますか、審査をしていないとうもろこしが発見されたと いうこともございますし、また、そういった類のものが今後も出てこないということが ないとも限らないわけです。また、表示の関係につきましても、いろいろ消費者の側か ら見れば、まだまだご注文と申しますか、議論がある部分があろうかという認識をいた しているわけです。  いずれにしても私どもの考え方としましては、食品の安全性をまず一義的に確保する ために、どういう表示なり義務を課すかということです。同時に、先ほど申し上げまし たように、消費者から見て、どういう情報を提供するのがいいのかといった観点も必要 だろうと考えているわけです。遺伝子組換え食品以外にもアレルギー食品もまた大きな 問題になっていますし、非常に微量であっても患者の方で反応する方がおられる。その 際には重篤な反応を起こす例もあるようです。そういった観点からは、できるだけ表示 を義務付ける方向が私は望ましいのだろうと思っているわけでございます。  そういうことで表示の関係につきましては、この2つの制度が動いておりますが、そ れ以外にも全体の表示を今後どう考えていくのかと、食品にとりましては1つの大きな 検討事項ではないかという認識も持っているわけです。  今日お願いしております議題ですが、また部会としては引き続き表示関係につきまし て、幅広くご議論をいただきたいという気持ももっております。どうかよろしくご検討 をお願いいたしたいと思っております。本日はどうもありがとうございました。 ○事務局  議事に入る前に、本年1月に中央薬事審議会と食品衛生調査会が統合され、薬事・食 品衛生審議会とされてから初めての表示部会ですので、企画課長から委員のご紹介と併 せて薬事・食品衛生審議会について説明させていただきます。 ○企画課長  初めに食品衛生分科会表示部会の各委員をご紹介申し上げます。まずは部会長をお努 めいただいております首藤委員、五十嵐委員、小沢委員、熊谷委員、合志委員、寺尾委 員、豊田委員、村上委員、山崎委員、和田委員でございます。なお、先ほど申し上げま したように本日は垣添委員、黒川委員、田中委員のお三方はご欠席です。  引き続きまして、お手元の資料にありますが、今年の1月に中央省庁の統配合に伴い まして、旧の食品衛生調査会と薬事の審議会も統合されています。  1枚紙の薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会資料に基づき、簡単にご説明いたしま す。 平成13年1月6日付で、薬事・食品衛生審議会が発足いたしました。その6条で この審議会が位置付けられています。この審議会の下に食品衛生分科会、旧の食品衛生 調査会に相当する組織として分科会が設置されています。その任務については「食品衛 生法の規定により、審議会の権限に属された事項を処理すること」ということです。  現在、食品衛生分科会におきましては、食品規格部会から、新開発食品調査部会まで1 1の部会が設置されています。このうち表示部会の任務としては、食品衛生分科会の規 定の4条の9に「食品、添加物、器具・容器包装及びおもちゃの表示の基準の設定に関 する事項を調査審議をする」。これが表示部会の任務となっております。以上です。 ○事務局  以後の進行につきましては、首藤部会長にお願いいたします。 ○首藤部会長  議事に入りたいと思いますが、その前に資料の確認を事務局からお願いいたします。 ○事務局  資料の確認をいたします。最初に議事次第として表示部会の議事次第です。次頁に資 料一覧があります。配付資料を順番に確認しますと、まず表示部会の配置図、表示部会 の名簿です。次にいま企画課長から説明いたしました食品衛生分科会のペーパー、資料 1、「遺伝子組換えばれいしょを用いた加工食品に関する表示対象品目の見直しについ て(案)」です。  参考資料1、諮問書、参考資料2、「遺伝子組換え食品の表示についての経緯」、参 考資料3、農林水産省の規格調査会の資料、参考資料4、食品衛生法施行規則のこの4 月改正の概要の説明ペーパー、参考資料5、アレルギー食品に関しての検討会の中間報 告概要、参考資料6、遺伝子組換え食品等の通知による調査のペーパー、参考資料7、 「遺伝子組換え食品の表示と検出に関する調査要領」です。以上、資料、足りないペー パー等がありましたらお申し出ください。 ○首藤部会長  資料は揃っていますでしょうか。早速議題に入りますが、組織図と申しますか、この 分科会の1枚紙がありましたが、ここで何かご質問がありますか。初めての会議だそう です。  最初の議題案件である審議事項に入りたいと思いますが、議題の(1)の「遺伝子組 換えばれいしょを用いた加工食品に関する表示対象品目の見直しについて」を始めます 。そのほかに報告事項として後にアレルギーのことについて、組換えに係る調査につい て報告があります。ばれいしょの表示について、事務局から説明をお願いいたします。 ○企画課長  まず、本日は諮問をさせていただいています。参考資料1で諮問書を出しております 。11月19日付で「食品衛生法第11条1項の規定に基づき、下記の事項について、貴会の 意見を求めます。記、遺伝子組換えばれいしょを用いた加工食品に関する表示対象品目 の見直しについて」。これが本日ご検討をいただく事項です。  資料1にしたがって従来の経緯と本日お諮りしています事項について、あらましの説 明をいたしたいと思います。資料1、「遺伝子組換えばれいしょを用いた加工食品に関 する表示対象品目の見直しについて(案)」です。これまでの経緯ですが、先ほど部長 からも説明しましたように、この4月から遺伝子組換え食品の表示制度が導入されてい るわけですが、1に書いているものは、農水省におけるJAS法に基づく表示に関して 、どういう検討が行われたかということです。平成9年5月の会合以降、17回にわたっ て審議されました。結論で申し上げますと、この4月からJAS法に基づく表示が義務 付けられたわけです。  これと並行して食品衛生法第11条に基づく表示の問題として、表示部会でご議論をし ていただいたわけです。この表示部会での議論の経緯については参考資料2に整理して いますので、参考資料2の1頁をご覧いただきながら説明をいたします。  