国立療養所菊池恵楓園

ハンセン病とは

希望の鐘

  ハンセン病は抗酸菌の一種であるらい菌の感染に伴い、この菌に対する抵抗力のない人にごくまれに発病する慢性感染性疾患です。皮膚、末梢神経、鼻腔・咽頭・喉頭粘膜、眼などに病変をきたすために四肢や顔面に様々な変形や機能障害を残し、昔から世界中の人々に忌み嫌われた病気でした。

  誤った病気の認識が偏見や差別を助長し、一般社会から病者を排除し隔離する施策が「らい予防法」のもとに正当化されるなど、本邦には病者の人権を無視した悲しい歴史があります。治療薬が開発された現在でも、ハンセン病患者の発生が多くみられる諸外国において同様に病者に対する偏見は大きく、「ハンセン病は治る病気です、早期に治療を受けて後遺症を防いで下さい、ハンセン病を差別しないで下さい。」と声をあげ続けなければならないのが現状です。



ハンセン病の治療

治療薬

  ハンセン病の多発する諸外国においては、WHO(世界保健機関)の指導で抗菌作用を持つ3種の薬剤を基本に多剤併用療法が無償で行われています。我が国においては「らい予防法」の廃止後、4種の抗ハンセン病薬が保険適用となり、一般医療機関の外来で治療を行うことができます。