第5回資料 |
資料2−1 |
1 臨床研修病院における施設基準等の位置づけとこれまでの改善の取組
1 臨床研修は、医師法の規定により、二年以上大学の医学部若しくは大学附置の研究所の附属施設である病院又は厚生労働大臣の指定する病院(臨床研修病院)において行うものとされている。 臨床研修病院の指定については、「臨床研修病院の施設基準」に基づき、医道審議会の意見を聴いて行うこととされている。 |
○ 医師法(昭和二十三年七月三十日 法律第二百一号)
第十六条の二 医師は、免許を受けた後も、二年以上大学の医学部若しくは大学附置の研究所の附属施設である病院又は厚生労働大臣の指定する病院において、臨床研修を行なうように努めるものとする。
○ 臨床研修病院を実施する施設
1 大学附属病院
2 臨床研修病院
【臨床研修病院の指定基準の概要】 |
○単独指定
事項 | 基準 | |
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一般病床約300床以上、又は年間の入院患者実数が3000名以上であり、かつ、病床数及び患者実数が診療各科に適当に配分されていること。 |
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(2)診療科の設置 | 内科、精神科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、ひ尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻いんこう科、及び放射線科の各診療科がそれぞれ独立して設置されていること。 | |
(3)医師数 | ||
a 常勤医師数 | 常勤医師が医療法上の定員を満たしていること。 | |
b 診療科ごと医師数 | (2)の各診療科について、それぞれ適当数の常勤医師が配置されていること。 | |
(4)指導医 | (2)の各診療科毎に十分な指導力を有する指導医が配置されていること。 | |
(5)剖検 | 年間の剖検例が20体以上であり剖検率が30%以上であること、又はその他剖検に関する数値が相当数(年間の剖検例が病床数の10%)以上あること。 | |
(6)救急医療 | 救急医療の研修が実施できること。 | |
(7)中央診療部門 | 臨床検査室、放射線照射室、手術室、分娩室等の機能を示す数値が相当数以上であること。 | |
(8)研修施設等 | 研究、研修に必要な施設、図書、雑誌の整備及び病歴管理等が十分に行われていること、かつ、研究、研修活動が活発に行われていること。 | |
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研修目標、研修計画、指導体制及びその他必要な事項を定めた研修プログラムを有すること。 |
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(10)研修責任者・委員会 | 研修プログラムの管理及び評価を行うため、臨床研修全体についての教育責任者及び委員会を置いていること。 |
○病院群による指定
事項 | 基準 | ||
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(1)主病院と従病院は、相互に診療について機能的な連携があること。 (2)従病院の数は2以下であり、主病院の機能を補う分野が特定されていること。 (3)研修目標、研修計画、指導体制及びその他必要な事項を定めた合同の研修プログラムを有すること。 (4)研修プログラムの管理及び評価を行うため、合同の研修委員会を持ち、主病院の研修における責任が明確であること。 (5)主病院、従病院の各々が研修プログラムに基づく臨床研修についての教育責任者及び委員会をおいていること。 |
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一般病床約300床以上、又は年間の入院患者実数が3000名以上であり、かつ、病床数及び患者実数が診療各科に適当に配分されていること。 |
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(2)常勤医師数 | 常勤医師が医療法上の定員を満たしていること。 | ||
(3)剖検 | 年間の剖検例が20体以上であり剖検率が30%以上であること、又はその他剖検に関する数値が相当数(年間の剖検例が病床数の10%)以上あること。 | ||
(4)研修施設等 | 研究、研修に必要な施設、図書、雑誌の整備及び病歴管理等が十分に行われていること、かつ、研究、研修活動が活発に行われていること。 | ||
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常勤医師が医療法上の定員を満たしている病院であること。なお、大学病院は従病院としない。 | ||
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主病院と従病院を併せて以下に掲げる内容を備えていること。ただし、従病院は主病院を補う分野に限ること。 | ||
(5)診療科の設置 | 内科、精神科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、ひ尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻いんこう科、及び放射線科の各診療科がそれぞれ独立して設置されていること。 | ||
(6)診療科ごと医師数 | (5)の各診療科について、それぞれ適当数の常勤医師が配置されていること。 | ||
(7)指導医 | (5)の各診療科毎に十分な指導力を有する指導医が配置されていること。 | ||
(8)救急医療 | 救急医療の研修が実施できること。 | ||
