審議会議事録  厚生労働省ホームページ

第4回 厚生科学審議会生殖補助医療部会

議事次第

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○ 日時平成13年9月17日(月)14:00〜17:00

○ 場所厚生労働省共用第7会議室
(第5合同庁舎(厚生労働省)5階)

○ 議事

 1.検討課題1について

 2.その他

○ 資料

 1.提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療の実施及び精子・卵子・胚の提供の条件(検討課題1)
−「生殖補助医療技術に関する専門委員会」報告書において提示された条件及びその具体化のための要検討事項(案)(第2次改訂後(平成13年9月17日版))−

 2.相良委員からお寄せいただいた御意見 PDF(41KB)

○ 参考資料

 ○ 御意見募集で寄せられた意見(平成13年8月25日〜9月10日)

照会先:雇用均等・児童家庭局 母子保健課
03−5253−1111(代)
桑島(内線:7933)
小林(内線:7940)


資料1

○ 提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療の実施
及び精子・卵子・胚の提供の条件(検討課題1)

−「生殖補助医療技術に関する専門委員会」報告書において
提示された条件及びその具体化のための要検討事項(案)−
(第2次改訂後(平成13年9月17日版))


※1 本資料は、厚生科学審議会生殖補助医療部会における「提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療の実施及び精子・卵子・胚の提供の条件」(検討課題1)の具体的な検討に資するため、事務局において、主要な検討項目と考えられる項目ごとに「精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療のあり方についての報告書」(生殖補助医療技術に関する専門委員会報告書(平成12年12月28日とりまとめ。以下「専門委員会報告書」という。)の関係部分を抜き出し、それぞれについて想定される要検討事項を暫定的に整理したものである。

※2 p○○とあるのは、「「精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療のあり方についての報告書」関係資料集」中の該当ページを示す。

※3 ゴシック体の部分については、専門委員会報告書における結論部分(四角囲みの部分)、明朝体の部分については、結論の説明部分(四角囲みの下)に記載されている部分である。

※4 「日本産科婦人科学会会告「「非配偶者間人工授精と精子提供」に関する見解」」とは、日本産科婦人科学会「非配偶者間人工授精と精子提供」に関する見解」(平成9年5月)及び「“非配偶者間人工授精と精子提供に関する見解”に対する考え方(解説)」を示すものである。
 また、「日本産科婦人科学会会告「「多胎妊娠」に関する見解」」とは、日本産科婦人科学会「多胎妊娠」に関する見解」(平成8年2月)及び「“多胎妊娠に関する見解”の解説」を示すものである。

※5 波線部が前回からの変更部分である。

※6 ●は決定事項である。


1 提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療の実施の条件

(1) 提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療を受けることができる者の条件

⇒(参考)日本産科婦人科学会会告「「非配偶者人工授精と精子提供」に関する見解」1.及び2.(p112、113)

(1)提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療全般に関わる条件

○ 子を欲しながら不妊症(※)のために子を持つことができない法律上の夫婦に限る。(p22)

※ 生殖年齢の男女が挙児を希望しているにもかかわらず、妊娠が成立しない状態であって、医学的措置を必要とする場合をいう。(p19)

(要検討事項)
⇒ウィルス性の性感染症や遺伝性疾患を理由とした提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療の実施は認めないということでよいか?

● 本部会の検討課題とはしない。

○ 加齢により妊娠できない夫婦は対象とならない。(p22)

(要検討事項)
⇒「加齢により妊娠できない」ことの具体的な判定基準はどのように設定するか?
 (医師の裁量とするか?具体的な年齢制限を設けるか?自然閉経を基準とするか?)
↓(以下追加)

(案1)医師の裁量とするが、自然閉経の平均年齢である50歳ぐらいを目安とし、それを超えて妊娠できない場合には、「加齢により妊娠できない」こととみなす旨の判定基準を国として示す。
(案2)医師の裁量とするが、自然閉経を基準とし、自然閉経をもって、「加齢により妊娠できない」こととみなす旨の判定基準を国として示す。
(案3)医師の裁量とする(国としては、「加齢により妊娠できない」という以上の具体的な判定基準は示さない。)。

⇒子の福祉の観点から、夫婦が子育てに耐えられるという要件も必要なのではないか?
(医師の裁量とするか?具体的な基準を設定するか?)

↓(以下追加)

(案1)医師の裁量とする(法律・ガイドラインを含め、国としては、上記のような基準は特に示さない。)。
(案2)夫婦の年齢のみならず、健康状態、経済状況、精神的安定度などの子どもを安定して養育できるかを、提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療の実施に関する全般的な基準として国が示す。
←(関連)生まれた子どもを安定して養育していけるかについてのカウンセリング(検討課題2)

⇒特別養子制度のように、親となるものの年齢の下限を設けないのでよいのか?