食品衛生法に基づく表示については、この4月から食品衛生法施行規則、関係省令の 改正、あるいは告示を決めて、この4月からJAS法と同時に表示制度がスタートして いるわけです。食品衛生法の11条の表示は条文にも書いています。一方のJAS法は消 費者の選択という観点からですが、厚生労働省が所管する食品衛生法については、公衆 衛生の見地から食品の内容を明らかにするという考え方に基づき、他の食品と同様、遺 伝子組換え食品についても、安全性の審査の義務化と並行しているわけですが、この義 務化の制度の着実な実施を資するということで関係省令の改正をして、この4月からJ AS法と同時に表示の制度を施行しています。  この表示の義務化の制度の対象としては、大豆、とうもろこし、ばれいしょといった 作物及び、大豆、とうもろこしを原材料とする加工食品のうちの24品目を対象にして、 この4月からスタートをしているわけです。  次に本日ご審議いただく事項である、「ばれいしょを原材料とする加工食品の表示」 に関して簡単に説明いたします。まず、そういう形で4月からスタートした表示制度で すが、農林水産省の対応としては、ばれいしょ加工食品に係るDNAの検出方法の検討 がこれまでなされてきたわけです。ご案内のとおりばれいしょについては、食物防疫の 観点から日本では加工食品のみが輸入されている現状ですが、ばれいしょの加工食品か らの遺伝子の検出技術は4月現在では未確立であったわけです。その後、農水省におき ましてこの6月から7月、独立行政法人の農林水産省技術センターにおいて、この検出 方法についての研究を行っていただいたところ、その検出が可能となりました。  先ほど言いました表示義務の対象品目については、農水省のJAS法の関係の告示等 に記載していますが、この基準に関して、その後の遺伝子組換え加工食品の商品化の状 況、あるいは遺伝子の検出方法に関する新たな試験、こういうものを踏まえて従来から 毎年見直しをすることになっていますが、今般、ばれいしょに係る加工食品の遺伝子検 出技術の研究の進化に伴い、農林物資規格調査会遺伝子組換え食品部会においても、本 年2回にわたってこの対象品目の見直しについて検討がされたところです。  その結果、これまで義務表示の対象品目とされていなかったばれいしょ加工食品につ いて、技術の革新に伴って10月2日に開かれました遺伝子組換え食品部会において、対 象品目に追加するということで了承が得られたと伺っています。  今後の予定としては年内のパブリックコメントの募集と、いろいろな手続きを経まし て来年の2月ごろに施行ということで、一定の猶予期間を置いて再来年の1月をメドに 表示の本格実施というスケジュールでこれから運ばれると聞いています。農水省の改正 の中身は、(2)の箱に書いてあるように、農林水産省の大臣告示の内容を、25番の乾燥 ばれいしょから始まって30番に至るばれいしょ加工食品を、義務表示の対象品目として 加えることに向けて、先ほど言いました手続きが現在進んでいるわけです。  なお、これに関して、ばれいしょの分別流通管理が前提になるわけですが、ばれいし ょについては輸入の形態が加工食品であるということです。現在、大豆、とうもろこし については分別流通管理のマニュアルがありますが、これと同じもので対応が可能かど うか、先ほど述べた期間のうちに農水省において今後検討されるということです。具体 的には流通の実態調査を行い、それに即した分別流通管理の体制を整えていくべく農水 省において、現在調整をされていると聞いています。こうしたものが農水省におけるば れいしょの加工食品に係るこれまでの動きです。  厚生労働省としての考え方、事務局の考え方を以下(2)の資料で申し上げます。先 ほど申し上げました農水省の対応を受けて、厚生労働省としては(1)〜(5)に書いてある 考え方に基づいて、見直しを図っていきたいと考えています。  (1)遺伝子組換えばれいしょの安全性審査については、既に実施をされていまして安 全性が確認されたものについては、加工食品として現在合法的に流通しています。  (2)ばれいしょの加工食品については、これまで遺伝子の検出が困難であったわけで すが、今般は検出が可能になったということで、表示を義務化する条件が整ったものと 考えられます。  (3)厚生労働省の方針としても、遺伝子組換え作物を使用した食品については、すべ からく原料として使っている旨の表示を行うというのが基本方針で、先ほど申上げた農 水省の食品部会の決定は、従来からの遺伝子組換え食品の表示に係る厚生労働省の方針 とも一致していると認識しています。  (4)安全性の確認された遺伝子組換えばれいしょを使用した食品について、その表示 を行うことは、食品衛生法第11条の目的でもある、公衆衛生の観点からも望ましいと考 えられています。  (5)そういう表示を行うことにより、消費者の遺伝子組換え食品への関心の高まり、 安全面その他の関心の高まりに応えることが可能であるということです。  以上事務的に検討しました5点の考え方から、私どもとしては消費者に正確な情報提 供を図るという観点から、農水省の動きと歩調を合わせて、遺伝子組換えばれいしょを 原材料とする加工食品について、表示を義務化することが適切ではないかと考えていま す。  なお、先ほど申したのと同じように、農水省における正しい情報提供のためには分別 生産流通管理の体制が必要ですので、これらの整備についても急ぐ必要があると考えて います。  以上のような事務的な検討の結果、本日お諮りしたいと思っていますのは(3)です 。ばれいしょを原料にする加工食品の表示義務の対象の拡大ということで、食品衛生法 の省令を一部改正、そこに案として書いているように、これは農林水産省の告示と並行 していますが、乾燥ばれいしょの一から六に至るまで、こうした加工食品について、食 品衛生法第11条に基づく表示義務の対象に加えるということで、本日お諮りをいたすも のです。  以上で説明を終わらせていただきます。なお、詳細な点、農水省の検討の考え方等に ついて、担当者から追加で説明をさせていただきます。 ○事務局  第2回農林物資規格調査会遺伝子組換え食品部会の概要に関して簡単に説明させてい ただきます。10月2日に第2回の遺伝子組換え食品部会が開催されました。そちらでの 議事内容は1点でした。その内容に関しては、「遺伝子組換えばれいしょ加工食品の表 示義務化について」です。  