(9)中央診療部門 | 臨床検査室、放射線照射室、手術室、分娩室等の機能を示す数値が相当数以上であること。 |
臨床研修病院の指定基準及び指定基準の運用
臨床研修病院の指定基準
臨床研修を行う病院のうち、一般病院については以下に掲げる内容を備えたことが原則とされること。ただし、病院群による指定については、「病院群による臨床研修病院の指定基準」による。
第一 施設、人員等に関する基準
1 一般病床約300床以上、又は年間の入院患者実数が3000名以上であり、かつ、病床数及び患者実数が診療各科に適当に配分されていること。
2 内科、精神科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、ひ尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻いんこう科、及び放射線科の各診療科がそれぞれ独立して設置されていること。
3 常勤医師が医療法上の定員を満たしていること。
4 2の各診療科について、それぞれ適当数の常勤医師が配置されていること。
5 2の各診療科毎に十分な指導力を有する指導医が配置されていること。
6 年間の剖検例が20体以上であり剖検率が30%以上であること、又はその他剖検に関する数値が相当数(年間の剖検例が病床数の10%)以上あること。
7 救急医療の研修が実施できること。
8 臨床検査室、放射線照射室、手術室、分娩室等の機能を示す数値が相当数以上であること。
9 研究、研修に必要な施設、図書、雑誌の整備及び病歴管理等が十分に行われていること、かつ、研究、研修活動が活発に行われていること。
第二 研修プログラムに関する基準
1 研修目標、研修計画、指導体制及びその他必要な事項を定めた研修プログラムを有すること。
2 研修プログラムの管理及び評価を行うため、臨床研修全体についての教育責任者及び委員会を置いていること。
病院群による臨床研修病院の指定基準
「病院群による指定」とは、臨床研修を行う複数の病院病院群として指定するものである。病院群による指定は、臨床研修において中心となる病院(以下「主病院」という。)と、主病院の機能を補う病院(以下「従病院」という。)について併せて行い、従病院の補う分野を特定する。
第一 施設、人員等に関する基準
1 病院群に関する基準
(1)主病院と従病院は、相互に診療について機能的な連携があること。
(2)従病院の数は2以下であり、主病院の機能を補う分野が特定されていること。
2 主病院の基準
以下に掲げる内容を備えた総合的な病院であること。
(1)一般病床約300床以上、又は年間の入院患者実数が3000名以上であり、かつ、病床数及び患者実数が診療各科に適当に配分されていること。
(2)常勤医師が医療法上の定員を満たしていること。
(3)年間の剖検例が20体以上であり剖検率が30%以上であること、又はその他剖検に関する数値が相当数(年間の剖検例が病床数の10%)以上あること。
(4)研究、研修に必要な施設、図書、雑誌の整備及び病歴管理等が十分に行われていること、かつ、研究、研修活動が活発に行われていること。
3 従病院の基準
常勤医師が医療法上の定員を満たしている病院であること。なお、大学病院は従病院としない。
4 主病院及び従病院を併せて以下に掲げる内容を備えていること。ただし、従病院は主病院を補う分野に限ること。
(1)内科、精神科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、ひ尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻いんこう科、及び放射線科の各診療科がそれぞれ独立して設置されていること。
(2)(1)の各診療科について、それぞれ適当数の常勤医師が配置されていること。
(3)(1)の各診療科毎に十分な指導力を有する指導医が配置されていること。
(4)救急医療の研修が実施できること。
(5)臨床検査室、放射線照射室、手術室、分娩室等の機能を示す数値が相当数以上であること。
第二 研修プログラムに関する基準
1 病院群に関する基準
(1)研修目標、研修計画、指導体制及びその他必要な事項を定めた合同の研修プログラムを有すること。
(2)研修プログラムの管理及び評価を行うため、合同の研修委員会を持ち、主病院の研修における責任が明確であること。
2 主病院及び従病院の各々が満たさなければならない基準
研修プログラムに基づく臨床研修についての教育責任者及び委員会を置いていること。
臨床研修病院の指定基準及び病院群による臨床研修病院の指定基準の運用
第一 総合的な病院の定義
基準における「総合的な病院」は、病院全体として研修の場にふさわしい病院の機能と研修の機会を有していること。
第二 施設、人員等に関する基準の運用
1 医師数
(1)基準において、「常勤医師(当該病院で定めた医師の勤務時間の全てを勤務し、かつ、1週間当たり40時間以上を当該病院で勤務するもの)が医療法上の定員を満たしていること」としているのは、診療のみに追われることのない充実した臨床研修の確保を図ろうとするものであるから、ここでいう常勤医師数には研修中の医師(卒後2年間に限る)は算入しないこと。常勤医師のみでは医療法上の定員を満たさない場合においては、非常勤医師を常勤換算して医療法上の定員を満たすことにより、暫定的に基準を満たしているものとする。その場合には常勤医師で概ね医療法上の定員を満たしていること。
(2)基準において、「各診療科それぞれに適当数の常勤医師の配置が必要」としているのは診療上のほか、研修指導体制の確立を図るためのものであり、その適当数は内科については5名以上、外科については4名以上、産婦人科については3名以上、精神科、整形外科、小児科、皮膚科、ひ尿器科、眼科、耳鼻いんこう科及び放射線科については2名以上とする。しかしながら、現状から見て医師の確保が難しい診療科(精神科、皮膚科、ひ尿器科、眼科、耳鼻いんこう科、放射線科)については常勤医師1名のほかに非常勤医師を適切に配置することにより適正な研修指導体制が一応確保されていると認められる場合には暫定的に基準を満たしているものとすること。