○ 自己の精子・卵子を得ることができる場合には、それぞれ精子・卵子の提供を受けることはできない。(p22)

(要検討事項)
⇒「自己の精子・卵子を得ることができる」ことの具体的な判定基準はどのようにするか?
○ 医師の裁量とするか?具体的な判定基準を設定するか?
 (以下、具体的な判定基準を設定する場合)
○ 成熟した精子・卵子がそれぞれ精巣内・卵巣内に存在する場合に限定するか?精子・卵子の形成過程における受精能力を持った生殖細胞が存在する場合にも「自己の精子・卵子を得ることができる」こととするか?(これらについては、精巣や卵巣の生検によって最終判断するのか?また、この場合には、「受精能力を持った生殖細胞」とは、精子・卵子の形成過程におけるいかなる段階以降の生殖細胞(精母細胞、卵母細胞、精子細胞、卵子細胞等)を指すのかを具体的に定めるのか?)
○ 精子・卵子に受精を困難にする形態的・質的な明らかな異常があり、顕微授精などを数回実施しても、受精しない場合には「自己の精子・卵 子を得ることができない」とみなすのか?(この場合、精子・卵子の提供を受ける要件として、それまでに受けるべき配偶者間の生殖補助医療の種類、回数等を具体的に定めるのか?)
○ 精子・卵子に受精の可能性を極めて乏しくする形態的・質的な明らかな異常(高度な奇形精子症、死滅精子症等)がある場合、顕微授精などを実施しなくとも、それだけで「自己の精子・卵子を得ることができない」とみなすのか?

↓(以下追加)

● 医師の裁量とする(法律やガイドラインで、国として義務的な基準は示さない。)。

 ただし、国が実施に当たっての準則となる考慮すべき基準を示す。
 具体的な基準については、精子・卵子・胚ごとに設ける((1)〜(4)参照)。

⇒精子・卵子の提供を受けることができる者について優先順位を設けるか?
 (無精子症、ターナー症候群・卵巣機能不全などで物理的に精子又は卵子が存在しない者に優先的に提供することとするのか?提供を受ける者の年齢や既に何人子どもを有しているかなどで優先順位を設けるのか?)

↓(以下追加)(優先順位について、(1)〜(4)において同じ。)

(案1)法律やガイドラインを含め、国として基準は特に示さない。
(案2)法律やガイドラインで、国として義務的な基準は示さない。ただし、国が実施に当たっての準則となる考慮すべき基準を示す。
具体的な考慮すべき基準としては、
(案2−1)待機期間を基準とする優先順位を示す(先着順)。
(案2−2)医学的理由(無精子症、ターナー症候群・早発閉経など)や待機期間、その他の理由(年齢、既に有している子どもの人数など)などを総合した優先順位を示す。

(上記の関連検討事項)((1)〜(4)において同じ。)
⇒精子・卵子・胚の需給の情報を全国一元で管理し、それをもとに提供者と提供を受ける者をコーディネートするシステムの構築が必要なのではないか?
 (すべての精子・卵子・胚の配分を情報を一元管理する機関に委ねるか?自己の医療施設に適当な精子・卵子・胚が存在しない場合に、情報を一元管理する機関に問い合わせ、情報を一元管理する機関にマッチングや提供をコーディネートしてもらえる程度にとどめるか?十分な提供を得られる見込みのある精子は、コーディネートの必要性が薄いため、卵子・胚のみをコーディネートの対象とするか?)
 ←(関連)公的管理運営機関の管理する情報の範囲(検討課題3)

(2) 各々の提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療ごとに適用される条件

(1) AID(提供精子による人工授精)(p25)

○ 精子の提供を受けなければ妊娠できない夫婦のみが、提供精子による人工授精を受けることができる。

(要検討事項)
⇒「精子の提供を受けなければ妊娠できない」ことの具体的な判定基準はどのように設定するか?
○ 医師の裁量とするか?具体的な判定基準を設定するか?
 (以下、具体的な判定基準を設定する場合)
○ 成熟した精子が精巣内に存在しない場合とするか?成熟した精子のみならず精子の形成過程における受精能力を持った生殖細胞も存在しない場合のみ「精子の提供を受けなければ妊娠できない」こととするか?(これらについては、精巣の生検によって最終判断するのか?また、この場合には、「受精能力を持った生殖細胞」とは、精子の形成過程におけるいかなる段階以降の生殖細胞(精母細胞、精子細胞等)を指す のかを具体的に定めるのか?)
○ 精子に受精を困難にする形態的・質的な明らかな異常があり、顕微授精などを数回実施しても、受精しない場合にも「精子の提供を受けなければ妊娠できない」とみなすのか?(この場合、精子の提供を受ける要件として、それまでに受けるべき配偶者間の生殖補助医療の種類、回数等を具体的に定めるのか?)
○ 精子に受精の可能性を極めて乏しくする形態的・質的な明らかな異常(高度な奇形精子症、死滅精子症等)がある場合、顕微授精などを実施しなくとも、それだけで「精子の提供を受けなければ妊娠できない」とみなすのか?

