01/11/15 第12回「脳・心臓疾患の認定基準に関する専門検討会」議事録     第12回「脳・心臓疾患の認定基準に関する専門検討会」議事録            日時 平成13年11月15日(木)               18:00〜            場所 労働基準局会議室(16階) ○座長  第12回「脳・心臓疾患の認定基準に関する専門検討会」を開催する。 ○労災補償部長(挨拶)  本専門検討会は、昨年の11月に発足し、1年間の検討を賜り、本日、報告書案を取り まとめると聞いている。よろしくお願いする。  厚生労働省は、検討結果の報告を受けた後、早急に脳・心臓疾患の認定基準の改正に 取りかかるとともに、長時間労働の解消等にも努めていきたいと考えている。 ○座長  昨年の11月から1年間にわたり、12回の専門検討会を開催し、「疲労の蓄積」と「脳 ・心臓疾患の発症」という重要な問題などについて、検討を進めてきたところである。 参集者の皆様の協力により、本日、検討は最終段階に入ったものと考えている。今まで 十分時間をかけて議論し、重要な医学的知見は十分網羅されたと考えている。  検討に入る前に事務局から提出資料について確認、説明をお願いする。 ○事務局  提出資料について確認、説明。 ○座長  検討に入る。まず、第10回及び第11回専門検討会の議事録について確認したい。 ○参集者全員  議事録承認。 ○座長  「脳・心臓疾患の認定基準に関する専門検討会報告書(案)」の検討に入る。この報 告書案については、本日の会議前に既に2回ほど参集者に見ていただいている。その上 で、参集者の意見を踏まえ、修正を行った部分等には、下線を引いている。本日は、修 正をした部分と重要な部分について重点的に議論したい。  報告書のI〜IVについては、既に確認をいただいているので、重要な部分である「V  業務の過重性の評価」について検討したい。まず、86頁の「V−1 過重負荷の考え方 」について事務局に朗読をお願いする。 ○事務局  「V−1 過重負荷の考え方」を朗読 ○座長  過重負荷をどう考えるのか、対象労働者をどう考えるのかということを総論的に述べ ているところである。ここに関して、何か意見等はあるか。 ○参集者全員  (発言なし) ○座長  ないようなので、次の「V−2 長期間にわたる過重負荷の評価」について事務局に 朗読をお願いする。 ○事務局  「V−2 長期間にわたる過重負荷の評価」(90頁5行目まで)を朗読 ○座長  ここでは、長期間にわたる過重負荷をどのように考えるのかを説明している。ここに 関して、何か意見等はあるか。 ○参集者全員  (発言なし) ○座長  ないようなので、次に移る。次の(2)は、労働時間のほか、個々の具体的な要因に ついて説明しているところである。まず、労働時間に関する文献の整理と、文献からど のようなことが言えるかということを記述している。それを受けて、96頁1行目からは 、そこから導かれる考え方を示している。ここは非常に重要であるので、事務局に朗読 をお願いする。 ○事務局  「V−2 長期間にわたる過重負荷の評価」(96頁1行目から97頁終わりまで)を朗読 ○座長  ここは一般的な労働者の1日の生活時間を基におおよその時間外労働時間数を算出し ているところである。何か意見等はあるか。 ○参集者全員  (発言なし) ○座長  ないようなので、次に移る。98頁からは、不規則な勤務等の要因について記述してい る。  それから、105頁の「3 発症に近接した時期における異常な出来事や短期間の過重 負荷の評価」は、いままでの発症に近接した時期についての考え方を整理しているとこ ろである。何か意見等はあるか。 ○参集者全員  (発言なし) ○座長  ないようなので、次に進む。106頁の「Vの4 業務の過重性の評価期間」は重要なの で、事務局に朗読をお願いする。 ○事務局  「V−4 業務の過重性の評価期間」を朗読 ○座長  ここは評価期間を示しているところである。すなわち、この期間は調査期間を示すこ とにもなる。文献によると、今までの調査が大体発症前2、3か月が中心であることを 踏まえ、検討の結果、評価期間として6か月間で十分であるとした。ただ、文献の中に は、調査期間が1年ぐらいのものもあることから、発症前6か月より前の就労実態を示 す明確な資料がある場合には、それも付加的に評価すべきであるとしたところである。 