(3)麻酔科及び検査部門については、臨床研修を行う上で、重視すべきものであるので、これらについても専任医師が配置されていることが望ましい。
(4)臨床研修を行う上で病理機能が欠くことのできない重要な役割を果たしていることに鑑み、専任の常勤病理医を配置すること。その確保が難しい場合にも、非常勤医師を適切に配置することにより適正な体制が確保されていること。
2 指導医の資格
基準において、各診療科毎に十分な指導力を有する指導医を置くことを規定しているが、指導医の資格は原則として次のいずれかの条件に該当するものであること。
(1)少なくとも10年前後の臨床経験を有し、十分な指導力と最近の2年間においても相応の業績発表を有するもの。
(2)各専門学会が認定している認定医等の資格を有するもの。
(3)特定科(精神科、皮膚科、ひ尿器科、眼科、耳鼻いんこう科、放射線科)については少なくとも5年の臨床経験を有し、かつ、その経験、訓練、業績発表等から十分な指導力があると認められるもの。
3 剖検
(1)基準において、「剖検率が30%以上であること」としているが、その算定に当たっては、精神病床、ホスピス病床又は入院48時間以内の死亡退院例で剖検を行わなかったものについては、対象から除くことができること。
(2)基準において、「その他剖検に関する数値が相当数以上あること」とは、年間の剖検例が病床数の数値の10%以上であること。ただし、精神病床又はホスピス病床については、算定の対象から除くことができること。
(3)剖検症例が臨床病理カンファレンス(CPC)等を通じて臨床上十分活用され、また、手術症例に対する病理学的検査が十分行われていること。
なお、当該病院に病理部門が設置され、臨床上剖検等が集中的に実施することが適当な場合は、一定期間病理診断に係る研修を行うことができる。
4 設備
(1)基準において、「研究、研修に必要な図書、雑誌の整備が行われていること」としているが、その内容は、内外の専門図書及び雑誌を有し、かつ、年間少なくとも200万円以上の図書を購入していること。また、十分な図書、雑誌の活用を図るためには専任の職員を置くことが望ましい。
(2)十分な病歴管理が行われるためには、中央病歴管理室が設置され、組織的な病歴管理が行われていること。また、専任の病歴管理者がいることが望ましい。
(3)充実した臨床研修を図るためには宿舎の整備が望ましい。
5 病院群指定
(1)基準において、「相互に診療について機能的な連携があること」としているのは医師の往来、医療機器の共同利用、合同カンファレンス等が組織的に行われている等、具体的に診療について機能的な連携が行われている状態をいう。
(2)主病院と従病院の距離は特に制限するものではないが、地域医療のシステム化を図る趣旨、緊密な連携を保つ必要性等との関係から著しく距離の離れたものは適当ではない。
第三 研修プログラムに関する基準の運用
1 研修目標
基準において、研修プログラムに研修目標を定めることを規定しているが、研修目標については、平成元年6月の臨床研修部会の意見書に示された到達目標が達成されること。
また、研修方法については、昭和48年12月、昭和50年10月、昭和53年3月の医師研修審議会の建議書及び意見書の趣旨に則り、救急医療、初期診療等、プライマリ・ケアの研修が行われるよう関連各科にわたるローテーション方式による研修を行うことが望ましい。
2 研修計画
基準において、研修プログラムに研修計画を定めることを規定しているが、この研修計画には研修目標を達成できるに足る臨床研修全体及び各診療科毎の具体的な実施計画を定めていること。なお、各診療科毎の研修における到達目標を定めることが望ましい。
3 指導体制
基準において、研修プログラムに指導体制を定めることを規定しているが、指導医の氏名、資格及び指導医数等を含めて各診療科毎の指導体制について定めていること。
4 その他研修プログラムに定める事項
基準において、研修プログラムにその他必要な事項を定めることを規定しているが、その内容としては次のとおりとすること。
(1)6研修の評価及び評価に基づいて具体的な研修医の評価方法について定めていること。
(2)7研修施設群に基づいて研修施設群を導入する場合には、当該施設の概要、具体的な実施計画等を定めていること。
5 研修プログラムの公表
研修プログラムは公表することを原則とすること。
6 研修の記録及び評価
研修プログラムに基づいた臨床研修を実施するに当たりその記録及び評価を行うことは、研修医の到達目標の達成の程度を判断するために重要な意義を持つものであり、次のような方法により記録及び評価を行うこと。
(1)教育責任者は、研修医について研修内容の記録及び評価を残すこと。
(2)研修医手帳を作り、研修医に研修内容を記入させ、病歴や手術の要約等を作成するよう指導すること。
(3)研修の評価にあたっては、日本医学教育学会の「卒後初年度臨床研修目標案」も参考にすること。
7 研修施設群
(1)臨床研修病院が、研修施設群として専門病院、中小病院、診療所、老人保健施設、保健所及び社会福祉施設と研修プログラムを組む場合においては、研修施設群全体についての教育責任者及び合同委員会を置き、かつ各施設毎の研修計画等具体的な実施計画を定めること。
その場合、臨床研修病院の研修における責任が明確であること。
(2)研修施設群の各施設毎に第二の2指導医の資格に準ずる資格を有する指導医がいること。なお、保健所においては、所長の他に少なくとも3年以上公衆衛生の実務に従事した経験を有する医師が常勤していること。
設備については、研修を行うのに十分な機能を備えていること。
8 病院群指定