↓(以下追加)

● 医師の裁量とする(法律やガイドラインで、国として義務的な基準は示さない。)。
 ただし、国が実施に当たっての準則となる考慮すべき基準を示す。
 具体的な基準については、日本産科婦人科学会の会告(「非配偶者間人工授精と精子提供」に関する見解」1.及びその解説(p112))に準ずる。

⇒精子提供についての優先順位を設けるか?
 (無精子症などで物理的に精子が存在しない場合に優先的に提供することとするのか?提供を受ける者の年齢や既に何人子どもを有しているかなどで優先順位を設けるのか?)

(上記参照)

(2) 提供精子による体外受精(p25)

○ 女性に体外受精を受ける医学上の理由があり、かつ精子の提供を受けなければ妊娠できない夫婦に限って、提供精子による体外受精を受けることができる。

(要検討事項)
⇒「女性に体外受精を受ける医学上の理由がある」ことの具体的な判定基準はどのように設定するか?
 (医師の裁量とするか?具体的な疾患や必須の医学的検査とその結果などの具体的な判定基準を定めるか?)

⇒「精子の提供を受けなければ妊娠できない」ことの具体的な判定基準はどのように設定するか?(AIDの場合と同じ。)

↓(以下追加)

(上記の2つの要検討事項に関して、)
● 医師の裁量とする(法律やガイドラインで、国として義務的な基準は示さない。)
  ただし、国が実施に当たっての準則となる考慮すべき基準を示す。
  具体的な基準については、
  •  「精子の提供を受けなければ妊娠できない」ことについては、日本産科婦人科学会の会告(「非配偶者間人工授精と精子提供」に関する見解」1.及びその解説)に準ずる。(AIDの場合と同じ。)
  •  「女性に体外受精を受ける医学上の理由がある」ことについては、(以下、要検討)
   (案1) 日本産科婦人科学会の会告(「体外受精・胚移植」に関する見解」1.及び3.並びにその解説(p94))に準ずる。
   (案2) 日本産科婦人科学会の会告(「体外受精・胚移植」に関する見解」1.及び3.並びにその解説(p94))に準ずる。ただし、「機能性不妊」や「原因不明不妊」、「AIDの施行回数」などの基準を別途示す。

⇒精子提供についての優先順位を設けるか?(AIDの場合と同じ。)

(上記参照)

(3) 提供卵子による体外受精(p26)

○ 卵子の提供を受けなければ妊娠できない夫婦に限って、提供卵子による体外受精を受けることができる。

(要検討事項)
⇒「卵子の提供を受けなければ妊娠できない」ことの具体的な判定基準はどのように設定するか?
○ 医師の裁量とするか?具体的な判定基準を設定するか?
 (以下、具体的な判定基準を設定する場合)
○ 成熟した卵子が卵巣内に存在しない場合とするか?成熟した卵子のみならず、卵子の形成過程における受精能力を持った生殖細胞も存在しない場合のみ「卵子の提供を受けなければ妊娠できない」こととするか?(これらについては、卵巣の生検によって最終判断するのか?また、この場合には、「受精能力を持った生殖細胞」とは、卵子の形成過程におけるいかなる段階以降の生殖細胞(卵母細胞、卵子細胞等)を指すのかを具体的に定めるのか?)
○ 卵子に受精を困難にする形態的・質的な明らかな異常があり、顕微授精などを数回実施しても、受精しない場合にも「卵子の提供を受けなければ妊娠できない」とみなすのか?(この場合、卵子の提供を受ける要件として、それまでに受けるべき配偶者間の生殖補助医療の種類、回数等を具体的に定めるのか?)
○ 卵子に受精の可能性を極めて乏しくする形態的・質的な明らかな異常がある場合、顕微授精などを実施しなくとも、それだけで「卵子の提供を受けなければ妊娠できない」とみなすのか?

↓(以下追加)

● 医師の裁量とする(法律やガイドラインで、国として義務的な基準は示さない。)。
 ただし、国が実施に当たっての準則となる考慮すべき基準を示す。
 具体的な基準については、?(卵子のエイジングに起因する妊孕力の低下の問題を含め、要検討)

⇒ 卵子提供についての優先順位を設けるか?
 (ターナー症候群、早発卵巣不全などで物理的に卵子が存在しない場合に優先的に提供することとするのか?提供を受ける者の年齢や既に何人子どもを有しているかなどで優先順位を設けるのか?)