参考資料3の3頁4頁を中心に話させていただきます。ただいま企画課長から説明い たしましたように、ばれいしょ加工食品のDNAの検出に関しては、本年4月から7月 にかけて研究を行ったところ、3頁に書いてありますように、この中でばれいしょでん 粉、ばれいしょでん粉を主な原材料とする食品、ばれいしょ(調理用)を主な原材料と する食品に関して、分析点数と検出可能な点数の差が見られたということで、これに関 してはばらつきがあると判断をなされました。  しかしながら、ばれいしょでん粉等を使用した加工食品が流通している現状を考えた 時に、この商品に関してはもう少し分析商品を増やして検討をしてはどうかというご意 見が出され、7月から9月にかけて農林水産消費技術センターで更に検討を加えられた 結果、今回の分析結果、新たにばれいしょでん粉に関しては9点、ばれいしょでん粉を 主な原材料とする食品に関しては4点、ばれいしょ(調理用)を主な原材料とする食品 に関しては6点の分析を行い、それぞれ9点、1点、3点の検出が認められたという結 果です。  前回と2回の検査結果を合わせたところ、ばれいしょでん粉に関しては10点中10点、 ばれいしょでん粉を主な原材料とする食品に関しては6点中3点、ばれいしょ(調理用 )を主な原材料とする食品に関しては10点中6点の検出があったということで、ばれい しょ加工食品に関しても、ばれいしょ遺伝子の検出が可能と判断をされました。それに 伴い表示を行うことが適当であるという意見が出され、今回の方針になりました。  今後の予定等に関しては、先ほど課長から説明いたしましたので省略させていただき ます。 ○首藤部会長  事務局からの説明はこれで終わりですか。それでは、いまの説明に基づいてご質問ご 意見がおありかと思います。参考資料3の3頁、農水の資料1の1頁、これは総数でい うとどれなのですか。総数は出ていないのですか。6分の3と10分の6というのがあり ますが、そこはどういうふうに。何か説明がありましたか。 ○事務局  総数に関しては特に言及がありませんでしたが、それぞれ分類をしたところ、半分以 上のものが出ているので、ほぼばらつきがないと考えていいだろうという結論をいただ いています。 ○首藤部会長  今回分析の所のばれいしょでん粉を主な原材料とする食品で、※(4)で4分の1と いうのをもう1回説明してください。 ○事務局  ※が付いて括弧が付いているものに関しては、1回目、前回の検査で検出することが できなかったものに関して、検体数を2gから10gに増量して再検査をしたということ です。再検査をしたところ、再検査の検体量が多いということもありまして、その中に 含まれるDNAも多くなってきたので、それで検出が可能になったと伺っています。 ○首藤部会長  そうすると今回分析というのは新しいのではなくて。前にできなかった4つのうちの 1つだから、それで合わせると6分の3ということですね。 ○事務局  はい、そうです。 ○首藤部会長  難しい表ですね。ばれいしょでん粉も同じですか。 ○事務局  はい、再検査をしたものは全て同じです。 ○首藤部会長  前回分析と今回分析のうちの2つが重複しているということですね。 ○事務局  はい。 ○首藤部会長  やり直したら今度は出たという表のようです。 ○和田委員  質問ですが、農水省のほうの予定については資料1の2頁、先ほど説明がありました ように、表示の実施のところまで日にちが入っていますが、食品衛生法によっての表示 の実施の日にちの予定というのは、どこかに入っていますか。 ○事務局  資料にはまだ入れていません。今日ご了解をいただければ日程が成立するわけでして 、それは出していません。もしご了解いただければ農水と横並びの日程で考えたいと思 っています。いまここでご了解がいただければすぐにパブリックコメントと、WTOの 通報をさせていただきまして、2月ごろに食品衛生分科会、本会議を開かせていただき 、そこで審議会として決定をいただいて制度改正、それから、15年の1月、農水がいま 予定している時期に足並みを揃えての実施を考えています。 ○和田委員  分かりました。パブリックコメントなり、食品衛生調査会の総会があるのは分かるの ですが、本当の実施が15年の1月というと、だいぶ先だなという気がするものですから 、農水とどうしても合わせなければいけないのかどうか、できるだけ早く実施ができな いのかなと、その点をお伺いしたい、意見としても申し上げたいと思います。 ○首藤部会長  また後でその旨が出てくるかもしれませんが、資料1の2頁に、「15年1月メド」と 書いてありますが、このメドというのはどういう意味ですか。 ○事務局  まだ日付までは決まっていないという意味で書いています。 ○首藤部会長  私の疑問は、その辺と関係があるのかなと思うのですが、(3)に分別流通管理につい て、そこをはっきりさせないといけなくて、今後の検討課題で実態調査とかというのが 書いてあります。だから、この辺、はっきりしないと、いちばん大事なところがあるの で、ここがメドと書いてあるのかなと思ったのですが、説明してください。 ○事務局  和田委員のご質問ですが、1つは農水省は従来、食品の表示に関しては、やはり一定 の準備期間が必要であるということで、従来からいろいろな食品については一定の期間 を設けてあると私ども了解しています。  いまの「メド」のところの質問ですが、1つは先ほど申しましたように、ばれいしょ の加工食品についてのIPハンドリングの確率が必要になるわけです。農水省はこれか らいろいろな調査をしていくということも、ある意味では後ろを切って準備をしている ということですが、これはいつまでも長く期間を取るわけにいきませんので、その意味 では期限を切って、農水省もハンドリングの話を進めている。厚生労働省も、これは食 品衛生法の観点、向こうは消費者の選択、こちらは公衆衛生の観点と若干表記の違いは ありますが、基本的には食品の表示に関しては何よりも正確にされる必要があるという ことですので、当然表示をする側の諸準備のことも考える必要もあります。これは農水 省もまたいつまでと確立はしていません。IPハンドリングも当然食品衛生法に基づく 表示も、これが前提になるのでその辺りを考えますと、農水省並びの猶予期間といいま すか、これから導入するに当たっての期間は、この程度はやむを得ないのではないかと 、私どもは考えているところです。 ○首藤部会長  そこのところはよろしいですか。厚生労働省は期限を切ってなるべく早くやるという ことですが、これ、私が思うにこれはちょっと不安、この辺が曖昧なまま無理をして早 くすると、混乱を起こすのではないかなという気が、むしろ個人的にはそう思います。 ほかにございませんか。 ○寺尾委員  今回、加工食品対象の品目が書いてありますが、そうしますと、これはばれいしょを ある一定の割合以上に含んでいるものは、ほとんど入ると理解してよろしいですか。 ○事務局  遺伝子組換え食品の表示の対象品目については、従前上位3品目、重量パーセント、 5%以上というルールで書くことが決まっています。今回、この加工品を加えても同じ ルールが適用される予定です。ばれいしょについても加工食品中の上位3品目に入って いるものであって、そしてまた5%以上の重量パーセントをもつものについては対象に なる。それ以外は省略可能という制度です。 ○寺尾委員  もう1つ、マッシュポテトが農水の表のいちばん最初に出てきますが、マッシュポテ トというのは、2頁の加工食品のどれに該当することになりますか。 ○事務局  マッシュポテト、それからマッシュポテトを主な原料とする食品ということで、研究 段階では「マッシュポテト」という言葉を使っていたのですが、「ばれいしょ」という 言葉の中にはマッシュポテトも含む、大変広い概念であるということになりましたので 、7つあった品目を6つに統合した形になります。したがってマッシュポテトの所は乾 燥ばれいしょの所に含まれることになります。マッシュポテトを主な原材料とする食品 は、ばれいしょでん粉を主な原材料とする食品の所に含まれることになりました。以上 です。 ○首藤部会長  資料の3の3頁、先ほどのテーブルですが、そのテーブルの下に注)と書いてありま すが、この検査でDNAは、組換えではないじゃがいもの中に、調理したあるいは加工 したじゃがいもの中にノーマルのと言いますか、もともとじゃがいもが持っているDN Aが入っていたと、それは相当な確率で検出できるということですね。 ○事務局  はい、そうです。 ○首藤部会長  実際に組換え体がもうちゃんとできますよというところまではまだいっていないと考 えたほうがいいのですか。メドしかないということですか。 ○事務局  いや、組換え体のほうについては、既に技術がある程度確立していて、どちらかとい うと組換え体のほうの、特にまだ審査を通っていないじゃがいもの検査方法の確立に厚 生労働省の側で成功をしました。それができるようになれば、一般のじゃがいもも、も う少しやり方を変えていけば見つかるのではないかということで、農水から食総研で1 から全てやり直した結果、このように出てきたという経緯がありまして、組換え体のほ うの検出のほうが現在進んでいるという状況です。 ○首藤部会長  現在進んでいると解していいですね。 ○事務局  はい。 ○首藤部会長  食品保健部からのは、ここに資料1で案という形で説明があり、(3)で表示義務対 象品目として一、二、三、四、五、六を加えるということです。例えばコロッケはどこ に入るのですか。 ○事務局  コロッケについては、29、30の所で、ばれいしょを使っていれば入ると考えています 。 ○首藤部会長  おそらく検出できるので表示するというじゃがいもについては、世界に一歩進んでい るということだと思うのですが、拙速というのもよくないと思いますので、大丈夫です ね。 ○事務局  世界の状況等を簡単にご説明申し上げますと、表示や審査の義務化については、世界 に先駆けて日本が義務化をして進めているところでして、そういった意味ではいちばん 進んでいるわけです。いまタイや韓国等においても、審査の義務化、表示の義務化を日 本の例に習って進めているところです。  しかしながら、まだまだ遺伝子組換え食品の検出技術や表示については、検出方法に ついて統一的なものがあるという状況ではありませんし、また、大変先進的な技術であ るためにムラもあるという現状です。いまコーデックス、食品の国際規格を決める委員 会の中でも、こういったものの統一基準をつくるべきという意見もあり、さまざまなコ ーデックスの部会で検出方法についての議論が進んでいるという現状ですが、まだまと まった結論は得られていない状況です。  日本としていまこういう制度を導入しているので、これを参考にご議論をいただきた いという資料は、既に提出しまして日本の検出法が世界で認められるように努力をして いるところです。以上です。 ○首藤部会長  そういう状況にあるようですが、何か。 ○熊谷委員  上位4品目めのもので、10%とかいうものがあった場合には、それはよろしいのです か。 ○事務局  いまのルールですと省略可能になります。 ○首藤部会長  熊谷委員それで、ご意見を。 ○熊谷委員  なんとなく重量だけでいってもよさそうな気がするわけですが、そうはいかないので すか。 ○事務局  食品中の重量パーセントをきっちり決めるのは難しいもので、重量だけで切るという 議論は農水部会ではかなりされたようですが、それは二義的なもので多い順番という意 味では、順位付けが可能であるということから、多い順番にまず考えるべきだと。その 中でもごく微量になってしまったものについて、どこまで書くのかということの将来規 定として5%が設けられた、という経緯があります。それが実際に表示をする際には、 いちばん運用上はし易い、対応し易いという面もあります。 ○首藤部会長  なかなか線引きというのは難しいところなのだろうと思いますが、現在はそういう運 用ということで。 ○五十嵐委員  4頁の表を拝見しているのですが、ここにばれいしょでん粉を主な原材料とする食品 、あるいはばれいしょを主な原材料とする食品で、センターの試験がマイナスとなって いるのがいくつかありますが、これは使用量が少なかったためになったのか、検出限界 が問題だったのか。コロッケなどは普通だともっと多いような気がするので、出てもい いような気がしたのです。これは別にPCR法をやったという意味ではなくて、ばれい しょのもともと入っているDNAを測っているわけですから、それで出ると思ったので すが、その辺は何か説明がございましたか。 ○事務局  もとの含有量等についていまデータを持ち合わせているわけではないのですが、検体 としてはある程度の量を使っているものを抽出しているということです。しかしながら 、もともとじゃがいものDNAの検出というのは感度があまり出ないもので、ある程度 使っていることが分かっていても、DNAの検出には至らなかったケースと理解してい ます。 ○五十嵐委員  検出できるできないということに関しては、できていないのもあるわけですが、総体 的にこれは全てができるわけではないけれども、できるといういうふうに分類すべきな のだろうと思います。 ○山崎委員  農水省の方の(3)のところで、分別流通管理ですね。ばれいしょの場合に加工食品な ので、ほかの農産物のマニュアルで対応が可能かどうかということで、私はかなり難し いのではないかという個人的な感覚があるのです。これ、可能かということについての 見通しというのはある程度出ているのでしょうか。 ○事務局  その点については農水省ともかなり長く議論をさせていただいたのですが、ご指摘の とおり大変難しいということは、向こうも認識をしています。一般の今までの穀物その ものについては、生で流通するので形態が1種類ということもあって、また流通経路も 非常にシンプルであるということから、作り易かったわけですが、加工の品の場合は、 特に粉になってしまった後の管理は多種多様にわたっていて難しい。  いま既に米国に渡って農水省でも調査を行っていまして、大きな流通ルートに関して は少なくともIPハンドリングは実施可能であるという感触を掴んだ上で、この制度の 実施に踏み切るということです。ただ、それが微に入り細に入りというところまではま だ条件として整っていなくて、いまそれのマニュアル化を進めているところと聞いてい ます。その点が全体を網羅できるようになるまで、まだ少し時間がかかるということと 、まだ調査が必要と理解しています。 ○首藤部会長  いまの先生のご質問ともう1つよく関係するところは、定量性の問題ですが、定量性 は解決していないのでしょうか、もうしつつあるのですか。 ○事務局  定量につきましては国立医薬品食品衛生研究所で、現在検討をしていただくという状 況です。これは食品部の豊田先生のところにお願いをしていまして、鋭意努力をしてい ただいていると理解しています。 ○首藤部会長  分別の問題、定量の問題、その辺を考えると、検出できるといっても非常に難しい状 況でいまスタートをするのだということを、皆さんご認識していただいたほうがいいと 思うのです。 ○山崎委員  全体でいうと精度の問題です。 ○首藤部会長  そうです。 ○山崎委員  それが不確実です。 ○首藤部会長  単に早ければいいとか、やればいいという問題ではなくて、ここではたぶん、いろい ろなこれまでの議論を踏まえて、それからここでも食品保健部が作ってくれた資料の案 についても表示をすべきであろうという方向だと思うのですが、まだ完璧ではないとい うことを理解した上で、そちらの方向へというものではないかなという気がしているの です。企画課長からコメントをいただけたらと思います。 ○企画課長  ご指摘のとおり大変難しい側面があります。これもまたトウモロコシや大豆の現物と 違い、加工品の定量という難しい面があります。現物については、ある意味ではもう白 黒がはっきりしていて、それをきれいに検出するかどうかという整理で考えられるわけ ですが、加工品の場合は加工工程によってDNAが消滅したりしなかったりするという ことなので、含んでいる、含んでいないのほかに、加工工程による消去、減少というこ とについても配慮をしなければならないという意味で、更に今までの現物の定量よりも 難しい方法であると考えています。  そういった意味では、まずは検出方法の確立という面と、加工品の種類によって定量 できるものとできないものが出てくるという状況に対して、どのように検出方法を整理 していくのかという2つの問題があると理解しています。現在そのやり方について、我 々のほうでも検討をしているところです。 ○首藤部会長  何かほかにございませんか。 ○豊田委員  いま補佐の方からお話があったように、我々のほうで検討をしてくれと言われている ところですが、やはり、以前の大豆、トウモロコシに比べて、この場合には加工されて いるということで、だいぶ我々としても苦労をしています。農水の資料を見ていただく と分かるのですが、我々のほうが若干短期間で考えた方法を基に、農林水産省でいろい ろご検討をされて、いい方向に変えてきていただけている、といったことを見ても分か るように抽出の段階の問題、それから先ほど話されました検出のところでどういったプ ランを選ぶのかといったところも、かなり難しい問題がありまして、いま鋭意努力中で す。先ほど部会長が話されたように、わりと先に走っていて、こちらのほうが鞭を入れ られるというような気がいたします。以上です。 ○村上委員  少し先を走り過ぎか、ゆっくりし過ぎかという議論になっているようですが、じゃが いもの加工品と遺伝子組換えの問題といいますと、民間の団体が検出を先行して、後か ら行政が追認した出来事を思い出さざるを得ないわけです。行政が先手を打つか後手に 回るかということは、消費者の食物に対する不安にも大きく響くし、行政に、この場合 には厚生省に対する信頼度は後手と先手では大違いです。消費者が非常にセンシティブ になっている食品については、そして安全性が非常に微妙な問題として存在する食品に ついては、折に触れて先へ先へとむしろ行政の側が先手を打つ方向でなさったほうが一 般の人々、食生活者にとっての信頼を考えればプラスではないかと思うのです。  その先手のために、もちろん科学的に危うい部分があるとしたら、それもはっきりさ せて、まだこの辺は不確かな部分「不確かな」と言ってよいかどうか、文言はいろいろ 工夫しなければいけませんし、みだりに不安を掻き立てる必要は絶対ないのですが、で も、分からない部分と分かっている部分を、はっきりさせながら伝えていくことがいま いちばん大事ではないかと思いますので、先に進み過ぎては、とご心配のようではあり ますが、着実ながら、しかし、先手でいこうという姿勢をお取りいただきたいと要望い たします。 ○首藤部会長  豊田委員、もう1回叱咤激励されたようですが、よろしくお願いいたします。