病院群指定において、研修プログラムに基づいた臨床研修を実施するに当たり、2以上の主病院の従病院になることはできるが、その場合は、それぞれの合同研修委員会が十分機能すること、研修医を受け入れる体制に十分な余裕があること等が前提であること。
なお、研修プログラムは、研修モデルプログラム(平成5年3月25日医事第31号厚生省健康政策局医事課長通知)を参考にして定めること。
2 臨床研修病院の指定基準については、昭和49年に基準が通知されて以降、旧医療関係者審議会等の意見を踏まえ、順次、充実改善のための改定がなされてきた。 |
○ 臨床研修病院は、昭和43年の臨床研修制度開始とともに指定が始まったが、医師試験研修審議会において指定基準を公表し、通知を行ったのは昭和49年からである。
(臨床研修病院の指定に係る経過)
時期 | 主な事項 |
(1)昭和43年 | ・ 臨床研修病院を初指定 (108一般病院+18精神病院)(※) |
(2)昭和49年 | ・ 臨床研修病院指定基準の公表・通知 |
(3)昭和59年改正 | 1 診療科に精神科を追加 2 病院群の指定基準を制定 |
(4)平成5年改正 | 1 研修プログラムに関する基準を追加 2 研修施設群を追加 |
(※) 指定基準案は作成されたが、実際には個別具体的に今後の整備可能性等も含めて審査が行われた。
(1) 昭和43年 臨床研修制度発足
○ 医師試験研修審議会臨床研修部会意見書 (昭和43年7月11日) |
◇関係通知 | 「臨床研修を行う病院の指定及び臨床研修の運用について」 (昭和43年7月16日付け医発第843号の3 医務局長通知) |
本審議会は、医師法の改正により新しく発足することとなった臨床研修制度に関し、第1に臨床研修を行う病院の指定について、第2にそれらの病院において行われる臨床研修に関する事項について、部会4回、小委員会2回にわたり審議を続けてきたが、その結果、下記のとおり意見を具申する。
記
1 臨床研修を行う病院の指定について
臨床研修を行なう病院は、新しい臨床研修制度の趣旨に鑑み、内容の充実した水準の高い病院でなければならない。この要請に応えるため、各病院につき、個別に詳細、かつ、厳密な審査をした結果、別紙(注:略)記載の病院を指定の対象とすることが適当であると考える。ただし、精神病院については、その特殊性を考慮し、別途選定されたものである。
2 臨床研修の運用について
臨床研修は、「臨床研修運用方針」の構想により実施することが適当であると考える。なお、「臨床研修計画の参考資料」をとりまとめたので、臨床研修を行う病院が、その実情に即した臨床研修計画を立てる場合の参考とされたい。
3 臨床研修を行う病院の育成について
今回の審査において、指定の対象とした病院であっても、現時点においては、その部門によっては、臨床研修を行う病院として、必ずしも、充分な適格性を有するとは言い難いものも少なくないと見受けられる。
これらの病院については、本審議会として、実地に指導を行う等そのレベルアップに努めるものとするが、国においても、指定後引き続きその整備育成に十分配慮すべきである。
さらに、臨床研修を行う病院全般について、財政措置その他の育成措置が一段と強化されることを強く要望する。
なお、臨床研修を行う病院の育成については、大学においても積極的に協力すべきものであると考える。
(2) 昭和49年 指定基準公表
○ 昭和49年9月20日 医師研修審議会とりまとめ 「臨床研修病院の指定基準」、「同基準の運用」 |
◇関係通知 | 「臨床研修病院の指定基準及び指定基準の運用について」 (昭和49年10月23日付け医発第1125号 医務局長通知) |
(臨床研修病院の指定基準) |
臨床研修を行う病院のうち一般病院については以下に掲げる内容を備えた総合的な病院であることが原則とされること。
1 一般病床約300床以上、又は年間の入院患者実数が3,000名以上であり、かつ、病床数及び患者実数が診療各科に適当に配分されていること。
2 内科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、ひ尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻いんこう科及び放射線科の各診療科がそれぞれ独立して設置されていること。
3 常勤医師が医療法上の定員を満たしていること。
4 2の各診療科について、それぞれ適当数の常勤医師が配置されていること。
5 臨床研修全体についての教育責任者及び研修委員会を置き、かつ、各診療科毎の研修計画等具体的な実施計画を有すること。
6 2の各診療科毎に十分な指導力を有する指導医がおり、かつ、各診療科毎の指導体制が整えられていること。
7 年間の剖検例が20体以上で、かつ、剖検率が30%以上であること。
8 救急医療の研修が実施できること。
9 臨床検査室、放射線照射室、手術室、分娩室等の機能を示す数値が相当数以上であること。
10 研究、研修に必要な施設、図書、雑誌の整備及び病歴管理等が十分に行われていること、かつ、研究、研修活動が活発に行われていること。
(臨床研修病院の指定基準の運用) |
1 医師数
(1) 基準3において、常勤医師が医療法上の定員を満たしていることとしているのは、診療のみに追われることのない充実した臨床研修の確保をはかろうとするものであるから、ここにいう常勤医師数には研修医は算入しないこと。
(2) 基準4において、各診療科それぞれに適当数の常勤医師の配置を必要としているのは診療上のほか、研修指導体制の確立をはかるためのものであり、その適当数は内科については5名以上、外科については4名以上、産婦人科については3名以上、整形外科、小児科、皮膚科、ひ尿器科、眼科、耳鼻いんこう科及び放射線科については2名以上とする。しかしながら、現状からみて医師の絶対数の不足から確保の難しい診療科(例えば、皮膚科、ひ尿器科、眼科、耳鼻いんこう科、放射線科等)については常勤医師1名のほかに非常勤医師を適切に配置することにより適正な研修指導体制が一応確保されていると認められる場合は暫定的に条件を満たしているものとすること。