(上記参照)

(4) 提供胚の移植 (p27)

○ 胚の提供を受けなければ妊娠できない夫婦が、提供された余剰胚(※)の移植を受けることができる。
※ 他の夫婦が自己の胚移植のために得た胚であって、当該夫婦が使用しないことを決定したもの(p27)

(要検討事項)
⇒「胚の提供を受けなければ妊娠できない」ことの具体的な判定基準はどのように設定するか?
○ 医師の裁量とするか?具体的な判定基準を設定するか?
 (以下、具体的な判定基準を設定する場合)
○ 成熟した精子・卵子の両方がそれぞれ精巣内・卵巣内に存在しない場合とするか?成熟した精子・卵子のみならず、精子・卵子の形成過程における受精能力を持った生殖細胞も存在しない場合のみ「胚の提供を受けなければ妊娠できない」こととするか?(これらについては、精巣・卵巣の生検によって最終判断するのか?また、この場合には、「受精能力を持った生殖細胞」とは、精子・卵子の形成過程におけるいかなる段階以降の生殖細胞(精母細胞、卵母細胞、精子細胞、卵子細胞等)を指すのかを具体的に定めるのか?)
○ 精子・卵子の両方に受精を困難にする形態的・質的な明らかな異常があり、顕微授精などを数回実施しても、受精しない場合にも「胚の提供を受けなければ妊娠できない」とみなすのか?(この場合、胚の提供を受ける要件として、それまでに受けるべき配偶者間・非配偶者間の生殖補助医療の種類、回数等を具体的に定めるのか?)
○ 精子・卵子の両方に受精の可能性を極めて乏しくする形態的・質的な明らかな異常(高度な奇形精子症、死滅精子症等)がある場合、顕微授精などを実施しなくとも、それだけで「胚の提供を受けなければ妊娠できない」とみなすのか?
 ○ 精子・卵子の一方に、受精を困難にする形態的・質的な明らかな異常がないにもかかわらず、「提供精子による体外受精」又は「提供卵子による体外受精」により、受精しないとき(原因不明の場合)にも「胚の提供を受けなければ妊娠できない」とみなすのか?
○ 「提供精子による体外受精」又は「提供卵子による体外受精」により、受精卵は得られるが、提供を受ける者の卵子又は精子の状態が悪いため、受精卵の状態が悪く着床の見込みがない場合にも「胚の提供を受けなければ妊娠できない」とみなすのか?

⇒胚の提供についての優先順位を設けるか?
 (提供を受ける者の両方が無精子症、ターナー症候群・卵巣機能不全などで物理的に精子・卵子の両方が存在しない場合に優先的に提供することとするのか?提供を受ける者の年齢や既に何人子どもを有しているかなどで優先順位を設けるのか?)

○ ただし、卵子の提供を受けなければ妊娠できない夫婦も、卵子の提供を受けることが困難な場合には、提供された余剰胚の移植を受けることができる。

(要検討事項)
⇒「卵子の提供が困難な場合」の具体的な判定基準をどのように設定するか?
 (実施医療施設の判断に委ねるか?全国的な卵子の提供状況を勘案して判断するか?)
 ←(関連)公的管理運営機関の管理する情報の範囲(検討課題3)

⇒「卵子の提供」が困難な場合に、「卵子のシェアリング」(後述)と「兄弟姉妹等からの卵子の提供」(後述)と上記による「余剰胚の提供」をどのような優先順位で適用するか?

○ また、胚の提供を受けなければ妊娠できない夫婦は、余剰胚の提供を受けることが困難な場合には、精子・卵子両方の提供によって得られた胚の移植を受けることができる。

(要検討事項)
⇒「余剰胚の提供が困難な場合」の具体的な判定基準をどのように設定するか?

 (実施医療施設の判断に委ねるか?全国的な余剰胚の提供状況を勘案して判断するか?)

 ←(関連)公的管理運営機関の管理する情報の範囲(検討課題3)

⇒「余剰胚の提供」が困難な場合に、「兄弟姉妹等からの余剰胚の提供」(後述)と上記による「精子・卵子両方の提供によって得られた胚の移植」のどちらを優先するか?

(2) 子宮に移植する胚の数の条件

⇒(参考)日本産科婦人科学会会告「「多胎妊娠」に関する見解」(p110、111)

○ 体外受精・胚移植又は提供胚の移植に当たって、1回に子宮に移植する胚の数は、原則として2個、移植する胚や子宮の状況によっては、3個までとする。(p43)

(要検討事項)
⇒「移植する胚や子宮」がどのような状況にあれば、胚を3個まで移植することを認めるか?
 (医師の裁量とするか?具体的な判定基準を設定するか?具体的な判定基準を設定する場合にはVEECK分類(※)によるか?)

 ※ 受精卵の形態的分類。受精卵卵割球における形態の均質性の程度と、フラグメンテーション(小さな細胞質の断片)の程度によってGrade1からGrade5の5段階に分類され、Grade1からGrade5の順に高い妊娠率が期待される。



2 精子・卵子・胚の提供の条件

(1)精子・卵子・胚を提供できる者の条件

⇒(参考)日本産科婦人科学会会告「「非配偶者人工授精と精子提供」に関する見解」4.(p112,113)

(1) 提供者の年齢及び自己の子どもの有無

○ 精子を提供できる人は、満55歳未満の成人とする。(p29)
○ 卵子を提供できる人は、既に子のいる成人に限り、満35歳未満とする。ただし、自己の体外受精のために採取した卵子の一部を提供する場合には、卵子を提供する人は既に子がいることを要さない。(p29)

