妊娠・出産したら

人事担当者からのアドバイス

 女性の多い看護職においては、出産後の働き方に関心を寄せる方が多くいらっしゃると思います。病院をはじめとする医療機関では、月に数回の夜勤を行いながら24時間体制で患者さんのケアにあたっている看護職がほとんどです。そのため、「出産後も育児をしながら同じように働けるだろうか」と不安を抱く看護職が大半ではないでしょうか。

 ここでは、そのような不安を抱える看護職の皆様に、出産後も働き続ける上で大切となるポイントを2つ紹介します。

①近年、国の政策として、安心して育児を行うための制度が拡充しています。妊娠中は時間外労働や休日労働の免除、深夜業の免除等があります。出産後は、勤務調整を担う看護管理者や人事担当者などに積極的に相談し、出産後も働き続けられる環境を確保できるよう制度を上手く利用しましょう。ここでは看護職自身がサポートを受ける姿勢が大切となります。

②出産後、数年にわたり育児休業や深夜業の制限などの制度を利用した場合、その間に働き続けていた看護職と実力の差がつき、将来的に看護職としてのキャリアや報酬に影響を与えるのではないかといった不安があると思います。近年、病院をはじめとする医療機関において、週休3日制や夜勤回数の調整など、緩やかに通常の勤務へとステップが踏めるよう勤務体制を調整している所が増えてきています。
家庭もキャリアも大切にする環境が整ってきていますから、将来のキャリアは自分自身で切り開く姿勢を大切にし、”ワーク・ライフ・バランス”を実現してほしいと願っております。

どんな風に働いている?働く人のエピソード

【50代/女性】

 私は育児の際、身内でサポートできる者がいなかったため、日勤のみの勤務場所へ配置換えをしていただきました。勤務先には院内保育所があり、勤務先の保護者会等で保育に関する意見交換等もあったので働き続けられました。
【私のキャリア】
病院(500床以上)病院(300~399床)病院(400~499床)病院(100~199床)病院(200~299床)

【50代/女性】

 看護師3年目で結婚を機に病院を退職し、夫の転勤で全国を飛び回りました。その間常勤としては働かず、訪問看護や診療所などで非常勤として働きました。転勤が多かったので、妊娠、出産時は地元から遠く離れた場所で周囲に頼る人がいませんでしたが、職場で出会った同僚に育児の悩みを相談したり、アドバイスを受けたりして乗り切りました。今でもあのときの同僚に感謝しています。
 子どもが中学生になると時間に余裕が持てるようになり、病院で常勤として働くことができました。仕事も大事ですが、子どもが小さい間は家庭や子どもを優先したいと思っていたので、自分にあった仕事と働き方をその都度選択して、自分なりのキャリアを作り上げてきました。今後も同じように、定年退職後も働き続けたいと思います。

【私のキャリア】
病院(500床以上)訪問看護ステーション/看多機病院(100~199床)病院(100~199床)居宅介護支援事業所/通所介護事業所有床診療所病院(400~499床)

【50代/女性】

 子育てをすることで、看護師としてのキャリアは途中で途切れましたが、母親としての経験と人間的成長が、その後復職した病院で大いに役立ちました。
 看護師としてのブランクは、過ごし方によっては人間的成長のキャリアを積んでいる期間であると断言できます。

【私のキャリア】
病院(500床以上)病院(300~399床)