(3) 麻酔科及び検査科については、臨床研修を行ううえで重視すべきものであるので、これらの科についても専任医師が配置されることが望ましい。
(4) 精神科については、一般研修を効果的に行う上で重視すべきものであるので、常勤医師又は非常勤医師が配置されることが望ましい。
(5) 基準7において剖検例及び剖検率を規定しているが、臨床研修を行ううえで解剖が欠くことのできない重要な役割を果していることにかんがみ、専任の病理解剖医を配置することが望ましい。
2 指導医の資格
基準6において各診療科毎に十分な指導力を有する指導医を置くことを規定しているが、指導医の資格は原則として次のいずれかの条件に該当するものであること。
(1) 少なくとも10年前後の臨床経験を有し、十分な指導力と最近の2年間においても相応の業績発表を有するもの。
(2) 各専門学会が認定している認定医等の資格を有するもの。
(3) 特定科(皮膚科、ひ尿器科、眼科、耳鼻いんこう科、放射線科)についてはすくなくとも5年の臨床経験を有し、かつ、その経験、訓練、業績発表等から十分な指導力があると認められるもの。
3 設備
(1) 基準10において、研究、研修に必要な図書、雑誌の整備が行われていることとしているが、その内容は、内外の専門図書及び雑誌を有し、かつ、図書費として少くとも年額200万円以上計上されていること。又、十分な図書、雑誌の活用をはかるためには専任の職員を置くことが望ましい。
(2) 十分な病歴管理が行われるためには、中央病歴管理室が設置され、組織的な病歴管理が行われていること、及び専任の病歴管理者がいることが望ましい。
(3) 研修医の宿舎の設置に関する規定はないが充実した臨床研修をはかるためには宿舎の整備が望ましい。
4 研修内容
(1) 研修医手帳に研修内容を記入させ、病歴や手術の要約等を作成するよう指導すること。
(2) 教育責任者は、研修医について研修内容の記録及び評価を残すこと。
(3) 研修方法については、昭和48年12月の医師研修審議会の建議の趣旨に則り、救急医療、初期診療等、プライマリーケアーの研修が行われるよう関連各科にわたるローテーシヨン方式による研修を行うことが望ましい。
(3) 昭和59年 指定基準改正
○ 医療関係者審議会臨床研修部会意見書 (昭和59年3月22日) |
◇関係通知 | 「臨床研修病院の指定基準等について」 (昭和59年4月24日付け医発第401号 医務局長通知) |
本部会は、関係者の努力により臨床研修制度が着実に定着してきていることを評価するものであるが、この制度の社会的使命を考慮する場合、更に改善を行い、一層の充実を図る必要があると考えている。
そこで、一昨年来、小委員会を設置し臨床研修制度につき、検討を加えてきたところであるが、当面、改正を要するものとして別添のとおり意見の一致をみたので意見を具申する。
また、臨床研修病院の指定基準及び臨床研修病院の指定基準の運用については、別紙「臨床研修病院の指定基準」、「病院群による臨床研修病院の指定基準」及び「臨床研修病院の指定基準及び病院群による臨床研修病院の指定基準の運用」(注:略)に改正することとしたので、関係者に対し周知方よろしくお取りはからい願いたい。
なお、大学病院における研修の在り方、臨床研修と専門医研修の連携の在り方、研修内容のチェックシステム、指定基準の診療科に麻酔科及び脳神経外科を加えることの可否等については今後と も検討を加える必要があることで意見の一致をみたので念のため申し添える。
(別添)
1 一般病院の指定基準の診療科に精神科を加える。なお、既に指定している臨床研修病院については、一定の経過期間を設ける。
[理由等]臨床研修に占める精神科の重要性に鑑み基準に加えることが必要である。
2 新たに病院群の指定ができるようにする。
その場合の基準は、一般病院の指定基準を準用することとし、新たに次の基準を加える。
[理由等]
(1)土地の確保等の理由から機能を分担した病院が出現している現状と医療のシステム化を図ることが医療行政の重要課題となっている中で、地域の中心的病院が連携を図り、臨床研修を推進することは大いに歓迎すべきことであり、群指定を認めることとする。
(2)従病院は、いろいろの分野や形態が考えられ、そのことが研修をより充実させる要素ともなりうることから、その条件は最小限とした。
(3)充実した研修を行う担保として、合同の研修委員会、合同の研修カリキュラムを持つこと、研修における主病院の責任を明確にした。
【一般病院の指定基準の適用】
指定基準 | 主病院が備えるもの | サポートする病院が備えるもの | 双方併せて備えるもの |
1 一般病床300床、入院患者3,000人 | ○ | ||
2 各診療科の独立 | ○ | ||
3 医療法上の定員 | ○ | ○ | |
4 各診療科の常勤医師 | ○ | ||
5 教育責任者、研修委員会、研修計画 | ○ | ○ | |
6 各診療科の指導医 | ○ | ||
7 剖検20体、30% | ○ | ||
8 救急医療の研修 | ○ | ||
9 検査、放射線、手術、分娩等の機能 | ○ | ||
10 図書、病歴等 | ○ |
【新たに加える必要のある基準等】
(1) 主病院とサポートする病院(以下「従病院」という。)間に診療についての機能的な連携関係があること。
(2) 従病院の数は2以下であること。
(3) 合同の研修委員会、合同の研修カリキュラムを持ち、研修における主病院の責任が明確であること。
(4) 大学病院は、従病院の対象としない。
【指定方法】
臨床研修病院の指定の際、従病院の病院名、サポートする分野を特定して指定する。
3 フォローアップの方法を具体化する。(以下略)
4 必要な指示、指導をするも改善が図られない病院については指定の取消を実施する。(以下略)
(4) 平成5年 指定基準改正