※ 他の夫婦が自己の体外受精のために採取した卵子の一部の提供を当該卵子の採卵の周期に要した医療費等の経費の半分以下を負担して受け、当該卵子を用いて提供卵子による体外受精を受けることも認める。(p29)

(2) 同一の者からの卵子提供の回数制限

○ 同一の人からの卵子の提供は3回までとする。(p29)

(3) 同一の人から提供された精子・卵子・胚の使用数の制限

○ 同一の人から提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療を受けた人が妊娠した子の数が10人に達した場合には、当該同一の人から提供された精子・卵子・胚を提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療に使用してはならない。(p42)

(4) 提供精子の採取、使用に当たっての感染症等の検査

○ AIDの実施に当たっては、提供精子からのHIV等の感染症の危険があることから、そうした事態を未然に防ぐため、提供精子の採取・使用に当たっては十分な検査等の予防措置が講じられるべきである。(p25)
○ 提供精子による体外受精の実施に当たっても、提供精子からのHIV等の感染症の危険があることから、そうした事態を未然に防ぐため、提供精子の採取・使用に当たっては十分な検査等の予防措置が講じられるべきである。(p26)

(要検討事項)
⇒どのような感染症について提供者の検査を行うか?

⇒卵子提供者の感染症の検査を行う場合、卵子凍結が技術的に確立していないため、検査により感染が判明しない期間(ウィンドウ・ピリオド)を考慮した感染症の検査が困難であるが、これについては、提供を受ける者のインフォームド・コンセントを得ればよいこととするか?

⇒感染症のほかに検査すべき項目はないか?

⇒上記の検査の結果を提供者に知らせるか?

(2)精子・卵子・胚の提供に対する対価の条件

⇒(参考)日本産科婦人科学会会告「「非配偶者人工授精と精子提供」に関する見解」6.(p112、113)

○ 精子・卵子・胚の提供に係る一切の金銭等の対価を供与すること及び受領することを禁止する。ただし、実費相当分については、この限りでない。(p30)

(要検討事項)
⇒「実費相当分」として認められるものの具体的な範囲をどのように設定するか?
 (交通費、通信費のほかにどのようなものを実費相当分に含めるのか?)

⇒「実費相当分」の金銭等のやりとりの方法はどのようにするか?
 (医療施設が提供者に支払い、その医療施設が提供を受ける者から徴収するのか?提供者と提供を受ける者の直接のやりとりを認めるのか?)

※ 他の夫婦が自己の体外受精のために採取した卵子の一部の提供を当該卵子の採卵の周期に要した医療費等の経費の半分以下を負担して受け、当該卵子を用いて提供卵子による体外受精を受けることも認める。(p29)

○ 他の夫婦が自己の体外受精のために採取した卵子の一部の提供を受けて提供卵子による体外受精を行う場合に、卵子の提供を受けた人が当該卵子を提供した人に対して、当該卵子の採卵の周期に要した医療費等の経費の半分以下を負担することは、他の方法による卵子の提供に際して当該卵子を提供する人にかかる医療費等の経費を当該卵子の提供を受ける人が負担することと本質的に相違はないものと考えられる。(p30)

(要検討事項)
⇒他の夫婦が自己の体外受精のために採取した卵子の一部の提供を受けて提供卵子による体外受精を行う(卵子のシェアリング)場合に、卵子の提供を受けた人が当該卵子を提供した人に対して負担する「当該卵子の採卵の周期に要した医療費等の経費」の具体的な内容はどのように設定するか?
○ 卵子のシェアリングの場合に、卵子の提供を受けた人が当該卵子を提供した人に対して負担する「医療費等の経費」には何が含まれるのか? 精子・卵子・胚の提供に対する対価の条件において認められる「実費相 当分」と同じとするか?
○ 卵子のシェアリングの場合に、卵子の提供を受けた人が当該卵子を提供した人に対して負担する「医療費等の経費」は実費とするか?標準的 な医療費等の経費から経費を一律に設定するか?
○ 排卵誘発・採卵までの経費とするか?提供する夫婦の胚の凍結や胚移植にかかる経費も含めるか?

⇒卵子のシェアリングの場合に提供する卵子の数(又は割合)はどうするか?
 (採卵された卵子の数の半分以下とするか?提供者が決めることとするか?
また、採卵された卵子の数が少なかった場合にはどうするか?さらに、卵子のシェアリングの場合に、卵子の提供を受けた人が当該卵子を提供した人に対して負担する「医療費等の経費」の額は、提供を受ける卵子の数(又は割合)に比例させるか?)

⇒卵子のシェアリングの場合に提供する卵子の選別を認めるか?
 (選別は認めないこととするのか(ランダムに選別するのか)?卵子の質などにより提供者が選別できることとするのか?また、卵子の質により卵子の提供を受けた人が当該卵子を提供した人に対して負担する「医療費等の経費」の額に差異を設けることを認めるのか?)

