しかしながら、年次有給休暇の取得率は48.8%(平成25年)と5割を下回っています。
全体の約3分の2の労働者は、年次有給休暇の取得にためらいを感じています。
※資料出所:労働時間等の設定の改善を通じた「仕事と生活の調和」の実現及び特別な休暇制度の普及促進に関する意識調査(平成26年)
仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現のためには、労働時間や休日数、年次有給休暇の取得状況など、従業員の健康と生活に配慮し、多様な働き方に対応したものへ改善することが重要です。
経営者の主導のもと、取得の呼びかけなどによる年次有給休暇を取得しやすい雰囲気づくりや、
労使の年次有給休暇に対する意識改革をしましょう。
年次有給休暇の取得状況を確認するとともに、取得率向上に向けた具体的な方策を話し合いましょう。
■年次有給休暇の「計画的付与制度」とは
年次有給休暇の付与日数のうち、5日を除いた残りの日数については、
労使協定を結べば、計画的に年次有給休暇取得日を割り振ることができる制度です。
この制度を導入している企業は、導入していない企業よりも
年次有給休暇の平均取得率が8.1ポイント高くなっています。※
この制度を導入することによって年次有給休暇が取りやすくなると考えられます。
※平成25年就労条件総合調査
全従業員に対して同一の日に年次有給休暇を付与する方法。
製造部門など、操業を止めて全従業員を休ませることのできる事業場などで活用されています。
班・グループ別に交替で年次有給休暇を付与する方法。
流通・サービス業など、定休日を増やすことが難しい企業、事業場で活用されています。
年次有給休暇を付与する日を個人別に決める方法。
夏季、年末年始、ゴールデンウィークのほか、誕生日や結婚記念日など
従業員の個人的な記念日を優先的に充てるケースがあります。
日本では、盆(8月)、暮れ・正月(年末年始)に所定休日を設けるケースが多く、
これらの休日に計画的付与の年次有給休暇を組み合わせることで、大型連休とすることができます。
また、ゴールデンウィークについても、祝日と土曜日、日曜日の合間に年次有給休暇を
計画的に付与することで、10日前後の連続休暇を実現できます。
暦の関係で休日が飛び石となっている場合に、休日の橋渡しとして計画的付与制度を活用し、
連休とすることができます。例えば、土曜日と日曜日を休日とする事業場で祝日が木曜日にある場合、
金曜日に年次有給休暇を計画的に付与すると、合わせて4連休とすることができます。
都道府県労働局の「働き方・休み方改善コンサルタント」が、
電話相談や個別訪問により、働き方・休み方改善のためのアドバイスを行い、
あなたの会社のワーク・ライフ・バランスの実現をお手伝いします。
相談等は無料ですので、お気軽にお近くの労働基準部監督課(東京、愛知、大阪は労働時間課)まで
お問い合わせください。