○ 医療関係者審議会臨床研修部会意見書 (平成4年6月10日) |
◇関係通知 | 「臨床研修病院の指定基準等について」 (平成5年3月25日付け健政発第197号 健康政策局長通知) |
医療関係者審議会臨床研修部会臨床研修機能小委員会最終報告(抜粋)
3 臨床研修制度改善の基本的方向
(2) 「研修プログラム」の重視へ
現在の臨床研修制度は,「研修の場」の基準設定を基本としており,医師法第16条の2においても,「医師は,免許を受けた後も,2年以上大学の医学部若しくは大学附置の研究所の附属施設である病院又は厚生大臣の指定する病院において臨床研修を行うように努めるものとする」とのみ規定し,研修内容については特段の規定がない。このため,教育機能を有する大学病院と,厚生大臣が研修機能を具備しているとして指定した臨床研修指定病院を研修の場として定めてきた。主として,病床数,患者数等のハード基準を中心に審査し,かつ,総合病院であるものを指定することになっている。
しかし,研修内容については特段の規定がないため,現状では大学病院や臨床研修指定病院によって臨床研修の水準に格差があり,中には研修医のための臨床研修計画が作成されていない場合もある。あるいは,その研修計画も大学病院又は臨床研修指定病院全体で連携のとれたものではなかったり,単科あるいは単一の臨床の教室内の独立した臨床研修計画のみである例が多く[医学教育に関する特別委員会中間報告(国立大学協会,平成2年6月)],研修医が研修期間中に他科あるいは他病院に移動した場合,研修内容の整合性がとられていないため,非効率な研修が行われているという問題もある。このため,現在のような統一性,連携性の欠如した研修の実態では,「到達目標」を取り入れた研修を実施することが困難であると言わざるを得ない。また,詳しい研修内容が公開されていない病院が多いため,研修医が研修先を選定するに当たっての情報が不足しているという問題もある。
研修内容の改善については,これまでも関係方面より指摘されており,厚生省においても,それまでのストレート方式に加え,昭和55年にはローテイト方式を,昭和60年には総合診療方式を,それぞれ導入するとともに,研修費補助金の単価に差を設けるなど,必要な措置がとられてきた。しかし,実態としてはなお多くがストレート方式をとり,またローテイト,総合診療方式への転換も期待し難い現状である。このまま推移すれば,将来期待される医師の養成が行われない状況となる恐れがある。
今後臨床研修制度が適切な機能を発揮できるよう,早急にその改善を図っていく必要がある。そのためには,従来の「研修の場」を中心とする方式の限界を認識し,臨床研修制度の基本を「研修プログラム」を重視する形へ変えていく必要がある。その際,「研修プログラム」においては,従来の研修科目数,期間を中心とした画一的な3方式の分類にとらわれず,「到達目標」の達成を必要最小限の要件とする他は,研修内容の多様性を容認したフレキシブルな臨床研修制度にすべきである。
卒後臨床研修医を受け入れる施設にあっては,病床数,患者数といった施設の基準のみならず,研修医に対し卒後2年間の臨床研修を効果的に行わせるためのカリキュラムや,指導体制といった研修の内容を重視していく必要がある。そのためには,これらを明示した「研修プログラム」を各施設ごとに作成する必要がある。
「研修プログラム」は,施設の規模により,一つの診療科,教室あるいは研修病院全体など様々な主体が作成することが考えられるが,いずれの場合であっても,研修期間の2年間を通じ一貫した統一プログラムであるべきであり,プログラム毎の企画責任者が明示される必要がある。さらに,これらの研修プログラムに関する情報を一般に公開し,研修医が研修先の選択を幅広く行えるように,各受入れ施設が必要な情報を提供することによって,研修医の流動化を促し,かつ,臨床研修の多様化を図る必要がある。
(3) 研修施設群構想の導入
これまでは,「研修の場」というハード重視のとらえ方をしてきたため,研修医が研修を行う施設としては大学病院又は総合病院である臨床研修指定病院に限られてきた。しかし,研修プログラム重視の考え方を取り入れ,従来の指定基準を満たすことができず,単独では研修医を受入れられなかったいわゆる専門病院,中小病院,診療所,更には保健所,老人保健施設,社会福祉施設等であっても一定の基準を満たすものは,大学病院又は臨床研修指定病院と研修施設群を組むことによってそれらが全体として研修内容の目的を達成できるのであれば,ユニークかつ実践的な臨床研修を提供する場となり得るようにするべきである。
「研修の場」を大学病院あるいは臨床研修病院に限り,そこで自己完結的に臨床研修を終了させるという考えのみではなく,両者の長所を取り入れ,更には特色ある地域医療機関を研修の場として組み込むことが必要である。このことは,医学教育に関する特別委員会報告(国立大学協会,平成2年6月)や臨床研修懇談会報告(I)(日本医師会,平成3年3月),臨床研修懇談会報告(II)(日本医師会,平成4年3月)にも指摘されているところであり,考え方として既に多方面で容認されている。
したがって,今後は研修プログラムに従って「到達目標」達成が可能であれば,基幹病院 (大学病院又は臨床研修指定病院)のみでなく,関連施設(専門病院,中小病院,診療所,保健所,老人保健施設,社会福祉施設等)にも研修の場を拡げることを認める研修施設群構想を新たに取り入れる必要がある。
少産少死や高齢化社会における多様な医療に対応する医師の養成という立場からすれば,卒直後の研修において,多様な医療施設及びその関連施設の医療を体験することは有意義なことであり,施設間連携のためにも役立つものと考えられる。
研修施設群で研修を実施することになれば,とかく,その責任体制などがなおざりにされる可能性もある。これを防ぐため施設群の各施設の研修責任者から成る合同研修委員会を設置するなど研修に関する調整機能を果たす仕組みを設けることなどにより,責任体制を確立する必要がある。なお,研修施設群において研修中の研修医は,施設群全体の研修医として位置づけられるよう,運営上の工夫を必要としよう。