(3)精子・卵子・胚の提供における匿名性の条件

⇒(参考)日本産科婦人科学会会告「「非配偶者人工授精と精子提供」に関する見解」5.(p112、113)

(1) 精子・卵子・胚の提供における匿名性の保持 (p31)

○ 精子・卵子・胚を提供する場合には匿名とする。

(2) 兄弟姉妹等からの精子・卵子・胚の提供 (p31)

○ 精子・卵子・胚の提供における匿名性の保持の特例として、精子・卵子・胚を提供する人が兄弟姉妹等以外に存在しない場合には、当該精子・卵子・胚を提供する人及び当該精子・卵子・胚の提供を受ける人に対して、十分な説明・カウンセリングが行われ、かつ、当該精子・卵子・胚の提供が生まれてくる子の福祉や当該精子・卵子・胚を提供する人に対する心理的な圧力の観点から問題がないこと及び金銭等の対価の供与が行われないことを条件として、兄弟姉妹等からの精子・卵子・胚の提供を認めることとする。
○ 兄弟姉妹等から提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療を行う医療施設は、その実施内容、実施理由等を公的管理運営機関に申請し、当該生殖補助医療が上記の要件に則して行われるものであることの事前の審査を受けなければならない。

(要検討事項)
⇒兄弟姉妹等からの精子・卵子・胚の提供を認めるか?

⇒兄弟姉妹等からの精子・卵子・胚の提供における公的管理運営機関の審査基準を具体的にどのように設定するか?

(4)精子・卵子・胚の提供者と提供を受ける者との属性の一致等の条件

⇒(参考)日本産科婦人科学会会告「「非配偶者人工授精と精子提供」に関する見解」4.(p112、113)

○ 提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療を行う医療施設が当該生殖補助医療を受けることを希望する夫婦に説明すべき具体的な事項としては、当該生殖補助医療に係るリスクの可能性、当該生殖補助医療の成功の可能性、当該生殖補助医療に要する費用、当該生殖補助医療により生まれてくる子の血液型などを当該生殖補助医療を受ける夫婦に合わせることができない場合もあること、当該生殖補助医療により生まれてくる子の法的地位、当該生殖補助医療のために精子・卵子・胚を提供する人の匿名性、当該生殖補助医療により生まれた子は、公的管理運営機関への申請により、自己が当該生殖補助医療により生まれたことを知ることができることを含めた当該生殖補助医療により生まれてくる子の出自を知る権利などが考えられるところである。(p38)

(要検討事項)
⇒精子・卵子・胚の提供者と提供を受ける者との属性を合わせるか?また、合わせる場合、どこまで合わせるか?
 (血液型(ABO式血液型、Rh式血液型等)等)

⇒属性以外の提供を受ける者の希望に応えるか?また、応える場合、どこまで応えるか?
 (第2子や第3子も同じ提供者から提供してほしい等)

(5)その他の条件

(1) 提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療により生まれた子が知ることができる提供者の個人情報の範囲(p48)

○ 提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療により生まれた子は、成人後、その子に係る精子・卵子・胚を提供した人に関する個人情報のうち、当該精子・卵子・胚を提供した人を特定することができないものについて、当該精子・卵子・胚を提供した人がその子に開示することを承認した範囲内で知ることができる。
○ 当該精子・卵子・胚を提供した人は、当該個人情報が開示される前であれば開示することを承認する自己の個人情報の範囲を変更できる。
○ 提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療により生まれた子は、上記に関わらず、自己が結婚を希望する人と結婚した場合に近親婚とならないことの確認を求めることができる。

(要検討事項)
⇒ 提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療により生まれた子の出自を知る権利として、生まれた子が知ることができる提供者の個人情報の範囲をどのように設定するか?

(2) 提供者が死亡した場合の精子・卵子・胚の取扱い、提供された精子・卵子・胚の保存期間

⇒(参考)日本産科婦人科学会会告「「非配偶者人工授精と精子提供」に関する見解」4.(p112、113)

(要検討事項)
⇒提供者が死亡した場合の精子・卵子・胚の使用について取り扱いを決めなくてよいか?

⇒提供された精子・卵子・胚の保存期間についても具体的に期間を決めなくてもよいか?

(参考)

「第三者の配偶子提供等による生殖補助医療のあり方に関するたたき台」(抄)
  (生殖補助医療技術に関する専門委員会ワーキンググループ作成)
   (平成12年6月6日作成。同年10月3日最終改訂)

B 本論

1 第三者の配偶子提供等による各生殖補助医療の是非等について

(4)配偶子の処分

  • 精子並びに卵子は本人の死亡により廃棄される。
(5)胚の処分
  • 配偶子の由来する両者の合意により、余剰胚を提供することができる。
    提供胚の保存期間は5年か10年とする。提供した胚は、使用前であれば配偶子の由来する両者の合意により提供の撤回ができ、いずれか1人の申し出があれば廃棄できる。


御意見募集で寄せられた意見(平成13年8月25日〜9月12日)