食品保 健部が作られた資料1に基づいた方向を、この場でご了承いただけると思っていますが 、いかがですか。 ○山崎委員  これは余計なことかもしれないのですが、いま村上委員の言われたことは私はごもっ ともなご意見だと思うのです。ただ、例えばばれいしょ加工食品として流通するものに ついては、もう既に安全性が確認されて流通されているわけです。そこの作業というの は行われているわけです。ですから組換え遺伝子で作られたばれいしょは、既にそれ自 体が害であるということではなくて、それが入っていることを消費者の方たちが認識を するという段階で、この表示というのは私は大変大事だと思うのです。そのところのき ちんとした知識というかPRがないと、表示が出たものについての受け止め方事態に不 安が出てくるというと、村上先生のご心配を上回って不安材料を与えるということにも なりかねない。先生のご意見でそこのところは、考えておかなければいけないのかなと いう気がしました。 ○村上委員  いまのお話は、まさに遺伝子組換え食品の表示の問題の時に起こったことです。つま り、表示をすれば、ではそれまでのものと違うのか、という不安感が出るではないかと いう議論が表示論の時にずいぶんありました。しかし、科学的に安全であるということ と、選択基準のために表示をするということとは別だ、として表示に踏み切ったわけで す。この場合もそれと同じことではないかと思います。 ○山崎委員  言われるとおりです。基本的な問題です。 ○村上委員  ただ、山崎委員が言われたように、伝え方というのは、細かく神経を使って表現をし ていただくということは、とても大事だろうと思います。 ○山崎委員  言われるとおりです。私も同じ意見をもっています。ただ、ばれいしょの場合に加工 した形のものが多くなるということで、新しくきちんと知っていただくという前提が、 また必要になるのかなと思ったものですから、余計なことかもしれませんが。 ○和田委員  もう既に村上委員からご発言があり問題点の指摘は出ていますが、私が先ほど、もし これが通ったとした時の期日の指定はどうなるかと伺ったのが、まさに難しい問題はあ るでしょうけれども、なるべく早くしていただきたいという意味で申し上げたので、そ この言葉が足りなかったのを、いま言っていただきましたが、表示はやはり事実そのま まに表示をして、それを消費者のほうがどう理解して購売行動に結び付けていくか、選 択するかということなので、表示をすることが決まれば、あとはなるべく早くと。ここ にある例えば15年1月というのを遅いとまでは言いませんが、もしできるのであれば少 しでも早くしていただきたいという気持はあります。以上です。 ○首藤部会長  和田委員ばかりではなく皆さんがそう思われているのだろうと思いますが、日程は厚 生省としては農水にならってということのようですが、できるなら早くというご要望で す。資料1にある方向でよろしければ、この方向でこの部会からの諮問に対する報告書 (案)が一応作られているので、それを拝見いただけたらこの場でご意見をいただきた いと思います。 ○事務局  今回この表示部会から分科会の報告をしていただける方向でいま検討が進んでいます ので、報告書の(案)を作成していますので、配付させていただきます。 (報告書案配付) ○事務局  参考資料1にありますように、遺伝子組換え食品の見直しについて、正式に審議会に 諮問をいただいていますので、それについて部会から分科会へ報告書を出させていただ き、そして分科会でご了解いただければ、それが答申書として厚生大臣に返っていく。 その第1ステップです。頭紙はいつもの定番でして、諮問書に対してこのように報告さ せていただくという文書です。2頁目は表紙なので省略いたします。  3頁以降の文章ですが、これは既にご審議いただいている資料1の中の厚生労働省の 考え方の部分の文章をそのままこちらに写したものです。内容的にはいままさにご審議 いただいた内容が書いてありまして、今までの若干の経緯と公衆衛生上の面からも表示 の必要性があるという結論。また、なお書きですが、分別流通管理の体制を早急に整え ていく必要がある。そして、この結論を踏まえれば食品衛生法の施行規則のばれいしょ の項目の改正が、いまご審議いただいている6項目について追加することが必要と考え られる、という結論を結んでいます。説明としては以上です。 ○首藤部会長  どうもありがとうございました。結論的には最後の頁の「記」にあるように、ばれい しょの項に一、二、三、四、五、六加工食品、それらを加えるのが適当であるという答 えになりますが、ご覧になられて何かお気付きの点がありますか。 (特になし) ○首藤部会長  よろしければこれを分科会へ報告させていただきます。実際にこれが施行されるのは 、先ほどからのお話のように早ければ早いほうがいいというご意見が多いようですので 、それは気にしておいてください。審議事項はこれで。では次に、もう一度いまの予定 についてお願いいたします。 ○事務局  予定について再度報告いたします。ご了解いただきましたこの報告書につきまして、 通例に則りパブリックコメントの募集、そしてWTO/SPS通報を行いたいと考えて います。この結果をとりまとめて来年の2月ごろを目途として、食品衛生分科会を開催 しまして、そこで了解が得られれば3月に制度の改正、そして15年1月を目途として実 施ということがいまの予定です。ご要望については胸に命じて進めたいと考えています 。以上です。 ○首藤部会長  「報告事項」に移ります。事務局から2件あるようです。1つは「アレルギー物質を 含む食品の表示について」、もう1つは「遺伝子組換え食品に係る調査について」の2 件ですが、お願いいたします。 ○企画課長  参考資料4で「アレルギー物質を含む食品の表示について」報告をさせていただきま す。参考資料4は、先ほどまで議論になっていた「遺伝子組換え食品の表示」と「アレ ルギー物質を含む食品表示について」の2本についての説明資料です。  2頁は「遺伝子組換え食品の表示」のことを書いています。これも今年の4月からの 施行です。  3頁、「遺伝子組換え食品の表示について」、今日ご議論をいただきましたばれいし ょの加工食品も含めてですが、まず義務表示としては、(3)のア、イにあるように、分 別生産流通管理が行われた食品については、「遺伝子組換え食品」である旨の表示、あ るいは遺伝子組換え食品と非遺伝子組換え食品が分別されていない場合については、「 遺伝子組換え不分別」である旨の表示、いずれもア、イは義務表示です。  