(以下略)
第5回資料 |
資料2−2 |
1 臨床研修病院の指定状況
◎ 臨床研修病院の指定状況 |
1 開設者別臨床研修病院数(平成13年4月1日現在)
病院数 | 合計 | 開設者別 | |||
国 | 公的 | その他 | |||
合計 | 476 | 68 | 222 | 186 | |
一般 | 461 | 64 | 213 | 184 | |
精神 | 15 | 4 | 9 | 2 | |
病院群 | 主病院 | 118 | 8 | 47 | 63 |
従病院 | 131(58) | 15( 9) | 43(28) | 73(21) |
注:病院群は再掲であり、また、従病院の( )は単独での既指定施設等の重複分である。(再掲))
2 病床規模別臨床研修病院数(平成13年4月1日現在)
◎ 病床規模別にみると、単独指定では500床規模の病院が 24.7%と最も多く、病院群指定の主病院では300床規模の病院が 40.7%と最も多くなっている。
病床規模別病院数(平成13年4月現在)
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(注)精神指定病院は除く。 |
2 臨床研修病院の状況
(1) 指導医の状況 |
◎ 病床規模別に平均指導医数をみると、単独指定では全体で 47.5人であり、病院群指定の主病院では 35.1人となっている。
病床規模別平均指導医数(平成9年度)
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(平成9年度厚生省健康政策局医事課調べ) |
(2) 研修医の状況 |
◎ 研修医の受入数をみると、単独指定では平均 13.2人であるのに対し、病院群指定では、主病院 6.5人、従病院 1.1人の受け入れとなっている。
病床規模別平均研修医数(平成9年度)
(注) 全体平均は、無回答病院を除く。 |
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(平成9年度厚生省健康政策局医事課調べ) |
(3) 剖検の状況 |
◎ 剖検の状況をみると、単独指定では45.7件、病院群指定では43.6件であり、対死亡数、対病床数のいずれにおいても剖検率の基準を下回っている。
病床規模別剖検数(平成9年度)
(注) 全体平均は、無回答病院を除く。 |
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(平成9年度厚生省健康政策局医事課調べ) |
(4) 病院群が担う診療領域の状況 |
◎ 病院群(118群)の状況をみると、従病院数については1の従病院と群を構成しているものが96群、2の従病院と構成するものが22群となっている。
また、診療領域別内訳では、精神科に係る連携を行うものが96群と最も多く次いで皮膚科、産婦人科の順となっている。
病院群について
合計 | 構成割合 (%) |
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病院群合計 | 118 | 100 |
【従病院数別内訳】 | ||
1従病院 | 96 | 81.4 |
2従病院 | 22 | 18.6 |
【診療領域別内訳】 | ||
精神科 | 96 | 81.4 |
皮膚科 | 27 | 22.9 |
施設有の内訳 産婦人科 | 21 | 17.8 |
放射線科 | 19 | 16.1 |
施設有の内訳 耳鼻科 | 18 | 15.3 |
泌尿器科 | 12 | 10.2 |
施設有の内訳 小児科 | 10 | 8.5 |
眼科 | 10 | 8.5 |
施設有の内訳 内科 | 1 | 0.8 |
整形外科 | 1 | 0.8 |
救急 | 1 | 0.8 |
(注)申請時のもの
(5) 研修施設群の状況 |
◎ 研修施設群の状況について、平成9年度から13年度指定の5年分についてみると、施設群を構成するものは合計45臨床研修病院( 36.9%)であり、研修領域は、放射線治療、精神病棟研修などが多くなっている。
研修施設群について(平成9年度〜13年度指定分にかかる状況)
合計 | 構成割合 (%) |
単独指定 | 構成割合 (%) |
病院群指定 | 構成割合 (%) |
|
臨床研修病院数 合計 | 122 | 100 | 36 | 100 | 86 | 100 |
研修施設群 なし | 77 | 63.1 | 21 | 58.3 | 56 | 65.1 |
研修施設群 あり | 45 | 36.9 | 15 | 41.7 | 30 | 34.9 |
(内訳) | ||||||
施設有の内訳 放射線治療の研修 | 18 | 14.8 | 3 | 8.3 | 15 | 17.4 |
精神病棟の研修 | 12 | 9.8 | 7 | 19.4 | 5 | 5.8 |
その他 ※ | 15 | 12.3 | 5 | 13.9 | 10 | 11.6 |
(注) | 1 申請時のもの 2 ※は、へき地診療所、老人保健施設等 |
第5回資料 |
資料2−3 |
1 医師法抜粋(臨床研修関係部分)
○ 医師法(昭和二十三年七月三十日 法律第二百一号 |
第三章の二 臨床研修
第十六条の二 | 診療に従事しようとする医師は、二年以上、医学を履修する課程を置く大学に附属する病院又は厚生労働大臣の指定する病院において、臨床研修を受けなければならない。 |
2 | 厚生労働大臣は、前項の規定により指定した病院が臨床研修を行うについて不適当であると認めるに至つたときは、その指定を取り消すことができる。 |
3 | 厚生労働大臣は、第一項の指定又は前項の指定の取消しをしようとするときは、あらかじめ、医道審議会の意見を聴かなければならない。 |