受付番号33
受付日平成13年8月26日
年齢34歳
性別男性
職業放送作家
氏名匿名化希望
所属団体匿名化希望
この問題に関心を持った理由  代理出産について真剣に考えている夫婦です。
 少数である私たち患者の気持ちを少しでも分かっていただければと思い、代理出産を考えるに至った経過を妻の手紙としてメールしました。参考にしていただければ幸いです。

御意見
前略
 今、窓の外では幼い子供たちの笑い声、お母さん方の楽しげな会話が聞こえています。
本当ならば、今頃は私もあの輪の中に入り、一緒に話をしたり、笑ったり、相談をしながら過ごせるはずだったのに…と思うとこの夕暮れ時は辛く悲しい時間になってしまいました。
 私は昔から子供が大好きで、夫のプロポーズの返事をするときも、「あなたの子供が産みたい」と言って伝えた位です。
 結婚してしばらくは、夫の仕事も忙しく、子供をつくりたくてもなかなかタイミングが合わない日々が続きました。そして3年が経ち、諦めていた時、神様はやっと私の願いを聞き入れてくれて、赤ちゃんをお腹の中に授かることが出来たのです。
 妊娠2ヶ月になるかならないか、普通なら気がつかない位の時期…でも私はすぐに気がついたんです。それほど、子供を望んでいました。嬉しかった、楽しかった、お腹が少しずつ、大きくなり、母親になることが何より幸せでした。母性というのでしょうか、身体も心も日々、満たされていました。そして妊娠9ヶ月に入った時のことでした。何気なくテレビをつけたら、タレントの向井亜紀さんがガンで子宮を摘出したという会見を開いていました。その時、私は彼女の悲しい決断を聞き、涙が止まりませんでした。あの涙を今度は自分のために流すことになるとは思わずに…
 それは突然でした。
 平成12年12月24日の夜。翌日、女友達とクリスマスパーティーの約束をしていた私はクリーニングを取りに行こうと外にでたのですが、その時、急にお腹が何となくだるくなりました。でも9ヶ月までは特別変わった様子はなく、お腹の子供は順調に(逆子には一度なりましたが)育っていたのであまり心配することもなく近所の店にクリーニングを取りにいきました。しかし家に帰ると腹痛が襲い、陣痛かと思った私は様子を見るため暫くその場にうずくまり、我慢をしました。でも何分たっても腹痛は治まらず、異常を感じたため通院していたA病院に連絡し、夫とともに向かいました。
 診察してくれたのは女医さんでした。超音波をあて、子供の心音を聞こうとしていました。心音は聞こえませんでした。何度、聞いても聞こえませんでした。悲しい言葉が私と夫に伝えられました。「えっ、さっきまでクルッて、お腹の中で動いていたのに…」 気が動転して、何がなんだか分からなくなりました。
 女医さんは自分では手術できないから、明日の午前9時に別の先生がくるから、もう一度診てもらうわね、と言いました。帰りたい、死んでいるとしても、愛する人との大切な子供、病院にいても何もしてもらえないなら、家に帰り、少しでも子供と夫と一緒にいたい、と思いました。“帰りたい、帰りたい”お腹はずっと痛かったけど、その言葉だけが口から出ました。「何があっても知らないから…」女医さんのその言葉は、なぜか鮮明に覚えています。
 そして一時退院ということで女医さんは外出の許可を出してくれました。でも帰宅して2時間経ってもお腹の痛みは治まることはなく、ピンク色の出血を確認したため、また病院へ戻りました。夫と一緒に廊下を歩いて、出来る限りの小走りで産婦人科の治療室に向かいました。
 「先生、少し出血があったので戻ってきました」「だから言ったじゃない」と女医さんは冷たく言って、診察室へ連れて行かれました。
 診察台に上がって、内診を始めると女医さんは「まだ子宮口が4mmしか開いてないわね。ちょっと待って」と言いながら、自分の手をぐっと膣に入れてきました。「あら、この位入ったわ。大丈夫かも?」とつぶやきました。これは今でもどういう意味か分かりません。
その後です。急に私はトイレにいきたくなりました。尿ではなく、何ともいえない、何かが出るという不安感…思った通り、トイレに行った途端、血の塊がどっと出てきました。
怖かった。そして、小さな病室に連れていかれました。それからはうっすらとした記憶しかありません。
 夫や両親に後で話を聞いただけですが、その後、血が止まらなくなる病気と、胎盤剥離という病気の合併症になり私自身、死ぬか、生きるかの大変危険な状態になったそうです。
でもなぜかA病院ですぐに手術をすることは出来ないとのことで、女医さんはA病院と関係の深いB大学病院に連絡したそうです。それから20分、30分経っても一向にB病院からの返答はなく、夫は女医さんに「返事はまだなんですか、返事がないなら、なんで別の病院に電話してくれないんですか…」と言ったそうです。すると女医さんは「病院同士の事情があるから」と語り、結局、B病院では手術できないと分かった後で、ようやくC医大に連絡してくれたそうです。
 C医大では「このままでは何もせずとも患者さんは亡くなってしまう。出来るだけの事はやりましょう」と夜間緊急の手術を受け入れてくれました。
 緊急オペ室に入る時、私はC医大の先生の白衣を掴み、叫びました。子宮だけは、子宮だけはお願い、残して。愛する人の子供を産みたいから、お願い子宮だけは残して…って、意識が薄れる中でも、それだけは伝えなきゃ、伝えなきゃと無我夢中でした。麻酔が覚めて、夫や両親が私の顔を見ながら笑顔でピースをしていました。
 生きていたんだ、私、笑顔の中にも心の中の私は子宮の事が気になって、気になって、でも聞くのが怖かった…
 集中治療室で1日、2日、3日目くらいの時、若い女の先生に無理に私の身体の事を聞きました。「あの時は子宮を取らなかったら、あなたの命が危なかった。残念だったけど、どうしようもなかったのよ。」と先生は言いました。私は「はい、先生。わかりました。先生、無理に聞いてごめんなさい。先生も言う時期とか考えてくれていたと思うのに、ごめんなさい。無理に聞いて」と言って、それから笑っていました。なるべく泣かず、がんばって、夫以外の人の前では笑ってました。
 いま思うと、きっと現実でも現実としての実感がなかった。現実から遠くに心を持っていこうとしていたのかも知れません。C医大の先生には、今でも感謝しています。命を救ってくれたのもありますが、卵巣を残してくれたのです。希望を残してくれたのです。何もせず、受け入れてくれなかった病院。がんばって自分の足で行っても、何もしてくれなかった病院。いろんな病院がある中で、C医大は一生懸命、命を救うために頑張ってくれたと思います。
 12月24日に手術をした後は、入院病棟が産婦人科という事もあり、精神的なことも考えて、年内に退院させてくれました。退院した後は身体の方も少しずつ回復に向かい、今では普通の人と同じ生活を送っています。でも身体の回復とは別に、精神的なつらさ、現実の悲しみをとても強く感じています。
 道を歩いている女性、年輩の女性、小さな虫までも私が今もう出来ることのない力を持っているかと思うと、自分の女としての無力感。生理がこないと分かっていて、トイレに汚物入れを置いておきたいという小さな女の見栄…辛いです。辛かったです。夫に“外で子供を作ってきて、いつでも離婚してあげるね“と言った事もあります。夫を愛していても、愛する人が父親になることが出来ない。私が妻だから…悩んだあげくの言葉でした。
でも夫は“バカいうな、お前の子供だから欲しいんだよ”と言ってくれました。嬉しかったけど、悲しい、辛い言葉でした。
 先生にこのような手紙を書いて、きっと普通の当たり前の生活を送っている人々は、“神の領域を越えて、何を言っている。何を考えているんだ”と言うと思います。でも、その神から与えられた最大の、そして当たり前の喜び、幸せを一瞬になくした私はどうすればいいのでしょうか?方法があるのなら、その方法にかけてみたい。かけてみたいと思う私は、おかしいのでしょうか?
 愛する人と、愛する人の子供と一緒に生きたい。
 私を守り、亡くなった子供のためにも、新しい命をもとめる私はいけないのでしょうか?