なお、任意表示として分別生産流通管理が行われた非遺伝子組換え食品の場合につい ては、「非遺伝子組換え食品」である旨の表示をすることができる、ご案内のとおりの 仕組みになっているわけです。  (2)の「アレルギー物質を含む食品の表示」、これも遺伝子組換えと同様、この4 月に施行されて、1年間の経過措置を設けていますが、この4月から動き出し来年の4 月から本格施行となっています。若干説明いたします。  背景等ですが、(1)に書いているように、近年アレルギーを初めとする過敏症(アレ ルギー疾患)を引き起こすことが知られる物質(アレルギー物質)を含む食品に起因す る健康危害が特に子供等に散見されてきています。11年6月には、FAOとWHOの合 同食品規格委員会(コーデックス委員会)において8種類の原材料を含む食品について は、それを含む旨の表示をすることで合意をされていて、加盟各国にこの具体的な表示 方法を検討することが求められていました。  我が国においては、平成12年7月に当表示特別部会において報告をいただき、これを 背景にして、この4月から「アレルギー物質を含む食品に係る表示」、一部義務付けの 制度を導入したわけです。  概要については3頁から4頁に書いていますが、対象の商品の範囲については、アに 書いているように表示が可能な容器包装をされた加工食品・食品添加物で、原材料も含 みます。表示については、表示対象の特定原材料の範囲については、日本標準商品分類 を基に設定をする。  具体的なアレルギー物質ですが、先ほどの表示特別部会で示された24品目について、 これを2つに分けています。発症数、重篤度。発症数は多いもの、あるいは発症数が少 なくても例えばそばのように重篤度が高いものについては、1つ目の丸にあるように、 食品衛生法の改正に基づく施行規則省令で、法律上の義務化ということで、対象品目が 、卵、乳、小麦、そば、落花生、この5品目は法律上の制度として、来年4月から本格 的に施行されます。それ以外の19品目については、アワビ、イカ、イクラ等があります が、これは食品保健部長通知をもちまして表示を推奨ということです。法律上の義務化 ではありませんが、それに準じた表示を関係業界にも求めるということで、この19品目 を通知で指定をしています。  ウで含有量が微量な場合の表示についていくつか書いていますが、例えば微量表示( ア)ですが、微量表示については義務表示となる5品目については、キャリーオーバー や加工助剤も対象にする。先ほど言いました推奨する、通知を根拠にする19品目につい ては、可能な限り微量についても表示を奨励するということです。  例えば(イ)について、可能性表示、いわゆる「May contain」(入っているかもし れない)という表示はアレルギーの患者さんの選択の範囲を狭めてしまうということで 、こういった表示は認めないということです。(ウ)以下に「特定原材料複合化の禁止 」であるとか、逆に高級食材については誤解のないように「エキス含有表示」を求める といった、注意事項等について、この4月の食品保健部長通知で細かく指示をしていま す。  具体的な表示方法についても、特定原材料については、5頁に書いているような、い わゆる「読み替え表記」、例えば卵を昔からよく使われた「玉子」、こうした字で使う とかです。「包括表記」、一般に当該特定原材料から作られていることが知られる表記 については、スルメをイカという形で表示する。こういうものは認めるということです 。また「省略規定」についても、この制度の趣旨が損なわれない範囲内で患者さん等の 意見も聞いた上で、一定の省略の表記も認めています。  繰り返しになりますが、施行期日はこの4月1日になっていますが、猶予期間として 1年間、来年の3月末の製造ないしは輸入品については、猶予期間を認める。従来どお り、場合によっては表示が無理であればしなくてもかまわないとしていますが、私ども としては、4月以降後も関係業界あるいは患者団体等とも話し合いをしていきまして、 できるだけこの制度が生きるように、いろいろな表記の工夫などを検討しているところ です。来年4月以降はこういうものはきちんと運営されるように、更に努力を重ねたい と思っています。  なお、表示の内容の検証については、書類による追跡調査でやっていくことを考えて います。以上です。 ○事務局  「アレルギー物質を含む食品の表示」について補足させていただきます。参考資料5 です。ただいま説明がありましたように、近年の食物アレルギー患者の増加に対応して 、食物を摂食することにより、誘発されるアレルギー症状を予防する目的で、遺伝子組 換え食品の表示とともに、アレルギー物質を含む食品の表示について、本年4月から義 務化されています。  具体的な表示方法としては、現行の原材料表示に追加して特定原材料、いわゆるアレ ルギー物質を含む食品ですが、それを追加して書くというのが原則のルールです。しか しながら、この4月にこの制度が始まったばかりでどういった形で書けばいいか、ある いはどの程度の量までを書けばいいか、そういった質問がたくさん私どもに寄せられま した。その疑問、質問等を解決するために、本年8月より厚生科学研究の1つとして、 食品表示研究班が発足しました。その中にまたアレルギー患者の親の会の代表の方、あ るいは医師、関係業界の方々、公衆衛生の先生方よりなる「アレルギー表示検討会」が 設けられて、それらの疑問に対する答えを考えていただいたということです。  その後、数回検討をしていただき、10月29日に中間報告として出していただいたもの が参考資料5です。中間報告の要旨を簡単に申し上げますと、ただいま説明がありまし たように、微量原料、キャリーオーバー、加工助剤について、ある一定の方向性が示さ れています。  従来ならば、特定原材料の5品目に関しては、全ての流通段階でどういう量でも書い ていただく、という形で表示のお願いをしていましたが、臨床的な知見あるいは臨床的 、一般的な臨床医の先生方の知見を総合しますと、数μg/gレベル以下のものに関し ては、アレルギーを起すことがほぼないであろうという結論が導かれて、それ以下のも のに関しては今回は表示の必要性は少ないというご解答をいただきました。