パブリック・コメント  厚生労働省ホームページ

「食品衛生法施行規則(昭和23年厚生省令第23号)の一部改正
(食肉の表示の義務化)について」
に対して寄せられたご意見・情報について

平成13年8月14日
厚生労働省医薬局食品保健部監視安全課

 食品衛生法施行規則(昭和23年厚生省令第23号)の一部改正(食肉の表示の義務化)について 平成13年6月28日から7月31日までインターネットのホームページ等を通じてご意見・情報を募集したところ、6通のご意見をいただきました。
 お寄せいただいたご意見とそれらに対する当省の考え方につきまして以下のとおりご報告いたします。
 とりまとめの都合上、いただいたご意見は適宜集約しております。

いただいたご意見 1
 「中心部まで十分に加熱して食べる旨」を表示するにとどめ、具体的な加工方法は表示するべきではない。理由としては、新たな加工技術が開発される度に法改正が必要になるかもしれないこと、また、テンダライズやタンブリング等の専門用語はなじみが薄いため、消費者に混乱を生じさせるだけであるので、分かり易い表現を用いて表示すべき。

 頻繁に規則改正を行うことや専門用語を用いることは、消費者に混乱を生じさせることとなり、適当ではないと考えています。このため、具体的な表示の記述内容については、頂いたご意見を参考に検討していきたいと考えています。

いただいたご意見 2
(1) 「小売店が、当日にその日の販売見込み量の限度内においてあらかじめ容器包装に入れて店頭に陳列しておくことは、客の見込みに応じて量り売りをすると考えられるので、当該容器包装には表示をしなくても差し支えない。」という解釈は、この表示義務化に関しては適用外とするか、少なくとも店頭におけるポップ表示などで十分加熱する必要がある旨を情報提供する必要があると考えます。

(2) 表示の義務化とともに、「テンダライズ処理等を行った食肉は、中心温度75℃、1分間以上加熱する。」という調理基準を設けることで、より食中毒予防が図られると考えます。

(3) 食肉を原因とした腸管出血性大腸菌O157食中毒は、テンダライズ処理等が行われた食肉の他、食肉を生食したことが原因で発生する事例も多いことから、生食用食肉の表示及び規格基準の設定も急ぎ実施すべきと考えます。

 量り売りの場合は、表示が困難なことから現行の規制においても対象外となっていますが、販売者が何らかの方法により、必要な情報を消費者に伝えることが重要であると考えています。
 また、厚生労働省ホームページにO157Q&Aを掲載し、食肉等の加熱方法を示すとともに、生食用食肉については、食中毒事件の未然防止の観点から、「生食用食肉の衛生基準」に基づき関係営業者への指導の徹底を図っています。

いただいたご意見 3
 食肉を摂取することは食肉への加工の強弱に限らず危険性は伴うので、食肉は本来加熱して摂取すべきであるとの消費者への啓蒙活動を行っていただきたい。

 子供や高齢者に加熱不十分な食肉を食べさせたことにより腸管出血性大腸菌O157感染症を発症し、重症化した事例が報告されていることから、これらの年層は、特に十分加熱した食肉を摂取するよう都道府県等を通じて、消費者に注意喚起するとともに、予防に必要な情報を厚生労働省ホームページ「O157Q&A」に掲載しています。

いただいたご意見 4
 O157食中毒防止を図ることが表示義務化の目的であるので、食肉全般ではなく、O157存在の可能性が高い「牛肉」のみを対象とするべき。

 O157は、鳥や豚からは、ほとんど検出されていませんが、カンピロバクター、やサルモネラ菌等の他の食中毒菌が検出される場合があることから、牛肉と同様に消費者に対して注意喚起することが必要と考えています。

いただいたご意見 5
 ハンバーグ、挽肉、味付け肉などは表示の対象となりますか。

 外観上、通常の食肉と区別することが困難であり、かつ食肉の中心部まで細菌汚染が拡大するおそれのあるテンダライズやタンブリング処理等が行われた食肉を対象とすることとしています。

いただいたご意見 6
 表示義務化の問題以前に、食肉、特に牛が腸管出血性大腸菌O157に汚染されることを未然に防ぐことが極めて重要であると考えます。今日の状況からするとと畜場でのHACCPシステムの導入や食肉の定期的O157検査等の監視強化必要です。検査の結果O157が検出された場合には、原料の食肉まで遡って管できるようなシステム及びO157が検出された食肉処理場は、清浄に戻るまで間、それらの原料を生食用に使用できない旨の強制措置を講じることが必要と考ます。

 と畜場では、平成8年のO157の集団食中毒事件の多発を踏まえ、O157が存在するとされる家畜の腸内容物や体表面の汚染物に食肉が汚染されることのないよう、と畜場法に基づく処理や消毒方法、施設設備の基準を改正しました。
 O157を原因とする食中毒発生時には、遡り調査を実施し、原因を究明しています。また、原因となった施設は、施設や設備の消毒等の作業を行うよう営業停止等の措置が執られるため、これらの作業が終了するまでの間は、調理等の作業は行えません。
 また、O157が検出された食肉が生食用として販売された場合は、食品衛生法違反として取扱われ、販売等の禁止措置が執られます。


トップへ
パブリック・コメント  厚生労働省ホームページ