よろしいか。 ○参集者全員  (発言なし) ○座長  次の「V−5 業務の過重性の総合評価」についても非常に重要なところであるので 、事務局に朗読をお願いする。 ○事務局  「V−5 業務の過重性の総合評価」を朗読 ○座長  ここはここまでの医学的、科学的な検討がどのように用いられるのか、実際の運用面 も含めて、記述しているところである。 ○参集者  109頁後段から労働時間による過重性の評価のおおまかな目安について、イとロに分 けて、イの方が関連性が強く、ロの方が関連性が弱いと記述した上で、ロの中でさらに 徐々に強まる旨の記述をしているが分かりにくいのではないか。つまり、最初におおむ ね100時間、80時間で関連性が強い、次におおむね45時間を超える場合、さらにおおむね 45時間を超える時間外労働が認められない場合で関連性が弱いという方が、論理の順序 としては分かりやすいのではないか。すなわち、ロには「徐々に強まる」という記述が 含まれており、必ずしも弱い場合だけをいっているわけではないので、修正した方がよ いのではないか。 ○座長  確かにロの「また」以下のところが「弱いと判断される場合」の中に入っているのは 、分かりにくい。このところはハとして別の項にするよう修文する。 ○参集者  また、ロの1段落目で、「1か月間ないし6か月間」について、もう一度説明を付け 加えているが、その後の「また」のところにはない。むしろ一括して定義した方がいい のではないか。 ○座長  それでは、「発症前1か月間ないし6か月間」の説明は(1)の最後に一括して記述 することとしたい。 ○参集者  さらに、110頁のロの「具体的には」以下が分かりにくい。「1日2時間程度の時間 外労働が継続し」がどこにかかるのか分からない。これはむしろ「1日2時間程度の時 間外労働が必ずしも継続せず、発症前1か月間ないし6か月間にわたって、1か月当た りおおむね45時間を超える時間外労働には至らない」ということなのではないか。 ○座長  では、「1日の時間外労働が2時間程度であって、発症前1か月間ないし6か月間にわ たって、1か月当たりおおむね45時間を超える時間外労働が認められない状態が想定さ れる」と修文する。  次に、110頁下から10行目に「休日が十分確保されている場合は、疲労は回復するも のである」とあるが、時間外労働が100時間であっても休日があれば疲労は回復するも のだととられ、誤った認識になるので、「疲労は、回復ないし回復傾向を示すものであ る」と修文したい。 ○参集者  111頁の最後から4行目に「特に多重のリスクファクターを有する者は、発症のリス クが高いとする報告がある」とあるが、「報告がある」では表現が弱い。エビデンスが 多くあり、報告書案にもデータを挙げているので、強い表現にするべきではないか。 ○座長  では、「特に多重のリスクファクターを有する者は、発症のリスクが極めて高いとさ れている」と修文する。  112頁からは、リスクファクターについて記述している。リスクファクターについて 記述するほか、多重リスクの場合は非常にリスクが高くなること、治療によってリスク は低下すること等について示している。労災認定に当たり、参考にしてもらうとともに 労働者の方々等にリスクファクターの減少に努めてほしいという意味を含め示している 。何か意見はあるか。 ○参集者全員  (発言なし) ○座長  ないようなので、「まとめ」について事務局に朗読をお願いする。 ○事務局  「VII まとめ」を朗読 ○座長  「まとめ」について何か意見等はあるか。 ○参集者全員  (発言なし) ○座長  ないようなので、本日意見をいただいた部分の他、所要の修正を行い、報告書を厚生 労働省労働基準局長に提出したいと思うがよろしいか。 ○参集者全員  承認。 ○座長  これをもって専門検討会を終了する。 ○補償課長(挨拶)  座長をはじめ参集者の皆様におかれましては、昨年10月にこの専門検討会が設置され た後、膨大な文献を検討し、極めて短期間のうちに報告書としてまとめていただき、感 謝申し上げる。この報告書を基に、できるだけ早く認定基準を改正し、適正な運用に努 め、被災労働者の適正な保護が欠けることのないよう、これからも努力していきたいと 考えている。 照会先:労働基準局 労災補償部補償課 職業病認定対策室職業病認定業務第一係     (内線5570)