これに関し てはキャリーオーバー、加工助剤にも応用させていただきたいと考えていて、私どもは この方針に従ってこれからは皆様方の問い合せにお答えをしたいと考えています。  そのほか、当初から問題としてありましたコンタミネーション、あるいはお弁当のよ うな複合調理加工食品の詰め合わせ、たくさん食品が入ってるものの表示に関しては、 まだ整理がついていないので、今後の検討課題として、もうしばらくご検討をお願いし たいと考えています。  余談ですが、「アレルギー物質を含む食品のQ&A」がお手元に置かれていますが、 業者の方々にはこれを参考にして表示をしていただいている、ということを報告いたし ます。以上です。 ○首藤部会長  いまの報告に関して質問がありましたら是非。もういよいよ動き始めるわけですが、 よろしいですか。では、もう1つの報告にまいります。 ○事務局  監視安全課です。「遺伝子組換え食品に係る調査について」報告いたします。参考資 料6です。これは平成13年6月14日に「遺伝子組換え食品に係る表示について」という ことで、制度の周知の徹底であるとか、もしくは遺伝子組換え食品に係る表示の実態で あるということを、把握するために行っているものです。これは保健機能食品について も調査していますが、遺伝子組換え食品の部分について説明させていただきます。  別添1が遺伝子組換え食品の表示の監視指導要領です。これはいろいろ監視指導につ いて書いていますが、基本的には小売店やスーパーマーケット等で、実際に販売されて いる食品について調査をする。それでどのような遺伝子組換えについての表示がなされ ているかの実態を把握するということです。  2の(2)に書いてあるように、これはいま実際に販売をされている小売店、スーパ ーマーケット等で実施することになっています。ここで使用されている可能性が高いと 判断される食品について調査することになっていて、大豆、トウモロコシの加工品を中 心に調査をしているということです。  2頁目、別紙表1のような形でとりまとめることになっています。まだ全体の集計が 必ずしも終わっていませんが、いまの段階で申し上げますと、別紙1については、1万5 ,000弱の施設に立ち入っていて、大体28万余りの食品について調査を行っています。こ の上の所に「表示義務」と「表示義務なし」と書いていますが、もちろん表示義務とい うのは遺伝子組換え食品であるといったところとか、遺伝子組換え不分別というところ ですが、この28万余りの調査のおおよその内訳というか「表示義務なし」が99.9%を占 めている、あと0.1%弱ぐらいが「表示義務あり」というか、「遺伝子組換え」とか、 「遺伝子組換え不分別」という表示がなされているという状況です。  次に小売店とかスーパーの実態調査をやったなかで、遺伝子組換えでないという表示 をしている所については、使っている可能性があって、もしかすると事業者がそういう 表示をしているかもしれないということもあるので、2の(4)に書いているように、 「遺伝子組換え」とか、「遺伝子組換え不分別」の表示がない食品については、各自治 体の1%以上を目途にして、当該食品の製造施設に対する保健所の食品衛生監視員の立 ち入りをしています。もちろん製造施設がない場合もあるので、管轄外の場合にはその 製造施設を持っている自治体にお願いをして、調査をしてもらうことになります。この 結果を表2にまとめることになっています。  8頁、別紙表2、これが「遺伝子組換え食品に係る立入検査状況」です。まだ集計が 完全に終わっていませんが、いまの段階では1万2,000を超える施設に立ち入りをして います。そのうち大体1%強ぐらいの施設が遺伝子組換え食品を取り扱っていたという ことが分かっています。いくつか表示違反といいますか、そういったものも見受けられ ていて、そういったものについては指導と言うか措置をしている状況です。もちろんこ の結果については集計が終わり次第公表をするなり、報告をさせていただければと思い ます。以上です。 ○事務局  続きまして、「国内における遺伝子組換え食品の表示と検出に関する調査要領」、参 考資料7の説明をさせていただきます。本年4月より遺伝子組換え食品の表示義務が課 せられましたが、その中でも大豆、トウモロコシに関しては、加工食品についても表示 の義務がかかっています。しかしながら、現時点では、それらの遺伝子の検出が難しい ということ、それから検出方法が確立してなく、工程法も定められていません。  したがって、実際に加工食品の中に遺伝子組換え食品が含まれているのか、あるいは その含有率がどのくらいかということが、測定することができるかどうかということ、 そしてまた、製造工程により、組換え遺伝子の検出に差はないかどうかを調べる必要が ありまして、その調査と研究を兼ねて、現在、国立医薬品食品衛生研究所において、ご 研究をいただいているところです。  商品の選定に関しては、加工食品として大豆は15品目、トウモロコシは9品目が表示 義務となっています。それぞれ1品目につき、3商品をメドとして、商品の選定を行い 、現在調査中です。この調査結果については2枚目の要領に基づき、来年の3月31日ま でに企画課に報告していただく形をとっています。以上です。 ○首藤部会長  いまの監視指導に関わることについて、ご質問をいただきたいと思います。 ○村上委員  先ほどの表示違反が中にはあって、いずれ報告という、いずれはいつごろですか。 ○事務局  これは、遺伝子組換え食品でないという表示をしている所の施設に立ち入っているわ けでして、現場で食品衛生監視員が立ち入った際に、そういう状況があったと報告を受 けているものです。これはまだ集計が完全ではありませんので、集計のでき次第公表と いいますか、報告をしたいと考えています。 ○首藤部会長  よろしいですか、ほかにいかがですか。いまの監視指導の結果はおおむね大丈夫とい うことですか、それともひどいのですか。まとめてください。一応用意されている議題 はここまでだと思いますが、何かほかにございますか。事務局からありますか。特にな いようでしたら、今日はこれで終わりたいと思います。どうもありがとうございました 。 照会先:厚生労働省医薬局食品保健部企画課 電話 :03−5253−1111(内線2452)