受付番号34
受付日平成13年9月3日
年齢不明
性別不明
職業不明
氏名不明
所属団体不明
この問題に御関心をお持ちになった理由不明

御意見
 子供ができない人の幸せになる方法をうばってはいけないと思うのです。
 代理出産:代理する人が3親等内なら可


受付番号35
受付日平成13年9月10日
年齢37歳
性別女性
職業会社員
氏名匿名化希望
所属団体匿名化希望
この問題に御関心をお持ちになった理由自分たち夫婦が不妊のため、不妊治療を受けたため。

御意見
 題名:精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療に関する意見
 不妊治療に関する議論の中で、常に倫理観とかが問題になっていますが、それはほんの一部のことであり、もっと本質的なことを議論してほしい。
 特に、不妊に知識のある人たちが関わって議論していることが分かるが、本当に当事者からの意見を聞いたことがあるのでしょうか?
 不妊治療を受けてまでも子どもがほしいという願いを聞いたことが…今は、実の子どもでさえ、簡単に親が虐待をしたり、殺したりしています。
 倫理観というのはこうした人たちの方が必要な気がします。
 それから実際に不妊治療を受けてみて、その費用が高額なことがネックです。
 高齢者対策ばかりに目が行っていて、実際これから日本の将来を担っていく子どもたちが減っているのは確か。そういう意味でも、不妊治療に対する保険適用や補助を考えて欲しい。
 交通費から治療費まで含めると何百万もかかります。
 今回は一不妊経験者からの意見ですが、実際不妊治療の結果子どもを持ってみて、非常に良かった。
 先日慶応大学の調査報告が出ていましたが、私たちもそれに回答した一人です。  こんな率直な意見を是非汲み取って欲しいと思います。


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審議会議事録  厚生労働省ホームページ