4 | 第一項の規定の適用については、外国の病院で、厚生労働大臣が適当と認めたものは、同項の厚生労働大臣の指定する病院とみなす。 |
第十六条の三 | 臨床研修を受けている医師は、臨床研修に専念し、その資質の向上を図るように努めなければならない。 |
第十六条の四 | 厚生労働大臣は、第十六条の二第一項の規定による臨床研修を修了した者について、その申請により、臨床研修を修了した旨を医籍に登録する。 |
2 | 厚生労働大臣は、前項の登録をしたときは、臨床研修修了登録証を交付する。 |
第十六条の五 | 前条第一項の登録を受けようとする者及び臨床研修修了登録証の書換交付又は再交付を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納めなければならない。 |
第十六条の六 | この章に規定するもののほか、第十六条の二第一項の指定、第十六条の四第一項の医籍の登録並びに同条第二項の臨床研修修了登録証の交付、書換交付及び再交付に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。 |
附則(平成一二年一二月六日法律第一四一号)抄
(指定病院に係る経過措置)
第九条 | 附則第一条第一号に掲げる規定の施行の際現に第四条の規定による改正前の医師法第十六条の二第一項の規定による指定を受けている病院は、第四条の規定による改正後の医師法第十六条の二第一項の規定による指定を受けている病院とみなす。 |
2 必修化に向け審議された審議会の報告書等における施設基準等に係る部分の抜粋
1 医療関係者審議会医師臨床研修部会とりまとめ(平成11年2月) |
3 研修内容
○ 研修の到達目標は、「卒後臨床研修目標」に基本的に沿うものとする。当該目標については、インフォームド・コンセントや医薬品の適正使用など科学的根拠に基づく医療の提供等の観点から見直しを行う。
○ 内科系及び外科系の双方を含む複数の診療科で研修を行うとともに、救急医療等の研修の機会の確保について研修プログラムの中に明確に位置付ける。
○ 研修の場を臨床研修病院等だけに限るのではなく、「病院群」や「研修施設群」による研修等多様なものとする。
4 質の確保
○ 現行の臨床研修病院の指定基準については、研修指導体制を含む新たな基準を示すとともに、指導医の質の向上を図る。
○ 研修プログラムについては、各臨床研修病院等は「卒後臨床研修目標」に基づき、研修期間の2年間を通じ一貫したプログラムを作成することとする。臨床研修病院等の指定の際、当該プログラムの内容についても当該病院の特色・多様性を尊重しつつ審査を行う。
○ 研修医の幅広い選択に資するよう、研修プログラムに関する情報は一般に公開する。
○ 臨床研修病院等の指定について定期的に確認を行い、当該結果を踏まえた改善の指導や取消等により臨床研修病院等の質の確保を図る。
2 医師の卒後臨床研修に関する協議会とりまとめ(平成12年1月) |
5 研修の実施体制
一病院にとどまることなく、複数の研修施設を含めた幅広い研修を行う体制の整備が必要。また、研修施設間の連携が不可欠であること。
病院群で行う場合、「従たる病院が2以下」という現行基準を見直し、必要とする数の教育連携病院において研修が行えるようにすべき。
研修医の数は、病床数だけでなく、指導医の数、年間の患者数(外来及び入院)や症例数などを考慮して決めるべき。
6 研修施設の基準
数値的基準のほかに,評価できるプログラムが確立していることが重要。
当直に配慮して、研修医のルーム・アンド・ボードを備えるなどの施設基準の見直しが必要。
剖検については、年間の剖検例20体以上かつ剖検率30%以上という現行基準を見直す等、現在の臨床研修病院指定基準の再検討が必要。
研修施設として指定を受けた後も、基準を満たしているか適切にフォローアップを行うことが必要。
大学附属病院の制度上の位置づけについては、従来通りとすべき。
3 臨床研修関係要望等一覧(臨床研修病院の指定基準等に関連するもの)
◎ 概要 |
*全文についてはPDFファイルをご利用ください
1 四病院団体協議会(平成13年5月)
○ 臨床研修指定病院の独自性を強化し、地域医療に貢献している中小民間病院も含め、研修病院・診療所群という概念で全人的な教育制度を確立する。
2 全国公私病院連盟(平成13年8月)
○ 臨床研修病院の指定基準として、剖検数の基準を緩和又は削除されたいこと。
3 全日本民主医療機関連合会(平成13年9月)
○ 国民の立場に立った、今後養成すべき医師像について明確にし、プライマリ・ケア重視の全人的、総合的な制度へと充実すること。
○ 臨床研修病院の基準を抜本的に見直し適正な配置を行うこと。
4 地域医療研究会
21世紀の医療をつくる若手医師の会(平成13年9月)
○ 病床数や診療科目などのハード面にとらわれた現行の施設認定ではなく、研修医が主たる研修施設とともに作成するプログラムによる「研修認定」を行うことを提案。
5 全国自治体病院協議会(平成13年10月)
○ 臨床研修プログラムの一定期間を中小自治体病院においても実施できるようにするため、現行の臨床研修病院の指定基準を「臨床研修病院は必ず医療圏内にある他の一つ以上の中小自治体病院と群を形成して指定を受けること」と改正願いたい。また、「常勤医師数が医療法上の定員を満たしていること」等施設、人員に関する基準を緩和願いたい。
6 全国国民健康保険診療施設協議会(平成13年10月)
○ 臨床研修指定病院若しくは診療所に関しては、病床数にかかわらず、地域包括医療(ケア)を実践している施設をも対象とすること。
○ 地域包括医療(ケア)を実践している国民健康保険直営診療施設及びこれに併設する介護老人保健施設・介護老人福祉施設等を含めて指定を受けることができるように法令を整備されたい。
第5回資料 |
資料3 |
1 現状における問題点について
2 複数施設での研修について
3 多様な施設での研修について
4 充分な研修の場の確保について